15 青き星のスペランツァ
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― 安置室 ―
[謹慎の通達があった。
遅かれ早かれこういう日は来るだろうと、そう思っていた。いや、思った以上に来るのが遅かったというのが本音だ。
おそらく『ヨーランダ』が死亡し、そこから調査が入ったのだろう。『ヨーランダを名乗る男』が調査船の船員として働いていると……]
[幸いなことにこの船では斎を重視している。船員との交流の禁止はあれど、墓守として安置室で働き続けることは許された。それでいいと思った。居場所であり自分の本質を失わずにすんだから]
[通達からさほど時間が経っていない頃だった、空のカプセルが運ばれてきたのは。ヨーランダに謹慎処分が下ったことは、本人への通達と同時に全クルーに知らされている。
カプセルを運び入れたやたら独り言の大きい船員は
「落石事故だってよ。一緒にいたキランディはだいぶ憔悴してるんだってな」
と、弔いの準備をしているヨーランダの背後で、やたらと大きな独り言を言い続けている。
キランディはハロと調査に行くと言っていた。きっと自分に責任があるという念に苦しんでいるのだろう。
ヨーランダもその気持ちはよくわかる、自分が頼まなければギロチンの運命は変わっていただろうから。
……いや、比較するのも失礼だなとヨーランダは思い直した。だが、同じ気持ちを持っているとしたら話しくらいは聞けるだろうか?]
[ヨーランダは“うっかり”メモとお供えのお菓子を包んだ紙包を落としてしまった。
やたらと独り言の大きい船員は これは誰の忘れ物かな と包み紙を拾い、ニヤリと笑いながら安置室を出て行った]
[一人になったヨーランダはカプセルを覗き込んだ。
空だ。
こういうことは稀ではない。何故なら死に形はないからだ。
ある人は現場に残されていた服の一部だけ収められた、ある人は唯一持ち帰ることができた触角だけ収められた、ある人は形成不可能として袋に入れられたまま収められた]
はろ
[ヨーランダの手は自然と出発前に触れられた頬に伸びた。小さい体で飛び回り、みんなとお喋りしていたハロはここにはいない。
もし、一部でも回収できるのなら回収してほしい。マーレ10に置き去りにするのではなく、一部でも一緒に帰還したい。
先にこの部屋に来たアシモフとギロチンと一緒に、寝かせてあげたい]
おやすみ。
[棺の主の不在を隠すように、ヨーランダは空のカプセルに布をかけた**]
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─ 三日目 アリババのいつもの場所 ─
[その場を動けなかった。 通信の音が、船内の喧騒が、耳から入って、どこも通らずに抜けていく。 確かに此処にいる筈なのに、何もかもが遠くて、自分だけ薄い膜を一枚隔てた別の世界にいるような、不思議な感覚だった。
──どうしよう。 何も浮かばない。思考を動かせない。
ふと、探索初日の夜中に、ハロと話したことを思い出す。>>1:69 行くと、確かめると『本当』になってしまうから、という意図のことを、ハロが言っていたのを思い出して、ケトゥートゥは。 通信を切って、端末を伏せた。**]
(27) 2021/11/13(Sat) 10時半頃
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─ 三日目 通信:アリババ>>9への応答 ─
[無事の報せに、ほっと胸を撫で下ろす。ライジだけでなく、アリババ自身も問題なく無事とみて良さそうだ。 アリババがあの勢いで飛び出していったのだ、勝算はあったのだろうし恐らく大丈夫だろうと信じてはいたけれど(まさか行き当たりばったりだったとは思っていない)、やはり心配に緊張していたのだろう。身体の強張りがほどけるのを感じる。]
まだまだ油断しないでヨー! 帰ってくるまでが探索だからネ! 言いたいこといろいろあるって、ライジにも言っておいテ!
