4 【突発R18】痴☆電車
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―後日談―
[女はその後、智閑線を利用することはなかった。 遠回りになっても他の手段で会社に行き、出向を終える事ができたのだが、その会社を辞めることになった。 電話の事を追求され、部長が過度のセクハラに走った結果である。 此方の失態でもあるので、部長を訴えるより自分が撤退する事を選んだのだ。
そして今は実家に住んでいる。 今日は新たな就職先への初勤務だったのだが。]
(0) 卵 2021/01/26(Tue) 17時半頃
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…………………………………ウソでしょ?
[まさかその会社に、あの日名前も知らずに何度もイかされてしまったあの男の姿があったとは。 知っていたら面接に行かなかった。 知っていたら採用されなかった。 いや。この不況の中なので本当にそうしたかは定かではない。 だがこちらもあちらも大人なのだ。 思わず角に隠れてしまったが、深呼吸。
今日から新たな仕事と生活が始まるのだ。]**
(1) 卵 2021/01/26(Tue) 17時半頃
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―後日談―
[そう、だから女はあの日の男と目の前の男とが、本当に同一人物なのかを疑う羽目になった。 むしろ係長として普通に働いている以上、あの日の仕事はあちらはどうなっていたんだろうと1日欠勤する羽目になった身としても気になってしまった。 この会社はそんなにフレックス勤務など柔軟だっただろうかと勤務規定・休暇規定を熟読してしまったりもした。
あの日以来、全く痴漢だとか体を触るだとかの気配はない。 たまに同じ電車で帰る時も、電車の揺れで体が触れることはあっても、それ以上は決して何もされず。痴漢行為なんてものはその気配すらない。>>3]
(8) 卵 2021/01/26(Tue) 20時半頃
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[そうして今日も、二人きりになっても仕事の話で終わり、真面目に仕事を終わらせた。>>4 最初のうちは多少警戒していたが、会社関係者には手を出さないのだろうと女もまた警戒を解いていた。 あまり警戒しすぎても疲れるし、仕事に集中している分には問題もなかったからだ。]
(けれど、この人は、素知らぬ顔をしてまた誰かに痴漢してるんだろうなあ…………。)
[正直とても気持ちよかった。 けれど痴漢は犯罪である。 自分が彼を野放しにして良いものかも悩みはするし、もしかしたら会社の女性の誰かだって自分と同じような経緯で関係してしまっているかもしれない。 何だかそれを思うとモヤモヤするものがある。]
(9) 卵 2021/01/26(Tue) 20時半頃
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館本係長。 ……………って、あの日の事はすっかり忘れてるんですか?
[なので、仕事が終わった後につい訪ねていた。 あの日、と一応ぼかす。]
別に、責める気は毛頭ないんですけど。
[帰宅準備を進めながら、目線は自分の荷物に向けていた。]*
(10) 卵 2021/01/26(Tue) 20時半頃
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…………ウソでしょ。
[断定的に言い切った。 本当に忘れているなら、何のことかを問われる筈。それが、忘れたとしれっと言われるなんて。 しかし互いに社会人だ。言いたくないこともあるだろう。 それなら封印するかと自問した時、彼が隣に立ち女の頬に触れた。>>11 続けられた言葉とその薄ら笑いにカッと頬に熱が宿る。]
痴漢、した事です。 痴漢は犯罪ですよ。
[だから眉を吊り上げそんな当たり前のことを口にした。 つまりは、何度も何度もそれこそ苦しくなるくらい、意識を何度も飛ばすくらいにイかされた事は責めていない。 予想外ではあったがアレは自分が望んだことでもあった。 頬に触れる手が熱い。 女の頬も負けじと熱いだろう。]
(13) 卵 2021/01/26(Tue) 21時半頃
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でも、私は忘れられなかった。 私だけ忘れられないなんて不公平だと思いました。 それに、今でも痴漢を続けているんじゃないですか。 ……………………私では何も協力できませんか。
[あの日のことが忘れられない。 けれど女は、あの日の快感を求めて電車に乗り続けられるほどにはなれなかった。 帰りにも別の痴漢に遭ったのだから、智閑線に乗り続けても彼と巡り会うなんて奇跡に近いと思ったし、その前に受ける痴漢被害の方が耐えられるかわからなかった。 だから智閑線に乗るのはやめた。 けれど目の前にあの時の彼がいる。 いるからこそ、そんな言葉を口にする。]
