27 【crush appleU〜誰の林檎が砕けたの?】
情報
プロローグ
1日目
2日目
3日目
4日目
5日目
エピローグ
終了
/ 最新
1
2
[メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
視点:
人
狼
墓
少
霊
全
|
[身近にとてもよく似た境遇の後輩がいると>>0:402 今のあたしが知ることはないのだが。
彼女と違うのは、あたしと妹が 中途半端に似ていたことかもしれない。 似ている上で、明らかにあたしの方が下だった。
80点のテストの答案。 母の日に頑張って作った料理。 綺麗にお洒落した晴れ舞台。 どれもこれも単体ではそんなに悪い出来じゃなかったけど、 あの子の隣にいると色褪せて霞んでしまう。
みんなあの子を見てパッと顔を輝かせて心からの賛辞を述べたあと、 あたしを見て一瞬間の抜けた顔をして、取り繕うような笑みを浮かべる。 何度も、何度も、何度も。 繰り返しあたしはその表情を見てきた。]
(28) 2023/07/31(Mon) 09時頃
|
|
[姉にとって妹は可愛いものだって? そうだね、小さい頃はそうだったかもね。
お姉ちゃんお姉ちゃんと慕って、 なんでもかんでもあたしの真似をして。 そうして無邪気な顔をして、 あたしの居場所を横からかっさらっていく。
初恋の男の子は妹のことしか見てなかったし、 次に好きになった人は下位互換だと嗤った。 その次に好きになった人もーー...]
(30) 2023/07/31(Mon) 09時半頃
|
|
[ここではないどこかに行きたかった。 だから勉強して、親を説得して、無理矢理家を出て、 晴れて遠くの大学に来た。
自由になったと思った。 ここにはもうあたしとあの子を比べる人はいない。 これがあたしの望んでいたものだと思った。
まるで何もかもがうまくいくような、 ーーそんな錯覚さえしていた。]
(31) 2023/07/31(Mon) 09時半頃
|
|
[ばかだな。 そんなわけないのにね。**]
(32) 2023/07/31(Mon) 09時半頃
|
|
[ロータリーに着く少し前。 黒い羽の男の声が聞こえた。>>0
骨谷と銀は一足先にこの世界を去り、 次に目覚めるのは福原と柊らしい。 やはりそうなんだ、良かったな、とどこか遠くに思う。
還る時はどんなふうに消えるんだろう。 まるで跡形もなく消えてしまうんだろうか。
―――最後、ここに一人残された人は。 どんな風に"死"というものを迎えるんだろうか。*]
(43) 2023/07/31(Mon) 10時半頃
|
|
― →ロータリー
[どこからか歌が聞こえる。>>26
最初はまた幻聴の類かと思ったが 近づいていくうちにそうではないと悟れた。
歌の事なんてなんにも分からないけれど、 甘さを孕んだ中低音が身体に心地よく響く。 邪魔をしたくなくて、少しその場で立ち止まって声を聞いていた。]
(44) 2023/07/31(Mon) 11時頃
|
|
[歌が途切れるか、彼がこちらに気づくかすれば 小さく頭を下げ、ゆっくりとそちらに歩み寄って声をかける。]
初めて聞きました。先輩が歌ってるの。 お上手なんですね。
[ふふ、と自然と表情が綻ぶ。 彼にあまり人前で歌うイメージはない。 何か心境の変化でもあったんだろうか。]
……どういう歌なんですか?
[尋ねてみたら教えてくれたかな。**]
(45) 2023/07/31(Mon) 11時頃
|
|
[周囲に響いた歌声が 数秒程の残滓を残し、消えていく。 歌の意味を問えば大藤が教えてくれた。>>59]
…………へえ。 何だかずいぶん前向きな歌ですね。
[彼の口からそんな言葉が出てくるとは 少々意外だった。いや歌詞だけれど。 いつでも夢を見ている。誰かの待つ未来――……
今の状況とリンクするような気がしないでもなく どうしてそんな歌を、と僅かに思ったけれど]
(72) 2023/07/31(Mon) 14時半頃
|
|
……ん?
