14 冷たい校舎村10
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七星 ………?
[ だが想いは、不意に溶けた。
屋上に辿り着く直前。 倒れていたのは七星───に似た、マネキン。 様子を伺いながら近づいて。
泣いているような笑っているような。 私は君の笑顔に甘やかされてばかりだったから。
私の知らない顔で笑う君。 しばらく呆然と視線を落とした後。
乱れた髪を手櫛で梳いて、 涙の痕跡に指先を這わせた。 ]
(73) 2021/11/11(Thu) 21時半頃
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[ こくりと喉を鳴らす。 出てきた声は、若干掠れていて。 ]
…… 文化祭を準備をしていた時。 君と路子に見つけてもらえて、 私はとても、嬉しかった。
あと、アイスもだ。 つい遠慮してしまったが。 君は優しいから、分けてくれて。 だけどありがとうと、言いそびれてしまった、
その ───
(74) 2021/11/11(Thu) 21時半頃
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ちゃんと、君自身に、言えるだろうか?
[ ここに君はいないだろうから。 ]
(75) 2021/11/11(Thu) 21時半頃
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[ 顔を上げる。 視界が変わった瞳に力を込めると。 絡む誘惑を振り切るように、屋上から背を向ける。
今は他に成さねばならない事がある。
そのままエレベーターに乗ると、 向かう先は1F。
莉希と七星がいる場所を、 望む人に届けよう。 ]**
(76) 2021/11/11(Thu) 21時半頃
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── 回想:朝のチャイムの後 ──
やあ春満か。おはよう。 良い朝だな。 というのは不適切だろうか。
[ いつも通りの挨拶に。 真梛もいつも通りの笑顔を向ける。
だが後に付け足され流のは莉希の話題。>>79 非日常は隠せない。 ]
(81) 2021/11/11(Thu) 22時頃
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…… すまないな。 私ではステージに上がれなくて。
莉希に触る事もできなかった。
[ 春満は真梛の頼みに頷いてくれた。 君はそういう人だと、私は知っていた。
階段を使わなくても教室に行けるようになった。 スマホはまだ下手だけれど。 春満を煩わせるような事は、 あれ以来していないと思う。>>1:32 ]
(84) 2021/11/11(Thu) 22時頃
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[ なのに ─── ]
…… 私はいつも、君に迷惑をかけてばかりだな。
[ 視線が交わらぬのを良いことに。 体育館へ向かう背中に向けて。
眉を下げて、ふ、と息を吐く。 寂しげに笑んだ後。 ]
(85) 2021/11/11(Thu) 22時頃
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私では手伝うだけ邪魔だろうし。 他の者にも知らせてこよう。
[ 莉希を頼むと、小さく言い残せば、 自身は反対方向、校舎へと引き返す。]**
(86) 2021/11/11(Thu) 22時頃
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和歌奈か。 君の顔を見れて嬉しい。
探していたわけではないが、 マネキンには心当たりがある。
[ エレベーターから降りた先。 既視感を抱き顔を上げれば、 そこにいたのはやはりクラスメイトで。
莉希と七星の件を伝える。 体育館へは春満が行ってくれたと添えたなら、 和歌奈から心強い言葉が帰ってきて。>>89 ]
(92) 2021/11/11(Thu) 22時半頃
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頼む。 七星がいない3−1は、私が寂しい。
[ しかしエレベーターに乗せるのはともかく。 降りた1階から教室に運ぶのは、 女子の細腕では難儀するだろう。 誰かに会えたなら、応援を頼もうと思う。
その誰≠ゥに、 自分が当てはまらないことは理解していたから。 ]
(93) 2021/11/11(Thu) 22時半頃
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和歌奈。ありがとう。
うん。君に、任せた。
[ そう言って浮かべる微笑みが。 自身の無力さを噛み締めるものにならぬよう 気をつけながら。 ]