[言いたいことは戻ってきたら直接言うつもりで、そのときはそれだけに留めて。 ふたりの帰りを待つ間、何をしていようか──と考えたとき。 朝、ハロとキランディに、行ってらっしゃいを言い損ねてしまったことを思い出す。 二人にも無事に帰ってきてほしいなと思って、気をつけてねを言いたいと思って。 一言だけと思って、通信を、そちらへ。
そのあとは──……、 **]
(28) 2021/11/13(Sat) 11時頃
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─ 三日目・日没後 船内通路 ─
[通路の曲がり角。二方向からの壁が交わる角には、小型ポッドに入れられた植物サンプルが置かれている。 船内のどの喧騒からも離れて、ケトゥートゥはひとり、そのポッドを見つめていた。
ふと、重たげな長靴を引きずるような足音が聞こえてきて、おもむろに顔を上げる。 キランディを処置室へ送り届けた>>39あとか、そのあとで相棒の探査機を格納庫へ納めてからの帰りか。 何だか、疲れたような顔をしていると思った。いつもそうだったかもしれないけれど。]
……イーヤー、ライジ。 おかえりなさい、だヨ。
[挨拶で、口元が笑みの形に変わる。 話し掛ける声は、不思議と穏やかだ。]
(40) 2021/11/13(Sat) 16時半頃
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─ 三日目・日没後 船内通路 ─
目、逸らさなくてもいいのニ。ケトゥートゥ、怒ってないヨ? ライジが帰ってきたら、いろいろ言わないと、って思ってたのにネ。 ……何か、全部、遠くに行っちゃったヨ。
[目線を逸らす仕草>>41へ、苦笑のようなものを向ける。 そこに常と違うものを感じ取るなら、その感覚は誤ったものではないだろう。 ライジのほうを見ている筈の目も、何処か遠いところを見ているようでもある。]
……ねえ、ライジ。 ケトゥートゥ、ライジに聞きたい事があるノ。 何処か、行ク?
[淡々とした依頼と、提案。通路の真ん中でするような話ではないと思ったのだろう。 静かに、答えを待っている。*]
(43) 2021/11/13(Sat) 17時半頃
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― 三日目・日没後 船内通路 ―
うーン……もし思い出したら言うヨ。
[叱ってもいないのに、叱られたみたいな顔をした兄貴分>>45を見て。 やっぱり疲れてるんだろうなあ、と思った。 もしかしたら自分もそうなのかもしれない。あんまり、よくわからないけれど。]
そうだネ。外の方がいいかモ。
[頷いて、タラップの方へ歩き出す。 船から少し離れたところにするのがいいかもしれない。何となく今は、暗いところのほうが、話しやすい気がした。]
(49) 2021/11/13(Sat) 18時半頃
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― 三日目・日没後 船外 ―
[移動した先。日が沈んだ後の屋外は、スペランツァ内部よりずっと暗い。 スペランツァに取りつけられた灯りが多少届くが、それだけだ。表情も少し、読み取りづらいかもしれない。 自然ばかりのこの星では、さして声も響かない。 船から少し離れて、適当なところに腰を下ろした。見上げればいくつも、星が瞬いている。 航行中はただの背景でしかないそれらも、惑星に降り立って見ると、やはり綺麗なものに見える。]
ライジ。 ライジはどうして、泣かないノ?
[唐突な質問。 これまでも、気になってはいたのだろう。それでも問わずにきた。それを初めて、敢えて問う。 つらそうにはしていても、泣こうとはしないその理由を、今、どうしても問いたかった。*]
(50) 2021/11/13(Sat) 18時半頃
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― 三日目・日没後 船外 ―
楽になっちゃいけない……カ。
[もたらされた答え>>58を反芻するように、繰り返す。遠くを見つめたままで。 そこには何か、納得するような響きが含まれている。]
……ケトゥートゥ、昨日までは、わからなかったと思うけド。 今なら、ちょっとわかる気がするヨ。 ……ひどくなんかない、って、ケトゥートゥが言ったって。あんまり、意味はないんだよネ?