(14) 卵 2021/01/26(Tue) 21時半頃
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こんな偶然もあるんですから。 いつか、万が一貴方の行為が露見しないように、私に…………メインに痴漢、するとか。
[いやなにをいっているんだろう。 いやでも。 また触って欲しいとか、シて欲しいとか、ぐるぐると頭を駆け巡った結果がこれだ。]
社会的立場の為に、恋人関係を作るとか。
[いやもう何を言ってるんだろう。 つまりは、何かしらの繋がりが欲しかったのだ。 行きずりだけではなくなった相手と、また行為ができる言い訳の。]*
(15) 卵 2021/01/26(Tue) 21時半頃
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あくまで契約関係といいますか? 例えば芸の男性と結婚するみたいなものですよ。 世間的にはそうしておいてほうが良いかな、と思っただけです。
[それは彼にとっても、女にとっても。 けれど恋人は要らない、バレたこともないと豪語されればそうかと納得して強く言い募る事はなかった。 そもそもそんなことを望んでしまうのはいけない事だ。 危ういな、と自分のことを嗤いながらため息をつこうとする。 唇を撫でる指先が優しく、いやらしい。 くすぐったさを堪えて言葉を考える。 しかし、続けられた言葉にピクッと反応してしまった。
耳たぶにキスをされて首をすくめてしまう。]
(18) 卵 2021/01/26(Tue) 22時半頃
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ふあっ?! ん、……………ぁっ………。
[足の合間に彼の脚が入り込む。 最後に放たれた言葉に女は顔を赤らめながらも確かに頷いた。 眉を吊り上げてしまうのは恥ずかしさの裏返しだ。]
あなたにシて欲しいんです。 痴漢も、その先も。 ………あの日が忘れられないの。
[女の瞳に僅かに熱が宿る。 そっと相手の腕に手を添え、一度は反射で閉じた膝をかすかに開かせた。]*
(19) 卵 2021/01/26(Tue) 22時半頃
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…………、よく分かりますね、加賀さん。
[あの、表情の変わらない男の機嫌がよくわかるものだ。>>-125 それにしてもよく分からなかった。 加賀に三つ編みを褒められたと思えば、この男はアップの方が好きだという。>>-126 それに通常の触り方ではあったが、今まで決して触れることのなかった男に触れられて驚いた。それは、びくりと肩を跳ねさせたくらいだったが。]
(22) 卵 2021/01/29(Fri) 15時頃
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[そして、それからは会社の中で、仕事の合間でも痴漢が行われるようになった。 人気のない所ならともかく、人の目のある場所の時には流石に抵抗する素振りを見せたが、声を殺しながら昂って受け入れてしまうことが常になっていた。 人目がある場合、女子社員たちや加賀に体調を心配されてしまうのが地味につらかった。 しかしそれよりも、何かを察して"そういう目"を向けて来る者が増えるのもまた地味な痛苦であった。 まさか、と言う蔑みの目ならともかく、そんな女ならと。
加賀の近くにされる事。それ自体は特に異論は無かった。 無かったが、ある日の飲み会にて、熱っぽい目で見つめられ店の廊下で壁ドンされた時には焦った。 何事もなかったが、………あんなに係長に対しては気づきのある加賀が、自分たちの関係に何も気付いていないとは考えにくい気もした。 だからこそ、あまり加賀と組まない方が良いと口にしても公私混同>>-127だっただろうか。]
(23) 卵 2021/01/29(Fri) 15時頃
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[ホテルで、自宅で。 …………今は実家暮らしなものだから>>0、きっと部屋に上がってきたのは両親が結婚記念日で旅行中のある日のことだろう。 まさか親が在宅中には来なかったと思う。 来たとしたら女は「何考えてんですか?」と相手の行動を訝しんだ事だろう。
恋人ではないのだから。>>-127 けれど手放されないのを良いことに、女の方から彼から離れもしない。 自分も大概卑怯な女なのだと、女は自身を嘲る。
そんな関係が続いてどれくらい経った頃だろう。]
(24) 卵 2021/01/29(Fri) 15時頃
