14 冷たい校舎村10
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[ 冬だった。 吹きすさぶ風の厳しさも、 頬や瞼を濡らす雪の冷たさも。 けれど知っている。 体温を分かち合えるのであれば、 凍てつく冬もなんてことはない。 そう遠くない未来に、 君のこころにやわらかな風が吹きますように。]
(7) nabe 2021/11/15(Mon) 19時半頃
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[ さよなら≠ナはなくまたね≠告げて。 季節の巡り廻る世界へとわたしはかえってきた。]
(8) nabe 2021/11/15(Mon) 19時半頃
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── 現在 ──
…………。
[ 雪は降っていなくとも、 真冬の夜は寒いこと。知っている。
クローゼットを開けたところだった。 淡いベージュと白と薄いピンク。 それらが織りなすチェック模様。 相変わらず、丁寧に畳まれてそこにある。]
(9) nabe 2021/11/15(Mon) 20時頃
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[ こちらの世界で目が覚めて、それから。
スマホに届いていた数々のメッセージ。 この世界への帰還を知らせるそれらを見た。 君との駆け込みセーフは二度目……でいいのかな。
つまり、君が帰ってくることを確信しながら、 わたしはすぐさま出かける準備をはじめた。
部屋着のスウェットをベッドに放り投げ、 当たり前のように制服を着込んだ。 コートを着ても尚、外は寒そうで、 わたしはクローゼットを開いた。数秒。 ぱたんとその扉を閉じて階下に声を投げる。]
(10) nabe 2021/11/15(Mon) 20時頃
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──お姉ちゃあん、 マフラー貸して、今すぐー
[ なにが起きたか説明するでもなく、 わたしの声に驚いた家族たちとて、 どこに行くのかと尋ねるわけでもなく、
姉が投げて寄越したマフラーを巻いて、 わたしはいたって堂々と、玄関を出た。
……雪が降っていなくてよかった。 自転車に跨り、いざ行かんとそのときに、 思い出したようにグループチャットを開く。]
(11) nabe 2021/11/15(Mon) 20時頃
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『 おかえり。今から行くねー 』
[ ごく短い文章を打ち込めば、 雪のない、けれど人気も少ない道の暗闇を、 自転車のライトの光で切り裂き、走り出す。 無彩色が、今もわたしの首を守ってくれる。*]
(12) nabe 2021/11/15(Mon) 20時頃
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── 校舎にて ──
……まなちの頑固者。 ゴーイングマイウェイ。 そのうち二つ名がつくよー まなち・ザ・マイペース
[ いつかと同じ場所に彼女はいた。 真っ先に口にしたのは謝罪だったくせ、>>18 そこから頑として動く気のなさそうな姿に、 わたしはすらすらと言葉を並べ立てたかった。
いくらここが優しい世界だとしても、 壊れゆく場所に置いていくのが嫌で。 わたしは、わたしのわがままとして、 冗談めかした言葉で少しだけ抵抗する。]
(29) nabe 2021/11/16(Tue) 20時半頃
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[ この世界は壊れかけている。 和歌奈ちゃんはそう言った。けれど、]
……ここで星を眺めていても、 ちゃーんと帰れる……のかなあ?
[ やはりわたしに断言できることではなく、 この世界の創造主に視線を向けながら、 わたしは腰に手を当てて立っていた。]
(30) nabe 2021/11/16(Tue) 20時半頃
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[ ……けれど、彼女にその気がないなら。 本当は担いでだって連れていきたいけれど、]
……呼べなかった≠じゃなくて、 呼ばなかった≠だって。 わたし、そう捉えるよー、まなち。
本当に必要なときには、 ちゃんと声を上げてくれる?
