人狼議事


10 冷たい校舎村9

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【人】 架空惑星 レン

 
 深呼吸を二度。
 それから、黒板に一度だけ戻って、
 チョークで何やら書き足せば、俺は、

 この世界の出口に繋がっている
   “住み慣れた家” の扉を開ける。


      『 ただいま 』


     それを迎えた声は、たったの1つ
     俺の、全然知らない女の声だ。
 

(479) 2021/06/13(Sun) 23時頃

【人】 架空惑星 レン

 
 住み慣れた家、住み慣れた玄関
 学校の廊下を踏み出したはずの俺の足はさ
 何故か今、土足のまま、自宅の廊下を歩く。

 こんなにうちの廊下長かったかなー
 まあいいや、こんなもんだろ

 そんなことよりさ。

 
    あんた誰だよ
    ああいや嘘、ごめん
    知ってんだ。だって。
    俺に、よく顔が似てるから。
 

(480) 2021/06/13(Sun) 23時頃

【人】 架空惑星 レン

 

    『 似てる? 』

   知らない女は
   知らない顔で、俺に振り向く
   
  『 あんた今ひどい顔してる 』  

   あんたなんかに、似てないよ
   ここは、私の家だから

   あんたは一体何しに来たの?

   知らない女は
   知らない顔で、俺に云う

 

(481) 2021/06/13(Sun) 23時頃

【人】 架空惑星 レン

 

 だって、俺は、
 そう言いかけてから

 自分がどんな顔してたのか、忘れちまった
 自分がどんな暮らしをしていたのかを
 自分がどんなふうに生きてきたのかを

 
    階段を駆け上がる
    自分の部屋がそこにはあるはずで
    そこにはちゃんと
    18年間の俺の、俺、おれ、オレは

 

(482) 2021/06/13(Sun) 23時頃

【人】 架空惑星 レン

 

  なあ 本当の俺ってどんなやつだっけ?

 

(483) 2021/06/13(Sun) 23時頃

【人】 架空惑星 レン

 
 自分の部屋の扉を開ければ、がらんどう
 姿見がひとつさ、置かれていて
 俺、自分の顔、見たわけ。


   ──── 顔が、無かった


 目も鼻も口も、もちろん眼鏡も
 なあんもない、真っ白なのっぺらぼうの人形


      『 ああ。そうか
        これは、今までの俺だ。 』
 
 

(484) 2021/06/13(Sun) 23時頃

【人】 架空惑星 レン

 
 俺はさ、
 いつだって笑っていたかった
 だけど怒るときだってあったし
 泣き顔だって見せられるようになった

 そんな泣き顔を、悪くないなんて
 言われたことだってあったんだぜ

 知らねえのかよ、
 もう俺、こんな酷い顔じゃない。

 大丈夫。最後に笑わせてやるからさ。
 

(485) 2021/06/13(Sun) 23時頃

【人】 架空惑星 レン

 

   カチカチカチ、と
   傍らから拾ったカッターナイフ
   使い慣れない刃物を俺は手にする
   使い慣れない刃物で俺は顔を削る

   がり がり がり

   痛ぇなあ
   笑顔を作るのってさ、
   こんなに痛ぇんだっけ

   がり がり がり

   痛ぇ、まじで痛ぇ
   しかもあんまり上手くねぇなあ

 

(486) 2021/06/13(Sun) 23時頃

【人】 架空惑星 レン

 

   がり がり がり
  
   くっそ痛くて手が震える
   こんなに痛えなら、傷つけるのを辞めたい。
   こんなに痛えなら、笑うのを辞めたい。

   だけどさ
   のっぺらぼうのまんまじゃ
   みんなに引かれちまうだろ
   
   笑ってる鳩羽憐が、望まれてるんだろ
   笑ってる鳩羽憐を、俺が。望んでんだろ
  
   なあ。今までの 俺。

 

(487) 2021/06/13(Sun) 23時頃

【人】 架空惑星 レン

 

  『 憐れだなあ 』

 

(488) 2021/06/13(Sun) 23時頃

【人】 架空惑星 レン

 

  出来上がった顔がさ
  あまりに酷い出来だったから
  俺は、思わず、泣いたよ。

  もう、血しかさ、出ねえけど。
   
  痛みに耐えて、血の涙を流して。
  それでも無理やり笑顔を作って。
  本当の俺はのっぺらぼうだ。

  だけどさ。
  そんな俺とはもう、サヨナラ。
  あまりの痛さに意識が薄れてきたんだ。
  そろそろさ、俺、行かなくちゃいけない。

 

