4 【突発R18】痴☆電車
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[別に、快感に落とされなくても良いのだ。 快感に落とされてどうしようもなくそれを求めてしまってはいたけれども、女のそのスイッチを入れられなければそう女も変貌しはしなかった。 逆を言えば、そのスイッチを入れられてしまったならどうしようもなく済し崩しに堕ちてしまうのだが、それもこの目の前の彼以外では入ることのないそれだった。 けれど、女は知る。少なくとも察する。 その"今度"はきっと訪れない。>>52]
(53) 卵 2021/01/30(Sat) 09時半頃
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今度はわたしから映画にでもお誘いしますね。 好きなジャンルとか教えてください。
[けれど女はそう言葉にした。 平素であるように。まるで恋人ごっこの続きのように。 伸ばした手は添えることができただろうか。]
……………好きです、館本さん。
[そう言って、身を寄せることはできただろうか。]
(54) 卵 2021/01/30(Sat) 09時半頃
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[後日、女は言葉通り彼を映画に誘う。 その日だってもし来てくれたのだとしても行為はやんわりと拒絶し、来てくれなかったのなら一人で映画を見に行った。
加賀は、女の想い人に思い至っただろう。 他の女子社員はヒソヒソと噂話。
髪をほんの少しだけ切った。 アップの髪型をやめる気にはなれなかった。]*
(55) 卵 2021/01/30(Sat) 09時半頃
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[22w。 妊娠六ヶ月も半ばを迎え、堕胎のできない時期になった。 その頃には胎動を感じるようになり、体調も整って産休に向けて仕事を精力的に行うようになった。 腹も妊婦の身でなければ体型の割に膨れているが、まだそこまで目立つ頃では無かった。
七ヶ月を迎えるとだいぶ腹が丸くなる。 相手は誰なのかと女子社員に問われて濁した。 加賀に避けられるようになったが仕方がない。
八ヶ月。もう、妊婦である事は隠せない腹の丸さをしていた。 これ以上まだ育つのだから、臨月の頃にはパンパンに膨れてしまうんだろう。 九ヶ月の半ばから産休を取る手筈を整えている。部長は渋い顔をしていたが、どうにかもぎ取った。それは女には正当な権利と思えていた。 両親もなんとか説得した。好きな相手の子供だから、どうしても産みたいんだと。
今の会社に相手がいるのかと問われ、沈黙が答えとなってしまっていた。 それならば今の仕事を辞めるように言われたが、それについては保留した。 相手は既婚かとも問われたが、そちらの沈黙は間違った答えに行き着いたようだった。]
(56) 卵 2021/01/30(Sat) 10時頃
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[そんな頃。 女は館本とまた残業をしていた。 キーボードを叩く音が響く。 それが一通り終わり、仕事がひと段落した時だった。]
館本さん。
[そう女が呼びかけるのは、仕事ではない時の呼び方だ。 仕事の時はそれに役職をつける。]
………お時間いただきたいのですが、よろしいでしょうか。
[その声はほんの少し硬い。]**
(57) 卵 2021/01/30(Sat) 10時頃
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[小さく呟いた言葉。 その言葉がストンと腑に落ちた。 そうして電車を降りて街に降り立つ。 雑踏、人の流れのその中で、館本はスマートフォンを取り出した。]
『陽子か、俺だ。』
(58) 飛行機雲 2021/01/30(Sat) 11時頃
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[所詮、恋人ごっこ。 寄せられた陽子の身体を抱き寄せて、ただそれだけで何もせず。
『好きです。』
その言葉が酷く虚しく思えた。 今更、普通など手に入るはずもない。 自分の歪みも欠陥も痛いほど理解している。
こうして恋人のような真似事をしていても、明日には他の女を痴漢しているのだ。 自身がそういう人間だということを男は理解している。]
(59) 飛行機雲 2021/01/30(Sat) 11時頃
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[誘われた映画は観に行った。 暗がりで隣に座る陽子の身体を弄る。 感度のいい陽子の身体、だけど前とは違う。快感に身を震わせても、どこかブレーキをかけている。陽子は快楽に身を任せようとはしない。