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[女の体調が芳しくなくなる時期が続いた。 その頃から女は、激しく体を重ねることをやんわりとだが拒絶するようになった。 そして、部長に何かを相談し始めた。
けれど表向きは、特に変わらず仕事を続けていた。]**
(25) 卵 2021/01/29(Fri) 15時頃
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[拒むことが増えてきたとある残業の日。 とうとう、男は女に触れて来る事はなかった。>>-26
それに女は少しだけ目頭が熱くなったが、それ以上何かを求める事はしなかった。
言葉にする必要はない、きっと。 それはきっと女の自己満足だ。 相手をひどい人だと思う。 けれど好きだった。嫌いにはなれなかった。 だからその日は穏やかに仕事を終えたのだろう、女の内心以外は。 表向きはただの上司と部下で良い。 それで、良い。]
(28) 卵 2021/01/29(Fri) 16時半頃
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[そうして、暫く経った頃。 女の体調が落ち着き、ゆったりとした服を着るようになった。 足元もパンプスでは無くヒールのない靴を履くようになった。
部長が誰かに、今時の若い者はと愚痴を言う。 結婚しないで産休を取ろうとするだなんて、乱れてると。
それとなく。時にハッキリと退職を勧められる。 親には叱られ泣かれ、けれど女は頑としてその選択肢を撤回しなかった。]**
(29) 卵 2021/01/29(Fri) 16時半頃
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[女は思う、奇跡は起こすからこそ奇跡なのだと。
けれど、それは本当に自分の自己満足。 だから誰にも伝えないと決めていた。 その覚悟は、今はまだ保たれている。
加賀に、相手は自分の知る人かと問われた。 ………沈黙が、答えになっていなければ良い。]
(31) 卵 2021/01/29(Fri) 18時半頃
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─ 回想 ─
[なんだか今日はとても"普通"だった。 仕事の日でも無い。普通なら互いに身体を休める日。 そんな日に呼び出されて、買い物に誘われる。>>32 それはなんだかとても不思議で、普段の淫な関係など感じられない世間一般的な光景に思えた。
それでも、その先に何があるか。 分からなくても付き合う気だった自分はどうかしていると女は内心自嘲する。 今は、……………あまり激しすぎるとよくないと聞いたから。]
(いやでも、付き合ってないのに。私たち。)
(33) 卵 2021/01/29(Fri) 20時頃
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買い物…………? ああ、それなら紅茶専門店に行きたいです。
[珈琲も紅茶も緑茶もハーブティーも、特に好き嫌いなくよく飲む女だ。 しかし今はカフェインレスの茶葉が欲しい。 そう言えば買い損ねていたと思い出して彼の横に並び、その店へと案内する。
隣に並んだとしても、こちらから手を繋ぐことのない関係だ。 迂闊に求めて、さらりと躱されることが嫌だった。]*
(34) 卵 2021/01/29(Fri) 20時頃
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─ 回想 ─
(あ、これは、………そう言う日、かな。)
[女の勘という物だろうか。 今日の触り方で何となくだが、今日は特に何もしないのではと予想する。>>35 これは悪さをしない手だろうと。 こういう事をするからより惹かれてしまう。 切り離すことができないでいる。それどころか。]
(そう言えば館本さんはコーヒー党だったな。)
[珈琲も嫌いじゃないが、今は進んでは飲まないでいる。 いつだって自分でコーヒーを淹れる彼に「こだわりの淹れ方でもあるんですか?」と尋ねたことがあった。そして、もしそれを聞けたなら試しにその方法で淹れようとしただろう。 特に何もなかったなら、要りますか?と、親のお歳暮で届いた珈琲をお裾分けしたりもした。
そんな風に、上司と部下の良好な関係はあった筈だ。]
(37) 卵 2021/01/29(Fri) 21時半頃
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専門店で買うとやっぱり美味しいですよ。 その代わり高いですけどね。 苦手だなと思っていたものが実はとても美味しかった、なんてこともありますから。
でも、今日は紅茶じゃなくてルイボスティーが目当てです。
[手が離れると少しだけ寂しさを覚えた。 けれど、気にせずに並べられた茶葉の缶を開き、その香りを比べてみる。 時には館本にどれが良いか尋ねてみたりもしただろう。