なんだか君とは、すれ違ってばかりだ。
[ ふふ、小さく息を吐いたなら。 私は外、君は中へ。 そのままエレベーターが動くのを、見守った。 ]**
(94) 2021/11/11(Thu) 22時半頃
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おはよう路子。 よく眠れたのならよかった。
君はいつも誰かの為に頑張っているから このような状況では疲労も溜まるだろう。
[ 莉希の朝ご飯はゆっくり食べるといい。 彼女も頑張り屋だ。 きっと美味しいだろう。
駆け寄って来る我らが委員長。 笑顔でそんな風に続けたら。 ]
(150) 2021/11/12(Fri) 19時頃
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[ 日常と非日常。 線を引くべきか少しだけ、考える。
……結局、真梛の口調と声は。 朝の挨拶を告げたのとさほど変わらぬ音で。 ]
(151) 2021/11/12(Fri) 19時頃
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七星のマネキンは屋上前の扉。 莉希のマネキンは体育館のステージ上だ。
どちらもあのままにしておくのは、 どうにも偲びないものだから。
屋上へは和歌奈と幣太郎。 体育館は春満が行ってくれた。
雄火とは、今朝はまだ会っていない。
[ みんな≠フ名を並べた後。 唇を結ぶと、顔をあげ、視線を向けると。 黙したままで路子の言葉と選択を待った。 ]*
(152) 2021/11/12(Fri) 19時頃
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── 回想:春満 ──
振り返るのは反則だな。
[ 思いがけず絡まる視線。>>108 困った顔のまま笑みを浮かべ。 そのままぷいと、身体ごと逸らす。 ] あまり見ないでほしい。 君はきちんと頼るなと言ったのに。 そんな君の力を借りなければならない。 不甲斐ない女の顔だ。
(155) 2021/11/12(Fri) 19時半頃
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うん。頼まれた。 君も莉希を頼んだぞ。
[ 続いてにこっと笑う。 これ以上の言葉は必要ないと言うように。
そして君は体育館。私は校舎。 互いに背を向ければ、距離は静かに広がって行く。]**
(156) 2021/11/12(Fri) 19時半頃
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─ 回想:幣太郎 ─
[ 幣太郎に会えば、真梛の視点で確認した情報。 なるべく客観的に述べた。>>103
なんというか、>>104 ………… 君の言葉には、少しだけ間があった。
程なくして向けられたありがとうには。
たまたま見つけただけで、 探したわけではないんだ。 でもどういたしまして!と笑顔で返したが。
何となく思ったんだ。 君の言いたかった事。 本当は別にあったんじゃないか? ]
(168) 2021/11/12(Fri) 19時半頃
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なあ、幣太郎。 君は今回の犯人が私だと思うか?
[ 話の流れとしては唐突だったと思う。 根拠は私と君の視線の先。
相変わらず校舎には不釣り合いなエレベーターが 口を閉じたままこちらを見ていた。
だが、答えを待つ事はせず。 ]
(169) 2021/11/12(Fri) 19時半頃
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うん。 それぞれ春満と和歌奈が行ってくれているが、
[ 和歌奈の方は一人では大変だろう。 できれば彼女を手伝って欲しい。 ─── とは、言わなかった。 和歌奈に手助けが不要なわけでなく。 わざわざ口にする必要がないと思ったから。 だから和歌奈の時とは異なり、 エレベーターが動くのを見守る事はなく。 ]
(171) 2021/11/12(Fri) 19時半頃
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なあ。幣太郎。
君が、たとえ相手が不自由でなくとも。 荷を背負っている人を見れば、 当たり前に手を差し伸べる奴で。
─── 私はとても嬉しいんだ。
[ かつて欲張りと断じた行為。>>1:159 穏やかな音と表情で言い逃げれば、 そのまま振り向く事なく車椅子を走らせた。 ]*
(172) 2021/11/12(Fri) 19時半頃
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うん。きちんと寝た。 君達が寝床を用意してくれたおかげだ。 どうもありがとう!
