15 青き星のスペランツァ
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タプルに1人が投票した。
ハロに9人が投票した。
イワノフに1人が投票した。
地球に1人が投票した。
ハロは村人の手により処刑された。
時は来た。村人達は集まり、互いの姿を確認する。
ヨーランダが無残な姿で発見された。
現在の生存者は、ケトゥートゥ、ライジ、イースター、ナユタ、タプル、イワノフ、ジル、キランディ、アリババ、地球の10名。
― 探索4日目/『スペランツァ』船内モニター前 ―
[ロビーの大画面モニターに昨日までの調査状況が表示されている。]
■■■LOST■■■
アシモフ(高温の毒性ガス噴出によるもの)
ギロチン(血液の変質による中毒死)
ハロ(落石による)
■■■MISSING■■■
-
■■■HOUSE■■■
ヨーランダ
(#0) 2021/11/13(Sat) 00時頃
― 安置室 ―
[またひとつ、安置室にカプセルが置かれた。
アシモフ、ギロチンと並ぶ三つ目のカプセルの中には、何も入っていない。
空のカプセルが、台座の上に置かれている。]
(#1) 2021/11/13(Sat) 00時頃
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[それは慟哭。 二人は、今日は遊びに行った筈なのに。朝見送った筈なのに。 片方の信号は途絶えていて、キランディの様子は普通では無い。
キランディの場所は分かる。だから、片方が消えた場所も、分かる。 彼女が動く様子は無いし、そこで"何か"あったのだろう。
"何か"の正体を知りたくないが、行かないという選択肢は何処にも無い。
飛行の為に再度羽を稼働させる。]
『ライジ君、私は先に行く』 『マップの地点で走ってついてこれるか』
[キランディの現在地座標は見えている。 彼の探索機はまだ動く、なら、自分は先に行く。 ライジが行く事が不可能であろうが、自分だけでも行く。]
(0) 2021/11/13(Sat) 00時頃
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『キランディ!!』
[かけられる言葉は何も無い、大丈夫なんて言葉は決して言えない、落ち着けとも言えなかった。 唯々彼女の名を呼ぶ。 ハロとの通信は途絶えている、そう言う事だ、通信途絶とはそう言う事なのだ。認めたくない"何か"がそこにある。]
『キランディ君、今行く、今行くから…!』
[通信の向こうでゴリゴリと岩が擦れるような音、譫言に変わる呟き。>>3:166 会話不能と判断し、急ぐ事だけを考えた。*]
(1) 2021/11/13(Sat) 00時半頃
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― 三日目:海 ―
[ライジと同じタイミングか、それとも自分だけか。 ワイヤーを巻き上げ収納した後の大型マルチコプターが少し離れた地点に着陸するだろう。
だが、それだけだ。
動けない。自分はここから出ることは出来ないし、何より岩に縋り動かそうとしている彼女の姿が見える。 立ち尽くすか、膝を折って座り込むか。二本足で立っていたならばそんな事をしていたかもしれない。
岩の下にハロが居る想像は容易い物で、這い出ることも出来ないまま入れ物の中で大きな気泡を何度も鳴らして、]
『キランディ、やめろ、』 『やめなさい』
[今すぐそこから離れてくれ、君も危険なのだから。 きっとハロが助からなかったから、君はそんなになっているのだろう。 泣きそうな声で名前を呼ぶ。
少し離れた場所、崩れた岩場をどうしようもできないまま眺めている。*]
(2) 2021/11/13(Sat) 00時半頃
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─ 三日目/海 ─
[現場に辿り着いたなら、大岩を押し続けるキランディの姿が在るだろう。周囲の様子から、落石があった事は容易に分かる筈だ。この場が、決して安全だと言えないであろう事も。]
[投げ出された様に広げられたキランディの羽は、土埃こそ付いているものの痛んだ様子は無い。しかし、岩を押す右腕は一目で折れているとわかる状態だ。→側頭部からも、血が流れている。傷の位置から考えて、キランディが落石の瞬間に右腕を伸ばした姿勢で自ら飛び込んで行き、そして間に合わなかったのだという事も、もしかしたら察せるかも知れない。]
……だって、助けないと。 ハロが、ハロが居るんだ。この下に。 痛いって、泣いてるから。
[呼び掛け(>>2)が聞こえているのかいないのか。呆然と呟く口調は、明らかにいつものキランディのそれではない。]
(3) 2021/11/13(Sat) 00時半頃
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― 平原 ―
……そりゃ、ありがたいな。
["失う訳には行かない"。>>3:173 通信機越しの声は、至って真面目な調子に聞こえて。だからこそ、余計に目を合わせられない。自分でも子供じみているとは思う。]
へいへい、帰りましょ。
[ケトゥートゥの名前が出て>>3:174、彼にも心配をかけてしまったか、と少し増える罪悪感。 大の男が二人(片方は今はポッドに収まる液体のすがただが)、小柄なケトゥートゥに怒られる図というのは、なかなかいい見世物になりそうだ……と先を思いやった、その時だった。]
(4) 2021/11/13(Sat) 01時頃
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――ッ
[『マーレ10』の探索において初めて聞く、明確に助けを求める声。 しかもそれは、]
キランディ……!?
