18 星間回遊オテル・デカダン
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──昨晩/自室──
[ひたすらに、何もできなかった昨日の分の遅れを取り戻すかのように、紙に向かってペンを走らせる。 今時紙媒体を使っているのはエフくらいだろう。だが、エフは提出用ではないものは紙に描き殴る。 描く 消す 描く 消す 完成に至るまでの経歴が残るのだ何よりも楽しいからだ]
(4) 2022/05/10(Tue) 09時頃
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地下軌道 エフは、メモを貼った。
2022/05/10(Tue) 09時半頃
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──自室──
[ようやく最低限の形はできた。これなら嫌な顔はされるが引き継いでもらえるだろう]
よくもまぁ……、こんだけ考えなしに引き受けてたな。
[引き受けている案件はすべて引き取り手が見つかった。 思い残すことはなにもない]
[端末に届いた通知を見る]
ま、そうなるな。
[それでいいと思った。デザイナーとして生きて、作品と名を残して、十分すぎるほど充実した生き方だった]
(16) 2022/05/10(Tue) 13時頃
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[集めた紙媒体の資料を分ける。これはあの案件のやつに、こっちはあの案件のやつに。 見る見るうちに部屋が片付いていく]
こういう形で掃除することになるとはなぁ……。
[案件ごとに仕分けした本の山を見て呟く。後はこれを自分が追放された後に、指定された人物に送ってもらうだけだ]
[一冊の本を手に取ってベッドに寝そべる。 別れの挨拶をしたいやつへの挨拶は済ませてある、最後の一日は目を通していない参考資料情報を自分に叩きこむ日にしようと、そう決めた]
(17) 2022/05/10(Tue) 13時半頃
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エフは、別にもてあそんではいない と主張しないといけない気がした。
2022/05/10(Tue) 15時頃
[――救いとはなんだろうか。
実際のところ、本人もよくわかっていないのかもしれなかった。
自分が何を求めているのか。
何を求めて手を差し伸べ続けていたのか。
手を、伸ばし続けていたのか。]
[ポッドの冷却処理が始まる。
星喰いアメーバの体は冷凍には耐えられない。
凍りついた髪の先、指の先から組織が壊れ、砕け、崩れていく。]
[恐怖はさほどなかった。
恐れているのは死そのものではなく、かつて見た、焼き殺される同胞の断末魔だ。
死後の世界も生まれ変わりも信じていないアルクビエレにとって、死はただの終わりでしかない。大抵の命には終わりがあるものだ。
自分がいずれ死ぬことは想定して教団を動かしていたし、後のことは"こどもたち"にしっかりと教え込んである。当然のこととして。
だから、終わりだな、という実感と。
痛かったらいやだな、という不安くらいのものだった。]
[顔が崩れ、腕が崩れ、脚が崩れた。
ポッドの中には、粉々になったきたない肉色の組織片が増えていく。
星喰いアメーバには急所というものが存在しない。
体の一部が残っている限り、意識も思考も続く。
急速に冷えてゆく感覚と、末端から崩れていく痛みがあった。ただ、冷やされ続けているためじきに麻痺して、わからなくなった。
焼かれるよりはましだったのかもしれなかった。
全てが塵と化す直前、最期の意識がふと、思った。]
[この瞬間、手を伸ばしたとして、
もしも、誰かがその手をとってくれたとしたら、
もしかしたら、それが、――]
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──自室──
[読み終わった本を送る予定の荷物の箱に入れ、再びデスクに向かう]
[どういうデザインにしようかと、荷解きをしようとして、やめた]
最後の仕事くらいは……オレ自身のアイデアで勝負しますか。
[まだ大量にあるまっさらな紙の山から紙を一枚、手に取る]
最高傑作作ってやるさ。
[部屋にはペンを走らせる音だけが響いている]
(36) 2022/05/10(Tue) 18時半頃
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[手をとる者などいない。
誰にでも優しく、誰にでも微笑み、
誰の手もとろうとし続けた"慈悲深い"教祖には、
最期に思い浮かぶ誰かの顔すらも、なかった。]
地下軌道 エフは、メモを貼った。
2022/05/11(Wed) 00時頃
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──自室──
[端末の時計を見る。 そろそろ皆で集まって会議をしている頃かと思う]
[視線を再びモニターに戻した。行ったところで歓迎はされるまい。 それよりも今は余計な事に気を回したくない。一瞬すら無駄にしたくない]
[刻一刻とリミットは迫っている。何としてもこれだけは、この仕事だけは完成させないといけないから……]
(134) 2022/05/11(Wed) 22時半頃
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地下軌道 エフは、メモを貼った。
2022/05/11(Wed) 22時半頃
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──自室──
[すべての仕事が終わった]
[解放感に包まれたままシャワーを浴びると、冷蔵庫からとっておきの一本を取り出し、一気に缶を呷る]
っつ……、あーーーーーー!!!終わったぁ!!!!
[伸びをして缶を片手にリクライニングチェアに体を沈める]
やることは全部やった。 今日は……、今日は一日いい日だったな。
[片づけられるものは全て片付けた。綺麗になった部屋を見回しながら酒を飲み進める]
……本当にいい日だった。
[端末を手に取りボーっと眺める。いい感じにアルコールが回ったのか段々瞼が重くなり]
[そのまま目を閉じた]
(153) 2022/05/11(Wed) 23時半頃
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地下軌道 エフは、メモを貼った。
2022/05/12(Thu) 00時頃
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