[自分で自分を許せない。きっと、どうしようもなく、それが全てなのだ。 どうやって自分を許すかは、自分の中で決めるしかなくて。 それを果たすまではきっと、楽になることを許せないのだ。 そんな時は、永遠に来ないかもしれなくても。]
(64) 2021/11/13(Sat) 22時半頃
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ハロがネ。言ってたんダ。……元気なのが、最後のままでいい、っテ。 だから、……ケトゥートゥ、そうするつもりなノ。 ハロのこと、……元気なままを、最後にする、つもりなノ。
[喧騒に近づかないのも、安置室に近づかないのも。普段のケトゥートゥの行動とは違うことだ。 寂しくても、悲しくても、今まではずっと『お別れ』してきた。どんなに無惨な姿がそこにあっても、会いに行き手を合わせて、泣いて、歌う。死んでしまったことを自分に思い知らせて、心の中の死者の列に入れて、区切りをつけて、前に進んできた。 けれど、今回は、区切りをつけることそのものに、忌避感を覚えている。]
(65) 2021/11/13(Sat) 22時半頃
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[ハロは、可愛い小さな友人は、自分があのとき話し掛けなければ、死ななかったかもしれなくて。そんなことはないと誰に言われたところで、それを自分が認められない限りは、きっとだめなのだ。それを言われること自体を、違うと思ってしまうのだ。 出来るだけ傷ついて、引きずって、悔むべきだと思ってしまうし、その言葉を受け入れることを、自分自身が許せない。
だから、泣いてもいいと思えないのか、と。重ねて、自分の目元が乾いたままの理由を把握する。 ……ライジなら、答えを持っている気がした。だから、話がしたかった。]
……つらいネ、ライジ。 楽にならないのって、苦しいネ。 ずっとずっと、どこまでも、持っていくんだネ。*
(66) 2021/11/13(Sat) 22時半頃
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― 三日目・日没後 船外 ―
[肯定の返事>>74を得て、ケトゥートゥの視線がライジの方へ向く。 鋼色の髪も青灰色の瞳も、夜を映していつもより暗く。それでも星明かりを映してちらちらと、僅かずつ輝く。 雑草のようにただ逞しく、伸び伸びとあったものが、在り方を変えようとしている。
底なし沼沈没未遂騒動の後、アリババとライジが現場へ行ったことは、殆ど内容は入って来なかった通信でかろうじて理解していた。 居合わせてしまえば、『見ない』という選択もできなかったのだろうと、その場にいた仲間たちのつらさを思う。 選ぶ余地が無いことは、どんな形であったって苦しいことだ。]
……うン。覚えてるヨ。 今まで、やったことなくて、難しいなあって、思うけド。 この星の海と一緒に、ずっとずっと覚えておくヨ。
[その為にも、見に来たらいいとハロに言われた>>149海を、帰るまでに一度、きちんと見に行かないと、と思いながら。]
(78) 2021/11/14(Sun) 00時頃
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[撫でる手>>76に、いつもと違うものを感じはした。それが何かまではわからなくても。 それでも、同じではないまでも似たような『苦しい』を解りあえた気がして、ただそっと目を閉じる。 涙は零れてこない。夜の中に、やり場のない悔いを抱えた落ち着かない心がふたつ、寄り添う余地を探していることだけが確かだ。]
……もういっこ、ききたいナ。 ライジはどうして、探査船に乗ってるノ?
[ケトゥートゥは、『母なる大樹』と、シュトゥレクの民の存続のためだ。しかしそれはどうやら少数派で、探査船のクルーには、行き場を失くした者、故郷に戻れない者の方がどうやら多い。 ライジの故郷も失われたと聞いている。その経緯までは知らなくとも。 その上で、彼はどうして探査船に、スペランツァに乗っていて、古株と言われるほどに乗り続けているのだろう。乗っている限り、悲しい別れは他よりもずっと多い筈なのに。*]
(79) 2021/11/14(Sun) 00時半頃
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― 三日目・日没後 船外 ―
[殆ど光の入らないライジの目>>88を見上げて、こんな目をしていただろうか、と思う。 そうだったのかもしれない。それを感じ取れるところに、ケトゥートゥがいなかっただけで。 今もまだ、その暗さの全てを推し量れるほど深くには、きっとケトゥートゥはいない。]
うン。……ハロがね、ケトゥも来たらいいよ、って、言ったかラ。 綺麗なら、尚更行かないとだネ。一番な綺麗な時がいいナ。 ……夜明け、かなァ。
[ぼんやりとそう思う。だんだんと光に満ちていく海は、きっと綺麗だ。 夜中に一人で抜け出すと心配されそうだから、誰かを誘ってもいいかもしれない。
撫でる手が離れるのに合わせて目を開けて、離れていく手へ自分の手を伸ばした。 滅多に直接晒されることのない機械の腕に、幾周りか小さい手が触れる。 すこし、つめたい。金属なのだから当たり前だ。どうしてか急に切なくなって、ぎゅっと握る。ケトゥートゥの熱が伝導して、少しだけ温まる。その熱も、ライジにまでは伝わらない。 すぐ隣にいるのに、とても遠いところにいるような気もした。とても暗くて、深いところ。ひとりの場所。]
(112) 2021/11/14(Sun) 10時半頃
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[手を離す。立ち上がって、普段は届かないライジの頬へ触れる。 金属に熱が移って少しだけ冷たくなったことを差し引いても、思ったよりも温かくない手のひらだろう。]
スペランツァって、『希望』って意味だって、前に教えてもらったヨ。 たぶん、いい探査結果を持って帰ってきてほしいってことだと思うけド……ライジにとっては、違うんだネ。 いっぱい意味があったって、いいよネ。
[姿かたちも文化も違うものが共存する世界は、ケトゥートゥにとっては、どちらかといえば当たり前の世界だ。 シュトゥレクの民たちが、生まれこそ珍しいけれど、取り立てて他種族の益にならない存在であったことも大きいだろう。 ただ受け入れることを許された幸運を背景にケトゥートゥは生まれ育ち、旅立っている。
だからライジの『希望』>>89は、ケトゥートゥにとってはそうではないけれど。 それでもいいのだろう。違ってなお認め合うことが、共存するということだから。]
ちょっと安心したヨ。何でかナ? まだまだ一緒に、旅が出来そうな気がしたから、かナ?
