27 【crush appleU〜誰の林檎が砕けたの?】
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[ それはどのタイミングだったか、 回谷先輩の妹さんと話す機会があった。>>187
訥々と語られる話に頷きながらも、 あまりうまくいっていなかっただろう家庭環境に、 ふいに、いつかの会話が思い出された。>>0:63>>0:154>>0:155
気楽で自由生活を満喫できる一人暮らし。 あのとき、俺が心にしまった言葉を話していたら、>>0:110 もしかして、こんなことが起こっても 後悔しなくて済んだのかなって思ったその時、>>5:+7
「もっとちゃんと話しておけばよかった」なんて>>188 俺の心を読んだみたいなことを言うものだから、 ]
(223) JITA 2023/08/07(Mon) 20時頃
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……そうですね。きっとお姉さんも同じように ご家族と話したかったこと たくさんあったと思いますよ。
[ 少しだけ言葉に詰まりながらも、 俺は何とか同意の言葉を紡ぎだす。
あの夢の中で、回谷先輩が家族と話したいと 言っている場面は、少なくとも俺は見ていないけど、 とりあえず、俺は話を合わせるように頷いて、 ]
当たり前じゃないですか。 ご家族にも俺たちにもこんなに愛されていたんです。 きっとお姉さんにも神様のご加護があって 苦しまずに天国に向かったと思いますよ。
[ 人当たりのいい柔和な顔を作って、 俺は妹さんの問い掛けに、また頷いた。>>189 ]
(224) JITA 2023/08/07(Mon) 20時頃
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[ 実際のところ、俺が夢の世界で見たのは 結婚式の終わり際までで、 その後、どのようにして、 どこへ向かったのかまでは知らなくて。
それでも、余計なことまで話す必要性も感じずに、 ただ、聞き心地の良さそうなことを零して、 俺はその場を辞した。
事故に巻き込まれ、慈悲の世界を見せられるという 非現実的な体験をしようとも そんなに早く俺は変わることはないのだ、と 実感する出来事だった。 ]**
(225) JITA 2023/08/07(Mon) 20時頃
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── ダイニングバー ──
まあ、究極的に見れば 利他的も「他人が喜ぶと自分が嬉しい」ってことで 利己的に含まれるとも言いますからね。
人間きっとみんな利己的なんですよ。
[ 一瞬声が小さくなった理由は、>>235 このときの俺は思いつかなかったけれど、 最終的な大雑把な結論を言えば、 少しは先輩の懸念も少なくなるかなと思って。 ]
俺にも先輩と出会えていなければできなかったことが たくさんありますよ。 ぜひ俺のこと頼ってください。 その分、俺も先輩に頼りますから。
(259) JITA 2023/08/08(Tue) 01時半頃
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俺もそこまで詳しくはないのですが、 たとえば愛着障害とかって、 1歳くらいまでに愛着の形成がされないと 大人になっても自己肯定感が低くなるとかって 言うじゃないですか。
だから、そういうのの一種なんじゃないかなって 俺は思ったんです。 [ 実際のところ正解かは分からないけど、 やっぱり俺には先輩が異常だって思えなかったから、 先輩が安心できるのなら、 可能性の話はどんどん出していきたいと思いながら、>>236 ]
(260) JITA 2023/08/08(Tue) 01時半頃
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そうなんですね。
[ 自分のことが好きじゃないという話には、>>238 なんとなくそんな気はしたから、 特に驚きはなくて、 ]
俺も自分のことそんなに好きじゃなかったんですけど、 高祈先輩が、俺のこと頑張ってるって褒めてくれるから、 最近は自分のこと好きだなって思えるんです。
ちなみに俺の高祈先輩の好きなところは、 俺を気に掛けてくれるところと、 大事なところの価値観が合う気がするところと、
あとは、今日知ったことですけど、 先輩も父親の期待に応えるために 頑張ってきたんだなって分かったし、 きっと大学でも気を張ってたんだなあって思うので、 頑張り屋なところが好きです。
