14 冷たい校舎村10
情報
プロローグ
1日目
2日目
3日目
4日目
エピローグ
終了
/ 最新
1
2
3
4
5
6
7
8
[メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
視点:
人
狼
墓
少
霊
全
マナに1人が投票した。
ユンカーに5人が投票した。
ユンカーは村人の手により処刑された。
時は来た。村人達は集まり、互いの姿を確認する。
ヘイタロウが無残な姿で発見された。
現在の生存者は、こころ、マナ、ワカナ、ハルミチの4名。
キーンコーンカーンコーン…………
(#0) 2021/11/13(Sat) 00時頃
──午後8時50分
そしてまたチャイムが鳴る。
すっかり凍り付いてしまった校舎で、
またひとり、ふたりと誰かが消える。
墨鳥雄火と石頭幣太郎が見当たらない。
(#1) 2021/11/13(Sat) 00時頃
そして、4度目のチャイムが鳴ったとき、
君はもう理解しているはずだ。
──そう。ここは、君の世界。
すべて、君が望んだものだった。
君が望んで、作り上げた。
どうだろう。文化祭は楽しかった?
ひとつだけ、それさえあればと語ったすべてが、
ここに欠けることなく存在できていたのだろうか。
(#2) 2021/11/13(Sat) 00時頃
……どちらにせよ、決断の時はやってきた。
君の作り上げた世界もまた、
もうどこか壊れはじめている。
気づいているだろう。
もうじき誰もいなくなる。
君以外誰も、この世界に留まれやしない。
だから君も選ぶのだ。
悩みはない、けれど誰もいない世界に一人留まるか、
一度は捨てようとしたすべてと、仲間の待つ世界へ帰るか。
もう時間はあまりないけれど、
どうか君にとって悔いなき選択を。
(#3) 2021/11/13(Sat) 00時頃
冷たい校舎の時は────、
(#4) 2021/11/13(Sat) 00時頃
|
[ 少しの間その空間を楽しんで、 わたしは再びエレベーターに乗った。]
(0) 2021/11/13(Sat) 00時半頃
|
|
── それから ──
[ まずは腹ごしらえである。 ほとんど間食といっていい時間に、 わたしは友だちが残した食事をとった。
栄養満点品数たくさんの食事。>>2:437 わたしの思う朝食の量を遥かに超えており、 結果的には朝昼兼用でよかったかもしれない。
作ってくれた人がもうここにいなくても、 手を合わせて元気に「いただきます!」をして、 最初に手を付けたのはヨーグルトだった。
好きなものは最初に食べる派──だけど、 友だちの作ったごはんはどれもおいしかった。
叶うならわたしだっておかわりがしたい。 自分の胃の容量を少し恨めしく思う。]
(1) 2021/11/13(Sat) 00時半頃
|
|
[ まなちはどこまで付き合ってくれたか。 おなかがいっぱいになったら、 今度はわたしも文化祭準備をしようと思う。 遠くない未来、8時50分が訪れるのを知りながら。]
(2) 2021/11/13(Sat) 00時半頃
|
|
[ それから──── * ]
(3) 2021/11/13(Sat) 00時半頃
|
|
―― 欠片の揃う時 ――
[石頭くんと別れたあと何をしていたかっていうと、 要は有言実行しようと思って、 食堂からパンケーキの材料を揃えて、 調理室でもくもくと作ったんだ。 今いる人数分よりちょっと多いくらい。
卵はやっぱりうまく割れない。 潰れた黄身の上に乗っかった殻の欠片を取り除くのはちゃんとやる。
しばらく調理室からはふわふわと甘い香りが漂っただろう。 そうしてできたパンケーキを教室に置いていったり、 あるいは会ったみんなに渡したり、できただろうか]
(4) 2021/11/13(Sat) 01時頃
|
|
[その時までは平和だったんだよなあ。
調理室の片付けをひとりでしていると。 ふいに足元でぐしゃっという音がした。 転がってきた卵をいつの間に踏んじゃってたらしい。 慌てて足をどけて、殻の欠片に塗れたそれを見た。
猫のぬいぐるみの片方の耳だった。 可愛いリボンのついてる方。
パーツがこれしかなくても分かった。 これは、妹の、依緒の大事にしていたぬいぐるみの耳だ。 でもなんで片方しかないんだろう。
なんでこれがここにあるんだろう。 五体満足(?)な姿で、 平塚ちゃんがちゃんとサイズを測ったうえで作ってくれた服を着て、>>2:314 妹の部屋にいるはずなのに]
(5) 2021/11/13(Sat) 01時頃
|
|
……決まっている。 それがきっかけだったからだよ。
(6) 2021/11/13(Sat) 01時頃
|
|
このパーツだって伝えたいんじゃないのかな。 「私が壊してしまったものを忘れるな」って。
(7) 2021/11/13(Sat) 01時頃
|
|
[………そうだ。 この世界で何を壊すこともないよう、 気をつけながら立ち続けることに疲れたのも、 文化祭の思い出を胸に飛んで行こうと思ったのも、
ぜんぶ、私だったじゃないか。
ふと時計を見れば、もう、 チャイムの鳴るだろう時間が近い。 夜の。八時五十分。
開かない窓。遠い地面。 それでも星は近くにあるだろうか。 そのはずだ。私が望めばそうなるんじゃない?]
(8) 2021/11/13(Sat) 01時頃
|
|
[なんだかむしょうに星が見たくなって、 上を目指した。
3Fに辿り着いたあたりでチャイムが鳴った。 その残響もかき消すんじゃないかって勢いで、 廊下に落ちてた卵が、 クラッカーもかくやという音を立てて割れ始めた。 中からはもう何も出てこなくて、 バラバラになった殻の欠片だけが残る]
(9) 2021/11/13(Sat) 01時頃
|
|
[そうして、照明が落ちたかと思えば、 校舎(せかい)のすべてが星空に包まれていく。 その現象には時間差があるみたいで、 下の階から順番に、偽物の星空が覆っていく。 どこにいてもプラネタリウムが見られるみたいになっていく]
(10) 2021/11/13(Sat) 01時頃
|
|
[チャイムの音に心を動かされて3Fを歩き回った。 音楽室の異変に気付くのは簡単なことで、>>3:253 チャベルを象ったみたいに飾られた部屋を歩き回った。
そのマネキンはどう考えても主役のいる場所じゃないところにあって、>>3:254 静かに血を流していた。 自ら首を掻き切ったみたいだった]
石頭くんもかあ……。
[数時間前まで喋ってたクラスメイトが物言わぬ姿になっている。 それを見ても心は切り刻まれたようにならないし、 今回は運ぼうとも思わなかった。 彼の心の声が届いたわけではないけれど。>>3:144
放っておくことを決めた私の頭上でも、 偽物の星々が瞬いていく。 目をそらす]
(11) 2021/11/13(Sat) 01時頃
|
|
……そっか。 みんな帰っちゃうんだねえ。 《孵》
(12) 2021/11/13(Sat) 01時半頃
|
|
[楽しいことは永遠に続かない。 それに気付いちゃったから私、全部を夜に包もうとしている。
ただのわがままだなあ。 でも綺麗じゃん。 古香ちゃんだって世界の全部がプラネタリウムになったら、 もっと喜んでくれたり……は、ないか。
やっぱり本物の星空が見たい。 その気持ちに抗えなくって、 もう一階層ぶんエレベーターを動かす]
(13) 2021/11/13(Sat) 01時半頃
|
|
―― 屋上 ――
[扉の鍵を開ける方法。 ナンバーつきの鍵を正しく開けるための四桁は、 きちんと覚えている。
かちゃかちゃと数字を揃えにかかっている。 焦っているのかなかなかうまくいかないけど、 鍵を外せるのも時間の問題と思われた**]
(14) 2021/11/13(Sat) 01時半頃
|
|
[ ──調理室に立っていた。
甘い香りに釣られた──わけではないけれど、 たどり着いた先に友だちの姿を見たなら、 「わたしもやるー」って何気なくそこに。>>4
調理台の平らな面に、 軽く握った卵をこつんとぶつける。
なんの装飾も施されていない卵から、 鮮やかな黄色がどろりとボウルに落ちていく。
きれいな丸を保った黄色を、 同じ手で潰して、混ぜて、混ぜて。]
(15) 2021/11/13(Sat) 01時半頃
|
|
[ その様子を見ながら思うのは。
卵を割れば猫耳が出てくる。 それを知っていたとしても、 わたしはそれを割る気にはならなかっただろう。
ポケットの中身。 いつの間にか、声は聞こえなくなっていた。 生まれることなく死んじゃったみたいだ。 わたしはそう思い、自分の選択を少しだけ疑う。]
(16) 2021/11/13(Sat) 01時半頃
|
|
[ おなかはそれほど減っていなかったけれど、 甘い香りに誘われるように、 何もつけないままのパンケーキを食べて。
文化祭の再現であるなら、 わたしは調理室と教室とを繋ぐ廊下を、 すいすいと往復するべきなのだろうけれど、
わたしたちの喫茶店は、 どこ≠ニもつかない浮遊感の先にあり、 ……結局、店員さんにお届けは叶ったんだっけな。
それが叶っても、叶わなくても、 またひとつあの日に近づいた文化祭。
片付けなんてすべて終わってからでいいじゃない。 わたしはそのとき、2階にいた。]
(17) 2021/11/13(Sat) 01時半頃
|
|
[ 広々としたエレベーターに乗り込み、 わたしは迷わずに2のボタンを押した。
廊下に降り立ち、周囲を見回す。 あの日の光景がよく再現されている。 そっくりそのまま持ってきたみたいに。
行き先ははじめから決まっていたから、 わたしは迷うこともなくその教室にたどり着く。]
(18) 2021/11/13(Sat) 01時半頃
|
|
[ ──プラネタリウム。 あの日はあんなに盛況だったのに、 今はぽつんと投影用の機械があるのみ。>>2:113
今なら夜空を独り占めできちゃうなあ。
そんなことを考えもしたし、 触ってみれば機械の動かし方もわかる気がした。
……どうしてそうしてしなかったんだろう。
明るいままの部屋に立ち尽くしていた。 ちょうどそのときだった。チャイムが鳴った。]
(19) 2021/11/13(Sat) 01時半頃
|
|
[ なにか≠ェ壊れる音がした。]
(20) 2021/11/13(Sat) 01時半頃
|
|
── 午後8時50分 ──
[ わたしのポケットの中から? あるいは、そこらじゅうから。 破裂するような音がはじまりだった。
ポケットの中を、足元を確認するより先に、 突然、世界から光が消えた。>>10
声も上げずにただ立ち尽くすわたしの視界に、 少しして、いつか見たような星空が広がる。]
(21) 2021/11/13(Sat) 01時半頃
|
|
────わかにゃん?
[ わたしにその星空を見せてくれるのは、 ほかの誰でもない、君だって思っていたの。
そして、すぐに気がつく。 星空が覆うのはこの教室だけではない。 わたしのそば──たとえばその機械の近くに、 君の姿があるわけじゃないということも。]
(22) 2021/11/13(Sat) 01時半頃
|
|
[ 改めて突きつけられたような気がした。 この世界が誰かのこころの中だということ。 その誰かはきっと、わたしたちに遺書を送った。 君自身の手で、すべてを終わらせてしまう覚悟で。]
(23) 2021/11/13(Sat) 01時半頃
|
|
──和歌奈ちゃん?! ねえ、みんな?!
