3 ディアス家の人々
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ポーチュラカは村長 アルフレッドに投票した。
ウツギは村長 アルフレッドに投票した。
アリババは村長 アルフレッドに投票した。
セイルズは村長 アルフレッドに投票した。
アルフレッドは良家の末娘 ポーチュラカに投票した。
アルフレッドは村人の手により処刑された。
時は来た。村人達は集まり、互いの姿を確認する。
犠牲者はいないようだ。殺戮の手は及ばなかったのだろうか?
全ての人狼を退治した……。人狼に怯える日々は去ったのだ!
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[主は軽妙な答えで追求を躱し、その場を離れる。>>2:26 その間ずっと、笑いの気配が漂ってきていた。]
仮面はすなわち、神降ろし、ですから。 舞踏会の華やぎに紛れて、私にもなにか降りたのでしょう。
[仮面の下なれば、神も魔も人の世に混ざるのだと、風雅な言葉で真の一端を語る。]
(0) nekomichi 2021/01/15(Fri) 12時頃
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では。あなたのお許しを得て。
―――今宵、楽しみにしております。
[彼の指先を取り、唇でついばんでから手を放す。 少し先にいた、豪華な羽根飾り付きマスクの男性に声をかけ、彼の元へ向かわせてから、人の波の中に消えた。*]
(1) nekomichi 2021/01/15(Fri) 12時頃
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[ 着飾り、何者かに化身したアリステアの輪郭を指でなぞる。 絹のような髪、陶磁の肌。本物だ。]
時が来たら、迎えに来い。 おまえなら、造作もなくおれを見つけ出すだろう。
[ 他の誰かに心を奪われて約束をすっぼかすおそれなどないと、微笑んで送り出す。]
(2) enju3 2021/01/15(Fri) 12時半頃
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[ アリステアに言いつけられてやってきた男──声で屋敷に出入りの仕立て屋と判断した──に、どこか座れるところはないかと案内を頼む。
相手にも、この"星の王子様"が、館に戻ってきた傷痍軍人の次男坊だということはわかっているのだろう、「あちらに妹嬢がおれらますね」と丁重にベンチまで案内してくれた後は、そそくさと離れていった。]
そこの親切な方、遠くから来た旅人に何か恵んでくれるかな?
[ ポーチュラカのいるだろう辺りに顔を向け、呼びかけた。*]
(3) enju3 2021/01/15(Fri) 12時半頃
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― 中庭 ―
[少し前まではむくれていたけれども、今は砂糖菓子の籠を手にしてご機嫌になっていた。 派手な男性に案内されて隣にやってきた兄に、一度立ち上がって挨拶する。]
ごきげんよう、おに… …ううん、あなたは星空の騎士様かしら。 どうぞ。お座りになって。
[物語を愛する少女的には、王子様よりも騎士様の方が憧れるものなのだ。]
(4) nekomichi2 2021/01/15(Fri) 14時頃
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とてもすてきなお召し物ね。 マスクもとってもすてき。 夜空の宝石箱みたいよ。
まあ、おなかがすいていらっしゃるの? 良かったらこれを召し上がって。 花の女神様がくださったの。 スミレの花の砂糖漬けよ。 ね。とってもいい香りでしょう?
[籠の中には、紫色の小さな花たちが盛られている。 砂糖の衣を纏って、みなきらきらと輝いていた。*]
(5) nekomichi2 2021/01/15(Fri) 14時頃
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― 中庭 ―
[ ポーチュラカが立ち上がる気配がして、良家の子女らしい挨拶が投げかけられる。]
流謫の騎士に対し、ご親切に、どうもありがとう。 光栄に存じます。
[ 去っていった仕立て屋は騎士の馬という設定でいいだろうかと、そんなことを想像しながらポーチュラカの歓待を受ける。]
(6) enju3 2021/01/15(Fri) 14時半頃
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[ スミレの花の砂糖漬けを勧められたので、掌に乗せてもらった。 とても軽くて、少しの風でも飛んでしまいそうだ。 口の中でも同じように、そっと消えてなくなってしまう。]
ああ、いい香りだね。
[ これなら大丈夫──と、とりとめない思考が過って、 どうしてそんなことを思ったのか、自分でも不思議に思う。
話の接ぎ穂が見つからないが、ポーチュラカがいくらでもしゃべってくれるだろうと気楽にしていた。*]
(7) enju3 2021/01/15(Fri) 14時半頃
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ね?すてきでしょう? 色もとてもかわいらしいのよ。 スミレの色そのまんまで、お砂糖できらきらしているの。 今度はバラの花でも作るのですって。 赤やピンクや黄色のお花は、きっと紅茶に入れてもすてきだわ。
[目の見えない兄のために、一生懸命見た目を伝える。 そのまま言葉は風に舞って、ふわふわといろいろなところへ飛んだ。]
(8) nekomichi2 2021/01/15(Fri) 15時頃