[空を飛べるキランディが、助けを必要とする事態なんてそうそうあるだろうか、と一瞬よぎるも。続いて何度も叫ばれるひとつの名前に、血の気が引く感覚。]
ハロ、……
(5) 2021/11/13(Sat) 01時頃
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[二人の座標を確認しようとして、通信機から届く声。>>0 こういった情報はアリババの方が早い。判断も。 ならば何か考えるよりも、彼の言う"マップの地点"まで走るのが先だ。]
了解、こっちはこっちの最短距離で向かう。
[指示されたマップの地点を目的地に定め、二足歩行探査機が砂埃を上げて走り出す。 揺れるドームの中で、取り乱したキランディの叫びが意味をなさない音になっていく>>3:166のを、ただ聞いていた。]
(6) 2021/11/13(Sat) 01時頃
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─ 三日目:海 ─
[キランディの言うハロの声は、自分には聞こえない。>>3 もしかしたらポッド越し、自分に聞こえて居ないだけで、ハロはまだそこに居て、怪我をして、それだけなのかもしれない。 なら何故キランディは"この下"と言っているのだろう。
助からなかったんだよ、助からなかったんだ。 そんな残酷な現実と言葉を、今のキランディに言える訳が無い。]
『――まだ落石があるかもしれない、』 『そこに居ては危険だ、キランディ』
[再度の落石が無いとは言い切れない。危険だ、君まで失う訳には行かない。これ以上、被害は出したくない。]
(7) 2021/11/13(Sat) 01時頃
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『ハロは私が助ける』
[嘘だ、助からない。]
『必ず助けるから、』 『今その岩を私がどかすから』
『だから君だけでもそこから離れてくれ、キランディ』
[酷く出血している。 巻き込まれたのだろう、近距離で見て、でもその手は間に合わなくて、届かなかったのだろう。]
『君がもっと怪我をしたら、ハロが悲しむ』
[これはきっと、真実。]
『私がハロを助けるから、』 『下がってくれ…』
[ぐちゃん、ぐちゃんと、透明なポッドの中で、壁に向かって何度も無意味に手を伸ばす。*]
(8) 2021/11/13(Sat) 01時頃
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[それはキランディから緊急信号が入る前、ライジを沼から引き上げお説教じみた何かが済んだ後。 船に置いて来てしまったケトゥートゥ宛てに通信が入る。]
『置いて行ってしまいすまない』 『ライジ君は、怪我も無く元気だったよ』
[そのあとは――…、 *]
(9) 2021/11/13(Sat) 01時頃
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[『必ず助ける』(>>8)──その言葉に、キランディは漸く動きを止めて振り返った。乾いたままの縋る様な瞳に、ポッドに納められたあなたとマルチコプターが映る。]
…………わかった。助けてやってくれ。 頼む、アリババ。頼むから……早く。 オレのせいだ、オレのせいなんだよ……、…………。
[ふらり、ふらりと場所を空ける。けれどその視線は、距離を取るとすぐにまた大岩へと注がれた。ぶつぶつと、何事かを呟き続けている。*]
(10) 2021/11/13(Sat) 01時頃
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― "海" ―
[ライジの探査機が到着したのは、アリババより少し遅れてのことだった。 着陸しているマルチコプターの周囲を回り、減速して停止する。]
……。
[採集用ポッドの中でゴボゴボ言っているアリババ>>2を見て、それからキランディの姿>>3を見つける。押している巨大な岩も。周囲にハロの姿はない。 何があったのか、察するには十分すぎる状況だ。]
(11) 2021/11/13(Sat) 01時頃
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― 三日目/"海"付近 ―
[三日目。イースターは希望者の有無に関わらず、何処となくまた"海"を見たいという思いがあり。昨日の調査>>3:127>>3:158を引き継いでいた。 全部という無茶は突っぱねつつ、先日とは少し場所を変え。少し変わった形の石を、鞄に詰めた頃。]
――キランディ様?
