23 あの春の廃校だけが僕らの学校だった。
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――……っ。
はぁ……っ。っ……。 ……マシー、ン……っ。『CLUEL-DM54000-2sBK』、の、 『リソースを消費する機能』、を、停止……っ、して、ください……。
(1) doubt 2023/04/30(Sun) 00時半頃
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陀羅尼 サラは、メモを貼った。
doubt 2023/04/30(Sun) 00時半頃
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――……はぁ……っ。
……っ。……ぁ。
[暗い部屋の中、マシーンの上で。 永遠にも感じる様な、時間を過ごす。]
[願いは、どうなったのだろうか。 無事、受理されたのだろうか。]
(7) doubt 2023/04/30(Sun) 01時頃
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…………。
[身体に、温かいものが、流れて来る様で。 一旦、酷い痛みは治まったけれど。
身体がどの位癒えたのかは、この時はまだ、分からないまま。 衰弱していた少女は、マシーンの上で、浅い息を吐いていた。*]
(8) doubt 2023/04/30(Sun) 01時頃
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…………。
[浅い息を繰り返して、暫くした後。 酷い心臓の痛みが、消えている事に気付いて。]
――……あきら。
[まだ目眩がして、身体にも上手く力が入らないけれど。 身体を起こし、荷物を持つと、部屋の外へ出た。]
(11) doubt 2023/04/30(Sun) 02時半頃
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[身体が急激に回復した反動か、もしくは、3時間もゲームの世界に居て、精神力と体力を消耗して衰弱していたからか。 酷く目眩がして、身体にも力が入らないけれど。]
[名を呼ぶ声>>44が聞こえた気がして、バランスを崩しながらも扉へ走る。]
――……ぁ、きり、の、さん。
[扉を開けて、少し遠く、見えた姿は先程までと少し違う。 服装も、身長も。そして少し、大人っぽく見えた。
先程までのVRの中の出来事は、関係は、ゲームの中でだけのとても幸せな夢で。 現実に持ち込んだら迷惑かもしれない、と。 急に弱気になってしまった私は、『玲』と呼ぶ事ができなかった。]
(49) doubt 2023/04/30(Sun) 23時半頃
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[安堵混じりの声>>50、駆け寄ってきてくれて。]
[自己紹介>>51をしてくれたのには、なぜか、少し肩が跳ねた。]
ぁ、はい。 私、『沙羅』……双樹 沙羅です。 ……初めまして。
[とっさに、名前を呼べなかったのは、私の方。 初めましても、自己紹介も、初めて会ったのだから当たり前の事で。 その距離感を、寂しい、なんて思ったらいけないのに。]
[だけど。重なる視線。紡がれる言葉>>52に。 両手で口元を押さえると、目が潤み、ぼるぼろと、涙が零れて。]
(53) doubt 2023/05/01(Mon) 01時頃
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――……ぁ、あ、きら!
[広げてくれた腕に飛び込……もうとしたけれど、直前で、なんか、止まってしまって。 俯いた。]
……うれしい、けど。 ――……はずかしぃ……。
[声も、どんどん小さくなっていってしまって。 ここが現実で、本物だって思うと、何だか、VRの中の時よりドキドキしてしまって。 両手で、真っ赤な顔を押さえた。*]
(54) doubt 2023/05/01(Mon) 01時頃
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[顔を覗き込まれ、会いたかったと囁かれれば、小さく肩を震わせて。>>55 ドキドキし過ぎて涙が出そう。]
[俺は俺、には。]
――……うん。分かってる。 でも、本物だって思うと、どきどきして……。
[VRの中の時とは違う、壊れ物を扱う様な力で抱き締められて。 抱き締めてくれる腕は、いつものなのに。 本物の温もりにドキドキして、でも、とても嬉しかった。 その背にきゅっと腕を回すと、一度その胸に、頬ですりっとして。]
――……すき。
[と。ぽつり。]
(57) doubt 2023/05/01(Mon) 02時半頃
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[それから、少し身体を離して。とても気になっていた事を。]
あ、あの。身体とか、大丈夫ですか? 何か、良くない事起きたり、してないですか?
……願い事は? 成功しました?