[ 少し不安なのだ。 この世界の終わりも、君のことも。 ただの一人の友だちとして。]
(31) nabe 2021/11/16(Tue) 20時半頃
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[ 心配。というより、心細いが表立って、 わたしの眉尻は少しだけ下を向いた。 あの世界の終わる間際のことだった。*]
(32) nabe 2021/11/16(Tue) 20時半頃
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── 現在・病院 ──
虎ちゃーん…… ピンピンしてるねえ。
[ 夜の病院の自販機コーナー。 とんと縁のなかった場所に、 見慣れた姿をひとつ見つけ。
わしゃっと撫でまわそうとした手を、 けんもほろろに振り払われたわたしだった。
それも含めてコジローだなあと、 しみじみしているわたしに彼は告げる。 手術室ならあっち。指をさされた方を見て、 わたしはお礼を言ってそちらに足を向ける。]
(33) nabe 2021/11/16(Tue) 20時半頃
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[ 二度目だったから彼の対処は素早かった。>>4:+70 ……のかはわたしには知りようがないが。
教えられた方向へと向かえば、 何人かの友だちがそこにいるのが見える。
目立つのは床にへたり込むなっちんだ。>>16 お行儀が悪い……というのは冗談で、
それでもわたしはその肩を叩き、 なっちんったらーと軽やかに言おうとしたのだ。
驚いてくれるだろうかという悪戯心。 小走りで背後へと近寄り、 その頬を外気に冷えた手で挟もうと──、]
(34) nabe 2021/11/16(Tue) 20時半頃
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[ ストレッチャーが去っていく。>>16]
(35) nabe 2021/11/16(Tue) 20時半頃
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[ 顔を上げたら、周囲がよく見えた。
閑散とした空間。そこに集まる人たち。 病院の人たちに運ばれる友だちの姿は、 想像以上に痛々しい。生々しかった。
君の帰りを待ちわびていたらしい人たちは、 あの文化祭の日とはまるで違う、 安堵と、尚も拭いきれない不安を浮かべ、 きっとこれから君の病室へと向かうのだろう。
これは何もかも現実だった。 そのことを今さらながらに痛感する。]
(36) nabe 2021/11/16(Tue) 20時半頃
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[ ね。ちゃんと帰れてたでしょう。 あの世界でひどい姿だったコジローも。 わたしの言った通りだったでしょう。
用意していた軽口が何一つ出てこないまま、 わたしは泣くとも笑うともつかない表情で、 和歌奈ちゃんが運ばれていくまでを見ていた。*]
(37) nabe 2021/11/16(Tue) 20時半頃
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── 後日・床に伏せる君と ──
[ それからどれほど経ったころか。
我らが担任ナオシゲくん。 生徒のピンチにもニコチンを切らす、 ストレス過多なみんなのダディを捕まえて、 面会できるようになったと聞きだせば、
わたしは学校帰りの制服姿で、 ふらりとその場所を一人で訪れる。
片手にはドーナツ屋の袋、 もう片方の手にも紙袋を下げて。]
(44) nabe 2021/11/16(Tue) 22時頃
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やほー、わかにゃん。 みんな大好きドーナツボーイのお届けだよー 山盛り買ってきちゃったから、 妹ちゃんとか親御さんとおやつにしてねー
[ 軽い口調で切り出して、 片方の袋を適当な場所に置いた。
好き勝手に近くにあった椅子を引き、 ベッドの近くに腰を下ろせば、 今度はもうひとつの紙袋の出番。]
こっちはナオシゲくんからの預かり物。 ……なんだけどー、 どう? 受験間に合いそー?
(45) nabe 2021/11/16(Tue) 22時頃
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[ こんなところでも勉強に追われるなら、 塾の授業のほうが要点がまとまってたから、 資料を横流ししてあげようっておどけて、 ……シリアスなトーンは打ち消せただろうか。
なんせわたしたちは受験生である。 心配事も考えるべきことも腐るほどあり、
けれど、それ以前に君は君で、 今ここに、きちんと体温を持って存在する。
君について。まだ知らないことがあるとしても、 それさえあればどうとでもなる。 ……とさえ、わたしはこころのどこかで思い、]
(46) nabe 2021/11/16(Tue) 22時頃
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……わかにゃーん、 ちょっとだけハグしてもいい?