近くのカップルが、はしゃいだ声で結婚式のプチギフトを選んでいる。 ペアのカップを選んでいたり、純粋に茶葉を選んでいたりする。 そんな中に女と男もきっと溶け込んでいた。]*
(38) 卵 2021/01/29(Fri) 21時半頃
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─ 回想 ─
[給湯室で乱れたこともあった。それも、一度ではなく何度も。 本当に誰も気づいていないのか。 気づいていて素知らぬふりをしているのか。 他の男性社員と二人きりになった時、触られたこととある。それはきっと、女が裏でされている事を察されたからだ。 けれど振り切って逃げ出したし、何とか大ごとにならないで済んできている。 ……思えば、どうして彼の指先だとあんなに感じてしまうのか。]
それなら、ルイボスはカフェインレスですから普通のも買っていきましょう。 ルイボスティーと、そうですね……ダージリンなら好みも分かれないかと。
[自分用と会社用を選び、購入する。 そんな風に茶葉を買った後もふらふら、時間を潰していただろうか。 何だかとても穏やかな時間だ。 それにしてもどうして今日は気が向いたのだろう。]
(42) 卵 2021/01/29(Fri) 23時頃
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……………今日は、どうしたんですか?
[だから問おう?女が正気でいる間に。 指先に寄ってしまう前に。
今度は、先程腰に手を添えられていただけだからか。 女の方から恐る恐る手を握っていた。]*
(43) 卵 2021/01/29(Fri) 23時頃
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[恋人ごっこ。その割には、大切にされていると錯覚してしまう。 こんなにお金と時間をかけてのごっこ遊びだなんてと女は思ってしまうのだ。 自惚れてはいけない。 いつだって手を振り払われる覚悟を。 突き放されても呼吸ができるように。 素敵なひとときに心を惑わされないように。
そんな風に覚悟を重ねていても、甘いキスひとつで心が震えてしまう。 首筋を撫でられ体を撫でられ、甘く体が疼いてしまう。
それでも、今理性を保ってしまうのは。]
(46) 卵 2021/01/30(Sat) 00時半頃
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…………ごめんなさい。
[あっさりと引いてくれた手に残念なような、安堵したような複雑な心持ちだった。
どうして、この事を彼にはっきり言わないのか。 恋人でもない女が孕んだとして、喜ぶ男がどれだけいるだろう。 孕んだら産んでも良いとあの時に言っていたが、だからと言って関係性が良くなるとは限らない。 だから、産みたいから産むと決めただけだ。 そもそもまだ妊娠初期。 せめて安定期までは、と口にしないと心に決めている。 それでも冷えた声に思わず口にしたのは謝罪だった。 身形を正し、彼と少し間を開けて隣に座る。 イタリアンでもアルコールは口にしなかった。]
(49) 卵 2021/01/30(Sat) 08時半頃
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ええ、とっても。 ………普通のデートって、したことが無かったからとても新鮮でした。 また今度があれば、是非。
[此方から誘って、応えてくれるのだろうか。 そんな事をぼんやりと考えながら、女は申し訳なさを抱えつつ彼を見つめる。
その瞳の奥の好意だけは、変わってはいない。 いや、強くなっていたかもしれないのに、拒絶した。]*
(50) 卵 2021/01/30(Sat) 08時半頃
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[別に、快感に落とされなくても良いのだ。 快感に落とされてどうしようもなくそれを求めてしまってはいたけれども、女のそのスイッチを入れられなければそう女も変貌しはしなかった。 逆を言えば、そのスイッチを入れられてしまったならどうしようもなく済し崩しに堕ちてしまうのだが、それもこの目の前の彼以外では入ることのないそれだった。 けれど、女は知る。少なくとも察する。 その"今度"はきっと訪れない。>>52]
(53) 卵 2021/01/30(Sat) 09時半頃
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今度はわたしから映画にでもお誘いしますね。 好きなジャンルとか教えてください。
[けれど女はそう言葉にした。 平素であるように。まるで恋人ごっこの続きのように。 伸ばした手は添えることができただろうか。]
……………好きです、館本さん。
[そう言って、身を寄せることはできただろうか。]
(54) 卵 2021/01/30(Sat) 09時半頃
