18 星間回遊オテル・デカダン
情報
プロローグ
1日目
2日目
3日目
4日目
5日目
エピローグ
終了
/ 最新
1
[メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
視点:
人
狼
墓
少
霊
全
[――救いとはなんだろうか。
実際のところ、本人もよくわかっていないのかもしれなかった。
自分が何を求めているのか。
何を求めて手を差し伸べ続けていたのか。
手を、伸ばし続けていたのか。]
[ポッドの冷却処理が始まる。
星喰いアメーバの体は冷凍には耐えられない。
凍りついた髪の先、指の先から組織が壊れ、砕け、崩れていく。]
[恐怖はさほどなかった。
恐れているのは死そのものではなく、かつて見た、焼き殺される同胞の断末魔だ。
死後の世界も生まれ変わりも信じていないアルクビエレにとって、死はただの終わりでしかない。大抵の命には終わりがあるものだ。
自分がいずれ死ぬことは想定して教団を動かしていたし、後のことは"こどもたち"にしっかりと教え込んである。当然のこととして。
だから、終わりだな、という実感と。
痛かったらいやだな、という不安くらいのものだった。]
[顔が崩れ、腕が崩れ、脚が崩れた。
ポッドの中には、粉々になったきたない肉色の組織片が増えていく。
星喰いアメーバには急所というものが存在しない。
体の一部が残っている限り、意識も思考も続く。
急速に冷えてゆく感覚と、末端から崩れていく痛みがあった。ただ、冷やされ続けているためじきに麻痺して、わからなくなった。
焼かれるよりはましだったのかもしれなかった。
全てが塵と化す直前、最期の意識がふと、思った。]
[この瞬間、手を伸ばしたとして、
もしも、誰かがその手をとってくれたとしたら、
もしかしたら、それが、――]
[手をとる者などいない。
誰にでも優しく、誰にでも微笑み、
誰の手もとろうとし続けた"慈悲深い"教祖には、
最期に思い浮かぶ誰かの顔すらも、なかった。]
1
[メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報
プロローグ
1日目
2日目
3日目
4日目
5日目
エピローグ
終了
/ 最新
視点:
人
狼
墓
少
霊
全
トップページに戻る