10 冷たい校舎村9
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— 夜:3-9教室 —
待たない。
あは、……いやぁ、待つけど。 いーよ、分かったよ。 じゃ、すきじゃなくなくとくね。
[反射的に返しちゃって、あぁ、何か懐かしいなって。 わたしたちの会話、きっとこんな感じだった。
楽しいこと、いっぱいあって。 お喋りじゃないわたしが、少し賑やかになる>>0:1058。 月が輝けるのはお日様がいるからだ。
つい最近の話なのにね。 わたしは今朝の誤解を解けた時よりずっとすっきりした 気持ちで、混乱する鳩羽くんを見守っていた。]
(174) 2021/06/10(Thu) 17時半頃
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[役割とは。寂しい時。どうしようもないこと。 わたしたちが抱えているもの。
わたしたちは机ひとつを挟んでいろんな話をした。 わたしと鳩羽くんの意見が噛み合うことは多くなくて、 考えも性格も育った環境も違うことが分かる。
欠けたわたしと多すぎた鳩羽くん>>90。 お日様とお月様。 そういうことを知らなくても、 わたしたちはひとつだけ、同じものを渡せた。
——わたしたちは、 お互いの何かになれてる。>>166>>167
それならいっかって、割と無関心ゆえに楽観的な わたしは思えちゃうんだけど、鳩羽くんはどうかな。]
(175) 2021/06/10(Thu) 17時半頃
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[九重さんの無事を願う気持ちに頷いて、 ありがとうにはちょっとびっくりしちゃうかも。 でも頭を撫でてくれた時みたいな気分になって、 わたしは手の届く距離にある、 頬杖をついた鳩羽くんの腕をぽんぽんと叩こうとした。
最後にうまく笑えない鳩羽くんがくれた 「大丈夫」>>168にはちゃんと笑顔を返せたと思う。]
さて、わたしたちは購買行くね。
[そろそろいい時間。 時計を見れば教室に戻って随分経っていた。
踵を下ろすと内緒話にはちょっと足りないくらいの 近さが離れて、頭が一瞬潜る。それから浮上。 153cmに成長しました。背伸びし続けた足を揺らす。]
(176) 2021/06/10(Thu) 17時半頃
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それじゃ、おやすみ。 ……また明日ね。
[何を言おうかなって思ったけど、 わたしが渡したのは根拠のない明日だった。 わたしは3本指の先が白い右手を振る。
相手の望む方向の言葉ってだけじゃなくて、 そこには確かに、わたしの願いが含まれていた。
一度だけ振り返って鳩羽くんの席の横、窓の外を見る。 窓の外には月も太陽も見えないけど、 何だかさっきより明るくなったように感じた。]*
(177) 2021/06/10(Thu) 17時半頃
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夜笑国 メイは、メモを貼った。
2021/06/10(Thu) 17時半頃
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― ―
[愛想よく振る舞っていれば、嫌われずに済むらしい。
処世術の一環としてそれを学んだ俺は 顔色を窺って媚びることばかり上手くなっていった。 小学生の頃から一部の大人は可愛がってくれたし それも中高学年に入ればマセた女の子たちが 自分のことをちやほやしてくれた。
ありがと。俺も好きだよ。可愛いね。 好かれるのがただ嬉しくて 無邪気にそう返していた子供の頃は まだそれでも特に困ることは無かった。]
(178) 2021/06/10(Thu) 18時頃
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[中学生になって、話は少しだけ複雑になった。 大人の真似事をし出した俺たちは 付き合うとか付き合わないとか、 そんな話だって出てくる。 よく意味なんて分かってない癖にね。
ああ、一応俺の名誉の為に言っておくけど 別に二股してたつもりはないんだよ。これはほんと。 ただ「付き合おう」って言われて「いいよ」って言った後も 他の女の子とも変わらず遊びにいったり仲良くしてただけ。
これ男女の深刻な差だと思うんだけどさあ、 中学生男子にとって「付き合う」って精々 「エロいことしても許される」くらいの認識しかなくない?