(261) JITA 2023/08/08(Tue) 01時半頃
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そんな風に俺が大好きな先輩なんですよ。 存在価値が無いわけないじゃないですか。
もちろん、俺といつまでも一緒にいたいって 思ってもらえることも嬉しいですし、 俺にとって価値あることですよ。
[ 俺が先輩の好きなところを言ったら、 少しは自信を持ってもらえるかなって思ったけど、 どうだったかな。>>238
先輩の不格好な笑顔が崩れてしまわないように、>>239 俺は絡められた指に、ぎゅって軽く力を込める。 先輩に勇気を与えられたらいいなって。 ]
(262) JITA 2023/08/08(Tue) 01時半頃
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そうですよ。先輩は人間であって道具じゃありません。 だから、これからも色々と話し合って、 たまには意見が食い違うこともあるかもしれませんが、 そのときは妥協し合いましょう。
[ そんな日々を過ごしていく中で、 先輩の価値観も変わればいい。>>239
誰かが近づく足音とが聞こえると 繋がっていた手が離れ、 一瞬の冷気が手のひらを覆う。>>240
一抹の寂しさを感じながらも、 ビールと白ワインで乾杯していたら、 今度は俺が話す番が来たようで、 ]
分かりました。 そうですよね、俺のこと冷静すぎるって思いますよね。
(263) JITA 2023/08/08(Tue) 01時半頃
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[ 問い掛けには、どこから話したものかと思いながらも、>>241 届いたばかりのビールを一口飲んでから、 ]
そうですね。 まず、俺の実家は、母方のお爺ちゃんが立ち上げた 貿易会社をやっていて、 お爺ちゃんが社長で、入り婿の父さんはそこの重役で、 俺はいずれ跡を継ぐって言われてました。
あ、社長っていっても、 高祈ホールディングスと比べたら、 全然大きなところじゃないですよ。
でも、結構な教育熱心な家庭で、>>0:112>>1:24 特に外国語は必要だって言われて 複数言語を習っていたので、 子供の頃は遊ぶ暇なんて無かったんですよね。
(264) JITA 2023/08/08(Tue) 01時半頃
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俺があまり感情的にならないのは、 これが先天的なものかどうかは分かりませんが、 子供の頃からだったと思います。 これは父さん似だって、よく言われてたんですよ。
小さい頃は、勉強のし過ぎで遊べないのが嫌で 泣いたこともあったらしいですが、 両親も祖父母も懇々と諭してくれたので、 それからは泣かなくなったようです。
生きる為に諦めるということは、 無意識のうちに子供の頃からしていたと思います。
勉強ばかりの毎日で、付き合いも悪かったので 同級生からは煙たがられていることは 子供心に分かっていたのですが、 立場が違うから仕方ないかと諦めるような子供で。
(265) JITA 2023/08/08(Tue) 01時半頃
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でも、家族から愛されているというのは 子供ながら分かってたんです。 だから、不自由なことは多かったですが、 特に辛いなんて思わなかったんですよね。
[ と、いつかの思い出話も付け加えつつ、>>1:25 ]
まあ、そんな日々が続いてたんですが、 5年前に父さんの不倫事件が起きたんです。
[ あらましについては、夢の中でも説明したけど、>>124>>125 遺書のことや>>1:26>>1:27 責任感の無さの考察についても新たに話して、>>146 ]
父さんから愛されていないと知った母さんは、 心を病んでしまって、 一緒に住んでいられなくなって、 高校1年生になったら、俺だけ一人暮らしを始めました。
(266) JITA 2023/08/08(Tue) 01時半頃
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[ 母さんが俺を仇敵でも見るような態度になったこと、>>1:28 家を出るにあたって 生前贈与を受けたことを話しながらも、>>1:29>>1:30 ]