[ロータリーの真ん中。 上から四角形の光が差し込んでいる。
手を伸ばす彼を見つめれば 桜が、雨が、葉が、雪が。 ゆるやかに四季を描いていく。
どこか幻想的な光景は その場に佇む彼含めて それこそ絵画を切り取ったようで 口を開けてぽかんと魅入ってしまい。]
…………、 きれい。
[唇から小さく言葉が零れ落ちる。]
(73) 2023/07/31(Mon) 14時半頃
|
|
綺麗ですねえっ!!
[改めて口にし、ぱあっと顔を輝かせた。 すごい、やろうと思えばこんなことも出来るんだ。 ここに来るまで色々考えていたことも一瞬だけ忘れ きゃっきゃっと彼を見上げてはしゃぐ。]
えー、もしかして先輩がやったんですか今の! すっごい素敵じゃないですか! あ、せっかくだし撮ったらよかったのに!
[いや何度も見られるものかどうかは分からないけど。**]
(74) 2023/07/31(Mon) 14時半頃
|
――西門さん以外、まだ誰も目覚めてないんですって。
――この子なんて、外傷はたいしたことないのになあ。
――あら……?
――今、この子、一瞬、目が開いたような……?
[302号室。ベッドに横になる銀の姿。
ああ、きっと私のケガはたいしたことないんだ。
覚醒しかけた意識をすんでのところで引き留めたのは
―――――声。>>*2]
[――――夢?
そうか、私は夢を見ている。
どんな夢だっけ。酷く悲しい。
悲しいなら、目を覚ましてしまえばいい。
そうすれば、忘れてしまえるかもしれない。
それはそう。
予感がある。記憶は鮮明とは言い難いけれど。
それでも、この夢にはこれまでもこれからも
哀しみが詰まっている。]
………………。
[悲しいことが好きなわけではない。
けれど、この胸に刻まれたばかりの傷は
すぐに手放していい類のものではない。
ぎゅ、とベッドの上、身体の横で拳に力が篭る。**]
|
へえ〜〜…… つまり、ここからの風景を見るために 今回参加したってことですか? 先輩にとってそんな思い入れあるものなんだ。
[四季の移ろいというオプションこそなくとも 設備自体は元々の美術館に同じものがあるのだろう。 美術館見学に来た彼の目的を意外な形で知る。>>79
まあ、その結果事故に巻き込まれたことを思うと ちょっと複雑ではあるのだけど…。]
あ、「好きなもの」って もしかしてこれのことですか?
[結局バスの中では教えてくれなかった「秘密」に ふと思い当ってそう口にしてみたけど。]
(85) 2023/07/31(Mon) 15時半頃
|
|
あ! 今ちょっと笑いませんでした!?
[ごくごく微細な変化だったけれど、 僅かに口角が動いた気がして。>>79 絶対そう、なんて言いながらにこにこ笑みを深める。
褒められているのか呆れられているのか 言葉だけではイマイチ判定し辛い評価も 今は上機嫌に受け止め、 そうです今は元気なんです、と答えよう。]
(86) 2023/07/31(Mon) 15時半頃
|
|
[そうして撮らないのかと尋ねてみれば 彼が光の柱にカメラを向ける。
するときらきらと輝いていたそこから たちまち鮮やかな色彩は失われ。 どこか空虚な印象を思わせる空が広がった。>>82]
………あれ、ほんとだ。なんでだろ。 どういう仕組みなんですかねえ、これ。
[仕組みと言うか、 何某か彼の認知がそうさせているのでは。 心当たりはあるのだろうかと不思議そうにその顔を見て。]
(87) 2023/07/31(Mon) 15時半頃
|
|
………… ―――、
[当然のように続いた台詞にドキリとした。 決して頭で理解していなかったわけではない。 この中の誰かが死んでいる、そしてそれは彼かもしれない。
でも、目の前の状況に順応するので 精いっぱいだったあたしは。 多分本当の意味ではそのことについて 無意識に深く考えるのを避けていて―――]
…………やだ、………なあ。
[淡々とした口調に、 却って現実を突きつけられたようで。 灰色の空を見つめながら、ぽろりと零れる。]