つまり俺は「しない限りは問題ないじゃん」って思ってた。 あの子ともあの子ともただの友達。 何も悪いことしてないじゃんって。]
(179) 2021/06/10(Thu) 18時頃
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[当然、そんなん通るわけないんだよねえ。 一時は本当に付き合って別れて 付き合って別れてを繰り返してた。
俺も何で怒られたり泣かれたりすんのか いまいちピンと来てないながらに これあんま良くないな?って学習して それからは付き合ってる子の機嫌を損ねないように 振る舞うことを覚えた。
でも、そんなの結局長続きしなくて、 にこにこしながらなーんか 上手くいかないなあなんて思ってた。
…………そんなころだったかな。 あの子に会ったのは。]
(180) 2021/06/10(Thu) 18時頃
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[しっかりしてて、友達想いで、 決してつんけんしてるわけじゃないんだけど 自分の思ってることはちゃんと言える子だった。
気付いたら好きになってたんだ。 もしかしたら、あの子に好きになって貰えたら 俺も自分のこと好きになれる気がする。 そんな風に思ってたのかな、わかんないや。
何かと話しかけたり、一緒に帰ろうって誘ったり 困ってそうだったら手伝ったり、 俺としてはただただ仲良くなりたかっただけだった。
………いつからだったかなあ、 俺が話しかけるたびにその子が 困ったような顔をするようになったのは 何気なくやんわりと避けるようになったのは。 でも俺は何が悪いのか分かんないから、必死になって――]
(181) 2021/06/10(Thu) 18時頃
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[ある日のこと。
教室でぽつんと立ってるあの子に いつものように話しかけた。
くるりと振り向いた瞳は真っ赤に腫れていて、 ぐしゃぐしゃになった顔に俺は面食らった。
「XXXって子、覚えてる?」
聞いたことのないような低くて静かな声。 焦るじゃん。その子に苛められたのかなって。 嫌なことされたのかなって。俺――――]
(182) 2021/06/10(Thu) 18時頃
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"余計なことしないで!!!!!"
(183) 2021/06/10(Thu) 18時半頃
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[ ねえ、どうして私に構うの? 私のこともからかってるの? XXX、まだ柊君のこと好きなんだよ。 きみが私に声をかけるから、 XXXに誤解されて、私……… 柊君は覚えてもないんだね。 傷付けられた子の気持ちなんてわかんないんだ。 柊君なんて――― ]
(184) 2021/06/10(Thu) 18時半頃
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[ …………… ]
(185) 2021/06/10(Thu) 18時半頃
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[……………うん、そうだね。 要するにこれも突き詰めれば自業自得。 やっぱり俺は悪い子みたいだ。]
(186) 2021/06/10(Thu) 18時半頃
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[世界には二種類の人間がいた。 俺のことを好きな人と、そうじゃない人。
でも、嫌われない方法ばかり覚えた俺は 「好かれたい人」に出会った時 どうすればいいのか全然分からない。
「好かれたい人」には こんな俺なんかよりももっと好きな人がいて、 俺はどう足掻いたってそこには入れないみたいだ。
ずっとずっと子供の頃から今も 薄っぺらい笑顔を浮かべてひとり、 空虚に空回り続けている。**]
(187) 2021/06/10(Thu) 18時半頃
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── 現在・渡り廊下 ──
[ 暮石の首がだんだん上を向く。>>164 少しずつ傾いてって──、ぼきり。
……とはならなかったけど、 徐々に傾く様子を見てた慎一は、 九重みたいな人形を思い出して、 ……ちょっとだけドキドキした。
ごく近くまで来て、見下ろす。 ……大丈夫、ちゃんと人間だった。 口は開くし、声だって発する。]
(188) 2021/06/10(Thu) 18時半頃
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……落とし物?
[ そう言いながら何かを手繰るように、 暮石の手が硬貨を一枚握りこむ。>>164 それを慎一は立ったまま見てる。]
え? あーー、うん。 今日もあって、よかった。
[ 急に自分に話題が飛んできたから、>>169 慎一はちょっとびっくりしちゃって。 半ば反射的に答えはするんだけど、けどさ。]
(189) 2021/06/10(Thu) 18時半頃
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……立たねえの? まだ見つかんねえのあるなら、探す?
[ パンはそのへんに置けばいいしね。 しゃがんだままってのは、変だよ。>>169 慎一もさすがに怪訝に思うくらい。
いつも通りのへらっとした笑いを向けられて、 慎一は困惑したような顔をしちゃう。]
つか、こんな時間から、 なんでこんなとこ──、
[ そう言いながら顔を上げて、周囲を見て、 そのときやっと慎一はひとつ変化に気づいた。]
(190) 2021/06/10(Thu) 18時半頃
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[ 慎一が歩いてきたのと、反対側。 暮石がいるほう。渡り廊下の奥。
同じものがいくつも並んでる。 同じもの。3年9組の屋台。ちょっとホラーなお店。
昨日出口を探してさまよってたとき、 ここは、こんなふうじゃなかったはずだ。 ……おばけの学校じゃないんだから、 もっと彩り豊かな通り道になっていたはず。だった。
唖然。という感じに慎一はそれを見る。]
(191) 2021/06/10(Thu) 18時半頃
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……なんで? 昨日まで、こんなんじゃ……、
[ 本当に純粋に「増える」あるいは「代わる」、 そうなることの意味が理解できずつぶやく。、
ああこれは、ほぼ独り言しての「なんで」だから、 あんまり気にしてくれなくてもいい。
どちらかというとひとつ前、 どうしてここにいるのかってほうが、 疑問らしい疑問ではあったんだけれど。 果たして答えは得られるんだかどうか。
ぽかんとしたまま、もう一度暮石を見下ろす。 さっきちらりと見えた硬貨の意味にも気づかずに。*]
(192) 2021/06/10(Thu) 18時半頃
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── 現在 ──
[ うろたえている様子にまた苛立ちが募った。 しらばっくれているのかな。>>136 それでも良い子ぶっているのかな。]
ふざけないでよ。 なに被害者ぶってるの。やめてよ。 私が悪いのなんてとっくにわかってるから。
あんたがいい子だから私は惨めになるの。 わかんないよね。わかる訳ないよね。 だってあんたは正しい良い子なんだもの。
[ 震えていようがお構いなしに、 光の点らない昏い瞳でじいっと見つめて。]
(193) 2021/06/10(Thu) 18時半頃
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[ 言いなよ、って言った。 思う存分私を罵る言葉が来ると思った。 自分がもう訳がわからなくなっていて、 責め立てられればイーブンになると思ったのか。
だって私ばっかりこんなにみっともなく 八つ当たりめいた吐露をしているんだもの。 あんたも加害者にならないとおかしいよ。]
何。 これだけ私を虚仮にしておいて そーやってまたいい子ぶるの。
[ けれども返された言葉は、>>140 私の意図していた方向とは違った。]
(194) 2021/06/10(Thu) 18時半頃
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そう、嫌わないで って、……
……………………ふぇ?
