10 冷たい校舎村9
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[だけどさ。
俺はあの3年の文化祭の日に、 ユキが抱えていた問題を知らなかったし 時々音楽室に足を運んでいたことも知らない
結局あの夜に、 ユキが語ってくれた、 めちゃめちゃになってしまった話の全容も>>1:86 俺は、結局、聞けていないままだ。 ]
(203) 2021/06/12(Sat) 21時頃
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[たかが3年、されど3年。 >>195 気が合って、仲良くなってきたつもりだけど でもさ、俺もたぶん、やっぱ殆ど知らないや。 ]
(204) 2021/06/12(Sat) 21時頃
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[ここは電車を乗り継いでいくような、 知らない夜の街じゃあないけれど いまはなんだか知らない世界の顔をしていた
隣にいるお前もさ。 知らないやつじゃあないはずなのに、 いまはなんだか知らないやつのような顔をしていた
昇降口にある自販機からさ、 ごとん、と落ちてきたのはホットココアで 朝どういうつもりか綾鷹が出てきた昨日を、 すでに懐かしく思う。>>0:383 ]
(205) 2021/06/12(Sat) 21時頃
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俺らさー どんな話、してきたっけ。
[コートのない昇降口はとても寒くて けれどココアの暖かさが掌から伝わる ]
なんかさー ここに居て、わかんなくなっちまったな
[馬鹿ばっかりやってたり、戯けてたり、 笑ってたり、茶化してたりツッコんでたり、 そんな鳩羽憐がいまはどこにもいなくって。
俺は俺のこと、知ってるつもりだったけど いまはなんだか俺すらも知らない顔をしている ]
(206) 2021/06/12(Sat) 21時頃
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…んじゃー、ふつーの話する? それとも、まじめな話する?
[ちょっと笑う。とりあえず聞いてみる。 そんな提案をしないと、尚。
知らない世界、知らない俺とユキの間で 今、どんな話をするのが正解なのかわからない。]*
(207) 2021/06/12(Sat) 21時頃
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架空惑星 レンは、メモを貼った。
2021/06/12(Sat) 21時頃
[すごいことなってたという報告に、
あはは、と苦々しく笑って見せようとしたけど、
上手くできたかはわからない。
利美ちゃんがすごいことになっていたのは直視したから、
残された私のマネキンも、言葉の通りすごいことになってたのだろう。]
そうだね。
ヒントは出してくれていたから、
私たち、答えなきゃいけなかったのかなって。
答えられなかったから落第して、
現実に帰された、とか。
[あのカッターナイフの大盛りだったり、
遺書のメールだったり、それらはヒントと言えばヒントだった。
そこから答えに辿り着こうとする心の余裕すら無かったから、
おそらくそれがダメだったのかもしれない。
答案用紙を白紙で戻した罰として、
私たちは校舎の出来事のその先を見ることを叶わず、
追い出されてしまったのかもしれない、なんて想像をする。]
そうだなあ。
炭蔵くんなら合格してくれるかな。
[誰か合格してくれる人がいるとしたら、
乃絵ちゃんを除けば炭蔵くんがそのイメージに相応しいだろうか。
私は委員長の内面に触れるような話をすることは無かったので、
彼の印象は今でも変わらず、クラスの支持を一身に受ける無敵の委員長だ。
……それと、これは言わないけど、
私があの世界でお守りのボタンを託した芽衣ちゃんも。
彼女は、私がずっと抱えていた話を聞いてくれた時のように、
もしかしたら、と心の隅で願っている。]
[夜のお菓子パーティーは女の子たちだけの秘密です。
男子には教えてあげません。
それに、もし乃絵ちゃんが戻ってこなかったら、
楽しい話では無くなってしまうのだし。]
あ、それズルい。
私も欲しい。
[向井くんがファスナーをいじっている。
あの校舎の中でも、昇降口が開かなかったあの時、
彼はクレセント錠をいじっていたっけ。
あの時は言葉にしなかったけど、
今は外の空気を吸えて肩の力が落ちていたせいか、咄嗟に口に出した。
私のコートに付いているのはファスナーではなく、
黒くて平べったいボタンだったので、しっくり来ないけど、それを指先で掴んでみた。*]
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[ 促されるままに教室へ向かう。>>185 腰を据えて話すなら、 あの場所よりかは教室の方が良いだろう。
なのに第一声に出てきた言葉がそれって、>>186 炭蔵は少しだけ気が抜けてしまう。 ]
ああ、昨日ぶりだな
[ あの時はまだ、誰も消えてなかった。 まだ昨日なのに、 時間の感覚が可笑しいらしい。 日付が変わってないことのに、 まるで本当に遠い昔のように感じた。 ]
(208) 2021/06/12(Sat) 21時半頃
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綿見は、……どうだろうな 鐘が鳴る前まで柊と三人で居たんだ クレープの次はパンケーキ焼いてたぞ まだ食べてないか?