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騎士さまのお洋服もスミレの花の色をしていらっしゃるのね。 いいえ、やっぱり星空の色かしら。 一番最初の星が空にやってきて、他の星たちもだんだん集まってくるころの空の色なのね。
ねえ、星空を飛んでみたいと思ったことはありませんこと? 空に飛んでいって星に手が届いたら楽しいと思わない? 星はきっと砂糖菓子で、月はパンケーキよ。 夜空は黒ビロードのテーブルクロスなんだわ。
[空想の中を飛び回る言葉は、いつまでも途切れそうにない。*]
(9) nekomichi2 2021/01/15(Fri) 15時頃
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― 中庭 ― 君は、たくさんの綺麗な色を知っているんだな。 君の言葉こそ、宝石のようだよ。
[ ポーチュラカの目に映る世界にうなずきながら、 子供は、少し見ないうちに、いろいろ覚えるものだなと感心している。]
(10) enju3 2021/01/15(Fri) 16時頃
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夏の日に、湖の上を飛びたいと思ったことはあるよ。 空を飛ぶのは涼しそうだ。
[ そんな他愛ない話をしているうちに、楽団の演奏するダンスの曲が聞こえてきた。]
砂糖菓子のレディ、 君は上手にピアノを弾けるかな? 今から楽団に乗り込んで、おれと一緒に演奏していただけませんか? *
(11) enju3 2021/01/15(Fri) 16時頃
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[宝石のようだと褒められれば、頬を染めて少し身をくねらせる。 恥ずかしくて、嬉しい、と素直にいうのは、まだまだ難しい。]
まあ。 夏の日の湖は、きっとお日様できらきらしているわね。 小鳥たちと一緒に飛べるかしら。 風と手をつないで、くるくる踊りたいわ。 湖にはボートに白い日傘を差して、お母さまがいらっしゃるわね。 手を振ってご挨拶して、お茶でも一緒にどうかしら。
[湖の上を飛媚態と聞けば、想像力をまさに羽ばたかせて、どんどんと空想の世界を広げていく。]
(12) nekomichi2 2021/01/15(Fri) 16時半頃
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[楽団の演奏が聞こえてくれば、おしゃべりを中断して耳を澄ませた。 お兄さまのお誘いに、きらきら瞳を輝かせる。]
もちろん弾けますわ。 ホーマー先生にも褒めていただいたんですもの。 ええ、騎士さま。 ご一緒に、楽団をのっとってしまいましょう。
[椅子から立ち上がってエスコートを求め、 お兄さまに見えていないのを思い出して手にそっと触れた。*]
(13) nekomichi2 2021/01/15(Fri) 16時半頃
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[ ポーチュラカの声が楽しげなのを、耳を傾けて聞く。 本当は、相手の顔を見て話を聞くのが筋だけれど、 こうして耳を向けた方が、今の自分には自然だ。]
うん、君の言葉はそのまま新しいスタイルの詩だな。 生き生きとした情景が浮かぶよ。
[ 願わくば、彼女の物語に登場する自分が、いつまでも、彼女にとって優しい兄であってほしいと思う。]
(14) enju3 2021/01/15(Fri) 17時半頃
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[ 楽団を乗っ取るとの宣言に、笑いながら、御意。と騎士らしく拝命した。]
おれはフィドルを担当しよう。
──では、参りますよ。
[ そっと触れてくる手を肘にくぐらせ、エスコートの形をとる。 もう一方の手には、アリステアが用意したステッキ。つまずかぬ用心に使う。 ポーチュラカがおしゃべりしながら歩けば、前方にいる者は気づいて道を開けてくれるだろうから、 演奏の音を頼りにゆっくり歩いてゆけば、きっと大丈夫だ。*]
(15) enju3 2021/01/15(Fri) 17時半頃
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[星空の騎士さまと一緒に楽団に乗り込んで、えいやえいやと大立ち回り……はしませんでしたけれども、ピアノとフィドルを乗っ取って演奏しましたの。 とても楽しい時間でしたわ。 わたくしたちの演奏に合わせて色とりどりの美しい衣装のみなさんがダンスを踊っているのよ。 わたくし、とっっ、ても楽しかったので、何回も弾いてしまいましたわ。
ねえお兄さま。わたくし忘れませんわよ。 フィドルを弾いているお兄さまの格好良かったこと! ええ、もちろん。このときは星空の騎士さまですけれども、 わたくしにとっては、やっぱりすてきなお兄さまですもの。]
(16) nekomichi2 2021/01/15(Fri) 23時半頃
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騎士さま、 一緒に演奏できて、本当に楽しかったですわ。
[楽団を"乗っ取って"演奏した後、お兄さまにお辞儀する。 それから、少しもじもじと地面に靴先で線を描いたあと、ぎゅっと両手を握った。]
わたくし、今日はがんばってお洋服を選びましたのよ。 春の晴れた日の草原みたいな緑色のお洋服に、ぴったりの羽まで作っていただきましたの。 お父さまもお母さまも、他のみなさまも、かわいいって言ってくださるのですけれど……
騎士さまは、わたくしのこと、 きれいって言ってくださる?