(88) 2023/07/31(Mon) 15時半頃
|
|
先輩が死んでたら、やだな。
[他の誰なら良いという話でもないけど。 ただ嫌だな、と言う気持ちのままに口にした。**]
(89) 2023/07/31(Mon) 15時半頃
|
|
[ようやっと知ることが出来た答え合わせ。>>90 えっ嘘、絶対笑いましたって!と追及しながらも 視線は取り出された白のアルバムに向く。 差し出されたそれを受け取り、ぱらりと捲る。]
へえ〜、夏生まれなんだ。 じゃあもしかして誕生日とか近かったです? わー。なんかこの夕焼けとかいいですね。ノスタルジックで。
[アルバムのページには 何の変哲もない背景写真が続いている。 青や黄色。夏を切り取った一欠けら。 ごく素朴な日常風景なのだろうが、 彼の視界が写したものなのだと思うと興味深く。
暫くそれを見ていたが、話は死云々へと移り。]
(94) 2023/07/31(Mon) 18時頃
|
|
……いいですよお。 今更先輩にそんなの期待してませんもん。
[彼らしい言い様に苦笑した。>>91 大藤の言うのはただの客観的事実で、 自分だってそれは分かっているつもりだ。
いやだ、と駄々を捏ねた所で 何も変わらないことだって分かってる。 こんなのただの我儘だ。
でも、緩く頭を撫でながらの言葉には 弾かれたようにぱっと顔を上げて。]
(95) 2023/07/31(Mon) 18時頃
|
|
よっ……良くないですよ!全然ッ…よくない……
そ、そんなこと言うなら、あたしだって。 あたしなんかの方が、何にもない、しょーもないやつで…… 生き返ったところで……仕方ない……
[だんだんと声が小さくなって震えた。
あたしだって別に死にたいわけじゃない。 崇高な自己犠牲精神なんて持ってない。 似たようなことは思っていたくせに、 人の口から言われると理不尽に感じるのは何でなのか。
優しく出来ないと言いながら 頭を撫でる手は酷く優しく感じて。 何だか泣きたい気持になった。]
(96) 2023/07/31(Mon) 18時半頃
|
|
………ず、ずるい、です。 そんな、そんなこと、言われたって………… あたし………
[言い含めるような声がもどかしい。 そんなのまるで別れの準備みたいじゃないか。
全然納得できなくて、 でも反論も思いつかなくて、 結局押し黙ってしまう。
拗ねたようにスンと鼻を鳴らし、 ややあって少し涙目で彼を見上げた。]
(97) 2023/07/31(Mon) 18時半頃
|
|
………じゃあ、 何でも教えてくれるって言うなら教えてくださいよ。
どんなふうに育って、どんなことに怒って、 どんな時に心が動くのか。とか。…それから、…
[いつも無表情に見える彼だけど、 別に何も感じてないわけじゃないこと、知ってる。 みんなやあたしと同じような好き嫌いも悪戯心も 綺麗なものを綺麗だと思う心もある。 考えてることはあって、ただ分かり辛いだけなんだって。*]
(98) 2023/07/31(Mon) 18時半頃
|
に……く……じゃが……
[ぼんやりと光の滲む世界。
オレは尚も縋りつく骨の手を振り払えぬまま、
重い重い瞼を持ち上げるのを拒絶する。
だって、まだ留まっていたい。
あの世界でしかもう会えない。
死んでしまっている、誰かさんとは。]
[災害とやらから何時間経ったのか、
オレたちは一番乗りだったはずだけど。
救急搬送されたらしき病室、
眩いのはLEDの冷たいまでに白々しい灯。
軋む金属フレームのベッドに横たわった
オレの腕には点滴の針が刺さっていた。]
――うぅっ……、つっ、
[未だ色々混乱していて、
上半身を起こすにも難儀する。
後頭部にツキツキと疼痛。
そして、頬にはガーゼがあてられ
湿布の匂いが鼻腔を突いた。]
[生き残ったオレには、まだ責務がある。
タカナル先輩の言葉が重く刺さる。
オレはもう夢の世界の住人ではない。
九人目の彼女にフられたてほやほやの、
惨めで薄情な男。]
スケッチブック、は……?
