23 あの春の廃校だけが僕らの学校だった。
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―カプセル内ー
[>>#0 何度目かのチャイムはモニタ越しに聞いた。
勝利者が願いを伝える声。>>0>>1>>2 無慈悲な機械音に、>>#10 失敗した……? 思わず目を細めたが
>>#13 旧世紀のRPGを彷彿させる場違いなジングルと。]
……っ
[小指の先に走る痛みで、 願いが成されたことを知る。]
(47) yunamagi 2023/04/30(Sun) 23時半頃
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運、て、また随分曖昧な……、 でも、上手くいったんだね …………皆、お疲れ様。
[幾らかの運を失った玲に、今度アイスでも奢ろう なぜかそんな気分を抱きながら
安心したように微笑んで、再び目を閉じた。*]
(48) yunamagi 2023/04/30(Sun) 23時半頃
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ヒイラギは、どこかに向けて手を振った
yunamagi 2023/05/01(Mon) 00時頃
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―外の世界―
[黒塗りの車で連れていかれた先の病院は、 組織の息のかかった場所だったのだろう。 不調の理由を問われることも 保険証の提出すら求められることもなく、 一通りの検査が行われて。
翌日には、退院した。 空を見上げる。]
……特に感動はないなあ。
[時間にすればわずか一日ぶりに見る本物の空は、 VRのものと、さほど出来栄えに 差があるように思えなかった。]
(80) yunamagi 2023/05/01(Mon) 14時半頃
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…………。
[交換した連絡先を自前のスマホに登録して メッセージ入力画面を開いた。 もう自由に出現/消失することもかなわない。 仮想の数日間ですっかり慣れてしまったから 不便に感じる。
けれど、すぐにこの現実にも慣れるのだろう。]
(81) yunamagi 2023/05/01(Mon) 14時半頃
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『 🐈 』
(82) yunamagi 2023/05/01(Mon) 14時半頃
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[反対向きのものがあればいいのに。 思いながらスタンプをひとつと。]
『 皆、元気だった? 』
『 僕は病院で調べてもらったけど 何ともなかったよ 』
『 野々花が落ち着いたら会おう 』
[―――――― それから。]
(83) yunamagi 2023/05/01(Mon) 14時半頃
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『 大事なことをいいそびれていて、 』
『 写真とか、出掛けたりとかは 勿論一緒にしたいんだけど 』
[迷う指先は、今になって躊躇う心が あったのでなくて、]
『 えぇと…… 』 『 僕とつきあってください 』
[直接会っていうべきなのでは? と逡巡したからだ。]
(84) yunamagi 2023/05/01(Mon) 14時半頃
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[――――送信。 肩掛けバッグをかけ直して まだ春の気配が残る街並みに向けて歩き出す。
自身の奥底に沈む痛みの記憶は きっと、これから何度となくぶり返すだろうけど。
道すがら街角のゴミ箱に、 受付でもらった琥珀のルースとパンフを放り投げて、 進む足取りに迷いはない。 それから、新しいスマホを手に入れるために 真っ直ぐ店の中へ入った。**]
(85) yunamagi 2023/05/01(Mon) 14時半頃
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[とにかくカメラ性能の高い機種を。 告げて、機種変更の間、店内を見るともなく眺める。
少し落ち着かない様子なのは、 店に入る前の着信が原因だ。>>91]
『 勿論。 』
[幸い、今いる所と野々花の自宅はそう遠くなかった。 待ち合わせ場所に近くの駅、時間は二時間後を指定して。 逸る気持ちと微かな緊張で、時間の流れが 早いのか遅いのかすら判別がつかない。]
(104) yunamagi 2023/05/01(Mon) 19時頃
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[キャリアショップを出てからも暫く間があった。 近くの店を幾つか見て廻り、時間を潰す。 ショーウインドウに映る姿は、あちらに居た時とは 髪色と眸の色の彩度が少々落ちる。 その程度の差異だ。]
…………。
[自身を通し"彼女"の姿を覗く。消えることのない"彼女"。 不思議と、胸が痛むことはなかった。 現実ではたった数時間の出来事を経ただけで。 "―――― 僕の全てだったのに。"
痛まない心臓 は、 しかし喜ぶべきことなんだろう。]
(105) yunamagi 2023/05/01(Mon) 19時頃
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でも、少し寂しいね。
[青空を仰ぐ。作り物ではない空。 早く野々花と会いたかった。]
(106) yunamagi 2023/05/01(Mon) 19時頃
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[約束の時間が近づいてくる。 何度目かの、到着のアナウンス。 この電車に彼女は乗っているだろうか。 それとも次の?