[真剣な目で、じっと見上げた。*]
(17) nekomichi2 2021/01/15(Fri) 23時半頃
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[ ポーチュラカと、音をあわせ、曲を奏でる。 "王妃"と踊る代わりにと想いを込めた。
そうして、ひとしきり演奏した後のこと。 ポーチュラカに話しかけられ、その訴えを聞く。]
ああ──
[ 膝を折って、妹の背丈に近づける。 ふわふわの髪を、作り物の羽を、そっと掌で撫でた。]
(18) enju3 2021/01/16(Sat) 00時頃
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君は、おれが知る限り、いつでも輝くばかりの美しいレディだ。 きれいなだけじゃなく、ずっと魅力的だよ。*
(19) enju3 2021/01/16(Sat) 00時頃
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[膝を折ったお兄さまに髪を撫でられて、胸がどきどきする。 "まだ子供だから"とも言わず、レディと呼ぶ語りかけに、耳まで真っ赤になった。]
お父さまが選んでくださる方が、 お兄さまみたいな、とのがただったらいいのに。
[意味も無くぱたぱたと服をはたいたり、髪を指でくしけずったりしながら、将来のことを口にする。 それから、撫でてくれた手を両手で握った。]
わたくし、ずっと努力して、 もっともっとすてきなレディになりますわ。 絶対よ。
(20) nekomichi2 2021/01/16(Sat) 01時頃
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だから、それまでに、 お兄さまの目が良くなりますように。
[祈りの言葉を唱えて、体を傾け、仮面の額にキスをする。 そのあと、ごきげんよう騎士さま、との挨拶を残して、ぱっと駆けだしていた。
走らないとだめなくらい、顔が熱かった。**]
(21) nekomichi2 2021/01/16(Sat) 01時頃
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[日が傾き周囲が暗くなってくれば、仮面舞踏会の雰囲気も少し変わる。 演奏の賑やかさ、人々の華やかさは変わらないながら、なにか得体の知れないものが紛れ込んでいるような、こことは別の世界の扉が開いているような、そんな幻想的で、怪しげな空気が漂いだす。]
お待たせいたしましたか、殿下。
[正面から近づきながら、彼に声を掛ける。 伸ばした指は、杖持つ彼の手に、羽根のように触れた。*]
(22) nekomichi 2021/01/16(Sat) 16時頃
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− 仮面舞踏会 −
[ ポーチュラカの軽い足音が遠ざかる。 泣かせたり、怒らせたりしないで済んで良かった。
彼女が元気でいれば、屋敷は明るい雰囲気に包まれる。 小さな太陽だ。]
あの子の結婚の妨げになるわけにはいかないな。
[ ぽつりとそんなことを考えていた。]
(23) enju3 2021/01/16(Sat) 19時頃
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[ 外気の温度がだんだんと下がってきて、日が落ちたと知れる。 夜に開く花の香りが届き始めた。
この木はここにあったのか。 見えていた頃には気づかなかった。
手を伸ばして小枝を折り取る。
このくらいの香りなら問題ない──
そう思った理由はよくわからないけれど。]
(24) enju3 2021/01/16(Sat) 19時頃
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[ 一瞬、音楽が途絶えた気がして、振り向けばアリステアが迎えにきていた。]
もう充分に堪能したよ。 仮面を外しにいこう。
[ 先導を促すように、杖の先を軽く浮かせる。*]
(25) enju3 2021/01/16(Sat) 19時頃
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[血のつながりを響かせて辿った先に、花の枝を手にした彼がいる。 白い小さな花は、薄暮に甘く香っていた。]
その香りがお好きですか?
[微笑んで、彼の手を取って、引き寄せる。]
今宵は寝室に、その花を散らしましょうか。
[忍びやかに、秘密めかして、囁く声は艶を帯びた。]
(26) nekomichi 2021/01/16(Sat) 21時半頃
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[彼を先導し、舞踏会の空気から逃れて向かったのは、結局は彼の私室だ。 扉を閉めれば、華やかな賑わいが遠くなる。]
今宵は楽しまれましたか?
[仮面を外す前に、問いかける。]
最後に一曲、私と踊ってくださいますか?
[引き寄せた彼の手に自分の手を乗せて、誘った。*]
(27) nekomichi 2021/01/16(Sat) 21時半頃
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[ 寝室に花を散らすなんて、新婚旅行のようだ。 アリステアの秘密めかした声が、そんな連想をさせる。]
これは、おまえに贈ろうと思って持っていたんだ。
[ まだ触れていなかったこめかみの辺りへ、花の小枝を摘んだ手を伸ばす。 その時点で、「寝室で花を散らす」の複合的な意味に思い至って、苦笑した。 いやはや。なまじっか知識があるのも困り物だ。言わぬが花。]
(28) enju3 2021/01/16(Sat) 23時頃
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[ アリステアの卒のないエスコートで部屋に戻り、ほっと息をつく。 この部屋自体がひとつの仮面、世間体の檻のようなもので、その中にいる限り、ウィリアムはディアス家の次男坊として、そっとしておいてもらえる。]
おおむね楽しかったよ。 …後から振り返れば、今日のことも楽しい思い出になるだろう。
[ アリステアからの質問を、ディアス家の者として分析し、答える。]
(29) enju3 2021/01/16(Sat) 23時頃
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[ ダンスの誘いに、そっと微笑んだ。]
おまえがワルツの名手であっても、もはや驚かないよ。
[ ここでなら、他の者とぶつかる心配もない。 重ねられた手をとり、くるりと回した。*]
(30) enju3 2021/01/16(Sat) 23時頃
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私に贈り物とは、ありがとうございます。