[そう言って、少しだけ、笑った。 少しだったけれど、笑っていた。**]
(113) 2021/11/14(Sun) 10時半頃
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― 三日目 安置室前廊下 ―
[安置室に立ち寄るつもりは無かった。 ただ、その近くを通るのが、自室に戻るには近くて。とても静かな中に、人の気配を僅かに感じたのが少し、気になっただけ。 そこに、座り込んで泣いている彼女>>91を見つければ、声を掛けずにはいられなかった。]
……イースター。つらいノ?
[傍まで行って、しゃがみ込む。大丈夫ではないのはわかるから、その言葉での問いかけは選ばなかった。 立て続けにこんなことが起きて、つらくない筈がない。 こんな風に彼女が泣いているのを見るのは初めてだ。いつも、たくさん泣くのはケトゥートゥだった。 力なく垂れた触角の間へ、そっと手を伸ばして、頭を撫でる。自分がこれまでしてもらったように。*]
(114) 2021/11/14(Sun) 10時半頃
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[ヨーランダはのそりと身を起こした。室内を見渡すとハロの献花台に花が置いてあった。
どうやら寝ていたようだ、それも人が来たことに気が付かないほどに深く。きっと今までの疲れが出たのだろう、自分の正体を隠して生活することに対する。今は今後あるかもしれない処罰に対する恐れよりも、解放されたことに対する喜びの方が大きかった]
?
[ハロのカプセルに違和感があった。寝ぼけてそう感じたのかと思い近くによると、かけていた布がずれているのだ。まさか誰かがいたずらをしたのかと慌ててカプセルの中身を確認した。
いた。
ここに収まるべき人物が。
きっと誰かが回収してここに収めてくれたのだろう、一緒に帰れるようにと]
はろ。
[震える声で棺に声をかける]
おかえり。
[ヨーランダは心からよかったと思い、その思いは無意識のうちに言葉として発されていた]
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― 三日目 安置室前廊下 ―
[いたわるような手の動きで、撫で続ける。つらさにただ寄り添うように。 いつもより赤い眼>>118を覗き込む青灰色の瞳は、問いかけを受けて、少し遠くを見るように深まった。]
うン。泣かないヨ。 お別れじゃなくて、『一緒に生きる』を、してみようと思うかラ。 ……いつものお別れは、ハロとはしないんダ。
[いつもと違うことをしたいから、いつもと同じことをすると、それが出来ない気がするから。ケトゥートゥにとっての『今まで』を、やりたくない。それも、間違いなく、答えの一つだ。 自分を許せない気持ちももちろんある。楽になってはいけない、という気持ちも、きっとある。けれどそれらを話せば、そんなことはない、と言われてしまうかもしれない。そこに齟齬を感じるのは、少し寂しいし、申し訳ないから、それは言わずにおくことにする。]
(121) 2021/11/14(Sun) 14時頃
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……イースターは。もうスペランツァを、降りたくなっちゃっタ?