ホームを慌てて降りてはいないだろうか。 階段を駆ける足、転ばないように気をつけて欲しい。
呼吸。 息を弾ませる彼女を想像して。 改札を出てくる野々花を待ち受ける。
あともう少し。―――― あと。]
(107) yunamagi 2023/05/01(Mon) 19時頃
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―――――― 野々花。
[そうしたら、二人で空を見よう。 仮想世界で見た青空があんなに美しく映ったのは 彼女が傍にいたからだということを "僕は既に知っていた。"**]
(108) yunamagi 2023/05/01(Mon) 19時頃
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ヒイラギは、ゆっくりで大丈夫だよ**
yunamagi 2023/05/01(Mon) 19時頃
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え、あ、わ ……っ、
[>>119 筋力には自信がない。 しかし、飛び込むような勢いで駆け寄る野々花を 抱きとめることはできた。少しよろけてしまったが。
踏みとどまって、見上げる彼女の眸と目を合わせる。 本物の彼女。 滲んだ、空き込まれそうな眸。 こんなに綺麗な目をしていたんだ。 みるみるうちに、溢れる涙。]
(123) yunamagi 2023/05/01(Mon) 22時頃
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[涙の意味はわかっている。 自分も同じ気持ちだったから。
しかし、喜びのものとはわかっても、 しとど濡れる紅潮した頬に。 涙雑じり、途切れ途切れの声に。 嬉しさを唱え、自分の名を呼ぶ。彼女の―――― 。
逸る。気づけば強く抱きしめていた。]
(124) yunamagi 2023/05/01(Mon) 22時頃
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――――――――――――……。
[行き交う人の合間。 彼女を抱きしめたまま、 零れる涙の筋を辿るように唇を寄せた。
頬を流れる雫は彼女の唇をも濡らすから、 これ以上、零れ落ちてしまわないように。
掬う。温かい湿り。]
(125) yunamagi 2023/05/01(Mon) 22時頃
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[BGM代わりの騒めき は ひどく遠くて。
心臓の音のほうがずっと 近く強く響く。]
(126) yunamagi 2023/05/01(Mon) 22時頃
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[暫くして、ゆっくりと離れた。]
……前にも、泣かせちゃったよね。 あの時、一人にして後悔した。
[あの廃校の、2年の教室で。 壁越しで過ごした夜のこと。]
もう離れたくないと思った。 うん、これからよろしく。好きだよ。**
(127) yunamagi 2023/05/01(Mon) 22時頃
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[赤く染まる彼女の目許。 原因が流した涙ではないと分かるから、 微笑んで見つめることができた。
背景と化していた世界に音が戻ってきても、 彼女の声はひときわ、柊の耳と心を打つ。]
うん、時間なら大丈夫。 じゃあ公園デートしよう。
[あの廃校でも手を引かれたことがあったな、 思い出しながら頷く。 控えめで、可愛らしいのに芯が強い、 そんな彼女に惹かれたのだと再発見する気持ちで。]
(140) yunamagi 2023/05/02(Tue) 12時頃
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[公園。天気もよく、木々と緑をそよがせる風も心地よい。 桜は葉を残すのみだったが、ハナミズキは 仄かに色づいた花を咲かせている。]
天気いいね。あ、そうだこれ。 さっき野々花待ってる間、雑貨屋で買ったんだ。
[対になった猫のキーホルダーを取り出す。 それぞれ左右別を向いている猫の片方を差し出した。]
……ちょっと僕が使うには 可愛らしすぎる気もしたけど。
[少しバツが悪そうに肩を竦めて。]
(141) yunamagi 2023/05/02(Tue) 12時頃
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[それから、買ったばかりの携帯で写真撮影。
花咲く木の下で、花壇の前で、噴水の横で。 お互いを写したり、寄り添って一緒に取ったり 通り過ぎる人を呼び止めて撮ってもらったり。
少しはしゃぎ過ぎたかもしれない。]
休もうか。
[買った飲み物を手渡して、ベンチに座った。]
(142) yunamagi 2023/05/02(Tue) 12時頃
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………… 可愛いな。
[撮った写真を真剣な顔で確認しながら、 しみじみと感想を零す。隣にいる本人に目を向けて 可愛い、ともう一度、真面目な顔で頷いた。]
野々花はこれからどうするの? あ、今日の予定とかじゃなく……今後の話、
学校に通う?