[ はい! と大きく手を広げて、 締まりのない笑みを浮かべたわたしだった。*]
(47) nabe 2021/11/16(Tue) 22時頃
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── 病院 ──
[ 思ったよりもなっちんは派手に泣いていた。>>51
わたしはそうすることもできずに、 なんともいえない顔して周囲を見るばかり。
どのくらいそうしていたのだろう。 君は気づけば自力で立ち上がっていて、>>52 おや。また手を貸す機会を失ってしまった。
ふいに呼ばれた名前。>>53 わたしは素直にその声の主に顔を向け、 その涙でぐちゃぐちゃの顔が、 へにゃりと笑顔を作るのを見ていた。]
(59) nabe 2021/11/16(Tue) 23時頃
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[ ──ああ、そうか。 やっぱり笑っていい場面だよなあ。
起きた事実は覆らないとして。 これをきっかけに変わる未来や、 こころを痛める人がいるのとしても、
少なくともわたしたちの友だちは帰ってきた。 だから、目の前の顔を手本とするように、 わたしも目を細め、頬を緩ませる。]
(60) nabe 2021/11/16(Tue) 23時頃
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[ それから、 先ほどし損ねたことのリベンジみたいに、 きっとまだ濡れている頬に手を伸ばし、 指先で摘まんでやろうとしながら言うのだ。]
うん。路子だよー ただいま、なっちん。 言ったでしょー、大丈夫って。
[ 天はわたしの味方なんだよ。 ……とは、今回ばかりは言えない。 けれど、わたしの友だちが選んだ結末だ。
……いくらそうは言ったって、 わたし、この現実の空気にあてられてるの。]
(61) nabe 2021/11/16(Tue) 23時頃
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[ ──だから、]
ご褒美にぎゅーってして。
[ じゃなきゃ君のかわいい頬っぺたを、 冷えに冷えたこの両手が襲うでしょう。
甘やかしてくれるんでしょう? 遠くも思える約束を今こそ持ち出してみようか。*]
(62) nabe 2021/11/16(Tue) 23時頃
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── 後日・主じゃなかった君と ──
今帰りー? ご一緒させていただこうかしらー
[ やあやあとわたしは君を引き留める。 そうそう、そこの君だ。
わたしより少し背が高く、 質の良い上着を着ている。 ……あの日と同じであれば。
どんなに衝撃的な出来事があれど、 それが誰かのこころを人知れず抉ろうと、 日常は続くものであるからして、それらしく。]
(63) nabe 2021/11/16(Tue) 23時頃
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[ 聞くなり、乗ってきた自転車を降り、 勝手に隣を取るように歩き出しながら。 わたしはすらすらと言葉を紡ぐ。]
あの世界を作ったのは ヘータローじゃなかったけどー
あの世界の主かもしれないって理由で、 心配してたわけじゃないんだよー?
[ つまり、今も君が少し心配です。 ただ友だちとして。当たり前のことでしょう。 だから、当然というふうにわたしは言って、 少し首をかしげて、その顔を覗き込む。]
(64) nabe 2021/11/16(Tue) 23時頃
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……忘れちゃった?
[ 覚えていたら、と言ったのは君だ。 忘れていなくて、気が向きそうなら、 宿題は済んだのかと尋ねてみようか。*]
(65) nabe 2021/11/16(Tue) 23時頃
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── 病院 ──
……でしょー
[ 屈託なくなっちんは笑った。>>67
委員長らしくだとか、 ちゃんとしなければだとか、 意識したことなんてなかったはずだ。
同様に、人に認められてようやく、 自分の行いを正当化できるというのも。
けれど今、わたしは安堵している。 その笑顔をなにかの証明として、 今は再会を喜ぼう──なんて気取った言葉。 口に出すわけではないけれど、ただ、]
(69) nabe 2021/11/17(Wed) 00時頃
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……ふふ、高くつきそうだなあ。 ほら、もっと強くーぎゅーっとな。
[ 10cmの身長差。 結局抱き着かれているみたいな格好で、 わたしは言葉通りぎゅっと腕に力を込めた。
3人目ともなると親の目もザルなのだ。 ……あるいは家系的にお気楽であるからして、 自力でここまでやってきたわたしの体は、 お察しの通り、きっと冷えに冷えている。>>67 だから少しばかりその体温を分けてね。
いつかできなかったぶんのリベンジ?>>68 それでもいい。今はただ引っ付いてたいの。]
(70) nabe 2021/11/17(Wed) 00時頃
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なっちん、あったかーい。 ……生きててよかったあ。
[ 君もわたしもみんなまとめて。
鼻先をうずめた髪に、肌に、 冬の匂いはもう感じられなくて、 わたしは少しの間、そうして目を閉じていた。**]
(71) nabe 2021/11/17(Wed) 00時頃