高校からは俺の実家のこと知ってる人がいなくて、 それから父さんとは全く違うような 明るくて元気な福原徳人を演じて 頑張ってはいたんですけど、
でも、ほぼ家族から捨てられたようなものって言うの すごく惨めじゃないですか。
だから、テキトーにそれっぽいことを言って 誤魔化してたんです。
そうしたら、友達付き合いは増えたのに、 いつの間にかあまり深い話ができなくなって、 当たり障りのない会話で終わらせることに 慣れてしまったんですよね。
(267) JITA 2023/08/08(Tue) 01時半頃
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それに、その場をうまく収めるために、 嘘を吐くことが増えました。 共感した振りをして誤魔化したり、 何かを隠すために、それっぽい嘘を言ったり。
[ あの夢の中でもあったなあ、と>>1:370>>2:328 思い出しつつ言葉にしてみた。 ]
俺、嘘つくことに対して、 あんまり罪悪感なかったんです。 キャラを作っているのと似たような気分でした。 それに、嘘がバレて友達を失っても 別にいいやって諦めてたんです。
(268) JITA 2023/08/08(Tue) 01時半頃
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でも、先輩から俺が今まで頑張ってきたって言われて、 その先輩の言葉を無下にしないように、 少しでも誠実に生きたいなって今は思っています。
俺が今日先輩に話したことに、嘘は一つもないですよ。
あとは……そうだ。 お婆ちゃんと和解した話は病院でしたと思うんですけど、 お爺ちゃんとも今は、会う約束をすれば 普通に会えるようになりました。
母さんは今では精神は落ち着いたと聞いています。 俺はまだ会うのが怖くて、 本人から直接話を聞けてはないんですけどね。
と、俺から話せることはこれくらいかなと思いますが、 他に何か話した方がいいことありますかね?
[ 話し過ぎたと、喉をビールで潤しながら、 先輩に何か質問がないか尋ねてみる。 ]*
(269) JITA 2023/08/08(Tue) 01時半頃
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―― 大藤先輩との最後の挨拶 ――
そうなんすね。
[ 大藤先輩が大学を辞めた旨を話したとき、>>138>>139 俺が言葉にしたのはその一言だけだった。
別に嘘とは思わなかった。 大学を辞めたのも明日から来ないのも本当だろうし、 見たい遠くの景色だって、地球上のものとは限らない。
選別を渡して去っていた田端先輩は、>>152 回谷先輩の願いを聞けたのか、 それとも、結局ビンタすることになったのか、>>132 なんて考えつつも、人の波が落ち着くまで 俺は一旦その場から離れることにした。 ]
(270) JITA 2023/08/08(Tue) 02時頃
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大藤先輩。
[ それから、おそらくは そんなに時間は経っていないと思うけど、 大藤先輩と2人きりで話せそうになれば、 俺は先輩に近寄って話しかける。 ]
前に食堂で話したこと覚えてます? 疲れるけど楽しいって俺が言ってたやつなんですけど。
[ から揚げ定食と焼きさば定食を食べながら 先輩と話したことを思い出しながら、>>0:47 ]
本当はね、俺、楽しくなかろうが疲れようが、 明るく元気に振る舞っていた面もあるんですよ。 だって、そうすれば誰かから必要とされるから。
暗くて覇気のない俺は、 誰からも必要とされなさそうで、 そんなこと、俺には耐えられそうになかったので……。
(271) JITA 2023/08/08(Tue) 02時頃
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大藤先輩は遠くに行っちゃうってことは、 俺のこと必要じゃないってことですよね。 まあ、それ自体は別に構わないんですけど。
ただ、やっぱり傷ついたので、 今後の俺の大藤先輩に対する評価って、 先輩にとっては 不本意なところに落ち着く可能性が高いんですよね。
だから、もし先輩が納得いかないってことがあるなら、 直接口で反論してもらえないと、 俺が自分で評価変えるつもりはないってこと、 一応先輩に知っておいてほしいなって思って 呼び止めたんです。