[普段の彼とは明らかに様子がおかしい慟哭>>3:163が聞こえ。急いで端末を確認して、もしかすると朝に見かけたかもしれない彼と会話をしていた者の名が、彼が何度も叫び呼んでいた名が、そこに名が並ぶのを見たくない欄の内一つに並んでいるのを見る。見てしまう。 キランディの位置ポイントを見れば、そこに記されているのは彼のみだ。そして、ハロからの通信が途絶えた地点である事も。明確に、示されている。
何が起きたのかを予測するのは、悲しいほどに容易だ。]
(12) 2021/11/13(Sat) 01時半頃
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キランディ様、…………。
[叫びは譫言>>3:166に変わり、途絶える。どの様な言葉を掛けていいか分からず、口籠る。今すぐ向かわなければ、そう考えるもイースターにその場所まで向かう足は無い。 が、アリババ>>1から彼の名が呼ばれ、今行くとの声が聞こえ。そしてマップを再度確認すれば、アリババの位置がキランディの居る地点へ移動するのが分かった。 それが分かれば、一度通信を切り。イースターは未だ呆然としたまま、海の方を見る。]
イースターは、こういった時。 何故、何も出来ないのでしょう。
[呟いた声は遠く溶けて消えた。*]
(13) 2021/11/13(Sat) 01時半頃
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『違う、』 『君のせいじゃない、キランディ』
[決して、君のせいじゃないんだよ。>>10 気休めのような言葉しか吐けない自分が、届かない手が、どうしようもなくもどかしい。 それでも彼女が岩から離れてくれた事に感謝する。 呟き続けている言葉は聞きとれない。目の前で起きた事、間に合わなかった事、無理もない。精神的ケアが必要だ。 連れて帰って、手当して、休ませて、 …休ませて、大丈夫だとまた自分は嘘をつくのだろう。
到着したライジの機体を見、そのまま指示を投げる。 動かないよりは、動いた方がずっといいから。]
『ライジ、アレをどけよう』 『私が持ち上げる』
(14) 2021/11/13(Sat) 01時半頃
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[自身が上空に待機。あとは岩にワイヤーを括りつけて貰えれば、持ち上げられる。 行けるサイズだ、大丈夫。]
『どかした後、キランディを、頼む』
[錯乱するのは分かり切っている。 その場合、頼む、止めてあげてくれ。
最悪押さえつけるような事態になっても構わない。危険な岩場に飛び込む位なら、無理な手段を取って良いだろう。
ワイヤーの設置が終われば、岩を動かし安全な位置に下ろす。 ハロが"何方に"散っているのか、下か、自分が持ち上げた方なのか。 それは分からないが、回収する、必要が、ある。
だが己はその作業を手伝う事は出来ない。それに何処かホッとしている自分が居た。*]
(15) 2021/11/13(Sat) 01時半頃
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……了解。
[自分のせいだと呟くキランディ>>10と、そうじゃないと否定するアリババ>>14のやり取りは、意識して耳に入れないようにする。ただ指示されたこと>>15にだけ頷いて、探査機から降りる。
岩にワイヤーを括り付ける間は無言だった。 その下にいるらしいハロのことも、考えないように。
できるだけ手早く、かつ途中で外れたりしないようしっかりとワイヤーを取り付けて、自分も岩から離れる。]
……終わった。やってくれ。
(16) 2021/11/13(Sat) 02時頃
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[上方のアリババに向けてそう合図を送ってから。 頼む、と言われたキランディに向き直った。]
キランディ。 引っ張り上げる時に別の落石があるかもしれない。 危ないから、終わるまでおれの探査機で待機していてくれ。
[探査機のドームは頑丈だ。万が一岩が落ちてきても操縦席は高確率で無事だし、自分が中にいればドームを開けて出ていくこともさせない。 でかい男(少なくとも体格は男だ)二人は多少手狭だが、暫く我慢してもらうしかない。
さて、素直に言うことを聞いてくれるだろうか。**]
(17) 2021/11/13(Sat) 02時頃
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[ライジの提案(>>17)には、小さく頷いた。そのまま、大人しく……と言うよりは憔悴しきった様子で翼を畳み、探査機に乗り込むだろう。]
…………、……。
[ドーム越しに、自分にはどうしようもなかった大岩が、的確な作業で吊り上げられて行くのを目に映す。しかしそれは、岩の底に付着した液体を目にする事と同義だ。視線を下げたなら、其処には────其処にも。]
っ、ぁ……! ハロ、ハロちゃんッ!!!
[アリババの懸念(>>15)通り、キランディの動揺は大きなものとなった。ドームを開けて出て行かなければ、と立ち上がる。けれど、体重がライジの半分あるかも怪しく、何より片腕を負傷しているその身体は、大した苦労もなく抑え込む事が可能だろう。*]
(18) 2021/11/13(Sat) 02時頃
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[ライジの手でワイヤーが括りつけられる。>>16>>17 その間は二人とも無言で、けれどその方が良かった。 真下にある様々な物を見ながら、時々船が不安定に揺れ、その度になんとか持ち直す。 それはまるで、今の自分の心のような。]
『分かった、少し離れていてくれ』
[問題無いだろうが、念の為声をかける。 作業が終わった事を確認すれば、岩を持ち上げ離れた場所にゆっくりと降ろし、その傍に自身の機体をやや雑に着地させた。 ワイヤーは未だ岩に繋がっているものの、そこに散る色から目を背ける。
後の自分に出来る仕事は、何かを運ぶ。 それだけだ。*]
(19) 2021/11/13(Sat) 02時頃
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― 三日目/研究室 ―
[その報せを聞いたのはモニター越しの通信回線だった。 座標は海周辺、通信信号がひとつ足りない。]
……状況は!?
