27 【crush appleU〜誰の林檎が砕けたの?】
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人
狼
墓
少
霊
全
パラチーノに1人が投票した。
ヒイラギに7人が投票した。
ヒイラギは村人の手により処刑された。
時は来た。村人達は集まり、互いの姿を確認する。
パラチーノが無残な姿で発見された。
現在の生存者は、アリババ、ナルミ、こころ、オトサカ、タバサ、ニトカの6名。
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さて、 また、お二人がこの世界から消えたことを報告しておこう。
で、次に目覚めかけているものが視えたので伝えておこう。 ナルミ[[who]]とニトカ[[who]] キミらはどうやら命は落としていないようだ。
(0) 2023/08/02(Wed) 00時頃
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【業務連絡】
みなさま「ナルミ」さんに投票セットお願いします。
もしくは「アリババ」に委任でも構いませんが、」間違えてアリババ投票はしないでくださいね。
襲撃は「ニトカ」さんにセットします。
よろしくお願いします。**
(#0) 2023/08/02(Wed) 00時頃
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[成海が異常だったのは、兄と真那の死の時だけではない。
遊んでくれていた使用人が、自分が怪我をした為に酷く叱られて 可哀想だなと思いながら、でも雇い主の息子を守るのだって仕事の内だろうと考えていた。
小学校のクラスで飼っていた金魚がある日突然死んでしまって 今まで世話を面倒くさがりサボることもあった子まで泣いているのが、自己陶酔にしか感じられなかった。
何度も何度も、ズレを自認し続けた。 人間としての正しい道を理解しているのに、そのように心を動かせなかった。 浮かべる笑みは高祈の者として社交を意識するからではなく、秘密を隠し感情を悟られ難くする為の自己防衛へと変化した。]
(1) 2023/08/02(Wed) 00時頃
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[きっと最初から駄目だった。
さも絵画が好きだった婚約者を想って芸術に関心を抱いたようにしていても、 事実として、生まれた市から離れて自由になれたらそれでよかっただけ。 だけど望まれていた大学に劣る場所に進学したって、意味がなかった。
──もし入試で名前しか書けないような馬鹿でも、全く問題無かったそうだ。 卒業後は父の力でお飾りの立場を据える、そこに息子の進学先も学力も何もかも関係無いらしい。
求められていたのは表に出しても恥にはならない外面と立ち振舞い、それに従順さだけ。
自己でも受け入れ難い思想と冷めた心、無意味な存在価値だけを持っていると自覚した時。 己の人生の空虚さを思い知らされ、願望が生じた。*]
(2) 2023/08/02(Wed) 00時頃
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── 二階・通路>>0:398 ──
[今までの数回と変わらず、信徒の如く振る舞っていたのは福原と柊の帰還について聞いていた時だけ。>>0 崩れ落ちた希望に、一瞬で表情が消えた。]
……そうですか、とても驚きました
未だ後輩達が残る中、目覚めるのは心苦しいですが 神の慈悲に感謝し、残された時間を過ごさせていただきます
幾多の宣告をありがとうございました、アリババ様 残る皆を宜しくお願いします
[言葉だけは今までのように演じていたものの、告げるべきことを語り終えると近くの柱を背に崩れ落ちるように座り込む。
もう三人にまで絞られてしまったというのに アリババの宣告を同じように聞くことになる残存者の気持ちのことなど、今は全く浮かんでいなかった。]
(3) 2023/08/02(Wed) 00時頃
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[死ぬことも出来ず、血統以外は何の意味も持たず 卒業を迎えれば心底蔑む相手に駒として使用される日々が始まる。
あの男が死んでも同じ道を辿って生きていくだけ。
──何故、何故。 人間として正しい者が死に、人でなしが生き残るのか。]
(4) 2023/08/02(Wed) 00時頃
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[濁った黒色が天井を見上げると、 一匹のカラスアゲハが舞っていた。
無様な姿を嘲るように、少女の笑い声が響く。*]
(5) 2023/08/02(Wed) 00時頃
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―現在:美術館長室―
[それは、次に現実世界に帰る、目が覚める人が誰なのかを伝える声が頭に響く、その少し前。]
わんわ。
[田端が目を覚ました第一声がこれでした。 ツンツンと何かで突かれて>>227くしゅっと眉を寄せながらぼんやりと目を開いたのです。 その手足は短く、胴体ももちろん小さくて胸も平らになっていました。 着ているのは、スイカの柄を模した袖なしのワンピース。 少しヨレヨレですが、それは寝ていたせいもあるでしょう。 小さくて少し湿っぽい手で狐の鼻先を撫でました。 恐る恐る、それでも躊躇わずに。
今の田端の背丈は一メートルもありません。 ただ、大人の田端と同じ色の髪と瞳と、この年頃には不似合いかもしれない紫色の髪留めが、確かに田端なのではないかと思わせるかもしれませんでした。 なでなで、と"わんわ"こと狐を撫でてみます。]
(6) 2023/08/02(Wed) 00時半頃
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[その宣言>>0のタイミングでは狐はまだ目の前にいたのでしょうか。 それとも、一度消えていたのでしょうか。 ビクッと体が大きく跳ねます。 その内容を分かっているのでしょうか。 それともただ、頭に響くその声に驚いたのでしょうか。 大きく目を見開いた後、その目に薄く水の膜が張りました。 そして、しくしくと泣き始めました。 静かに、なきじゃくることもなく、ほろほろと涙が溢れて来ていたのです。]
まま……。
[ほてほてと、頼りない足取りで田端は部屋を出ていきます。 先ほどまでとは違って、子供の視線の高さでは何もかもが大きく見えています。 部屋を出ていく、と一言で言っても、ドアノブに手をかけるのもやっとの高さでした。 でも、怖くても、ままを探さなくてはなりません。
ここは家と違ってとても広いから、ままだって迷子になってしまったのかもしれませんよ。]**
(7) 2023/08/02(Wed) 00時半頃
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水商売 タバサは、メモを貼った。
2023/08/02(Wed) 00時半頃
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[長男、陸弥── この国の陸地全てに高祈の名がゆきわたるように
次男、成海── 海を越える程に企業が育ち本願を成し遂げられるように
出生届と短冊の区別がまるでついていない。 どちらもただの駒だったのだから、仕方ないだろう。
優秀な後継者を本気で求めていたのかも今は分からない。 あの人は自分を支配者だと思っている。 ホールディングスをより大きくする為力を尽くし続けても 自分が死んだ後の世界には興味が無いのかもしれない。]
(8) 2023/08/02(Wed) 00時半頃
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[──けれど、客観的に高祈成海を見たのならば
裕福な家庭、成人しても欠けていない両親。 少なくともそれが原因で虐めや差別を受けない容姿。 何不自由ない一人暮らし、恵まれた大学環境。 近しい者が何度死んでも生き残り続ける幸運。 大企業主の対抗馬のいない後継という立場。
その中の一つとして無い者も世の中にはいる。 自分のことばかりの心を剥き出しにして誰かに吐露し嘆けるわけが無いだろう。**]
(9) 2023/08/02(Wed) 00時半頃
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─ ロータリーにて ─
……ふっ。
[思いを告げる回谷の声。>>3:176 目も、手も、声も、喋り方も。 自分の全部が好きだという言葉にはさすがに少し吹き出してしまった。 蔑ろにしているわけでも、莫迦にしているわけでもない。 好意を持つ当の本人に対して素直な物言いが あまりに微笑ましかっただけだ。]
素直すぎないか?
[観念したように溢されていくそれに口角を上げて 目も、手も、声も、喋り方も何がそんなにいいのだろうかと 自分自身ではたいして思いつかなかったから そのうち聞いてみようか、なんて。]
(10) 2023/08/02(Wed) 03時頃
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[──まるで日常の延長線上のように。]
(11) 2023/08/02(Wed) 03時頃
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そうか。 乙女は難しいな。
[茶化すように、告げる。 こうしていられるのも、これでお終いの可能性だってあるのに。 まるで未来があるように振る舞う。
叶うかどうかもわからない呪詛を吐き。 素直な後輩を泣かせ。
暫く背中を、とんとんと撫で。]
(12) 2023/08/02(Wed) 03時頃
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[暫く続くその時間は長く永く。 時計の針が仕事を辞めて止まってしまったかと思う程。 それでも進んだ時の中で、やがて雨は止み 回谷が光の柱の中に立った。]
わかった。
[落とされる願いに応えるように頷いた声は 珍しく何の逡巡も、気持ちの悪い間もなく返された。 回谷の顔からは涙の後さえ消えていくようで 飛び切り眩しい笑顔を向けて、只管にまっすぐに此方を向いている。
カメラを構えファインダー越しに切り抜かれた視界。 レンズが映す光景に一度目を細め。
ゆっくりと一度、シャッターを切った。]
(13) 2023/08/02(Wed) 03時頃
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[誰かの夢の世界で撮った写真が ─自分の生死がどうであれ─夢から覚めた時 正しく現像されるかは、わからないけれど。*]
(14) 2023/08/02(Wed) 03時頃
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─ 届いていたメッセージ ─
[暫く開いていなかったスマホには多くの情報が溢れていた。 もう目覚めてしまった者の情報もあれば これから目覚めるであろう者からのメッセージもあった。>>3:223
大学食堂での食事風景が、もう何年も前の昔話のようだ。 他愛もない、何でもない日常は 本当に不意に壊れてしまうものなんだと改めて思う。
あの時、西門教授に慈悲をかけた優しい後輩は こうして死ぬか生きるかもわからない自分にまで 丁寧にメッセージを送ってくる。 まめな所を垣間見て、その命がまだ続いていくことに喜びを覚えた。]
(15) 2023/08/02(Wed) 03時半頃
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『ありがとう。 目覚めてからも、休める時は休め。 悲しんでくれたら死んだ奴も報われるだろうな。
もし自分が目覚めなかったら みんなによろしく。 それから、出来れば早く忘れてくれ。』
(16) 2023/08/02(Wed) 03時半頃
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[自分が死んでも、悲しまなくていい。 本心でいえばそうだが、打ち込まなかった。 だからせめてもしもこの夢が自分のものだったら、 通り過ぎていく風のように 空に送る影のように 消えてなくなって忘れてくれればいい。
この命ひとつで済むのなら、それでいい。
それがいい。
悲しいのは、嫌いだから。]
(17) 2023/08/02(Wed) 03時半頃
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[そんなメールを送り終えた頃、また天使が生を告げる。 高祈成海、仁科桃華。]
ああ、帰れたか。
[少しばかり気掛かりでいた、同じ色。 全く話せていない、後輩。 そういえばまだ呼ばれていない田端はどうしているだろうか。 先に起きて行った奴らに何の挨拶もできていないな。 とりとめもなく思考の渦に飛び込むと やはり少し静止してしまう癖はあって。]
行くか。 田端や仁科も心配だし。 自分は高祈とやり残したことがある。
[各々にごく短い個別メッセージを送る。]
(18) 2023/08/02(Wed) 03時半頃
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[仁科が見たエントランスの林檎は7つから5つに。 そしてそれはやがて5つから3つになるのだろう。 足元に砕けて腐った林檎をたったひとつだけ残し。
──本当に、誰の林檎が砕けたというのか。
手を伸ばし、回谷の髪をぐしゃぐしゃと掻き回すと 行くぞ、と一言だけ告げて美術館の中へと歩き出した。
歩いていれば誰かには会えるだろう。 回谷が別行動をとるなら止めることなく一度別れることになる。**]
(19) 2023/08/02(Wed) 03時半頃
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[そのメッセージに今の田端は気づくことができません。>>18 今は、ほてて、ほてほて、と、小さな体で見知らぬ場所を歩き続けています。 時々隅っこにしゃがみ込んだり、怖い絵があるとパッと走ったり、時には後戻りしたりしながら。]
まま………。
[時々、自分を守ってくれるはずの庇護者の存在に呼びかけながら。]**
(20) 2023/08/02(Wed) 06時頃
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水商売 タバサは、メモを貼った。
2023/08/02(Wed) 06時頃
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[美術館を取り巻く天候は瞬く内に姿を変える。 打ち付ける音、暗い空。時折光の後に轟音が遠くで響く。 まるでマイクロバスの中で見たままに。
雨の日は、嫌いだった。 兄が、婚約者が死んでしまったから
そんな風に何か哀しくあるべきことが起きると、 自分のおかしさを実感してしまうから。]
(21) 2023/08/02(Wed) 08時頃
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ああ……、
[短い個別メッセージに虚ろな声が漏れる。>>18 そうか、残される彼等。 もうあれだけしか残っていない。
生還者の義務を、果たさなければ。>>2:288 与えられるものを負わなければ。]
(22) 2023/08/02(Wed) 08時頃
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[まるで相手に影響されたような、効率化された短文。 大藤を送った成海が立ち上がった瞬間 唐突に千切れた黒いゴムが床に落ちる。
編み込みなどされていない簡素なハーフアップが下りたが 何も気づいていないように、振り返る歩りもせず歩いていく。
辺りにはやけにカラスアゲハが見て取れた。 宣告を受けてからの時間で、数がとても増えたようだ。
その一匹が頬を撫でるように掠めた時、 鋭利なものに触れたか如く、真っ直ぐな赤い筋が生まれる。 ……やはり何も反応しない。 首にも一つ、二つ、同じような傷が増えた。
それらは深刻さの無く浅いもの。 本当の勇気など持てない人間が、手首に重ねる躊躇い傷に似た。]
(23) 2023/08/02(Wed) 08時頃
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[静寂を激しい雨音が打ち消す世界で 遠くの子供の声は、成海には届いていない。
目指す先はビデオルーム。 下る階段はいつかと打って変わって、短い気がするくらいだった。
小箱の確認にはやはり、行かないことにした。 あの画像が仮に実際の様子とは違ったとしても、全ての答えになったからだ。**]
(24) 2023/08/02(Wed) 08時頃
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ー ロータリー ー
ちょっとー、何で笑うんですかっ。
[噴き出す彼にむくれる。>>12 別段嘲りが混じった笑いではなく、微笑ましい、みたいな感じではあったけど。 やっぱりちょっと釈然としない。 素直すぎると溢す彼を見て、肩を竦める。]
だって、ここまで言っちゃったらもう いまさら隠しても仕方ないじゃないですか。 出し惜しみ損ですよ。
[それに、もうこの先直接伝えられる 機会があるかどうかもわからないし。 ...とはわざわざ口にしないけど。]
(25) 2023/08/02(Wed) 09時半頃
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そうですよー。難しいんです。 てかなんで他人事みたいなんですか。 当事者ですからね?