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── 後日・主じゃなかった君と ──
なんだとはご挨拶だなー わたしじゃ期待外れですか。
[ 文句を言いつつも隣に並び、 冷たい風の吹く通学路を共に歩く。>>94
人通りが特別少ないわけでもない、 雪が降り積もるわけでもない通学路。 彼の代わり映えのない日常の一片として、 わたしが存在するというなら光栄である。
何の話だとでも言いたげな顔で疑問符を飛ばす、 君のために親切に補足しておいてあげようか。>>95]
(108) nabe 2021/11/17(Wed) 21時半頃
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友だちが落ち込んでたら、 そりゃー気になるでしょー
死にかけたわけじゃなくても、 一晩で校舎を建てたわけじゃなくても。
[ 軽い口ぶりで添えてやるころには、 君もどうやら話の流れを汲んだらしい。
思い出してくれたならこれ幸い。>>96 泣く奴などいないと言ったときの君が、>>3:91 こちとら忘れられずに困っていたのだ。]
(109) nabe 2021/11/17(Wed) 21時半頃
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[ 例の彼女と何かあったのか。 ──とは、あのとき確かに思ったはずで、 それについて今聞き出そうとしたのはわたし。
つまり、動揺する余地などないはずで、 気の利いた言葉のひとつでも吐ければよかった。
要は、そうはできなかったのだ。 あまりにあっさりとこぼされた言葉。>>96 身構えていなかったわたしは、 面食らってまじまじとその顔を見つめたあと、 ため込んだ空気を吐き出すように言う。]
(110) nabe 2021/11/17(Wed) 21時半頃
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……そっかー なにかあったのかなーとは、 あのとき、薄々思ってたんだけどー
[ ずんとこころが重くなるようだった。 どうやらわたし、勝手ながら、 多少なりとも共感というのをしてるらしい。
冗談ぽく笑った本人とは裏腹に、 わたしはうまく表情を作り損ない、 自分の足元に一瞬視線を落とした。
歩く速度に合わせて回る車輪。 それが何周かするのを見届けて、 大きく息を吐いたわたしは顔を上げる。]
(111) nabe 2021/11/17(Wed) 21時半頃
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なんだろうな。 悲しいねっていうのも変だし。 残念っていうのも、妙な感じ。
生まれてから死ぬまで、 何百人と出会うはずなのに、 なんでそのうちのたった一人に、 こんなに揺さぶられちゃうんだろう。
そういうこと考えたの思い出して、 ちーっとも笑えないんですがー
[ そのへらっとした笑み、続けますか? 歓迎できないなあと口をとがらせて、 恐らく君が期待したのとは違う反応を、 わたしは自分の中で模索していた。]
(112) nabe 2021/11/17(Wed) 21時半頃
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……でも、やっぱり、 残念だったねえ、かなあ。
婚約者っていわれてもピンとこないけど、 好きなんだなーとは思ってたよ。だから。
[ 過剰な感情も好奇心も覗かせないよう、 わたし、努めて口調を変えないように言う。
あくまでそれを失恋と捉えながら、 かといって、具体的な慰めとか、 アドバイスの類はどうにも出てこないのだ。
受け売りでよければお伝えするけど、 あまりアテになりそうにないの。 わたしの実体験に基づけば。だから、]
(113) nabe 2021/11/17(Wed) 21時半頃
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ねー、 どうやってやり過ごせばいいのかな。 わたし、考えてもわからないの。 ヘータロー、あんまりうまく笑えてないよ。
[ 具体案を何も伴わないまま、 困っちゃうなあとわたしは眉を下げて笑う。*]
(114) nabe 2021/11/17(Wed) 21時半頃
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── 帰還前 ──
そう言ったからにはー ちっとも呼んでくれないと、 頼りにされてないのかなー? って、 わたしがへこんじゃうからねー
[ 約束。その言葉に頷きながら。>>57 なにも君のピンチを願っているわけじゃない。 ただ、頼り頼られでやっていこうよって話。
それで解決──でいいかとも思ったが、 どうにも話はすんなりまとまらない。
好き。を言うのに照れちゃうわかにゃんは、 なんだかうぶでかわいいなあ、なんて、 静観を決め込んでいたんだけれど、]
(129) nabe 2021/11/17(Wed) 22時半頃
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まったく君たちはー こんなときにも、 和歌奈お姉ちゃんを困らせてー
[ わかにゃん以外はみんな下の子。 そんな偶然に驚いたのは少し前のこと。
口々に倉庫に残ると言い出す二人に、 わたしはのんきに茶々を入れていた。 手のかからない下の子代表として。
さてお姉ちゃん、どうしましょうか。 ホストたる君に委ねたような気持ちは、 突然の叫び声で少しばかり切り替わる。>>119]
(130) nabe 2021/11/17(Wed) 22時半頃
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[ そこで折れるのは、まなちの優しさだろうか。 それとも諦めともいえるものだった?