後に理解する。 陽子はすでに他の男のものなのだと。
徐々に大きくなる陽子のお腹。 産休の申請に渋る部長に『問題になりますよ』と苦言を呈したりもした。
それぐらいはしてもいいだろうと思ったから。]
(60) 飛行機雲 2021/01/30(Sat) 11時頃
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[そんなある日の夜。 妊婦とわかってからは出来るだけ残業する様なことにはならない様にしてきたが、どうしても陽子にお願いしなければならない仕事があった。
こうして二人で残業をするのも久しぶりのこと。
もちろん手を出すことはない。 二人の関係はすでに終わったもの。
だから、陽子が自分を呼ぶその呼び方が変わったことにすら気が付かなかった。
男はただ顔を上げ、笑わぬ係長の顔で陽子の方に視線を向けた。]*
(61) 飛行機雲 2021/01/30(Sat) 11時頃
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[相手の顔はあの日から、仕事の時のものばかり向けられていた。 それでも、不意に不安に駆られていた女は言葉を選ぶ。 そっと、丸い腹を撫でて手を当て、相手を見つめた。 本当は誰にも、黙っているつもりだった。 黙って一人で産んで育てるつもりだった。 そう言って家を出ようとする女を引き留めたのは両親だったが。 その時のやり取りは喧嘩に近く、しかしその時に言われた言葉の可能性を否定しきる事ができず、今の不安につながっている。 今伝えようとしていることの決意にも。]
(62) 卵 2021/01/30(Sat) 11時半頃
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……………その、本当は。 何を言うつもりも無かったんです。 産むのは私の勝手だから、………一人で産んで育てて行くつもりでした。
でも、出産で命を落とすことも少なくないって………。
[産科医の漫画を読ませてきたのは完全なる嫌がらせか、それともそれだけ心配してくれたのか。 恐らくは両親が、こんな状態の娘を手放す事が出来なかったからだろうけれども。 しかし、それで出産に対して不安を抱いた。 何人も産んでいる人もいるが、万に一つが自分に降りかからないわけではない事も女は嫌々ながら理解はしていた。
細く長く息を吸い、吐き出す。]
(63) 卵 2021/01/30(Sat) 11時半頃
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……………館本さんの子、なんです。
[少なくとも、女は彼としかシていない。 女の知る限り、他の誰かであろうはずが無かった。 産むのは勝手だ。孕んだら産んで良いと言われた。 だから勝手に産むつもりだった。けれど、万が一自分が命を落としたら、残されたこの子が只管哀れに思えた。 だから震える声で彼に伝える。]
(64) 卵 2021/01/30(Sat) 11時半頃
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だから、…………………もし万が一があったら。 この子の父親を、誰も知らなくなってしまうから。
認知しろ、なんて言いません。 ただ、……………知ってて欲しかった。
[本当は、子供のことを考えればそれこそ認知してほしいと願うべきかもしれない。 だがそれは、女の両親の怒りの矛先が彼に向かいかねない事実を伴う。 だから、ただ知って欲しかった。 誰もこの子の父親を知らなくなるなんて耐えられなかった。
戯言と切り捨てられたとしても、頭の片隅にそれを置いておいて欲しかった。]*
(65) 卵 2021/01/30(Sat) 11時半頃
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……ありえない。
[そう、そんなことはありえない。 普通の人の一万分の一、医者からは自然妊娠はできないと言われた。それでもいい、普通の家庭を築くなんて不可能だと思っていた。 だから、出来るはずがない。]
ありえないんだ。 俺には……精子かほとんど存在しない。
[無精子、正しくは乏精子症と言うらしいが。 確かに全くのゼロということではないが、その確率は奇跡と呼ぶしかない。]
(66) 飛行機雲 2021/01/30(Sat) 13時半頃
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[他の男の子、他の男に抱かれたのかと、そう問いただそうとして言葉が喉に詰まった。
信じられない、信じたい、そんな奇跡など起こらない、ここに奇跡が起きた。 様々な思いが男の顔に浮かぶ。 もはや自分がどんな顔をしているのかわからない。]
…………本当なのか?
