33 桜森高校同窓会
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💬 『そうだったのね。 うん。私への招待状も、双樹の家ではなくて、 玲の家の方に届いて。
”一緒に”特別な時間を、という事は、 クルーエル社の人も参加するのかしら、とか。 事前の電話予約は不要って、 お部屋の用意とかは、必要無いという事? また、VRゲームか何か、する事になる? ……なんていうのは、考え過ぎかしら。
玲とは、帰りに話をする事になっていて、 まだ何も話せていないのだけど。 私は、玲にはもう、クルーエル社に関わって欲しくなくて。』
[玲が代償としてくれた『運』は、アイスの当たり棒が出る位、回復してはいるけれど。 もうクルーエル社には、関わらないで欲しいと思ってしまう。 玲が危ない目に遭うなんて、絶対に嫌だから。*]
(78) 2024/02/11(Sun) 23時頃
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[沙羅の返事を見て、はたと瞬いて、 慌ただしく、封筒に収めていた手紙を開いた。 確かに“一緒に”の言葉がある。 先刻は一読しただけで閉じてしまったから、 沙羅ほど深くは考えられていなかった。]
『 一緒に……あれって、そういう意味? 言われてみれば、たしかに予約なしって 普通の宿泊施設にしては、変、よね。 2/13に何人来てもいいように、招待者の人数分だけは 準備万端です!ということとも取れる……?
さすがに、ゲームに参加しますって同意なしに 自動的にVRゲームに参加させられるなんてことは ないと思いたいけど。どうかしら…… クルーエル社、色々噂も絶えないものね。 沙羅の言う通り、危険なことが少しでもあるなら 大事な人には参加してほしくないのは、わかるから 』
(79) 2024/02/11(Sun) 23時半頃
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[分かるから―― そこまで書いて、指が迷う。 どこまで信じて良いのか、また、疑ってかかるべきか。
勿論、当時だって、 不登校だったわたしをゲームへと誘った 綺麗な謳い文句と実態との差異に困惑したし 少なからず、不本意や不条理を強いられたり 物理的に、あるいは、精神的な苦しみを味わった 参加者も居たことを、今は知っている。 どうしたって手放しに信用することは出来ないだろう。
ただ、VRでのあの数日間がなければ、“今”はない。 前を向くことも、トラウマの克服もできず、 姉がいなければ何も出来ない人見知りのまま ――― 彼とも、皆とも出会うことなく、 変わらぬ日々を送っていたかもしれない。
それを思えば、クルーエル社に対しての不信感や警戒は 他の参加者に比べればもしかしたら薄いのかも知れず。]
(80) 2024/02/11(Sun) 23時半頃
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[桐野先輩の身に起きたことは詳らかにされていないから 彼にクルーエル社と関わってほしくないという 沙羅の懸念のすべてを理解できてはいない。 願いの代償に消費されたのが彼の運だったなんてことも 当事者から伝えられない限りは知る術もない。
けれど、―― 望んだことであったとしても 奏人くんに危険が及んだのは事実で。 また、今回も、なんてことを考えてしまうと 久しぶりの一緒の旅行がうれしい!なんて 大喜びで参加しようと思えるはずもなくて。
奏人くんはどう言うだろう? 朝の様子を思い起こし、つい、考え込んでしまいながら ]
(81) 2024/02/11(Sun) 23時半頃
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『 わたしも、奏人くんが帰って来たらよく話してみる。 今日は帰りが遅いみたいだから、もしかしたら 明日以降になるかもしれないけど。
あ、奏人くんも桐野先輩に メッセージを送っていたみたい。 2人の間でも話し合ったりしているかもしれないわね。
何かわかったら、また連絡するね 』