(489) 2021/06/13(Sun) 23時頃

【人】 架空惑星 レン

 
  大丈夫、安心してほしい。
  今そこで死んでるのは俺じゃないよ。

  のっぺらぼうだった頃の俺。
  痛みに耐えて、泣かないふりして、
  カッターナイフで笑顔を作っていた頃の俺。

  誰かの頭の中に、置いていってごめんな。
  こんな俺でも、覚えていてくれたらさ、嬉しい。
  俺だって、ずっと覚えてるからさ。

  今までだって、これからだって。
  写真の中に、たとえ写ってなくたって。

  本当の俺はさ、そろそろ、行ってくるわ。
  戦わなくちゃいけない現実に。
  たったひとつの、未来に繋がる扉を開けて。
 

(490) 2021/06/13(Sun) 23時頃

【人】 架空惑星 レン

 

 どうか、本当に好きなひとに好かれますように
 どうか、本当の好きを見つけられていますように
 どうか、好きな生き方で自由に息ができますように
 どうか、──────────。


 どうか、偽らずに、本当に好きなものを。
 誰かの代わりなんかじゃなくて、自分のものとして、
 ずっとその手の中に、たくさん収めていけますように。


     俺にもさ、ちょっとくらい祈らせてよ。

 

(491) 2021/06/13(Sun) 23時頃

【人】 架空惑星 レン

 

   向き合いたいんだ、
   自分と。家族と。誰かと。

   寄り添いたいんだ。
   誰かに。家族に。自分に。

   こんなさ、酷い顔じゃあなくって
   ホンモノの顔のほうがさ
   もっと格好良く、笑えるだろ?
   もっとちゃんと、祈れるだろ。

 

(492) 2021/06/13(Sun) 23時頃

【人】 架空惑星 レン

 

     ああでも、もし赦してくれるなら
     それでも、時々、泣きたいな。
     そしたら誰か、傍にいてくれるかな。

 

(493) 2021/06/13(Sun) 23時頃

【人】 架空惑星 レン

 
  当たり前の日常を、いつもどおりに。
    それでも懸命に息をしている、誰かとか。
  
  助けてって手を伸ばすことを
    いまも、ためらっている、誰かとか。

  クラスのことを誰よりも想って
    まっすぐ正し、導いてくれる、誰かとか。

  きっと今頃、本当の「すき」と
    ようやく向き合うことができた、誰かとか。

  楽しい時も悲しい夜でも、
    一番近い場所で共感してくれる、誰かとか。

 ─── ううん。
     ここで共に過ごした9組のやつらなら
     誰が隣に居てくれたって、うれしいな。
 

(494) 2021/06/13(Sun) 23時頃

【人】 架空惑星 レン

 

  キーンコーンカーンコーン…………


    冷たい校舎が また動く
    時計の針が、ひとつ進む音を聞く
    刻まれただけの作り物の笑顔では
    光の先の誰かの姿は、映せない。
    
    それでもホンモノの俺はきっと、
    動き出した未来で、待ってるよ。

 

(495) 2021/06/13(Sun) 23時頃

【人】 架空惑星 レン

── 残された冷たい校舎で ──

[ 3−9の扉の外に、土足の靴の跡が続いている。
  それは三階へ向かう階段へと伸びており、
  階段の先の教室へと続いている。

  文化祭では衣装部屋として使われていたのだろう
  殺風景な教室の中に、姿見が1つ置いてあり
  その手前で、鳩羽憐は倒れている。

  制服、裸足に上履き、いつもの姿。
  眼鏡はどこにもなくて、勿論土足じゃない。
  のっぺらぼうの顔には、刃物で目と口を模した
  あまり上手ではない「笑顔」が刻まれている。

  眦から溢れた大量の血液が、涙のように、
  床を、濡らしていた。
  傍らには、カッターナイフが落ちている。 ]
 

(496) 2021/06/13(Sun) 23時頃

【人】 架空惑星 レン

 
[ それからもう一つ。
  3-9の教室の黒板の目立つ場所に
  ひとつだけ「寄せ書き」が増えている
  目立ちたがりの誰からしい、
  やたら主張した、綺麗じゃない字。
  署名はなくとも誰のものかは、すぐ判る。

  
  『 じゃあな、いってくる! 』


  そしてその言葉の意味を知っている友は、
  この世界には、おそらくもう、居ない。 ]
 