[さすがに彼の心の中までは読めないけれど、髪に挿された花の小枝はいっそう甘く香るようだった。 彼は香りに溺れたあの夜のことを覚えていないだろうけれど、きっと体は覚えている。]
こうしていれば、香りだけでもあなたを導けるかもしれませんね。
[悪戯な声で言って、けれどエスコートはしっかりと手を触れて行った。*]
(31) nekomichi 2021/01/17(Sun) 11時頃
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[部屋の中にいても、楽団の奏でる曲が遠く聞こえてくる。 曲に合わせ、彼が導くまま軽やかに回った。
互いの息を感じる程近く胸を合わせ、歩調を揃えてステップを踏む。 部屋の中を巡るほどに、花の香りが軌跡となって残った。
一曲を踊り終えても手は離さず、彼の腰をそっと抱き寄せる。]
仮面の時間はこれでおしまい。
[囁く声は濡れた吐息に滲む。 片手を彼の顔に伸ばし、仮面を外した。*]
(32) nekomichi 2021/01/17(Sun) 11時頃
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[ アリステアをパートナーに、ワルツを踊る。 こんなに気兼ねなく身体を動かしたのは久しぶりだ。
ついてこられるかと挑発するように、大きくステップを踏んでは、流れるような彼の動きに笑みを深くする。 さて、この腕に抱いているのは、しなやかな黒猫だろうか。
彼から、昨日、階段を落ちた時の後遺症は感じられない。 そのことに安堵する。
血が巡る中に、花の香りも旋舞して、華やいだ雰囲気を増していた。 闇の中、二人きりの舞踏会。]
(33) enju3 2021/01/17(Sun) 19時頃
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[ 息があがることはなかったけれど、曲は終盤に差し掛かり、やがて音は消えてゆく。
名残のように身体を寄せたまま、アリステアの手が仮面を外した。 それで視界が変わるわけでもなかったけれど、ウィリアムは小さく息を吐く。
魔法が解ければ、二人の立場は主人と使用人。 見えない世界で生きる術を模索する貴族の青年と、その身の回りの世話をする従者だ。]
おまえの望みは、これで良かったのか?
[ 「これでおしまい」で。*]
(34) enju3 2021/01/17(Sun) 19時頃
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[彼は、仮面の意味をはき違えている。 当然だ。 そこに別の意味があることなど、表の世界に生きる人間は気付かない。]
もちろん。 私の望みはあなたを――
[これで良かったのか、と紡いだ彼の唇に人差し指を当てる。 静かに、の形を作った指で彼の頬を撫でたあと、自分の仮面を外した。 テーブルに置かれた黒猫の仮面は、笑っているかのよう。]
おまえを、永久に私のものとすること。 ただそれだけだよ。
["仮面"を外しただけで空気を白檀の森に変えて、魔性は手にした獲物を掻き抱く。]
(35) nekomichi 2021/01/17(Sun) 21時半頃
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今宵、いよいよ、おまえを連れ帰る事ができる。
一緒に来てくれるね?
[声の一つ一つが艶やかな力を帯び、 同時に喜びに満ちあふれていた。*]
(36) nekomichi 2021/01/17(Sun) 21時半頃
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[ 唇に絹の指が立てられた。 言葉は要らない──あるいは、言葉以上のものを知れと。
彼もまた仮面を外し、素顔となる。
──窓が開いたわけでもないのに、空気が一変した。
神秘的な深みと広がりを感じる。 ここで交わされる言葉は、神託にも等しいだろう。]
(37) enju3 2021/01/17(Sun) 22時半頃
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[ 私のもの、と主従が逆転したかのような言葉に、ウィリアムは唇を引き結ぶ。]
おまえと、こういう話をしたのは、 今夜が初めてだろうか?
[ あまりに自信ありげなアリステアの様子に引きずられまいと、腰に回された手首を握る。*]
(38) enju3 2021/01/17(Sun) 22時半頃
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[手首を握る掌の圧が心地よい。 彼の声に潜むのは、畏れか。 超自然のものに対した時の、人間の自然な反応。
警戒するように、確かめるように彼が問う。 それに微笑み、頷き、彼に届くように言葉にした。]
その通りだとも。 私たちは夜ごと、語らった。 言葉と、それ以外の言語をもって。
[交わしたのは言葉だけではない。 それを示すよう、握られた手の指で、彼の手首をなぞる。*]
(39) nekomichi 2021/01/17(Sun) 23時半頃
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[ 意味深な様子でアリステアは答える。
彼が伺候してまだ月はひとつ巡っていないが、 その間の夜毎の語らいといったものを、]
おれは覚えていない。
[ きっぱりと断言する。
優しく触れてくる彼の指に、記憶とは違うものがざわつくけれど。*]
(40) enju3 2021/01/18(Mon) 00時頃
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そうだろうとも。
[断言した彼を鷹揚に認める。]
私が、そうした。 おまえの傍らに立ち続けるために。
夜ごとの記憶を夢に変えて眠らせた。 けれども、おまえの体は覚えているはずだよ。
私との触れあいを、全て。
[自由な方の手で、彼の胸に触れる。 ただ触れていることを伝えるだけの軽さで。*]
(41) nekomichi 2021/01/18(Mon) 11時頃
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[ 軽く、彼の手が胸の上に置かれた。 心音が跳ねるのを感じる。]
──…、
おまえがこの場で嘘をつくとは思ってない。 どのような方法で記憶操作を行ったのかも、一旦、置いておく。
ただ、おまえはこれまでしてきたことを、今日になって変え、 おれを連れて、どこかへ帰ろうとしている。
[ 状況を整理するように恬淡と語るが、脈はいつもより速かった。]
(42) enju3 2021/01/18(Mon) 11時半頃
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おまえが用意している場所でおまえは、これまでと同じようにおれに仕えてくれるのか?