[それからいくつかメッセージの遣り取りをして。 お昼の終わりを告げる時計の針に急かされるように トートバッグとコートを手にあたふたと自宅を出た。 連絡があったら返事が返せるよう、スマホは手の中に。*]
(82) 2024/02/12(Mon) 00時頃
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── 大学内・休憩時間 ──
[沙羅にLINEを送ろうとスマホを開くと、 奏人からのメッセージが一件入っていた。 見る前から何となく話題は察するけど。 添付された写真を拡大して見て、 ぽちぽちと返事を打つ。]
💬 『あー、やっぱそっちも来てるんだ。 うちも来てる〜。 なんか沙羅宛ても合わせて2通来てた。内容同じ。』
[沙羅ともまだ話していないし、 どうするか決めていなかったので、 取り敢えずそれだけにして 送信ボタンを押した。]*
(83) 2024/02/12(Mon) 00時頃
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── 帰りがけ・大学正門前 ──
[今日は講義が終わる時間がほぼ同じだったので、 校門で待ち合わせをして。 読みかけの電子小説でも、とスマホを出したところで 沙羅の姿が見えた。 うさぎのイヤーウォーマーとグローブがよく似合ってて 顔を綻ばせながら、こっちこっち、と手を挙げる。
寒いねー。 直帰してもいいけど、ちょっとスタバ寄ろうか。 今日から新しいやつ始まってる筈。
[言いながら、うさぎグローブ越しにぎゅっと手を握って 大学近くにあるスタバに歩き始めた。
粉雪ちらつく中、スタバに辿り着いて店先の看板を見ると 『桜フラペチーノ/桜ホットラテ』と書かれていて。]
あ、これこれ!やった。フラペチーノにしよ。
(84) 2024/02/12(Mon) 00時頃
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[粉雪のちらつく日に冷たい飲み物もどうかと思うけど 今はそういう気分だった。 カウンターで注文をして沙羅の分も一緒に受け取ると 窓際の席に移動する。
コートを椅子に掛けて、一息をついたあとに カバンの中に入れていた招待状を取り出した。]
これねー。 沙羅の写真も見たけど全く同じ内容だよね? てか、桐野家に送って来るのちょっと怖いな。 調べ上げられてるみたいで……。
[自分宛の招待状を沙羅に渡すと、 桜フラペチーノに口を付けた。冷たい。
沙羅とは何年も同棲しているから住民票も移してあるし、 何なら去年の末に婚約したばかりだった。 沙羅宛ての公的書類は当然、桐野家に来るけれど。 封筒に書かれた差出人の文字を見つめて考え込む。]
(85) 2024/02/12(Mon) 00時頃
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実は、旧桜森高校が温泉施設になってるのは、 少し前に気が付いてたんだけど。
[他の誰にも話してはいなかったが、 ふと気になってネットで検索した時に得た情報だった。 グーグルのストリートビューで、現地の様子も少し見た。 確かに見た目も口コミも普通の施設だったが…。]
個人的には……
[クルーエルとはあまり関わりたくない、というか、 沙羅を関わらせたくないな、と思っていて。 ──沙羅の病気を治してもらった恩はあるのだけれど。 桐野自身が、あまりに酷い目に遭っていたので仕方ない。
少し言葉を濁した後、苦笑して肩を竦めた。]
沙羅と、やっと落ち着いた生活を送れてるんだし。 リスクのある事はしたくないんだよね。
(86) 2024/02/12(Mon) 00時頃
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ただ、 あの高校には思い入れがあるし──、
もし本当に普通の温泉旅行できるんだったら… …ちょっと、行ってみたい気はしてる。
[本当に普通の温泉ならね!と 大事なことなのでもう一度付け加えて。 フラペチーノを飲みつつ、招待状の裏表を確認する。]
ふーむ… 電話予約要らないってあるけど、 施設に直接聞いてみる手もあるか。
どう思う? 普通の温泉旅行なら行きたくない?