……宣言を覆すや否や、 猫さんをご指名するまなちに、>>121 わたしは目を細めつつも歩き出すだろう。]
──うん。 揃って帰れてうれしいよ。
ありがとうね、まなち。 がんばってねー、猫さん。 おかえりー、わかにゃん。
[ 今だけはそうやって、 前向きな言葉だけを口にしていたいの。*]
(131) nabe 2021/11/17(Wed) 22時半頃
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── 後日・主じゃなかった君と ── あの世界では、ねー ……落ち込んでるって思われたくなかった? [ 質問に質問で返すのは意地が悪いかな。 そういうことなのであれば、大丈夫。 きっと日常の中で違和感を覚えさせるほど、 君の態度が不自然だったってわけじゃないよ。]
(144) nabe 2021/11/18(Thu) 21時半頃
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[ 言葉数少ない帰り道。>>133
こういうとき、どう反応されるのが好ましいか。 自分自身に問いかけてみたとて、 何も言われたくなかった、というのが結論で、 沈黙を埋めるものはなくなってしまう。
それでも君が言葉を継いでくれて、>>134 かろうじて会話の形を保っている今。]
……やるせない、かー そうかもしれないねえ。
[ 喜怒哀楽、はっきりとした感情に落とし込めない、 宙ぶらりんのこころにちょうどよく合う気がして、 わたしはその単語を反芻してうっすら笑った。]
(146) nabe 2021/11/18(Thu) 21時半頃
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でも、筋違いかなあ? はじめ、勝手に決められたんでも、 その子を好きになったんじゃない?
そりゃ、やるせないよ。うん。
[ 慰めのような言葉を掛け合いながら、 わたし、それがさして響かないのも知ってる。
慰めてほしいわけじゃなかったのだ。ずっと。 相手への思いを認めてほしいんでもない。>>135 過去に戻ってやり直したいわけでもなかった。
だから、お互いいびつな笑みを向けるとしようか。]
(147) nabe 2021/11/18(Thu) 21時半頃
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閣下も時には教えを請いたいのー
それにね、なにかができるってのは、 きっとなにかができないことの裏返しだよ。
でも、うん……そうだなあ。 和歌奈ちゃんを連れ戻さなきゃって、 あのときは、忘れてた気がする。
バカ騒ぎ、とは違うけどさー
[ あの校舎での長いようで短い時間。 それを瞼の裏に浮かべながら。 わたしは少し納得したような思いで言う。]
(148) nabe 2021/11/18(Thu) 21時半頃
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忘れたかっただけなんだなー きっと。死んじゃいたいというより。 この、どうしようもなくこころが痛いのを。
[ 言語化できたって、 対処法がわからないのだから困るんだけど。
けれどまあ、わからないままよりは良い。 そんな思いからか、とある冗談に対してか、>>136 わたしはふふふーと目を細めて君を見た。]
(150) nabe 2021/11/18(Thu) 21時半頃
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……怒らないよ。 でも、そうだなあ……、 わたし、恋がしたいわけじゃないし。
……ヘータローはしたいの? あの子以外の子と手を繋いで、 キスして──その先のことも?