[ 綿見の姿はまだ見ていない。 この世界の法則は分からないが、 鐘が鳴った時に一人で居たのなら、 もしかしたら─── と、過ぎる。 ]
(209) 2021/06/12(Sat) 21時半頃
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[ それから、解決策の話。>>188 互いに父親への悩みを共有しているふたり。
確かに、今は目の前にある問題で手一杯だったが もしこの世界から無事に帰れたら。 先延ばしにしてきた問題と向き合わなければ ならないことも、意味している。
まだ二日間しか経っていないが、 この世界に来てから 委員長≠ニしてばかり生きてきた炭蔵は、 炭蔵祐駕≠ニして過ごす時間も多かった。 ]
(210) 2021/06/12(Sat) 21時半頃
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そうだな、 積極的に帰りたいかと言われれば まだ俺には自信はないが、
[ それでも、帰りたい?と問いには、 まだハッキリとは答えられなくて、 少しだけ言葉が濁る。>>190 ]
(211) 2021/06/12(Sat) 21時半頃
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でも、此処にいても 如何しようも無いのだろうなとも思う ……だから、俺は帰る
[ wantではない、決意表明のようなもの。 それに背負うものもあるから。 向き合えるかどうかは別として、 それを選ぶ為にも帰らなければならない。 ]
(212) 2021/06/12(Sat) 21時半頃
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お前は?帰りたいって思えるようになったか
[ 炭蔵は、答えた。 じゃあ、鳩羽は?と問い返す。 これまでに得たものを、 ぜひ炭蔵にも教えて欲しかった *]
(213) 2021/06/12(Sat) 21時半頃
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── 教室:ユーガ ──
俺さー 結局クレープもパンケーキも 食ってないんだよねー。
[まだ食べてない、って笑って>>209 嫌な予感が頭を過って、心の中で、 食べたかったなと、過去形のモノローグ。]
(214) 2021/06/12(Sat) 22時頃
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[俺らは何も悪くないはずなのに、 到底理解ができなくて、先延ばしにしている問題が 今この場所には互いにひとつずつ有って。>>2:219
たった2日でなにか解決策が出るとも思えねーけど それでももしかしたら、なんて希望でさ 俺はユーガに聞いたんだ。
ユーガはさ。我らが頼れる委員長、だったし。 そして、聡明で正しい、炭蔵祐駕だったから。 ]
(215) 2021/06/12(Sat) 22時頃
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[だから、ちょっとさ、 自信がないって言葉が出てきたときには>>211 意外だな、って一瞬思っちまったんだよ。
だけど、続く決意表明のような言葉に ふ、と相好を崩して、頷く ]
……良かった。
[何が良かったのかは多分ユーガには伝わらない。]
(216) 2021/06/12(Sat) 22時頃
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[帰ること、それも勿論良かったんだけどさ 日常が少しずつ変わっていく中で、 ユーガが、ユーガなままなのが、嬉しかった。
いつだってまっすぐで、賢くて、正しくて それでいてほんのちょっと融通が効かなくて あとそれから規則にめちゃくちゃ厳しい。
家出少年に対しても、非行を責めるんじゃなくて 真っ先にさ、無断欠席のこと責めただろ。
何よりも、 3年9組を大切にしていた炭蔵祐駕は まだきっとここにちゃんといるんだろう、って 今、ちょっと安心しちゃった。 ]
(217) 2021/06/12(Sat) 22時頃
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ユーガは、正しいよ。
(218) 2021/06/12(Sat) 22時頃
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……… 向き合わないとさ、 いけねえんだと、思うよ。俺も。
[帰るか帰らないか、で言うなら、 帰るのほうに、傾いているのは、 最初からずっと、変わらないかも知れない。
だけど向き合うかどうか、だったなら ずっと避けていた節があるから。 だから俺はこういう答え方をする。]
(219) 2021/06/12(Sat) 22時頃
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この世界が好きか、って この世界に来てよかったか、って 今日の朝、ノエと話をしたんだ。
俺、来てよかったとは言い難いけど だけど、来れたことで、 いろんな話をできたことは 嬉しかったよ、って答えた。>>3:546
(220) 2021/06/12(Sat) 22時頃