[卒業認定書はもらっても、彼女はまだ二年生だ。 現実に帰還した彼女の行き先を尋ねる。**]
(143) yunamagi 2023/05/02(Tue) 12時頃
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[柔らかな午後の日差しが彼女を照らす。 まるで絵画のようだ。 葉と木々のシルエットが描き出す複雑な陰影の中で。 彼女の揺れる髪を、はためく服を、 まろい輪郭を、 徐々に寛いでいく野々花を 目の眩むような思いで眺めていた。]
うん、お揃い。 喜んでくれてよかった。
[彼女のことだからきっと喜んでくれるだろう そんな予感はあったが、想像以上の反応に
特に高価な品でもないのだ―― 少し気恥ずかしく、 しかしそれ以上に嬉しくなる。]
(152) yunamagi 2023/05/02(Tue) 17時頃
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あ、共有アルバム作ればいいね。 あとでやっとく。 ね、この表情、すごくかわいい。
[くすくすと笑いながらの、 紛れもない幸福な時間。
失ったと思っていたもの。]
(153) yunamagi 2023/05/02(Tue) 17時頃
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[学校に通うという彼女の声に、 しばらく耳を傾けてから頷いた。]
そっか、うん、それならよかった。 ………… まだ辛いだろうけど、 野々花ならきっと、乗り越えられると思う。
何かあったら、なくても、 いつでも僕を頼ってほしいな。 新しくできた友人たちも。
[仮想世界で出来た友達。学校での友人。 "誰かの妹"ではない、真っ直ぐな強さを備えた 七瀬野々花なら。 いつの日か、乗り越えることができるという 予感があった。]
(154) yunamagi 2023/05/02(Tue) 17時頃
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…… 僕は取り立てて やりたいことはないんだけど。
[今後を問う野々花に、首を少し傾けて 思案する顔になる。]
でも、大学に進学はするつもり。 来年に向けて予備校通おうと思って。
玲とか勉強できそうだから 教えてもらおうかな。
[最後は冗談めかして笑った。**]
(155) yunamagi 2023/05/02(Tue) 17時頃
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―公園―
[>>171 頭良い上にピアノ弾けて、 好きな子の願いまで叶えてあげるって、 本当、凄い男なんだよな、 彼との約束を思い返しながら頷いて。]
理系だったよ。 興味持てそうな分野が理系の方が、 多そうだったから、
と、教師にはいったけど、 コイントスして適当に決めた。
[正直に返答。 呆れられなけばよいが、ちらと野々花の様子を窺う。]
(196) yunamagi 2023/05/03(Wed) 11時半頃
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野々花は?