[ 気がつけば床を蹴って、 その教室を飛び出していた。
誰かいないかと周囲に目をこらしながら、 半ば闇雲に廊下を走り、声を上げる。
優しい誰かが準備したエレベーター。 わたしたちを等しくすべての階に運ぶもの。 それさえも今のわたしにはもどかしく、
きっと、誰かにばったりと出会うまで、 わたしはそうして誰か≠探していただろう。**]
(24) 2021/11/13(Sat) 01時半頃
|
|
── 回想:路子 ──
引っ叩く?私が?路子を? …… そうだなぁ。
[ 仮定の延長はもう少し続いて。
錯乱したら。>>2:203 普段は耳に慣れない響きだが。 こんな摩訶不思議な状況だ。 仮定で収まらない方が稀だろうに。 私のクラスメイト達は豪胆だ。 誇らしい気持ちを抱えつつ、 少しだけ、時間を空けて。]
(25) 2021/11/13(Sat) 08時半頃
|
|
抱きしめるのなら、請け負おう。
[ そちらの方が役得だろう?
そう言って、猫みたいに目を細めると 悪戯っぽく笑みをこぼした。 ]
(26) 2021/11/13(Sat) 08時半頃
|
|
[ 駆け付けたい。>>206
君の言葉はいつだって じわりと胸を暖かくして灯してくれる。
ありがとうでは足りない想い。 他にこの気持ちを伝える言葉があれば良いのに。 結局見つからないまま、 私は君に、不器用な言葉を伝えるしかない。 ]
私は駆けつける脚を持たないが。 君が私を見つけてくれたように、 私も君の事を見つけたい。
そんな風には思っている。 ─── ずっとずっと思っていたよ、路子。
(27) 2021/11/13(Sat) 08時半頃
|
|
[ 星を輝かせてくれたのが和歌奈である事。 本人から聞いてくれたが。 路子の為というのは初耳だった。
ふふ。和歌奈は良い奴で、路子も良い奴だ。 だから自然と誰かの為に、 何かをしたくなるのだろう。
そんな囁きに付け加えて。 ならば七星も巻き込まなければいけないなと 気付けば真梛は、いつかの話を口にして。 ]
(28) 2021/11/13(Sat) 08時半頃
|
|
男子はどうしようか。 じょしかい≠貫くべきか、 だが美しいものは、 みんなとわかちあった方が楽しい ……
[ そんな話をしながら、エレベーターに乗り込めば。 結論が出る前に、チンと軽い音が鳴る。
予想通り、私達を迎えてくれたのは 見覚えのある猫カフェと。 これは予想外か、たった一人の店員で。 ]
(29) 2021/11/13(Sat) 08時半頃
|
|
[ 私達も店員として参戦したのか。 それとも客としてもてなしてもらったのか。
それはいずれ再会できた際に、 ゆっくりと語らうとしようか。 ]*
(30) 2021/11/13(Sat) 08時半頃
|
|
[ 卵がある。
冷蔵庫を開けて半熟のスクランブルエッグに 眸を数度瞬かせた後。
頂きますと手を合わせて。 春雨スープとヨーグルトを頂いた。
咀嚼して、飲み込んで。 とても美味しかったと。 …… 果たして君に伝えられる日は来るのかと。 脳裏に浮かべた、陽に透けた輝きを想う。 ]
(31) 2021/11/13(Sat) 09時頃
|
|
[ 食事の後で路子とは別れた。>>2
増え続けるマネキン。 次に会える保証などないのに。 それではまた、と。 当たり前に明日が来る日常のように。
微笑みを伴って手を振れば、 路子も同じ笑みを返してくれただろうか? ]
(32) 2021/11/13(Sat) 09時頃
|
|
[ チャイムが、鳴る。 ]
(33) 2021/11/13(Sat) 09時頃
|
|
[ 星がひとつ、またひとつと、造られる。 誰かが造った人工の光。 はるか過去から届けられる本物の輝きではなくとも。
─── それを美しいと思う心は、 間違っているのだろうか? ]
(34) 2021/11/13(Sat) 09時頃
|
|
[ エレベーターに乗り込んだ。 最初は少なからず警戒していたはずの箱。 慣れた仕草で、操作する。
目指すのは屋上。 私が求めていた場所。 だってこんなに綺麗なのだから。
いなくなるなら、こんな空の下がいい。 ]
(35) 2021/11/13(Sat) 09時頃
|
|
…… ままならないな。
[ エレベーターを降りて。 先客の姿にふ、と息を吐き、苦笑する。>>14
ここにはいつも誰かがいるから。 結局真梛の目的は果たせていない。>>2:72 今回も結果は同様だと。 そのまま引き返そうとした車椅子を止めると。 せっかくすれ違わずに済んだのだからと、 後ろ姿に声をかける。
星を創るその人に。 知ってか知らずか、真梛の望みを先に叶えた君に。 大切な、クラスメイトへ。 ]
(36) 2021/11/13(Sat) 09時頃
|
|
屋上から飛び降りるのは、どんな気持ちだろう?
(37) 2021/11/13(Sat) 09時頃
|
|
[ 扉はもう開かれていただろうか? それならその先から。 そうでなければ、脳裏に浮かべて。
空に輝く満天の星々を、想う。 ]**
(38) 2021/11/13(Sat) 09時頃
|
|
── 回想・日中 ──
あは、ハグで落ち着かせてくれる? 小さい子をなだめるみたいに。 そっちのほうがあったかくて、いいねー
[ クールな言葉がちょっぴり独特で、 とびきりお茶目なわたしの友だち。
彼女よりもずいぶん大きなわたしは、 そんな彼女のWIN-WINらしい提案に、 少し甘えた口ぶりで言ってくつくつ笑った。>>26]
(39) 2021/11/13(Sat) 11時頃
|
|
心配しないで。 わたし、強いから。
頑張っているつもりもなければ、 疲れて打ちひしがれることもない。
──って、自信満々に思ってたんだけどー わたしにはまなちのハグが必要だったみたい。
[ だから、手始めにひとついいかな? しゃがんで、彼女より小さくなって、 腕だけは大きく広げて、ほらハグは? なんて。
視線の高さの差が埋まって、君との距離が近くなる。 きれいな黒色の瞳がいつもよりよく見えた。 それは思った以上にあたたかな色をしていた。]
(40) 2021/11/13(Sat) 11時頃
|
|
……駆けつけるための脚がなくたって、、 まなちはいつだってわたしのこころにいるよ。 そのぶん、君は言葉を尽くしてくれるじゃない。
[ これだけ近ければ大きな声を出す必要もない。 囁くような声音で言って、頬を緩めたわたし。]
これからも思っていてよ。 それで、わたしを抱きしめにきて。
わたし、平らな地面が好きなの。 そのほうがうんと自由に駆け回れるから。
(41) 2021/11/13(Sat) 11時頃
|
|
[ 探し出される前にわたしのほうから、 君の胸に飛び込んでしまうかもしれないけど!
冗談みたいな口調で言ったけれど、 それらは全部本当のところ。わたしのこころ。
よいしょと立ち上がって、 わたしはスカートの裾をそっと直す。]
(42) 2021/11/13(Sat) 11時頃
|
|
んー、いいんじゃないかなー もういっそにんげんかい≠ナ。 星空は誰が見たってきれいだよ。
[ 解説はわかにゃんに頼もうね。 できればみんな揃ってがいいから、 楽観的な話をするのであれば、元の世界で。
エレベーターに現れたふしぎなボタン。 それを押し込みながら語った。 まだあるともないとも言えない未来の話。]
(43) 2021/11/13(Sat) 11時頃
|
|
[ またあとでね。
チャイムが鳴るたびに状況は移ろう。 また会えるという確証もないこの世界で、 わたしはにっこり笑って手を振った。>>32
日が沈んでいくことも、星が瞬くことも、 雪と雲に阻まれて見えづらい窓の外。 それでもやっぱり夜は訪れる。*]
(44) 2021/11/13(Sat) 11時頃
|
|
── 現在 ──
[ 心臓が早鐘を打つ。
ありきたりな慣用句がよぎるほどに、 わたしは動揺しているらしかった。
誰もいないの? エレベーターを呼ぶボタンをしきりに押す。
みんな、わたしを置いてっちゃったの? そんな思考がほんの一瞬だけよぎって、 すぐさま思う。違う。ここはわたしの世界じゃない。
わたしの世界に、きっと星は瞬かない。 そして、そのことから思い浮かべるのは、 やっぱりたった一人、君の顔なの。和歌奈ちゃん。]
(45) 2021/11/13(Sat) 12時半頃
|
|
[ 永遠にその扉が開かないかと思った。 その優しい機械が故障してしまったのかと。
きっと実際にはほんの短い時間だったんだろう。 エレベーターが到着する音が廊下に響き、 ゆっくりとその扉が開かれていく。
待ちきれないというふうに飛び込もうとして、 わたしは視界いっぱいにその光景を見た。
そこにすでに乗り込んでいる人があっても、 わたしの視線はまずそこに吸い寄せられる。]
(46) 2021/11/13(Sat) 12時半頃
|
|
[ 到着した箱の中、球体を抱える人形がある。 バスケットボールだ、と思う間もなく、 わたしの脳はそれを誰だか認識した。
わたしよりも小さな体を持つ君。 ね、気性の荒い猫とでも出会ったの? それにつけられた引っ搔き傷を見て思う。
尋ねても答えは返ってこないだろうし、 もしも君に意識があったとして、 答えるより先に笑われちゃった気もする。]
(47) 2021/11/13(Sat) 12時半頃
|
|
ゆっ……雄火。 驚かせないでよ、もー……
[ 驚きに顔を引きつらせたわたしは、 それが誰かを理解して大きく息を吐いた。]
(48) 2021/11/13(Sat) 12時半頃
|
|
……君もどこかに行こうとしてたの? たどり着けたのかなあ、そこに。
[ やっぱり当たり前みたいに声をかけながら、 わたしはその箱に乗り込んだ。
そこに同乗者はあったか、 あるいは途中で乗り込む人はいたのか。
ひどく驚いて、逆に少し落ち着いたわたしは、 行き先ボタンを眺め、そのうちのひとつに指を伸ばす。]
(49) 2021/11/13(Sat) 12時半頃
|
|
[ 飛んでいける わたしたち、翼も持っていないのに?