[慌てて音声回線を繋ぐとアリババがキランディの名を呼ぶのが聞こえた。落ち着かせるような声音に混じる取り乱したキランディの悲痛な声。 それだけで何が起きたかは察しがついた。]
…………ッ
[声を出すことはできなかった。 現場ではライジ達が対処に当たっているに違いない。 ……大丈夫、きっと彼らなら。大丈夫。 頭の中で繰り返す。 まだ命が繋がっているならば…やれることはあるはずだ。 僅かな願いをかけるよう、処置室へと駆け込んだ。]
(20) 2021/11/13(Sat) 02時半頃
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― 二日目/"海"付近 ―
[>>3:158スパーンと断られるであろう希望にしょぼくれるアリババが居たかもしれないが、そんな理由で悲しんでいる暇は無いという事を今は知るよしもない。
幾つもの探査船に乗って、美しい星を見つけて、皆で喜んで、けれど自分だけは外に出られない。 探索が始まって早々に叩き付けられる体組織不適合の文字と、あらゆる手を尽くしても覆しようのない結果。 そして別の探査船へ、 別の、また別の船へ。
そんな事を何度も繰り返す中、別の探査船で久しぶりに出会った同族を見つけた。 彼も自分と同じく何処にも合わなかったらしい、似たような旅の話を幾つか聞く。
最も、彼は既に諦めていたようで、老いた身体は少し後に寿命で死んでしまった。 彼のポジションは自分が引継ぎ、彼の残した『彼の感情』が一切混ざらない純粋な記録としての『記憶』も、記録として引き継いだ。
彼も何度も引き継いできたようだ。 旅の記録を数度、自身の中で静かになぞる。]
(21) 2021/11/13(Sat) 02時半頃
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[まだ、まだこの宇宙に未探索の地は数多有る。 『マーレ10』の探索も始まったばかりだ、落胆するのはまだ早い。
なに、うっかり船内で拾い食いでもしない限りは自分は死なないさ。 もしくは知識欲で暴走したまま無計画に外に飛び出す行為をしなければ。>>3:159]
ああ、楽しみだ 私の顔は…、一体どんな物なのだろう
[今は分からないけれど、 君に見せるその時を楽しみにしている。 約束したいつかの未来を、今は暗色の水面で微笑みながら。
なんかデートみたいだなとふんわり考え、若干気恥ずかしい思いを抱きながら、イースターがこの船に乗った理由を聞くのを忘れて居た事を思い出したが聞きそびれたまま、
その後はゴチャゴチャ荷の選別作業をして居ただろう。**]
(22) 2021/11/13(Sat) 02時半頃
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― 三日目/医療処置室 ―
[処置室には培養ポット、生体細胞、薬品の数々が並ぶ。 焦る心をそのままに、ただただ思考を巡らせる。]
早く、早く。今度こそ間に合わせなければ……
[クルーの生体情報はすべてデータベースに記録がある。 浮遊種であるハロの身体は大気よりも軽く繊細だ。 循環液はなるべく多い方がいい。 処置には時間がかかるし、生体ポットも用意しよう。 皮下組織は生成に時間がかかるが繋ぐことはできる。 海に溺れただけなら医療キットだって役に立つ。]
ハロ君、無事であってくれ……
[現場の通信が行き交っている。 正直なところ、状況は絶望的といっていい。 けれど、そうだとわかるまでは……後悔はもうしたくない。**]
(23) 2021/11/13(Sat) 03時頃
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[キランディの通信機からは、暫く抵抗する様な物音が続いたものの、不意に静まる。その反動か、探査機という屋内へ場所が移ったからか。錯乱しているであろう口から漏れる微かな呟きも、聞き取れるものとなるだろう。]
……オレが、関わったから ごめん、ハロ。ごめん………ン。助け、られなくて ……ーチ…リム、約束……けど やっぱり、オレは、死神……。 キランディ……、…………。
[その意味を全て解した者は、恐らく一人も居なかっただろう。彼は、自分の来歴を人に語った事は無かったから。]
[一つ、確かなのは。精神的負荷と負傷、それとその後の無理が祟り、キランディがこの場で意識を失い、この呟きも途絶えた事。それだけだ。]
(24) 2021/11/13(Sat) 04時頃
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キランディは、気を失っている。**
2021/11/13(Sat) 04時半頃
青い星 地球は、メモを貼った。
2021/11/13(Sat) 05時半頃
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― マーレ10での出来事 ―
ひとまズ、戻りましョウ。 少しハデータが取れたハズでス。タプルなラ、データ解析をしてくレルでしョウカ。