[茶化すような口ぶりにわざとらしく拗ねてみせたまま。 まるで日常に戻ってきたみたいなやり取りに勝手に表情が緩んでしまう。
なんでもない穏やかさが、無性に切なかった。]
(26) 2023/08/02(Wed) 09時半頃
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[ため息混じりにぽつぽつと何言か、 彼にだけ聞こえる声で告げ。
暫くーー時が止まってしまったような静けさの中で、 撫でる手の温かさを感じていた。
光の下に立ってひとつお願いをすれば 珍しく即答が返ってくる。
カメラ越しに彼に向かって笑いかければ パシャリ、とシャッターを切る音が どこか厳かに長く尾を引いて、消える]
(27) 2023/08/02(Wed) 09時半頃
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[それが一体どんな風に写ったのか、 その写真をあたしが見ることがあるのかどうかは分からない。
でも、別に構わなかった。 今の一瞬があなたの目に こころに焼き付いてくれさえすれば、それでいい。**]
(28) 2023/08/02(Wed) 09時半頃
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― そして ―
[また唐突に天啓が響いたのは 福原からのメッセージに気づき 返信をした直ぐ後の事。>>3:232>>3:233
次に目覚めるのは高祈と仁科。 やはり喜ばしいことだと思う反面――― ここまでくればどうしたって思わずにはいられなかった。
3分の1。
あたしと彼が共に生きている確率だ。 そしてそれは必然的にもう一人、 名を呼ばれていない彼女の死を意味する。 なんて惨い、救いのない三択。]
(29) 2023/08/02(Wed) 11時半頃
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[これだ。 ここで初めに目覚めた時、"これ"に何より怯えていた。
「どうして自分じゃなくてお前が」は、 そのまま「どうしてあの人じゃなくてお前が」 に直結する言葉で。
無意識に命の優先順位を秤に乗せられる中で あたしに大した価値がないのだとバレてしまうのが怖かった。 誰にとってもどうでもいい存在なのだと、 今更突きつけられたくはなかった。
だから逃げたかった。>>1:307 逃げたいと思っていた、けど――………]
(30) 2023/08/02(Wed) 11時半頃
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[あたしが押し黙っている間、 大藤もまた何か考えているようだった。
くしゃくしゃと軽く頭を撫でられて 思考が一旦中断する。>>19]
…あ、は、はいっ。そうですね! じゃあまずは高祈先輩のこと探しましょう! あっちに帰っちゃう前に。
[少し小走りになりながら 大藤の後に着いて館内へと向かうことにし。]
(31) 2023/08/02(Wed) 11時半頃
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[小さなお願いを、もうひとつだけ落としてみた。*]
(32) 2023/08/02(Wed) 11時半頃
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→館内
[お願いを大藤が聞いてくれたかどうかはさておき。 暫く共に館内をうろうろしただろう。
無事に高祈先輩の元にたどり着くことが出来たなら 「ご無事でよかったです」と告げて長居はせず 用件が終わるまで自分は席を外すつもりでいる。
やり残しとやらが何かはわからないが、 二人だけで話したいこともあろうし。]
皆の事探しながらちょっとカフェの方でも 向かってみようと思ってるんです。 福原くんの遺してくれたデザートも食べなきゃですし。 なので、ごゆっくりどうぞ〜。……また後で。
[あえて明るい調子で、 また側に戻って来るつもりではあることも添え。 一旦別れて歩き出しただろう。**]
(33) 2023/08/02(Wed) 12時頃
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── 美術館棟一階・ビデオルーム ──
[同じ方向を向いて置かれた椅子達。 モニターなどいくつか機具が置かれているものの、 部屋そのものはシンプルで飾り気が無い。
此処に来た時は真那との思い出と重ねていたが こうしてみると、葬式に似ている。
ぼんやりとそんなことを考えながら、 何も映さない横長の画面とたまに視界に入る蝶を眺め 最前中央の長椅子に座っていた。
──不意に 冷たく細い腕が背後から回り、首筋を吐息が擽る。 仄かに血液の香りがした。
天原真那だろう。*]
(34) 2023/08/02(Wed) 12時頃
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[何匹もカラスアゲハが飛び交う空間。 背後に立ち密着する、長い黒髪と赤黒いワンピースの少女。
それが現れた者達にどこまで見えるのか成海は知らない。 何の反応も無いのなら、触れることもしないだろう。
まるで何も無かったように涼しい顔で微笑むだけ。 傷も衣服の血液も、存在しないように。]
ありがとう 君も、何かに襲われたりしてなさそうで良かった
[回谷と話すのはバス以来だった。>>33 けれど、此方もただそうとだけ返し彼女が席を外すなら見送る。
今まで三人の後輩に偉そうに説いたのは相手が生還者だから。 三分の一の可能性に辿り着く者に、何が言えるだろう。 喜べるのは悪夢に傷つけられたように見えなかったことくらいだ。
謝罪を口にしなかったことだけは、正しいと思っているけれど。*]
(35) 2023/08/02(Wed) 12時頃
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― 高祈とビデオルームにて ―
[果たして高祈は蝶々の飛び交うビデオルームにいた。>>34
のはいいんだが。
あまりに高祈が平然と迎え入れるので 気づくのが遅れたものの、 よく見たら彼の背後に 誰かべったりと張り付いている…気がするし、 高祈は高祈で満身創痍になりながら平然としてるし…]
(なにこのホラー空間!?!?怖!!!!)
[と、思わず口に出しそうになったのは否めない。 なんだかんだ今ここに至るまで、 館内のあちこちで巻き起こっていた 物騒な場面は回避してきたあたしである。]
(36) 2023/08/02(Wed) 13時頃
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いやいやいや高祈先輩! 無事でよかったって言ったけど ほんとに無事なんですか!?!? 血塗れじゃないですか!!なんか病んでません!?大丈夫ですか!?
[そしてやっぱり堪えきれずに言ってしまった。 いや天啓曰く無事らしいけども。身体的には。
基本的ににこにこしててあんまり素の顔を見せないというか 一線引いてる筆頭みたいな先輩だし まあお金持ちには色々あるんだろうな〜って あたしもそこにあえて踏み込もうとしたこと、 今までないんだけど。 こんな光景見せられると流石にちょっと心配になりますよ。
はあ……と溜息をついて。]
(37) 2023/08/02(Wed) 13時頃
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[狐の姿は、モルジアナをそっと見守っている。 危ない何かが出てくるのであれば、 助けは出すだろう。
彼ら同士のやりとりが発生すれば、 やはり見えないところで、見守りを続けるだけ]**
(38) 2023/08/02(Wed) 13時頃
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………もー………高祈先輩 絶対一人で内に抱え込むタイプでしょ。 なんか鬱憤抱えてるとかならガス抜きしてくださいよー。 元の世界帰った後でも。
[とはいえ、彼にとってこの夢はもうすぐ醒めるわけだ。 自分が何を出来るわけでもないだろうし、 話を聞くにせよ他に適任はいるのだろうが。
しかし気にかけてないわけではないのだぞ、 と言うのだけでも伝わればいい。
そんなわけで、一方的に告げるだけ告げて その場を立ち去ることになるだろう。**]
(39) 2023/08/02(Wed) 13時頃
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― 館内 ―
[さてビデオルームを出て、一人。 歩きながら天を仰いで立ち止まる。]
……黒羽さん。 呼んだら出てくるんだっけ?
[黒い羽の男を天使と呼ぶか死神と呼ぶか迷い (なんせまだアリババと名乗るのも聞いていない) 黒羽と呼びかけてみる。 そういえば状況に翻弄されてばかりで、 直接色々聞いたことなかったなって今更。]
(40) 2023/08/02(Wed) 13時半頃
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この夢って、一度醒めたら もう二度と来れないってことで合ってます?
あと……夢が終わった後、死んだ人ってどこ行くんですか? あの世的な世界があるんです? それともそのまま消滅?
[あたしは別に死後の世界とか信じてる口じゃなかったけど、 こうも不可思議な現象の中に取り込まれると オカルトチックな話も信憑性が増すというもので 参考までに、と尋ねてみた。**]
(41) 2023/08/02(Wed) 13時半頃
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|
[心の声が口に出されていたら、>>36 そもそも死者と夢を見ていることがホラーだと つい返してしまうこともあったかもしれないが。
押し留められた為に、成海の体裁が保たれた。 回谷の声が大きくなろうと、平然としていられる。>>37]
どうしてだか黒猫に懐かれてしまって ここは不思議なことばかり起こるね
[溜息が心配を意味すると分かるからこそ、 意識は生還者たる己のあるべき形へと向く。 まるで何も知らないというように微笑みながらしれっと嘘をついた。
頬と首の傷を引っ掻き跡だと言い張るとしても、背後のそれは少なくとも猫の形には見えまい。 しかし彼女が指摘したのは成海の様子だけなので、そこまで見えてるとは知ることもなく。]
(42) 2023/08/02(Wed) 13時半頃
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|
大丈夫、俺はいつも皆を頼らせてもらってるよ? 勿論これからも、そうするつもり
……君もどうかそうして、 ここでは何があるか分からないから
[健全な女の子の健全な言葉。>>38 きっと自分の知らないものを沢山胸に持っている、成海にはそんな気がした。
なんだか呆れさせてしまったみたい。 ほら、やっぱり頼られるより迷惑をかけるだけの存在だ。 一方的に告げると彼女は去ろうとする。
穏やかな声でそう背中に投げたけれど聞こえていたか分からない。*]
(43) 2023/08/02(Wed) 13時半頃
|
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[彼をアリババと呼ぶのは、だいぶ前のグループラインで共有していたはずでした。>>1:324>>1:325 だいぶ前の混乱期のことですから、読み落とされてしまっていたのでしょう。>>40 それとももしかしたら……と、邪推するのは不粋というものです。]**
(44) 2023/08/02(Wed) 14時頃
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ー 余談(と言う名の言い訳) ー
[ここまでのラインの使用頻度で なんとなく察せられるかと思うが 回谷こころはあまり連絡がマメな方ではない。
一応全部目は通したつもりではいるが 特にグループラインに関しては 纏めて一気に確認しているのもあり、 あちこち読み落としていると思われる。>>44
つまり単純な把握もれですごめんね!他意はないです!!**]
(45) 2023/08/02(Wed) 14時半頃
|
|
─ ロータリーからビデオルームへ ─
[出し惜しみ損だという声。>>25 拗ねたような口振り。>>26 ポツポツと落ちる不満そうな言葉を受けながら、ただゆっくりと背中を撫でる。
穏やかで切ない『日常』にフェルマータを打ったのは カメラを切ったシャッター音か、黒い天使の宣告か。
減っていく夢の住人の名を聞き、 少しずつ、少しずつ、確定が迫ってくる。 残りは田端里実、回谷こころ、大藤久影。 やはり焦る気持ちもなく、ただ名前の羅列を心に反芻した。]
(46) 2023/08/02(Wed) 16時頃
|
|
ビデオルームに居るらしい。
[高祈からの返事は自分を模したように簡素なもの。 敬語でもなければ口語でもない、箇条書きのようなレスポンス。 送った内の一つは既読が付くこともないまま。 もうひとつからは返事があったろうか。 居場所がわかるうちから攻めていくかと、二人歩き出す。
気が付けばカメラはどこかに消えていた。 持っていたはずのおにぎりでさえ。]
───……。
[少しずつ迫っている。 起きるか、それとも目覚めないかの宣告が。*]
(47) 2023/08/02(Wed) 16時頃
|
|
[心の声が伝わっていれば それはそうですね。 と納得する他なかったろうが、ともあれ。>>42
相変わらずの微笑みで 猫に引っかかれたのだ、と 言わんばかりの高祈に曖昧な返事をする]
……はあ、猫……ですか。 その、…なんていうか…だいぶ気性の荒い子みたいですね。
[特に納得したわけではなく、 (だって背後すごい不穏なんだもん) あー、今まさに線引かれてるなあー、と思った。 それくらいあたしにも分かるが、 さりとてそれ以上踏み込む理由も持たない。
……。]
(48) 2023/08/02(Wed) 16時頃
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|
嘘っぽいなあ〜。 だって高祈先輩、ヤバいことになってても イマイチ助けてって言いそうにないんだもん。 いつもふわふわ笑ってるようで、実は相当プライド高いでしょー。
[別に自分相手でなくとも 彼がみっともなく助けを請う姿って あんまり想像つかない。 まあいいですけど、なんて肩を竦め、 その場を辞そうとする。
迷惑をかけるだけの存在。なんて。 実際自分も似たようなことを考えていたのだが>>1:400 そこまで高祈の自己評価が低いとは 全く想像もしていなかったわけで。
ただ。最後穏やかにかけられた言葉には 一度立ち止まって振り返る。]
(49) 2023/08/02(Wed) 16時頃
|
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……何があるか、かあ。 言ってもあたし、最初の印象程は 悪意のあるものじゃないなって感じてるんですけどね。ここ。
[まあ最初は確かに戸惑ったし、 魔訶不思議な世界ではあるし、 迫りくるリミットは残酷だ。でも。 研究室の誰かが作った夢の世界なんだから。]
嫌なこと、怖いことあるとしたら、 たぶん自分自身の心がそうさせてるので……
…それはどこ行っても同じなのかなって。思ってます。今は。
[それだけ告げて、ぺこりと軽く頭を下げ 今度こそその場を辞そう。**]
(50) 2023/08/02(Wed) 16時頃
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―現在:あーたんといっしょ!―
[わんわ、こと狐は田端について来てくれていました。>>38 近くにいなくてもそっと見守ってくれているようです。 なのでいつのまにか"あーたん"と命名されました。 隣にいなくても、何となく話しかけているのです。 例え相手が呼ばれて消えてしまっていても、そばに居る気がして。]
あーたん、おなかしゅいた?
[お腹が空いているのは田端の方です。 だからか、いつの間にかカフェに到着していました。 なんだかとても良い匂い。 でもここはしらないお店です。 こっそり中を覗いても今は誰もいないようです。 おなかがくうぅと鳴りました。]
(51) 2023/08/02(Wed) 17時頃
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あーたん、おなかしゅいたねえ……。
[でも、勝手に食べてはいけません。 だってここはお店ですから。 だから小走りにそこを走っていきました。 今度見つけたのはお土産屋さんのようです。 お菓子や飲み物、ぬいぐるみやキーホルダーなども売られています。 つい、手近の飴を手に取りました。 だけどじっと見つめて元に戻します。]
(52) 2023/08/02(Wed) 17時頃
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どぼろー、ばつだよ。 ……ばつ。
[でも、お腹が空いてしまっています。 また同じ飴を手に取りました。 一つだけなら良いかしら。 でも、勝手にとったら怒られちゃう。 小さい体でしゃがみ込んでより小さくなって、手にした飴をじっと見つめていました。 じゅる……と涎が垂れて来てしまいます。 ぽた、とそれが床に落ちて、それでも見つめ続けた後。 飴の包み紙を剥がさないまま、それを口元に持っていってしまいました。 食べたいけど、いけないことはいけないのです。 子供なりの葛藤がそこにありました。]*
(53) 2023/08/02(Wed) 17時頃
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―回廊で―
[ノリくんと分かれてどれくらい経ったか。 視界の端に何かが見えて窓を見やれば桜の花びら>>3:215
不思議現象か誰かの魔法か――美しいけれど、 儚くも感じるのはこの世界のせいか日本人の感性か。]
良い夢だと いいんスけどね
[ふと朽ちて潰れた林檎を思い出す。
晴れた空に悪い印象はないけれど、 悪夢を見る人もいるようだから。
自分の観た"鏡"だって、田端先輩が来てくれなかったら悪夢だったかもしれない。 どうにもならないあの日の再演。]
(54) 2023/08/02(Wed) 17時半頃
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[ノリくんの"魔法"で外見のそわそわ落ち着かない気持ちを少しだけ受け入れ 彼らが無事に目覚めた>>0と聞けばほっとした。
・・・やっぱりちゃんと目覚めるまでは怖い。
生きてるけど植物状態ですなんてことなら目覚めないかもしれないし。 大事にない>>1:5とは聞いてるけれど。
ついで、届くのは目覚めの兆し。]
――わた、し
[高祈先輩と、自分。 そうきちんと理解するまで少しかかる。 死んでるのは自分ではないかとどこか思っていた節があったから。]
(55) 2023/08/02(Wed) 17時半頃
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[少し前なら、結果として認識できた。 自分は目覚めるのか、と。 よかったと、発することは出来ただろう。
でも今は、生きたいと自覚した>>3:203>>3:204からこそ、骨谷先輩の狼狽も今はわかる気がした>>2:43。 名前が呼ばれなかった3人を想うから。
ふー、と少し深呼吸。]
あれ、大藤先輩?