[ 指を彼の顔の輪郭に滑らせ、顎に軽く添える。*]
(43) enju3 2021/01/18(Mon) 11時半頃
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[彼の指が輪郭を伝う。 その傲慢なまでに優雅な仕草は、きっと自分と似ている。
彼の手を取って、口に運んだ。 人差し指を歯の間に挟んで、ちろりと舐める。]
仕えるのではないよ。
おまえを愛する。 私の全てをかけて。
[中指の背に口付ける仕草は貴人への礼法に似て、もっと親密で深いものなのだった。*]
(44) nekomichi 2021/01/18(Mon) 12時頃
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[ 指先に濡れた暖かなものを感じた瞬間、思わず吐息が漏れる。]
おまえがここに来たのは、「愛」のためだったか、スペンサー。
[ どこで見染めたものやら、相変わらず謎の多い従者だった。]
不思議なものだな、そう言われてみると、自分の不甲斐なさを、なんとかしなければならないという闘争心に火がつく。
(45) enju3 2021/01/18(Mon) 12時半頃
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──おれは、おまえに囲われる気はない。
[ 接吻けを伴って恭しく捧げ持つ所作をする彼の手指に、己の指を絡ませて繋ぐ。]
おれが自立して活計の道を見つけ、家族に祝福されてこの屋敷を出ていけるようになるまで、力を貸せ。
[ それとも、おまえが欲しいのは逃げ出す心配のない盲目の人間か、と挑発的に嘯いた。*]
(46) enju3 2021/01/18(Mon) 12時半頃
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[絡まりあう指の熱が互いを巡る。 これは、互いに譲れないものを賭けた交渉だ。 それができる相手だからこそ、愛おしい。]
おまえは、私をどれだけ待たせるつもりだい? 今この瞬間にも、連れ去りたいと願っている者を。
[溜息のような声に情感が籠もる。]
私はおまえを遺漏なく私のものとするために、 これまでの時間を費やしてきた。
… もう、待てない。
[一歩を踏みだし、距離を詰める。 唇が触れあいそうな距離で、掠れた声で求める。]
(47) nekomichi 2021/01/18(Mon) 16時半頃
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[今までの夜は、このまま唇を合わせてベッドに押し倒していたものだ。 けれども、今欲しいのは彼の体だけではない。]
―――…、 けれども、 おまえが家族を思う気持ちはわかる。 私も、短い間だが共に暮らして、多少の情はある。
彼らに祝福されて送り出されたいというなら、待とう。 そうなるように、私が手を打とう。
ただ――
おまえの行く先に、人間としての暮らしは無いよ。
[穏やかな声で、端的に事実を告げる。*]
(48) nekomichi 2021/01/18(Mon) 16時半頃
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[ 息と白檀の香りが触れる距離に彼の顔があるのを感じる。 彼の声は、直接、肌に伝わるかのよう。]
ああ、おまえに意地悪をするつもりはなかった。 ただ、結果として、随分と焦らしてしまったようだ。
[ 同情の色を込めて謝り、まだ待つと言ってくれた彼に謝意を示した。]
(49) enju3 2021/01/18(Mon) 17時半頃
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[ 彼の求めに応じるならば、自分は家族に祝福されてここを出てゆくことになる。 もっとも、「人間としての暮らしはない」と彼が断言するからには、家族には「自立してしっかりやっている」と偽装をするということなのだろうが、そこは──妥協するしかないと割り切った。 傷痍軍人としての引目がある。 迷惑や心配をかけなければ御の字だろう。]
──了解した。 おまえが用意する新しい生活を、始める。
[ いくらか硬い表情で受諾を伝えてから、任せた、頼むと依願する。これは、望外のチャンスに違いない。
場違いだろうが、嫁ぐというのは、こういうものなのだろうかと思った。]
(50) enju3 2021/01/18(Mon) 17時半頃
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しかし、人間らしく扱う気がなくても、愛はあるのか?
[ 彼は、全てをかけてとまで言った。ペット扱いされる予感はしていない。 素直に、彼の世界観が想像できていないことを伝える。]
…それと…、おれがおまえを愛していないままでも、いいのか?