[学力にあまり差がなければ 同じ大学に通えるだろうか、そんな期待を抱きつつ 尋ねた。**]
(197) yunamagi 2023/05/03(Wed) 11時半頃
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[>>198 本当に。 目を丸くする野々花に、]
得意不得意な科目がないだけ。 成績は特に優秀じゃなかったよ。
[真面目に勉強すれば 点数を取ることは可能だと思うが、 良い成績を取ることに興味が持てずにいた。
ずっと努力を続けてきた彼女を前にすると 若干心苦しくはある。]
(205) yunamagi 2023/05/03(Wed) 14時半頃
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あ、僕も、 野々花と大学一緒だったらいいなって、今。 希望学部は別になるだろうけど、 僕は理学部か情報学部辺りで考えてるから……、
一緒に通学して、歩いて、学食で食べたり…… っと、同じこと言ってるね。ふふ。
[口にした自身の希望は、殆ど 野々花の言葉を繰り返す形になっていた。 おかしくて、笑い声を漏らす。]
(206) yunamagi 2023/05/03(Wed) 14時半頃
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うん、すごくいい。 叶えたいから、僕も勉強頑張る。 …… かわいい 彼女のためにもね。
[赤らめて、真っすぐ見つめてくる彼女。 本物なんだ、ともう何度目になるかわからない 実感が沸いてくる。]
じゃあ、そろそろ帰る? 送ってく。
[飲み物を飲み干して立ち上がった。 歩き出す時は彼女と手を繋ぐために手を差し出す。 恐らくここに来た時よりも親密な距離と雰囲気で 光差す公園を後にして。*]
(207) yunamagi 2023/05/03(Wed) 14時半頃
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[駅までの道すがら、他愛もない話をした。 一緒に行きたい場所、やりたいこと、 VR世界で出会った彼らの話もきっと。
繋いだ手は柔らかく温かくて、 どうしても鼓動が高まってしまう。 楽しい時間が過ぎるのはあっという間。]
…… またすぐ会えるから。
[電車の到着を惜しむ彼女の声に。 同じ気持ちなのを嬉しく思いながら、 あまり遅く帰すわけにもいかなかった。 離れる指先。失う熱を寂しく思う。]
(212) yunamagi 2023/05/03(Wed) 17時頃
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僕もとても楽しかった。 うん、またいっ
[一緒にね。 結ぶはずの言葉は彼女の抱擁で遮られた。 一瞬のことで、支えるよう、 軽く背に触れることしかできなかった。
再び遠ざかる熱。 翻し、改札をくぐる彼女を、気づかれただろうか、 少し赤らんだ頬で見送って。 応えるよう片手を挙げて左右に振った。]
(213) yunamagi 2023/05/03(Wed) 17時頃
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[すぐに会える。 きっと、対の猫が寂しがるまでの短い間だ。 言い聞かせるように笑みを浮かべ、 彼女の痕跡がなくなってからホームを後にした。*]
(214) yunamagi 2023/05/03(Wed) 17時頃
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―自宅―
[自宅のマンションには誰もいなかった。 父親は数年前になくなっていたし、 母親は仕事、双子の妹は天国にいる。]
………… 生きているなあ。
[確認するように、心臓に手を当てる。 小指の先が疼いたが、 その理由を追及する気はなかった。 名残があることを、 僅かでも力になったのかもしれない、 そうであればいい、 ただ、それ以上の感情を抱くことはすまい。]
(215) yunamagi 2023/05/03(Wed) 17時頃
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あ、アルバム。 先に整理しとこう。
[買ったばかりのスマホを取り出して、 別れたばかりの野々花に。
彼女を思うと切なくも温かい気持ちになる。 それは喜ばしいことだった。 共有アルバムのアプリの参加者リスト に野々花のIDを追加して。]
(216) yunamagi 2023/05/03(Wed) 17時頃
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[食事や入浴などを済ませ、 今後の、大まかなスケジューリングを立てて 本日の"日常"を終える。
ふと、鏡に映る自身の像に微笑んで。 その笑みは野々花に見せるものと 同じ性質のものだろうかと、首を傾けたが。
それも、やがて幸福な日常に飲まれていくのだろう。 目を瞑り、朝の訪れを待った。*]
(217) yunamagi 2023/05/03(Wed) 17時頃
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ヒイラギは、>>-1111 …………(ふくれっ面)
yunamagi 2023/05/03(Wed) 17時半頃
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―就寝前―
[幸せな時間だったと、 素直に口にできる野々花。 柊にも、誰かと幸せを紡ぐことができるのだと 再確認する。
キャンプファイヤーの夜、泣いていた彼女。 柊のために涙を流してくれた彼女のことを 大切な存在だと思う。 心臓の音。生きている。―――― 心から。]
(226) yunamagi 2023/05/03(Wed) 21時半頃
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[全部スクショ? 笑うというより驚いたが、そんな一面もあるのかと くすりと笑みが浮かんでいた。*]
(227) yunamagi 2023/05/03(Wed) 21時半頃
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[就寝前に野々花にLINEを送信。 学校に行くようになれば、会えるのは土日だけ。 当たり前の事実。
現実に戻れば二人の生活は別々で、 それを物足りないと思うのは きっと贅沢なことなんだろう。]
(291) yunamagi 2023/05/04(Thu) 20時頃
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[やはり就寝前に届いた通知に、 読んだという確認だけ伝えて。]
(292) yunamagi 2023/05/04(Thu) 20時頃
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[返信は翌日の昼頃になった。
キルロイの行方も訪ねたかったが、 蜜柑のいう"こっち"には彼も含まれているはずだと 言及することはない。]
……ミカン?
