23 あの春の廃校だけが僕らの学校だった。
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[彼女は同じコーチに師事する、期待の新星だった。
鷹羽虹乃が、『椿姫』のプログラムで自己ベストを更新し、二位に食い込んだ関東大会で、あっさり優勝を掻っ攫っていった二才年下の後輩。
正確無比なエッジワーク、次々と習得する高難度のジャンプ。華やかなオーラの中にも、どこか未成熟な危うさがあって、それすら人の心を惹きつける彼女の魅力だった。
銀盤で、ギラギラ輝く太陽のような圧倒的な存在感。悔しさや妬ましさを通り越して、嗚呼、これが才能なのだと打ちのめされた。灼熱が、イカロスの翼を焼き熔かすように。]
[翌シーズン成績不振に喘ぐ虹乃のことなど歯牙にもかけず、世界に飛び出していく逸材だと、誰もが認めていた。
けれど彼女は、あの試合の後から虹乃に絡み、ありがちな嫌がらせや嫌味を浴びせるようになっていった。スケーターが望む技術も美貌も表現力も、全て兼ね備えた彼女が、選手としては凡庸の域を出ない虹乃にマウントを取る必要など、どこにもないはずなのに。
練習中に、近付き過ぎてヒヤリとする回数が増えていく。
最初は、掠める程度だった。
二度目は、肘がぶつかった。
三度目は、虹乃が着氷に失敗していなければ、直後に接触していただろう。
彼女の異常な執念に危機を感じて、コーチと練習拠点を変えることも検討し始めた矢先に、]
[――四度目。
その日も転倒を繰り返し、次第に集中力を欠いていって。
ジャンプの練習には注意を払っていたが、スピンの入りだったから油断した。
カーブの最後で踏み切り、ブレードが土星の環のような軌跡を描いた先で、
猛スピードで突っ込んできた彼女の、
頭部を切り裂いた。]
[髪と、氷の粒と、血飛沫が舞う。
衝撃は一瞬で、二人縺れてリンクに叩き伏せられた。
折り重なる身体に挟まれ、歪に折れ曲がった左脚の軋む音。
混乱と、激痛と、酩酊と、消失。
――すぐに、冷たいはずの氷の温度が感じられなくなって、周囲の悲鳴も怒号も救急車を呼ぶ声も、耳鳴りとともに遠のいていく。
次に意識が戻ったのは、病室の寝台の上、
――左脚はギプスで固定されていた。**]
あ、蜜柑は、鮫島ね。首の石の色から。
ホーリーは柊ね。
俺は、そのまんまです。キル
俺も可愛いのをつけてもらったほうがよかったか!!
いや、もう、それでいいじゃない。
見てるよ。
全然頑張ってる。
ごめんな。先にのうのうとして。
[でも、カプセル脱出は探っている]*
[痛みはどこから来るのだろう。
外傷もなければ、内臓の損傷もない。
命が消費される、というのもピンとこない。
けれど、変わらず脳は痛みを訴えてくる。
――心の傷は、鎮痛剤では抑えられない。
一度死ぬ、という極限を越えた苦痛と恐怖を、忘れられる日など来ない。]
――――、
[外部からの干渉は何もできない。
震える肩を抱いて背を丸め、見ているだけ。]
……イヤ、だ。
[痛みは止まない。多分一生。何故自分が、と理不尽な怒りもある。軽率に参加を決めてしまった、数時間前の自分を恨みたい。ゲームが終わったとて、自分はどうなってしまうのだろう? 最終日に残った者たちは?
――彼らはもう、TVの向こうの遠い人ではない、言葉を交わし短い時を供に過ごした友人たちだ。
誰かが、同じ"死ぬほどの苦痛"を味合わされる時が、刻々と近付いている。]
ワカナの声が聞こえて、小さな声で「ただいま」と零した。
――まだ、痛い。痛いけれど、
[苦みすら感じる息を深く深く吸って、吐いて。
濡れた頬と腫れた目蓋を手で拭う。
ここからでは、化粧道具もスマホも、手が届かない。]
少しだけ、落ち着いた。嗚呼、酷い顔……、
[此方のモニタの画像だけでもオフにしたい。]
心配かけて、ごめ……っ、
[時折、堪えるように眉を蹙めて、頭を抑えながら、]
ほんっっっっと、何コレ、聞いてなかったんだけど
クルーエル社クソだな!
[VRの中で何度罵ったか知れない。
少しだけ、普段の憎まれ口が戻ってきた。]
断固訴訟も辞さない。
……って未成年はできなかったっけ。
[その前に誰かが殴り込みしそう。]
命を代償に願いが叶うのもだけど、
襲撃だけこんな痛い必要ある!?
VRなんだから、わざわざ痛覚まで
再現する必要ないでしょ……、ああもーーーー
っだだだだ、いた、
[髪を掻き毟る。]
……キルロイ、ピンピンしてる。
[別モニタに映る姿を、恨みがましい目で睨んだり。]
ああ、そういえば私も共鳴のLINEは、…………。
[ふと、何処かのモニタに目を移し、そっと瞑目。]
ありがとう、大和。
これでもう、終わりにする。
[最初から決めていたことだった。
愛おしそうに画面を一撫でしてから、オフにする。]
口説かれ告られ6時間でフられた私の話する……?
私の10倍くらい送りつけてきてたよ。
9割鮫島との惚気だったし。
なんでこんなことになった……。
今日は柊が襲撃されるの、か。
[渋面になる。する方も、される方も、本意ではないだろうに。]
……やっぱりクルーエル社クソだな。
ワカナさん、こっちで大和と会ったら、
首締めといて。私が赦す。というか、私の分。
私はもう、会う気はないから。二度と。
……ジャンプ跳ぶのには邪魔だったけど、
もう滑ることもないなら、
あった方がいい、のかな……?
[言われて思い出したように胸元に手を滑らせる。
沙羅に触れられた時を思い出した。きっと、弾力が6倍くらい違う。]
……………………。
[頬が少し熱くなった。]
やっぱり、中からは開かないか。
[カプセルの中、
モニタとゴーグルやディアブル以外は、
特にスイッチやケーブルが出てるところはなくて。
本当に近未来デザインの中閉じ込められている]
どっか、でも、
非常時対応のものはあるだろ。
[閉じ込められて、餓死とかあれば、
明るみになれば、企業としても絶対によろしくないだろうし]
サンドバッグを提供する話。
キルロイと言えば、筋肉を触り損ねたっ……!
後で鍛えられた腹筋を拝ませて!
ラプターとは実はすごく話したかったんだが。
残念だったな。
ヤマトをサンドバッグに?
いや、普通に無理だろ。
まあ、ガチのリア充だな、とは思ってたが。
ビックリしたわ。>ヤマト
色々たてこんで大混乱してて、
LINEの返事もロクに返せてなくてごめん。
私も色々話してみたかったよ。……筋肉触りながら←
ってことは、私が直接ヤらなきゃだめか。
……………………やめとこ。逃げよう。今度こそ一生。
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