[――個別メッセージ>>18なんて珍しい。 開いてみれば短な一言だったけれど、普段の先輩の行動を想えばメッセージをくれるほど、心配してわざわざ送ってくれたのだとわかる。
少しうれしい。 けれど自分が生きて帰るとわかってから、名前を呼ばれていない先輩に送る言葉には暫し悩んだ**]
(56) 2023/08/02(Wed) 17時半頃
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―カフェ方面へ―
[さて、カフェに行こうと思っていたし、死神さんに会いたいとも思っていたせいかカフェまではすんなりたどり着けた。 ――まさかあの人が狐になっているとは夢にも思ってはいないんだけど。]
・・・こども?
[どことなく田端先輩に似ている、と思ったから、良い夢か悪夢か、彼女の夢のかけらかと思った。 近くに田端先輩がいるのだろうかときょろきょろ探したけれど見当たらず。
視線を子供に戻したら、見覚えのある髪留めに気付いたけれど――]
(57) 2023/08/02(Wed) 17時半頃
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あ、 だめ
[包み紙ごと何かを口に入れたように見えたから、あわてて駆け出す
狐がそばにいたとしてもその時は目に入らず こどもの誤飲にただただ慌てて]
ぺ、して。 ぺっ ほら ぺっ
[焦っていたから少し声を荒げたかもしれないけど。 口に入れる前だったなら、ごめんねと抱きしめたかもしれないし 口に入れていたなら、膝をつき両手を出して、何としてでも吐き出させようとするだろう**]
(58) 2023/08/02(Wed) 18時頃
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―現在:おねえちゃんといっしょ?―
[大丈夫です。まだ、飴は口の中に入っていませんでした。 だって包み紙は食べられないんですよ。 だけど食べたくて、つい口元に寄せてしまっていたのです。 べたあ……と商品に涎がついてしまったのは今の田端には反省することができません。 勝手に食べなかったのです。だからそれだけでえらいはずなんです。
だから急に現れたお姉さんにびっくりしてしまいました。 手にしていた飴が落ちてカツンと音が鳴ります。
小さな田端は突然現れた大人の人に固まってしまいました。 今の田端から見て仁科は十分大人のお姉さんなのです。 口に入れる前だったから、ごめんねと抱きしめてくれたようですが>>58その途端に弾かれたように泣き出しました。]
(59) 2023/08/02(Wed) 18時半頃
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やあーーーー!!!!ままがいいーーー!!!! まぁまぁーーー!!!!
[顔を真っ赤にして反り返ります。 その勢いは危なっかしいもので、抱き止めてもらえていなかったら頭からひっくり返る勢いでした。 両手を突っぱねてそんな事をしておいて、もし仁科が抱きしめ損ねてひっくり返ってしまったら、それはそれで痛過ぎて声が出ないほどに震えた後、うわあんと大泣きしてしまうのです。 もしかしたらあーたんが受け止めてくれるかもしれませんが、それはそれでひっくり返ったことに驚いて同じ結末でした。]*
(60) 2023/08/02(Wed) 18時半頃
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→ カフェへ ー
[さて、現在見守り狐と化している黒羽根の男が 呼び掛けに応じてくれたかはわからない。
カフェへと向かうべく歩いていれば 見知った後輩の姿があって。]
あ、仁科ちゃん。 あれ!?いつの間にかお洒落になってない!?可愛い〜!!
[先程カフェで見た普段の飾り気ない姿ではなく、 髪を整えてメイクをしているではないか。 どうしたんだろ、と思いながら近づけばーー 誰かと話していることに気づいて。>>58]
(61) 2023/08/02(Wed) 18時半頃
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[よく絡んでくる女子を彷彿とさせられる遠慮の無い言葉。>>49
回谷と彼女らの違いは、 成海に向けているのが心配か下心かどうかだろう。 だから本当は、理解した上で軽く振る舞って退いてくれた可能性もある。]
腹黒の次はプライド高いか はは、今日は女子に酷いことばかり言われる
[明らかに信じられてない嘘の後に、本題ではない部分を拾って笑い飛ばす不誠実さ。>>48 腕が一瞬首を絞め上げてきたのは、どこかで罪悪でも感じたからなのかもしれない。苦しみは長く続かず、顔色一つ変えなかった。]
(62) 2023/08/02(Wed) 18時半頃
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[背中に声を掛ければ立ち止まり、振り返る彼女。
成海が経験を元に辿り着いたものと同じようなことを回谷が口にした。>>50 危険にあったようには見えない姿をしていたが、彼女にも彼女なりの何かがあったのかもしれない。
そうだね、と心の中で同意し見送った。 多分、彼女の意図したものとは違った受け取り方で。
まるで死んでいる可能性があるとは思えない、ごく普通の女の子。 だからといって彼女こそが生きるべきと願うには、浮かぶ同期二人の顔が邪魔をする。
──西門教授は幸せだ。一番しがらみが無い時に還ったのだから。*]
(63) 2023/08/02(Wed) 18時半頃
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[どうも、何やら小さな子と話しているようだがーー]
うわっ。
[火が付いたように泣き出す幼女にびくっとした。 この時点ではまだ彼女が幼児化した 田端先輩だと言うことには気づけなくて。 どちらかと言うと仁科が見ている夢の類なのかなあと 勘違いしたあたしではあったが。>>60]
え、な なにごと?迷子?? どしたのー、ママとはぐれちゃったの??
[取り敢えず落ち着かせようと 膝を付き横から話しかけてはみるが。**]
(64) 2023/08/02(Wed) 18時半頃
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[おおぉぉう 子供の扱いなど慣れていないのでギャン泣きさせてしまった。 仁科ピンチ。誰か助けて。
と脳内で叫べども願い虚しく、転がりそうになった子を抱き止められたか。 しかしどう動こうとも大泣きさせることに変わりはなく、パニックだったので、髪飾りのことも一瞬飛んでいってしまった。]
ご、ごめ ごめんね? おどろかせて
ええと、ままさがす?
[しどろもどろになりながら転ばない程度に手を添えながら顔を覗き込む]
(65) 2023/08/02(Wed) 18時半頃
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[救世主がやってきた。 あまりの嬉しさにせっかく褒めてくれた言葉を取りこぼしてしまう]
わかんないスけど、 誤飲と間違って慌ててしまって
[包み紙ごと転がる飴に眉を下げる]
おなかすいてたのかな。
[よだれがべっとりついた包みを見下ろして、 次に女の子を見ればはたと髪飾りを思い出す。]
(66) 2023/08/02(Wed) 18時半頃
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あの、もしかして
田端先輩……
[ご本人ですか、と言いかけて、言葉に詰まる**]
(67) 2023/08/02(Wed) 19時頃
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誤飲… ああ……
[どうにも途方にくれている仁科につられて 下を見れば床に転がった飴玉。>>59 大事はなさそうで何よりだが 別段仁科にもこどもの心当たりはないようだ。
うーん、研究室以外の人が 他に迷い込んでるとも考えづらいし 別の誰かの夢が実体化して?とか? 一緒に首を捻ったものの]
(68) 2023/08/02(Wed) 19時頃
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―現在:おねえちゃんたちといっしょ…―
うわあああああん!!!!
[なんて失礼な事を言うのでしょう。 田端が迷子な訳ないではありませんか。>>64 ママが迷子なんです。探してあげてるんです。 なのにびっくりしてしまったから涙が止まりません。 そんな認識なので首をブンブン横に振ります。 子供心とは大人にとっては不可解なものなのです。 ままが今そばにいないのは事実ですが、そうじゃ無いんだと言う気持ちで心がぐしゃぐしゃです。 転ばないように手を添えてくれているのに>>65離せと思っている程度には理不尽なのですから。 ぱっと仁科の手から離れて身を捻ります。]
(69) 2023/08/02(Wed) 19時頃
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あーたん!あーたん!!!
[そしてギュッと狐に抱きつきました。 よだれと涙といろんなものでせっかくの毛皮がベトベトです。 大人の田端が見たらその毛皮の惨状を鼻で笑った事でしょうが、子供の田端としては必至でした。 抱きつく腕の力がそれを証明しています。 でも、抱きついたところで気持ちが落ち着いたのも確かでした。 大泣きが、すん、すん、と啜り泣きに変化したくらいには。]
…………。
[そして静かになったかと思えば、じいいいいいい………と、あーたんに抱きついたまま二人のヤウズを伺います。 涙に濡れた真顔ですが、今確かにお姉さんはたばたと言いました。>>67 でも、せんぱい、はわかりませんでした。]
(70) 2023/08/02(Wed) 19時頃
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………ままのおともだち?
[だから、お姉さんたちをママのお友達だと思いました。 だって、たばた、は田端のおうちのことでしょうから。]*
(71) 2023/08/02(Wed) 19時半頃
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……田端先輩!?!?
い、言われてみれば確かに… どことなく似てる感じもするけど………
[うそぉ、と言いながら幼女をまじまじ見る。 確かにその髪飾りは田端のものではある、けど。]
ま、まじかー…… なんでまた……
[「ここでは何があるか分からない」と言っていた 高祈の言葉がリフレインする。>>43まさに。 いや、でもこれはちょっと予想してなかったです。
田端(仮)は果たして会話が通じる状態だったろうか。 うううん、と眉を寄せる。]
(72) 2023/08/02(Wed) 19時半頃
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[あ、だめですね。>>69 一体何が逆鱗に触れたのか、 益々泣きは激しくなって困惑するあたしである。
ぬいぐるみのごとくぎゅうぎゅう狐に縋る田端(仮)を 取りあえず落ち着くまで眺めながら 様子を窺っていると、視線と共にかけられた言葉。>>71]
あ、そう!そうなんだー。 あたしたちママのともだちで… えーっと、さとみちゃん?と、遊びに来たの。 お姉さんたちと一緒にご飯食べない? お菓子もあるよ〜。
[嘘だ。嘘だが、じいいっとこちらを見る彼女に 取りあえず信用して貰わないことには 話が進まなさそうで。
お腹がすいているのでは、という仁科の推測も借り そんな風に声をかけてみる。**]
(73) 2023/08/02(Wed) 19時半頃
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―現在:おねえちゃんたちといっしょ…―
[さとみちゃん。>>73 名前を呼ばれました。どうやらママのお友達のようです。 それに、ごはんとおかし。 くううぅ……とまたお腹が鳴りました。 相変わらずあーたんの首に縋り付いてはいますが、ママのお友達で、一緒に遊んでくれる人と食べるならきっと良いのでしょう。]
………さとちゃん、きない?
[でも、恐る恐るそんな事を聞いてしまったのです。 だってさとちゃんがきたら、ママも他の人もみーんな、そちらにかかりきりになってしまうんです。 出来ればままだけに来て欲しい。パパも一緒だと嬉しいけど、ワガママ言いませんから。 でもさとちゃんには来てほしくなかったのです。 一番美味しいものも、一番好きなものも、さとたゃんはとるか壊すかしてしまうんです。 ごはんやおかしはとられてしまうでしょうし、あーたんが叩かれるのはかわいそうでしたから。]*
(74) 2023/08/02(Wed) 19時半頃
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[さらにイヤイヤするように大泣きする幼子に途方に暮れる。 ままが迷子、という発想は大人にはなかった。
華麗なターンで逃げるようにあーたんと呼ばれた狐に抱きついた。 だんだんと落ち着いたので、これがアニマルセラピーかなどと変に冷静に見つめ始めたところで、田端先輩(仮)は"たばた"に反応した。]
うーん、友達 うん、そう おともだち
[田端先輩のままは知らない。 いやこの子は田端先輩の娘なのか? 混乱する中、先輩を友達呼ばわりしてもいいのかという葛藤もしつつそれで納得してくれるならとうなづいた。]
ね、あーたん苦しいよ、 すこーしゆるめてあげて
[あれだけぎゅうぎゅうされては狐も心配だ。 べとべとは見なかったことにする。]
(75) 2023/08/02(Wed) 19時半頃
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やん!
[仁科の忠告>>75は残念ながら田端には届きませんでした。 より一層あーたんの首が締め付けられることになります。 とは言えおよそ2歳児の腕力です。 多分大丈夫でしょう。たぶんおそらくめいびー。]
(76) 2023/08/02(Wed) 19時半頃
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よーし ごはんたべるなら、一緒に食べよ
すんごくおいしいよ
[まだ食べてないけど。 ノリくんのご飯が美味しくないわけがない。 食べてくれそうなら、目玉焼きのせはんばーぐとか、 デザートの話をしただろうか。
さとちゃん、と言われれば首を傾げるけど、 石を投げてくるほど仲の悪そうな亡くなったご兄弟>>2:320がいたような話を思い出して]
こないよ。 だからまってて。
[と、拒否られなければ頭をそうっと撫でる 狐は解放されなかったのでそっと労わりながらキッチンへ**]
(77) 2023/08/02(Wed) 20時頃
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[ママの友人だと信じてくれたのか ごはんとおかしに釣られたのか、 ちょっとだけ警戒が緩んだ……ような気もする。>>74 いや狐(あーたん?)は相変わらず絞められているけども。南無。 君の犠牲は忘れない。>>75>>76]
………さとちゃん?
[おそるおそる、遠慮がちに尋ねる彼女が 何を危惧しているのか、あたしにはわからず。 心当たりある…?と仁科の方を向いて首を傾げる。*]
(78) 2023/08/02(Wed) 20時頃
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ニトカは、こころ先輩に困ったように笑ってから、キッチンへ**
2023/08/02(Wed) 20時頃
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―現在:おねえちゃんたちといっしょ…―
[頭を撫でられる瞬間>>77拒絶したわけではありませんでした。 ただ、ギュッと目を閉じて身構えてしまいましたが、頭は撫でてもらえたのでしょうか。 撫でられたとしても、やめてしまったのだとしても、田端は当たり前みたいな顔をしていました。]
うん。ごはんたべゆ。 さっちゃんは、おやさいだいしゅき、よいこ。
[そしてちょっとだけ元気が出て来たようです。 えへんと少しだけ胸を張りました。 さとちゃんが来ないなら怖いことはたぶんありません。 でも、さとちゃんのことを聞かれたようで>>78眉がふにょっと寄りました。]
(79) 2023/08/02(Wed) 20時頃
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さとちゃんやん……。
[でもこれは言ってはいけないのです。 だってママのお友達ですからね、こんなことを言ったらママに怒られます。 あーたんに抱きつくのはやめましたが、小さな湿っぽい手でむんずと毛皮を掴んでいます。 連れていくことは確定のようです。]*
(80) 2023/08/02(Wed) 20時頃
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─ ビデオルーム ─
[そこに辿り着いてから、回谷と高祈がいくらか会話を重ねている。 話の邪魔をすることなく、繋いでいた手をそっと放した。 心配をしているということを投げかける回谷に、静かにそれを聞く高祈。
ビデオルームだけ空間が変わったように、硝子窓に雨が叩きつけ 飛び交う蝶と第三者の気配がする。 は、と短く吐いた息は溜息に近い。 回谷がその場を後にしたのを見送ると 無遠慮に高祈の傍に近づいた。]
(81) 2023/08/02(Wed) 20時半頃
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痛いだろ。
[まるで痛そうには見えない。 赤く筋の引いた頬に手を伸ばすと、甲でぐいと拭った。 黒い蝶は不思議と自分を攻撃してくることはない。 ならばやはりこれは、高祈の創造したものなのだろう。
群がる黒い蝶に向かって軽く手を払う。]
(82) 2023/08/02(Wed) 20時半頃
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アリババは、コン……(よだれまみれで狐は小さく鳴いた)*
2023/08/02(Wed) 20時半頃
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>>40 [それは、まだ、モルジアナからまとわり詰まれる前のタイミングだっただろう。 小さなモルジアナから目を離すわけにもいかず、 だから、呼びかけには直接彼女に念を送った]
声だけで失礼。 何か御用かな?