星々に囲まれた校舎の中で、 誰かさんが残そうとした言葉を思い出して。
孵らなかった無数の卵たち。 あるいは目には見えないだけで、 なにかが飛び立っていくところなのだろうか。
ポケットの中、薄く尖った感触を確かめながら、 わたしを屋上へと導くボタンを押し込んだ。]
(50) 2021/11/13(Sat) 12時半頃
|
|
[ その扉が再び開くとき、 わたしが目にするのはきっと、 先客二人分の背中だ。>>38*]
(51) 2021/11/13(Sat) 12時半頃
|
|
[死んだのが俺だったらよかったのに。]
(52) 2021/11/13(Sat) 15時頃
|
|
[ただの代替品。
15歳までしかなかった兄。 15歳からまだ先がある俺。
どちらが望まれていたかなんて、 聞くまでもない話だった。]
(53) 2021/11/13(Sat) 15時頃
|
|
[時間が経つにつれ、兄の記憶は薄れていくのに。 兄が残したものは、輝きを増していくようで。
品行方正で優秀だった成績も。 誰にでも優しく愛想のいい笑顔も。
どんどん俺には、手が届かなくなっていく。]
(54) 2021/11/13(Sat) 15時頃
|
|
[年齢と身長だけは、兄を追い越して。
お下がりだった服は全部着れなくなった頃に、 兄が行くはずだった高校に進学した。
家はまた荒れていったけど、 入学前に亡くなった生徒を覚えてる者はいなくて 俺はまったく兄の名残がない場所を手に入れた。
それなのに気づけば、 事あるごとに兄と比較してしまう。 やりたくもないのに、まるで呪いのように。
──その度、思わずにいられなかった。]
(55) 2021/11/13(Sat) 15時頃
|
|
── 教室 ──
[夜がくる音が響き渡り。>>#0]
あ、チャイム。
[俺はまだ校舎に居た。猫の着ぐるみ姿で。]
(56) 2021/11/13(Sat) 15時頃
|
|
[うっかり卵を踏んづけて割ってしまったあと。 教室でぼんやりしてたら、 河合がパンケーキを持ってきて。>>4 朝食のあとはまだ食べてなかったことに気づいた。 古香と作ったのだということも、聞けただろうか。>>15
腹ごしらえをしたあとは、 3-2教室に到着した夏見似人形を見にいったり。 演劇部倉庫から探し出せた猫の着ぐるみを 教室まで持ち帰って、着てみたり。
しているうちに、チャイムが鳴って。]
(57) 2021/11/13(Sat) 15時頃
|
|
──っ、なんだ?
[続いて、廊下で何かが弾ける音。 着ぐるみ頭があちこちにぶつからないよう注意しつつ 教室の扉から顔を出せば、 そこには割れてしまった卵の残骸があり。 ふ、と前触れなく照明が落ちた。]
(58) 2021/11/13(Sat) 15時頃
|
|
次は停電かよ……って。星?
[上を見れば天井に小さな光が点々としていて 校舎の中なのに、まるで星空のように見えるそれは プラネタリウムというやつだろうか。 とにかく大きく様変わりした校舎内を確認するべく、 教室を出ながら記憶を辿る。
確か、プラネタリウムをやってたのは最終日の午後。 文化祭の終わりが近づいてるのかもしれない、なんて。]
(59) 2021/11/13(Sat) 15時頃
|
|
[エレベーター前に着いて表示を見れば、 それはちょうど今、動いていて。>>13 最上階で止まったようだ。
少なくとも誰かがそこにいるんだろう。 「飛んでいける」と、送ってきた主か。 それとも、それに気づいた別の誰かか。
星明りの中で、エレベーターが戻ってくるのを待ち。 扉が開いた箱に乗りこもうとして、ぎょっとした。]
雄火……ああ、そっか。
[エレベーターにいた先客は、 ボールを抱えたクラスメイト似の人形で。 数時間前まで話してたその口は、もう喋ることもなく。]
(60) 2021/11/13(Sat) 15時頃
|
|
悪いな、すぐ運んでやれなくて。
[やりたいことは、やれたんだろうか。 皆のいる3-2教室へ運んでやれないことを謝りながら。 傍らにしゃがみこんで いつかのようにその頭をぐしゃぐしゃに撫でてやれば。
いつの間にか動き出してたエレベーターが2Fで止まり、 乗りこんでくる気配に、狭い視界を向けた。>>46]
(61) 2021/11/13(Sat) 15時頃
|
|
[見えたのは、古香の驚いた顔。>>48>>49 着ぐるみ姿に言及があったかは、さておき。
さも自然に雄火似の人形へ向ける いつもの古香らしい声を聞けば、 無意識に張ってた緊張感がほどけた気がした。]
……屋上、誰かいるみたいだぞ。 さっきエレベーターが止まってた。
行ってみるか?
[そう教えたなら、 行き先ボタンの迷いはなくなっただろうか。>>50]
(62) 2021/11/13(Sat) 15時半頃
|
|
[そうして、エレベーターが屋上に着いたなら>>51 雄火の傍らから立ち上がり。 古香の後を追うように、扉から出ただろう。**]
(63) 2021/11/13(Sat) 15時半頃
|
|
── 現在 ──
[ そこに、驚きがもう一つ。
当たり前のように声をかけてくる猫に、>>62 わたしは当然、ひどく驚くことになる。]
──っ、は、はるみちい?
…………あのさー、 人気のない校舎で突然遭遇する着ぐるみには、 100人いたら99人は腰を抜かすと思うよ。
[ わたしが情けない声をあげるだけで済む、 気丈な女の子で本当によかったね! 人形より先にわたしを運ばせるところだった。]
(64) 2021/11/13(Sat) 16時半頃
|
|
[ どう考えてもさておけない事実に、>>62 わたしの緊張も少しとけたらしい。 気の抜けた笑い交じりの声で言って、 わたしはそのエレベーターに乗り込む。
屋上とハルミチーは言い、>>62 わたしはそれに迷いなくうなずいた。
その箱が上昇しきるまでのわずかな間、 ただ待つことももどかしく、 わたしはぽつりぽつりと言葉をこぼす。]
(65) 2021/11/13(Sat) 16時半頃
|
|
……広いねえ。 大きな猫ちゃんと大きめのわたしと、 バスケ少年が一緒に乗り込んでても。 この世界を作った人は、みんなに優しい。
[ 着ぐるみ姿のままらしいから、 君の目を見て──とはいえないけれど。
高い位置にある着ぐるみの大きな頭。 それを見上げて、わたしも言った。]
(66) 2021/11/13(Sat) 16時半頃
|
|
春満、知ってた? あのプラネタリウム、 和歌奈ちゃんが作ってくれたの。 天文部、もともとやる予定じゃなかったの。
[ だから、この世界は──というほど、 意外性はない結論だ。この星空を見てしまえば。
言い終わるのとほぼ同時みたいに、 エレベーターが目的の場所で扉を開く。
彼女たちはまだ扉の前にいただろうか。 ゆっくり開く扉の先になにがあるのか。
なにかを祈るような気持ちで、 わたしの鼓動は今もひどく速い。*]
(67) 2021/11/13(Sat) 16時半頃
|
|
―― 回想・チャイムが鳴る前 ――
[時間は遡る。 文化祭の時できなかったことをやるにも、 肝心の私達の喫茶店がない……という問題は、 あっさり解決した。 古香ちゃんが調理室にやってきて、それを追い返すわけもなく、 「いいよー」と答えて、卵の割れる音が増えて。>>15 その後黙々と調理をするだけで終わることなく、 言葉を交わした折。 どうやら猫のボタンが喫茶店に繋がってるらしいと知った。
しかも猫耳装備の店員もいるって。>>3:174>>3:175]
(68) 2021/11/13(Sat) 20時頃
|
|
喫茶店があって店員さんもいるなら、 商品を用意しないと。
[なんて楽しそうに言って、 パンケーキにカラーチョコペンで盛大に猫の顔を描く。 お届けは古香ちゃん、君に任せた。 ――って、すっかりお店やってる気持ちになって頼んだけど。 結果はどんな感じだったかな]
(69) 2021/11/13(Sat) 20時頃
|
|
[卵を見てて、 校舎のいたるところにばらまかれていたそれを、 思い出さないわけはなかった。
声の意味するところ。 不知火ちゃんが知りたがってたこと。>>2:339 解答欄は未だに空白。
卵が聞かせてきた言葉。 「お願い」――あとはなんだっけ? >>2:120 とにかくあれは不特定多数への祈りというよりは、 誰かひとりへ向けられた切実な願いのように思えた。 和歌奈だったら聞き届けてしまうだろう。 もちろん倫理にもとる範囲で。 そのココロを潰さないように、慎重に]
(70) 2021/11/13(Sat) 20時頃
|
|
[なんて考えてたら、 ホントの卵をまたうまく割れなくて、 ボウルの縁から白身がだらっと零れてしまったから、 慌てて布巾を取りに動いた。
だから卵について考えたのはそこでおしまい]
(71) 2021/11/13(Sat) 20時頃
|
|
[そうして今。 もう私の校舎(せかい)に卵は必要ない]
(72) 2021/11/13(Sat) 20時頃
|
|
[私が今までお人好しの振りして聞いてきた、 抱え込んできた誰かのココロからの声。もう守る必要はない。
あるいは、 呼んじゃった誰かのココロから生まれた――のだと思う、 まったくかわいくないことを囀る卵も。>>2:200>>2:377 私がその中身を揺さぶろうという変な気を起こすことも、もうない。 私がこのまま死んでしまえば、永遠に。
ここが私の世界であることを示すパーツは、 最終的には直接私に己の罪を突きつけた。 私は気付いた。だから役目はおしまい]
(73) 2021/11/13(Sat) 20時頃
|
|
―― 屋上前、扉を開け放って ――
[ドアノブを回して扉を押し開ける。 冷たい風が入り込んできて髪を揺らした。
一歩だけ。 そう、一歩だけ外、つまりは非日常の側に踏み出して、 空を見上げた。ただの真っ黒な空だった。
……そういえば校舎に足を踏み入れる前は、 雪が降っていた。一部の隙もなく。 試しに晴れろって念を送ってみたんだけど、駄目だった。
吹きすさぶ風の音は、あの日に吹かなかったものであるけれど、 確かに記憶を連れてくる。 そう、飛び降りてしまった日の。
誰にも伝えず私の中に抱え込んでしまう気はあったんだけどね]
(74) 2021/11/13(Sat) 20時頃
|
|
[ 声が、聞こえる。>>38 ]
(75) 2021/11/13(Sat) 20時頃
|
|
[理性を総動員させる。 後ろを振り返って彼女の顔を見ないように。 見たら決意が鈍ってしまいそうで。
こと座の話を思い出してた。 よく覚えてる。何せ文化祭のプラネタリウムの内容に、 夏の星座のことが含まれてたから。秋だったのに。
あの世に連れてかれた大事な人を連れ戻そうとしたんだけど、 後ろを振り返って失敗したって話。 おおまかに言うとそんな感じ。 つまり振り返ったら失敗する。 私がやろうとしてるのはむしろあの世に行く方だけど]
(76) 2021/11/13(Sat) 20時頃
|
|
ふむ。不知火ちゃんはどんな気持ちだと思う? ……きみの思うそれが案外正解。 ってことでいいんじゃないかなあ。
だって、ほんとうのことはぐちゃぐちゃしてるんだよ。 自由になれるかも、って思うくらいがちょうどいいんじゃないかなあ。
[振り返らないまま、優しげな声を振り絞る。 私のほんとうは、そう。 自由になりたくて飛び降りたわけじゃない、 他に行くところを知らなかった。 遠くの星に行けるロケットなどないから、地面に墜ちるしか]
(77) 2021/11/13(Sat) 20時頃
|
|
……それでも知りたいの? 知ってどうするの? こんな国語の勉強の参考にもならないこと。
それよりやることがあるんじゃない?
