1 冷たい校舎村(別)
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[ 母はもう眠っているのだろう。
一階の電気は消えていて、
あたしは夢と同じコートを羽織った。
父は出張に出ているし、
……弟は、友達の家にでも行ったかな。
よく言い争いの喧嘩をしていた3つ違いの弟とは
中学のことがあってから
だんだんと疎遠になってしまった。
訳も分からなかっただろう頃は
ただ泣くあたしを慰めてくれたけど、
年を取るにつれて、理解していったのだろう。 ]
[ 彼に思春期が来て、姉の過去の行いを
恥じ、あるいは憤ってでもいるのだ。
友達を遊ぶ、を口実に家を空けるようになり
あたしとの話し方も忘れたのかもしれない。
あたしも、どんな顔をすればいいのか
ずっと、ずっと、分からなくなっていた。
夢のことを、メールのことを思い出して、
あたしはぼんやりと、弟の鞄を見つめる。
……あーあ。
あいつが嫌ならって、しなかったけど、
今度、話しかけてみちゃおうかな。 ]
[ あたしは愚かだった。間違っていた。
べつに、14歳で子供を授かったことが
必ずしも愚かで間違っているとは思わない。
でもあたしは、あたしは、そうじゃなかった。
ひとりになったあの日、あたしは愛せると思って、
本当は育てたかもしれない子どもなんだって、
涙ぐんで、悲劇のヒロイン気取りで、
取り出したその子を見せてもらった。
かわいくて、やわらかくて、いとしいもの、
が、必ずあたしから産み出されると思ってた。 ]
[ でもさ。
あたしは、それを見たとき、思えなかった。
思えなかったんだよ……。 ]
[ あたし、自分が子どもだったとは言わない。
ただ、幼かったんだと、思う。
何もかもが不相応で、バカだったんだ。
自分で正しいと思っていた感覚が打ち砕かれて
あたし、人のことばに頷くようになった。
だから年月が経てば傷も癒えるよって
そんな甘い言葉を信じたふりしてた。
恋は冷めた。あたしはひとりの体になった。
でも、ずっとつらい。
なんも良くなんない。
どうすればいいか分からなくなっちゃった。 ]
[ でも今は、一つだけ、
はっきりどうすればいいか、
分かってることがある。
琴子のいる病院に向かうってこと。
あと、琴子に「ばか」って言いたいってこと。
……これじゃ二つじゃんか。
ばかはあたしだ。 ]
[ スニーカーを履いて、玄関を振り返る。
夢の中の様に、見送ってくれる人は居ない。
声を掛けようと息を吸って、
なにも言葉を震わせずに冷たい空気に霧散する。
結局重い玄関扉を、ただ静かに閉めるだけ。
外に出れば冬のにおいのする風が吹く。
深呼吸をひとつして、
やがてあたしは駆け出した。* ]
─ おはよう、みんな ─
[ 『はしってる!』
って、揺れる画面でメールを打った。
何処に、は書かなくても伝わると思った。
走って、息が切れて、重い足を引き摺って歩いて、
そしてまた走って、走った。
ほんと、きっつい!
あたし、もうちょっと走れると思ってたのにさ。
バスケも、また、やってみようかな。
嫌な顔されても、怒られても。
そうやって、野を超え山を越えー…ってね。
……ごめん。うそ。
流石に疲れて途中でタクシー拾っちゃった。 ]
[ だからからか、病院につくのは、遅かったかな。
夜間の病院の雰囲気に圧倒されながら
見知った顔を見つけて、そっと息を吐く。 ]
みんな…
……なんか面白そうな話してんね?
[ だって、飲酒とかカクテルとか、
そういう単語が聞こえたんですもん。
突っ込まないわけにはいかないじゃんか。
なんて、いつもの調子にも見える皆に
あたしは震えていた手をそっと解いた。* ]
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