(83) 2023/08/02(Wed) 20時半頃
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[>>41 そして、とても正直な彼女からの問いに、 少しだけ、時間を置いて答えた]
この夢は一度醒めたら、 戻ることはできないが、でも、 共有したものは、まだその映像を視ることができるだろう。 夢に一度引き込まれてしまったのだから、チャンネルは知っているというところかな。
そして、 死んだものがどこにいくのか。 それはその者の思う結果の先に行く。 行くための付き添いがオレだ。
[あえて消滅とは表現しない。 ともすると、転生もあるかもしれないからね。 さてはて]**
(84) 2023/08/02(Wed) 20時半頃
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[どうしたものかと思っていると 仁科が安心させるように頭を撫でていて>>77 何かしら事情を知っているのだろうか。
困ったように笑う仁科の顔に、 んー、訳アリっぽいなあ、と察する。
来てほしくない、さとちゃん。>>80 2.3歳の子供の交友関係なんて そんなに広くない筈で――。
推測はするが、取りあえず ご飯を食べる方向で話がまとまったらしい。]
(85) 2023/08/02(Wed) 21時頃
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おやさいすきなんだ、えらいねえ〜。 じゃあ肉じゃがも食べるかな〜??
[カフェでご飯の準備をするために 仁科がキッチンに向かっていったので、 どこからか子供用の椅子を出して テーブルにセットし、田端を手招こうかな。 あーたんも一緒に連れて来るなら、それで。]
……ね、さっちゃん。 さとちゃん…と、仲悪いんだ? 大丈夫、ママにはないしょだから。
[綺麗な色のテーブルクロスや ランチョンマットでテーブルを飾りながら ないしょ、と唇に指を立てて笑い。
不安そうに寄せた眉に 何となくそんな風に投げかけてみるのだ。**]
(86) 2023/08/02(Wed) 21時頃
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>>51>>52
[あーたんと名付けられて、 狐は少し驚いたけれど、 でも、あとは小さな幼女のされるがまま。
間違っても柔肌に爪を立てたりはしないし、 青い人眼はぱちぱちと行く先を見守ります]
………コン
[お腹空いた?は応えるように鳴いた]
(87) 2023/08/02(Wed) 21時半頃
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>>53 [そして、土産屋の飴を手に取った彼女は、 それでもそれを食べるのを我慢している。 ふむ、あとから、ロリポップの山積みでも用意するかと思いつつ]
>>59>>60>>69>>70>>71
ぐえ >>76
[そのあとの騒動はさすがに、 狐もべたべたぼろぼろです。 >>79>>80 でも、さすがにここで正体ばれるわけにはいかないので、 そのまま狐のぬいぐるみ状態をキープするのでした]**
(88) 2023/08/02(Wed) 21時半頃
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―現在:おねえちゃんたちといっしょ…―
[肉じゃがはどんなものなんでしょう?>>86 わからなくて何も答えられませんでした。 ママはあまり料理が得意ではありませんでしたし、さとちゃんはたくさん食べるけどお野菜はダメでした。 だから、茹でたお野菜を食べると褒められるのです。 トマトやきゅうりは茹でなくても食べられるんですよ。 さとちゃんは、白いご飯とお肉ばかり食べていました。お野菜は嫌いなんです。 だから、お肉は、さとちゃんのもの。 でもまだお肉と肉じゃがが頭の中でつながりません。 あと、卵を食べたこともありませんでした。 さとちゃんは卵を食べると赤いぶつぶつが出るらしいのです。
子供用の椅子を用意してもらい、手招きされるととたたたと軽い足音と共に駆け寄りました。 あーたんも一緒です。 あーたんが離れるとまだ嫌がるので仕方がないかもしれませんね。 あーたんの毛皮は犠牲になりました。]
(89) 2023/08/02(Wed) 21時半頃
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うん………。 さとちゃん、叩くの。きらい。 でもね、がまん。ばんがる。
[唇を少し尖らせての告げ口です。 言葉足らずでしょうが、さとちゃんへの不満は通じたことでしょう。 でも我慢しなくてはなりません。 頑張らなくてはなりません。 だってママとの約束です。
大きくなったらさとちゃんを助けてあげないといけないんです。 元気なさっちゃんは、なんでもできる子だもの。]*
(90) 2023/08/02(Wed) 21時半頃
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あーたん、いーこ、ねー?
[すっかり懐いているさっちゃんは、ご機嫌であーたんを撫でています。 べたべたぼろぼろでもお構いなし。>>88 ふさふさしっぽをなーでなで。]*
(91) 2023/08/02(Wed) 21時半頃
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― ちょっと前:アリババと ―
そう、なんですね……ありがとうございます。 えっじゃあ目覚めたみんなも ワンチャンここ見てるかもなんですね。
[一度目覚めてしまったら もうその後の世界がどうなったのか 見る術はないのだと思っていたが 別にそういうわけでもないのか。 そして続いた言葉には]
(92) 2023/08/02(Wed) 21時半頃
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………なるほど? 死神兼水先案内人、みたいな感じなんですね。 参考にします。
[よく言う話だと生前の行いで 天国とか地獄とか定められているイメージだが 割とそのへんは応用が利くようである。>>84
この質問が今後、役に立つのかどうかは、さあ――……
まさか黒い羽の人が 幼女のもふもふになっているとは 知る由もない時のことである。>>83*]
(93) 2023/08/02(Wed) 21時半頃
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[同行者が去った後、漸く傍観を辞めた男一人。>>81
元より暗い作りのビデオルームが悪天候で更にそう感じさせられる いつもより低い目線だと黒い影が動いたようだった。]
漸く喋ったと思ったら、おかしなことを言うね
[未だ残り続け、恐らく最も残酷な宣告を聞かねばならない者の一人が 生存が確定した者の所詮夢の中の怪我を気にしている。>>82 それも、些細な切り傷を。
払われた蝶は幻のように霧散し、周囲の黒も連鎖して消えていった。 最後に残った一匹だけが、いつの間にかモニターの側に掛かっていた額縁の中へと飛んでいき、身動ぎ一つしない標本に姿を変える。
まるで全ては理解の内というように、成海は部屋で巻き起こる現象を目で追いはしても何の反応もしなかった。]
(94) 2023/08/02(Wed) 21時半頃
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それで、別れの挨拶に来てくれたの?
[このタイミングで今まで顔を合わせていない相手に連絡して会いに来るとは、そういうことだろうかと 成海なりに想像し、問い掛けた。
一度別れたら再会は無い可能性を見据えながらも、いつも講義室で話しかけていた時と変わらない調子。*]
(95) 2023/08/02(Wed) 21時半頃
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[肉じゃがと口にしてみたが 食べなれないのかあまりピンと来ていない様子だったので 肉じゃがはお肉とおいもをおいしく煮た料理だよって教える。>>89
この時期のこどもだったら まだ食べたことないものもあるかなって そんなに不思議には思わなかったけど。
あーたんを抱きしめたまま近寄って来る田端に 何色が好き〜?って聞いて 答えてくれたら彼女の前にその色のランチョンマットを敷こうね。]
そっかぁ………それは、嫌だねえ。
[テーブルセットをしながら、彼女の答えに頷く。 さとちゃんは、恐らく家族で……きょうだい、だろうか。]
(96) 2023/08/02(Wed) 22時頃
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がまん……… かあ。
[あたしは別に一方的に叩かれたことはないし、 田端先輩の境遇も何にも知らないけど。 不満そうな告げ口が少し、昔の自分と重なって見えた。
―――でも。こんな小さなこどもに。 我慢しなくていいんだよ。なんて、 無責任に言って何になるだろう。 どうせ皆、与えられたカードで生きていくしかないのに。]
…えらいんだね。さっちゃん。 いっぱいがんばってて。えらい。
[避けられなければ手を伸ばして、優しく頭を撫でる。**]
(97) 2023/08/02(Wed) 22時頃
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[でも、その小さな田端は、本当の子供ではありませんでした。
えらいね。 お兄ちゃんのために頑張ってるんだね。 お母さんを支えてあげてるんだ。 えらいね。 すごいね。
私だったらとてもそんなことできないわ。
そんな言葉を支えにして、生きて来たのです。 自分がしていることは正しいこと。 あいつを支える為に生まれて来たの。 そうじゃなかったら私は生まれてこなかった。]
(98) 2023/08/02(Wed) 22時半頃
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[分かっています。 今更何を言ってもどうにもならないこと。 分かっています。 何にも悪いことは言われていないこと。 分かっています。
助けを求めなかった自分が悪いんだと言う真実を知らないふりして、強がって生きて来たことも。
弱みを見せられず虚勢を張って生き続けたことが、自分の首を絞めるのだと。]
(99) 2023/08/02(Wed) 22時半頃
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―現在:おねえちゃんたちといっしょ…―
[頭を撫でられる瞬間>>97どうしても体がびくっと震えてしまいます。 ギュッと目を閉じて衝撃に備えますが、与えられるのは優しい手のひらの感覚です。]
うん。ばんがる。
[神妙な顔で繰り返します。 ママのお友達にも言われました。もっと頑張って、ままに褒められるようにしましょう。 我慢することはえらいことなんです。]
(100) 2023/08/02(Wed) 22時半頃
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[その後にご飯が出てくると、スプーンやフォークを使ってなんとか食べられたのでしょう。 肉じゃがのお芋は味が染みていてとても美味しかったです。 ゆっくり、ゆっくり、丁寧に食べました。 でも丁寧に、お皿からテーブルに落ちたお芋を手で掴んで、スプーンに乗せてから食べたりもしていました。 肉じゃがのお肉はあーたんの口元にべしゃりです。 「はい、あーたんあーん」が阻止されない限りそうなってしまうでしょう。 おにぎりよりはパンがあったほうが食べたでしょうが、あったでしょうか。 食べていると元気が出て来たのか、ぱたぱた短い足が揺れていました。]*
(101) 2023/08/02(Wed) 22時半頃
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水商売 タバサは、メモを貼った。
2023/08/02(Wed) 22時半頃
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[手を伸ばせば彼女がびく、と 怯えたように動くのが分かったけど ゆるゆるとなるべく刺激しないように撫でた。>>100
ばんがる、と神妙に口にする少女は 何だかずいぶんと気負っているように見えて いじらしくって。つい口を突いた。]
うん。えらいよ。けどね……
[我慢しなくていいんだよ、なんて、無責任だ。 助けてと言ったって、実際に誰かが助けてくれるわけでもない。それはそう思う。
でもだからってあたしは別に、 我慢を肯定したいわけじゃない。 お前そのものには価値がない、だなんて、 そんなこと絶対誰かに言いたくはない。>>98
こんな小さい少女に―――実際は子供じゃなくても。]
(102) 2023/08/02(Wed) 23時頃
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がんばることも、我慢することも、 当たり前じゃないんだからね。 本当は嫌ならやめても、逃げてもいーんだよ。 自分のために生きていーの。
[さっちゃんの人生なんだからさ。 って、伝えたいことは、ちゃんと伝わるんだろうか。]
(103) 2023/08/02(Wed) 23時頃
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[あらかたテーブルのセットが終われば キッチンの方に向かって運ぶのとかを手伝うつもり。
仁科が椅子についたならあたしも一緒に いただきますをしようか。**]
(104) 2023/08/02(Wed) 23時頃
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[暗いビデオルームに動いた影は手で蝶を霧散させ 傷を脱ぐう事で甲に薄く伸びた赤は、見るまに酸化し黒に近づいていく。 丸で痛みを伴って居ない顔をして、平然と喋るから]
何だって傷は痛いだろ。 肉体にしろ精神にしろ、夢にしろな。
[ほんの少し眉を寄せたが、その機微が伝わったかはしれない。
高祈がいつものように話す。 自分も常と変わらぬ態度で、向き合うでもなく隣に 椅子があればそこに腰を下ろした。]
もしかしたら自分の夢かもしれないからな。
(105) 2023/08/02(Wed) 23時半頃
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[ポケットの中に、黒く汚れた手を差し込む。 ヒヤリと冷たい感触は薄く丸い金属のもの。]
やり残してただろ、コイントス。
[双子かもしれないとまことしやかに噂されたあの時。 ならばどちらが兄か弟かと、決めようと言ったのも遠い日のよう。 こちらからも、そして向こうからも出されることのなかった硬貨を 今手のひらに出し。]
心残りは少ない方がいい。
[霧散した中から一匹だけ、標本になった蝶を見つけ。 あれが高祈の心残りだろうかなと、少し思考を泳がせながら。*]
(106) 2023/08/02(Wed) 23時半頃
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[スマホにひとつふたつとメッセージが返り震えていることに気づき 軽く触れると後輩からの返事が読めた。 生きているようだ、という返事には少しの間時が止まった。
それは羨望や悔いなどではなく。 起きた彼女が平和に生きることを想像してのもの。 狭いバスの車内で隠れるように眠るより 暖かな日差しの中の柔らかなベッドの上で。 何故かそんなことを思った。
素早く返答を送ると、端末をポケットにしまう。 もうひとつ、同期から返らぬメッセージは気掛かりだが。**]
(107) 2023/08/03(Thu) 00時頃
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[一度として確信に触れようとも手を取ろうともせず、気まぐれに寄ってはくだらない話に付き合わせるばかりの関係性だった。 けれど長い沈黙にはすっかり慣れて、微細な変化にも気付けるようになっていた。 だけど今のような感情を示されたことは、無かったと思う。>>105
そんな大藤の様子は、それなりに衝撃だったようだ。 その話を切り上げ、何気なく彼に呼び掛ける為に一度目を逸らす必要があった。
いくつかの長椅子が同じ方向を向いて並んでいる。 成海が座るのはその最前中央だ。 黒い羽撃きは霧散した。同じ長椅子でも少し空いて隣にあるものでも、彼は好きな場所に座れる。]
(108) 2023/08/03(Thu) 00時半頃
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……、え?
[普段と変わらない様子で、ただ一人の死者になる可能性を静かに受け止めているようなことを言う男。 なんと声を掛けたら良いのか黙して思考している時に、思いもよらない話を聞いて間抜けな声が漏れた。>>106
掌には、確かに必要な一枚の硬貨。]
ああ……。とっくに忘れてると思ってたな ふふ、ふ……は、それを心残りにカウントしてくれるとは
──いいよ。君に運命を任せよう 表なら俺、裏なら大藤君が兄だ
[思わず本物の笑いがこみ上げてしまった。 此方は色んなものが内側で渦巻くというのに。 大藤ときたらその言葉選びと口数のようにただ真っ直ぐで、余計なものが無いかのようだ。
そういう彼だから頷いた。心残りを二人で無くそうと思えた。 三分の一で二人目の兄か一人しかいない弟を喪うのだとしても。*]
(109) 2023/08/03(Thu) 00時半頃
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[自分は、自分の事を伽藍堂だと思っている。 何か大切なものを生きてきたどこかで、或いは生まれたその時に ぽっかりと無くしてしまったように感じている。 それでも感情の起伏が無いわけではない。
傷が痛い事を感じない程、平然を装う姿は 心配を、怒りを滲ませる。
気まぐれに現れては、核に触れぬ話題を持ち出し 手を取ることも距離を詰めるでもなく ひらりひらりと舞い遊ぶ蝶の方がまだマシだ。 隣に座り硬貨を手にしながら、一度高祈に視線をやる。]
(110) 2023/08/03(Thu) 00時半頃
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大体覚えてる。
[持ちかけられた他愛もない話の端々。 例えばどんな話をしただろうか、律儀に覚えていることは多いはずだ。
あの完璧そうな飄々とした男から間抜けな声が漏れ 笑みまでこぼすから、今はまあ良しとするかと 親指と人差し指の間に硬貨を乗せる。]
表なら高祈、裏なら自分。 いくぞ。
[ピンッとコインを弾きあげ、甲に落として捕まえる。]
………お前はどっちがいいんだ?