[……ちょうど、エレベーターの到着する音が聞こえたような。>>51>>63 猫耳店員さんだった君か、 パンケーキを作った君か、 パンケーキを食べてくれた君か。>>57 振り返って確認はしない。話は終わりじゃない]
(78) 2021/11/13(Sat) 20時半頃
|
|
……もう壊れ始めてるんだよ。ここは。
[ため息をついた。 優しい声もかなぐり捨てた。 私は優しくないから謎だけぶん投げた。この言葉の意味を解きなさいって*]
(79) 2021/11/13(Sat) 20時半頃
|
|
── エレベーター内 ──
[古香の言葉に、少し考えて。>>64]
……確かにびびりそうだけど、そんなにか?
[91人、いや92人くらいじゃないか。 虎次郎以外腰抜かす想像ができない、なんて嘯きながら。 特に今は暗いのも相俟って、威力は倍増してそうだ。]
(80) 2021/11/13(Sat) 21時頃
|
|
[しかし一応、この格好の理由はちゃんとある。]
文化祭をもう一度、って話してたろ。 俺の場合、8割くらいコレだったなって ……もみくちゃになってすげぇ疲れたけど。
[あとの2割裏方みたいな。 紛らわしい着ぐるみを脱ぐか、少し考えたけれど この格好で古香の気も緩んだみたいだし、まあいいか。]
(81) 2021/11/13(Sat) 21時頃
|
|
[文化祭直後は、もう二度と着ねぇ、なんて思ってた 猫の着ぐるみも。 今じゃもう一度くらい着てもいいかと 多少懐かしさを覚えて言えるから、不思議なものだ。
記憶とは、往々にして美化されるものらしい。 着ぐるみでも、人でも。]
(82) 2021/11/13(Sat) 21時頃
|
|
[上昇していく箱の中。 機械音に混ざる声が、静かに響く。>>66]
……ああ。 車椅子のやつがいても、 数人でそのまま移動できそうだしな。
[まるで「この世界を作った人」を知ってるような。 古香の口ぶりに気づき、先を促して。]
(83) 2021/11/13(Sat) 21時頃
|
|
いや知らなかった。 でも、そうだったんだ。
……河合らしいな。
[すとん、とその結論は腑に落ちた。 プラネタリウムの話は初めて聞いたけど、 遠回しで不器用なフォローとか、 見守るような優しさには、憶えがあった。]
(84) 2021/11/13(Sat) 21時頃
|
|
[屋上が近付いて来るにつれ、 再び緊張感が張り詰めてくるのがわかる。 扉が開くのを待つ、古香の肩を 今はもこもこした着ぐるみの手で軽く叩き。]
……きっとまだ、終わりじゃないはずだ。
[気休めでしかないかもしれない。 でも、俺らはまだ校舎の中にいる。 だから会いにいくために、開いた扉の向こうへ。*]
(85) 2021/11/13(Sat) 21時頃
|
|
[ 君は、私を見ない。 ]
(86) 2021/11/13(Sat) 21時頃
|
|
[ 不知火ちゃん、と優しく呼んで。 穏やかに振り向いてくれる笑顔はそこになく。
君は私を見ない。 なら私も今だけは、と。 誰かに迷惑をかけなければ生きられない。 ならばせめて、 こうありたいと願っていた不知火真梛。 この一瞬だけ取り外す。 ]
(87) 2021/11/13(Sat) 21時頃
|
|
私の気持ちが正解か。 ふふ、そうだなぁ。 実を言うと、見当がつかない物だから ─── [ 笑みを謳いながらも、 困ったように眉を下げて。 ]
(88) 2021/11/13(Sat) 21時頃
|
|
実際に飛んでみようと思ったら。
君がいたんだ。
(89) 2021/11/13(Sat) 21時頃
|
|
君は知ってるんじゃないかなと。 何故かそう思ったんだ。
[ 和歌奈、と名を呼んで。車椅子を動かした。 扉から屋外に出れば、 風が長く伸ばした髪を弄ぶ。
小さなモーターが響く音と共に、 一歩、一歩と距離が詰まる。
それでもいつかと同様に。>>1:337 心の距離は測れない。 君と私の間の隔たりは、広く遠いままなのだろう。 ]
(90) 2021/11/13(Sat) 21時頃
|
|
国語の勉強は参考書でやっている。 問題ないな。
やる事か、そうだなぁ。 [ 背後から小さな音が聞こえる。 誰かが来たのだと、 私の頼りになるクラスメイト達。 振り返らないまま確認すれば、少し安堵して。
空を、仰いだ。 ]
(91) 2021/11/13(Sat) 21時頃
|
|
綺麗だな、この世界は。 文化祭は楽しいし、猫耳も可愛い。 星空も見事なものだ。
[ 君の言う壊れかけた世界。 カケラを一つ一つ摘み上げて、 愛おしげに微笑んだなら。 ]
(92) 2021/11/13(Sat) 21時頃
|
|
君が造った世界は、どこも優しくて美しい。
[ 偽物でも、造り物でも。 それを愛しく思う心は本物≠セと。 きっと私は、胸を張って。 ]
エレベーターありがとう。 おかげで私もみんなと同じように 自由にこの学校を回る事ができた。
(93) 2021/11/13(Sat) 21時頃
|
|
和歌奈、君は優しいな。
[ いつかのお返しとばかりに。>>1:305 瞳と口元を柔く緩めて。
今の私がやりたい事を。 君自身が知らない事を>>79 君に伝えよう。 ]*
(94) 2021/11/13(Sat) 21時頃
|
|
[ パンケーキをきれいな円にする方法。 知ってる? 一点めがけて生地を流して、 お玉の底でそっとゆすってやるのだ。 ……型を使うときは必要ないんだけどね!
わたしは文化祭準備に学んだことを、 得意げに君に語ったりもした。
どうせ全部混ぜちゃうんだからと、 大雑把なわたしは笑うだけだった。>>71 わかにゃんのへたっぴ。そんなふうに。 言ってくれたら、それも教えたのに。]
(95) 2021/11/13(Sat) 21時半頃
|
|
[ 猫の顔が描かれたパンケーキ。 誰もいない廊下は非常に駆けやすかった。 人にぶつかる心配も、先生に捕まる心配もない。
まるで文化祭ごっこ。 もうずいぶんピースの欠けてしまった世界で。 ほんの少し前の出来事がずいぶん遠くに感じる。]
(96) 2021/11/13(Sat) 21時半頃
|
|
[ そして今、あの戯れのような時間を、 ほんの少しだけ後悔しはじめている。
……文化祭の準備が整えば、 終わりはあっという間にやってくる。 そんなことをふいに想像して。]
(97) 2021/11/13(Sat) 21時半頃
|
|
[ だって、ほら。>>81 大きな猫ちゃんまで揃ってしまった。]
……もみくちゃだったねえ。 でも、ずいぶん好評だったよー 他クラスの委員長が歯ぎしりしてた。
[ 何気ない会話を重ねれば、 少しだけ落ち着いていられる気がして。 猫とバスケ少年とわたし。まだ上昇する箱の中。]
(98) 2021/11/13(Sat) 21時半頃
|
|
[ 当日、女の子に抱き着かれていたなって、 わたしは思い出したりもしていた。
家族ぐるみで文化祭を見に来るなんて、 なんてほほえましいんだろうって思ったのだ。
ずいぶん年の離れた友だちの妹。 ふつうの、善良そうな一家。 たとえ目鼻立ちがそれほど似ていなくても、 彼らは世話焼きな友だちに容易く結びつき──、
ああ、どうしたって思考が引き寄せられる。]
(99) 2021/11/13(Sat) 21時半頃
|
|
……ハルミチーはさ、 言葉ばっかりつっけどんで、 でも、他人に甘くて優しいよねえ。
きっと、だから呼ばれたんだよ。 引き寄せられた≠ニいうより。 ……春満が春満だったから。 ここに、必要だったんじゃないかなあ。
[ 少なくともわたしはそう思うよ。 律儀に着ぐるみで現れた君だから。
わかにゃんらしい。>>84 その言葉にわたしはしっかりと頷き、 ……ああ、扉が開いていく。 強張りそうになる肩に、ぽんと手が置かれた。>>85]
(100) 2021/11/13(Sat) 21時半頃
|
|
……うん。会いに行こう。 終わりなんて、いやだよ。 *
(101) 2021/11/13(Sat) 21時半頃
|
|
[ 扉のその先に、満点の星空を想像した。 裏腹に、広がるのはひたすらに深い闇だ。>>74]
(102) 2021/11/13(Sat) 21時半頃
|
|
── 現在 ──
──和歌奈ちゃん!
[ わたし、飛び出すように、 開け放たれた扉の方へと地面を蹴った。
探していた人が背中を向けて立っている。 かすかにため息が聞こえた。 ただ事実を述べるような声も。>>79
別に走ってきたわけじゃないのに、 鼓動が速くて、息が苦しいのだ。 やっとのことで名前を呼んだくらいに。
こころが痛いのだ。 その背が近づかないでと言うようで。]
(103) 2021/11/13(Sat) 21時半頃
|
|
[ 屋上に君は立つ君に、 まなちが語りかけるのを見ていた。>>94
穏やかな空気がまるで物語の終わりみたいで、 わたし、耐えられずに声を張り上げてしまう。]
ここが壊れちゃうなら、 その前に一緒にかえろうよ! かえれるはずなの! 今からでも!