[今度は、普通の笑顔になって。目の前の彼女に問う。]*
(87) 2024/02/12(Mon) 00時半頃
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[玲は、運を代償に私の病気を治してくれただけではない。 第1回目のゲームで、双子のお姉さんを亡くしていて。
もう二度と、辛い事、悲しい事が起きて欲しくない。 もう二度と、危ない事をして欲しくない。傷を負わないで欲しい。
だからもう、関わって欲しくない。そう思ってしまうけれど。 玲は招待状の事を、どう思っているだろう。]
[そんな事を考えていると、野々花から返信が届いて。 まず、一つ目のメッセージ>>79に。]
💬 『うん。招待者の人数分は準備万端、の意味なら。 全て杞憂だったら、いいのだけど。 そうね。私の病気が突然治った時も、 病院で何も騒ぎにならなかったし。 一筋縄ではいかない会社なのは、確かだわ。』
(88) 2024/02/12(Mon) 00時半頃
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[続く、二つ目のメッセージ>>82には。]
💬 『そうなのね。 うん。私も玲と話してから、また連絡するわね。』
[そう返信をしてから、食堂への道を歩き出した。*]
(89) 2024/02/12(Mon) 00時半頃
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[野々花とて不審には思っているようだが、 ”応募してくれた”という言い回しから、 案外好奇心旺盛な彼女の興味を惹いていることが分かる。
あれから約四年。その間も何回かゲームはあったらしい。 やはりまた、不登校の生徒を集めて競わせているのだろうか。 当時の自分を思い出して苦笑を浮かべる。]
今夜はバイト先でお弁当出るらしいから、 僕の分は気にしなくていいよ。 うん、二人にも聞いてみてくれると助かる。 あ、でも虹乃さんって確かアメリカだよね。
[招待が来ていたとして海外在住では参加は難しそうだ。 話しながらコートを手に取った。]
(90) 2024/02/12(Mon) 00時半頃
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[野々花の口から出た二人の名前。 沙羅とは玲を介して顔を合わせていたが、 虹乃とは彼女が帰国の際スケートを観に行ったくらいで もう随分会っていない。 せいぜい、野々花に写真を見せてもらう程度で。]
ありがとう。 今日も寒くなるみたいだから、 野々花も暖かくしてね。
[ここ数日寒さが増していた。 頬への感触に表情を和らげてアパートを後にする。*]
(91) 2024/02/12(Mon) 00時半頃
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…… さむ。
[案の定の冷たい空気に肩を竦める。 野々花には暖かくするように言っておいて、 自身はマフラーも手袋も着用していなかった。
並木道を歩いているとメッセージに気付く。 玲からのものだ。 やはりあちらにも招待状が来ているらしい。 内容の確認だけしてスマホを仕舞う。 頬に受けた熱は寒気の中ですっかり薄れ、 外出したばかりなのに既に彼女の不足を感じていた。**]
(92) 2024/02/12(Mon) 00時半頃
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『 病院にも手を回せるくらい 力がある企業ってこと、よね。』
[当時の沙羅の病状は大変だったと聞いている。 それがVRゲームの後に快復したうえに、 「どうやって」という当然出るはずの疑問すら 掻き消す力があるなんて、まるで魔法。
奇跡という言葉は、当事者でもないわたしが 口にしてよい言葉ではないと思ったので、 何でも願いが叶う力のことには触れず 一筋縄ではいかない会社だという言葉にだけ 同意する形で。]
(93) 2024/02/12(Mon) 01時半頃
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『 クルーエル社は正直とっても怪しいけど 3人で一緒に行った時、廃墟みたいだったところが どんな風にリニューアルされたのかは 少し気になってはいるの。
あっ、危険なことがないなら、ね。勿論。 うん、待ってるわ。……また。』
[グループラインの沙羅のメッセージに 返信をひとつ送り、冬の高い空の下を歩き出した。 室内では感じなかった寒さにふるりと震える。
忘れたのか、それとも必要がなかったのか 自宅に置いてあった彼のマフラーをバッグに確かめた。 夜道は更に寒くなる。大学で会えたなら、 休み時間の間にでもさっと渡せればと思うけれど。 学部が違うから、どうだったかな **]
(94) 2024/02/12(Mon) 01時半頃