[ これではおまえを利用しているようだと、案じた。*]
(51) enju3 2021/01/18(Mon) 17時半頃
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[誠意を感じさせる声で謝罪し、用意された将来を受け入れる。 不安は多いだろうに、全てを任せてくれる彼は愛おしい。 いや。これは私を信じてくれているということか。
想いが溢れて、彼を抱き寄せた。]
愛は、時間を掛けて育めばいい。 先に恋に落ちたのは私なのだから、 おまえに愛される努力は惜しまないよ。
[いずれは同じ想いを抱いてくれる。 それを疑わない声で告げる。]
(52) nekomichi 2021/01/18(Mon) 18時半頃
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おまえは、人ではなくなるのだよ。
[温もりを堪能してから、体を離す。 なお指は絡めたまま、彼の疑念に答えた。]
おまえが行くのは、この世界の裏の側、 並の人間は一生触れることもない世界だ。
私はそこでおまえの命を終わらせ、 私の命を分け与えて生まれ変わらせるだろう。
[それこそ、ただの人間には信じがたい話だろう。 だが今の彼ならば、頭から否定はしないと信じられる。]
(53) nekomichi 2021/01/18(Mon) 18時半頃
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私と同じ、夜の世界の生き物となり、 私と共に永い時を生きるだろう。
その命をどう使うかはおまえの自由だ。 学問でも、芸術でも、 もちろん私の仕事を手伝ってくれてもいい。
おまえの前には、無数の可能性がある。
[彼は既に了承しているのだから、何も言わず連れていってもよかった。 だが、彼の問いに答えたのはただ愛故に。 不安なく、喜びをもって共に来てもらいたいと願うが為。*]
(54) nekomichi 2021/01/18(Mon) 18時半頃
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[ 時間をかけても自分を愛するように努力すると、そう語る彼の声に、ああ、と小さく頷く。]
たいした自信だ。
[ 嫌いじゃない。 そっと笑みを浮かべたのは、彼には見えているだろう。]
(55) enju3 2021/01/18(Mon) 19時頃
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[ 彼と共に世界の裏側に行けば、人ではなくなると説明され、命が終わると聞けば、暗澹たるものを想像するしかなかったけれど、彼が「私と同じ」というのならきっと違った面も見えてくるはずだと自分を納得させる。
どうしてここまで彼を受容できるのか、不思議ではあるけれど、きっと彼が消した記憶の中で、幾度も討議し、ぶつかりあってきた成果なのだろうと思う。
それに、彼は飼い殺しにするつもりはないらしい。 活計の道を模索させてくれるというならば、希望したとおりだ。]
…おまえには敵わない。
(56) enju3 2021/01/18(Mon) 19時頃
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おまえとの出会いがいつに遡るのか、わからないけれど、
──待たせたな。
[ 軽く抱擁する。*]
(57) enju3 2021/01/18(Mon) 19時頃
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[抱擁の心地よさに酔う。 受け入れられたと感じるからこその温もりだ。 今までの全ては、この時のためにあった。]
―― 愛している。
[万感を込めて囁き、そのまま彼を抱き上げる。]
(58) nekomichi 2021/01/18(Mon) 21時半頃
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もう耐えられない。 おまえが欲しい。
[率直に過ぎる欲望を口にして、彼をベッドに押し伏せた。]
今宵は記憶を消したりしないとも。
けれども、おまえの新しい身分を用意するのには、もう少し時間が掛かるから、 ……明日は、なにごともなかったように振る舞っておくれ。
[たのしげな声で告げて、彼の服を脱がせてしまおうと挑みかかる。*]
(59) nekomichi 2021/01/18(Mon) 21時半頃
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[ 膝裏を掬い上げられて、足元の不確かさゆえに彼の肩にすがる。 それもわずか、性急にベッドに下ろされて襟元に手がかかった。]
──スペンサー、
[ なんて強引な従者だ、と叱責しようとしたところで、彼はもう人間の仮面を捨てたのではないかと思い巡らせる。]
…違うな、 おまえは──、 いや、
記憶を消さないというのなら、まだ名を聞かない方がいいか?
(60) enju3 2021/01/18(Mon) 21時半頃
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[ それにしても、あまり豹変されるとついていけない。 彼の手を押さえて、確認をする。]
…何事か起きる前提で話をしているんだな?
(61) enju3 2021/01/18(Mon) 21時半頃
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[服を脱がそうとする手が止められる。 振り払う代わりに、深く接吻けた。
たっぷりと舌を絡ませたあとで唇を離す。]
シン、だよ。 閨の中では本来の名で呼んで欲しい。
[彼に名を明かすのは幾度目か。 これで最後になるだろう高揚に身を震わせる。]
(62) nekomichi 2021/01/18(Mon) 22時頃
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心配することはない。 毎夜、してきたことだ。
おまえの体はちゃんと覚えているよ。
[まるでなんの説明にもならない事を口にして、脱がせる試みを続ける。 押さえる手を意にも介さず上から留め金やらボタンやらを外していって――最後は面倒になって引きちぎった。]
おまえが、欲しい。
[暴虐のさなかの睦言は、当人としては明白に意図を明かしているつもり。*]
(63) nekomichi 2021/01/18(Mon) 22時頃
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[ 彼の行動を止めようという試みは、深い接吻けで阻まれた。 いきなりの行為に身体が強張るが、彼の舌は甘く、勘所を捉えていた。 歯列の裏を舐め上げられて、背骨が溶けたように力みが抜けてしまう。]
──ん…ぅ
[ 閨と言った、毎夜のことだと言った。 肌が紅潮するのを感じる。]
(64) enju3 2021/01/18(Mon) 23時頃
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[ 夜毎に閨を共にして、それを忘れさせたというのか。 それはなんというか、重大すぎる。]
っ、おれの中では、初めてだ…っ
[ そんな主張をしても詮無いことだけれど、 ありふれたことにしたくなくて、力説する。*]
(65) enju3 2021/01/18(Mon) 23時頃
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もちろん。 私も毎夜、新たな気持ちで抱いている。
[彼の主張を、当然のこととして受け止める。]
―― なにより、 今宵はおまえと私が永久の契りを結んだ夜だ。
忘れ得ぬ夜にしよう。
[囁いて、抱きしめて、侵掠を再開した。]
(66) nekomichi 2021/01/18(Mon) 23時頃
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[初めての夜以来、彼の内側に潜ませていた闇を呼ぶ。 彼の内側で震えるそれが、始まりの合図だ。
衣服を全て剥ぎ取って肌を吸い、指先で全身を掻き立てる。 体の防御が緩むのを見計らって膝を割り、指先を彼の中へ送り込む。 一本。二本。潜らせた指を数えながら入り口を十分に柔らかくし、彼の奥が切なく締め付けて来る頃には、こちらの準備もできている。
幾夜も繰り返してきたそれらの動作を、ひとつひとつ解説しながら行った。]
ここがおまえの弱いところだよ。 こちらを刺激しながらここを吸うと――、腰が跳ねたね。
ほら、ここ。好きだろう?
