1 冷たい校舎村(別)
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[ キャットファイト、というか ファイトを忘れたキャットでしょうか 寄り添うように、且つテトリスのように みんな、ひとつの部屋で眠りについた 夜が明ければ、朝が来れば 事態は少しは好転するでしょうか。
朝日に希望を抱いたことなんて 今まで一度も無いけど ─── 明日はきっと 新しい風が
ああ、でも ]
(24) 2020/11/13(Fri) 01時頃
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[ 窓を閉め切ってるから 風も感じられないんだったね ]**
(25) 2020/11/13(Fri) 01時頃
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―― げんじつせかい ――
[ 目を開けたら、私の部屋だった。
机の上に広げられた塾の宿題を枕にして、
私は眠ってたみたい。
なあんだ。やっぱり夢だったんだ。
あまりにも生々しかったから、
夢じゃないって信じちゃってた。
でも、目が覚めてみれば、
夢以外の何物でもない ]
[ こんな格好で寝たら肩が凝っちゃう。
私は思いっきり伸びをして、
あ、今何時かなってスマホに手を伸ばした。
スマホに表示されるのは、
現在時刻とメールのお知らせがいくつも。
メール来てたんだ。気づかないくらい寝ちゃってたのね。
なにかなって、私はタップして―――― ]
[ ごとんっていう音にはっとして、慌てて拾い上げる。
信じられない気持ちで、もう一度見返した。
何度読み返しても結果は変わらない。
夢の中で届いたメールと同じ。
ただひとつ違うのは、送信者名がバグっていないこと。
遺書にしか思えないメールの送信者は、、ヒナだった ]
あれは、ただの夢でしょ?
[ そう思った。そのはずだった。
でも、夢で見たのと一字一句同じメールが届くなんて、
そんなことある?
それとも今いるここも夢の続き?
夢なら早く覚めてほしい ]
[ そういえば、届いてたメールは1通じゃなかった。
他のメールも確認しないと。
担任のたつみ先生から、メールが来てた。
ヒナが病院に救急搬送されたって。
病院の住所と名前が書いてある。
最寄りの救急病院だった。
残りのメールはメアから。
「誰か帰ってきた?」
「まだ?」
「私、病院に行くね」
「病院についたよ」
そんな一言だけのメールがたくさん届いてた ]
[ ねえ、「帰ってきた?」って何。
それって、まるで、まるで、
あの夢が、夢じゃなかったみたい。
私、帰ってきたの?
私、精神世界にいた?
ヒナの精神世界にいたの? ]
とりあえず、病院に行かなくちゃ。
[ 行ってどうこうなるものじゃないけど、
でも、家でじっとしてるなんて、
そんなこととてもできなかった。
私は、あの世界にいた9人と、
たつみ先生にメールを送る ]
『今から病院に向かいます』
[ 立ち上がって、部屋着なことに気づいた。
クローゼットを開けて、少し考えて、
私はミモレ丈のゆるふわスカートを取り出す。
形に残る、文化祭の思い出の品。ヒナの作品。
普段着にするには少し甘すぎるけど、
冬に着るには少し薄すぎるけど、
着れないこともない。
地味目の上着を持ってきて、
分厚いタイツを履けばきっと大丈夫。
今日は大雪じゃないし ]
[ 部屋を出ると、廊下で妹にばったり会った。
妹はあの日から、私と顔を合わせると、
申し訳なさそうな顔をする。
そのくせ、口元は笑ってるの。変な顔。
この子が何を考えてるのか、
やっぱり私にはさっぱりわからない。
でも、もしも普通は相手の気持ちがわかるものなら、
この子に私の気持ちがわかるとしたら、
人間的に問題があるのは私よりもこの子が上だと思う。
私のプライドが傷つくと承知の上で
やったってことでしょ?
それって相当性格悪いわよね? ]
[ でも、本当にわからないの。
理解できないし、変わってると思う ]
桃香って変な子よね。
[ そう言ったら、妹の眉が奇妙に歪んだ ]
昔から、私のお下がりは嫌だって、
散々駄々をこねて
新しいものを買ってもらってたじゃない。
でも、彼氏は私のお古がいいのね。
[ 矛盾してると思う。理解できない。
心底不思議でそう言ったら、
何か喚きだしたけど興味がなかった。
うっかり相手をしちゃったけど、
私、今はそれどころじゃないの。
喚いてる妹は放置して、私は両親の部屋に向かう ]
[ ノックをして顔を覗かせたら、
母は寝てたけど父はまだ起きてた ]
先生からメールが来て、
友達が病院に救急搬送されたって。
私、行ってくるね。
[ 私がそう言ったら、父は読んでいた本を閉じた。
眼鏡を外してベッドから降りる ]
お父さん?