[私が願った2つめまでが受理されたのは、知っているのだけれど。*]
(58) doubt 2023/05/01(Mon) 02時半頃
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[耳の奥で鳴り響く、激しい鼓動。 それは、私だけのものではなかったみたい。>>59
髪を撫でてくれる感覚は、いつものなのに。 本物だって、現実だって思うと、もっとどきどきして。嬉しくて。]
[すき、に返ってくる言葉は、すき。 VRの中で聞いてしまった『恋人でいいの?』という質問には、 告白したら、世界中のだれが見ても恋人>>2:-431と言ってくれたけど。]
……あ、あの。 現実でも、こ、恋人、で、いいのでしょうか……。
[ぽそぽそと、小さな声で確認をしてしまうのでした。]
(77) doubt 2023/05/01(Mon) 12時頃
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[ぴんぴんしてる、成功、というのには、安堵の息を吐いたけれど。 『完全治癒』という指定が抜けてしまった、と聞いて。>>60]
そう、なんですか……。 ……あの、ね。
[恥ずかしくて、また顔が真っ赤になってしまうけれど。 シャツワンピースのボタン、上の方を幾つか外して、胸元近くが見える様にして。]
私、本当はここに、大きな傷跡があったんです。 ……貴方になら、見てもらいたいって、 ……思ってたんですけど。 酷い胸の痛みが、呼吸の苦しさが、 腕の点滴の跡が無い事に気付いて。 見てみたら……消えてました。
――……私、治ってる、かも。
[怪我と違って目に見えないから、分からないけれど。きっと。]
(78) doubt 2023/05/01(Mon) 12時頃
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[敬語、使わなくていいって、笑ってくれて。>>61 頬に落ちてきた唇。片目を閉じて受け止めて。 涙の滲む瞳で、幸せそうに笑み。]
――……二人乗りの自転車で、河原、行こうね。 きっとすぐに、行かれるわ。
[そう言って、笑った。**]
(79) doubt 2023/05/01(Mon) 12時頃
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[顔を覗き込まれ、見つめられると、顔に熱が集まり過ぎて。>>92]
顔……ちかい。
[真っ赤な顔で、少し距離を取ってしまうけれど。 嫌?には、ふるふると首を振って。]
――……嬉しい。とても。
[赤い顔で、目を細めて、とても幸せそうに笑んだ。]
(112) doubt 2023/05/01(Mon) 19時頃
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[そうして、病気が治ったらしい事を告げたら。 引き寄せられて、その腕の中に収まったけれど。 包んでくれる腕が、震えているのを感じて。]
[頭を撫でてくれる優しい手に、幸せを感じながらも、私は、玲の首元に腕を伸ばして、ぎゅうって抱き着いた。]
沢山、沢山、心配かけてごめんなさい。 それから。 ――……ありがとう。
[すりっと、頬に頬ずりをする。 うっかりワンピースのボタンが外れたままだけれど、ぎゅって抱き着いてるから他の人からは何も見えなかったはず。多分。*]
(115) doubt 2023/05/01(Mon) 19時頃
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――……ありがとう。お願いしてもいい?
[おんぶに、そう言って。>>117 すっかり忘れていた、ワンピースのボタン。 留めてもらったら、頬が赤くなり。]
[そうして、玲におぶってもらったら。 VRの中で、そうしてもらう原因となった事を思い出してしまって。]
……しん、じゃぅ……。
[ぽつりと呟き、その背に顔を埋め。 ばっくんばくん音を鳴らしている、心臓の音を聞きながら。 私は、死んでしまいそうな位、顔を赤らめていた。*]
(122) doubt 2023/05/01(Mon) 21時半頃
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[どうしたの>>128、と聞かれても、何も答えられなくて。 背中に顔を埋めたまま、ふるふると首を振り。]
[1Fに着くと、ロビーでおろしてもらって、受付を済ませる。 パンフレットと記念品の石をもらい。 そして、賞金の振込先を記入する紙をもらったところで。]
……あの。できればなんですけど。 賞金、鮫島さんの口座に振り込んでもらう事はできますか。 でももし、鮫島さんが拒否したら、私の口座に。
[って、お願いしてみる。 恐らく病気が治っていて、これ以上、何かを貰えない。
本当は敗北陣営の3人に、と言いたかったのだけど。 賞金を押し付けたら、他の2人がどう思うか分からなくて。 分けてもらっても勿論良い気持ちで、代表で、鮫島さんに渡したいと思う。 本人に相談してみて、ダメだったら自分へ。 なので、ひとまず保留にさせてもらう。]
(130) doubt 2023/05/01(Mon) 23時半頃
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[それから、玲の方に向き直って。]
――……玲。 ……私の石、貰ってくれる?
[って、私の石、ホワイトオニキスを差し出して。]
あ、捨てても、いいのよ?
[少し慌てて付け加えた。*]
(131) doubt 2023/05/01(Mon) 23時半頃
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[私の石、受け取ってくれるのが、嬉しくて。 ふにゃっと眉を下げて笑み。>>132
けれども、石を差し出して渡した手の平には、入れ替わりで別の石が乗っていて。]
――……うん。嬉しい。
[貰ったアクアマリン。 両手で包む様に持つと、胸の位置で、ぎゅって抱き締める様にして。 赤い頬で、嬉しそうに笑った。*]
(133) doubt 2023/05/02(Tue) 00時頃
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……私も、大事にする。
[頭を撫でてもらって>>139、目を細め。 再び玲の背に身をまかせると、クルーエル社の外へ。]
[現実の時間で過ぎた時間は、3時間ほど。 VRの中では夜だったのに、飛び込んできた太陽の光が眩しくて、少し痛い様に感じた。]
[みんなの姿が見えたら、そっとおろしてくれて。>>144 玲の後に、私も自己紹介を。]
『沙羅』……双樹 沙羅です。 初めまして。
[それからすぐに、鮫島さんに顔を向け、口を開いた所で。 かけてくれた言葉に>>146]
(156) doubt 2023/05/02(Tue) 20時頃
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[顔が、くしゃりと歪んでしまって。]
――……はい。
[目尻に、涙が滲んでしまって。]
鮫島さんは、何もなかったですか? 大丈夫?