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[後日、女は言葉通り彼を映画に誘う。 その日だってもし来てくれたのだとしても行為はやんわりと拒絶し、来てくれなかったのなら一人で映画を見に行った。
加賀は、女の想い人に思い至っただろう。 他の女子社員はヒソヒソと噂話。
髪をほんの少しだけ切った。 アップの髪型をやめる気にはなれなかった。]*
(55) 卵 2021/01/30(Sat) 09時半頃
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[22w。 妊娠六ヶ月も半ばを迎え、堕胎のできない時期になった。 その頃には胎動を感じるようになり、体調も整って産休に向けて仕事を精力的に行うようになった。 腹も妊婦の身でなければ体型の割に膨れているが、まだそこまで目立つ頃では無かった。
七ヶ月を迎えるとだいぶ腹が丸くなる。 相手は誰なのかと女子社員に問われて濁した。 加賀に避けられるようになったが仕方がない。
八ヶ月。もう、妊婦である事は隠せない腹の丸さをしていた。 これ以上まだ育つのだから、臨月の頃にはパンパンに膨れてしまうんだろう。 九ヶ月の半ばから産休を取る手筈を整えている。部長は渋い顔をしていたが、どうにかもぎ取った。それは女には正当な権利と思えていた。 両親もなんとか説得した。好きな相手の子供だから、どうしても産みたいんだと。
今の会社に相手がいるのかと問われ、沈黙が答えとなってしまっていた。 それならば今の仕事を辞めるように言われたが、それについては保留した。 相手は既婚かとも問われたが、そちらの沈黙は間違った答えに行き着いたようだった。]
(56) 卵 2021/01/30(Sat) 10時頃
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[そんな頃。 女は館本とまた残業をしていた。 キーボードを叩く音が響く。 それが一通り終わり、仕事がひと段落した時だった。]
館本さん。
[そう女が呼びかけるのは、仕事ではない時の呼び方だ。 仕事の時はそれに役職をつける。]
………お時間いただきたいのですが、よろしいでしょうか。
[その声はほんの少し硬い。]**
(57) 卵 2021/01/30(Sat) 10時頃
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[相手の顔はあの日から、仕事の時のものばかり向けられていた。 それでも、不意に不安に駆られていた女は言葉を選ぶ。 そっと、丸い腹を撫でて手を当て、相手を見つめた。 本当は誰にも、黙っているつもりだった。 黙って一人で産んで育てるつもりだった。 そう言って家を出ようとする女を引き留めたのは両親だったが。 その時のやり取りは喧嘩に近く、しかしその時に言われた言葉の可能性を否定しきる事ができず、今の不安につながっている。 今伝えようとしていることの決意にも。]
(62) 卵 2021/01/30(Sat) 11時半頃
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……………その、本当は。 何を言うつもりも無かったんです。 産むのは私の勝手だから、………一人で産んで育てて行くつもりでした。
でも、出産で命を落とすことも少なくないって………。
[産科医の漫画を読ませてきたのは完全なる嫌がらせか、それともそれだけ心配してくれたのか。 恐らくは両親が、こんな状態の娘を手放す事が出来なかったからだろうけれども。 しかし、それで出産に対して不安を抱いた。 何人も産んでいる人もいるが、万に一つが自分に降りかからないわけではない事も女は嫌々ながら理解はしていた。
細く長く息を吸い、吐き出す。]
(63) 卵 2021/01/30(Sat) 11時半頃
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……………館本さんの子、なんです。
[少なくとも、女は彼としかシていない。 女の知る限り、他の誰かであろうはずが無かった。 産むのは勝手だ。孕んだら産んで良いと言われた。 だから勝手に産むつもりだった。けれど、万が一自分が命を落としたら、残されたこの子が只管哀れに思えた。 だから震える声で彼に伝える。]
(64) 卵 2021/01/30(Sat) 11時半頃
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だから、…………………もし万が一があったら。 この子の父親を、誰も知らなくなってしまうから。
認知しろ、なんて言いません。 ただ、……………知ってて欲しかった。
[本当は、子供のことを考えればそれこそ認知してほしいと願うべきかもしれない。 だがそれは、女の両親の怒りの矛先が彼に向かいかねない事実を伴う。 だから、ただ知って欲しかった。 誰もこの子の父親を知らなくなるなんて耐えられなかった。
