23 あの春の廃校だけが僕らの学校だった。
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ー屋上から駆け出す前の大和ー
[屋上にて独り佇んでいた少年であったが、何人かとLINEのやり取りをし。
その内のキリノからは世間話や恋愛話をしつつ、大きな情報を掴んだ。 さらりと語るところを見るともしかしたら彼はそれを隠してはいないのかもだがーー
大事な用事に向かうらしい彼の邪魔をしない為、少年は一度LINEを中断した。]
……キリノの奴。 あんなイケメンだし、てっきりリアルに恋人いると思ったのにな。
[何処かから桜が薫った気がする。先程の強い風はいつのまにか止んでいる。
そこへ再び着信。今度はニジノだ。少年はそれを読み進めーー顔色を変えた]
……鮫島。ーー鮫島ッ!!
(110) 2023/04/22(Sat) 15時頃
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>>102 [170cmの体躯では、小動物のように怯えるのも似合わない。拳を強く握って震えを誤魔化す。]
こんなゲーム中でも、 痛いのはなるべく避けたいものじゃない? 人狼の襲撃みたいでビックリした。
手当しないで大丈夫? 湿布とか包帯とか、 VRでどこまで効果があるか分からないけど。
[青ざめた顔色で、キルロイと鮫島を交互に見た。特に鮫島からはじりりと距離を取って、手を振り返す余裕もない。]
桐野と、このキルロイに会っただけ。 まだまだ……後四人?
(111) 2023/04/22(Sat) 15時頃
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[ニジノはこう言っていた。
『カメラで見たことないキルロイって人と 鮫島が目の前でケンカしてる』
鮫島が喧嘩。ガタイのいい彼が負ける様を考えたわけではない。 相手だって知らない人物だし。
ただ、弾かれたように。心配に顔を歪めて必死に。 ニジノに返信するのも忘れて走り出す。
屋上なんかでボヤボヤしていられない!]
(112) 2023/04/22(Sat) 15時頃
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>>111 んー? 俺は平気かな。 心配あんがと。
[怯えさせちゃったかな。 間が悪かった。]
そか。そっちの確認優先でいいんだけどさ、 ……後でちょっと話す時間貰えねえ?
(113) 2023/04/22(Sat) 15時頃
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ー屋上からの階段下(三階)
[ニジノは二人がどこで喧嘩をしているか書いていなかった。 だから、探しながら走り回るしかない。
階段を駆け降りながらまた、着信に気付く。キリノだ。
まさか例の大事な用事中に何かトラブルが?! 急いでLINEを開きーー]
のわああっ?!
[あまりの衝撃的な質問につんのめり、階段を三段踏み外して落ちる。 どでん!!しこたま尻を打った。大事な尻を]
イテテ…
(114) 2023/04/22(Sat) 15時頃
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手当するなら、保健室まで付き添うよ。 職業柄、テーピングとかマッサージも得意だし。
[合法的に筋肉に触れるし。]
それで、二人はこれで何か分かりあえたの?
[これが挨拶とか、男子の生態って不思議だ。握手じゃダメなのか。 細めた目で外傷の具合を確かめる。]
(115) 2023/04/22(Sat) 15時頃
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[転んだついでにだがだがだかー!とLINEを打つと立ち上がり、三階にいる鮫島たちには気付かないで階段をまた駆け降りていく。]
鮫島ー!!!
[もし鮫島たちが大和の遠吠えに気付いても、猪は走り去った後であろう…]**
(116) 2023/04/22(Sat) 15時頃
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[>>94>>89 死者の蘇生も可能。 桐野の、野々花への返答を耳にして。 では噂は本当なのかと内心で。
柊の問いには答えず>>81 桐野は沙羅を伴っていった。>>101
ラプターと連絡取って欲しかったのにな、 と苦笑を零すがまあいいかと肩を竦める。]
沙羅ちゃん、 また外で遊べるといいね。
[去り際の沙羅に伝えて、二人を見送った。]
(117) 2023/04/22(Sat) 15時頃
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>>115 [不可解、を顔いっぱいに大書きした虹乃に肩を竦めた。]
どうだろね。 考え方とか人間性の一端は掴めると、 俺は思ってるけど。
例えばそうだな。 こいつは自分の価値観に忠実だ。とか?
[どうよ? と桐堂に顎をしゃくる。]
手当てはほんと大丈夫よ。 俺は腹に食らっただけだし。
キルドウが行きたいつうなら付き合うけど。
(118) 2023/04/22(Sat) 15時半頃
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[文面から焦りが滲み出ているような ヤマトからのLINEに返信して、野々花へと向き直る。]
気が合ったみたいでよかった。 僕まだ行ってない場所 見てみようと思うんだけど、野々花ちゃんどうする?