[マーレ10での調査も、もうじき終わる。結果を持ち帰って、次の出発の時には乗り込まないのも、選択のひとつだろう。 実際に、仲間の死に直面したあと、そうやって降りていくクルーはこれまでにもいたのだ。ケトゥートゥはそれを寂しくは思いつつも、本人たちがしあわせに生きるためならその方がいいのだろうと、それを見送ってきた。 イースターはどうするのだろうと、小さく訊ねる。*]
(122) 2021/11/14(Sun) 14時頃
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― 三日目・日没後 船外 ―
[荒れ気味の肌の感触>>124は、とても彼らしいものだった。らしいなあと思いながら、何度か撫でる。そこにはちゃんと、生きているもののぬくもりがある。]
ケトゥートゥ、思ったより温かくないねって、よく言われるんだヨ。 ライジ、知ってタ?
[それでも違和感を感じない程度の温度は有している。平均的な人類より、少し低めだろうかという程度だ。 見た目や運動量から、高い体温を想像されやすいらしい。
ぬくもりが移りあって、触れた場所の温度が均一になる。そんな当たり前の仕組みが、何かの救いのように思える瞬間というものが、世の中には確かにあると思う。熱のように等しく伝わりあうものばかりではない。だからこそ、互いに同じ物を感じていると信じられる瞬間を、ひどく貴いものに感じるのだろう。 彼がそれを感じる機会は、これまでとても少なかったのかもしれない、と、そんなことをぼんやり思いながら、手を下ろした。]
(126) 2021/11/14(Sun) 15時半頃
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だよネ。船に載せる『希望』は、たくさんあったほうがいいヨ。
[頷きを返す。彼の希望もここにあることを、喜ぶ目をして。 なのにどうして、ライジは少し困った顔>>124をするのだろう。暗いから、表情を読み違えただけだろうか。……そうであってほしいと、思うけれど。 ケトゥートゥの落ち込んだ心は、僅かずつ浮上を始めていて。深い底までは、至れない。]
そうだネ。……ケトゥートゥ、もうちょっとだけ、船の周りを歩いてから帰るヨ。 今日は探索に出てないから、動いた方が寝れそうな気がするんだよネ。
また明日ネ、ライジ。
[翳った輪郭を見上げて投げ掛けるこの挨拶は、どこか祈りにも似ていると、ケトゥートゥは思った。**]
(127) 2021/11/14(Sun) 15時半頃
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― 四日目・日中 森 ―
[その日ケトゥートゥが探索へ向かったのは、森のより深いところ。 キランディに教えてもらった、見える範囲で一番高く、大きな樹のある場所だ。]
大きいけど、『ラァラ』に比べたらまだまだだネ。
[『母なる大樹』を思い浮かべながら、独り言。 樹皮や葉をサンプルに少し採取させてもらったあとで、身体をぴったりと幹に寄せて、目を閉じる。 ゆっくりとした呼吸を繰り返しながら、周囲の植物たちの息吹に耳を傾けて、身を委ねる。
たくさんのいのちが、ケトゥートゥへ話し掛けてくる。]
(132) 2021/11/14(Sun) 17時頃
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[シュトゥレクの民たちの身体には、人間のそれとは異なる点も多い。ところどころに、植物に似た特徴を有している。 身体の中の事だから、ケトゥートゥには詳しくはわかっておらず、どこの植物たちも自分を受け入れてくれるのは、それが理由なのかもしれない、程度にしか考えていない。 治療者にとっては厄介かもしれないし、研究者にとっては興味深いかもしれない。その程度だ。特に誰の利益にも不利益にもならず、シュトゥレクの民の存続を脅かすようなことは、そこには何もない。
意識して気を付けなくてはならないことも、そんなにはない。 強いていくつか挙げるなら、火にはあまり近づかない方がいい。ふつうの動物よりも燃えやすい。 人間の病気よりも、植物の病気の方が脅威になりやすい。 そして、滅多に無いことではあるが――寄生植物の、寄生先となる可能性がある。]
(134) 2021/11/14(Sun) 17時頃
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[とはいえ、通常の寄生植物は、それほど急激に寄生を進めることはない。自ら動くことができ、周囲に助けを求めることもできるシュトゥレクの民なら、付着した寄生植物が寄生行動に移る前に、十分に対処が可能だ。 ただし、もしも宿主へ付着するなり急激な行動を起こし、即座に侵入するような種が存在したならば。 寄生植物の他植物に対する戦略はシュトゥレクの民にも通用し、しかし本来の宿主との構造の違いゆえに、重篤な事態を引き起こすことは考えられる。