戯言と切り捨てられたとしても、頭の片隅にそれを置いておいて欲しかった。]*
(65) 卵 2021/01/30(Sat) 11時半頃
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…………。
[あんなに何度も抱いたのに、有り得ないと言われて>>66女は眉を顰める。 ぐ、と眉間に皺を寄せたのは涙が滲みそうになったからだ。 避妊も何もしなかったのに、有り得ないとはなんだろう。 しかし黙っていると男の言葉が続けられる。
精子がほとんど存在しない。
あの日、孕んだなら産んでも良いと言われた日、何か表情や声音に引っ掛かりを覚えたのを思い出す。 嗚呼そうだったのかと、女は眉間の皺を緩めた。 なら一層、この子は無事に生まれてきてほしいと。]
(70) 卵 2021/01/30(Sat) 14時半頃
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本当です。 あの日から、私を抱いているのは館本さんだけです。
[それはキッパリと言い切った。 こんな事で嘘なんてつかない。つくはずがない。 やろうと思ばDNA判定で親子かどうかなんてすぐに分かるのだ。 すぐにバレる嘘をつくはずも無い。 ただ、俯く彼が失望しているように見えてまた泣きたい気持ちに駆られる。 言わなければよかった。 そんな、責任を負わせたかったわけじゃ無い。]
(71) 卵 2021/01/30(Sat) 14時半頃
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館本さん、違うんです、そんなの求めてるわけじゃ無いの。 産むのは私の勝手だから。 でも、この子を理由に責任を求めたいわけじゃ無かった。 わたしはただ、好きな人の子供を産めるから幸せだった。 だけど、それで責任をとってくれとか、好きになって欲しいとか言えなかった。
……………振られるか、私が諦めるまで。 振られないまま、私も諦められないまま先に子供を授かって、だけど館本さん…………。
[いけない、と女は両手で顔を覆った。 泣くつもりはなかったのに、子供を孕んでいるからか不安定な気持ちが表に出やすくて困る。 ぽろぽろと溢れる涙を両手で必死に隠した。]
(72) 卵 2021/01/30(Sat) 14時半頃
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館本さんに好きになって貰えなかったから………。
[最初からなかった。 館本が自分を好きになってくれるだなんて自信は。 なのに快楽に甘んじて振り払われないから付き纏って、その報いだろう。 けれど子供を報いだなんて言いたくなかった。 それに、セックスを拒み始めたら距離が開いた。 結局女は男の気持ちを捉えることも引き止めることもできず、体だけの関係なのだと気付いた。 気づかないようにしていたのに、妊娠した事でそれを目の当たりにした気持ちになった。]
(73) 卵 2021/01/30(Sat) 14時半頃
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ただ、好きな人の子を、産みたかっただけ、なんです。 …………でも、もしトラブルがあって、私が死んでしまったら、この子の父親を誰も知らないままになってしまう。 困らせるつもり、ないんです。
[勝手に言質を得たとして、孕んだことを幸いとして出産に臨もうとした。 体を重ねなければ離れて行く関係と知りながら、けれど腹の子の母になった。 けれど、心は弱っていた。 周りの人間にも迷惑がられ、部長にも嫌味を言われ、両親は最後までこの子を殺せと言っていた。 なら早くに言えばよかったのに、館本の事情を知らない女は館本にまでこの命を否定されるのを恐れた。 好きでもない女が孕んだだけなのだと。 けれど、出産に対する恐怖が上回ったのだ。]
(74) 卵 2021/01/30(Sat) 14時半頃
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…………好きです、館本さん。
[相手にとって自分は、いきなり出産を知らせた酷い女なのだろうか。 しかし事情が真実なら、子を引き取ろうとしたりするのだろうか。
女の気持ちは変わらない。 ただ、彼を好いているからこそ。]*
(75) 卵 2021/01/30(Sat) 14時半頃
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[大きなため息に気持ちが強張る。 両手で隠した顔を上げることができない。 やはり迷惑で、勝手な事だったのだと女は今の告白を恥じた。悔やんだ。全ては自分が墓下まで持って行くべき秘密ごとだったのだろうと。]
……………え、あ、館本さん………………?