[オレはベッドに寝たまま、
視線だけで黒のザックを探す。
見つけたところで、夢の世界で
加筆したものは消失しているだろうけれど。
――脳内で、黒い翼が吠える。]
[全身が怠くてたまらなくて、
瞑目してとろとろ微睡めば、
以前より薄ら頼りなく、夢の光景がオレを包む。
あの、暖かな湯気に包まれたカフェの。
オレが陣取っていた席に、オレは居ないけれど。
また何やら作り始めたノッ君。
ラギ君が口にしていた肉じゃがだけでなく、
ハンバーグやらデザートやら。
夢の中で食べられないのが口惜しいけど、
生きてるなら振る舞って貰える機会もあるだろう。
果たしてあれは、誰の晩餐になるのか。
大食いのトサカ先輩が平らげ積み上げた
皿の山を見ながら、この平皿たちは
幸せものだなあと、妙に暢気な感想を
抱いてしまったことを、思い出して。]
|
[言葉にされない未来の約束を知ることはない。 今更のように後悔を口にする彼に苦笑した。>>119]
ほんとですよ〜。 まあお喋りな先輩ってのも想像つきませんけど。
[しかしあくまで自分は後回しでいいと主張する彼には 納得できないと食い下がった]
いや、だから、 あたしはそれがやだって言ってるんですけど…!!
[別に自分たちの意思で 誰が生き残るかを決められるわけじゃない。 だからこんな問答にそもそも意味はない。 でも、言わずにはいられなかった。
その口から語られる名の由来にも 眉を下げて困ったような視線を向ける。>>120 ―――そんな、そんなの、]
(144) 2023/07/31(Mon) 23時頃
|
|
[ぽつぽつと語られる内容はささやかな、 あまりに人間味に溢れた微笑ましいもので、 それだけに彼の輪郭を形作るよう。
あーわかります、とか、寒いの苦手なのそれっぽい、とか 時々相槌を打ちながらひとつひとつ頷いて聞き。
ぽつりと零したあと、少し考えるような間があって。]
………、
[返って来た答えに一瞬目を丸くし 何度か瞬きをして彼を見つめた後。 ぱ、と頬を紅潮させて口を開いた。]
(146) 2023/07/31(Mon) 23時頃
|
|
あっ、はい!じゃ、じゃあ、えっと、 帰ったら髪、伸ばします!だ、だからっ……
[帰ったら。帰れたら。 そんな誓いは死亡フラグになってしまうだろうか。 いや逆に裏をかいて生存フラグ? 分からない。神様の掌の上で翻弄されているよう。]
……………だから、………
[だから、だけど。 こんな状況にならなければ。 きっとこの先を口にすることはなかった。
それが"慈悲"なのだとしたらなんて意地悪なんだろう。
言葉尻が徐々に弱弱しく萎む。 縋るように きゅ、と彼の服の裾を掴んだ。]
(150) 2023/07/31(Mon) 23時頃
|
|
せんぱい。 あたしにとって、先輩は先輩だけですよ。 代わりなんていません。だから。
……身代わりなんて、さみしいこと言わないで。
[異常だとか伽藍堂とか、 そんなのどうだっていいじゃないか。 そんなのが命の優先順位たりえるものか。 堪えていた涙が、ぽたりと頬を伝っていく。*]
(152) 2023/07/31(Mon) 23時頃
|
|
な、…ど、どうせ見る目ないですよっ。 でも仕方ないでしょ!?