[ それから、何か会話があったかもしれないけど、 どちらにせよ、俺が「お疲れ様でしたー!」と 元気な福原徳人の挨拶をしたのが、 きっと俺が大藤先輩と話した 最後だったんじゃないかなと思う。 ]
(272) JITA 2023/08/08(Tue) 02時頃
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[ 別に反論なんて求めてなくて、 ただ、恨まれる覚悟があるか確かめたかっただけ。>>2:173
ちゃんと覚悟があるのなら、 先輩がどこへいこうと俺は否定するつもりはないし、
この世の中の“正しさ”なんて所詮、 生きる人間の最大公約数のマジョリティが “正しくないと反論しない・できないもの”だって 俺は思っていて、>>2:173
世間に“正しい”と思われなくてもいいのなら、 それが犯罪行為で迷惑をかけないのであれば 勝手に好きに動けばいいと思っていたから。 ]
(273) JITA 2023/08/08(Tue) 02時頃
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[ でも、大藤先輩がいなくなったら、 きっと俺は父さんの時のように、>>1:378 また身勝手に怒りをぶつけるんだろうなって そう思ってたんだけど―― ]*
(274) JITA 2023/08/08(Tue) 02時頃
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―― ある秋の日 ――
[ 入院中に田端先輩とメッセージのやり取りをして、 早い間に覚悟ができていたからか、 それとも、あのときのように>>1:29>>1:30 独りぼっちじゃなかったからか、
大藤先輩が音信不通となったことには 思いのほか心は波打たなかった。 ちなみに海外に行ったなんて話は、 俺は全く信じていない。>>144
すっかり涼しくなった夕暮れの中、 大学の構内を歩いていると、 道端に夏を象徴する虫が転がっているのが見えた。 触ってみたけど、既に亡くなってしまっているようで。
夏の日々に縋りつくような季節外れの虫の亡骸は、 あの非現実的なことに巻き込まれた夏の日のことを 俺に思い起こさせた。 ]
(275) JITA 2023/08/08(Tue) 02時頃
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俺が回谷先輩の死を悲しいと思ったのは、 生きたがっている人が死んでしまったから。 このひと夏を越すことすら叶わない虫たちもそう。
ですが、死にたい人が死んだのなら、 それは俺にとって悲劇でもなんでもないようです。
[ 虫の亡骸を眺めながら、俺はぽつりと呟いた。
父さんのように怒りが湧かないのは、 心が進化したのか、それとも退化したのか、 あるいは、この出来事を2人の物語として見て 当事者意識が欠けたのか、 いつものように「仕方ない」と諦めてしまったのか、
そのどれもが正解で、 どれもが不正解な気もするけど。 ]
(276) JITA 2023/08/08(Tue) 02時頃
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こんな出来事、早々忘れられませんよ。
[ さして悲しいとも思えない俺は、 あの日に届いたメッセージを思い出しつつ、>>4:16 小さく苦笑を零しながら、
そっと虫の亡骸を抱えて、 近くの木の下の土を少しだけ掘り起こして、 亡骸を横たえた後、再び土を被せていく。 ]
さようなら。
[ 手を合わせてから目を閉じる。 俺の瞳からはもう涙は零れなかった。 ]**
(277) JITA 2023/08/08(Tue) 02時頃
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―― 教授をはげます会 ――
お疲れ様です! 乾杯!
[ 田端先輩の開始の挨拶の後、>>292 お酒が注がれた教授のグラスに、 俺はグラスを両手で持って重ねた。
ちなみに俺が飲んでいるのは烏龍茶。 教授をはげます会なのに、 俺が酔っ払ってしまっては 逆に迷惑を掛けてしまうから、 俺は細心の注意を払っていた。 ]
(302) JITA 2023/08/08(Tue) 20時頃
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そういえば教授、チキン南蛮好きでしたよね。 注文しましょうか? それともお酒に合わせるなら、別のものがいいですかね?