宇宙は広い。何処かにそういう種が存在する可能性も、ゼロではない。 しかし少なくともこのマーレ10には、そういう種は発生していなかったようだ。 そんなささやかな幸運を積み重ねて、ケトゥートゥはスペランツァに乗り続けている。*]
(135) 2021/11/14(Sun) 17時頃
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― 三日目 安置室前廊下 ―
そウ。元気なのが、最後のままデ。 ハロはたぶん、そうしてたかラ。ケトゥートゥもそうしたいノ。 初めてだから、上手にできるか、わかんないけどネ。
[問いかけ>>136に、頷く。 ハロのたどたどしい言葉>>2:63>>2:69から、どれだけその死生観が推し量れたか、自信はない。けれど、他のクルーたちが言う、『心の中で生き続ける』のほうに、近いものだったのだと思う。それに近い形を、目指してみたい。それで自分が少しつらくても、そういう形で悼みたい。 それはもしかしたら、その死に自責の念を抱いていなくとも、考えたことかもしれなかった。]
……うン。何回あっても、慣れないヨ。 毎回、つらくて、悲しくて、寂しくて。ケトゥートゥはたくさん泣いちゃウ。
(143) 2021/11/14(Sun) 18時頃
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[それでも。それを理解して尚、イースターに乗船を続ける意志>>137があると聞けば。 ケトゥートゥは、頷いてみせて。少しだけほっとしたように、微笑むだろう。]
ケトゥートゥも、降りないヨ。だから、これからも一緒だネ。 いろんなクルーと会って、いろんなお話して、初めての星で、いろんなものを見テ。 楽しいこと、これからもいっぱい、一緒にしようネ。
[危険も、悲しいこともたくさんあるけれど、楽しいことだって、やっぱりたくさんある。そのことも、ケトゥートゥは知っている。だから、この先にある楽しいことを、たくさん一緒に経験したい。 例えば、イースターにケトゥートゥの故郷の歌を教えたら、一緒に歌ってくれるだろうか。本当は大勢で歌うものだから、誰かと歌えたほうがケトゥートゥは嬉しいし楽しい。 その楽しいことの時々に、ハロも一緒だったら、と想像する未来を考えて。胸に込み上げるどうしようもない切なさを、きっとこれから、繰り返していくのだろうと、秘かに思った。*]
(144) 2021/11/14(Sun) 18時頃
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― 三日目 安置室前廊下 ―
[涙交じりでも、しっかりしたその答え>>166を聞きながら、うんうんと、ケトゥートゥは頷いて。 撫でる手を止めて、両手で彼女の手を握った。]
……イースターは、いいクルーになるヨ。 今もいいクルーだけどネ。もっともっと、いいクルーになるヨ。
[真っ直ぐな彼女の、嘘の感じられない言葉は、とても魅力的だとケトゥートゥは思う。 ずっとそのままでいてほしい。つらさも悲しさも受け止めて、それでも真っ直ぐに希望も信じてほしい。 自分もそうありたいと思うから、一緒にそうあれたらいいと思う。支え合えたら嬉しいと思う。そんな『希望』も、この船に乗せていいだろうか。……誰もきっと、ノーとは言わないだろう。]
どういたしましテ!なんて、言うほどのことじゃないけド。ケトゥートゥも、嬉しいヨ! もう、立てそう?
[少し明るくなった気がする彼女の声>>168に、自分も少し明るい声を出して。首を傾げて訊ねるだろう。 立てたなら、一緒にその場を離れて、ケトゥートゥは自室へと戻るようだ。*]
(172) 2021/11/14(Sun) 22時半頃
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― 四日目の朝・船内ロビー ―
ツァッ、イワノフ! イーヤー! 今日は早いネ!
[朝、探索前にロビーへと立ち寄れば、いつもなら朝にはなかなか顔を合わせない彼>>170の姿があって、まず驚きの声を上げてから挨拶をする。 ケトゥートゥは基本的には早寝早起きで、精力的に探索に出る方でもある。彼が起きてくる頃には既に出掛けてしまっている事も多いのだろう。]
ケトゥートゥは、今日も森に行くヨ! 早めに帰ってきたいから、早めに行くノ! イワノフも、どこかに行くノ?