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― 大学正門前 ―
[講義が終わって正門前に行くと、すでに玲の姿があって。]
玲っ! 早かったのね。 おまたせ!! [こっち、と手を挙げる玲に、小走りに駆け寄る。 スタバに寄る、というのには、目を細めて笑んで頷いて。]
そうなのね。うん。行きましょ。
[グローブ越しに手を繋ぐと、玲の腕にすりっと、一度頬を寄せてから、並んで歩き始めた。
スタバに着くと、玲は桜フラペチーノを注文して。 私も気にはなったのだけれど、桜ホットラテの方を注文した。 そうして、玲が私の分も受け取ってくれて、席へ移動して、一息ついた頃。 玲宛の招待状を受け取ると、内容を確認してから。]
(95) 2024/02/12(Mon) 01時半頃
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……うん。全く同じだわ。
VRゲームに参加した時は、 私の住所は双樹の家だったのにね。 家は、今も同じ場所にあるのに。 ちゃんと、現住所の方に送ってくるなんて。
[そう言ってから、桜ホットラテに口を付ける。温かい。]
[玲が封筒に視線を落として、少し考える間の後。 旧桜森高校が温泉施設になっていた事、気が付いてた>>86と言うのには、目を丸くして。 続く言葉は、頷きながら、最後まで話を聞いたのだけれど。 笑顔で、行きたくない?と問われてしまうと、ぱちりと瞬いて。 眉を下げて笑んで。]
……うん。本当に、普通の温泉旅行なら。
[そう言って、小さく頷いて。 ホットラテの方も飲んでみる?って、カップを差し出してみた。]
(96) 2024/02/12(Mon) 01時半頃
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陀羅尼 サラは、メモを貼った。
2024/02/12(Mon) 02時頃
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――大学の構内で――
[二限目の講義中に先ほど流し見した 招待状の文面を検める。 ”××年度関係者の皆さまへ” つまり柊が参加した回以外の ゲーム参加者が招ばれていてとして、 そう多くないと推測のつく。 しかしあれ以降、クルーエル関連について 調べることも関わることもしていない。 それ以上の情報はなかった。]
……今頃……?
[報酬のことなら片が付いている。 今さら何の用があるとも思えなかった。 考えられるとしたら関係者の誰かによるサプライズの類だろうか。]
(97) 2024/02/12(Mon) 12時半頃
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楽観的すぎるかな。
[首を捻ってスマホを仕舞うと、教壇に目を向ける。 講師の口にする内容は、とっくに開いたテキストのページと 別の箇所に移っていた。]
(98) 2024/02/12(Mon) 12時半頃
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昼になったら少しは暖かくなると思ったけど……。
[午前の講義を終え、寒さから逃れるよう学食に入る。 温かいうどんという昼食を済ませて、一息。 キャンパスを歩く学生と冬景色の中庭を 眺めるともなく眺めて。 コートのポケットからスマホを取り出した。]
『 🐈 玲と沙羅ちゃんにも同じ内容の招待状届いてたって 』
[野々花へとメッセージを送る。 三限目からと言っていた彼女は、大学へ向かう頃合いか。 自身も次の講義があるため、移動するかと席を立つ。]
(99) 2024/02/12(Mon) 12時半頃
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温泉かあ。
[思惑はどうあれ、 最近の冷え込み、それに野々花(+友人)と訪れる先と 考えると魅力的な場所ではあるのだ。**]
(100) 2024/02/12(Mon) 12時半頃
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―― 大学構内 ――
[大学の門をくぐると、多くの学生が行き来していた。 マフラーのこともあって余裕をもって家を出たから 次の講義までにはまだ少し時間がある。 奏人くんはお昼時だろう。
今日はお弁当の日ではなかったから、 学食か、外に食べに出たか――… 彼の行先を考えながら並木道を抜けていると、 メッセージが届いて、内容に目を通す。 くすりと小さく微笑んだのは あの頃からお決まりの猫スタンプの存在に。
不意にひゅうと冷たい風が吹き、 思わずストールを肩から胸前まで引き寄せた。]
(101) 2024/02/12(Mon) 19時半頃
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風、つめた…。 これだったら外に食べには行かないかな……?