それなら、しちゃえばいいじゃん。 案外さ、先に相手を見つけちゃったり、 啖呵切っちゃえば許されたりするかもよ。
だって、跡取り息子の結ばれるお相手が、 君のおうちの運命のすべてを決めるの?
(152) nabe 2021/11/18(Thu) 21時半頃
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……怒った?
[ 畳みかけるように言った末に、 わたしは笑みを浮かべたまま首をかしげる。
その世界を知らないからこそ言える、 能天気な戯言でしかないかもしれない言葉。 別に意地悪な気持ちで言ったわけじゃないの。 わたしのふつうの感覚には不思議だっただけ。
……少し言い返したかった。 そういう気持ちは否定しないでおこう。]
(154) nabe 2021/11/18(Thu) 21時半頃
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[ 道の凹凸を避けるように、 えいっと踏み出したローファーの先で、 小石のひとつを遠く蹴飛ばしながら。*]
(155) nabe 2021/11/18(Thu) 21時半頃
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── 後日・床に伏す君と ──
[ 自由のきく足で軽やかに病室にたどり着き、 わたしは君のもとに顔を見せた。 飯尾先生の近況。そう面白いものでもないと思う。]
白髪が増えたのは単純に年だねー じきにお腹まわりも気にしだすよ。
……つまりー、心配ご無用。 ナオシゲくんはあれでー、 生徒のフォローがオシゴトですから。
[ モーマンタイ。差し入れを受け取っとくれ。 塾の資料は今度持ってくるねって笑って、 わたしは和歌奈ちゃんのそばに腰かける。]
(166) nabe 2021/11/18(Thu) 22時頃
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[ 君の内心の葛藤など知らず、 熱烈にハグを求めたわたし。
君の復唱はなんだかぎこちなくて、>>142 わたしは思わずくすくすと笑ってしまう。]
うん。はぐ。 ……そう、妬いちゃったのかもー でもー、ちょっとだけ機嫌なおったや。
ふふ、もちろんだよー 路子ちゃん。いい響き。
[ ゆるりと広げた手を君に回す。 すんと鼻をすすってわたしは呟く。]
(167) nabe 2021/11/18(Thu) 22時頃
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あのねえ、 顔を見たら泣いちゃうかも。 ……って思って、ひとりで来たの。 和歌奈ちゃん、生きててくれてありがとう。
[ ぎゅうっと力を込めて数秒。 少ししてからその背中を解放し、 わたしは満足げに笑って、何気なく、 ……何気なく聞こえるよう、尋ねる。]
(168) nabe 2021/11/18(Thu) 22時頃
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……妹ちゃんとは、 ドーナツ分けっこできそう?
[ まずはそんな話から少しずつどうだろう。 今すぐ全部話してなんて言わないからさ。>>141 準備ができたことから教えてほしい。
だから、のんびりとした調子で、 少しくらい近況を聞いて帰れたら。*]
(169) nabe 2021/11/18(Thu) 22時頃
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── 後日・主ではなかった君と ──
……へへ、 好き≠チてなんだろうねー 次があればもう少し見えてくるのかしらー
[ ふんわりとした肯定?>>181 もごもごと口を動かす君を、 追求するでもなくわたしは口ずさむ。 何かの曲の断片みたいに。
今はまだあるとも思えない次≠フ話。 時間が癒すだとか、新たな恋を探せだとか、 先人たちの助言がこころを埋めてくれない理由。 それを君の言葉に見出してもいいかな。>>182]
(195) nabe 2021/11/19(Fri) 00時頃
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[ ぱちぱちとわたしは数度瞬きを繰り返す。
ふつうの、大勢の人に乗り越えられるものが、 わたしに乗り越えられないはずがないと思っていた。 こんなに痛みを伴うものかと驚きながら、 なぜ人々が耐えられるのかが不思議だったのだ。 ……それを、わたしが痛がりなのだとすれば?]