[気づく。 頭をよぎる可能性や感情に、陽子を疑うものがふくまれていないことに。 疑ってない。 陽子が嘘をついているなんてことは欠片も疑っていなかった。]
(67) 飛行機雲 2021/01/30(Sat) 13時半頃
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[椅背もたりに背を預け、ギシリと椅子が音を立てる。 なぜ、もっと早く言い出さなかったのか。]
……言わせなかったのは……俺か。
[歪んだ人間、痴漢という犯罪者。 父親という存在からはあまりにも程遠い、陽子の子の父親になれる様な人間ではない。 だからか。 陽子が父親を不要としたのは。]
(68) 飛行機雲 2021/01/30(Sat) 13時半頃
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……必要なものは全て用意する。
[机に両肘をつき俯く顔を手で覆った。]
認知が必要なら認知もする。 養育にかかる費用も。 全て、何もかも……。
[ここまでの人生の中で、これほどに自分が真人間でないことを恨めしく思ったことはなかった。]*
(69) 飛行機雲 2021/01/30(Sat) 13時半頃
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…………。
[あんなに何度も抱いたのに、有り得ないと言われて>>66女は眉を顰める。 ぐ、と眉間に皺を寄せたのは涙が滲みそうになったからだ。 避妊も何もしなかったのに、有り得ないとはなんだろう。 しかし黙っていると男の言葉が続けられる。
精子がほとんど存在しない。
あの日、孕んだなら産んでも良いと言われた日、何か表情や声音に引っ掛かりを覚えたのを思い出す。 嗚呼そうだったのかと、女は眉間の皺を緩めた。 なら一層、この子は無事に生まれてきてほしいと。]
(70) 卵 2021/01/30(Sat) 14時半頃
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本当です。 あの日から、私を抱いているのは館本さんだけです。
[それはキッパリと言い切った。 こんな事で嘘なんてつかない。つくはずがない。 やろうと思ばDNA判定で親子かどうかなんてすぐに分かるのだ。 すぐにバレる嘘をつくはずも無い。 ただ、俯く彼が失望しているように見えてまた泣きたい気持ちに駆られる。 言わなければよかった。 そんな、責任を負わせたかったわけじゃ無い。]
(71) 卵 2021/01/30(Sat) 14時半頃
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館本さん、違うんです、そんなの求めてるわけじゃ無いの。 産むのは私の勝手だから。 でも、この子を理由に責任を求めたいわけじゃ無かった。 わたしはただ、好きな人の子供を産めるから幸せだった。 だけど、それで責任をとってくれとか、好きになって欲しいとか言えなかった。
……………振られるか、私が諦めるまで。 振られないまま、私も諦められないまま先に子供を授かって、だけど館本さん…………。
[いけない、と女は両手で顔を覆った。 泣くつもりはなかったのに、子供を孕んでいるからか不安定な気持ちが表に出やすくて困る。 ぽろぽろと溢れる涙を両手で必死に隠した。]
(72) 卵 2021/01/30(Sat) 14時半頃
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館本さんに好きになって貰えなかったから………。
[最初からなかった。 館本が自分を好きになってくれるだなんて自信は。 なのに快楽に甘んじて振り払われないから付き纏って、その報いだろう。 けれど子供を報いだなんて言いたくなかった。 それに、セックスを拒み始めたら距離が開いた。 結局女は男の気持ちを捉えることも引き止めることもできず、体だけの関係なのだと気付いた。 気づかないようにしていたのに、妊娠した事でそれを目の当たりにした気持ちになった。]
(73) 卵 2021/01/30(Sat) 14時半頃
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ただ、好きな人の子を、産みたかっただけ、なんです。 …………でも、もしトラブルがあって、私が死んでしまったら、この子の父親を誰も知らないままになってしまう。 困らせるつもり、ないんです。
[勝手に言質を得たとして、孕んだことを幸いとして出産に臨もうとした。 体を重ねなければ離れて行く関係と知りながら、けれど腹の子の母になった。 けれど、心は弱っていた。 周りの人間にも迷惑がられ、部長にも嫌味を言われ、両親は最後までこの子を殺せと言っていた。 なら早くに言えばよかったのに、館本の事情を知らない女は館本にまでこの命を否定されるのを恐れた。 好きでもない女が孕んだだけなのだと。 けれど、出産に対する恐怖が上回ったのだ。]
(74) 卵 2021/01/30(Sat) 14時半頃
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…………好きです、館本さん。
[相手にとって自分は、いきなり出産を知らせた酷い女なのだろうか。 しかし事情が真実なら、子を引き取ろうとしたりするのだろうか。
女の気持ちは変わらない。 ただ、彼を好いているからこそ。]*
(75) 卵 2021/01/30(Sat) 14時半頃
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[ほうと大きくため息を吐いた。 何度目だろうか、陽子が自分のことを好きだと言ったのは。 痴漢とその被害者、それを普通のことに置き換えようとしているのだと、ずっとそう思っていた。思おうとしていた。 普通ではない自分が、普通の男女のようにはなれないと、普通ではないなのだからとそう思っていた様に。]
……部長への説明が難しいな。
[顔を上げて困った様に力なく笑った。]
(76) 飛行機雲 2021/01/30(Sat) 15時頃
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[席を立って陽子の側へ向かう。 いつもの無表情でも、薄ら笑いでもなく、照れたような困ったような顔。]
陽子のご両親に挨拶もしないとな。 籍だけ入れて、式は落ち着いてからにしようか。 やることがいっぱいだな。
[溢れる涙を指で拭う。 こんな風に、陽子に触れたのは初めてだろうか。]
触ってもいいか? 俺の……俺と陽子の子に。
[思いもしない奇跡がここにあった。]*
(77) 飛行機雲 2021/01/30(Sat) 15時頃
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[大きなため息に気持ちが強張る。 両手で隠した顔を上げることができない。 やはり迷惑で、勝手な事だったのだと女は今の告白を恥じた。悔やんだ。全ては自分が墓下まで持って行くべき秘密ごとだったのだろうと。]
……………え、あ、館本さん………………?