[赤い顔のまま、むきになって顔を上げれば バスの中で見たのと似た、意地悪に笑う顔があった。 どこか揶揄い混じりの、反応を楽しんでいるような目元は それでいて柔らかく、まるで ものを見るように映る。]
――……、そういう顔も好きなんです。 目も、手も、声も、喋り方も。先輩のぜんぶ。
[どこか観念したようにぽつ、と付け足した。 困っているのに助けを求めるのが苦手なところ。 ふいに黙って何を言おうか考えている時の横顔。 ほんのたまに、そうして意地悪に笑うところ。
今も、ひとつひとつ彼の欠片を集めて>>166 一秒ごとに輪郭が確かになっていくのに、 それがつまらないことだなんてどうして思えるだろうか。]
(176) 2023/08/01(Tue) 10時半頃
|
|
[光の中に優しい雨が降る。>>167 彼に撫でられながら、静かに涙を流していた。
――ずるい。本当にずるいと思う。
確かな言葉はなにひとつ言ってくれないことも。 なのに叶うかもわからない曖昧な約束を紡ぐことも。>>168
涙を拭う指先がただただ優しいことも。]
(177) 2023/08/01(Tue) 10時半頃
|
|
……腰までって結構な時間かかるじゃないですかそれ。 乙女をどんだけ待たせるつもりなんですか。 あたしそんなに気ぃ長くないんですけど。
[あやすように背を撫でられながら 唇を尖らせて憎まれ口を叩き ぐしぐしと片手で涙を拭く。 目元を赤くし、 はあ、と溜息をついた。]
(178) 2023/08/01(Tue) 10時半頃
|
|
[窓から垂れる雫がやめば 背を撫でる手も止まったろうか。
一歩下がって差し込む光の中に立ち 彼を正面から見つめた。]
…………先輩。 あたしのことも、撮ってください。 この場所で、一番先輩が良いと思う顔で。
[ここは夢の中の世界。 きっと涙の痕だって望めば消える。 今ここにいる回谷こころを、あなたの目で。 そのレンズに写してほしい。]
(179) 2023/08/01(Tue) 11時頃
|
|
[先輩がおねがいを聞いてくれたなら。 きっとあたしはあたしのできる限りで カメラにとびきりの笑顔を向けたけど。
どんな写真が撮れるかは彼次第。**]
(180) 2023/08/01(Tue) 11時頃
|
[ アリババの声が、命ある者の声を告げる。
では皆も、銀と同じ場所で眠っているのだ。
彼の話では後遺症の残るものではないらしい。
少なくとも身体には。
――――きっと、喜んでいいことなんだろう。]
[意識ひとつでカメラが切り替わるよう視点が変わる。
カフェに、ロータリーに、どこかの部屋に
点在する彼らの姿をひととおり確認した後で。
和を意識したレイアウトの部屋に視点は移る。
茶器や漆工芸品の展示された部屋を、
銀はまだちゃんと鑑賞したことがなかった。]
こういうの、子供の頃って
全然興味持てなかったから。
[書画や仏像の類も、後回しにしがちだ。
目が覚めたら、見に行ってみようか。
今度は別の美術館でもいい。
銀にはその機会が与えられているのだから。
"今度"のない者のことが過るの仕方のない。
溜息を吐いて、彼らの声に意識を傾けた。**]
――病室207号室――
[夢見が浅く、あちらの世界から
拒絶されているかのようだ。
幾つかの場所を、場面を、人を、
垣間見ることはできるのにはっきりと、
これは"オレの夢"ではないと感じる。
だからもう、あの冷蔵庫から
ご馳走を取り出すことも、
誰かに話しかけることも、
オレと認識して貰うこともできない。]
…………駄目やな。
[無理矢理寝ようとしても、
睡魔すら訪れなくなってしまった。
仕方無しにベッドから起き上がり、
ナースコールのボタンを押す。]
[すぐに回診の医者がやって来て、
点滴の針からは解放して貰えた。
もとより、軽い貧血と脱水症状で
栄養を送っていただけらしい。]
こんなんでも、腹は減るんやなぁ。
[トサカ先輩ほど旺盛ではないけれど、
夢で食べたにぎり飯で現実の胃は満たされず、
第一声も肉じゃがだった。
今も、夢の中のハンバーグを想うと
腹の虫とヨダレが止まらない。
『もしよかったら』と看護士さんが
差し入れてくれたのは、
綺麗に皮を剥かれ串切りに揃った林檎だった。]
……………………っ、
|
― 幕間・福原くん ―
[それはどこかのタイミング。 スマホを確認したあたしは いくつか通知が来ていることに気づく。
最初に見たのは福原君からの 新しい献立を告げるメッセージ。>>71]
……って多くない!?料理人か!?!?
[別に暇を持て余して料理してるって わけでもないと思うんだけども 随分と豪勢な振る舞いに思わず突っ込んでしまう。
いつぞやの話を思い出しつつ、しみじみ家事好きなんだなあと。 というか苺牛乳寒天おいしそうだな、夢が終わる前に是非食べたい。]
(228) 2023/08/01(Tue) 23時頃
|
すみませ……、
今はちょっと林檎は、
[食べたくない。
真っ二つに割れた美術館の入口、
ぐしゃりと無残に潰れた果実が一つ。
看護士さんには、単に林檎が苦手なのだと
受け取られたようで、オレは肩を竦めて謝った。]
[一通りの軽い検査を終えて、
帰宅用の書類も書かされた。
念の為、二日後にもう一度検査がある旨も。
何なら一番酷い外傷は、彼女に撲たれた頬だった。]
多分、連絡したら親が迎えに来るんで、
保険証はその時に、ハイ。
しばらくは待機ですね、分かりました。
あ、西門先生のところに、報告に行っても?