[とても気になっていた事を、確認した。*]
(157) doubt 2023/05/02(Tue) 20時頃
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[立てられた小指に視線を向け>>158。
それから鮫島さんの頭から足先まで、視線を這わせ。 その後、背中に回って同じ様に確認。 見える部分には、外傷は無さそうで、それでやっと。]
――……はい! 無事だったみたいで、本当に、良かった。
[涙の滲む目を細め、嬉しそうに笑んだ。それから。]
……あの。絆創膏、使います?
[指先に血は滲んでいただろうか? そうでなくても、欠けたのでは痛いのではと、差し出してみる。 捲きずらそうだったら、私が捲いてあげようとも内心に。*]
(160) doubt 2023/05/02(Tue) 21時頃
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[涙声で。また会えて、と。 手を取ってくれる野々花>>159に。]
……ありがとう。 野々花は、何もない? 大丈夫?
……ごめんなさい。 メッセージをくれたのに、ちゃんと返せなくて。
私ね……病気で、もう長くは生きられなくて。 だから、未来の約束ができなかったの。 まだ、本当に治っているかは、分からないけれど。 ……治っていたら、また、会えると嬉しい。
(164) doubt 2023/05/02(Tue) 21時頃
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ううん。私が言わなかったのだから、分かるわけないし、 野々花は何も、悪くないわ。
――……うん。ありがとう。
[そうして、教えてもらったID>>167。 玲>>162と野々花がIDを交換したり、鮫島さんのパンフに メモられている>>163のを見たりして。]
……ID??
[小さく首を傾げた。LINEにIDってあるの?*]
(168) doubt 2023/05/02(Tue) 22時頃
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プロフィール……?
[野々花に教えてもらい>>169、難しい顔で、スマホをぽちぽちして。]
……あっ、これ!?
[『ID:未設定』と書かれた項目を見つけ。 そしてまた、難しい顔になった。 何にすれば良いか分からなくて。 それで、少し悩んだ後に。
『sara_sakura_0427』と登録。]
QRコードなら分かるのだけど、 鮫島さんに、コードの模様はメモしてもらえないから……。
[そんな理由で、急いで登録したのでした。]
(172) doubt 2023/05/02(Tue) 22時頃
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[IDをその場に居る人に伝えて。それから。]
[居住まいを正すと、改めて。]
……お願い事、治癒に、使ってもらって、 本当に、ありがとうございました。
[お辞儀をして、それから、鮫島さんへ。]
私の賞金なんですけど。 私はもうこれ以上、何も貰えないから、 嫌じゃなければ、鮫島さんに貰って欲しくて。 もしくは、人狼陣営のみんなで分けてほしい。 ……ダメでしょうか?
(173) doubt 2023/05/02(Tue) 22時半頃
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分かりました。ありがとうございます。
受付の人には伝えてきましたので、 口座の手続き、お願いします。
[そこでちょっと、身体の限界が来た様に感じて。]
――……そろそろ私、病院に戻りますね。
鮫島さん。バスケ、再戦の約束。
野々花。待ち受け楽しみにしてる。
火浦さんも、また、どこかで。
[そうやって、再会の言葉を口にした後。]
(175) doubt 2023/05/02(Tue) 23時頃
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玲。…………。 ……ありがとう。
[困った様に少し眉を下げて、そう言って。 小さく手を振った。*]
(176) doubt 2023/05/02(Tue) 23時頃
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[タクシー乗り場まで送る>>180、と言ってくれたけど。 私は、ふるふると首を振って。]
私は一人で大丈夫だから、玲は、みんなと。
[VRの中で流れていたメッセージ>>4:349を、思い出して。 私に付き合わせてしまってはダメだと思って。 一緒に居て欲しい、って、言えなかった。*]
(181) doubt 2023/05/03(Wed) 00時半頃
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[タクシー乗り場まで送る>>180、と言ってくれたけど。 私は、ふるふると首を振って。]
私は一人で大丈夫だから、玲は、みんなと。
[VRの中で流れていたメッセージ>>4:349を、思い出して。 私に付き合わせてしまってはダメだと思って。 一緒に居て欲しい、って、言えなかった。*]
(182) doubt 2023/05/03(Wed) 00時半頃
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――……うん。 ……ありがとう。
[送らせて欲しい>>183と言ってくれたから、小さく頷いて。 もう一度、その背に身を預けた。
帰ったらの話、自転車の話に、 うん。うん。って、頷く。 私の目には涙が滲んでいて。少し声が震えてしまうけど。]
ごめんなさい。私。 今まで、一人で大丈夫だったはずなのに。
本当は、ずっと一緒に居て欲しくて、 ……離れたくないって思ってしまったの。
[そんな風に話をしていれば、乗り場まではあっという間で。 背中からおろしてもらって立つと、頭を撫でてもらい。そして。]
(190) doubt 2023/05/03(Wed) 01時半頃
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――……うん。 また、ね。
[今度はちゃんと、笑えたかしら?*]
(191) doubt 2023/05/03(Wed) 01時半頃
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― 鶴林大学病院 ―
[抜け出していた時間は、3時間と少し。
見舞いの人が来る事のない、個室の病室。 看護師の訪問時間を避けられれば、 抜け出していた事に気付く人は誰もいない。]
[ワンピースから病院服に着替えると、 ベッドの上に身体を沈み込ませ、私は束の間の眠りについた。]
(192) doubt 2023/05/03(Wed) 02時半頃
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[そうして翌日の朝。 傷跡が消えている事、体調が回復している事を担当医が知る事となり、検査が始まった。
原因不明の、傷と病の完全治癒。 それは、大きく騒がれる事案のはずなのに。 けれども驚くほど、粛々と処理されていった。 ――……それで、クルーエル社の手が、病院にも及んでいるのかもしれない。と思う。]
[暫くの検査入院を経て、病は完全に治癒している事が分かり、体調も安定した後。 私は、自宅へ戻る事になった。]
(193) doubt 2023/05/03(Wed) 02時半頃
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― 自宅 ―
[生活する場所は、病院から自宅に変わったけれど。 他に人の気配の無い、広い家には、静寂が響く。]
[自室のベッドの上、寝転ぶと、 枕元に置いた狼のぬいぐるみを引き寄せて、 身を丸くする様にしてぎゅって抱き締めた。]
[一人だけど、一人じゃない。 毎日LINEをくれる人が居て。 来週からは、復学予定で。 私はもう、自分の足で、どこへでも行かれるのだから。**]
(194) doubt 2023/05/03(Wed) 03時頃
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― 初夏・とある日 ―
[休日にセーラー服を着て、電車へ乗り込む私の行先は、学校ではなく、玲の家の最寄り駅。
駅に着くと、気が急いてしまって、少し、小走りになってしまう。 玲の姿が見えると、手を振って、そちらへ駆けて行った。]
うん!