それは──ずいぶん難儀なふつう≠ナ、 ちょっと衝撃的で、笑えちゃうなあ。
[ どうにも力が抜けてしまって、 わたしは言葉の通り、思わず笑っていた。]
(196) nabe 2021/11/19(Fri) 00時頃
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[ なんてふざけたオチだろう。 ケラケラと笑っていたわたしは、 唸る君のことを目元を拭いながら見ていた。>>184
濁された言葉。オブラートに包まれた答え。>>184 そこを掘り下げるなんて野暮なことはよそう。 分別のあるふつうの男の子としての回答に、 わたしはうんと目を細めて言う。]
(197) nabe 2021/11/19(Fri) 00時頃
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……恋はするものじゃなく、 抗いようもなく落ちるもの。
──なーんて聞くし、 幣太郎がそう望むなら、 見つかるといいねえ、次の好き≠ェ。
[ 軽い口調でそう言ったけれど、 繰り返す。わたしは君のノロケ、好きだったよ。
君自身も次の機会を望むのであれば、 またああいう顔をするようになってほしいと思う。]
(198) nabe 2021/11/19(Fri) 00時半頃
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あはー、へータローの心が広くてよかったー
……でー? それ、ほめてるつもりー? 仕方ない──って吹っ切れてないんだから、 未練をかきたてるようなこと言わないでくださーい。
[ きれいな弧を描いた小石が、 数歩先の地面に落ちて一度跳ねた。
君の紡ぐ言葉は答えづらい類のそれで、>>186 わたしは冗談めかして笑っては、 ふらふらとふざけた足取りで地面を蹴った。
君の歩幅も歩くスピードも、 意識することのない自由な振る舞いで。**]
(199) nabe 2021/11/19(Fri) 00時半頃
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── 後日・主ではなかった君と ──
次が見つかれば──ふふ、 プレゼントに悩んだときは、 いつだって招集してくれていいのよー 臨時委員会で思いがけない意見が出るかも。
プレゼントに悩んだときだけじゃなく、 うまくいかなくなりそうかも? って、 いやーな予感がしはじめたときにも。
[ うまくやるなんて気負いが、>>213 君の口から発されたものだから、 わたしはいつかのプレゼント談義を思い出した。]
(215) nabe 2021/11/19(Fri) 20時半頃
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[ うまくやる、というのは難しい。 なんせわたしたちには、 人のこころというものが見えない。>>214]
へータローの鈍感めー とっととどこかの女の子にメロメロになって、 夢中になってのぼせて振り回されちゃえ
[ 次があっても、なくっても、 わたしたちの前に続く道に、 優しい追い風が吹いていますように。
そんな祈りを胸に、 春の気配もまだ遠い寒い日の放課後、 友だちたる君の隣で、なにかの縁を噛み締めている。*]
(216) nabe 2021/11/19(Fri) 20時半頃
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── 後日・床に伏す君と ──
[ いろいろな甘さがごちゃ混ぜになった、 幸せの詰め合わせみたいな紙袋。>>222
わあわあと会話をしながら、 それぞれが好きなのを選んで食べること。 君がそれを家族とすることを想像すると、 わたしはうれしいなって気持ちになれる。
わたしが泣いても気にしない君。>>223 耳のうんと近くでわたしはくすくす笑う。]
(241) nabe 2021/11/20(Sat) 00時頃
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……わたしもー、 和歌奈ちゃんには見られてもいいよ。 ほかの人にはちょっと嫌かなー?
[ この件については、まあそんなところ。
話は移ろい、君とその家族の話。 わたしは頷く君を目を細めて見つめ、>>224 よかった、の思いを懸命に視線に込めている。]
……うれしかったんだねえ、妹ちゃん。 お姉ちゃんにお祝いをしてもらったのが。
(242) nabe 2021/11/20(Sat) 00時頃
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和歌奈ちゃんがかえってこなきゃ、 その笑顔は存在しなかったわけだ。
……かえってきてよかった! ねー
[ しみじみとしたふうに君が言うから、>>226 わたしは被せるように強く断定する。
過去は消えない。けれど、 生きている限りそのうえには、 様々なものが積み重なっていくから。
君が振り返って笑えるようになるまで、 どこまでも新たな今日を重ねていこう。]
(244) nabe 2021/11/20(Sat) 00時頃
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なんとかできるよ。 和歌奈ちゃんなら。 わたしが言うんだもん。 間違いない……でしょ?