[ゲームは始まった。 眼前の彼女の陣営は分からないが特に変わらない調子で。 彼女が同行するなら連れだって でなければ一人で二階へと向かう。*]
(119) 2023/04/22(Sat) 15時半頃
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>>113 怪我したままだと人狼の襲撃から 逃げきれないかも知れないのに?
[それとも逃げなくてもいい陣営の人なんだろうか。 疑心暗鬼に陥り、ますます鋭く睨んでしまう。しかし改めて見てもイイ筋肉だ。]
私に「可愛い」と言わないのであれば、 今でも後でも、話せるよ。 ブロックも解除する。
[鮫島のついでにキルロイにも言い含めておいた。]
(120) 2023/04/22(Sat) 15時半頃
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[手が小さい>>107と言われたら、余計に意識してしまう。 私のとは違う、大きい男のひとの手。]
私、病気で留年したから、 桐野さんとは多分、1歳しか違わないのだけど。 あまり、成長しなかったわ。
[野々花と同じ歳なのだけど、あまり成長しなくて。 それはきっと、もうこのまま。]
[続く言葉には、ふるふと首を振って。]
きっともう、あまり時間は残っていないし。 機会を待っていたら、来られなかったかもしれないもの。
(121) 2023/04/22(Sat) 15時半頃
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>>120 OK.約束する。
[どうしてそんなに嫌がるのか、をここで訊ねるのは違うな。リサーチ出来なくてごめんな、と内心で大和に謝罪しておく。]
そだな。 そんな難しい話じゃないんだけど。
ニジノちゃんさあ、
……もし一生スケートが出来なくなるとしたら、 どうする?
(122) 2023/04/22(Sat) 15時半頃
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[辿り着いた場所>>108は、桜並木。 ひらひらと、たくさんの桃色の花弁が、風に舞って。]
私、いつかまた、花びらが舞う、桜の樹の下を、 歩きたいと思ってたの。 病室の窓から見下ろす事しか、できなかったから。
――……嬉しい。とても。 [永遠になくならない、桜吹雪。 来年は、見下ろす事もできないかもしれないけれど。
身体に降り注ぐそれを、全身で感じる様に。 桜の樹を見上げる様にして、宙を舞う花弁を見つめたあと、緩く目を閉じた。]
[走ってみる?と問われたら。瞼を開いて。]
うん!
[目を細めて、笑んだ。]
(123) 2023/04/22(Sat) 15時半頃
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[>>121 そうか、1歳違いなのか。 尚更、握った手が小さく頼りなく感じた。
桜吹雪の中、ふたりで手を繋いでただ走る。
春の学校だ。
入学式も卒業式も、 全てが一緒に訪れたような 春の校庭だった。
やがて裏門のあたりに辿り着くと、 そこらで桜の木は途切れていた。
その代わり、門から見下ろす町並みには あちこちに桜、桜、桜。
そこから外へは出られなかったけど。]
(124) 2023/04/22(Sat) 15時半頃
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>>122
―――― 一生スケートが、
[なんでも話せると思ったのに、一瞬で空気が凍った気がした。 目の前で振るわれる暴力よりも、的確に心臓が締め上げられる。
フライングバタフライ。斜め上に振り上げた足、その先についた銀刃が、肉を抉る生々しい感触。真っ白な氷面に散った赤は、まるで薔薇の花びらのようだった。
どうしようもなくガタガタ震える肩を抱いて、吐き気を堪える。]
できなくなった、から。 私はこのゲームに参加してる。
(125) 2023/04/22(Sat) 16時頃
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[裏門の表札には『桜森高校』と書かれている。]
───ここ、"桜森町"なのかな。 やっぱり実在してるんじゃないだろうか。
[手を繋いでいたから、 全力疾走というわけでもなかったけど 振り返ったサラの息が少し上がっていた。 自分も汗ばんでる。 ほんとにこういうとこまで、リアルだ。]
……ちょっとベンチで休も。
(126) 2023/04/22(Sat) 16時頃
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>>125 [その劇的な反応を、俺は閑かに見守った。
──そう。それはわかってた。 アスリートが自分を鍛える場から離れて、"こんなところ"に居る理由なんて他には思い付かなかった。
知りたいのは、もう少し先のこと。]
…………。
それでも"ダメ"だったら? どうする。
(127) 2023/04/22(Sat) 16時頃
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[裏門から少し離れたところにベンチがあり、 そのベンチから地面まで、 桜の花びらが絨毯のように 見事に敷き詰まっていた。
腰掛ければ、花びらでふんわりしているかもしれない。 相変わらず桜は、雨のように降って来る。
座りながら呟いた。]
俺、玲(あきら)。 桐野玲って言うんだ。
(128) 2023/04/22(Sat) 16時頃
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桐野さんじゃなくて 名前で呼んでもらえたらと思って。 まあ……呼びやすいやつでいいんだけど。
[サラの髪にふと 桜の花びらが舞い落ちて、 自然に手が伸びた。*]
(129) 2023/04/22(Sat) 16時頃
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>>127 そんなの私が知りたい。 どうすれば、何を願えば、 元通りに戻るのか分かんないの!