[これまでの積み重ねを存分に彼の体の上で開示して、]
(67) nekomichi 2021/01/18(Mon) 23時頃
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欲しい、と言って――
[蕩け落ちそうな声音で、囁いた。*]
(68) nekomichi 2021/01/18(Mon) 23時頃
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[ 彼が宣言し、抱擁するだけで、身体の奥が蠢動した。 抱いている、と言うからには、やはり、その、自分は抱かれる側なのか。 その時点で、どうしていいかわからない。]
え、 ああ…っ
[ 力任せに衣服を剥ぎ取られて、ぞわりとそそられる。 確かに身体は、記憶にある以上のことを知っていそうだ。]
(69) enju3 2021/01/18(Mon) 23時半頃
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[ 指が、唇が触れ合い、官能を呼び起こす。 ウィリアムの身体はそれに応え、快感を歌い上げた。
思いも掛けない媚態を晒してしまう自分の貪婪さを恥ずべきか、否、これは彼によってじっくりと調律された成果なのだと思う。]
──ああ、 シン…
[ 内なる欲望が導くままに、腰を折り、彼に捧げてみせた。]
おまえが、欲しい──。
(70) enju3 2021/01/19(Tue) 00時頃
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[欲しい、と言葉が反響する。 捧げられたその場所は、浅く口を開いて息づいていた。]
ああ――、私も、おまえが欲しい。 おまえに全て注いで、ひとつになろう ……
[吸い込まれるように、彼の中へ自身を収める。 鍵が鍵穴に合わさるように、寸分の狂い無く結びつく感覚。 私が拓き、私が耕し、私の為に実るよう手を掛けた沃野。 収穫の時を迎えた甘露を、思うさまに味わう。]
(71) nekomichi 2021/01/19(Tue) 00時半頃
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[動かずにただ抱き合い確かめ合う時間から、少しずつ動いて快感を高め、やがては他の場所へも手を伸ばして、快楽の階段をひとつひとつ共に上っていく。 頂点へ向けて疾走する段階になれば、自分自身をも欲望の炎に投げ込んだ。]
愛してる、愛してる……っ ああっ、一緒に、 どこまでも、 おまえと、 共に、 いこう …… っ !
[想いを彼の中へ迸らせ、ともに極みへと駆け上がった。]
(72) nekomichi 2021/01/19(Tue) 00時半頃
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[やがて、全身が蕩けたかのような幸福感の中で再び彼を見いだし、抱きしめて呼吸を思い出す。
彼の鼓動を聞きながら、暫しは余韻に浸っていた。*]
(73) nekomichi 2021/01/19(Tue) 00時半頃
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[ こんな風に一線を超えるものだとは思ってもみなかった。 壊れるとか、死ぬとか、達くとか、あられもなく呻いて、彼を失笑させたかと思ったが、豈はからず、彼は嬉しそうにしていたから問題はないらしい。 彼からも、たくさん、愛してると言われた。 それは身体の隅々まで、悦びとともに記憶づけられる。]
愛し方も愛され方も、おまえは教えてくれるのだな。
記憶を消すなんて、もうさせない。
[ 彼の胸に顔を埋めながら、接吻けの痕を残してやった。*]
(74) enju3 2021/01/19(Tue) 00時半頃
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[肌を吸われるくすぐったさに身を捩る。 胸元に落ちた花弁は普段ならすぐに消えてしまうけれど、少しの間残しておこうかと思う。
存分に事の後を楽しんでから、彼の身を清めた。 浴室に連れ込めばまた彼を押し倒したくなるのは明白だったので、ベッドの上で全身を濡らした布で拭う。 クローゼットからナイトローブを出してきて彼に着せつけ、寝具の間に寝かせる。
毎夜していた事でも、彼の意識があるとやはり違う。 ひとつひとつの動作に喜びが伴う。 こんな風に世話を焼くのもまた楽しいと、教えてくれたのは彼だ。]
(75) nekomichi 2021/01/19(Tue) 09時半頃
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おやすみ。 また明日。
[呪を伴わず囁いて、唇を合わせる。 少し考えてから、隣に潜り込んだ。
彼が寝入るまで、そうしていよう。]
(76) nekomichi 2021/01/19(Tue) 09時半頃
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[翌朝、紅茶の香りと共に1日を始める。]
お目覚めの時間でございますよ、我が主。
[我が主、と告げる声は甘く囁くよう。 ティーカップをベッドサイドに置いて、主が身を起こすのに手を差し出し、素早く唇の端に接吻けた。*]
(77) nekomichi 2021/01/19(Tue) 09時半頃
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[ 彼に清拭され、寝かしつけられた。 それも含めて、愛を交わす彼なりの儀式のようだったから、我を張らずに世話を任せる。
同じベッドで誰かと寝るのは初めてだったから、緊張して眠れないのではないかと思ったが、 睦みあいに体力を使っていたのだろう、すぐに心地よい良い眠気に誘われた。