[ 辿々しくも告げられた言葉に 意味を理解する前に反射的に返答をして、 めちゃくちゃ間抜けな声が漏れた。
やっとここで自分が相対している人間が 誰であるかの認識が出来た。]
(195) 2021/06/10(Thu) 18時半頃
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[ 目の前に居るの、あの子じゃないじゃん。 黒沢さんじゃん。]
(196) 2021/06/10(Thu) 18時半頃
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あ、えっ、あの、ちょっと、ちょっと待って、 ごめん、えっと、…………。 ……黒沢さん、だ……?
[ さっきまでの剣呑な様子は何処へやら。 現在の状況を正しく理解したならば、 へなへなとその場に座り込むだろう。]*
(197) 2021/06/10(Thu) 18時半頃
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── 現在・階段下 ──
[考えれば考えるほどわかんなくて、 しかもユーガが考えても判んないこと、 俺に分かりようがなくて。>>158
だけど、wishの部分で呟かれた言葉に 俺は大きく同意する。
「 うん、だよな。 」 ]
(198) 2021/06/10(Thu) 20時頃
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……そうだな。 踊り場だと、リ……人形、可哀想だし どっか教室入れてやろうぜ。 [リツ、と言いかけて、首を振る。 心のどこかではこいつがリツだって思ってて 俺は、現実と精神世界の狭間で混乱している。
そうして階段脇の教室の扉を開ければ 喫茶店の出し物のセットがあったものの 人形ひとつ寝かせるスペースはありそうだ]
(199) 2021/06/10(Thu) 20時頃
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[上半身を持ち上げる時に、 人形の首がぐらりと揺れて思わず支えた
人形を運ぶ時、ほんのすこしだけ。 今日は血が出てなくてよかった、なんて そんなことを思う。
血が出てようが出ていまいが、さ 階段から落とされ(たって思ってる) 首を折られて。 悪趣味には、違いないけど。
……ホラーは、ダメだから。ってさ。 俺はまだ、教材倉庫での惨状を、知らない。 それに、3-9の屋台が増えてることも。]
(200) 2021/06/10(Thu) 20時頃
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[人形を寝かせて、テーブルクロスを掛けとけば 一応、ここは、まあ大丈夫だろ。 張り紙しとく?なんてそんなことを話しながらさ。 さっき。ユーガが呟いたこと、改めて考える>>161]
……これ、全員消されるのかな。 鐘、多分いっつも9時ちょっと前に鳴ってる だから次の9時が来たらさ、 また、……消されて、増えるのかな、人形。
[全員、勿論俺と、ユーガも勘定済みだ。 でも、俺たちに何ができるか、の部分には どうしても答えが出せそうにない。]
(201) 2021/06/10(Thu) 20時頃
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……送り主を探すのは、容易いだろうよ。
残り数人しかいねーわけだし、 仮に自分の意思じゃなくたって 俺もユーガも多分違ぇって思ってるし。 後は多分消去法か、自己申告。
文化祭で時間が止まって欲しいと願うほど 文化祭だけに思い入れがあるやつ。 カッターナイフにご縁のあるやつ。 いつだって死が隣り合わせにあるようなやつ。
探して、人を消すのを止めてくれって頼んだら 止まってくれんのかな。それだったら探すけど。
(202) 2021/06/10(Thu) 20時頃
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……でもさ
現実でも「限界だ、耐えられない」なんて そう思わせちまったやつ本人だとか、 そう思ってるやつの、暴力的な世界に対して。
そもそも。俺らになにかできるのかな。 なにかする、資格はあんのかな。
ユーガも委員長で頑張ってたしさ 俺も、3-9が楽しくなるように、 1年間割と頑張ってきたつもりだしさ うっせーだけって思ってるやつもいるかもだけど
でも俺ら、全力で頑張ったじゃん。
(203) 2021/06/10(Thu) 20時頃
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