1 冷たい校舎村(別)
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[ 夜が更けていく。]
(9) 2020/11/13(Fri) 00時頃
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[ 持ち込まれたポテトチップスに、 わたしやったーって飛びついたんだ。
欲に正直に生きてるの。 だから、サラダなんかより、 ポテチが食べたい気分に従った。
コンソメ。好きだからうれしかったな。 ありがとね。食料調達班。
あ、でも。 寝床整え班にもちゃんとお礼言いなね。 結構大変だったんだからね。力仕事。]
(10) 2020/11/13(Fri) 00時半頃
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[ しんしんと。どころじゃなく、 ごうごうと降り続ける雪は止まない。
暖房がきいてる部屋の中、 ソファに身を寄せ合って眠るの。 修学旅行というより、避難っぽいね。
狭いソファにひしめきあって、 看板のうさぎちゃんみたいなわたしたち。
人と肌を寄せ合うのも、 ソファから落っこちないのも得意だから、 わたし、うまいこと寝てたんじゃないかな。]
(11) 2020/11/13(Fri) 00時半頃
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[ ……なーんて。 ほんとは足の下に柔らかさがあって、 それは安心感のあるあたたかさだった。 だからわたし、ぐっすり眠れちゃった。]
(12) 2020/11/13(Fri) 00時半頃
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[ ……誰だったんだろ。えへ。ごめーん。]
(13) 2020/11/13(Fri) 00時半頃
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[ ……あれ? チャイムが鳴ってる──、]
(14) 2020/11/13(Fri) 00時半頃
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──午前8時50分──
[ 寝坊したんじゃないよ。
昨日、ソファ上の場所の取り合いとか、 お菓子パーティーみたいなごはんとか、 そういうことして興奮しちゃったから、 それで目覚めがずれ込んだだけだもん。
わたし、くあぁとあくびして、 ソファの隅っこで伸びをひとつした。
おはよう。朝だね。 相変わらず窓の外はばかみたいに白い。 廊下のほうはばかみたいに明るいけど、
やっほー。起きた? 元気? 莉子は元気。]
(15) 2020/11/13(Fri) 00時半頃
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[ みんな────、]
(16) 2020/11/13(Fri) 00時半頃
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[ むくりと体を起こして、 まわりをぐるっと見回してみた。
9人も寝れる? って昨日言ったのね。 だから、ここには9人いるべきだった。
だけど、何度数えてみたって、 どーしても、9にはちょっと足りないのね。
いや、さすがにわたしも、 10までの数はわかるはずなんだけど(笑)]
(17) 2020/11/13(Fri) 00時半頃
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……はあ? なに、 みんな起きんの早くない?
[ この期に及んでのんきすぎるって? だって寝起きなんだもん。しゃーないじゃん。
わたし、ゆっくり立ち上がった。 足の下にはもうなんにもいなかった。
立ち上がって、少し考えて、わたし──、]
(18) 2020/11/13(Fri) 00時半頃
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……わたし、 ちょっとそのへん見てくるわ。*
(19) 2020/11/13(Fri) 00時半頃
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受付 アイリスは、メモを貼った。
2020/11/13(Fri) 00時半頃
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──前日/保健室──
宇宙かあ。 意外とロマンチストじゃん。
そしたらサラはさ、 本当は月がいくつあるのか確かめてきてね。 うさぎがどっか隠れてないかも。
わたし、毎晩空見て、 今はどこにいるのかなあって、 地上で優雅に待ってるわ。
[ 保健室で繰り広げたのは、 そんなふんわり壮大な話。
この世界作った人の特定には、 あんまり役に立たなさそうだけど。 意外なこと言うなって、ちょっとおもしろかったの。]
(33) 2020/11/13(Fri) 01時半頃
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……そういやないね、月うさ亭。
でも、ここにいる誰かの世界なら、 思い入れがない人なんてきっと、 ひとりもいないと思うけどなあ。
[ 変なのってわたしは笑って、 働きアリに戻ろうとして、あっ! いっこだけ。]
……で、 わたしのことはいつ、 “莉子ちゃん”って呼ぶわけぇ?