[ついでに、同じタイミングでシロマちゃんも
目覚めているはずだ。
他は、アリババ氏は語ってくれなかった。
ただ、夢の中なのに、生者の宣告だけは
はっきりと脳裏に刻まれていた。]
|
[そして、同じ差出人からの 個別に届いていたメッセージにも気づいた。>>222 これもしかして一人一人に送ってるんだろうか。だとしたら]
マジでマメ……っていうか……
[自分で自分を褒めるとか、彼に言われると少し意外。 福原君、なんか無自覚に意識高そうなんだもん。いい意味で。 これもあたしの勝手な印象。]
「生還おめでと。直接言えなくてごめん。」
[最初にそれだけ返し、何を送ったものか少し考える。 結局碌に推敲しないまま、スマホに指を走らせた。]
(229) 2023/08/01(Tue) 23時頃
|
|
「面と向かって口にしたことは多分なかったけど、 あたし、ちょっとだけ君に親近感感じてた。 家事力さとか、交友の広さとか、気遣い力とか そういうのは全然あたしのが足りないんだけど
誰にでも明るく接してるように見えて びみょーに一線引いてる感じっていうか きっとまだ底があるんだろうなー、みたいなとこ。」
[勿論そんなのは誰にでもあるだろう。 人に見せる面、見せない面。誰かにだけ見せる面。 あたしなんかが心の柔らかいところまで 踏み込ませて貰えるとは思わない。でも。]
(230) 2023/08/01(Tue) 23時頃
|
|
「なんかそのへん、もうちょっと話してみたかったな。 もしもまた会えたら。」
「P.S.一人暮らしは今のとこ順調。 教えて貰ったレシピの中だと かんたん炊き込みご飯系に最近はまってる」
[浮かんだままに送りつけた。 彼が帰る前に届いたかな、どちらでも構わない。 ただ、元気であれと願う。**]
(231) 2023/08/01(Tue) 23時頃
|
ツブツブいちご教は存続か。
お袋の味ならぬ、ノっくんの味が
失われんくて良かった。
今度ちゃんと教わらな。
味噌汁も、肉じゃがも、
そん時に食べたらええよな。
[気の抜けた西訛りでぼやく。
我が家の台所は、兼業主婦の母と
同居の母方の祖母が占拠していて、
オレも親父も殆ど入れて貰えないのだ。
そんな家風はもう時代錯誤、
今回の夢で、料理できる男もいいなと、
ひしひし実感したから、本気で取り組んでみよう。
自作の器に、相応しい手作り料理を盛って
お茶を淹れたら、次の彼女には少しは
オレの趣味も受け入れて貰えるかも、なんて。]
[そして漸く、離れ離れになっていた
相棒の黒のザックが返ってきた。
勿論最初に取り出すのはスケッチブック。]
…………なるほど?
[バス内での走り描きは残っているけれど、
それ以外は綺麗サッパリだ。
吊り橋の向こうがない、とLINEにあったから、
トンネルか吊り橋が夢の世界との架け橋なのかと
思案したこともあるけれど、
記憶が曖昧になってアリババ氏を見た辺りから、
現世ではなかったようだ。]
あの美術館、どうなったんやろう。
しばらくは休館かなあ。
[シロマちゃんに御薦めされた絵画も
まだ見ていなかった。感想も求められていたのに。
或いは夢の世界ならまだ、
展示されているかも知れない。
オレは一度、未練がましく少しシーツの乱れた
白い寝台を見やる。]
……せや、連絡っと、
[手元にはもう一つの貴重品であるスマホ。
真っ先に確認するも、研究室のグループLINEは
課外授業の日程と集合時間等、
事務的にスケジュールが綴られているのを最後に、
美術館での変事は何一つ表示されない。
ただ、別れたはずのアカリんからの
百件に届きそうな不在着信と、
LINEの嵐がオレの心を少し重くした。]
1
2
[メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報
プロローグ
1日目
2日目
3日目
4日目
5日目
エピローグ
終了
/ 最新
視点:
人
狼
墓
少
霊
全
トップページに戻る