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きっと現実世界じゃ話せなかったじゃん これから受験でいそがしーし。 多分ユーガの悩みも、俺の悩みも、 なんとなく触れることすらできなくて、 たぶん高校三年間が、終わってた。
メールの主のさ、 世界を利用するようで後ろめたいんだけど
そういう意味では、俺。 この世界も好きだったし、 未だに、離れがたいよ。
(221) 2021/06/12(Sat) 22時頃
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[もっと話す時間が多かったらさ、 俺ら、なんか違う高校生活を送ってたのかな。 1日が24時間なんかじゃあなくて、 この世界みたいに、48時間、72時間、って 永遠に続くんだったら、
さんにんよればなんとかっていうだろ。あれ。 悩み事も。もっともっと軽くなってたのかな。
ああ …………… そっか ]
(222) 2021/06/12(Sat) 22時頃
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[ もしかして、そういうことか ]
(223) 2021/06/12(Sat) 22時頃
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なあ、今ちょっと気づいちゃったんだけど この世界の主は、話がしたかったのかな 自分の悩みとか痛みとかを、 もっと、みんなに知ってほしかったのかな
代わりに背負って、寄り添って 誰かの分まで、痛みや苦しみと向き合って。 そいつの痛みを代わりに背負ってやったやつがさ ああやって、人形として傷ついて、遺されてる。 もういいよ、ありがとう、って 脳が、傷ついたそいつのことを追い出すから この世界から、居なくなる。
………もちろんこれさ、 帰れる、って思いたい俺の、願望でもあるんだけど。
[でも割と、いい線言ってると思うんだ。 ]*
(224) 2021/06/12(Sat) 22時頃
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架空惑星 レンは、メモを貼った。
2021/06/12(Sat) 22時頃
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― 少し前・炭蔵と ―
[役者が多い、と言う言葉にも俺は考える。>>152 そうなのかな。 また一人一人クラスメイトの顔を思い浮かべる。 皆多かれ少なかれ隠していることはあるものだし、 そこまで深入りしないようにしてきたから あまり実感は無かった。
確認するような炭蔵の台詞には>>154 また少し拗ねたように目を伏せた]
…………だって、 一方通行なのは哀しいし。
[口から出た声はなんか子供みたいだ。 誰に何を思われてても気にならないくらい 強い人間だったら良かったんだけどね。]
(225) 2021/06/12(Sat) 22時頃
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[無感情じゃない、そりゃ感情はあるよね。>>155 ……そう言う話じゃないって? 炭蔵の言葉を何か考えるように じっと聞いた後に、ぽつりと零す。>>156]
……なんか委員長、先生みたい。
[むろん良い意味で。 慰めてくれている、と言うか 客観的に見て冷静に、自分から見て 正しいと思うことを言ってくれる。
そんな余分を含まない、 飾り気のない意見だからこそ 妙にすとんと心に沁み込んで、 それは彼のやさしさなんだろうなと思った。
ああ本当に、話してみないと分からないんだな、とも。]
(226) 2021/06/12(Sat) 22時頃
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[そうして、話は思考実験云々へ。>>157
だって、委員長にはもっと普段仲良い友達とかいるじゃん。 知らんけどフツーに家族だっているんでしょ。
だから俺なんかって言うのも当然、みたいな そこまで重い気持ちで言ったわけじゃなかった。 ので、真面目に否定されて俺はぽかんとしてしまった。]
…………は?
[更に続いた台詞。>>160>>161
一瞬目をまんまるにして、次に泣きそうに顔を歪めて、 それからさらにじわじわと顔を耳まで赤くした。]
(227) 2021/06/12(Sat) 22時頃
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[え。え〜〜〜〜〜〜〜なにそれ。 同性の級友にそんなこっ恥ずかしいこと大真面目に???言う??? そんなさ、今まで誰も言ってくれなかったようなことをあっさりさ。 しかも完全に素で言ってるって分かっちゃうもんだから、 俺は暫く挙動不審になっていたと思う。]
…………いいんちょ、タラシの素質あるよ。 俺が女子だったらうっかり惚れてた所だわ。
[だいぶ間をあけてようやくそれだけを発した。 俺が言うんだから間違いない。保証する。 てか俺のは所詮作り物だけど これド天然だもんな。末恐ろしい。
はああ、と深くため息を吐いて、 呆れたように眉を下げて笑った。]
(228) 2021/06/12(Sat) 22時頃
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