17 【半突発身内村】前略、扉のこちら側から
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[ 地面に広がる柔らかな草原。 どこまでも続く大きな空。 風に揺れる穀物に、降り注ぐ陽光。
Hの愛した故郷>>26すべてを星空色で描きました。 その中心には、幼い子どもが立っていました。]
(113) 2022/03/08(Tue) 18時頃
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『 あなたの見えるものは、綺麗ですか。 そう、尋ねられました。 今であれば、はっきりと答えられる気がします。
はじまりが白であったとしても、 終わりがどんな色をしているのかなんて、 彷徨うあなたも、見送る私も、まだ知らない。
あなたの果てが愛する色で満ちていますように。
B 』
(114) 2022/03/08(Tue) 18時頃
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『 追伸
温かいスープが、 その子とあなたを包んでくれることを願います。 メニューも大切ですが、 人は、誰かと食べることも大切なのだそうです。
ひとりぼっちは、さみしいですから。
――もし、よければ、 その子の名と一緒にあなたの名も教えてください。 望まないのであれば、どうか口を閉ざして。 』
(115) 2022/03/08(Tue) 18時頃
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[ そこは、いつも油と鉄の匂いが充満していました。
ボロボロの隠れ家よりもずっと黒い煤が 部屋のあちこちに見て取れます。 ゴウンゴウンと身体を揺さぶる振動が、 周囲を巡る配管から響いているようでした。
鉄の蔦が入り組む中央、 ぽっかり空いた穴の中に彼は蹲っていました。
丸くなった背中が蠢き、 時折苦しげに息を吐く声が鉄の音に交ざります。
いて、だとか、うわ、だとか。 弱々しい悲鳴も聞こえたことは、 彼の威厳のために黙っておくことにしましょう。
”それ”には口がありません。]
(116) 2022/03/08(Tue) 18時頃
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[ どこかの町のありふれた家でした。
夫と妻と一人息子がいて、 贅沢はできないけれど、飢えることもない。 時に喧嘩もするけれど、お互いを大切にしている。
多くの人が喉から手が出る程に求め、 あるいは当たり前すぎて忘れてしまうような、 穏やかで優しい、平凡な家族でした。
唯一特筆すべきことがあるとすれば、 夫であり父である彼は発明家でした。]
(117) 2022/03/08(Tue) 18時頃
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[ 彼には夢がありました。 人々の助けになる道具を作りたいのだそうです。
魔術のように選ばれた者だけが使えるのではなく、 お金持ちだけが得られる特権でもなく、 誰もが等しく享受できるくらいささやかな 日々をほんの少しだけ豊かにする、そんな何かを。
仕事を終え、子どもが寝静まった後、 箱≠フ上面に広がる夜空を見上げながら語る姿を ”それ”は傍らで見ていました。
”それ”の内には夜空に似た濃紺が揺蕩います。 ”それ”の役目は、夢のサンプルになること。 ――そう、思っていました。]**
(118) 2022/03/08(Tue) 18時頃
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[ 彼らの家は大きくも小さくもなく、 暖かな橙色の光が部屋の中を照らしています。
どうして、その色が 私の周りをぐるぐるまわっているのでしょうか。 ]
(142) 2022/03/08(Tue) 22時半頃
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[ 彼と彼の妻の慌てた表情が横切っては消え、 私の骨組みが風を裂くような音が響きます。 私の中を揺蕩う濃紺が大きく波打ってようやく、 振り回されていることに気づきました。
「落ち着いて」と彼の慌てた声が聞こえます。 「やめなさい」と彼の妻が手を伸ばしています。 するとぐるぐる回っていた動きが止まって、 余韻が私を天頂に留めました。
それから、引き戻されるような強い力。 嗚呼、私は地面に叩きつけられるのだと、 ついに終わりが訪れたのかもしれないと、 そう、思いました。]
(143) 2022/03/08(Tue) 22時半頃
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[ 私には閉じる目がありません。 そんなものがなくとも、見えていますから。 私には塞ぐ耳もありません。 そんなものがなくとも、聞こえていますから。
だから私が白くて柔らかいものの上にいて、 傍らの小さいものを彼らが抱きかかえたのが すぐに分かりました。
坊や、と彼らがその子を呼びます。 その子は無邪気に笑っていました。]
(144) 2022/03/08(Tue) 22時半頃
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[ 彼は私に百万年自動筆記具という名称をつけました。 万年筆と縮めた方がいいと言ったのは彼の妻です。
しかし、坊やが私を気に入ったから、 私の役目はなくなってしまいました。
それなのに、私の内から 色が失われることはありませんでした。
――どうして?]
(145) 2022/03/08(Tue) 22時半頃
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[ 今、私が名前に見合う役割を担うことはありません。 しかし”バキュラム”でもありませんでした。
歩けるようになった坊やは、 私をどこへだって引きずっていきましたから。
未知の物質でできているらしい私の骨組みは、 多少の段差では傷つくこともありませんでしたし、 身の内に揺蕩うインクが零れることもありません。
私はただ、”坊やのお気に入り”として 何もしないことを求められました。]
(146) 2022/03/08(Tue) 22時半頃
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[ 坊やの瞳は、光を吸ったように煌めいていました。 宝石というより夜が明ける前の空に似ています。
いつの間にか私の身の内に星空が満ちました。 その煌めきは、坊やの瞳によく似ていました。
――どうして?]