[手のひらを開ける前に、運命を問う。*]
(111) 2023/08/03(Thu) 01時頃
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そう言われるとなんだか、恥ずかしくなってきちゃうな
[巫山戯た話を振られても真面目に思考するところがあるとは、以前から知っていたけれど。 そんなにも律儀だとは思わなかった。
大学の七不思議だとか、凄く不味いご当地ジュースが自販機に入っていたとか 反応が見たくて持ってきた話は、思えば本当にくだらなかった。 その分大藤の前では肩の力を抜かせてもらっていたところがあるけど、こんな状況になってしまうと……もっと語るべきことがあった気もしてくる。]
(112) 2023/08/03(Thu) 01時頃
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[宙へ翻り、伏されたコイン。 思わぬことを問いかけられ、彼の顔を思わず見つめた。
どちらでも受け止める気だった。 しかし、そう問うからにはきっと曖昧な返答では駄目なのだろう。]
……俺かな これが大藤君の夢でこっちが弟だった場合 兄を二度喪うことになるから、さ
[元から薄い笑みが、更に微かなものとなる。 無論弟なら平気というわけでも、何の肩書きも無ければ大藤が死んでも構わないということでもない。
本当は戻ってきてほしくても、確定した一人の死者の為に不確かな望みなど残していく気にはなれない。 全員を救えなどという祈りは、天高くの神様には届かないのだから。
答えを待ち、大藤の手元に視線を戻す。**]
(113) 2023/08/03(Thu) 01時頃
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―― キッチンとか ――
[ぐつぐつと肉じゃがを温め直したり冷蔵庫をのぞいたり。 順番に“起きて”いくから、すっかり人が減ってしまったと思う。 人気のない静かなキッチンでテーブルの二人の会話を聞くともなしに聞く。
その最中に、スマホが震えて、ラインが届く。 しばし画面を見つめるが、目を伏せてポケットにしまった。 今すぐには、返す言葉が浮かばなかった。]
スイートポテトは食べにくいかな・・・
[小さくすればいいのか?しかし2歳児向きの食感には思えずに彼女のデザートはイチゴ牛乳寒天にしようと決める。
漏れ聞こえる会話の中に聞き捨てならない言葉が聞こえた。
――叩く、を 我慢?]
(114) 2023/08/03(Thu) 02時頃
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[気にはなるが、火を触っているときは集中だ。 肉じゃがもハンバーグも少しずつ器に入れて2.5人分。 スイートポテトも用意はしたけど、もし田端先輩(仮)の側には牛乳寒天を幼女サイズにして置いた。 スイートポテトも食べるなら少し気をつけて見ているだろう。] いただきます。
[ノリくんが置いてってくれたごはん。 生きて帰れることがわかった今、これが最後ではないとは思うけど、“パーティー”でもない限りそもそも彼の手料理を食べることもないので、手を合わせて大切にいただく。
一口、二口、食べたあたりで、たば・・・以後「たばた先輩」の方を向いて、おいしい?と一声かける。 パンがあれば積んだかもしれないけれどあったかな]
(115) 2023/08/03(Thu) 02時頃
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・・・あのね、さっちゃん。
[各ご家庭の事情だとか、 これは“今”のことではないとか、 死んだ人のことを悪く言いたくないと“田端先輩”が言っていたこととか、 考慮すべきことは多分色々あるんだろうけど]
叩かれたら、痛いって言っていいんだよ。
[空気を読まないのが仁科です。]
泣いていいし、 さっちゃんがさとちゃんに敵わないなら、 大人にたすけてって言ってもいい。
[“たばた先輩”のご両親がどんな人なのか、ごく一般的な家で育った仁科にはわからない。 両親が助けてくれない環境など想定せずに、思ったことを言う。]
お姉ちゃんは、叩くのきらいだな。
(116) 2023/08/03(Thu) 02時頃
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[田端先輩の“悪夢”の片鱗が見えた気がしてため息をつく。 我慢し続けた結果、たたく、で済まなくなるのだろう。 石を投げるなど言語道断である。]
ままには、言った?
[少なくとも、たばた先輩の先程のギャン泣きを見れば ママは助けてくれるんじゃないかと期待して聞いた。
もはやあーたんは救えないが(べっとり)、 この子を救えないかと、 もうすぐいなくなるわたしが考えるのは無責任だろうか。
たばた先輩の様子を見ながら、こころ先輩にも視線を向けた**]
(117) 2023/08/03(Thu) 02時半頃
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面白かったけどな。
[話に聞いた大学の七不思議を確かめたこともないし 自販機の不味いジュースを買うことこそしなかったが それらは本当に他愛もない事で、くだらない話で。 今となってはそれが日常というものだったんだなと気付く。
例え真面目な話をされていたとしても、 常日頃、笑みに隠した心を吐露されていたとしても、 変わらず同じように受け止めていただろうが それもまた『たられば』の話。]
(118) 2023/08/03(Thu) 02時半頃
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そうか。
[高祈の希望の、その中の単語をどうしても耳が拾ってしまう。 『兄を二度喪う』ということは既に一人、本当の兄を喪っているということだ。 高祈とはお互い家族構成のような家の話をした覚えがない。 高祈ホールディングスについて詳しければその事実も知れたかもしれないが 生憎家柄には興味など全く無かった。
自分にとって彼は『高祈成海』であり、 たまに絡んでくる同期で、妙に笑顔を張り付かせていて、 自分と話す時は少し息を抜いていて、黒い物ばかりを身につけた 高祈成海以外の何者でもない。
だから兄がいた事も、 その兄が亡くなっていたことも知りはしなかったが──]
(119) 2023/08/03(Thu) 02時半頃
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悪いな、自分が兄らしい。
[手の甲に落ちたコインは、裏の面を顕にする。 これが夢なら高祈の希望くらい叶えてくれてもいいようなものだったが なにかの意志を持つようにそれは逆の面を見せていた。
三分の一の確率で、喪う二人目の兄となる。 何を考えているかもしれない神はこちらの希望など聞き届けもしないのだから 無惨にも死に往く一人を救うことは、高祈にも誰にも出来ず その一人が自分である可能性は、低くない。
だからこそ、と。 一度立ち上がり高祈の前に向き合うように立つ。]
(120) 2023/08/03(Thu) 02時半頃
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[黒と黒。 顔さえ似ていれば本当に双子と思われてもおかしくはない。 しかしこの色には明確な違いがあった。
自分の黒がすっぽりと抜け落ちた影の色だとすると 高祈の黒は何かを弔う喪を纏う黒。 只管に黒を身に纏う姿はまるで、喪に服しているようだと>>0:290 いつも、そう思っていた。
もしここに─先に目覚めた者の中に─高祈を想う者がいたとして 或いは回谷が現れたりしたら 余計な誤解や嫉妬を招くかもしれないが、少しの間許して欲しい。
向き合うまま一歩と近付きその距離を詰め 似たような背格好の高祈を、ゆるく抱き締めた。]
(121) 2023/08/03(Thu) 02時半頃
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もし自分が死んでも、喪に服さなくていい。
[今みたいに、頑なに黒を着なくていい。 カラスアゲハに纏われなくていい。 傷を、痛みを、見て見ぬふりなんかしなくていい。 笑いたくない時には、笑わなくていい。]
好きに生きろ。
[何があったかなど知らないが。 知ることもきっと無いのだろうが。 こんな時だからと、自らが思う確信に触れる。]
(122) 2023/08/03(Thu) 02時半頃
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[ひとつふたつ言葉を小さく耳元に落とし、 回谷にしたのとは違う、やや乱暴で雑に頭をぐしゃぐしゃにする。 もし否定の言葉が、拒否の言葉が、困惑の言葉が伺えたなら]
兄貴の言うことは聞いておけ。
[そう言って、珍しく口角を上げた。 新しい肩書きだ、折角なら便利に使わせてもらう事としようか。**]
(123) 2023/08/03(Thu) 02時半頃
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―少し後―
[たばた先輩とのお話の合間か後にか、再度スマホを開く。 まだ目覚めぬ3人のだれかとは二度と会えないと頭ではわかっている。
それは短く、悲観的ではないけれど それでも心残りを映すような文字列を目線が追う。]
・・・まるで先輩が そう、みたいじゃないスか。
[見たときすぐに返せなかった。 今、寂しいとは書けなかったから。
自分が死ぬ想定は自分もしたけれど、 その感情は、絵を描きたいなんて利己的な慈悲に寄せた。 今も尚、ここで描きたいものは描こうとしている。
スケッチブックを抱きしめたまま、文字を打つ。]
(124) 2023/08/03(Thu) 06時頃
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―現在:おねえちゃんたちといっしょ…―
いたまーしゅ。
[そうそう、ちゃんと食べる前には両手を合わせていただきますをしました。>>115 仁科を見てちょっと慌てて付けつした感はありましたが、それでもちゃんとしましたよ。 美味しいと聞かれたら嬉しそうに頷いて応えました。 もぐもぐ、おいもにひとまず夢中です。 卵サンドの残りがあったら、両手で持って食べました。 お味噌汁もあったらゆっくり飲むでしょう。 お椀がやたらと大きく見えて、両手で持って飲むと顔がほとんど隠れてしまいました。 どれもこれも、温かくてとても美味しいのです。 ハンバーグも食べた瞬間、ぱあっと目が輝きました。美味しいね、とまたあーたんにべしゃりしたのですがもう今更止められません。 あーたんが素直に食べてくれたら話は別ですが食べてくれたでしょうか。]
(125) 2023/08/03(Thu) 07時頃
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にげる?じぶんの?
[そこそこ食べて、デザートに手を伸ばしたくらいでしょうか。 お姉さんが不思議なことを言いました。>>103 好きな色、と言うことでピンクのマットを敷いてくれたお姉さんです。 叩かれたら痛いと言って良いともう一人のお姉さんと言いました。>>116 ちょっとだけ田端の眉がくしゅっと寄せられます。 ママには言いました。>>117 それに応えて、こくんと頷きました。]
でもまま、さとちゃん、いちばんなの。
[それが2歳の田端に言える最大限の訴えでした。 いつだってママの一番大事はさとちゃんです。 視線が下を向きました。 下唇がちょっと出て来て、泣くのを我慢する口になります。]
(126) 2023/08/03(Thu) 07時頃
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さっちゃんは、なんでもできるから、にばん。
[でも、なんだって一番が良い年頃です。 そんなの不満たらたらです。 美味しいものをあーたんと分けっこするのは楽しいですが、取られたら取られたまま、壊されても叩かれてもあーたんが一番なのに、納得できるわけがありません。 でもそんなことを言ったら、さっちゃんも"ないない"されてしまう気がしていました。 さっちゃんも手を繋いで欲しいのに。]
さっちゃんも、いちばん、いーな。
[ぽた、とこぼれ落ちたのはよだれではありませんでした。 でもたとえかけっこで一番になったとしても、てすとで百点とっても、一番にはなれませんでした。
あの日。あの時。 初めて美術館を訪れた時もそうでした。>>0:281 でも、一番じゃなくて驚いて、他の素敵な絵を描く子が沢山いることにホッとした事もまだこの田端は知りません。 ただ、その心の奥底に秘められてはいました。]
(127) 2023/08/03(Thu) 07時頃
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ままも、ぱぱも、さとちゃんも、やん。 きらい。
[だからこの言葉は、過去の田端には言えなかった事でした。 だって、そんなこと言う相手もいませんでしたし、言えば責められます。 庇護者はままとぱぱしかいないのに、ままとぱぱはさとちゃんが一番なのに、明確に言葉で言えなかったことでした。 ママが一番なのに。 一番好きで、一番嫌い。]
さっちゃん、ままがいい……。
[しくしく、小さな声で泣き出します。 さっちゃんだけのママなんていないのに、さとちゃんのままないやなのに、助けを求める相手はやっぱりままになってしまうのです。]**
(128) 2023/08/03(Thu) 07時頃
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いただきまーす。
[随分がらんとしてしまったカフェ。 仁科が温め直してくれて、3人で食卓を囲む。 肉じゃがと目玉焼きハンバーグ。 豪華なご飯も、これで最後になるのかもしれない。
ちょくちょく田端の様子を窺う仁科が>>115 年の離れた姉妹みたいで微笑ましい。 何だか妹のことを思い出した。 ひとつしか違わないくせに、まだまだ子供の頃は、 いっぱしにお姉さんぶって世話を焼いていたこともあったなって。]
(129) 2023/08/03(Thu) 09時半頃
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[先程の会話を聞いていたのだろう 仁科が田端の方を見て口にする。>>116 ごくごく健全な、ストレートな台詞。
田端の悪夢も見ていない、 石云々も知らないあたしは叩くって言ったって、 きょうだい喧嘩の範疇だと思っていて (あたしはあたしで平凡な家庭に育ったので あまり悲惨な状況の想像がついていないのもある)
随分と仁科の様子が神妙に感じて 思ったよりも深刻な話だろうか、と思った。 ともあれ諭す仁科と、あまりうまく飲み込めていなさそうな田端を見遣る。>>126]
(130) 2023/08/03(Thu) 09時半頃
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それは………
[今度こそ言葉に詰まってしまった。>>127 覚えのある感情だったから。 肩に乗る重さも痛さも彼女と比べ物にならないにせよ。]
………さみしいね。
さっちゃんだって、いちばんがいいよね。 ほめてほしいし、だきしめてほしいよね。 大好きな人に、…ママに、パパに、 あなたが一番だよって、言ってほしいよね。 わかるよ。
[幼子の小さな目からぽた、と雫が落ちる。 また手を伸ばして、ゆるゆると優しく背を撫でた。]
(131) 2023/08/03(Thu) 09時半頃
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ママやパパが何言っても、 さっちゃんはさっちゃんがつらいこと、 がんばらなくていいんだよ。
[これは"田端先輩"が抱えているもの。 多分変えられない、過去。
求めた人に愛されたかった。 その渇望を自分自身で乗り越えていないあたしは こういう時何を言えばいいのかわからなかった。 ただその端っこに共感することしかできなくて…。]
…ずっと辛かったんですね。
[ぽつりと零し、しばらくそっと彼女の背を撫でていた。**]
(132) 2023/08/03(Thu) 10時頃
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[大藤は面白かったのだそうだ。>>118 あのくだらない話の数々が。
気まぐれに近寄ってそんな話をする同期のことも、 きっと少なくとも不快感は無く見ていたのだろう。]
へえ、そんな風には見えなかったな 君ときたら本当に分かりづらいんだから
[口では茶化しながら、実感するものが一つ。 高祈成海は、大藤久影の日常の中にいたのだ。
これからも続いていくのかは、誰も分からない。 未来の形は今も霧の中にあり、実像が掴めない。]
(133) 2023/08/03(Thu) 11時頃
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[初めてするような話を絡め、自分勝手に希望する。 それすらも大藤は淡々と受け止めた。>>119
いつもそうだった。 友達には遠く、他人とするには近く。 何とも言い難い距離感を、あるがまま受容している。]
……、そう 神様は何にも叶えてくれないね
[示されたのは反対の結果。>>120 大きな反応はせず、息を吐いて視線を相手から前方に戻した。
現実にある誰かの死を意識していたからだろう。 散々に体験した個人意志の作用についての思考ではなく、小さな落胆が生じた。 ……選んでから、裏切られる。 それは親しくなったかつての他人が亡くなることとどこか似て。]
(134) 2023/08/03(Thu) 11時頃
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[意図の読めない行動により、向き合った黒と黒。 本当に二人を知り見れば、決して同一ではないと分かる類似性。
やはり、影のようだった。>>121 この奥に何があるのか興味を抱きながら、真に覗き込むことはしていなかった。 もっとまともな人間であれば、覗き返される心配などせずに手を伸ばしたかもしれない。 ──或いはそれでは彼を視界にも入れなかったかもしれないが。