[河原の話に、嬉しそうに頷いて、自転車を押しながら歩く玲の隣を、歩く。 初夏の太陽の光、眩しくて。けれどもそれが、幸せだった。]
[川沿いに着くと、後ろの座席を促されて>>211、こくりと頷く。 その背に両腕を回して、しっかりと掴まったら、徐々にスピードが上がっていって。
初夏の風が、私の髪を靡かせ。 街の、河原の景色が、後ろへ流れていくのを見つめる。
自転車で一緒に登校、実はちょっと憧れていて。 それが叶ったみたいで、嬉しかった。*]
(218) doubt 2023/05/03(Wed) 20時頃
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ニジノ、行先のリサーチありがとう! そこがいいな。 GW大丈夫!
[白兎が両腕を『○』の形にしているスタンプをぽちり。]
……コードネーム?
服装は、桜森高校女子会だし、制服にする?
# 桜森高校女子会
(221) doubt 2023/05/03(Wed) 21時頃
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# 桜森高校女子会
自作!?凄いわね。
野々花ありがとう! 私も楽しみにしてるわ。
[白兎がわくわくしているスタンプをぽちり。 その後の、予約取れた、にはありがとうのスタンプを。]
(230) doubt 2023/05/03(Wed) 22時頃
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[河原を抜けて、住宅街の様な道へ入る。
行き先は聞いていなかったから、見えてきた>>228という言葉に、玲の背中から顔を出して前方に視線を向けた。]
――……あ。
[目の前に、見覚えのある高校が、見えた。]
(231) doubt 2023/05/03(Wed) 22時半頃
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─ 桜森高校・リアル ─
[正門らしき場所、銘板には『桜森高校』と書かれている。
VRの中で過ごした日々を思い出して、 色々な想いが去来して、何だか言葉にならなかった。]
[それから、裏門に回る。 そこは、VRの中で玲と想いを交わした場所で。 そして、最後の時にも来た。思い出の場所。*]
(232) doubt 2023/05/03(Wed) 22時半頃
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[裏門に回ると、門は開いていて、三角コーンが立てられていた。]
うん。
[入っちゃお>>223に頷くと、自転車をおりる。 壁の隅に寄せて止めるのを見つめて。
三角コーンを避けて校内へ。 VRの中では桜並木だった場所は、色を変えていて。 少し苔むしたベンチへ並んで腰かける。]
――……そうね。
私、ちょっと、本物の音楽室を見てみたいけど。 怖い気もする。
[玲と出会った場所の、現実の姿を見てみたい気がして。 でも、廃校の校舎の中に入るのも怖いかも?
くすりと笑った。]
(235) doubt 2023/05/03(Wed) 23時頃
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|
うん。行ってみたい。
[廃校の校舎は、大分趣があったけれど。 こんな機会は無いかもしれないし、玲と一緒なら大丈夫、と思って頷いた。>>236]
[手を引いてもらい、グラウンドを渡って校舎へ。 玄関から中へ入る。]
けほっ。
[空気は淀んでいて、埃っぽかった。]
(240) doubt 2023/05/04(Thu) 00時頃
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[薄暗い校舎の中は、やっぱり少し怖かったけれど。 ぎゅって握ってくれる手が、嬉しかった。]
わぁ……! 音楽室! これが本物の。 ……見られて、嬉しい。
[薄暗い部屋の中、光の射すピアノ。 思い出の場所の現実の姿を見れて、嬉しいと思った。
――……けど。 ついでに、この場所であった色々な事を思い出して、少し?頬が赤くなってしまったのは、気付かれないといい。*]
(241) doubt 2023/05/04(Thu) 00時頃
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― カフェ『BLOSSOM』 ―
タピオカミルクティー……とは……?
[初めて見る、ドリンクの名称。 野々花>>238とニジノ>>239が注文をするのを見て、私も同じものを注文。]
[野々花の乾杯の音頭にならい。]
お疲れ様でした! 乾杯!