[部長に何を説明するのか。デスクに据え置きのティッシュから数枚引き抜いて顔を拭くと、今までにない照れたような困ったような顔が見える。 責任をとってほしいわけではないのに。 そう伝えて尚、何かしようとしてくれる彼の気持ちはどんなものなのだろう。 混乱しながらも、さらにこぼれ落ちてくる涙を拭いてくれる手に相手の顔を見つめた。 此方は驚いた、それでいて信じられないものを見るような顔。]
(78) 卵 2021/01/30(Sat) 15時頃
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…………は、い。 性別、………聞きますか?
[彼の手をそっと取り、丸いお腹に導いた。 性別はもう分かっていた。だからそんな事を尋ねてみる。 生まれるまで知りたくない人もいるだろうから。自分はこだわらなかったが、その分先に用意をしなければ、何せ一人で育てるのだからと躍起になっていた節がある。
彼の掌が触れた場所。 ずにゅうううう、とお腹の内側が何事かと確かめるように動いた後、げしっ、と蹴られた感覚がして「う゛っ!」と衝撃に呻いた。
呻いたけれど、次の瞬間は彼の顔を見て。 嬉し泣きを堪えるようにして、微笑んだ。]*
(79) 卵 2021/01/30(Sat) 15時頃
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きっと、喜んでるんですよ。 パパが来てくれたんだねって。
[彼の予想通り、お腹の子は男の子だ。 目を細めて彼の穏やかな顔を見つめ、女もまたお腹を撫でる。 そうして彼の手を握りしめて見つめていた。]
…………私のこと、すき?
[そして今更ながらそれを確認する。 態度としては、子供のこともあって受け入れてはくれたのだろうと思う。 しかし言葉で伝えてほしい。 そう、願って。 果たしてそれは叶えられたのか。]
(81) 卵 2021/01/30(Sat) 18時半頃
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[どちらにしろ、その後は地味に忙しくなっただろう。 部長や会社内に伝えるタイミングをどうするのか。 入籍するなら会社に黙っておくわけにもいかない。 自分の両親もそうだが、相手の両親にも挨拶は必要だろう。 そもそも、頑なに相手に合わせず気を揉ませた両親の説得自体がとても困難だった。 両親は呆れ、安堵しながらも女を説教していた。 心配させるんじゃない、大切なことなんだから相手ともっと話し合いなさいとのことを、似たような内容で数時間。 ただ、相手が未婚で不倫ではなかったこと、女が意固地になっていた事をメインに伝えていたから、相手に対する怒りはそこまででもなかった………と思いたい。]*
(82) 卵 2021/01/30(Sat) 18時半頃
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ん………………、ふ、ぁ…………っ。
[久々の口付けに甘く声が漏れる。 はぐらかされての事とは思ったが、今までとは違った心持ちなのは、今まで一人で背負おうとしていた事を受け止めてもらえたと分かったからだ。 口付けが解かれ、ツウと二人の唇を銀糸が繋ぐ。 久々のことに恥ずかしくなって頬を染めた。 もう、泣きながら不安に暮れる女はここにはいない。]
…………ふふ、言いません。だから、いつか応えてくださいね。
[もう答えを急がない。 その代わりに微笑みかけて、またもう一度唇を重ね合わせた。]
(86) 卵 2021/01/30(Sat) 21時頃
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[ちなみに、皆には詳細を伝えていないのはもちろんのことだ。 表向きに相手にも"こう言うことにしている"と説明したのは、付き合ったが酷いケンカをしてしまい、その後に妊娠が判り伝えるに伝えないまま一人で産む決心をしたが、流石に落ち着いて話し合いになり………と言ったもの。
そして、相手が実の両親と縁を切っているのならと、婿入りの話が出たりもした。 女が館本になったのか。 男が古平になったのか。 女としては拘りはない。それに入籍したなら館本の部屋に移動するか別に部屋を借りるなどして実家から離れるつもりだった。 勿論、館本が此方の実家で暮らして良い……などと言うのなら要相談だ。 娘としては親から離れたい反面、これから出産する事を考えると離れすぎるのも辛そうだったからだ。 そうして産休を迎え、出産準備に念を入れながらのひと時を過ごしていた頃。]