近づく不純物の無い黒を虚ろに眺めている目は、その体温を受けた瞬間に見開かれた。]
(135) 2023/08/03(Thu) 11時頃
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[後輩との別れを前にした自分と重なる行為に、身体が強張った。 相手を記憶に留めたい利己で腕を伸ばしたのに対して、大藤のそれは成海の為に願うかのような。>>122
誰かに強制されるでもなく、整理できない心のままに同じ色ばかり選んできたことすら ──知りもしない筈のものを、全て知られている錯覚。
成海にとっての彼は、決して踏み込んではこない筈の男だった。 こんな時だから、最後かもしれないからこそ。 既に存在していなかった日常の紛い物は、容易に崩落した。]
(136) 2023/08/03(Thu) 11時頃
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……っ
[小さく落ちた言葉がふたつ。息が詰まった。 ──悟られた。生還者の義務を果たせなかった。
だとしてもここまで真実を言い当てられるか? ここに来て随分な時間、会ってもいなかったのに。 回谷のような心配ならまだ分かる。
自分だけが関心を向けているような気でいて、 影の中の眼差しがどれくらいこちらを映していたのか 今までずっと分かっていなかったのかもしれない。]
(137) 2023/08/03(Thu) 11時頃
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うわ、あっ……
[此方の思考も余所に、また予想外の行動。 こんなに乱暴に触れられたことはない。 御曹司に一体何をするのだろうこの男は。 ──耳元に落とされた言葉の通りに、成海を見ているからだろう。]
……簡単にあれこれ言ってくれるよね
[独り言のように落ちたその声は、 本当に言葉の通りに思っているというよりは 複雑なものに恥が混じり、拗ねているかのような。 まさしく弟が兄に反抗しているみたいに。
同期だ、同じような身長だ、体格もそこまで酷い差は無い筈。 けれどそれらと上下の関係が両立する肩書きもある。 髪を乱され笑みの消えた成海に、珍しく口角を上げた大藤。>>123 元より同一ではない合わせ鏡はすっかり壊れてしまった。]
(138) 2023/08/03(Thu) 11時頃
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……どうしてそんなに、誰かの為に行動できるの 今大変なのは、俺じゃないのに
[明確な答えを求めているというには、語気が弱かった。
──分からない。 自分と違いただただ優しいのだというには、一線を引く気持ちになる程遠い存在に思えなくて。 それはこうして今までなら有り得なかった触れ合いまで行ったからなのかもしれないけど。
置いて行かれる者に弱さを見せてしまった成海には 触れ返す為に手を伸ばすことは、出来なかった。]
(139) 2023/08/03(Thu) 11時頃
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……ふ
[けれど、遅れてこちらも笑う。たまに彼の口数に感化されていたみたいに。 身体の力はいつの間にか抜けていた。 意識から外れていた背後の存在が、とっくに消えていることに気づいた。]
心配しなくても、生きるとも
[誰もここで成海と関わらなかったとして、きっとそうなった。
自由を得られた一人暮らしで命を絶たず、 この空間で救いを待つみたいに天使に媚びていたのは 結局は惰性の生命活動に勇気が劣っていたということ。
でも、誰かの戻れない日常への帰還の先で 骨谷と、直接約束を果たさないといけない。 福原はきっと、あの時のままに思ってくれる筈だ。 そうして二人目の兄に沢山言葉を貰ったのなら。 無気力ではない生き方を出来るような、努力は試みないといけないかもしれない。誰かと似た誓いをしたように。]
(140) 2023/08/03(Thu) 11時頃
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……でも、大藤君がもし死んでしまっても俺は
君のことを忘れない、ことある毎に思い出す その度に何回だって傷つく あの時こうすればもっと君と仲良くなったかもとか、 些細なことを悔やみ続ける
[好意的感情、相手との日々がかけがえのなかったことを示す話。
しかしある種大藤の言葉に反しているとも取れるし、己が掲げた義務の放棄とも言える。 消えゆく運命かもしれない者に残していく言葉では無い。
やっぱり呪うことしか出来ないのかもしれない。 だけどどうしてか。自分に出来るか分からない筈の言葉の数々に、今は疑念を抱いていなかった。]
好きに生きてもいいって、俺のお兄様が言ったのだから
[反応の薄さを少しも気にした様子もなく、一人で横で話し掛け続けた時みたいに。 悪びれない様子で、微笑むのだ。**]
(141) 2023/08/03(Thu) 11時頃
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―カフェで―
[たばた先輩が泣くのをこらえているのを こころ先輩があやす。 母親に言っても守ってもらえなかった>>126らしきに言葉を失った。
一番という葛藤は幸い仁科にはない。 親戚や学友が好き勝手言っていた面はあっても、両親は姉妹に等しく愛情を注いでいたし比べなかった。 むしろ、仁科と姉の関係が変わり始めてからは、こちらを気にかけていたかもしれないほどだ。
ほたほたと涙をこぼすたばた先輩にかける言葉が思いつかなくて、暫しかける言葉はこころ先輩任せになるけれど。]
(142) 2023/08/03(Thu) 15時頃
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・・・まま探す?
[たばた先輩の様子を見ながら、ぽつり。
子供は虐待を受けていようとネグレクトされていようと、泣きながら嫌いながらも親を求めると何かで読んだ。
彼女を苦しめるのも解き放つのも母親ならば、 少なくとも仁科の言葉は無意味ではないかと思えたのだ**]
(143) 2023/08/03(Thu) 15時頃
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―5つの林檎―
[それは田端先輩やこころ先輩と分かれた後か、 共にいるならば絵を描きたいと目的を告げる。
一目で気に入ったエントランスホールに来ると 変わらずそこには林檎の木があった。
落ちた実は5つのまま。
7つから5つになったのは宣告されてから彼らが目覚める少し前だったか。 なら、時間はもう少しあるのかな、と思う。]
(144) 2023/08/03(Thu) 16時頃
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[新品のスケッチブック。 目を閉じて姉の顔を思い出す。
笑った顔、怒った顔、拗ねた顔
・・・髪、断るといつも拗ねてたなあ。
亡くなる前は拗ねた顔ばかり見ていた気がする。 苦笑して、スケッチブックを開いた。 今日しか使わないのだから、ページを惜しみなく使ってしまおう。
ふー、と深呼吸する。]
(145) 2023/08/03(Thu) 16時頃
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[それから暫く、カリカリと、筆記具の音だけがする。 出来たラフは何枚だろう。
傍に誰かがいるのなら退屈させたかもしれないけど 手は止めずに言葉を交わしたろうか。
1つの林檎は変わらず朽ちて潰れている。
血に濡れた姉を発見したのは自分。 姉は人に刺され凄惨な死に方をしたのに、
"天使にさらわれた"
と、誰かが言っていた。
その時は、美しい人は死んだ後も詩的な表現をされるのだな、と、そう思った。]
(146) 2023/08/03(Thu) 16時頃
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|
[今こうして、 死神さん(かどうかは不明だが)がいる世界で たった一人を迎えにきている。
天使にさらわれるよりも 死神に、迷わず導かれる方がいいと思う。
願わくば姉も、 死神に看取ってもらえたらいいなと、思うのだ。]
(147) 2023/08/03(Thu) 16時頃
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――アリババさん?
[ぽつ、と呼びかける。 名前は聞いていても、呼んだことがないから。
呼びかけには返事あっただろうか。 今すぐは、声だけでもいいけれど。]
(148) 2023/08/03(Thu) 16時頃
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あなたを描いても、いいですか?
[死神として。
了承は得られるか。 もしそうならば、あの林檎が3つになる頃までにはラフがほしいと言ったかも**]
ダメだったら、仕方ない「]
(149) 2023/08/03(Thu) 16時頃
|
水商売 タバサは、メモを貼った。
2023/08/03(Thu) 18時頃
|
>>148>>149
[それはいろんな頃合いが落ち着いたころだろうか。 彼女の呼びかけにはゆるり、赴いた]
オレを描く? ああ、それはご自由に。 キミにはオレはどう見えているのかな。
[彼女が自身をどういう存在として描こうとしているのか。 それは興味があるだろう。
死神のように見える様を演出していること、 いやある意味、死神であるのは間違いないかもしれない。
真名はまだ誰にも告げてはいないし、 未だ、問いかけるものもいないから、そのままだ]
(150) 2023/08/03(Thu) 19時頃
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── 一階・ビデオルーム ──
……もう、大丈夫
ちゃんとしてる、とはまだ言えないかもしれないけど 叶わなかったことばかり、考えるのはやめる
[だからもう、弟を心配しなくてもいい。 平等に削れてゆく残り時間を、 これ以上自分の為にばかり使わなくていい。]
君が言ってくれたこと全部、覚えたまま還るよ
[確かに受け取ったつもりだ。
──今までずっと、そうしてくれていたみたいに。*]
(151) 2023/08/03(Thu) 19時頃
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―現在:おねえちゃんたちといっしょ…―
[さみしい。そう、それは寂しいと言う感情でした。 最初の孤独の記憶は3歳の頃でしたが、この時にはもう寂しいと思っていたのです。 回谷に寂しいと言葉にされて>>131それが分かってしまって田端の胸は球っと締め付けられるようでした。 その手が優しいので尚更でした。
辛いことを頑張らなくても良いとも言ってくれましたが>>132頑張って一番になれるなら、辛く立って我慢するのです。 頑張っても頑張っても報われないこと。 特にこの頃は、その自覚さえもなくて辛い時期でした。 上手に描けたと褒めてくれた絵を破く手。 それを止めてくれないのですから。]
うん……いちばんがいい……。
[撫でられて、心地良さに目を閉じます。 ごしごしと涙を手のひらで拭きました。]
(152) 2023/08/03(Thu) 19時頃
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さみしいのやん……。 でも……。
[ママを探すか>>143と言われたら戸惑います。 本来の子供自体の田端なら、一も二もなく頷いたでしょう。 でもこの田端は違うのです。 子供時代を模した偽物なのです。]
(153) 2023/08/03(Thu) 19時頃
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ぽい。まま、ぽい。 ぱぱもままもぽいする。
さっちゃん一人でだいじぶ。
ありがと、おねえちゃんたち。
[優しくしてくれてありがとう。 構ってくれてありがとう。 そんな小さな幸せを胸に、生きていきましょう。 下を見てばかりいるときりがないから、上を見上げて胸を張って。 子供椅子からよいしょと降りました。 そして、ぺこりと頭を下げます。]
(154) 2023/08/03(Thu) 19時頃
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ありがとう、またね。
[そのまま、子供の瞬発能力の高さのまま、意外なほどの速さでその場を駆け抜けます。 部屋から出ようとするその瞬間、田端の周囲の景色が変化しました。 見渡す限りの金色の稲穂。 ばさささっと響くのは何かの羽撃き。 涼しげな風が吹き甘い香りが漂いました。 ざざん……と波の音が響いて、気づけば田端の姿はもうありません。 遠くに聞こえた小さな歌声も直ぐに消えました。 アラセイトウの花を一輪だけ残して。]*
(155) 2023/08/03(Thu) 19時頃
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―福原に送られたかもしれないメッセージ―
『卵サンド、美味しかったわ。 作ってくれてありがとう。 いろんな食パンを試してみるのも良いかもね。
私お米よりパンが好きなの。 みんなで開催できたら素敵ね。』
[それは、タイミングにより送られたかもしれませんし、送信が間に合わなかったかもしれません。 送信しようと試みた形跡は、田端のスマホに残されています。]*
(156) 2023/08/03(Thu) 19時半頃
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[小さな彼女が泣き止むまで、 ただ黙って撫でていた。>>152
やがて落ち着いた頃合いで ぽつりと仁科が問いかける。>>143 頷くかと思われた小さな田端は けれど少し戸惑った後に、首を振った。>>153]
―――あ、……
[ぺこりと頭を下げたかと思えば 止める間もなく彼女は駆けて行ってしまう。]
(157) 2023/08/03(Thu) 19時半頃
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……行っちゃった。
[まるで一陣の風のように走り去っていった田端を ぽかん、とその場に立ち尽くしたまま見つめ。 一瞬そこに、金色の光景が見えた気がした。>>155 小さな歌声の残滓が響く。]
一人で大丈夫、……か。 なにか、ちょっとでも田端先輩の力になれたかな。
[わからない。上手く言葉を尽くせた気もしない。 田端が抱えてることの一端に触れたくらいだ。 でも、どうしようもないことでも、吐き出すだけでも、 少しでも心の整理がついたなら良い。
彼女が残していった花を拾い上げて、小さく微笑んだ。 ……お礼の証、だろうか。]
(158) 2023/08/03(Thu) 19時半頃
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きれいだね。 仁科ちゃん、持っとく?
[もしかしたらあっちに持って帰れるかもしれない。 ほら、あたしはどうなるかわかんないからさ。 頷いたなら仁科に渡し、否と言われたなら自分が持っている。
そうしてしっかり スイートポテトと苺牛乳寒天までたいらげて。 ごちそうさまをしただろう。*]
(159) 2023/08/03(Thu) 19時半頃
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―現在:資料室―
[そこに居たのは田端でしたが、やっぱりみんなの知る田端ではありませんでした。 小学校高学年くらいの田端です。 胸に詩集を抱えて、外を眺めてぼんやりしていました。 窓の外は真っ赤な夕焼けです。]
…………。
[窓の外にはアラセイトウの花が揺れていました。 この花はよく知っているのです。 アラセイトウの花。 音楽の時間に合唱で歌う歌詞にありました。 どんな花だろうと思って調べてみたのです。]
(160) 2023/08/03(Thu) 20時半頃
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わたしも。 優しい人になれたらな……。
[優しいお姉さんたちがいました。 本当に優しい人になりたいと思っていました。 あのお姉さんたちの優しさを覚えていたなら、優しい人であり続けられるのでしょうか。
もうあんなふうには泣けないのに。]**
(161) 2023/08/03(Thu) 20時半頃
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ー カフェを出て→
[田端が去って行った後。 仁科は絵を描きに行くつもりだと言う。>>144 彼女も彼女なりにやり残しを昇華するつもりなのだろう。
還る前に何を描くのかちょっと気になって、 少しだけ一緒に着いて行かせてもらうことにした。
エントランスの林檎の実。 木になっているのは5つ。落ちているのはあと3つ。 嫌でも連想してしまう。
腐って落ちた誰かの生命の果実。 ……あたしか、彼女か、彼の。]
(162) 2023/08/03(Thu) 20時半頃
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[仁科がスケッチブックを広げて描き始めれば 邪魔はしないように鉛筆を走らせる音を聞いていたけれど。
ふいにラフを覗いて、あ、と声を上げた。 その顔に見覚えがあったから。]
確かミスコンの……… あ、仁科……仁科ちゃんのお姉さんか。
[ミスコンに出たと言う美人は 周囲ではちょっとした話題だった。
あたしはと言えば、いかにもって感じの華やか美人に やや苦手意識がありあまり関わらないようにしていたので 同学年と言えど直接の接点はなく。
色々あったらしいことも風の噂に聞いたくらいで 似てない姉妹が姉妹だと結び付けられていなかったし、 彼女の名字が仁科と言うことも忘れていた。 こうして今やっと思い出したくらいだ。]
(163) 2023/08/03(Thu) 20時半頃
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……お姉さんのこと、好きだった?