[彼のIDに首を傾げた。*]
(293) yunamagi 2023/05/04(Thu) 20時頃
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[大通りのマンションはわかりにくい場所ではないが 最寄りのバス停まで迎えに行くつもり。]
部屋、は、まあいいか。
[その前に片付けをしようと思ったが、 それ程散らかってはいない。 軽く掃除機だけかけて、家を出た。*]
(299) yunamagi 2023/05/04(Thu) 21時半頃
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[近くのコンビニ。 先に着いたのはどちらだったか、 野々花の姿を認めれば、笑みを浮かべて。]
制服なんだね? かわいい。 懐かしい感じがする。
あ、荷物持つよ。
[パーカー以外はアバターと変わりない姿。>>248 それ程日は経っていないのに、酷く懐かしい思いで。*]
(300) yunamagi 2023/05/04(Thu) 21時半頃
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皆、制服? 虹乃さんは体操服ではなく? へー、写真あるなら見たいな。
[話をしながら、歩き出す。 ほんの二、三分の距離だ。 ここ、と指差し、野々花とともにマンションの中へ。 エントランスはラクセスキーで通り過ぎる。]
僕まだ、野々花以外と会ってないんだよね。 うまい棒パーティ楽しみにしてるんだけど。
[エレベーターは11階のボタンを押して、 音も少なく上昇した。]
(302) yunamagi 2023/05/04(Thu) 22時頃
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どうぞ。 ………… 散らかってはいない、と思う。
[ドアを開けて迎え入れる。*]
(303) yunamagi 2023/05/04(Thu) 22時頃
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[野々花が不思議そうな顔をしている。 エントランスで、エレベーター内で、玄関先で。 予想外のことに戸惑っているとでもいうように。]
いらっしゃい。
家族はいないよ。あ、今は。 母は仕事が忙しくて…… 確か今週はシンガポールだったかな。
何飲む? コーヒーか紅茶ぐらいなら淹れられるよ。
[特に気にした様子もなく、 靴を脱いで廊下の奥へ進む。*]
(308) yunamagi 2023/05/04(Thu) 22時頃
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[今では母子二人暮らし。 少々持て余し気味の間取りだった。 一人には慣れている、といえるほど 妹を失ってからの月日は長いものではなかったが。
それでも久しぶりの華やいだ雰囲気は ほっとするものがあった。]
僕の母は、野々花見たら喜ぶと思う。 可愛い子好きだし。 僕に、家に連れてくる誰かがいるのは 嬉しいだろうから。
[丁寧にお辞儀をして付いてくる野々花。 あちらでも感じたことがあった律儀だな、 という感想を再び。]
(315) yunamagi 2023/05/04(Thu) 22時半頃
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紅茶だね、了解。
ケークサレって何? しょっぱいんだ、へえ。 ありがとう。甘いものも好きだよ。
[紙袋を受け取って、 紅茶と一緒に出すとしよう。
ティーカップに紅茶を注いで、皿とナイフも用意した。]
どうぞ。……おいしそうだね。
[リビングのソファの前、円形のローテーブルに 並べて。*]
(316) yunamagi 2023/05/04(Thu) 22時半頃
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うん、僕も野々花のこと紹介したいからね。
って、これを? 自分で作れるものなんだ……。
[店で買うものとしか思えない形容の焼き菓子に。 少し驚いた声と顔になって、 フォークで刺して口に運んだ。]
…… おいしい。 今度、野々花の手作りも食べたいな。 オリーブもアンチョビもすきだよ。
[途中、見られていることに気づいて、 自身のフォークを野々花の口許に近づける。]
(324) yunamagi 2023/05/04(Thu) 23時頃
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|
何? 僕のが欲しいの? どうぞ。
[悪戯っぽい口調。 それから手渡されたスマホのアルバムに目を向ける。]
…… 皆、かわいいね。 沙羅ちゃんも、元気そうだねホントに良かった。 虹乃さんの学校、制服有名な所だよね ずっと体操服姿だったから新鮮。
………… 。
[向こうで会った時より胸が大きくないか? という言葉は飲み込んだ。]
(326) yunamagi 2023/05/04(Thu) 23時頃
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―――― 楽しかった?