[マーレ10の探索から帰還しようとしている最中に信号が走る。]
(25) 2021/11/13(Sat) 05時半頃
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……海の方向でスカ。予定変更。向かいまス。
[引き上げようとした矢先に知らされる悪い知らせ。チキュウは海の方向へと増援に*向かう*]
(26) 2021/11/13(Sat) 06時頃
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青い星 地球は、メモを貼った。
2021/11/13(Sat) 06時頃
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― 安置室 ―
[謹慎の通達があった。 遅かれ早かれこういう日は来るだろうと、そう思っていた。いや、思った以上に来るのが遅かったというのが本音だ。 おそらく『ヨーランダ』が死亡し、そこから調査が入ったのだろう。『ヨーランダを名乗る男』が調査船の船員として働いていると……]
[幸いなことにこの船では斎を重視している。船員との交流の禁止はあれど、墓守として安置室で働き続けることは許された。それでいいと思った。居場所であり自分の本質を失わずにすんだから]
(+0) 2021/11/13(Sat) 09時半頃
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[通達からさほど時間が経っていない頃だった、空のカプセルが運ばれてきたのは。ヨーランダに謹慎処分が下ったことは、本人への通達と同時に全クルーに知らされている。
カプセルを運び入れたやたら独り言の大きい船員は 「落石事故だってよ。一緒にいたキランディはだいぶ憔悴してるんだってな」 と、弔いの準備をしているヨーランダの背後で、やたらと大きな独り言を言い続けている。
キランディはハロと調査に行くと言っていた。きっと自分に責任があるという念に苦しんでいるのだろう。 ヨーランダもその気持ちはよくわかる、自分が頼まなければギロチンの運命は変わっていただろうから。 ……いや、比較するのも失礼だなとヨーランダは思い直した。だが、同じ気持ちを持っているとしたら話しくらいは聞けるだろうか?]
[ヨーランダは“うっかり”メモとお供えのお菓子を包んだ紙包を落としてしまった。 やたらと独り言の大きい船員は これは誰の忘れ物かな と包み紙を拾い、ニヤリと笑いながら安置室を出て行った]
(+1) 2021/11/13(Sat) 09時半頃
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[一人になったヨーランダはカプセルを覗き込んだ。 空だ。 こういうことは稀ではない。何故なら死に形はないからだ。 ある人は現場に残されていた服の一部だけ収められた、ある人は唯一持ち帰ることができた触角だけ収められた、ある人は形成不可能として袋に入れられたまま収められた]
はろ
[ヨーランダの手は自然と出発前に触れられた頬に伸びた。小さい体で飛び回り、みんなとお喋りしていたハロはここにはいない。 もし、一部でも回収できるのなら回収してほしい。マーレ10に置き去りにするのではなく、一部でも一緒に帰還したい。 先にこの部屋に来たアシモフとギロチンと一緒に、寝かせてあげたい]
おやすみ。
[棺の主の不在を隠すように、ヨーランダは空のカプセルに布をかけた**]
(+2) 2021/11/13(Sat) 10時頃
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─ 三日目 アリババのいつもの場所 ─
[その場を動けなかった。 通信の音が、船内の喧騒が、耳から入って、どこも通らずに抜けていく。 確かに此処にいる筈なのに、何もかもが遠くて、自分だけ薄い膜を一枚隔てた別の世界にいるような、不思議な感覚だった。
──どうしよう。 何も浮かばない。思考を動かせない。
ふと、探索初日の夜中に、ハロと話したことを思い出す。>>1:69 行くと、確かめると『本当』になってしまうから、という意図のことを、ハロが言っていたのを思い出して、ケトゥートゥは。 通信を切って、端末を伏せた。**]
(27) 2021/11/13(Sat) 10時半頃
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─ 三日目 通信:アリババ>>9への応答 ─
[無事の報せに、ほっと胸を撫で下ろす。ライジだけでなく、アリババ自身も問題なく無事とみて良さそうだ。 アリババがあの勢いで飛び出していったのだ、勝算はあったのだろうし恐らく大丈夫だろうと信じてはいたけれど(まさか行き当たりばったりだったとは思っていない)、やはり心配に緊張していたのだろう。身体の強張りがほどけるのを感じる。]
まだまだ油断しないでヨー! 帰ってくるまでが探索だからネ! 言いたいこといろいろあるって、ライジにも言っておいテ!