[ 冗談めかした言葉に希望を込めて、 君の未来への祈りとしてこれを贈ろう。**]
(245) nabe 2021/11/20(Sat) 00時頃
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── その後・打ち上げ ──
おかえり、和歌奈ちゃん。 それからー……、これからもよろしくね。 えー、わたしたちみんなの輝かしい未来にー?
[ 乾杯のご発声を──というフリそのものが、 高校生の打ち上げらしいのかどうか。
おいしそうなお菓子。 紙コップではなくグラスに注がれたジュース。
そういう場の空気にあてられながらも、 しまらない乾杯の合図とさせていただこうか。]
(262) nabe 2021/11/20(Sat) 11時頃
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[ グラス片手にあちらこちらと歩き回り、 わたしは楽し気な話ばかりをした。
まだ春からの行き先が不透明な人にも、 わたしたちの抱えるすべての問題が、 春の気配とともに溶けて消えるんじゃなくても。 わたしは笑ってグラスを打ち鳴らす。
否が応でも季節は移ろい、 長かった冬が終わろうとしていた。*]
(263) nabe 2021/11/20(Sat) 11時頃
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── 春 ──
手はかからないし、 合格実績には貢献するし、 いやあ、良い生徒だよねー
もっと褒めてくれてもいいよー
[ ──春立ちぬ。 良い知らせを携えて、 世話になった塾を訪れていた。
緊張で実力を発揮できないということも、 その日に限って凡ミスを連発することもなく、 いたって順調に進学先を決めたわたしだった。]
(264) nabe 2021/11/20(Sat) 11時頃
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[ 尊大な物言いに塾の先生は苦笑いをして、 面談ブースでいくつかの書類を眺めている。 わたしはその指先をなんとはなしに見ている。
そのとき、人影が二つ背後を横切った。 きみが別のスタッフとともに、 別のブースへと入っていくところだった。
表情までは見えなかった。 顔を上げてそちらを見ていたわたしに、 どうかしたのかと尋ねる声がある。]
(265) nabe 2021/11/20(Sat) 11時頃
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……ううん、なんでもー
[ さらりとわたしは答えて、 再び視線を机上の書類へと落とした。
季節は巡る。 もうじき春がやってきて、 桜の花が散る頃、わたしは大学生になる。
きみがどこで春を迎えるかは知らないし、 暦の上ではもうとっくに春だった。]
(266) nabe 2021/11/20(Sat) 11時頃
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[ サクラサクって。 言いたかったなあ、きみに。]
(267) nabe 2021/11/20(Sat) 11時頃
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[ 思ったよりも、あの頃のわたしは幸せで、 それを失ったことがショックだったんだろう。
書き出してしまえば、これ以上なく単純なのに、 いったいわたしは何を読み落としていたんだろう。 気づくのにずいぶんかかってしまった。
恋をしたかったわけではなくて、 ただきみに恋をしていたの。
この痛みを忘れてしまいたいと願っても、 きみのことまで忘れたいわけじゃなかった。
次≠探す理由も今はなく、 こころに埋められない穴がある代わり、 君たちとの思い出を積み重ねて今日を生きている。]
(268) nabe 2021/11/20(Sat) 11時頃
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[ もう、きみの姿は見えなかった。
ただブースの入口に引っ掛けられた、 使用中≠フ赤い札がゆらゆら揺れていた。
おめでとう きみに言いたくて言われたかった言葉を、 きみではない誰かから手向けられながら、
そこに確かに優しさとあたたかさを感じて、 わたしはきみではない人に、 ありがとう≠ニ目を細め、やわらかく微笑む。]
(269) nabe 2021/11/20(Sat) 11時頃
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[ 吹く風の優しさが春だった。 きみの不在にも季節は巡る。**]
(270) nabe 2021/11/20(Sat) 11時頃
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