[友人と会って、話して。 写真に写った彼女の表情を見れば、 聞かなくてもわかることだけれど。
彼女の顔を覗き込んで、 返事の言葉を遮るように口づけした。*]
(327) yunamagi 2023/05/04(Thu) 23時頃
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ヒイラギは、>>325 虹乃さん(Eカップ)かわよ
yunamagi 2023/05/04(Thu) 23時半頃
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お酒、合いそうなの 何となくわかる。 二十歳になるまでお預けだね。
[手ずから食べさせた、野々花の咀嚼する姿に微笑んで。 語られる二人の像には頷いた。 楽し気な様子。綻んだ表情。緊張も解れてきたんだろう。 すぐ傍で微笑んで、見つめてくる野々花の。
問いへの返答は 待つつもりだった。]
(336) yunamagi 2023/05/05(Fri) 00時頃
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|
[彼女の眸が閉じたことは確認できなかった。 鼻筋が触れ合うほどの距離の近さ。 彼女の睫毛の感触。
唇の。 初めて駅のホームで味わったときの 甘い音が蘇る。
ぶつからないような角度で、 柔く食んで 強く吸った。
言葉が止まった部屋は酷く静かだ。 なのに、触れ合う熱があるから ここに寂しさの気配はない。]
(337) yunamagi 2023/05/05(Fri) 00時頃
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―――――――― 。
[ゆっくりと唇を離す。 自分の目に欲が昇るのがわかるから、 落ち着かせるように 呼吸をする。 彼女を怖がらせないように。]
…… 野々花。
[もう一度近づいて、首筋に顔を埋める。 柔らかい髪の感触。彼女が欲しいな、と思う。 背に手を廻した。**]
(338) yunamagi 2023/05/05(Fri) 00時頃
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|
[耳元に、短く 彼女を開く許しを―――― 得た。]
(348) yunamagi 2023/05/05(Fri) 12時半頃
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|
―新横浜スケート会場―
[公式の試合ではないということだった。 野々花を介してであったか、直接だったか 兎も角、その日の訪れを楽しみだったことに変わりない。
フィギュアスケートの観戦は初めてだ。 規模もあってか、案外リンクは近い。 野々花と並んで座り、虹乃の出演を待つ。
まずは六分練習。 テレビ中継などで見た既視感のある風景に 少しばかり感嘆しながら、リンクに滑り込む選手陣の中、 見知った姿を探した。*]
(371) yunamagi 2023/05/05(Fri) 16時半頃
|
|
[規則的な心臓の音に聞いていた。 つい今しがたまでのものとは違う 穏やかな温かさ。
自身の呼気もようやく整ってきて、 傍らの存在と視線を交える。 少し、くすぐったかった。]
……平気?