[プラスチックのカップを掲げて、乾杯。 それから、ニジノの言葉に。]
そうね。本当に良かった。 ニジノの足の事も。
改めて、ありがとう。 今、私がこうしてここに居られるのは、 みんなのおかげよ。
(242) doubt 2023/05/04(Thu) 00時半頃
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─ 桜森高校リアル・音楽室 ─
[音楽室の中に足を踏み入れると、僅かに床が軋む。
玲がピアノの前に行き、音を鳴らす>>243までの仕草を見つめ。 少し赤くなってしまった顔を俯かせたら、あ、という声が 落ちてきて>>244。 小さく肩が跳ねた。]
……っ。……うん。そうね。
[赤い顔をどうにか持ち上げたら、目が合って。 広げられた両腕の中に、ぽふりと収まった。*]
(246) doubt 2023/05/04(Thu) 00時半頃
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― カフェ『BLOSSOM』 ―
けほっ。 けふっ……!
[頑張って吸ったら、勢いよくタピオカを吸い込んでしまい、咽た。]
……うん。野々花もニジノも、 心配してくれてありがとう。
[そうして、制服の話>>248には。]
うん。ニジノの制服、新鮮。 とっても可愛いし、ポニテも似合ってる。 野々花はVRとあまり変わらないけれど、 変わらず可愛い。
(250) doubt 2023/05/04(Thu) 01時頃
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|
……そういえば。
[ニジノの胸元に視線を向け。*]
――……本当に、削っていたのね。
(251) doubt 2023/05/04(Thu) 01時頃
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― カフェ『BLOSSOM』 ―
[ニジノ>>249には。]
やっぱり、アバターにも少し、 病気が反映されていたのかしら?
ありがとう。 でも、沢山頑張ってくれたのは、 火浦さん、鮫島さんと、玲だわ。
[玲、と名前を口にしたら、なんだか胸がほわっとして。 そんな事でも、嬉し気に眉が下がってしまうなんて。重症だわ。]
[ニジノの笑い声に、私もふふっと笑いを重ねて。]
うん。私もGW明けから復学する事になって、 この制服着たの、初めてなの。
(255) doubt 2023/05/04(Thu) 01時半頃
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[そうして、ニジノの撓んだ校章の刺繍を見つめる。 触ってみる?とうながされたので、ふわっと触れてみて。*]
これが本物! でもVRの時と違いない! 凄いわねVR……!
(256) doubt 2023/05/04(Thu) 01時半頃
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─ 桜森高校リアル・音楽室 ─
[玲が両腕を広げて、私がその中へ飛び込み、優しく頭を撫でてもらう。 それはVRの中で、幾度も繰り返した事だけれど。 現実の身長差の分、VRの時よりも、少し顔の距離は遠く。]
[覚えてる?と問われて、え?と、顔をあげたら>>253。 上を向かされた顔。唇を塞がれて。
顔だけではなくて、全身が熱を持った様に感じる。 心臓が、酷く煩くて。 玲の学ランを、ぎゅって、握った。*]
(258) doubt 2023/05/04(Thu) 01時半頃
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― カフェ『BLOSSOM』 ―
[野々花>>254の同意も重なって、私と野々花の視線はニジノ(の胸元?)へ。]
そっか……。 たしかに、競技には邪魔よね。
でも胸がなくても、男子には間違われないわよ。 ニジノは綺麗だもの、身体の線も含めて。
[しゅっとしまっていて、でも女性らしい曲線があって。 ニジノもその身体も、とても綺麗だと思う。]
(259) doubt 2023/05/04(Thu) 02時頃
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|
[クルーエル社の話には。]
ね。神様の所業じゃないかしら。 どんな技術なんだろう……。
それにね、私も、余命僅かだったのが、 急に治ったら、騒がれると思ったのに。 何も起こらなくて。 病院にも手が回っているのかも。
クルーエル社、触るなキケン、ね。
(260) doubt 2023/05/04(Thu) 02時頃
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― カフェ『BLOSSOM』 ―
3カップ……。 でもこの体型で胸だけ大きいと、 バランス悪いかも……? 残念だけど、諦めるわ……。
[底に残ってしまったタピオカを吸い上げたら、また失敗して咽た。 ニジノ>>261に倣って、スプーンで掬ってぱくり。]
(265) doubt 2023/05/04(Thu) 02時半頃
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|
[それから、ニジノのカラダの秘密>>262、タトゥーを見て。]
わー! かっこいい! とても、素敵ね!!
[鷹の羽根と桜と共に、ジャンプを跳ぶニジノの姿を想像して。]
うん。絶対に観に行くわ!