朝6時に起こすようにと指示して、温かな眠りにつく。
彼がいるというのに、遅くまで眠っているなどもったいない。]
(78) enju3 2021/01/19(Tue) 19時頃
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[ 翌朝、モーニングティーに添えられた蜂蜜ほどに甘いキスに、昨夜のことは何一つ、夢ではなかったのだと歓喜した。]
おはよう、スペンサー。 今日は、町に出ようと思う。
馬車と外出着の支度を整えてくれ。
[ これまでと同じような会話。 けれど、こんなに希望を持って一日の算段をするのは失明して以来だった。]
むろん、おまえも一緒に来てもらう。いいな。
[ 旅立ちの準備を、始めよう。*]
(79) enju3 2021/01/19(Tue) 19時頃
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[翌朝の彼は、これまでになく生気に満ちていた。 町に出ようと言うのは初めて聞く。
愛が、彼に力を与えたのだろう。 あるいは、将来の展望が。]
どこまでも、共に。
[返答は揺るぎなく。手を取るのは慈しみをもって。 彼の望むまま、どこへでも導いていこう。*]
(80) nekomichi 2021/01/19(Tue) 21時頃
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― 旅立ち ―
[続く日々をそうして準備に費やし、やがて旅立ちの時が訪れた。
東方の商人がこの国の話者を雇いたがっていると新聞に広告を載せ、応募した彼が採用された形を装う。 商人として現れたのは背の高い男で、故国で商売の手伝いをしてほしい、いずれは共同経営者にもなれる人材を探していると流暢に話した。 香を扱っているので、目が見えない方がむしろ目利きになれると保証する。 信じるに足るだけの書類も、用意されていた。
話は全て順調に進み、彼が家を出て遠い国に移る形が整った。]
(81) nekomichi 2021/01/19(Tue) 21時頃
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[当日訪れた迎えの馬車は、四頭立ての立派なものだった。 黒を基調とした車体は頑丈な作りながら、細やかに飾りが施されていて優美さも感じさせる。 無口な御者は一礼したのみで御者台から動かなかったが、服装は上質なものとわかる。]
準備が整いました。我が主。
[変わらぬ口調で呼びかけて、彼を馬車へと促す。*]
(82) nekomichi 2021/01/19(Tue) 21時頃
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― 旅立ち ―
[ アリステアは日常の仕事と同様に生真面目に、支度を整えていった。
彼の用意した書類を自分の目で見ることはできずとも構わないと思っていたが、点字翻訳されたものも用意されていたのには驚いた。 書類に染ませてある香は、彼が紡ぎ出した話を裏付けるのと同時に、ウィリアムの興もそそる。
偽装ではなく、香について学んでみたいと思った。
きっと──夜の営みにも活用できるだろう。]
(83) enju3 2021/01/19(Tue) 21時半頃
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[ 旅立つ日には、見送りの家族と抱擁を交わし、使用人たちにも心ばかりの記念品を渡す。 遠いところへ行くからめったには会えないと、皆も了見していた。]
おれは望んで彼の地に赴くのだから、笑顔で見送ってください。 便りがないのは、元気にしている証拠だと思って。
皆の幸せを願っています。
[ そうして、従者の呼びかけにうなずいて、馬車に乗り込む。]
(84) enju3 2021/01/19(Tue) 21時半頃
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行こう、おまえと──愛と共に。
[ ステッキでコツリと軽く、馬車の天井を突く。 出発の合図だ。*]
(85) enju3 2021/01/19(Tue) 21時半頃
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[お兄さまが旅に出るのを、家族総出で見送る。 ディアス家の姫ももちろん、その中にいた。]
ウィリアムお兄さま。お元気でいらして。 わたくし、お兄さまのために毎晩ちゃんとお祈りしますわ。
[小さい腕を目一杯伸ばして抱きつき、それから小さな鉢植えを差し出す。]
わたくしのお花よ。 花言葉は「いつも元気」なんですのよ。 遠いところへ行かれるお兄さまに、 わたくしの元気を分けて差し上げたいの。
花が咲いたらわたくしを思い出して。 ポーチュラカは、ずっと元気に過ごしておりますわ。
[そんなお別れの言葉と一緒に、頬にキスをした。*]
(86) nekomichi2 2021/01/19(Tue) 22時半頃
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[ディアス邸の敷地を出て、窓の日除けを降ろせば馬車の中は真の闇だ。 いつしか車輪も砂利道ではなく、もっと滑らかな場所を走っていた。 馬蹄の響きも、今は聞こえない。
異界を旅する馬車は、ふたりを乗せて駆けていく。 彼にとってはこの先の何もかもが未知だろう。
それでも共に行くと言う彼へ、私は惜しみなく愛を注ごう。]
―― ああ。行こう。 新たな世界を、おまえと共にひらこう。
[きっとそれは、喜びに満ちた世界になるはずだ。*]
(87) nekomichi 2021/01/19(Tue) 22時半頃
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