[言いたいことは戻ってきたら直接言うつもりで、そのときはそれだけに留めて。 ふたりの帰りを待つ間、何をしていようか──と考えたとき。 朝、ハロとキランディに、行ってらっしゃいを言い損ねてしまったことを思い出す。 二人にも無事に帰ってきてほしいなと思って、気をつけてねを言いたいと思って。 一言だけと思って、通信を、そちらへ。
そのあとは──……、 **]
(28) 2021/11/13(Sat) 11時頃
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― 海 ―
[特に抵抗もなく、大人しく探査機に乗ってくれたことにひとまず安堵した。が、吊り上げられていく岩と、その下にあるもの――あるいは、その間で糸を引く何か――が視界に入れば、危惧していた通り、キランディは外に飛び出していこうとする。>>18]
……、
[かける言葉は見つからず、ただ折れていない方の腕を掴み、鋼鉄の腕を回して抑え込む。ドームはこちらでロックしているので開けられはしないが、抑えておかないと強化ガラスに体当たりでもしかねない勢いだ。]
(29) 2021/11/13(Sat) 12時半頃
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|
[けれど、何事か呟いていたキランディの体からはやがて力が抜けてしまった。>>24 やりすぎたか、と慌てて顔を見るが、どうやら気を失っている様子。呼吸は一応あることを確認して、ほっと胸をなでおろす。 呟きの意味はわからなかった。聞き取れた"死神"という言葉は、気にはなったけれど。ひとつだけわかったのは、キランディも何かを喪ったことがあり――それを自分のせいだと、悔いているということ。]
……アリババ、キランディが気絶した。 腕のこともあるし、このまま中で休ませておく。
[機体の操作に集中しているだろうアリババに一応そう報告し、キランディの体を抱える。 驚くほど軽い体に不安を覚えながら、仮眠用の毛布を広げてその上に寝かせた。毛玉だらけでちょっと臭うが、意識がないなら文句も出ないだろう。長い翼と足を伸ばすほど広くはないので少し丸まってもらった。]
(30) 2021/11/13(Sat) 12時半頃
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|
[そうして、岩を撤去し終えたアリババの方>>19を見る。 彼はそこから動くことはできない。今この場で動けるのは自分だけだ。]
…………。
[ドームを開けて、外に出る。常とは違い、しっかり閉めてロックをかけてから、地面に飛び降りた。
岩のあった場所に、近付いていく。]
(31) 2021/11/13(Sat) 12時半頃
|
|
……ハロ、……
[見覚えのある色と、見たくもない色が、混ざり合ってそこにある。 キランディからの救難信号はクルー全員に届いているはず。きっとそれぞれがハロの身を案じ、あるいはまだ間に合うと信じて動いている者>>20もいるかもしれない。けれど、
――無理だ。
そこにあるものを。 "本当の本当"を。>>2:69 もう直視してしまった。
岩をどけなければ、ハロは行方不明ということになっただろうか。 ちょっとどこかに行ってしまったけれど、そのうち気まぐれに帰ってくるかもしれない、なんて思えただろうか。
そんなことはありえない。 ハロの身に起こったことは、あの映像と、音声と、通信途絶が示す通りだ。>>156]
(32) 2021/11/13(Sat) 12時半頃
|
|
……連れて帰って、やらないとな。
[口に出した声が震えているのを自覚する。 何度も唾を呑み下しながら、散らばる欠片のひとつを拾い上げようとする。 しっかりと見なければ掴むことはできない。それでも視線が定まり切らない。見たくない、と訴えるように。]
……ッ
[耐え切れず背けた視界の端に、青い色>>26が映る。 そこには、浮遊する青い球体の姿があった。**]
(33) 2021/11/13(Sat) 12時半頃
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― 三日目・海 ―
[駆けつけたチキュウと共に、ハロの体を回収して密閉容器に入れていく。 壊れた発信機も、反重力パンの欠片も。 直接回収する作業の大部分はチキュウに任せたかもしれない、よく覚えていない。正直、吐き気を堪えるので精一杯だった。
探索が始まる前、談話室でぶつかった軽い感触>>0:98が胸の辺りに残っている。 一度だけ手を止めて、衝突した辺りに少し触れて。
その後は、もう何も考えないようにしたと思う。]
(34) 2021/11/13(Sat) 16時頃
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[回収を終えた容器をアリババに託して、ごつごつした岩場を穏やかな波が洗う、"海"の岸辺にしゃがみ込んだ。 その拍子に長靴の先が小さな石ころを蹴飛ばして、高い音を立てて転がっていく。
ころころ、ぽちゃん。
跳ね返って"海"に落ちた石ころが、小さな飛沫を上げた。 何とはなしに、ぼんやりと水面を覗き込む。 丸い石が沈んでいく。
その輪郭が、深い青に溶けて、やがて、見えなくなる。]
(35) 2021/11/13(Sat) 16時頃
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|
…………。
[深い水の底とは、一体どんな景色だろう。>>3:120 光はどこまで届くのだろう。
どこまでいけば、]
(36) 2021/11/13(Sat) 16時頃
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|
……――、
[暫くの間、男はぼうっと水面を見下ろしていて。 声をかけられるか、マルチコプターの駆動音でも聞こえれば、は。と我に返って帰投の準備をするだろう。 キランディの手当もある。早く戻らなければならない。]