[聞かれてもいない予定を話しながら、首を、というより、上体全体を傾けるいつもの仕草で訊ねる。*]
(173) 2021/11/14(Sun) 22時半頃
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[世界は暗転した。
それきり、ハロの世界は終わってしまった。
何が思えるでもなく、何が聞こえるでもなく。
痛みや苦しみを感じられる時間すら、瞬きほどもなかった。
駆け出すキランディの羽ばたきを聞いたかもしれない、というのが最後だ。
ハロという生き物にとって、それは幸福だったと思う。]
[これがもしも、長いしっぽや下半身だけを大岩に挟まれて、意識は保ったまま、もしくは一命をとりとめでもしたら、きっとハロは苦しんだだろう。
自分を見舞うクルーを見るのもつらかったし、タプルの手を煩わせることになるのも嫌だった。
自分のことで悲痛な面持ちになるクルーがいるのは、耐えられなかったと思う。
そんな顔をさせたくない。笑って、採集のお土産を持ってきてほしい。
それで充分だけれど、それだけにならないことも容易に予想がつくからだ。
いっそLOSTしてしまえたら、とすら思うかもしれず、けれどハロ自身は自らの命を断つすべを知らない。手足は短く、自分を害することなどできそうにない。
スペランツァのクルーにとっては、その方が幸福だったとしても。]
ケトゥートゥは、ライジに物理攻撃するなら、頭突きで腹部を狙う。>>184
2021/11/14(Sun) 23時頃
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― 四日目・朝 船内ロビー ―
タプル、イーヤー! 夜遅くに、ちょっとしたいことがあってネ。その前に、お仕事はちゃんとしておかないト。 忘れ物がないかも、ちゃーんとチェックしてあるヨッ。
[タプル>>177が居るのを見れば、少しだけ声のトーンを抑えつつも、やる気満々の様子を見せる。 その『やりたいこと』を、今まさに、一足先にライジがしている>>178とは知らずに。 二人の目線がモニターへ向いているのを見て、ケトゥートゥもそちらを見てみる。LOSTの下に記されたハロの名前から目を逸らすように、マップの方へ視線を動かせば、赤丸が動いている。誰かもう、探索に出ているらしい。 それが誰のものかまでは、ケトゥートゥのいる入口近くからでは、はっきりとは見えなかった。*]
(185) 2021/11/14(Sun) 23時半頃
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― 四日目・朝 船内ロビー ―
見つけたのはケトゥートゥじゃないけどネ! 映像は、……ちょっと、わからないかモ。自分の目で見るのに集中したいかラ。ごめんネ。
[いつもなら気軽に請け負う依頼>>191を、申し訳なさそうに断る。カメラを構えると、どうしてもそちらに意識が向いてしまって。目の前の景色に集中しきれないことがある気がするのだ。 それに……何度も見直せるように残してしまうのは、今回は、何だか違うような気もしていた。]
ミンナ、無茶ばーっかりするからネー。 誰が出掛けてるノ?
[モニターの方へ近づく。動いているのがライジと、キランディの赤丸であることを確認する。 あまりちゃんと聞いてはいなかったが、キランディは昨日、結構ひどい怪我をして帰ってきたんだった筈だ。それなのに朝早くから出掛けているとあれば、位置が艦からそれほど離れていなくとも心配だろうと思ったその時、
ライジを示す赤丸が、"海"の中を示す地点へと、移動した。]
(192) 2021/11/15(Mon) 00時頃
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[それでも初めは、異常には気が付かない。珍しいなと思うだけ。何か気になるものでもあって、機体を降りて、潜るのだろうかと。
けれどずっと動き回っていた筈の赤丸は、その地点からぱたりと動かなくなる。 得も言われぬ不安に駆られて、或いは何かの予感があって、モニターに位置情報の数値が表示されるように操作した。X、Y、Zの三つの数値が、各赤丸ごとに表示される。 それぞれ、東西方向、南北方向、そして高度。
キランディの高度を示す数値は、とても高く。 ライジのそれは、マイナスを示したうえで、尚ぐんぐんと数値を下げていた。
やがて、通信途絶を示すエラー音が響き出す。 MISSINGの下へ、ライジの名前が表示される。
ケトゥートゥはその間、ずっと黙って、モニターを見上げていて。]
……。森に、行ってくるネ。
[静かな声でそれだけ言って、ロビーを後にした。*]
(198) 2021/11/15(Mon) 00時頃
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