[両手を合わせ、笑む。 そうして暫く会話を楽しんだ後、待ち受け写真を撮りに、桜森高校へ。*]
(266) doubt 2023/05/04(Thu) 02時半頃
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─ 桜森高校リアル・音楽室 ─
[長い長い、キスを受けて。 心臓の早鐘の音が煩くて、頭がじんじんして、涙が滲んだ。
唇が離れると、瞼を持ち上げて、見上げる様に見つめる。]
……っ。
[色々あった>>263、に返事をしようとしたけれど。 もう一度軽く重なる唇を受け。 頬を撫でてくれる、心地良い手は、瞼を閉じて受け止めて。]
(269) doubt 2023/05/04(Thu) 03時頃
|
|
[ピアノの椅子に座った玲が、聴いてくれる?>>264と問うのには、聴きたい、と頷く。
曲は何だろう。 練習したという事は、出会った時に弾いていた、『エリーゼのために』ではないのだろうけど。]
[音が鳴り、奏でられた旋律は、『孤独の中の神の祝福』。]
――……ありがとう。
[ぽつりと呟くと。 瞼を閉じて、その旋律に耳を澄ませ。]
[やがて演奏が終わったなら、大好き、と。 それは演奏に対してか、玲に対してか、そう言って。 少し涙目で、貴方に抱き着く事でしょう。*]
(270) doubt 2023/05/04(Thu) 03時頃
|
|
─ 夕暮れの帰り道・河原で ─
[再び自転車に二人乗りで、帰路につく。
廃校も、夕暮れの空も、VRの中でも見たけれど。 先程居た校舎も、夕陽の茜色も、水面に反射する煌めきも。 頬に、髪に感じる風も、今は全て、現実のもの。]
[そして、この背の温もりも。
VRの中では、幾度も交わしていたけれど。 ――……先程交わしたファーストキスも、現実のもので。]
[赤い頬、指先でそっと、自身の唇に触れ。]
……うん。また、いつか。
[また>>271に頷いて。 再びその背に、頭を、身を預けた。**]
(272) doubt 2023/05/04(Thu) 03時半頃
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|
― GW・桜森高校への道 ―
[苺の添えられた、とろとろのチョコが溢れるフォンダンショコラも食べ終えて。
5月の、少し強くなってきた日差しの中。 バラバラの制服を着た女子3人の、同窓会は続いていく。]
柊さん? いつから? あ、そういえば、キャンプファイヤー、 二人とも居なかったわね……。
[野々花>>278の告白には驚いて。 ニジノ>>280の、顔面偏差値限界突破カップルにも頷く。 私の話を聞かれたら、玲とは現実でも関係が続いている事を 話して。 ニジノに玲のLINEを知りたいと言われたら、玲にニジノのIDを教えていい?と聞いて。 3人3様の今後の話、不安の吐露なども聞きながら、歩を進めていく。]
(289) doubt 2023/05/04(Thu) 20時頃
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[やがて着いたのは、桜森高校前。 野々花の感想>>279に。]
その境界を踏み越えて入ったら、 出られなくなるホラーを想像してしまうわね……。
[などと。 その後、ニジノの気遣い>>277で、裏門へ回って。 そして校内へ入る時。つま先で、地面をちょん、ってする野々花が可愛くて、くすりと笑った。]
(290) doubt 2023/05/04(Thu) 20時頃
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― 玄関 ―
[撮影場所は、VRの中で撮った時と同じ、玄関で。 その後は各々で回るという提案を受けて>>281。 でも、ニジノの顔色が悪い様な気がして。]
ニジノ、大丈夫? 私、ニジノと一緒に行っては……ダメ?
[ニジノを一人にしたくない、と思ってしまった。 でも同時に、一人でしたい事があるのなら、邪魔はできないとも思う。]
[早めに帰ろう、と言う野々花>>285にも頷いて。 VRの時と同じ場所、ニジノを真ん中に、3人で身を寄せて撮影。]
うん。私も、並べて飾っておくわ。
[虚構のアバターの写真も、良い思い出だけど。 アバターとは少しづつ違う、 本物の3人が並んだ、自然な笑顔の写真を見て、笑んだ。]
(294) doubt 2023/05/04(Thu) 20時半頃
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[そうして、別れ際>>287。]
こちらこそ、ありがとう。 また、会いましょ? 学校の話とか、柊さんの事とか、色々聞かせて欲しい。
[ニジノの見送りには、頷き。]
試合観に行くのも、楽しみにしてる。
[ニジノは海外へ行くのならば、次に会えるのは先になるかもしれないけれど。 試合は必ず応援に行くと告げて。]
野々花も、柊さんと仲良くね?