(37) 2021/11/13(Sat) 16時頃
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― 三日目・タラップ ―
[それから、もう日も暮れた頃かもしれない。 オレンジ色の二足歩行探査機が、がしょんがしょんと『スペランツァ』に戻ってくる。怪我人を乗せているため、極力揺れないようにゆっくり歩いてきたのだ。気をつけたところで揺れるものは揺れるのだが。]
……。
[空を見上げる。 アリババの操るマルチコプターはきっと、回収したハロと共に先に戻ってきているだろう。]
(38) 2021/11/13(Sat) 16時頃
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[通信機をオンにして、タプル宛に通信を送る。]
……タプル。 キランディが怪我をしてる。 処置室に連れて行くから、診てやってくれ。
[それだけ伝えて、キランディを連れて探査機を降りる。 まだ意識がないなら抱えて、歩けそうなら肩を貸して、処置室へ向かった。**]
(39) 2021/11/13(Sat) 16時頃
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─ 三日目・日没後 船内通路 ─
[通路の曲がり角。二方向からの壁が交わる角には、小型ポッドに入れられた植物サンプルが置かれている。 船内のどの喧騒からも離れて、ケトゥートゥはひとり、そのポッドを見つめていた。
ふと、重たげな長靴を引きずるような足音が聞こえてきて、おもむろに顔を上げる。 キランディを処置室へ送り届けた>>39あとか、そのあとで相棒の探査機を格納庫へ納めてからの帰りか。 何だか、疲れたような顔をしていると思った。いつもそうだったかもしれないけれど。]
……イーヤー、ライジ。 おかえりなさい、だヨ。
[挨拶で、口元が笑みの形に変わる。 話し掛ける声は、不思議と穏やかだ。]
(40) 2021/11/13(Sat) 16時半頃
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─ 三日目・日没後 船内通路 ─
[格納庫からの帰り道。 泥を洗い流す作業も終えて、コーヒーでも飲むかとロビーに向かっていたところに、聞き慣れた挨拶の声>>40がかかった。下を向いていた視線が僅かに上がる。]
……ケトゥートゥ。 あー……、ただいま。
[この挨拶をする時のケトゥートゥは、いつも笑顔だ。 今も……口元は笑っている。ように見える。口調も穏やか。特に剣呑な雰囲気はない。そう思う、のだが。 何故か目を合わせられず、視線が壁際に逃げた。]
(41) 2021/11/13(Sat) 17時頃
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[医療処置室にライジからの通信が入る。>>39 探査機からの簡易スキャンにハロの名前はない。]
こちらの準備はできている。 キランディ君の容態はどうだい、腫れや出血の様子は? なるべく無理をさせないようにしてあげてくれ。
[通信越しにその場の処置を指示しながら扉を開く。 必要であれば処置室から担架が運ばれてくるだろう。]
それで…他に怪我をした者は……?
(42) 2021/11/13(Sat) 17時頃
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─ 三日目・日没後 船内通路 ─
目、逸らさなくてもいいのニ。ケトゥートゥ、怒ってないヨ? ライジが帰ってきたら、いろいろ言わないと、って思ってたのにネ。 ……何か、全部、遠くに行っちゃったヨ。
[目線を逸らす仕草>>41へ、苦笑のようなものを向ける。 そこに常と違うものを感じ取るなら、その感覚は誤ったものではないだろう。 ライジのほうを見ている筈の目も、何処か遠いところを見ているようでもある。]
……ねえ、ライジ。 ケトゥートゥ、ライジに聞きたい事があるノ。 何処か、行ク?
[淡々とした依頼と、提案。通路の真ん中でするような話ではないと思ったのだろう。 静かに、答えを待っている。*]
(43) 2021/11/13(Sat) 17時半頃
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― 三日目・処置室へ ―
右腕が折れてる。 なるべく動かさないようには気をつけた。 あとは、頭にも少し傷がある。こっちはそんなに深い傷じゃあないが……
[タプルからの質問>>42に答えつつ、通信で伝えられる処置は、可能な限り行う。]
……怪我人は他にはいない。
[短く答えて、少しの間。 わかってる、タプルが聞きたいのはそういうことじゃない。告げなければならない。望まれた答えでなくとも。]
ハロは、 ……間に合わなかった。 アリババが連れて帰ってくれてる。とにかく今は、キランディを頼む。
[後で会いに行ってやってくれ。とは、言えなかった。 迎えの担架がやってくれば、そちらにキランディを託して、タラップに置いてきた探査機をとりに戻るだろう。*]
(44) 2021/11/13(Sat) 17時半頃
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─ 三日目・日没後 船内通路 ─
[怒ってない、と言われれば、やっと視線を相手の顔に向けた。なんだかしょぼくれた大型犬のような目をしている。]
おれも、帰ってきたら色々言われると思ってたんだが。
[気まずそうに頭を掻く、その手はグローブをしていない。 "海"での作業で色々な付着物があったので外したのだ。もしかしたら何かの解析に必要で、どこかで調べられているかもしれないが、ともかく、手元にはない。 冷たい金属の義手が剥き出しになっている。]
……ん。 外の方がいいか?