[ 50%を切ったって大丈夫。 いつかそんなふうに笑ったくせ、 多くの場合≠ノさえ確証を持てず、 わたしの声はひどく切羽詰まっている。*]
(104) 2021/11/13(Sat) 21時半頃
|
|
[私にはその時君が、>>88>>89 どんな表情を浮かべているのか、想像できそうな気がした。 悪い笑みは絶対浮かべないだろうって]
(105) 2021/11/13(Sat) 22時半頃
|
|
[知ってるよ。>>90
風の音にともすればかき消されそうな、 車椅子のモーター音を聞きながら心の中だけで呟いた。 なんなら方法だって知ってる。 今立ってるところからまっすぐ歩いて、 フェンスの破れてるところを手で押し広げて、 普段は行けない向こう側へ立つ。 それから虚空へと踏み出す。
絶対に教えられないやり方だ。 パンケーキを綺麗な円にするやり方とはわけが違う。
パンケーキの方は興味があるなら古香ちゃんに教えてもらうといい。>>95]
(106) 2021/11/13(Sat) 22時半頃
|
|
[和歌奈は不知火真梛の知らないことを知っていて、 ならばその逆もあるのだと、 どうして気付かなかったんだろう。
彼女がこの目で見てきた世界。 車椅子とエレベーター、ふたつの機械の力を借りて、 歩いた、文化祭。>>92>>93]
そっか、文化祭楽しんでくれたんだ。 よかった。 どういたしまして。
[ひとつ知らなかったことを知れて、 君に見えないところで少しだけ穏やかな笑みを取り戻す。
でもね、優しい君の口から降る、 「優しい」って言葉だけは、>>94 認めるわけにはいかない]
(107) 2021/11/13(Sat) 22時半頃
|
|
優しくないよ。……私は。 私は、誰かの大事なものを壊しても、 泣くことすらできやしないんだから。
君が美しく優しいって言ってくれたこの世界も、 結局もうもたないって分かってるのに。 全然心が痛まない。
そんな自分が嫌になるよ。
だからね、何かを壊すのは、 もうこれで最後にしようと思う。
(108) 2021/11/13(Sat) 22時半頃
|
|
── 屋上 ──
[着ぐるみの下、何とも言えない顔になる。>>100 委員長、副委員長、揃ってひとを買いかぶりすぎだ。
でも、もし兄にはなれない俺でも。 ここに集まったメンバーにとって、必要なら。]
…………。
[着いた屋上は、暗かった。>>74 校舎の中と違い、星も見えない空が広がっていて 分厚い着ぐるみのおかげで風は感じなかった。
雪はいつの間にやんでいたんだろう。 そんな、他愛もないことを考えながら。 飛び出して行った古香の背を、追った先。]
(109) 2021/11/13(Sat) 22時半頃
|
|
[居たのは、河合と真梛。>>79 朝会話した時とは違う。>>3:155>>94 いつもの真梛の口ぶりにホッとしながら 突き離すような河合の返答に、軽く目を見開いた。
古香の声が闇を裂くように響く。>>104 悲痛なそれが、暗い空に消えるのを待って。]
……このまま壊れて、 かえりたくない理由があるなら、聞くけど。
[俺も、ここに居ることを告げる。*]
(110) 2021/11/13(Sat) 22時半頃
|
|
[それから少しだけ声を張り上げる]
そういうことだよ古香ちゃん。 帰るわけにはいかないんだ、私は。 そうしないと、これが最後にならないんだから。
[顔は見てないけど声で分かった。>>104 そうとう切羽詰まってるって。 どうしたものか。今からでも、なんて言われても、]
もう遅いんだよ。 ……たとえ一応は丸く収まったとしても、 一度やっちゃったことは取り返せない。
(111) 2021/11/13(Sat) 22時半頃
|
|
[聞こえてきた声はもうひとつ。>>110 荒木くんの声だ。 まさか着ぐるみを着ているとはこの目で確認してないから、 声が……何か違った感じがするのは、 風のせいかもしれないと思い込んでいる。 墨鳥くんらしき声はない。 ここにいないってことは、かえったのかも。 石頭くんと彼でふたり、って考えれば数は合う。
かえりたくない理由があるなら聞くという。 そうだね、話せばきっとわかってくれるに違いない。 そしてまた、過去を思い返せば、 ココロの奥に隙間風が吹く]
(112) 2021/11/13(Sat) 23時頃
|
|
知ってるよね。特に荒木くんは。 私の妹のこと。
[猫の着ぐるみと女の子の微笑ましい光景はたくさん見たし、 八歳であることや、似てない理由に起因する、家の事情はちょっとだけ話した。>>3:236 父の再婚相手の連れ子なのだと。
でもそんなこと和歌奈には関係なかった。 「いいお姉ちゃんになりたいんだ」と言って、 ただ笑っていた。朗らかに]
(113) 2021/11/13(Sat) 23時頃
|
|
……私はあの子に、ひどいことをしちゃったんだ。*
(114) 2021/11/13(Sat) 23時頃
|
|
[ 風の中でもよく通る声。 この声でクラスの意見をまとめてくれた。 我らが委員長。>>104
君さえいれば大丈夫だ。 安心感を与えてくれた穏やかな声が 今、和歌奈を思ってゆとりなく張り詰めている。
そしてその隣には、 隣、には?? ── 猫??? …… 春満か、愛らしいな。>>110 ]
(115) 2021/11/13(Sat) 23時頃
|
|
ふむ。見解の相違だな。 君の思考を私に寄せようとは思わない。
[ 優しくないと、君は否定する。>>108 頑なな拒絶に心が詰まる。
なんだろうなぁ。 どうして優しい人ばかり、>>0:494
その言葉に対して、首を横に振るんだろう? ]
(116) 2021/11/13(Sat) 23時頃
|
|
[ 車椅子を一歩、進め、声を張る。 ]
大変すまないが、 私には君の家庭の事情はわからない! 君の妹と会った事もないからな!
君が自分の事が嫌になったのは残念だと思うが。 仕方ない事だとも思う。 だが君の家族のことは知らなくても。 君の事は少し、知っているんだ。
…… たとえ最後だとしても、 何かを壊したらきっと君は傷付くのだろう。
君達ときたら、他者にばかり優しくて、 どうにも自分に優しくする事は不得手のようだから。
(117) 2021/11/13(Sat) 23時頃
|
|
[ 困った物だと、顰めた眉と共に息を吐き。
更に車椅子を動かした。 距離は縮まり、重なって。
そのまま止まらないまま擦れ違えば、 フェンスに近い場所へ。 中心を反転した状態で、先程と同じ距離が生じる。 ]
和歌奈。
(118) 2021/11/13(Sat) 23時頃
|
|
[ 今度は私が君に背中を向ける番。 振り向かないまま、名を呼べば。 口元に咲かせるのは、挑むような笑み。 ]
私は君の考えを否定しない。 君と私は別の人間だから。
─── が、
(119) 2021/11/13(Sat) 23時頃
|
|
君が優しくない人間だと言うのなら。 どうか、私の邪魔をしてくれるなよ?
(120) 2021/11/13(Sat) 23時頃
|
|
[ 笑いながら、念を押すように言い放てば、 さてどうしよう?
そうだな、手始めに。 真っ直ぐ車椅子を進めて、 フェンスの破れているところを手で押し広げて、 普段は行けないと向こう側に身体を出せば。 そこから先の事は、君が誰よりも知っている。 ]*
(121) 2021/11/13(Sat) 23時頃
|
|
[まだ、秋だった。 冬の足音を遠くに聞きつつある時節。
私は考えた。 妹の大切にしている猫のぬいぐるみについて。 平塚ちゃん協力のもと、服は新しくなったけど、 本体のくたびれ加減はどうしようもない。
だから修理しようと決めたんだ。 妹がぬいぐるみをお留守番させて外に出ている間にこっそりと。 裁縫の腕は38点でも、私はだれにも頼らずひとりでやろうとした]
(122) 2021/11/14(Sun) 00時頃
|
|
[思えば何もかも間が悪かった。 ぬいぐるみの、リボンのついた方の片耳を引っ張ったら、 思いがけず布が裂けて片耳のパーツがごっそり取れてしまったことも。 たまたま帰ってきたばかりの妹がそれを見てしまったことも。
気まずい沈黙はすぐに破られた。 妹は荒れた。大粒の涙を流して、 私がぬいぐるみを壊したのだと叫んだ。 違うんだと私は叫びたかった。 なのに口は動かないし頭も回らなかった。 ちゃんとやるための方法は導き出せないくせに、 妹に一番刺さる言葉だけはすぐに浮かんできた]
(123) 2021/11/14(Sun) 00時頃
|
|
[泣き声のトーンが上がる。 たまらず首を横に振って私は告げた]
しょうがないじゃん、もう結構古いんだから! 新しいものを買ってもらえばいいじゃん!
[これが一番刺さる言葉。 あの子にとってこのぬいぐるみは唯一なんだって、 よーくわかってたのに。
私の言葉に妹は動きを止めて、 それから、駆け出した。 外だった。茜色が射していた]
(124) 2021/11/14(Sun) 00時頃
|
|
[喧嘩に気付いたレイナさん――つまりは現在の母と慌てて探し回った。 あの子は意外と俊足だったようで、 大通り近くまで来ていて、飛び出したところを車に轢かれかけてた。
ちょっと擦りむいたくらいの傷にまた泣くあの子と、 ほっとして思わずあの子を抱きしめるレイナさんと、 ふたりを呆然と見やる私。 ココロに隙間が空いてびゅうびゅうと風が漏れていた。 感情の表し方がわからなかった。
わかるのは、そう。 どう考えても私が悪者だってこと。 私は取り返しのつかないことをしかけた。 あんなにいいお姉ちゃんでいようと思っていたのに、 失敗してしまった。
それにやっぱり――どっか壊れてるじゃないか、私のココロ]
(125) 2021/11/14(Sun) 00時頃
|
|
[だけど父もレイナさんも私を責めなかった。 ふたりとも大人で、妹の気持ちも汲みつつ。 大人的には私の言ったことは間違いでもないんだって。
その後誤解は解けて、ぬいぐるみもレイナさんの手で修理されて、 それから洗われて綺麗になった。 めでたしめでたし――とは私には到底思えなかった。
あのぬいぐるみを見るたびに、一度の過ちをしたことを怖れ、 カレンダーがめくられ冬へと向かうにつれ、 私の中に焦りがこみあげた。 いつか取り返しのつかない過ちを犯す前に、 消えなくちゃならないってさ]
(126) 2021/11/14(Sun) 00時頃
|
|
[――そうして私は死のうと決めた。 妹の誕生日が来る前に*]
(127) 2021/11/14(Sun) 00時頃
|
|
[私が生きてるといずれ誰かがとっても困るかもしれないから。 そうなる前に死んだ方がいい。
これくらい言わないと分かりにくかったかな]
(128) 2021/11/14(Sun) 01時頃
|
|
[――――そう思っちゃうくらいには、 見解の相違がある。>>116 あるいは平行線。 とにかく不知火真梛が何を言おうと、 和歌奈は己が認識している事実を曲げることはない。
彼女も彼女で固い意思を持っているようで。 和歌奈の家族のことを知らないのは仕方ないとして、 いったい河合和歌奈の何を知っているというんだ。>>117]
それは違う。 傷つかないよ、私は。
[確かめたことは勿論ないけどさ。 もし、自分のせいで誰かが死んだ時、 あるいは目の前で誰かが死ぬのを止められなかった時に、 悲しむことができるのか。 確信をもってそうと言えないから、何年も自分が怖かった。 それが妹の件でようやく、やばいなって思うに至ったわけ]
(129) 2021/11/14(Sun) 01時頃
|
|
[ため息をつきたいのはこっちの方だ。>>118 これ以上壊れたやつに付き合う義理はないと、 どうすればわかってもらえるんだろう。
その時だ。 不知火真梛がさらに動いたのは。
車椅子は和歌奈の立つ位置を過ぎてもなお進む。 ようやく止まった時和歌奈には彼女の背中がよく見えた。 見た目以上に遠い。 そうして彼女は「和歌奈」と名前を呼ぶ。 音の響きだけがいつも通りだった。 それ以外のすべては、和歌奈の知らない君だった]
(130) 2021/11/14(Sun) 01時頃
|
|
[かつて和歌奈が歩いたコースを真っ直ぐ辿って、 屋上から飛び降りるのはどんな気持ちか、>>37 確かめようとしてるみたいな君だった。
かけられた言葉>>119>>120がぐるぐると渦巻いている。 呪縛じみていた。 だけどそれを振り払って、]
っ、不知火ちゃん! わかってないのはどっちさ!
[これは言葉足らずだ。 不知火真梛とて彼女自身のことをわかってないじゃないか、と言いたかった]
他人にばっかり優しくて、自分に優しくするのが不得手って言ってたけど、 その言葉、不知火ちゃんにそのまま返してあげようか?