[と、笑んで返した。]
(295) doubt 2023/05/04(Thu) 20時半頃
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[野々花とニジノを見送り、一人になると、私は。 裏門の桜並木があった場所、ベンチに腰掛けて、まだ校内に残るニジノが出てくるのを、待っていた。 迷惑かもしれないと思っても、やはり、心配で。]
[その場所で、VRの中から持ち出した写真を眺める。
今はない、桃色の桜吹雪。 現実では不可能な、同じ歳の玲と私が並んだ写真。 途中、大和子のソロ写真も出てきて、咽てしまったけれど。]
[そのまま、校舎の中へ入る事はなく。 暫くその場で、ニジノを待っていたけれど。 会えたかどうか。**]
(297) doubt 2023/05/04(Thu) 21時頃
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― GW・桜森高校裏門 ―
[裏門で暫く、貰った加工済の写真>>346や、スカートの中が写らない様に撮った、ニジノ様の美麗なポージングソロ写真集を眺めて笑んだり。 ニジノに送った、VRの中で撮った写真(女子3人と大和子、黒板アート、桜並木の風景写真など。写真を見せつつ、ニジノが欲しいと言ったものがあれば送った)を眺めて。]
[そうしていたら、やがて、ニジノ>>347の姿が見えて。 その姿はとても怯えて混乱しているに見えて、私は、両腕を広げてぎゅうって抱き締めて。 震える背中を、きっと落ち着くまでさすっていた。]
――……だいじょうぶ。
[ここに居る、って伝える様に、頬を一度摺り寄せて。**]
(349) doubt 2023/05/05(Fri) 13時頃
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─ 初夏・自宅のキッチン ─
[夜、玲からのLINEを見た時は、実は、ランチを作りに行くつもりでした。 11時頃にお邪魔してランチを作って、夕食には、温めるだけで食べられる物を手土産に持って行って、日が暮れる前には帰ろうかと。
でも、指定の時間は午後で。 受験もあって忙しい玲を、少しでもサポートしてあげたいと思うのだけど。 夕食まで長居してしまうと、却って妨げになってしまうのでは?と、遠慮がちな私は考えてしまうのだけれど。]
[そんな事を考えていたら、キッチンにあるオーブンの電子音が、ケーキが焼けた事を告げて。 パタパタと小走りに、そちらへ向かうのでした。]
(351) doubt 2023/05/05(Fri) 13時半頃
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─ 玲の自宅の最寄り駅 ─
[お昼ご飯を食べ終えて、焼いておいたケーキを箱につめて、家を出る。 玲の家の最寄り駅に着いたら、近くのスーパーで、買い物をして。]
(353) doubt 2023/05/05(Fri) 14時頃
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─ 玲の自宅の最寄り駅 ─
[スタンプを押したら丁度、待ち人の姿が見えて>>359。 手を上げて小走りにそちらへ行ったら、奇しくも、送ったばかりのスタンプと同じポーズになっていたかも。
服装は、夏服の白いワンピースに、 アクアマリンのネックレスをつけた姿で。
荷物を半分持ってくれるのには、ありがと、と言って。]
ね。暑いけど、外を歩けるの嬉しい。 私の方こそ、お招きありがとう。 玲のお母様に会えないのは、ちょっと残念だけれど。
[玲のお母様は私を可愛いがってくれて、私もとても懐かせてもらっている。 見つけた美味しいお店のスイーツを手土産に、一緒にお茶をして、お話をするひと時がとても好きだ。]
(361) doubt 2023/05/05(Fri) 15時半頃
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今日はね、お店のではないのだけど。 レモンメレンゲのタルト、最近覚えたレシピで、 お母様に、採点してもらおうと思って。 気に入ってくれるかしら?
[私と、玲と、玲のお母様のと3人分のそれは。 きっと初夏にぴったりな、爽やかな味。 玲に合わせて、甘さも控えめにしてあるそれが入った箱を掲げて、嬉しそうに笑った。]
(362) doubt 2023/05/05(Fri) 15時半頃
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─ 玲の自宅 ─
[玲の家に着くと、おじゃまします、と言って。 玲にまとわりついている碧ちゃんが私にも気付いてくれたなら、嫌がられなければぎゅーってした。]
[持っていた荷物は全部要冷蔵なので、玲へ渡して冷蔵庫へ。]
――……ん?
[それで。 その後はリビングでお茶をしながら談笑、を想像していた私は、行先が玲の部屋だった事に首を傾げた。 だけど見せたいもの?とか何か用事があるのかなと、特段気にする事もなく。*]
(364) doubt 2023/05/05(Fri) 15時半頃
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おじゃまします……。
[初めて入った、玲の部屋>>365。 シンプルなそれは、イメージ通りだったけれど。
部屋に不釣り合いなうさぎのぬいぐるみを、枕元に見つけて。 くすりと、笑って。]
[ベッドに座る玲。横を促されれば。]
――……座ってしまって、大丈夫?
[私服で、ベッドの上に座ってしまっていいのかなって。 小さく首を傾げるも、促されるままに座る。*]
(366) doubt 2023/05/05(Fri) 16時頃
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そうなのね。 私も、枕元に置いてあるの。狼のぬいぐるみ。 だから、お揃いだなと思って。
[ふふっと、笑って。 それから、玲のスマホ>>367に視線を落とす。 待ち受けに気付いたら、一瞬で頬が赤く染まってしまったけれど。
それから、開かれた画面には思い出の写真が並び。]
この時の私達って、同じ歳なのよね。 同級生だったら、どんなかんじだったのかな。 ちょっと嬉しい。
[言いながら想像して、くすりと笑って。 やがて自分の寝顔写真が出てきたら、赤い顔で咽た。]
これは、恥ずかしいから消して!?
[寝顔写真なんて、とてもとても恥ずかしい。]
(374) doubt 2023/05/05(Fri) 17時頃
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[写真を通信で送ってもらったら、今度は私のスマホのアルバムを見せて。]
私は、2人で撮った写真以外、玲の写真はないの。 ……何か……恥ずかしくて……。
[好きな人の写真って、見るだけで、何だかドキドキしてしまうから。 ソロ写真とか、逆に何だか撮れなくて。
私の写真フォルダには、女子3人で撮ったものや、そこに大和子が加わったもの、各々のソロ写真。 VRの中で離れていた時間に撮ったそれらは、枚数も多くない。 殆どずっと一緒にいたのだから。 他には、玲が撮った写真の、少し下からのアングルの写真とか。 気に入った写真があれば、私も同じ様に送る。*]
(375) doubt 2023/05/05(Fri) 17時頃
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[消したくない>>377と言われてしまったら、それ以上は何も言えなかったけれど。]
[まだ慣れないスマホの操作。 一生懸命転送していたら、優しく髪を撫でられて。>>378 その手の心地良さに、目を細め。]
[進路の話を聞いて。 私の希望の進路も話そうとしたけれど。でも。 続く言葉に、息が、止まった。]
――……いいの?