(147) 2022/03/08(Tue) 22時半頃
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[ 私は、誰かに必要とされなければならないのに、 そうでなければ”バキュラム”になってしまうのに。
私は”それ”が、とても怖ろしいのです。]
(148) 2022/03/08(Tue) 22時半頃
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[ だって、ほら。 こんな簡単に、あの子は手を離してしまうから。]*
(149) 2022/03/08(Tue) 22時半頃
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[ また、手紙が届きました。 グラスを満たす緑も誰かが眺めた灰色でもなく、 甘い茶色で書かれた言葉でした。
届く手紙の多くは、よく似た文面から始まります。 私は白い生き物の方を向きました。 何かを尋ねることはありません。 ただ見つめて、それから言葉を追いかけます。]
(150) 2022/03/08(Tue) 22時半頃
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『 私を、ずっと覚えていてくれることです。 』
(151) 2022/03/08(Tue) 22時半頃
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[ やはり私は、教えてもらった言葉を使えません。 更に今回はまっさかさま>>134から返事をしました。
その理由が、私には分かりません。 少しでも早くその言葉を吐き出したかった。 それだけなのです。
ふと、ここに来て 私に問いかけられた言葉の数々を思い出しました。]
(152) 2022/03/08(Tue) 22時半頃
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[ ”それ”は”それ”であって、 ”それ”以上でも”それ”以外でもありませんでした。
ただ”バキュラム”にならないよう、 人にとって意味があるものであろうとしました。 そうでなくては、枯れてしまうから。
坊やがどこにもいないのにどうして私の内は、 今もまだ、星空で満ちているのでしょう。]
(154) 2022/03/08(Tue) 22時半頃
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『 あなたは外に出たいのですか。 楽になれる場所にいるのに? 苦しくなるのに?
出られないから、出たいのですか。 帰りたいから、出たいのですか。
後者であるならば、あなたにとって どちらの場所も必要だったということでしょう。
あなたはどうして外に出たいのですか。 それは、あなたの望みではないのですか。』
(155) 2022/03/08(Tue) 22時半頃
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『 私は呼吸を必要としませんので、 忘れたことを思い出す手伝いはできません。
目を閉じて、思い出す人はいますか。 忘れられない思い出はありますか。
何もかもが消えてしまったのではないのなら、 誰かに手を伸ばすのも悪くないかもしれません。
――ひとりは、とても寂しいけれど。 あなたと一緒に息をしてくれる誰かが、 どこかにいるかもしれませんから。 』
(156) 2022/03/08(Tue) 22時半頃
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[ 私は仮初の名前すら記しませんでした。 白い生き物が手を伸ばすのを見届けてから、 私はまた暗い宙を見上げました。 煌めく星はよく見えません。
身の内を揺蕩う星空が、波打っていました。]
(157) 2022/03/08(Tue) 22時半頃
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『 前略、扉のこちら側から 坊やへ
あなたは今、どこにいますか。 私に飽きてしまいましたか。
あなたは幼い頃からやんちゃで、 私を振り回してはお二人に止められていましたね。
私に痛みはありません。傷つきもしません。 それでもお二人は私を労わり、 坊やもまた、私にごめんねと言っていました。 』
(158) 2022/03/08(Tue) 22時半頃
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『 前略、扉のこちら側から 坊やへ
あなたは今、幸せですか。 私がいなくて、泣いてはいませんか。
私の姿が見えなくなるだけで泣いていた坊や。 あなたのお母様が拗ねていたことを あなたは知っているでしょうか。
私はあなたの傍を離れられませんでしたから、 あなたのお母様が眠ったあなたを愛おしそうに 撫でていたことを知っています。 』
(159) 2022/03/08(Tue) 22時半頃
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『 前略、扉のこちら側から 坊やへ
あなたの望みは何でしたか。 どうして私を気に入ったのでしょう。
私は不気味で怖ろしいでしょう。 お友だちに私を馬鹿にされた時、 あなたはとっても怒っていましたね。
あなたが少しずつ大きくなって 私を人前に出さなくなったのに、 どうして私を手放さなかったのですか。 』
(160) 2022/03/08(Tue) 22時半頃
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『 前略、扉のこちら側から 坊やへ
あなたの目には、何が見えていましたか。 どうして私を、人のように扱うのですか。
私は食事を必要としません。 私は睡眠を必要としません。
二皿準備すればあなたの夕飯が冷めるだけなのに、 私をベッドへ入れれば、 あなたを傷つけてしまうかもしれないのに。
どうして? 』
(161) 2022/03/08(Tue) 22時半頃
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『 前略、扉のこちら側から 坊やへ
私は、どうして生まれてきたのでしょう。 』
(162) 2022/03/08(Tue) 23時頃
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『 ――ひとりは、さみしいです。 だから、どうか 私をみつけて。 』
(163) 2022/03/08(Tue) 23時頃
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[ 私は扉のこちら側にいました。 それを知っていほしいのは、 思い浮かぶのは、ただひとりでした。
私は手紙を書き続けます。 私以外は扉を潜れないと理解しながらも、 私が私である以上、こうすることしかできません。]
(164) 2022/03/08(Tue) 23時頃
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[ 私は”バキュラム” あるいは ”百万年自動筆記具”。 永遠に近い時を生きる、人に寄りそうモノです。]**
(165) 2022/03/08(Tue) 23時頃
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