(131) 2021/11/14(Sun) 01時頃
|
|
[答えを待たずにまっすぐ駆け出した。 古香路子も荒木春満もとっくに動き出していたのかもしれないが、構わなかった。 これは自分の手で止めなきゃって。
走って、屋上と虚空を隔てるフェンスに近付いて、 その向こう側に、手を伸ばした。 和歌奈と同じことをしようとしている君をただ、引き戻したくて**]
(132) 2021/11/14(Sun) 01時頃
|
|
[ 風が吹いている。>>74 簡単に煽られた髪があちこちに振れて、 その一部が頬に張り付いていた。
これで最後にするのだと君は言う。 背後からも声が聞こえて、>>110 わたしはまだその背中を見ていた。
なにか叫び返しそうになる自分を、 辛うじて押しとどめているような気持ちで。]
(133) 2021/11/14(Sun) 01時半頃
|
|
[ それは一瞬の出来事に思えた。 不意にまなちが動いた。>>121
和歌奈ちゃんのところへ行くのかと思えば、 彼女がまっすぐに向かったのは屋上の端だ。
ひゅっと息を呑む音が聞こえた。 ほかならぬわたしの喉から。
とっさに駆けだそうとしたわたしの脚は、 和歌奈ちゃんの動きを見て、はたと止まる。>>132 それから再び動く。二人の方へと。]
(134) 2021/11/14(Sun) 01時半頃
|
|
──取り返せなくたって、だからって。
過去は変えられないよ。 でも、それで終わりにしちゃったら、
和歌奈ちゃんの最後は、 嫌になっちゃった自分のままなんだよ。
そんなふうに言うほど、 君がなにをしたっていうの。
[ 一歩一歩を踏みしめながら、 風に負けじとわたしは声を張り上げる。 同じ屋上に立っているはずなのに、 君の背中が果てしなく遠くに思える。 その距離を一歩ずつ詰めていく。]
(135) 2021/11/14(Sun) 01時半頃
|
|
[ 知ってる。 これがどんなに勝手で残酷な行為か。
終わりにしたいというのは、 君の明確な意思であるはずだった。
そうなんだねえと物分かりよく頷けば、 それは君にとって良い結末だったんだろうか。
文化祭をもう一度。 みんなと一緒に少しの間過ごして。
そんな考えが過ぎらなかったわけではなくて、 それでもわたし、言わずにはいられなかった。]
(136) 2021/11/14(Sun) 01時半頃
|
|
──それに、 わたしは和歌奈ちゃんが好き。
たとえ、君自身が自分を嫌っても、 わたしは、わたしの目に映る君が好きだよ。
わたしの好きな人を勝手に殺さないで。
(137) 2021/11/14(Sun) 01時半頃
|
|
[ 触れられるくらいの距離まで近づいて、 わたしはその腕に手を伸ばした。
いつか──遠い過去に思える最近。 教室まで駆けだそうと掴んだときと、 今と、どちらのほうが強引だっただろう。
少なくともわたしは明確に、 君の腕を捕まえる意思を持ってそうした。
わたしの友だちを救おうと手を伸ばす、 これまたわたしの友だちである君に。]
(138) 2021/11/14(Sun) 01時半頃
|
|
ねえ、ここにあるのは、 この世界にも、元の世界にも、存在するのは、 君が壊しちゃったものだけじゃないでしょう。
……プラネタリウム。 あの教室があの姿じゃなければ、 わたし、その時点できっと確信してた。 この世界はわたしのものじゃないって。
それだけの意味があるの。わたしにとっては。 それを作ったのは和歌奈ちゃん、君なんだよ。
(139) 2021/11/14(Sun) 01時半頃
|
|
君が自分のこと、嫌じゃなくなるまで。 何度だって、どこまでだって付き合う。
なにされたっていい。 なんだってするって言ったよね。
だから死なないで。 わたしのこころを壊さないで。
(140) 2021/11/14(Sun) 01時半頃
|
|
[ じとりと手のひらが汗ばんでいた。 わたしの意思に関係なく指先が震えた。 それでも言葉を紡ぐ。できうる限りに冷静と。
理解しているつもりだ。 これがどれだけ身勝手な言葉か。 わかっていてそれを振りかざすくらいに、 わたしは、君に生きていてほしい。だから。]
和歌奈ちゃん。 わたしを……わたしたちを見て。
[ もう一度と名前を呼び、 わたしはただひたすらに君を見ていた。**]
(141) 2021/11/14(Sun) 01時半頃
|
|
[ ─── そう、君と私は平行線だから。>>129
きっと距離は縮まらないし、 交わる事もないのだろう。
フェンスの端から地上を覗けばぶわり。 一際大きな風が、前髪やスカートを揺らした。
そのまま特に気負うことなく、身体を傾ける。 しかしいつまで経っても 予想していた浮遊感が訪れる事はなく。 ]
(142) 2021/11/14(Sun) 02時半頃
|
|
[ 不知火真梛も自分の事をわかっていない。 河合和歌奈の言い分もまた、 至極その通りかも知れない。
繋がる手。 暖かい指に屋上へ引き戻されれば、 顔をあげて、その持ち主を確認してから。
やっと重なった瞳に向けて、 まずは河合和歌奈が知らない彼女自身の事を。 得意げな顔で告げようか。 ]
(143) 2021/11/14(Sun) 02時半頃
|
|
ほら、やっぱり君は優しいじゃないか。
(144) 2021/11/14(Sun) 02時半頃
|
|
[ 精神の世界だ。 飛び降りたところで、 実際の死が訪れるとも限らないのに。
それすら放って置けなかった優しい瞳に向けて。 私は再度微笑んだ。 ]
(145) 2021/11/14(Sun) 02時半頃
|
|
それにここだけの話だが。
目玉焼き、本当に練習したんだ。 君は忘れてしまったかも知れないけど。 自分で言うのもなんだが、 なかなか上手く焼けるようになった。
その、 だから……
[ 屋上に戻った後。 続けた言葉はこれまでとは一転、若干気まずそうに。 君の意思を尊重したいのだけれど。 真梛個人の感情を滲ませてしまった自身の不甲斐なさ ほんのり頬を薄桃に染めて。 ]
(146) 2021/11/14(Sun) 02時半頃
|
|
君が食べてくれないと寂しい。
[ 何とか言い切れば、話は終わり。 元々口は達者な方ではない。
ならばと助けを請うように視線を傾ければ、 やはり君はそこにいてくれただろうから。>>138
自身を投げ出すことしかできない真梛とは違う。 彼女を繋ぎ止めてくれる、力強い腕。 ふふと、自然に浮かんだ笑みのまま。 ]
(147) 2021/11/14(Sun) 02時半頃
|
|
委員長殿のお話だ。 しっかり拝聴しないとな、副委員長殿?
[ 悪戯っぽく瞳を煌めかせれば、 真梛は書記の義務を放棄する。
その後語られる彼女達の会話。 記録する事なく、エレベーターに向かえば、 そこにいただろう大きな猫に 「似合っているな」と一声かけた後。
階下に続くボタンに手を伸ばした。 ]**
(148) 2021/11/14(Sun) 02時半頃
|
|
[ エレベーターに乗り込めば、 行きには擦れ違ってしまった雄火がいた。 ]
そうか。 君達もいなくなってしまったのか。
[ そして姿が見えないもう一人。 幣太郎も、おそらくは同様に。 君達はいつだって誰かの為に駆けられる人達だから。 屋上にいない時点で、察せられていた事。
痛々しい傷跡。 悼むような眼差しを向けた後。 ]
(149) 2021/11/14(Sun) 12時頃
|
|
すまないな。 私では君を皆のところに運んでやれない。
[ いなくなり損ねた娘は。 そこにはいないだろう君達に向けて。 頭を下げると、自身の無力さを詫びた。 ]
(150) 2021/11/14(Sun) 12時頃
|
|
[ 次に向かったのは体育倉庫だった。 特に理由はなかったけれど。 強いて言えば他の場所は全て回ってしまったから。
途中に通りかかった体育館。 ステージ上に莉希の姿はなくて。 春満が望みを果たしてくれた事を知る。
彼女には舞台が似合うと思うけれど。 やはり生き生きと動いて台詞を言ってこそだから。
その隣に雄火がいてくれた事。真梛が知る余地は、 猫カフェで交わせた会話次第だろう。]
(151) 2021/11/14(Sun) 12時頃
|
|
[ 体育倉庫。 入った途端、ピタリ、車椅子が動きを止めた。
バッテリー切れ。 …… 何となく、予想していた事もあり。 思わず、ふふと笑みをこぼす。
狼を呼ぼうか? 少しだけ過った考えに蓋をする。
真梛はこの世界においても、 一歩も動けなくなってしまったわけだが。 心は意外なほどに凪いでいた。 この時間もそろそろお終いだろう。 それは、根拠のない確信。 ]
(152) 2021/11/14(Sun) 12時頃
|
|
[ 和歌奈、路子、春満。
君達なら、きっと大丈夫。 ]
(153) 2021/11/14(Sun) 12時頃
|
|
[ 窓から空を見上げる。
あの時はひとつだけだった過去からの光。>>0:320 今は無数の輝きで天を覆っていて。 柔らかな星明りが、真梛を照らしていた。
この世界からの贈り物。しばし堪能したのなら。 後はその時を迎えるべく、 真梛は静かに双眸を閉ざした。 ]**
(154) 2021/11/14(Sun) 12時頃
|
|
[ひどいことをしてしまった「あの子」。>>114 文化祭で遭遇した「チビ」。>>113
あの時、妹の傍らで朗らかに笑う河合が、 一瞬だけ誰かに重なったような気がした。 そのことを、今更のように思い出す。]
(155) 2021/11/14(Sun) 14時頃
|
|
[張り詰めた空気の中、動いたのは車椅子。>>117]
…………真梛?
[何をする気だ。 ゆっくりと車椅子は河合に近づいていくようで その横を、通り過ぎた。>>118
俺に向けられたものじゃない。 けどそれは、手を出すな、と言われてる気がして。
車椅子が向かう先の暗闇が見えていながら、 俺は息を呑んだまま動かなかった。]
(156) 2021/11/14(Sun) 14時頃
|
|
[河合が駆け出す。>>132 古香もそれを追っていき。>>134
しばらくして、こちら側へ引き戻された真梛の 得意気な声が聞こえて。>>144 ふぅ、と息を吐けば肩の力が抜けた。]
(157) 2021/11/14(Sun) 14時頃
|
|
……あまり、無茶すんなよ。
[仕事は終えたとばかりに。 エレベーターへ向かう車椅子と、 その途中で擦れ違いざま、投げられたいつもの声。>>148
ほらみろ、腰抜かさないやつがもう一人居たぞ。 古香に心の中で胸を張りながら。]
(158) 2021/11/14(Sun) 14時頃
|
|
それと。 俺は、迷惑だって言った覚えねぇぞ。
[手を必要としてないやつに、貸す気はない。 エレベーターに乗り込む真梛を見送ろう。*]
(159) 2021/11/14(Sun) 14時頃
|
|
[委員長と副委員長の様子は、どうだったろう。 真梛と入れ替わるように、ゆっくり俺は二人へ近づく。]
……これは、河合の自業自得だぞ。
[ぬっと暗闇から現れた着ぐるみについての言及は とりあえず後回しにしてほしい。]
(160) 2021/11/14(Sun) 14時半頃
|
|
真梛も古香も……このメンバーを呼び寄せたら 絶対とめようとするやつが出てくる。 そういうやつらだって知ってるだろ。
最後にしようとするつもりだったなら、 あんなメール送らないで 俺らをこの世界に入れなきゃよかったんだ。
[なんでこの世界に、皆が集まったのか 本当のところはまだわかっていない。 けれど、少しでも河合の意思が反映しているとするなら。]
(161) 2021/11/14(Sun) 14時半頃
|
|
でも俺は、無理にとめる気はないし。 河合がやりたくてすることなら、口出ししない。 なんか手を貸してほしいなら、貸してやる。
[やりたくないことをやるのは、辛いし、苦しい。 副委員長という肩書も、河合自身が望んでいたなら それで良かったと思うように。>>0:159 壊さないように生きたくて。 なのに、世界に疲れてしまったなら。
着ぐるみの下で深呼吸をひとついれる。]
(162) 2021/11/14(Sun) 14時半頃
|
|
[身を投げ出しても証明しようとした想い。>>147 繋ぎ止めようと懸命に重ねられる言葉。>>140
河合がやろうとしてるのは、 それに全部目を塞いで、切り捨てることだ。]
でも、本当にこれが 河合のやりたかったことで、あってるか?