[乱れた髪に行為の痕跡を感じて、 整えるように優しく撫でた。]
(403) yunamagi 2023/05/05(Fri) 21時頃
|
|
[それから立ち上がって、水を注いだグラスと、 ブランケットを持ってくる。]
はい、喉乾いたよね。 それと、その恰好だと、寒いだろうから。
[グラスをテーブルに置いて。 悪戯っぽく片目を瞑ってから、 ブランケットで自らと野々花を包み込んだ。
頬を彼女の頬にすり寄せる。]
(404) yunamagi 2023/05/05(Fri) 21時頃
|
|
…… 野々花、すごく…… かわいかった。
[セクシャルな賛美の形容を口にしようとして 押し留める。
声をあげた覚えもないのに、自身も乾いていた。 冷たい水を一口飲んで、 彼女の唇と乳房に冷たいキスを落とす。
そんな、じゃれ合うような触れ合いの時間を過ごして。]
(405) yunamagi 2023/05/05(Fri) 21時頃
|
|
そろそろ帰らないとね、家の人が心配するから。 送っていくよ。
[日が暮れかけていた。 手放したくない、離れがたい気持ちは 別れる前からつのっていたけれど、 そういうわけにもいかないだろう。]
またおいで。 今度は野々花手作りの…… ケークサレだっけ、 食べたいな。
[そういって、見送ろうか。*]
(406) yunamagi 2023/05/05(Fri) 21時頃
|
|
―観戦席:花から花へ―
[初めて見た時は廃校で、 焦点の定まらない不穏な様子から。 次は帰還後すぐのカプセル内、モニタ越し奮闘する姿を。 野々花から見せてもらった写真と聞いた話、 直接顔を合わせたこともあったかどうか、
兎も角、氷上の虹乃は登場から違っていた。 生気溢れる表情は踊れる幸せに満ちて。
どちらといえば硬質な印象のあった彼女の、豊かな表現力。 スローな曲目でも間延びしない 華やかで、伸びのあるスケーティングに。 神に祝福されたかのごとく全て成功を収めるジャンプ。
取り立ててスケートに明るくない柊でも 見入っていた数分間が終わって。 リンクに跪く彼女に拍手と花束を送った。*]
(407) yunamagi 2023/05/05(Fri) 22時頃
|
|
―それから:1―
………… ごめん、落ちました。
[浪人の報告は、 まず勉強会を開いてくれた桐野と、勿論野々花にも。 残念ながら、勉学に身を費やす性分ではなかった。 野々花が三年になったら、 デートも控えなければならなくなるし、二年生の間にと 思う存分青春を堪能した結果だともいえる。]
玲ほど運は悪くないから いけると思ったんだけどなあ。
[自分を過信する癖がある。肩を竦めて。]
(413) yunamagi 2023/05/05(Fri) 22時頃
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[翌年、野々花と希望の大学に入学できれば 一緒の学年になれたからこっちのほうが良かったね。
と笑みを浮かべたことだろう。*]
(414) yunamagi 2023/05/05(Fri) 22時頃
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―それから:2―
今日は寒いからシチューが食べたいな。 お歳暮でホワイトソースが贈られてきたけど、 うちじゃ使い道なくて。
結構あるから、持って帰ってもらえると。
[ベシャメルソースのことだが、柊に違いはわからない。 季節が巡って、夏から秋、 一緒にスケート観戦に行った11月を過ぎて冬になった。 野々花は柊の元を訪れては、会話に、触れ合い、 食事を作ってくれることも、恐らくしばしばあって。]
(424) yunamagi 2023/05/06(Sat) 00時頃
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いつも作ってもらってばかりだから、 たまには僕が作るよ。 ……トーストに、ハムエッグ、それとサラダ。
食べて行ってくれる?
[あからさまな朝食のメニューを口にして。 さて、その頃までに宿泊の許可が下りていたものか。 困った様子をされたなら、冗談だよと笑って、 今度のランチにでも振る舞おうか。]
(425) yunamagi 2023/05/06(Sat) 00時頃
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[やがて春が訪れて、彼女と本物の桜を見る。 たくさんの出来事を重ねていく。]
あ、落ちちゃったけど、この先、大学。 来年一緒に受けるし、ちょっと寄ろうか。
[少し遠回りになる道を、歩こうと提案した。 大学を入って、目的があるように真っすぐ歩く。 しっかりと手を繋いで。]
(426) yunamagi 2023/05/06(Sat) 00時頃
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…… 野々花。この先、グラウンドがある。
[それだけ告げて、足を止める。
そこから足を進めるか、別の道を通るかは 彼女次第。 どちらにしても、これからも同じ道を 歩いていくつもりだから。**]
(427) yunamagi 2023/05/06(Sat) 00時頃
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