[ 首を傾げたら、もう遅い時間で危ないから、
車で送ってくれるって。
玄関で待っていなさいって言われて、私は素直に頷いた ]
ありがとう、お父さん。**
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[ 密着しながら寝るの、たのしかったなぁ。 めありちゃんのマネキンなんか忘れて、 あたし心地良さに包まれながら眠ってたの。
寝相は悪い方じゃないから、 ちいさくまるまってこじんまりとしてたはず。
ああ、そうだ。 寝る前にグアムの思い出語ってたよねぇ。 あたしも海外旅行はじめてだったからね、 すっごぉくテンションあがっちゃったよ! ]
(26) 2020/11/13(Fri) 01時頃
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[ それでね、気づいたら朝だったの。 ]
(27) 2020/11/13(Fri) 01時頃
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─── 午前8時50分 ───
[ チャイムの音が遠くに聞こえてきて、 さっきまでのは全部ゆめで、 あたし授業中に寝ちゃったのかなぁって あたしなりに慌てて目を覚ましたんだよ。
でもね、目を開けたらね、 校長せんせのきらびやかなお部屋にいて、 りこちゃんが立ってるのがぼんやり見えたんだぁ。 ]
りこちゃん、おはよぉ ……やっぱりゆめじゃなかったんだぁ
[ 寝ぼけ眼をこすりながらご挨拶。 ]
(28) 2020/11/13(Fri) 01時頃
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[ ほかにもだれかが起きてたら、おはようってゆう。
見当たらないひとかげもあるけど、 時間としてはお寝坊さんだから、 きっともう起きてるんだろうなぁって思うの。 ]
あたし、お花摘みいく
[ そのへん見てくるってゆうから、 いってらっしゃいって言いながらも、 あたしもおといれにいくために起き上がる。 ]
(29) 2020/11/13(Fri) 01時頃
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[ 毛布から体がでると寒くって、 ちょこっとだけぶるるって震えちゃう。
となりのひとがもしもまだ寝てたら、 起こしちゃったらごめんなさい。
あたしね、起き上がってスマホをみるの。 現代っ子の習性で起きたらとりあえずみる。 起床時の通過儀礼みたいなものなんだけど、 スマホはやっぱり圏外のまま、ただ─── ]
あれ、日付変わってない……?
[ 時間は刻々と進んでいるのに、 日付は昨日のままだった。 ]
(30) 2020/11/13(Fri) 01時頃
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[ ねぇ、今日って何日だったっけ? ]
(31) 2020/11/13(Fri) 01時頃
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あたしまだ 17歳なんだぁ *
(32) 2020/11/13(Fri) 01時頃
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──前日/保健室──
宇宙かあ。 意外とロマンチストじゃん。
そしたらサラはさ、 本当は月がいくつあるのか確かめてきてね。 うさぎがどっか隠れてないかも。
わたし、毎晩空見て、 今はどこにいるのかなあって、 地上で優雅に待ってるわ。
[ 保健室で繰り広げたのは、 そんなふんわり壮大な話。
この世界作った人の特定には、 あんまり役に立たなさそうだけど。 意外なこと言うなって、ちょっとおもしろかったの。]
(33) 2020/11/13(Fri) 01時半頃
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……そういやないね、月うさ亭。
でも、ここにいる誰かの世界なら、 思い入れがない人なんてきっと、 ひとりもいないと思うけどなあ。
[ 変なのってわたしは笑って、 働きアリに戻ろうとして、あっ! いっこだけ。]
……で、 わたしのことはいつ、 “莉子ちゃん”って呼ぶわけぇ?
[ わたしはずっとサラって言ってんのにね。
ゆりちゃんって言ったの、>>2:304 わたし、聞き逃さないから!笑 *]
(34) 2020/11/13(Fri) 01時半頃
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[ それが、夜の話。]
(35) 2020/11/13(Fri) 01時半頃
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[ これからするのは、朝の話。]
(36) 2020/11/13(Fri) 01時半頃
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[ わたし、そのへんを歩いてったの。教室まで。]
(37) 2020/11/13(Fri) 01時半頃
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[ 別に。別に。 気づいてなんかないよ。 この世界のホーソクとか、 チャイムが鳴る意味とか。 ただ、ちょっと変な感じ?
あーきっとゆりと志帆は早起きして、 調理班らしく朝ごはん作ってんだわ。
……とは、思えなかった感じ? です。]
(38) 2020/11/13(Fri) 01時半頃
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[ やっぱりゆり、朝ごはん作ってくれてなかった。]
(39) 2020/11/13(Fri) 01時半頃
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──現在/3年1組教室──
[ 一番最初にたどり着いた“そのへん”は、 わかりやすく? シンプルに? 教室だった。
わたし、教室の扉を開けて、 広がってるの、やっぱり文化祭じゃなくてさ。 他は全部文化祭仕様なのにね。なんでよ。
ただ、いつも通りに並んでる机と椅子。 そこに人影があってさ、誰か座ってる。
教室の席なんて基本定位置決まってるでしょ。 あそこにいるのはあの子ねって自然に。
だからわたし、当たり前に、 ゆりじゃーん。って思ったわけ。]
(40) 2020/11/13(Fri) 01時半頃
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[ 何してんの? とも、そりゃ思ったけど(笑)]
(41) 2020/11/13(Fri) 01時半頃
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