[だから、確認するように。 じっと見下ろしたまま、問いかけた。**]
(163) 2021/11/14(Sun) 14時半頃
|
|
特に無茶はしてないな。 私はやりたいようにやったに過ぎない。
[ エレベーターに乗り込んで。>>158 扉が閉まるまでのわずかな会話。
真梛は時折空気が読めない発言をする。 勿論、あの場の和歌奈の行動自体は、 真梛にとっても喜びに繋がるものなのだが。
やりたいようにが、意味する事。 たとえあそこで助けの手が伸びなくても 自身の望みが叶っただけだからと。
それを口にしない選択は、幸いにして選び取れた。 ]
(164) 2021/11/14(Sun) 18時頃
|
|
[ 手を必要としていないやつ。
誰のことだろう? 君の心が読めたなら、私はおそらく首を傾げる。
真梛はいつだって誰かの手を借りてばかり。 抱えてもらわなければ、階段は上れないし。 今だってほら。 エレベーター内で眠る クラスメイトを模したマネキン。
他者の理想に沿うべく必死に駆けていた 頑張り屋の君の事。 皆のところに連れて行く手を、足を。 真梛は持ち合わせていない。 ]
(165) 2021/11/14(Sun) 18時頃
|
|
[ そう。不知火真梛は、いつだって、 誰かの手を借りて生きている。
ただ狼を呼ぼうと試みては、 何度も何度も失敗しているだけだ。 ]
(166) 2021/11/14(Sun) 18時頃
|
|
[ ─── とまあ君の心が読めない以上。 それはもしもの仮定に過ぎず。 ]
君以外に頼れと言っていただろう。
[ だから拾えた言葉にだけ返す。 きちんと覚えているんだ。私は。 忘れないように気をつけているんだ。 ただ同時に君の言いたい事も理解していた。
迷惑だと言った覚えはない。
…… そうだなぁ。 そんなみんな≠焉A>>2:303 もしかしたら。何処にもいないのかもしれない。 ]
(167) 2021/11/14(Sun) 18時頃
|
|
[ もう扉が閉まりかけていたから。 そしてその続きの言葉を、 平塚莉希の前に落としてしまったから。>>2:304
知っているよ。
[ だからこれから友を救おうと進む君に対して 返せたのは、ただの一言。 ]**
(168) 2021/11/14(Sun) 18時半頃
|
|
[後ろ姿に手を伸ばして、届いた。>>142
無事なのは見ての通りなんだけどさ、 しつこく確認するように不知火ちゃんの顔に視線を添わせた。 ほんのちょっと前までは、誰の顔も見ないようにお別れするつもりだった私が。
だから、 己が世界の主であることを自覚してから最初に見たのが、 不知火真梛の得意げな顔になったというわけ>>143]
(169) 2021/11/14(Sun) 20時半頃
|
|
[君の瞳に映る私は、 ただただ不安げな顔をしている。
もう飛び降りる前の私じゃないから、 もう一度いっしょに笑うことも、 練習の成果である、君が作った目玉焼きを食べることに頷くのも、>>146>>147 まだ、途方もなく彼方に見える選択肢。 でも、君のそんな様子を見ていると、 屋上から飛ぶことを止めたのは間違いじゃないって思えてきた。
私の頭の中での死が、 現実の彼女に影響しないとしても>>145]
(170) 2021/11/14(Sun) 20時半頃
|
|
[隣に立ちたかった。 君のところまで私がのぼりたかった。 君に落ちてきてほしかったわけじゃなかった。]
(171) 2021/11/14(Sun) 20時半頃
|
|
[視界の端で別の色彩が揺れる。 不知火ちゃんとは色も質感も違うなあって一目見てわかる髪を揺らして、 委員長――古香ちゃんは私達へ近付いてくる。 風に負けじと声を張り上げて。>>135 私はただ立ち尽くしているから、自然と距離は縮まって。 だけど心の距離の方はそうもいかない。 何かをシャットアウトするように俯いた。
ぎこちない抵抗はそれだけだ。 だから声はストレートに届く]
……っ、
[今の私、たぶん、言葉に骨抜きにされてるんじゃ。 不知火ちゃんを止めようと動いた時とは逆。 どちらかといえば、始業のチャイムに間に合うように駆け出した、 あの時に近くて遠い。 だって君の走力をあてにしてたあの時と違って、 身を任せるわけにはいかない、って、意地になってる]
(172) 2021/11/14(Sun) 20時半頃
|
|
…… ばかじゃないの、 不知火ちゃんも君も、勝手に私の中に何かを見て。
[真面目な書記に、 何らかの作業は二回ほどしか忘れることなく、 けっこういい感じに働いてた委員長。>>0:564>>0:565 彼女らにこんなこと言ったのは初めてだ]
(173) 2021/11/14(Sun) 20時半頃
|
|
不知火ちゃんを止めたのも、 古香ちゃんの思い出作りに手を貸そうって思ったのも、 優しいからじゃない。結局ぜんぶ私が気持ちよくなりたかったからだよ。 そんなエゴと優しさの違いって何。 なんだってするって言うなら、教えてくれるの。
[プラネタリウムのことでお礼を言われて嬉しかったのは、 嘘でも間違いなんかでもなかった。>>139 そんなことも伝えないで意地を張る。 「わたしたちを見て」って言うなら、>>141 とびきり意地悪な顔で見てやろうかって思って、 えいって顔を上げたんだけど、結局それはできなかった。
古香ちゃんの顔だけでなく、 不知火ちゃんと入れ替わるように近付いてきた、 でかい猫の着ぐるみもまともに見たから>>160]
(174) 2021/11/14(Sun) 20時半頃
|
|
…………。 そっか、 あの時の。
[……ちゃんとツッコミは後回しにしたので褒めてほしい。 着ぐるみの中身――荒木春満が言ってることにも、 ちゃんと心当たりはある。>>161
知ってるよ。 一番ばかなのは他ならぬ私だ。
私が死ぬことが誰かのココロを壊すことを、>>140 わかってて飛び降りた。 家族にもクラスメイトにもごめんじゃすまない]
(175) 2021/11/14(Sun) 20時半頃
|
|
[それに。 呼びたいな、って意識してなかったけど、 飛び降りる直前に、みんなのことを思い浮かべてしまった]
(176) 2021/11/14(Sun) 20時半頃
|
|
[ともかく着ぐるみ姿の彼に諭されている。>>162 これ、思ったんだけどずるいな。 私には君の表情は分かんないけど、 君には分かっちゃうんだろう。 見上げる瞳がどこまでも悩ましげに揺れてるのを。
本当はそうだよ、って意地でも頷きたかったのに。>>163 隙間風が吹く暇もないくらい、 ココロにどんどんどんどんいろんなものが流し込まれてるし、 それを閉ざすこともとうとう、できなくなってしまった]
(177) 2021/11/14(Sun) 21時頃
|
|
[かえってしまった“きみ”たちについて考える。
私の自業自得で呼んじゃったけれど、>>160 少しは楽しかった?
私がばら撒いてきた卵は、 もう必要ないって割ってしまったけど、 きみたちの残していった殻みたいなマネキンは、 世界が壊れるまで残していってあげるよ]
(178) 2021/11/14(Sun) 21時頃
|
|
[私は私なりに君たちのことが好きだった。 世界の主である私の意思は、 本当に、本当に回りくどい方法でしかそれを伝えなかった。
もっと私が普通に生きることができていれば、 普通にそれを伝えることができてたのかな。
私という人間はとっくに壊れているけれど、 そんな当たり前のことを伝えるために、 かえってしまってもいいのかな]
(179) 2021/11/14(Sun) 21時頃
|
|
違う。 違うよ……。 ほんと、は、みんなにちゃんと好きだって伝えたかった。 でも、そんな大事なことも忘れて飛び降りちゃった。
いい副委員長もいいお姉ちゃんも、もうどうでもいいやって。
[着ぐるみをかぶって泣きたい気分になりながら、 罪を悔やむようにさめざめと泣いていた]
やり直せるものならやり直したいよ。 でも、もうわかんないんだ。やり方が。
(180) 2021/11/14(Sun) 21時頃
|
|
私と一緒にかえりたいっていうなら。 そのやり方を教えてよ。
[ココロに抱えてきた荷物。 それを一緒に持ってもらおうって。 今までにない方向での勇気を振り絞りながら、 頭上の空には見えない、あたたかな光を手繰り寄せようとしている*]
(181) 2021/11/14(Sun) 21時頃
|
|
……春満の言う通りだよ。 わたしをこの世界に呼んだのも、 わたしに手を貸したのも和歌奈ちゃん。
今、この状況を招いたのも、そう。
[ わたしは春満ほど物分かりがよくないけれど。
大きな猫が歩み寄ってきて、>>160 入れ替わりにまなちはここから去っていった。
いろいろと──先ほどの飛び降り未遂だとか、 言いたいことはあるんだけれど、一旦さておき。
わたしは目の前の君を逃がすわけにはいくまいと、 君から課された課題に応えるのに忙しい。>>174]
(182) 2021/11/14(Sun) 21時半頃
|
|
違わない。 わたしがうれしかったから、 わたしはそれを優しさって呼ぶ。 たとえ、君とってはエゴでも。
[ ようやく顔をあげた君に、>>174 わたしは断定的な口調で言う。]
この答えが気に食わないなら、 何度だって解答を持ってくるから。 だから、ちゃんと採点して。和歌奈ちゃんの手で。
[ 君の選択なら受け入れる≠ニは言えず、 わたしは食い下がった。ここで終わらせないために。]
(183) 2021/11/14(Sun) 21時半頃
|
|
[ いつしか君は泣いていて、>>180 わたしは少しだけ手のひらから力を抜いた。
訥々と語られるのは、 どこか不器用にも思える優しい言葉で、 わたしはようやく少しだけ頬を緩ませる。]
……今の和歌奈ちゃんも、わたし好きだよ。
[ 叶うことならその肩を抱き寄せようと、 もう片方の手も君に向けて伸ばした。]
(184) 2021/11/14(Sun) 21時半頃
|
|
うっかりしてて、泣きべそかいてて、 手を貸してって言ってくれるところ。
先にかえったみんなも、 きっと同じ気持ちになると思うなあ。
[ その背中をさすってあげたいの。 これはエゴかしら。優しさかしら。 どっちだっていいとわたしは思って、 気の向くままに動き、言葉を紡ぐ。]
(185) 2021/11/14(Sun) 22時頃
|
|
……だから、大丈夫。 やり直す方法も、みんなに伝える方法も。 一緒に探すから。教えてあげるから。 和歌奈ちゃんが自分を好きになれるまで。
(186) 2021/11/14(Sun) 22時頃
|
|
……だから、 一緒にかえるんだよ、和歌奈ちゃん。 それから、君のことをもっと教えて?