[それだけ、何となく尋ねた。 答えが肯定でも否定でも、 そっか、って小さく笑っただろう。]
あたしもそろそろ行くね。 みんなによろしく。元気でね。
……あと、さっき いつもと印象変わっててびっくりしたけど…… その髪とメイク、めっちゃいーね。 きっと清楚可愛い服と併せたら似合うよ。仁科ちゃん。
[仁科がアリババを描き始めたあたりで 自分は一足先に引き上げることにしよう。
そろそろ先輩たちの"やり残し"も終わった頃かな。 またビデオルームに逆戻りするつもりで、歩き出す。*]
(164) 2023/08/03(Thu) 20時半頃
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[影と翳、違う色の同じ黒がただ一度だけ寄り添う。 日常の中で付かず離れず、友人とも知り合いとも違う距離感を保ち続けたその関係性を 非日常のこの世界の中で、壊した。
これが最後になってしまうから、かもしれない。 最後にならなければいい、とも思う。 しかし最期であっても構わない。
伝えるべきことは伝えられたはずだ。 「簡単にあれこれ言ってくれるよね」と拗ねるような声 >>138 移ったように遅れて笑みを浮かべる表情 >>140 「もう、大丈夫」と伝える声 >>151
気がかりだった一つが ゆるりとほどけていく。]
(165) 2023/08/03(Thu) 21時頃
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……そうだな。 万が一自分が残ることになって、高祈が何度も思い出してくれるなら。
[その言葉は >>141 自分の望むものではなかったけれど。]
そうしてくれれば 『大藤久影』は報われるのかもしれないな。
[無にも近い、しかし彼にはすぐに見て取れるのだろう。 少し伏せた瞼の奥には、憂いのような色が滲む。]
(166) 2023/08/03(Thu) 21時頃
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[死にたい、という事と 死んでもいい、という事は 似ているようで全く違う。
どうでもいい、と どれでもいい、が違うように。
黒と黒が違うように。
この世界において既に決められている死を願ったところで 神は無情で、聞き届けてくれないのかもしれないけれど。 自分の灯が潰えることで他の道が続くなら、それを望む。
それは『死にたい』わけではない。]
(167) 2023/08/03(Thu) 21時頃
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誰かの為じゃない。 全部、自分のエゴだ。
生きていてほしい、それだけだ。
[本当に身勝手なエゴイズムの押し付け。 生者と決まった者が、死者であるかもしれない相手に落とす呪詛のように。 自分がこうして口にする全ては、呪詛返し。 生きてくれという、重い、希望。]
そろそろ、行くか。 田端からの返信がないのが気になる。
[大丈夫と告げられたならゆっくりと離れ、普段と変わらぬ距離をとる。 その前に、高祈のポケットに運命を分けた硬貨を忍ばせる。 彼が目覚めた時、現実にその現物があるとは限らないけれど。**]
(168) 2023/08/03(Thu) 21時頃
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→ ビデオルーム周辺 ―
[人が減った美術館の中に 自分の足音だけが響く。
この空間の歩き方もだいぶ心得てきたのか 何となくどこに行けばいいのか分かるような気がしてきた。 生憎誤解を招きそうな場面に 遭遇することはなかっただろうが。>>121]
(……やばい、また震えてる)
[誰かと話している時は 元気な普段のあたしで居られたけれど。 一人になった途端急に心もとなくなった。
さっき手を繋いでいた時は収まっていた筈の震えが また騒ぎ出して、きゅっと両腕で己を抱く。]
(169) 2023/08/03(Thu) 21時頃
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( ――― こわい)
[決定的なことを知りたくない。 先延ばしにしたい。逃げたい。
……神様、どうして、あたしを最後の最後まで残したの。 それはあたしこそが潰れた林檎だからなの。
誰かがあたしの代わりに 死んでいればいいとは到底思えないけれど、 ここに一人、置いて行かれたくはない。]
(………… こわい………)
[ねえ、神様。 あたし、全然覚悟なんてできない。 やっぱり何が慈悲なのかなんて、わかんないよ。]
(170) 2023/08/03(Thu) 21時頃
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―カフェ―
[一番がいいという彼女。 仁科がいちばんと言ったり守ってあげると言っても たばた先輩には意味がないのだ。
彼女がほしい一番は、ママ。 守ってほしかったのも、ママ。]
……そっか。
[探しに行くか、と問えば、ぽいすると言った。 彼女は田端先輩の観ている夢。 二歳児のさっちゃんの思いとどれほど結びついてるのかは知らないけれど。]
大丈夫なの? ほんと?
[色んな意味で尋ねた。足元もおぼつかない。 ――と思えば、驚くほどの速さで駆けてしまった。]
(171) 2023/08/03(Thu) 21時頃
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[刹那、仁科は幻を見る。
金の稲穂、鳥の羽撃き、風の温度 甘い香りに波の音
五感を語りかける何かは、たばた先輩の軌跡。 遠く聞こえた歌声は名残惜しいほどに早く消えた。
永遠の願いを模るような一輪の花を残して**]
(172) 2023/08/03(Thu) 21時頃
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[時々足を止めながらそれでも歩いていけば 大藤がビデオルームから出てくる姿を見つけることはできたかな。>>168 無事その顔を見ることができたなら、 やり残し、終わりました?って へらりと笑って着いていくつもりだけれど うまく笑えていたかどうかはわからない。**]
(173) 2023/08/03(Thu) 21時半頃
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── ビデオルーム ──
[無彩色の黒の中に浮かんだ憂いの色を>>166 覗き込み掬い上げるには、あまりに時間が足りなかった。
まるで本当の兄と弟の如く、心配の糸を解いて 重い希望に「ならそのエゴを背負おう」と返した。 それで、精一杯だった。
これで二人が隣り合う時間が最期ならば、 ──告げた通り、きっと数多の悔恨を残すだろう。 心残りを無くす為に彼に硬貨を弾かせたというのに。
告げられた言葉で思考が切り替わる。>>168 頷いて彼の後に続きビデオルームを出た。 悟れない細やかな重みになど、気づきもせずに。*]
(174) 2023/08/03(Thu) 21時半頃
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── ビデオルーム周辺 ──
さっきはごめんね 大藤君、君にお返しします
[鉢合わせた回谷に、微笑みかけた。>>173 まるでただいつもの調子でそう述べる。 そこに病んだ様子も纏わりつく蝶や何者かも、存在しない。
大藤は勿論物ではなく、成海はただ二人が一緒に自分の元に来た記憶から同行していたのだろうと認識しただけ。 言葉選びが一般的じゃなかったとしても、何の作為もそこには無かった。]
捜索を手伝えなくてすまない どうやらもうすぐ、……時間だ 最後にしないといけないことがあるんだ
[そして大藤に向き直り告げてから、足早に去った。
残された時間は不鮮明。けれど何故だろうか、急き立てられる感覚がある。 他の誰かも感じていたとは知る由もない。>>2:357*]
(175) 2023/08/03(Thu) 21時半頃
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―カフェ・こころ先輩と―
まさに風のようでしたね ……なれてるといいスね。
[田端先輩の心の一端だけでも、軽くできたろうか。 そうだといい、とこころに先輩うなづく>>158。
視線は一輪残った花と差し出すこころ先輩を往復して]
いいんスか? ……ありがとうございます。
[ここは夢。 田端先輩が残した心のかけらなら、持っていたい。 やがて、自分のやり残したことをするために立ち上がる。]
描きたいものがあって。 移動してもいいスか?
(176) 2023/08/03(Thu) 21時半頃
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―カフェを出て―
[こころ先輩と回廊を歩きながら、 目指す場所に辿り着く。]
ここ、最初に入って、びっくりしたんス。 素材と光の使い方がうまくて。
[しかしあの林檎がある場所だ。 "3人のうちの1人"であるこころ先輩を連れてくるべき場所ではなかったのかもしれないが、 相変わらずそういう配慮には疎く。
静かな時間が流れていたが、ラフに気づいて声を上げた先輩に驚いて顔を向けた]
……そっか、 先輩たちは、知ってる可能性があったんスね
[ふわりと笑った]
(177) 2023/08/03(Thu) 21時半頃
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―こころ先輩とエントランスで―
[少し前なら、姉に気づかれたら居心地悪げに微妙な顔をしたかもしれないけれど]
――嫌いじゃなかった。 だったんスけどね、ここで姉に会ったんスよ
[それは自分の見たい幻なんだろうけど]
ほんとは大好きだったのに、 ここで、いまさら……きちんと認められました
[自分はここを去るのだから、仁科にとっての慈悲の空間ではなかった。 でも、誰かの夢のおかげで、気持ちに折り合いがついた。
それは、その誰かにとって何の救いにもならないかもしれないけれど。]
(178) 2023/08/03(Thu) 22時頃
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髪は、姉が結ってくれました。 メイクは……田端先輩 あー 大人の。
[褒められると面映くて少し俯くけど、 お礼と、うれしいです、ってことと小さな声だけどちゃんと言えた。 ノリくんのおかげでもあるかな?]
――あ、こころ先輩も
[いくという彼女に、お元気で、と今言うのも何か違うから、ちょっと間迷ってから]
わたしはたぶんギリギリまで絵を描いてますから
また。
[現世に限定しない再会の言葉を**]
(179) 2023/08/03(Thu) 22時頃
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ー エントランス:仁科と ―
[残った花を手渡し、 促されるままエントランスへ。>>176 目に入った林檎に一瞬眉を寄せたものの とりとめなく仁科と話していたおかげで あまり深刻に考え込むには至らなかった。]
あーわかる、確かに綺麗だよね。 光が差し込んでてさー。 骨谷君も建築参考にしたいみたいなこと言ってたし。
[時間の感覚をあまり感じないからか なんだかここに来たことがもう随分と前のようだ。
シャッシャッと鉛筆が線を描く音が小気味よく その合間にぽつぽつと言葉を交わし。 描かれた人物に言及すれば、驚いた顔がこちらを向いた>>117]
(180) 2023/08/03(Thu) 22時半頃
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[仁科希華は亡くなったのだと聞く。 当時は確か結構な騒ぎになった。
口にした後に、繊細な話題を振ってしまったかと思ったが ふわり、と穏やかに笑う顔を見てその思いは霧散する。 姉が好きだったか。 その答えを口にする前に聞いた気がした。>>178]
……そっかあ。
[彼女に何があったのかは分からないけれど 蟠りに折り合いをつけられたのだと言う。]
(181) 2023/08/03(Thu) 22時半頃
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いいな。そう言えるようになったの。 あたしも妹……仁科ちゃんと同い年の妹がいてさ。
でも、優秀で、可愛くて、皆に好かれて、妬ましくて。 やっかんでばかりでわかんなくなっちゃった。 確かに好きって感情もあった筈なのにね。
[あたしの妹はこの夢に姿を現さないのは まだ生きてるからなのかな。…関係ないか。 ……あたしがまじめに向き合う気がないからかな。 いつだって自分のことばかり、逃避してばかりで。
あの子の顔をまともに見たの、いつぶりだっけなあ。 きっと似顔絵を描けと言われたって上手く描けないだろう。]
(182) 2023/08/03(Thu) 22時半頃
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[独り言じみてそんなことを零した後、 髪とメイクを褒めれば仁科が照れくさそうに俯く。
可愛いよ、とそう言いたい。お世辞とかじゃなくて。 どこか憑き物の落ちたような彼女は これからもっと可愛くなっていくんだろう。
それはやはり、祝福するべきことであると思った。]
……ん。またね。
[再会があるかどうかは分からない。 それは分かっていたけれど 同じように答え、ひらり、と手を振って 彼女の元を辞しただろう。**]
(183) 2023/08/03(Thu) 22時半頃
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─死神とスケッチ─
よかった。
[許可が出れば嬉しそうに笑う。]
アリババさんは── 死神・・・スかね。 もしくは、同じ概念の何か……
[人間界では良い意味で使われないことも多いけど]
死者の魂が迷わないように、導く存在。
[自分にとっての死神の概念。
はじめ彼は慇懃に礼をしてお迎えにあがりました、と言った>>1:2が、様相が一変しても、迎えに来たという言葉は変わらなかったから>>1:5]
(184) 2023/08/03(Thu) 22時半頃
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|
ここで1人死ぬ誰かを、迎えに来たんスよね
[黒い翼も、空想の死神を思わせる。 ただし、それは人間の──まさに自分も描いている想像の姿の一つだ。]
死を運んでくるっていうのも、 魂を導くっていうのも、 人間の勝手な考察ではあるんスけど。
[脳裏には体温のない姉の赤い体が浮かぶ]
死神に看取られることは 本来幸運なことなんじゃないかって──
[ただ死ぬよりも、確実に迷わないだろうと]
考察っていうより、その説が好きなんス。
(185) 2023/08/03(Thu) 22時半頃
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|
[視界の端で赤色が動く。 床に転がる林檎の個数が変わっただろうか。
急がねば、時計の針は進んでいる]
だから、
姉が、看取られていたらいいなって思ったら 描きたくなって。
[手が止まる。 アリババが死神でなければいい迷惑かもしれない。 チラリと彼の様子を伺う]
ねがい、スかね。
(186) 2023/08/03(Thu) 22時半頃
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─ ビデオルームを出て ─
[察されることの無い憂いは直ぐに消える。 消した訳ではない、単に表に出すことを不得意とするあまり 自然とそうなってしまったと言うだけのこと。
足早に去りゆく弟の言葉に、そろそろかと。>>175 どこかへと向かう別の黒を見送る。 最後になるかもしれない背中を。
そして回谷が見えたなら常のように軽く頭を動かした。>>173 ぎこちない笑みだなと思えど、それを口にすることはやはりなく。 ただ、黒い瞳を一度その手に落とし。]
田端から返事が返らない。 仁科にも会えればと思うが、ついてくるか? [その両名と今までいた事も知らぬ自分は、そう声をかけ。]
(187) 2023/08/03(Thu) 23時頃
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アリババさんの意向を 無視したいわけではないんスけど。
[何パターンか、彼の姿を写し取るとうーんと考えて]
偽名だろうって、 たば……モルジアナ先輩も、言ってましたけど
ほんとのアリババさんも、描きたいとは思います。 時間が許せば、すけどね
[忙しなく、筆を動かしながらそんなことを**]
(188) 2023/08/03(Thu) 23時頃
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[そういえばメッセージが来ていたなと確認をとると、それは仁科のもので。 文面を読み、なにか打ち込んで。
──結局は送らずに削除した。
三分の一の確率は例え自分と仁科のような関係でも、重い。 自分の心残りはもう伝えられたのだから。]
(189) 2023/08/03(Thu) 23時頃
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── →カフェ ──
[北館ビデオルームから道なりに中央に向かえば階段がある。 それを降りた先は地下。 ミュージアムショップの前を通り抜け、目的の場所へ。 その道筋で田端は見つからなかった。
人はいないが、いくつか物が動いている気がする。きっと誰かがまた使っていた。 一人歩き回って用意された料理を確認すれば、減った跡もある。 子供も好きそうなものばかりだ。きっと、口に運んでいる間皆が日常に戻れていた筈だ。
柊も手伝ったのだろうけど、どうしてこんなにも沢山の品を一人二人で作れるのだろう? 母親すらろくに料理をしない家で育った成海には、まるで魔法のようだった。]
(190) 2023/08/03(Thu) 23時頃
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[本当ならどれもこれも運びたかったけれど。
何の悔いも無く消えるには気がかりな話があった。 少食の身の上に、肌身に刺すような焦燥感が気になっていた。
それでもどうしても、 あの後輩に言ったことを嘘にはしたくなくて。 どんな気持ちだったとしても皆に残してくれたものに 何一つ手を付けないのは、避けたかった。
少し迷った末にスイートポテトを一つ貰って席に座る。 これは冷めても美味しいものだと知っている。 昔、兄も未だ父にとって都合が良い子供だった幼い頃 よく兄弟におやつとして出されたものだ。
福原がまだいた時の食事では、デザートは無かった。 ……だから丁度良いだろう。]
(191) 2023/08/03(Thu) 23時頃
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[キャラメル色の表面に軽く焦げ目がついた、柔らかな輪郭の菓子。
焼き立てではなくなった筈の今も、甘い香りが漂った。 しっとりとした食感、くどすぎない自然な味。
そこまで大きくはない品なのもあるが、簡単に平らげた。 おにぎり一つに時間をやたらかけた気がしたあの時とは、大違いだ。]
(192) 2023/08/03(Thu) 23時頃
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[綺麗に何も無くなった皿を眺め、ふと思い至る。
あの頃の兄は大きいほうのスイートポテトを弟に譲ったり、 お気に入りの標本コレクションを自慢してきたり。 年齢相応の優しさと可愛らしさがあった。
真那とはホテルのラウンジでケーキを食べたり、 美術館にプラネタリウム、数年間の婚約中に色々な場所に行った。 それを、快い思い出として記憶していた。
どれもこれもちゃんと覚えていた筈なのに。
──どうしても自分自身が受け入れ難くて、 彼等へ、冷たい感情以外何も無いような気になっていた。]
(193) 2023/08/03(Thu) 23時頃
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……御馳走様でした ありがとう、福原君
[両手を合わせ、食器を運んでおいた。 また洗う気がない。本当に何もしない男である。
そのままカフェより踵を返した。
自分はまだ、この世界に存在している。 未だ連絡が取れない者を探せる時間があった。]
(194) 2023/08/03(Thu) 23時頃
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── →廊下 ──
[ふと頬に手をやると、もう血は流れていないようだった。
時間経過なのか、大藤が触れたことでも関係しているのか分からない。 少なくとも成海の意志による治癒ではないだろう。
いつ治ったのか、抱き締められる前ならいいと思った。 兄の服に血をつけて許される年齢の弟ではなかったから。
どうにもポジティブな方向性では自分の意志が空間に与える作用は弱いような気がする。 あの時ガーゼが出てきたのが不思議なくらいだった。]
(195) 2023/08/03(Thu) 23時頃
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もう時間もないか。
[見送れるのなら。 骨谷や柊、銀、福原、西門教授。 その人達の生還も見届けることは叶わなかった。
それは自分が砕けた林檎だからだろうか。
宣告もきっともうそろそろな気がしている。*]
(196) 2023/08/03(Thu) 23時頃
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[とうに成人した年齢。 誰に何を渡されたとして、 それだけで今までの積み重ねを越えられない。 フィクションのように一瞬で人が変わることはない。
全ては自分の意志、それが人より脆弱ならば 叶えたり報いようと思う努力を第一歩とし、踏み出さねばならない。
それが生きる者たる自分の義務だろうかと、成海は思っている。 死にたがりのままでは駄目なのだろうと、思い始めている。
果たせるのかなど、覚醒める前に確信出来はしない。 けれど貰ったものは全部、捨てないでしまってある。 応えたくなったものも、どこか自分には眩しすぎたものも。]
(197) 2023/08/03(Thu) 23時頃
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|
[……田端は、見つからない。
そうこうしている内にいつの間にか知らない場所に迷い込んだようだ。 通った覚えのある通路部屋が見当たらない。 振り返るとそこは、壁。退路を塞がれた。
真っ直ぐに続く道は無機質なコンクリートに変わっており、水で濡れて色濃く変わっている。 湿った香りが、雨が降った後であることを示していた。
その最奥に、絵画が飾られていた 額縁の下の札によれば名前は──「光明」 目隠しをされた白い服の若い男性、小さな台と敷かれた藁。 そして、斧を持っている黒服の女性。
有名な作品によく似ているが 記憶のものとは性別が反転しており、描かれる人物が少ない。 そして、タイトルも違っている。
こんな絵は果たしてこの美術館にあっただろうか? 覚えが無いのは、まるで遠いことのようだからなのか?]