[間をおいて、やっと零れた言葉は、そんなひとこと。]
(383) doubt 2023/05/05(Fri) 18時頃
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[少し放心した様に、零した言葉は、けれども、はっと我に返って。*]
……あ。でも、お母様が寂しがるんじゃない?
(384) doubt 2023/05/05(Fri) 18時頃
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私が玲の家に? それはそれで、ご迷惑では……。
[玲がこの家を出るのかと思って。 そうなると、お母様が一人になってしまって寂しいのでは、って思ったけれど。>>385]
うん。嬉しい。 私も、一緒にいたい。
[目を細めて、ふにゃっと嬉しそうに笑んで。 髪を撫でてくれる手に身を任せ、瞼を閉じていたけれど。 ふいに肩に回る腕、引き寄せられて、瞼を開ける。
至近距離で見つめられて>>386、私は。 早鐘を打つ鼓動。 瞳で問われた言葉に、ぎゅっと玲のシャツを握って、瞼を閉じて。 重なる唇を受け止めた。*]
(388) doubt 2023/05/05(Fri) 19時頃
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――……っ。
[口付けられながら、後ろに傾く身体。 背中がベッドの上に着地したのを、感じて。
唇に、頬に、何度も唇が落ちてきて。 手が胸に触れるのを感じれば、 この先に何があるのかは、もう分かる。
それはVRの中で、幾度も繰り返した事だから。 でも、現実となると、その重みは全然違う。]
[熱を持つ身体。潤む瞳。でも。
玲の事は、大好きだけど。 まだ、覚悟ができていなかったのか。 動揺して、不安な顔をしてしまったんだと思う。]
(392) doubt 2023/05/05(Fri) 19時半頃
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[髪を撫でられ、耳元に落ちてきた言葉に、小さく肩を揺らし。 全身をベッドに横たえられて。 玲が上着を脱ぐ仕草を、私のワンピースに手がかかるのを、酷い音を立てる心臓の音を聴きながら、見つめていて。]
[怖いのは、玲では、ないけれど。 逃げないで、って貴方にお願いされたら。 私は、逃げられるわけない。*]
――……うん。
(393) doubt 2023/05/05(Fri) 19時半頃
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[現実の玲に触れられる感覚。 VRの時よりも、もっと、心臓が煩くて。 頭がくらくらする。]
[嫌だったら、の言葉>>394に、私は。 玲の背に腕を伸ばして。 ――……ぎゅって、抱き締めた。*]
(396) doubt 2023/05/05(Fri) 20時半頃
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[頬に落ちてきた感触>>416に、睫毛を震わせ。 うっすらと、瞼を持ち上げると。]
……っ。あきら?
[未だ覚醒に至らない頭、ぼんやりと瞳に映った姿に、名を呼ぶけれど。 段々と覚醒してきたら。]
きゃっ!
[真っ赤な顔で、掛布団の中に顔まで潜り込ませた。]
(419) doubt 2023/05/05(Fri) 23時頃
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― その後 ―
[私の身体に奇跡が起こり、病気が治って。 高校に復学した私は、調理部に入った。
理由は勿論、いつかのために料理に慣れておきたいから。 そして家で作っても、食べて採点してくれる人が居ないから、で。]
[玲のお母様が家を空けがちになったら、 受験生の玲をサポートしたくて、料理を作りに行ったりして。
時には野々花と、日本に居たらニジノとも、一緒に料理を作って勉強したり。 焼いたお菓子を並べて、そのままパジャマパーティーもしたかもしれない。 そんな時は、二人の近況や、恋のお話も聞いたかも。]
(420) doubt 2023/05/05(Fri) 23時半頃
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[その後、3年の高校生活を経て、私は大学の看護学科に進学した。 病に苦しむ人の心に、寂しさに、寄り添いたいと思ったから。]
[けれども、そんな日々もそう、長くは続かないのかもしれない。 だって、私にとって一番幸せにしたくて、大切な人が他に居るから。 私を望んでくれるのなら、玲を、家庭を一番に大切にしたいから。]
[窓から差し込んだ光、吹き込む風に、聖書のページがパラパラと捲れる。 ――……【配布能力:光のディフェンス】 その能力は、もう私には無いけれど。 私自身の力で、玲を、まだ見ぬ家族を、守りたい。だって。]
私は、貴方の――……。
[貴方達の――……。 守護者、なのだから。>>3:135>>3:-250 ――……この先も、ずっと。**]
(421) doubt 2023/05/05(Fri) 23時半頃
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――……ん。
[小さく頷くと、布団から、真っ赤な顔を出して。>>428 頭を撫でられ、ぎゅーっを受けた事でしょう。*]
(430) doubt 2023/05/06(Sat) 00時頃
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[ぎゅーって、強く抱き締めてくれて。>>431 私もその背に腕を回すと、ぎゅって抱き締め返し。]
(432) doubt 2023/05/06(Sat) 00時半頃
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