[ 意図的に強引な言い方を選び、 裏腹に、目を細めて小さく微笑んだ。*]
(187) 2021/11/14(Sun) 22時頃
|
|
…………。 みんなを呼ぶつもりはなかったんだよ。 そのつもりだったんだけどなあ。
[どうしてこんなことになったんだろう。>>182 卵みたいなココロの中にどろっとした矛盾がつまっていて、>>3:21 全部出てきちゃった……ってことなのかな。 それが、己の中で一番しっくりくる答え。
好きであるものほど、ココロに詰まったものを見たくなる。 そのココロに抱えた卵を割りたくもなる。 だけど好きであるものにそんなこと、願っちゃいけないと強く思っていて]
(188) 2021/11/14(Sun) 22時半頃
|
|
[つまり、この校舎(せかい)で起こったことは、 ただひたすらに、 私の内なる欲望(ねがい)の集積でできていた。
そういうオチをつけることもできるだろう]
(189) 2021/11/14(Sun) 23時頃
|
|
[答えが気に食わないのなら、>>183 何度だって解答を持ってくる――そう君は言う。
選択を受け入れること、 逆にいくらでも食い下がること、 友だちのあり方に模範解答はないよね。 好きにすればいい。 だけどきっぱり断言する君を見ていた時は、 ココロに隙間風が吹くことのなかった私だった]
[ いつの間にぴったりと包み込まれたココロの中に、 春のようなあたたかい風が吹く ]
(190) 2021/11/14(Sun) 23時頃
|
|
[背中に回された手の温度を感じている。>>187
人のぬくもりは屋上の寒さも容易く飛び越えるわけで。 思わず言葉が出なくなる私だった]
……いいよ。 古香ちゃん、私達の委員長。 私を友だちだって言ってくれた人。 君がそんだけ言うのなら。
私も、……もうちょっと頑張ってみるよ。 今の私を、もうちょっと好きになれるように。
(191) 2021/11/14(Sun) 23時頃
|
|
[それから不知火ちゃんや、荒木くん、 先に帰ってしまったみんなのことを思い浮かべて、 どうしようもなく苦笑いをする。
言わなきゃいけないことがたくさんあるよね。 古香ちゃん以外にも、私のことを教えて、っていう人もいるのかな。
前途洋洋ではないけれど、 そのすべてを真っ正面から受けようと決めた*]
(192) 2021/11/14(Sun) 23時頃
|
|
…………。
[狭い視界の向こうで、河合の目が揺れて。>>177 とうとう零れだした涙に、>>180 少し慌てて俺は古香に助けを求める視線を送る。 着ぐるみで届いたかは不明だが。
真っ直ぐ力強く伝えようとする言葉。>>183 古香のこういうところは、すごいと思うし。 さすが委員長だと、改めて思う。
落ち着きと芯が戻ってきた河合の声に>>191 着ぐるみの下でホッとした。]
(193) 2021/11/14(Sun) 23時半頃
|
|
……俺は、古香みたいに大丈夫とか なんか上手いこととか、言えないけど。
[この世界は楽しかったか。 そう聞かれたら、答えはノーコメントだけど。>>178 最初はただただ不気味だったけど、 今日辺りはなんか居心地がよかった気すらする。 それは、引き寄せられたと思ったことと根本が同じで。]
さっき言ってたよな、ひどいことしたって。 河合が何壊したか知らないけど、 それを今も悔やんでて、 罰が欲しいって気持ちなら、なんとなくわかる。
(194) 2021/11/14(Sun) 23時半頃
|
|
……けどな。
八歳くらいって、上の兄弟にされたこととか、 結構あっさり忘れるもんだぞ。 俺も年離れた兄ちゃんになんかされた気はするけど もうほとんど覚えてねぇし。
[河合の妹の年は、兄が居なくなった頃の俺に近い。 あの頃って、年が離れてるだけですごく大人に見えて。 構ってくれるだけで、全部チャラになってた気がする。
今更のようにそんなことに気づきながら。]
(195) 2021/11/14(Sun) 23時半頃
|
|
だから、いい姉ちゃんもやり直したいなら 時間さえあれば、十分できるんじゃないか。
[実際のところ河合の妹は俺と違うし、 気休めにしかならないかもしれないけど。]
やり方はまあこれから考えるとして、 あと……河合がやろうと思えば やり直せるってこと、見せてくれたら。 たぶん、俺も頑張れそうな気がする。
[後押しするように、今はこもこもの手で肩を叩いた。*]
(196) 2021/11/14(Sun) 23時半頃
|
|
[……猫の着ぐるみが送ってた視線は、 和歌奈の方には伝わってなかった。 まあ自分のことでいっぱいいっぱいだったし。
それに、君に声をかけられた時も、>>194 やっぱりまだいっぱいいっぱいで、 涙に濡れた顔を拭いもしないまま、 ひたすら言葉を聞いていた。
彼が、罰が欲しいって気持ちならわかると示したことと、]
え、……荒木くんお兄ちゃんいるの?
[それが過去系で表されるものだとは知らない。>>195 なんとなく神妙な顔つきになってたけど。 ……頑張るって、何をだろう。>>196 それを訊いてみたい気はしたけど、 今勢いこんで訊くことじゃない]
(197) 2021/11/14(Sun) 23時半頃
|
|
かえるんだよ。不知火ちゃんもいっしょに。 居場所を見つけて、それから普通に、 正面玄関から出るの。
[今ならそれができるだろう。 世界の主からのお墨付きだ。 「お帰りはこちらからどうぞー」>>1:232 と言ってみんなを見送って、しれっとひとり残ることもない。 最初に視線が向いたのは着ぐるみの方だった。 不知火ちゃんの去り際に何か話していたみたいだったし]
(198) 2021/11/14(Sun) 23時半頃
|
|
[ あら。ハルミチくん。 女の子の涙は苦手ですか? 助けを求めるような視線を受けつつも、>>193 わたしは和歌奈ちゃんの方に手を伸ばしたのだ。
彼は言う。彼女の気持ちがいくらかわかると。 それから、実体験に基づく話も。>>195]
(199) 2021/11/14(Sun) 23時半頃
|
|
……言われてみれば、確かにー わたしだってそうだよ。お兄もお姉も。 なんやかんやあったけど今じゃ仲良し。
わかにゃん、大丈夫だよ。 ハルミチー、頼りになるぅ。
[ そんなところまで頭が回らなかった。 わたしは素直に感心しながら、 ふと、さっきより自然に話せている自分に気づく。]
(200) 2021/11/14(Sun) 23時半頃
|
|
それじゃあ、 わたしたちが押し入っちゃったのかもね。 君の危機をびびびっと察知して。 ……そういうことにしてもいいよー
[ だから、いつも通りに近づいた口調で、 不思議そうに言う君に悪戯っぽく笑う。>>188
わたしたちのこころ。 中になにが入っているかもわからない。 答え合わせのしようもないなにか。
わたしはここで、その断片に触れたのだろうか。 本来覗くことのできない君のこころの中を。]
(201) 2021/11/14(Sun) 23時半頃
|
|
[ ……そうだとしたら、 わたしはやっぱり君が好きだよ。 君が作った不器用な優しさの詰まった世界が。]
(202) 2021/11/15(Mon) 00時頃
|
|
[ その体を抱きしめて体温を分かち合い、 待ち望んだ言葉を君の口から聞きながら、>>191 わたしはそんなことを考えたりもした。]
……うん。 進捗どうですかー……じゃなくて、 今度は一緒に、ちょっとずつ進めよう。
まずはみんなにー、 ただいまと大好きを言うために。 かえろう、和歌奈ちゃん。
[ わたしは抱きしめていた腕をほどき、 代わりに、促すように腕を引っ張った。 もう片方でハルミチーを……嫌がられなければ。]
(203) 2021/11/15(Mon) 00時頃
|
|
まなちも迎えに行かなきゃね。 まったく、マイペース娘め。
和歌奈ちゃん、ホストの不思議な力で、 びびびっと居場所がわかったりするの?
[ そうでなければ、心当たりはあるかもしれない。 きっと時間はもうあまり残されていないから、 ──ほら! って、わたしはまたその腕を引いた。*]
(204) 2021/11/15(Mon) 00時頃
|
|
[ ホストの不思議な力の有無に関わらず、 この世界の終わりに急かされようが、 きっとわたしはその場所に向かった。
2回目だからね。こらー! とも言うだろう。 狼を呼んでねと言ったのに、 結局一度だってそうしてくれなかった友だち。
それについて言いたいことも、 あれもこれもそれも、山積みだけれど、 今はとにかく、かえるんだよって。 わたしは強引と言われようが彼女を抱え──、 いえ、大きな猫ちゃんがお願いされてくれる?
とにかく、言えるのはこれだけだ。 一緒に、みんなのいる世界へかえろう。*]
(205) 2021/11/15(Mon) 00時頃
|
|
[私を取り巻く世界は本当に優しいな。 運が良かったから? それだけ? そうじゃないなら……なんなのだろう。 人徳という言葉は使えない]
(206) 2021/11/15(Mon) 00時頃
|
|
あー……今度は古香ちゃんが訊く側になればいいんじゃない。 進捗どうですかー。
[もっぱら私からの挨拶だったし、あれ。 一方、不知火ちゃんの居場所については、 びびっと首を横に振る。>>204 世界の主が制御できるのは、世界の動きだけ。 つまりマイペースな不知火ちゃんを捕まえるためには、]
うーん……、 そのうち最後になるからって、 思い出に残ってる場所にいたりして?
[と、真面目な当て推量を言ってみる]
(207) 2021/11/15(Mon) 00時頃
|
|
[それから……まあ色々ありつつ、 普通に外に出る道を歩きながら、 昇降口で和歌奈はふいに振り返る。 荒木春満とは一緒に登校した。 そうして一緒にかえることになる。
今は? もちろんその時のふたりっきりではない。
冷たい世界に足を踏みいれた後の記憶をなぞるように、 一緒にかえる君たちには、この言葉を伝えよう]
(208) 2021/11/15(Mon) 00時頃
|
|
それじゃあ、みんな。またね。
(209) 2021/11/15(Mon) 00時頃
|
|
[ 冷たい校舎の時に、 誰もいなくなった世界に、*さよならを* ]
(210) 2021/11/15(Mon) 00時頃
|
1
2
3
4
5
6
7
8
[メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報
プロローグ
1日目
2日目
3日目
4日目
エピローグ
終了
/ 最新
視点:
人
狼
墓
少
霊
全
トップページに戻る