(198) 2023/08/03(Thu) 23時頃
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[顎に手を添え思考していた時 ──瞬き程度の時間で、周囲の様子が一変する。
スポットライトの当たるステージ、 見下ろすように無数に並んだ赤い座席が後方にある。 芸術劇場、という言葉が浮かんだ。
その舞台上、袖近くで 成海は白い服を着て立ち竦んでおり 傍らには藁の上に置かれた小さな台が存在した。]
(199) 2023/08/03(Thu) 23時頃
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|
……まだ、
[続いていたのか。俺の悪夢は。 反対側の舞台袖から現れた天原真那を眺め、微笑んだ。
真那の装いはワンピースから黒いドレス姿へ。 血液ではなく、本来の色のように見える。
年上の彼女も今ではとても頼りない少女にしか見えない。 その細い腕が、斧を引き摺っていた。
自然と膝をつき、首を差し出すように項垂れた。 あの台へ押さえつける司祭はいないのだから。]
(200) 2023/08/03(Thu) 23時頃
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[一歩、一歩。 固く鋭いハイヒールの足音と 床と斧が擦れる音が、近づいてくる。
彼女は何も言わず、カラスアゲハは舞わない。 全ては成海の意志の変化に影響したことだ。 これから行われる、絵画の再現も。
虐げられ罰せられるのは求めるが故に。 けれど、無意味な夢の中の死は望んでいなかった。 本物の終わりしか、見ていないはずだった。
望みは打ち砕かれ、生きることを誓った。 その上で擬似的な終演を感じ覚醒めるのならば。
もう自傷ではなく。 通過儀礼といってもいいのかもしれない。]
(201) 2023/08/03(Thu) 23時頃
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[音が全て止まった。
決して顔をあげようとしないのに、 あの黒く丸い目が自分を見下ろしているのだと分かる。
重い斧を持ち上げようとしている。 だから、最後に。本物ではないと知っていても]
(202) 2023/08/03(Thu) 23時頃
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こんなことをさせてしまってすまない 俺は今も、君に手を引かれていた子供のままだった
……真那さん、ありがとう ──君のことが好きだったよ
[それは恋も愛も熱烈な執着も宿らない。 ただ一人の人間との未来を想って細やかに向けていた。
確かにあった、温度。]
(203) 2023/08/03(Thu) 23時頃
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[斧が振り上げられ、刃が首に触れたような気がした瞬間。
真の断頭は為されず、成海の意識は白く沈んだ。*]
(204) 2023/08/03(Thu) 23時頃
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― ビデオルーム周辺 ―
[タイミングはちょうどだったらしく 共にビデオルームから出てくる二人を見遣り―― さっき高祈の背後に見えてたものが 消えていることにほっとした>>175 高祈自身も…まあ表情は普段通りだけど 聊か元気になったように見えて。
あれから何かあったんだろうな。 勿論探るような無粋はしないけど。]
(205) 2023/08/03(Thu) 23時頃
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……へっ、あっ、ど、どうも???
[返す、という物言いに一瞬だけ 先程まで感じていた恐怖心が飛び。 裏返った声で答えてしまう。
むろん大藤は別に己の所有物ではないし、 言葉のあやだろうとは思ったけれど。 動揺する自分を他所に先輩二人は平然としている。
ともあれ、軽く頭を下げて高祈を見送った後 大藤の方を見て。]
(206) 2023/08/03(Thu) 23時頃
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あ、はい。行きます。 仁科ちゃんならまだエントランスに居るんじゃないかな。 田端先輩は……えっと……返事返って来ないのは たぶん今こどもになってるからじゃないかなって……
[あの幼児がスマホを使えるとは思えない。 生憎今田端がどこにいるかどうかはわからないのだが 二人について自分が知っていることを話し。
先程顔を合わせてきた自分とは違い、 彼も話をしたいのだろうから。 大人しく着いていくつもりでいる。**]
(207) 2023/08/03(Thu) 23時頃
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素っ頓狂な声だな。
[高祈の言葉に上がった、裏返る声には >>206 聞こえるか聞こえないかの大きさで呟いた。
エントランスに仁科が残っているらしいことを聞けば 顔を見るくらいは出来るかもなと、一二歩歩を進めて。]
………繋ぐか?
[唐突に、手を差し出す。*]
(208) 2023/08/03(Thu) 23時頃
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―現在: ―
わたしを 。
[そこはどこだったのでしょうか。 元の声で、朗々と響かせるように紡ぐ声。 それは一遍の詩でした。 小学生の田端が胸に抱えていた詩集にあるうちの一つ。 新川和江という女性詩人の、広く未来に拡がる詩だと田端は思っていました。 私を決めつけないで欲しい。 何かの型に当てはめないで欲しい。 私は自然と共になる。 私の価値は私が決めるのだと言う、田端自身の決意にもにた歌に思えていたのです。 5連あるうちの四つまでを読み上げて、田端の声はそこで途切れました。]
(209) 2023/08/03(Thu) 23時半頃
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…………四年が三人残ればよかったのにね。
[後輩が一人、最後に残ってしまったからこぼれた言葉でした。 生き残りたい。生きていたい。 もし生き残って、その価値を譲ってあげたくても譲りたくはないのです。 けれど、後輩の女の子が残るのは少し可哀想でした。 だからと言って大藤が死ねば良いとも思えません。 でも、年下が苦しい思いをするよりも、同じ年齢の奴ら三人残るのなら受け止め方も違うのにと、残される側なりに考えてしまいました。 死にたくない。死なせたくない。でも、変わらない。 結末は変わらない。 それなら、やっぱりこれは本当に慈悲なのでしょうか。 だから、田端から別れの挨拶をしに行ったりはしません。 死は残す方も残される方も辛いのだと知っているからです。 それなら。 多くを知らない方が良い気もするのです。]
(210) 2023/08/03(Thu) 23時半頃
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[声はそのまま消えてしまいます。 それはとても穏やかなものでした。]*
(211) 2023/08/03(Thu) 23時半頃
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へっ!?!?
[ぼそっと呟かれた言葉は聞こえなかったものの 唐突に差し伸べられた手に 更に変な声が出た。>>208
いや、彼の方から言われるとは 思っていなかったもので。 むずむずと口元が緩むのは許してほしい。]
………… 繋ぎます…………
[おずおず、その手に自分のそれを重ねて、 先程彼がそうしたようにきゅっと握る。*]
(212) 2023/08/03(Thu) 23時半頃
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>>184
オレは、死神みたいなものだ。 キミの思うような色で間違いないと思うよ。
[嬉しそう彼女に微笑みかけた]
迷わないように、だな。 間違っても、彷徨わないように、
(213) 2023/08/03(Thu) 23時半頃
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>>185 そう もし、彷徨ったとしても、連れていくまでは見守る存在。 それでいいと思う。
[彼女の心に浮かぶ存在が視える。 確実に迷わないように、そう、彼女も]
いいね、そういう風に考えるのは。
[そ、その時。>>185 零れた言葉には返事はあえて返さない]
願うことは、叶うことだよ
(214) 2023/08/03(Thu) 23時半頃
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素直だな。
[隠しているつもりか、そんなつもりも無いのか 素直に口元がムズムズしているような表情が見て取れた。 一瞬吹き出しそうになって顔だけ逸らして耐え、 手を繋いだならそのまま、生還する仁科に会いに行こう。
言葉も多く交わすことは出来ないだろう。 会いに行くことさえ、置いていく側としては重荷かもしれない。 それでも仁科は「話しましょう」と言ってくれたから。]
(215) 2023/08/03(Thu) 23時半頃
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>>188
まぁ、偽名だね。 だが、キミに教えるわけにはいかないんだ。
だから本当のオレが描いてもらえないのは残念だが、 許してくれ。
[そして、彼女に近寄り囁いた]
(216) 2023/08/03(Thu) 23時半頃
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─ エントランス ─
[目覚めてしまう前に、顔を合わせるくらいは間に合ったろうか。 林檎は自分が見た時よりも数多く樹に戻っている。 あと三つ。いや、残るはあと二つ。]
話すのは上手くない。 大したことは、伝えられないが。
[普段、口数の少ない自分が言葉を選び真っ直ぐに向ける。]
ありがとう。
[メッセージから読み取れる、仁科なりの気遣いへの感謝。 また会えるか、これが最後か。 自分か、回谷か、田端か。 天使の宣告はきっとすぐそばで*]
(217) 2023/08/03(Thu) 23時半頃
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どーせ顔に出ますよ。
[今ちょっと笑いそうだったでしょ。 咄嗟に顔を逸らす大藤をジト目で見上げたものの。>>215 やはりこうして手を繋いでいると 感じていた心もとなさが解けていく。
ほ、と少し緩んだ表情になりつつも 再びエントランスにとんぼ返りしたろうか。
仁科が還るまでに間に合えば 空いている方の手を振りさっきぶり、と言ったものの。
基本的には口を挟まず、大藤の見送りを聞いているつもり。**]
(218) 2023/08/03(Thu) 23時半頃
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[そういえばあまりに普通に聞こえたからスルーしてしまったが。 田端が今、子供になっている…? >>207
一体どういうことなのか。 自分の生死がどうであれ、探し出さねばなるまい。 向こうに会う意思が無ければそれも難しい世界かもしれないが**]
(219) 2023/08/03(Thu) 23時半頃
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アリババは、狐は役目を終わると、駆けていく。*
2023/08/03(Thu) 23時半頃
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─夢の終わり─
[スケッチブックに描かれた白黒の絵。 色つきの絵具があればよかったけど、骨谷先輩や田端先輩のような魔法はやっぱり使えなかった。]
どうか 安らかに
[だれに向けてか、なんだか宗教画みたいだと思う。 塗りつぶされた逃れられぬ死の運命。 身体と魂を切り離す刃。 黒翼の紳士が手を差し伸べて連れて行くのは魂の在るべき場所。
満足したせいか、意識がどこかに引き戻されていく感覚。 それは逆行して眠りに落ちるようでもあり。]
(220) 2023/08/04(Fri) 00時頃
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[寸前に見えた大藤先輩とこころ先輩に手をあげる。 手を繋いでいてびっくりしたけれど。
大藤先輩の、不器用な声が届く。>>217 話しに来てくれたことに喜色を乗せて、お辞儀する。
再開を祈ることも別れも告げず“よかった、話せましたね”と、言ったはずだが消えかかっているものだから、それは音になったかどうか。
視界は白く塗りつぶされた**]
(221) 2023/08/04(Fri) 00時頃
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[林檎のそばに、ぱたりと落ちたスケッチブック。
何枚も書いた美少女のラフ。 黒翼の紳士も、ラフとして何カットか描かれているけれど それはちっとも恐ろしい絵ではなく、 模写の対象として描かれたもの。
教えるわけにはいかないと 彼の囁きには、「それは残念」と笑ったと思う。
裏表紙にこっそり描いた絵は、モデルに差し上げよう。 死神と少女を仕上げた後に、 時間の許す限り描いた、ちょっと優しい紳士の姿を**]
(222) 2023/08/04(Fri) 00時頃
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