(497) 2021/06/13(Sun) 23時頃

【人】 架空惑星 レン

 

[ もしも8:50にさ、
  その部屋に誰かがすでに居たのなら
  多分「文字は急に現れた」はず。

  まるで今までそこに誰かがいたように。
  白いチョークが宙から落ちて、床を汚した。 ]**

 

(498) 2021/06/13(Sun) 23時頃

架空惑星 レンは、メモを貼った。

2021/06/13(Sun) 23時頃


架空惑星 レンは、メモを貼った。

2021/06/13(Sun) 23時頃



[ そう。図太いひと。
  これだけ大掛かりに死ぬよーって宣言して、
  あんなメールまで残しておくような。

  ともかく、そんな話をしていたらしい。
  もうあそこから醒めてしまったから
  そんな話は出来ないかとも思ってたけど、
  ばっちり全部覚えているものだから。

  よかった、とも、どうとも取れる。]
 




  炭蔵くんの泣き顔?
  それはレアだね、是非写真に残さないと。
  ……まだあそこに居るんだろうけどさ。

  まあ、それはそうだと思う。
  ゆっくりゆっくり、形を変えていたし。
  世界にも受け入れられる上限があったりする、
  そういうことなのかもね。


[ さて。死んだけれど、殺した、とも言った。
  驚かれるのも無理は無いだろう
  けれどたしかに私は殺したのだから、
  くすくす笑って、お茶を濁しておくだけ。]
 




  ただの夢では無いだろうし。
  やっぱ、苦しい目にあってこっちにきたんだ。

  それでも死んだけど死んで無いって、
  変な感じするよね、……。


[ ちゃんと答えてくれてよくできました。
  なんて、じっと向井くんの指の先を
  なんとなく見ながら、

  いつか話した言葉について言われれば、顔を上げ]
 




  ああ、そんなことも言ったね。
  なんだかもうそれすら懐かしいけど。

  そっか。やっぱり虚しかったよね。


[ 淡々と。泣きそうにもなくそう言う姿に
  吹っ切れちゃってまぁ、なんて思いつつ。
  泣いてくれてもよかったんだけどなあ。

  彼もまた、死ぬことで何か変わったのだろうか。]
 



  …… 私?
  私はずっと諦めて虚しくてだったからね。
  似たようなものだよ。
  頑張りたかった。でも無理だった。諦めた。

  向井くん、認めないで堪えて頑張ってたから。
  まあ、……ちょっと意地悪したくて?
  頑張るのやめちゃいなよー……ってさ。 
  頑張り続けるの辛いじゃん。 それだけ。


[ 我慢の皮が剥がれてぐちゃぐちゃになった
  素直なその下を見て見たかったから、なんて。
  そう、言うなれば引きずり下ろしたかっただけ。

  ただの意地悪だよ。ごめーんね、と。
  そこまで反省してない様子で言って。]




[ いきなり話題が変わっても、
  まあこれ以上は泥沼かもしれないからね。
  深入りしすぎない方がいいこともある。]


  ああ、食べてくれたんだ。
  それは良かった。……ありがとう。


[ この礼だけは、少しだけ黒い視線は
  和らいだものになって。
  やっぱり、ね。自分の作ったものだ。嬉しいから。

  飲み物を買ってくれると言うならば
  それに甘えさせてもらおう。]
 




  じゃ、カフェオレお願いしまーす。


[ 多分あった気がするから、と。
  雑な注文をひとつ投げかけて]*
 


[向井くんと茉奈ちゃんの会話を聞いている。
盗み聞きするような意図は無いから、耳を澄ましているわけじゃない。
聞こえた内容をただただ、聞き流している。

楽しいことだけを享受しようと振る舞ってきた私。
クラスの誰と誰がどんな秘密を共有しようと、介入できないものもある。
……女子グループって噂が早いし、聞き流し慣れてるってのもあるけどね。

だけど、あの世界で食べたもののことを聞けば、
釣られてしまう魚のようにそちらを向いてしまう。]



 パン……ケーキ……?

[何それ。食べてない。
いいなーと羨みの視線を隠さずに2人に向ける。]

 あ、クレープ美味しかったよ茉奈ちゃん。
 ありがと!

[こちらに帰る前日の夜にいただいたクレープのお礼を、
ちゃんとしていたか、し忘れていたか、
覚えていなかったので、改めて伝えよっか。]


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