[ わたしはずっとサラって言ってんのにね。
ゆりちゃんって言ったの、>>2:304 わたし、聞き逃さないから!笑 *]
(34) 2020/11/13(Fri) 01時半頃
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[ それが、夜の話。]
(35) 2020/11/13(Fri) 01時半頃
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[ これからするのは、朝の話。]
(36) 2020/11/13(Fri) 01時半頃
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[ わたし、そのへんを歩いてったの。教室まで。]
(37) 2020/11/13(Fri) 01時半頃
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[ 別に。別に。 気づいてなんかないよ。 この世界のホーソクとか、 チャイムが鳴る意味とか。 ただ、ちょっと変な感じ?
あーきっとゆりと志帆は早起きして、 調理班らしく朝ごはん作ってんだわ。
……とは、思えなかった感じ? です。]
(38) 2020/11/13(Fri) 01時半頃
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[ やっぱりゆり、朝ごはん作ってくれてなかった。]
(39) 2020/11/13(Fri) 01時半頃
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──現在/3年1組教室──
[ 一番最初にたどり着いた“そのへん”は、 わかりやすく? シンプルに? 教室だった。
わたし、教室の扉を開けて、 広がってるの、やっぱり文化祭じゃなくてさ。 他は全部文化祭仕様なのにね。なんでよ。
ただ、いつも通りに並んでる机と椅子。 そこに人影があってさ、誰か座ってる。
教室の席なんて基本定位置決まってるでしょ。 あそこにいるのはあの子ねって自然に。
だからわたし、当たり前に、 ゆりじゃーん。って思ったわけ。]
(40) 2020/11/13(Fri) 01時半頃
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[ 何してんの? とも、そりゃ思ったけど(笑)]
(41) 2020/11/13(Fri) 01時半頃
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……っ お、 驚かせないでよ、もー。
つか、朝から何してんの? ふつーに授業とかないっしょ。
つーかさ、ゆりぃ、
[ 志帆いないんだけど。って言いながら、 わたし、肩叩こうと思っただけだった。
だってゆり、全然顔上げないんだもん。]
(42) 2020/11/13(Fri) 01時半頃
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[ そしたらゆり、欠けちゃった。]
(43) 2020/11/13(Fri) 01時半頃
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[ でもね、欠陥品なんかじゃないよ。]
(44) 2020/11/13(Fri) 01時半頃
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[ ゆりはゆりなだけだよ。]
(45) 2020/11/13(Fri) 01時半頃
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[ 届けエスパーリコからのテレパシー。 ……なんつって。えへ。でもさ、ほら。 もう言う機会なんてあるかわかんないしぃ?]
(46) 2020/11/13(Fri) 01時半頃
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[ とにかく、ゆりの欠片がぼろぼろと、 わたしの触れたとこから崩れてっちゃった。
わたし、びっくりしてさ、 ほんと、あんまりにアレだったから、 何秒間かはそのまんまフリーズしてたね。
フリーズドライかってくらい、 ぱらぱらになってたのはゆりだっつーの。
わたし、肩に触れるのに手を出したまんま、 じいっとその塊を見下ろしていた。
こんなの何かの塊だよ。ゆりじゃなくって。]
(47) 2020/11/13(Fri) 01時半頃
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……ゆ、ゆり?
[ 一応、もっかい名前呼んでみたの。
聞こえたら返事をしてね。 それが無理なら歯医者みたいに手を挙げて。 それもだめならまばたきをしてみてよ。
……いずれの反応もなし、っと。
相変わらずじいっと見てるわたしの視界には、 ゆりっぽい人形と、真っ白い紙きれ一枚がある。]
(48) 2020/11/13(Fri) 01時半頃
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[ ……ゆりのにも落書きしたげよっか。 今なら友情価格でなんと100円引きだよ。**]
(49) 2020/11/13(Fri) 01時半頃
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受付 アイリスは、メモを貼った。
2020/11/13(Fri) 01時半頃
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[ みんな恋や愛のはなしをする。]
(99) 2020/11/13(Fri) 18時半頃
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[ わたし、ちょっとかしこなので。 恋人がアクセサリーじゃないことは知ってる。 他人は思い通りにならないことも、知ってる。]
(100) 2020/11/13(Fri) 18時半頃
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