[ 緩く穏やかな笑みに、 こちらも笑顔で返せば。 日常の延長戦は続く。]
(176) 2021/11/12(Fri) 20時頃
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そうだな、しかし路子が帰れば。 きっと七星も味見ができるし。 莉希にお礼も言えるぞ。
美味しかったと伝えるなら、 きちんとご飯を食べないといけないな。 私も後で頂いて来よう。
雄火に関しては、無事でいてくれる事を 私も祈っている。
[ 帰れる根拠は無いけれど。 望みを閉じる必要はないと。 君達の望みを正確に理解しないまま、 私は気休めに似た展望を語る。 ]
(177) 2021/11/12(Fri) 20時頃
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私か? 莉希の朝食は貰うとして ……
そうだな。文化祭を見て回ろうかと思っていた。 2階と3階には、行けなかったから。
[ ただもうどちらの階も回り終えてしまったんだ。 私が遊び呆けていた事は、内密にしてほしい。 至極真面目な顔で、秘密の共有を求めた後。 ]
(178) 2021/11/12(Fri) 20時頃
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[ 屋上 ─── は。 今は駄目だ。内心で首を横に振る。 あそこには和歌奈と幣太郎と七星がいる。
やることがなくなってしまったな、と。 思考を巡らせた後。 もう一つ。昨日との違いを思い出す。 ]
ああ、そうだ。言い忘れていた。 路子。実はな、
(179) 2021/11/12(Fri) 20時頃
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─── ボタンがもふもふなんだ。
[ もし首を傾げられてしまったら。 エレベーターで移動できる場所が増えている。 そんな情報を追加で伝える。>>59 ]*
(180) 2021/11/12(Fri) 20時頃
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[ 路子がホストだったら。>>181
提示された可能性。 零ではないと納得してから。
少々スマートではないと思いつつ、 向けられた諮問に対しに、答えでなく問いで返す。 ]
ホストだと、帰れないのだろうか?
(191) 2021/11/12(Fri) 21時半頃
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[ 問いかけても答えは出ないだろう。 少なくとも、答え合わせは今ではないから。 暗黙のうちに、 路子とそんな思考を共有すれば。 ]
答え合わせが来るのかはわからない。 だが、生者である以上。 不変というのは、なかなか難しいことだ。
[ 現時点で既に、 昨日と比べて違う点もいくつかある。 いつかは状況も変わるだろう。 望もうと、望むまいと。 きっと配慮などしてくれないままに。 ]
(192) 2021/11/12(Fri) 21時半頃
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その時までに、出来る事をやっておこう。
…… 落ち着いているように見えるなら。 そうあろうとしているに過ぎない。
単にそんな自分に慣れているだけなんだ。
[ 路子。君と対して変わらないよ。 そう言って顔を上げ、 じぃ。大きな真っ黒い瞳を向けたなら。
ふふふ、といつかの体育倉庫を脳裏に浮かべてから。 実は、と声を潜める。 ]
(193) 2021/11/12(Fri) 22時頃
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ここだけの話。狼は呼んでみたいんだ。 ただ存外、この空間は私に優しくて。
呼ぶ必要がないというのが実際のところだな。
[ だから私がマネキンになる番が来たら 張り切って声を上げようと思う。 そんな本気か冗談か分かりにくい主張をして。
プラネタリウムは莉希と一緒に見たんだ。 だから彼女の事も混ぜて欲しい。 そんな願いに優しく瞳を細めてから、 紅潮した頬と共に、煌めく星々の事を語るだろう。 ]
(194) 2021/11/12(Fri) 22時頃
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そうだな。 いずれは行かなければならないだろう。
当然、今からでも構わない。 それだと莉希のご飯は昼食かな。
[ 答え合わせ会場かもしれない場所。 赴く事に異論はないと頷いたなら。 路子のお腹に向けて語りかけるように。
君の具合はどうだろうか? と、少し笑いながら尋ねて見せた。 ]**
(195) 2021/11/12(Fri) 22時頃
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