[居場所にアタリをつけて学食に向かってみるも、 残念、そこに彼の姿はなく。 少し迷いつつも踵を返し理系棟の方に足を向けた。 文理横断講義の時くらいしか来ることがない場所のため 二年次でも構造や講堂の場所が分からなかったりする。 きょろきょろと周囲を見回して配置図と睨めっこ。]
確かこっちのはず…… あっ。 こ、 こんにちは。
[見覚えのない生徒に挨拶をされ、慌てて頭を下げる。 何かでこちらを知っている生徒だったのか はたまた奏人くんの友達の誰かだったろうか。 ともあれ目当ての教室を探して、廊下を急いだ。 ]
(102) 2024/02/12(Mon) 19時半頃
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[何時も思うことなのだけれど、 入口で講堂内全体を見回すとよくわかる。 ……奏人くんは、遠目でもよく目立つってこと。 小さく手を振ってみたが気付いたかどうか 彼の座る席の傍まで近づいて、 斜め後ろからマフラーをふわりと巻く。]
…… 忘れもの。 夜遅くなるなら、持っていかないと。
[急襲の主が分かるよう斜めに身体を傾け 彼の顔を覗き込んで微笑んだ。]
さっきのLINEもありがとう。 すこし前に沙羅からもメッセージが来ていたわ。 帰りに話をすることになってる、って。
(103) 2024/02/12(Mon) 19時半頃
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[元々語学や教養系の文理共通の講義は なるべく同じものも取るようにはしていた。 大学入学の年の春に同棲を初めて、あと数か月で丸2年。 自宅でも一緒なのに、一緒の講義も取るの?と 驚きまたは興味本位で聞かれることもあるけれど 奏人くんとは学校が違ったし、高校では学年も違うし 何なら途中から行っていなかったわけで 「学校」に居る姿は新鮮も新鮮、別腹なのだ。 尤も、年次が上がれば専門分野の履修が増え 席を並べて講義を受けることもほぼ無くなってしまう。 今日だって、これからの3コマ目、4コマ目は 各自の学部特有の講義だったはずで。]
(104) 2024/02/12(Mon) 19時半頃
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外も廊下もさむいし、 教室に入ると、動きたくなくなっちゃうわね。
…ちょっと考えていたの。 さっきの、温泉の話だけれど……、 また一緒に旅行には行きたいなと思ってたから 奏人くんの言うようにおかしなことにならないなら 丁度いい時期のお誘いではあるのよね。
[他の人の通行の邪魔にならないように ちゃっかりと長椅子の端に腰を下ろす。 スカート越しに伝わるひんやりとした椅子の感触に 「つめたっ!」と一瞬ぴょんと飛び上がってしまい 余計に温泉というワードが輝かしいものに感じる。]
(105) 2024/02/12(Mon) 19時半頃
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でもね、あの時、あのゲームで、 奏人くんは、その―― 実際に、身体の苦痛があったりしたでしょ? 心の方だって、影響があったかもしれない。
また何か、大事な人に、人たちに、 よくないことが起きるなら、あの会社とは 遠ざかっているほうが良いかとも、迷っていて。 沙羅ともそういう話を少し、していたの。
[朝の奏人くんの口振りからすると 彼からクルーエル社に対し強い負感情があるようには 感じ取れなかったこともあり、量りかねていて。 彼の意向を伺うように、すこし見詰めた。]
クルーエル社の人に確認出来ればいいのにね。 信用できる人、誰か居たかしら………
(106) 2024/02/12(Mon) 19時半頃
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[1,2言葉を交わして。 ふと時計を確かめ、わた、と立ち上がった。 理系棟からの移動時間を考えればギリギリ。]
あっ、そろそろ時間。行くわね。 夜道気を付けて。マフラーもちゃんとしてね!
[家、あっためておくわ。と言い残し ぱたぱたと手を振って彼の教室を後にした。**]
(107) 2024/02/12(Mon) 20時頃
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