[この男の気軽な言葉は、拳よりもよっぽど鋭く心に刺さる。 無視してさっさと立ち去ればいいのに、何故かそれができなかった。]
最初は、脚さえ治ればいいと思ってた。 試合に復帰するのは無理だけど、 趣味でスケートを滑るだけなら、 リハビリを重ねれば、いずれ――、
[ギプスが取れてすぐ、痛み止め打ってもらい、地元のスケート場に飛び込んだ。 縺れる指で靴紐を締め、氷を削る音に誘われるように、気分を高揚させて。 いざ、リンクに再び舞い戻ろうと。]
(130) 2023/04/22(Sat) 16時頃
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[その一歩が、どうしても踏み出せなかった。]
(131) 2023/04/22(Sat) 16時頃
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なんでも叶う、って言われたけど。 時間を巻き戻す、なんて無理だろうし。
なら、私がスケートを続けるために必要なのは、
[その先は、"願い"の一端は酷く歪で、言葉にしてしまうのが怖かった。 腕を摩って、拒否するように視線を落とす。]
鮫島は、なんでこんなこと、聞くの。
(132) 2023/04/22(Sat) 16時半頃
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>>130>>131 …………うん。
[瞼を閉じる。一瞬だけ。]
よくわかった。 ありがと……ごめんな。
[わざと軽いまんまの口振りで、一歩を下がってみせる。桐堂はどんな顔してんのかな。ちらりと掠めたけど、確認はしなかった。何か言いたきゃ言うだろう。]
俺の知り合いは、さ。 飛んだんだよね。屋上から。
ニジノちゃんは死なないでね。
(133) 2023/04/22(Sat) 16時半頃
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>>132 ……………………。
…………。 あいつが、
他の道を選べなかったのかどうか、 知りたかっただけ。
(134) 2023/04/22(Sat) 16時半頃
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[桜色の雪が降り注ぐ中、走って。 やがてたどり着いたのは、裏門>>126。表札を見て。]
実在している場所? それなら、現実でも廃校なのかしら。
[モデルとなった学校を、廃校風にアレンジしているのか。 それとも、モデルの学校も廃校なのか。
私がとても体力が無いのは、再現されてしまった様で。 息が上がっていたから、ベンチでというのには頷いた。]
[少し離れたベンチまでの道に敷かれた、桃色の絨毯。 その上をふわふわと歩いて。 ベンチに腰掛け。降りやまない花弁に視線を向けていたら。]
(135) 2023/04/22(Sat) 16時半頃
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ー二階/空き教室ー
[猪突猛進を具現化したような少年は三階から二階に駆け降り、鮫島鮫島と叫びながら教室に飛び込んで机の中やらロッカーの中を必死に探しまくった。
そしてふと、我に返り]
はっ…!鮫島は小人じゃないからこんなとこにいねーか!
[しかし、なら何処で喧嘩は行われているのか。もう校舎中走り回るしかーー]
……LINEだ。
(136) 2023/04/22(Sat) 16時半頃
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難しくない話どころか、 耳を塞ぎたくなる話だった。
[取り乱す様を見られて、今更頬に熱が上ってくる。 浅ましい願いだと咎められるかと思えば、同じ軽さのまま放られた言葉>>133に、ぽかんと口が開いた。]
鮫島も、その知合いも、何かスポーツやってたの?
[そのガタイだもんね、と独りごち、]
(137) 2023/04/22(Sat) 16時半頃
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[なんで気付かなかったんだろう。鮫島自身に連絡すればいいじゃないか。
少年は素早くLINEを打った。闇雲に探し回るよりいい。 もしも無事だという連絡があれば、こんな風に慌てて駆け付けなくていいし。
彼はやりたいことがあると言っていた。邪魔したくない。]
そうだ…ニジノに返してない。 なんか俺、いつもアイツに不義理してる。
ーーやっぱり逢いたいな。
[スマホを開くと柊からも連絡が。机に腰掛け、まとめて返信をしよう。
鮫島はきっと大丈夫。きっと連絡をくれると信じて。]**
(138) 2023/04/22(Sat) 16時半頃
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―美術室―
[テレビン油の匂い、描きかけの油彩、 見たことのある彫像。 取り立てて特筆することのない型通りの美術室。 一度手にしたペインティングナイフを しげしげ眺めてから元に戻す。
それから。 彫刻にでも使うのだろうか、 取り回しの良さそうな小刀を見つける。 人狼ゲーム。 不要な代物なのだという願い込みで 携えることはしなかった。]
(139) 2023/04/22(Sat) 16時半頃
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