[ 田端先輩セレクトの居酒屋は、>>292 ご飯もののメニューも豊富で、 俺はいつかの食堂でのやり取りを思い出しながら、>>0:46 メニューを開いて、 追加で何か注文しようか提案しつつ、 ]
大丈夫ですよ。 俺は卒業するまで、教授のところで学びますから。
[ なんて言いながら、 学生の希望者が減り続けることを>>#4 嘆く教授を俺は励ましていた。 ]**
(303) JITA 2023/08/08(Tue) 20時頃
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―― ダイニングバー ――
はは、魔法じゃないですけど、 そう思ってもらえるのは嬉しいですね。
[ 俺の誉め言葉が拒絶されないのが嬉しいし、>>308 きっと先輩の内心でも 否定されていないんだろうなって なんとなく分かるから、それも嬉しい。
こうして先輩と過ごしていたら、 嬉しいが増えていくのかなって思うと、 これから先の日々がどんどん楽しみになる。>>263 ]
(334) JITA 2023/08/08(Tue) 23時頃
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あはは、この5年間は割と庶民的にしてたのに 生い立ちもなんとなく分かってましたか。 地方も違うので、高祈ホールディングスとは 関わりはなかったんでしょうねえ。
[ 俺の長い打ち明け話の後、 先輩が静かに語り掛けたことに、>>309 俺は相槌を打ちながら、 ]
そうですね。大人になったら諦めることも 色々あるとは思うんですけど、 せめて子供の間は、我儘が言える環境で育ってたら、 少しは違う性格だった可能性もありますよね。
[ 夢の世界で骨谷先輩と話したことを思い出しながら、>>1:276>>1:306 あんな人間らしい性格になれたかもしれない 人生の分かれ道に思いを馳せて。>>310 ]
(335) JITA 2023/08/08(Tue) 23時頃
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たしかに。 特に俺は中学生までは友達も少なかったし、 俺の世界は家族で全て出来上がっているといっても 過言ではなかったんですよね。 だから、やっぱり独りになったときは悲しかった。
[ 子供にとって家庭は世界だという話に>>310 同調しつつ、 ]
そうですね。 同じではないですけど、やっぱり俺たち似てますよね。
はい。あの大学の中庭での件は、本当に助かりました。 言い方がキツかったとか、そんなことはないですよ。 俺、本当に嬉しかったんです。
[ どこか似た境遇の先輩の言葉に頷きながら、>>311 高祈先輩のことを 初めて格好いいと意識した記憶が蘇る。>>0:253 ]
(336) JITA 2023/08/08(Tue) 23時頃
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そうですね。まだ、完全に気を抜くのは 先輩の前くらいではありますが。
[ 誇らしいと言われれば、>>311 照れ笑いを浮かべながら頭を掻いて、 ]
たしかに、社会人になれば 噓も方便になる場面も多そうですね。
好ましい、ですか。 そう言われると、過去の俺も救われます。
辛い経験をするのも、一人で頑張るのも、 なかなかに大変な経験でしたが、 その結果、先輩に出会えたのなら、 それも悪くない経験だったなと思います。
[ 先輩と出会えてよかった、と>>312 心が晴れやかとなって、俺の顔は自然と緩んだ。 ]
(337) JITA 2023/08/08(Tue) 23時頃
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あはは、誰かの役に立てればいいんですけど。
[ 共に生きたい人は今のところ先輩しかいないし、>>313 他の誰かというのは思い付きはしないけど。 ]
はい。先輩が側にいてくれたら、 俺も前向きに変わっていけますから。 ぜひ楽しみにしててくださいね。
こちらこそ、話を聞いてくれてありがとうございます。 そうですね。母さんと会うのは、 折を見てという感じになりそうです。
[ それから、俺は少しだけ口籠りながら、 ]
……先輩のご家族も、 どこかで折り合いをつけられたらいいんですけど。
[ ぽつりと零しつつ、 勧められるまま俺はチーズに手を伸ばした。 ]*
(338) JITA 2023/08/08(Tue) 23時頃
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―― ダイニングバー ――
あー、たしかに翻訳のバイトできるぐらいには 他国の言語に詳しいのって、 一般家庭ではなかなか見られないですよね。
あはは、先輩が俺の事情を探ってこなかったことと、 深く考えるような人が俺の周りにもいなかったことに ちょっと安心しています。
おかげで、裕福かもしれないって 目を付けられずに済みましたから。
[ バイトの話は 他の人に話すのは控えようかなと思いつつも、 先輩の可愛い後輩として過ごせたことを>>342 幸運だと噛みしめながら、 ]
(353) JITA 2023/08/09(Wed) 01時半頃
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