(87) 卵 2021/01/30(Sat) 21時頃
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[ある平日の昼間の事だった。 仕事中の相手の元にメッセージが届く。
臨月に入り、あと数日で予定日という日。 破水したので病院に向かうという事と、慌てなくて大丈夫だろうという予想のものだった。]*
(88) 卵 2021/01/30(Sat) 21時頃
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[彼が辿り着いた時、此方は陣痛の真っ最中だった。 長く息を吐き出し、その合間の一瞬に息を吸う呼吸法は、ラマーズ法のそれとは違うが痛み逃しに産院で教えられたものだ。 点滴が繋がっているが、破水が先だった為の感染予防。痛みが一時遠のいてふと意識を周囲に向けると彼の姿に気づいた。 肩で息をしながら安堵に頬が綻ぶ。]
やか…………、進さん。来てくれたんですね…………。 ふふ、この子も頑張ってますよ。 …………私も、頑張りますね。
[彼に伸ばした手。きっと握り締められるだろう。 ただもう陣痛の感覚が狭く、そうこうしている間にもまた「うぐぐぐぐ………!」と痛みに呻いて余裕がなくなってしまうのだが。 どうやら進行は良好。看護師が来て様子を見ると、分娩室へと連れていかれる。
それから、バタバタと慌ただしい。 彼は外に居ただろうか、中にいただろうか。 元気な産声が聞こえるまで、もうすぐ。]**
(90) 卵 2021/01/31(Sun) 10時頃
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[きっとその飲み込んだ言葉を聞いたなら、女は馬鹿と男を睨んだことだろう。 好きな人の子だから産みたいのだ。大切にしたいのだと。 目を閉じてはいけないと指示され、まだいきんではいけないと指示され無理だと思った。 もう塊が降りてきている。妬けるように熱い命の塊。 男の応援に頷いて、その手を握り返す。 良いですよ、の言葉とともに何度かいきむと、ずるりと脚の合間から出ていく感覚がして。
一拍遅れて、ほにゃああ、うにゃああ、と声が響く。 元気な男の子ですよ、との声にホッと力が抜けた。]
はぁ、はぁ、…………よかった……………。
[赤ん坊は直ぐに生湯に浸かり身を清められる。 テキパキと処置をされていくのを深く呼吸をしながら受け入れ、女は男に微笑みかけた。]
(92) 卵 2021/01/31(Sun) 11時半頃
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進さんが隣にいてくれて、嬉しい。
[処置がひとまず済んだ後、生まれたばかりの我が子を恐る恐る腕に抱える。 心の奥底から愛しさが込み上げてくるのを感じた。]
…………進さんも、抱っこしてあげて?
[ね、と笑いかけて我が子を差し出した。 二人の子。元気に生まれてきてくれた愛しい子。 約3キロと軽い筈なのに、緊張しているからかとても重く感じる命。 彼はどう感じただろうか。 名前は、彼につけてもらうつもりだった。]*
(93) 卵 2021/01/31(Sun) 11時半頃
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ふふ、本当。可愛いですね………。 生まれてきてくれて、ありがとう。
[我が子と、幸せそうな夫とに涙が出そうなほどに幸せを感じている。 寄り添ってこれから生きていく。 母として、父として、夫婦として親子として。 出会い方は褒められたものではなかったし、ここまでの経緯もあまり人に言えるものではなかったけれど、今確かに女は幸せだった。]*
(95) 卵 2021/01/31(Sun) 15時半頃
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[そうして、数年。
子供はすくすくと成長し、女も母として不慣れながらも懸命に子育てをしていた。 仕事に戻り、時に人を頼りながらも懸命に家庭を守っていく。 ある晩、すやすやと眠る子供を隣に、男へと囁きかけた。]
進さん。…………好きです。
[ささやかながらも毎日毎日愛を囁く。 そんな穏やかな日々が、これからも続きますように。]**
(96) 卵 2021/01/31(Sun) 15時半頃
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