[部長に何を説明するのか。デスクに据え置きのティッシュから数枚引き抜いて顔を拭くと、今までにない照れたような困ったような顔が見える。 責任をとってほしいわけではないのに。 そう伝えて尚、何かしようとしてくれる彼の気持ちはどんなものなのだろう。 混乱しながらも、さらにこぼれ落ちてくる涙を拭いてくれる手に相手の顔を見つめた。 此方は驚いた、それでいて信じられないものを見るような顔。]
(78) 卵 2021/01/30(Sat) 15時頃
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…………は、い。 性別、………聞きますか?
[彼の手をそっと取り、丸いお腹に導いた。 性別はもう分かっていた。だからそんな事を尋ねてみる。 生まれるまで知りたくない人もいるだろうから。自分はこだわらなかったが、その分先に用意をしなければ、何せ一人で育てるのだからと躍起になっていた節がある。
彼の掌が触れた場所。 ずにゅうううう、とお腹の内側が何事かと確かめるように動いた後、げしっ、と蹴られた感覚がして「う゛っ!」と衝撃に呻いた。
呻いたけれど、次の瞬間は彼の顔を見て。 嬉し泣きを堪えるようにして、微笑んだ。]*
(79) 卵 2021/01/30(Sat) 15時頃
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[お腹の内側から力強い衝撃。 びくっと手を引いてしまう。だけど、陽子が嬉しそうにしているから、恐る恐るもう一度触れる。]
わかる……のかな。
[父親が触れていると。 それとも母親を取られまいと威嚇しているのか。]
きっと、男の子だな。
[そう予想して、今まで陽子に見せたことない様な、穏やかな笑顔を向けた。]*
(80) 飛行機雲 2021/01/30(Sat) 18時半頃
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きっと、喜んでるんですよ。 パパが来てくれたんだねって。
[彼の予想通り、お腹の子は男の子だ。 目を細めて彼の穏やかな顔を見つめ、女もまたお腹を撫でる。 そうして彼の手を握りしめて見つめていた。]
…………私のこと、すき?
[そして今更ながらそれを確認する。 態度としては、子供のこともあって受け入れてはくれたのだろうと思う。 しかし言葉で伝えてほしい。 そう、願って。 果たしてそれは叶えられたのか。]
(81) 卵 2021/01/30(Sat) 18時半頃
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[どちらにしろ、その後は地味に忙しくなっただろう。 部長や会社内に伝えるタイミングをどうするのか。 入籍するなら会社に黙っておくわけにもいかない。 自分の両親もそうだが、相手の両親にも挨拶は必要だろう。 そもそも、頑なに相手に合わせず気を揉ませた両親の説得自体がとても困難だった。 両親は呆れ、安堵しながらも女を説教していた。 心配させるんじゃない、大切なことなんだから相手ともっと話し合いなさいとのことを、似たような内容で数時間。 ただ、相手が未婚で不倫ではなかったこと、女が意固地になっていた事をメインに伝えていたから、相手に対する怒りはそこまででもなかった………と思いたい。]*
(82) 卵 2021/01/30(Sat) 18時半頃
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