[提案には素直に頷く。 二人だけがいいのだろうことは流石に察した。 タラップの近くか、それとももう少し船から離れたところか。]
いいぜ。おまえの好きな場所で。*
(45) 2021/11/13(Sat) 17時半頃
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― 三日目:海 ―
[気絶したキランディ、>>24 ハロを、先ほどまで確かにハロであったもの、 "海"に似た丸い青い色、>>25>>26 回収するライジの姿。>>31>>32>>33 集められた品は全て容器に収められ、抱えられて、此方の機体に積み込まれた。>>35
ハロ、こんな狭い入れ物の中で、苦しいだろう、寂しいだろう。 痛かっただろう。
キランディの言うハロの泣き声が自分にも聞こえた気がしたが、そんな物は気のせいだと、考えないようにした。>>3
キランディはライジの機体の中に居る。 彼女の事はライジに任せよう。
自分は、ハロを連れ帰らねば。それがクルーとしての役目だから。
暫しの沈黙の後、ブゥンと羽を回転させる。 帰ろうハロ。私達の船へ、一緒に。]
(46) 2021/11/13(Sat) 18時頃
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― 三日目:スペランツァ前 ―
[小さな入れ物を抱えた機体はとても軽く、あっという間に船に帰って来る。 それでも進路は危ういもので、高度も操縦も安定せず、たまにガクンと揺れ再度持ち直す。
船の前まで来れば、事態を察した者達が出迎えに来るだろう。 静かに着陸し、途切れ途切れの伝言を幾つか。]
『ハロを、連れて帰ってきた』 『安置室に、運んで』
[報告ですら無い言葉。 何とかそれを絞り出し伝えようとする。 キランディの負傷状態はライジが確認し通信を入れる筈だ、任せよう。]
(47) 2021/11/13(Sat) 18時頃
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『…――布か、何かを』
[ハロの上に、被せてやってくれないか。 少し苦しいかも知れないが、どうか許して欲しい。
乗ってきた機体の収容等は他者に任せる。 動けない自分については、現在収まって居るポッドごと自室に運んで貰う事を希望し、整備室に放ってあるであろう普段の『袋』の回収も頼み、>>3:135 適当に蓋を開けた上でそのまま部屋に放置してくれ。 そうしてくれ。暫く放っておいて欲しい。
そう、頼んだ。**]
(48) 2021/11/13(Sat) 18時頃
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― 三日目・日没後 船内通路 ―
うーン……もし思い出したら言うヨ。
[叱ってもいないのに、叱られたみたいな顔をした兄貴分>>45を見て。 やっぱり疲れてるんだろうなあ、と思った。 もしかしたら自分もそうなのかもしれない。あんまり、よくわからないけれど。]
そうだネ。外の方がいいかモ。
[頷いて、タラップの方へ歩き出す。 船から少し離れたところにするのがいいかもしれない。何となく今は、暗いところのほうが、話しやすい気がした。]
(49) 2021/11/13(Sat) 18時半頃
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― 三日目・日没後 船外 ―
[移動した先。日が沈んだ後の屋外は、スペランツァ内部よりずっと暗い。 スペランツァに取りつけられた灯りが多少届くが、それだけだ。表情も少し、読み取りづらいかもしれない。 自然ばかりのこの星では、さして声も響かない。 船から少し離れて、適当なところに腰を下ろした。見上げればいくつも、星が瞬いている。 航行中はただの背景でしかないそれらも、惑星に降り立って見ると、やはり綺麗なものに見える。]
ライジ。 ライジはどうして、泣かないノ?
[唐突な質問。 これまでも、気になってはいたのだろう。それでも問わずにきた。それを初めて、敢えて問う。 つらそうにはしていても、泣こうとはしないその理由を、今、どうしても問いたかった。*]
(50) 2021/11/13(Sat) 18時半頃
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─ 三日目・日没後/医療処置室 ─
[医療処置室へ運ばれた時点では、キランディはまだ目覚めていなかった。]
[右腕は完全に折れているし、無理に動かしたのだろうか腫れも強い。所謂、橈骨・尺骨骨幹部骨折というやつだ。側頭部の方は位置が位置なのでそれなりに出血しているが、ライジの言う通り(>>44)深くはない。念入りに検査しても、これといった異常は見られないだろう。] [全体的に、落石に巻き込まれた────否、自ら突っ込んで行ったにしては、奇跡的とも言っていい軽傷だ。飛んでいた為、衝撃の大部分はいなせたのだろう。それはつまり、その瞬間。ハロが地面に居た(>>3:150>>3:151>>3:153>>3:156)事をも意味していた。]
────……此処、は?
[粗方、処置が終わった頃だろうか。キランディは薄く目を開いた。酷い悪夢を見ていた様な気がして……腕の痛みに、それが現実だった事を思い出す。]
(51) 2021/11/13(Sat) 18時半頃
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[けれど、先程までの錯乱に近い状態とは打って変わって、キランディの心は凪いでいた。] [傍に居るのは、タプルだろうか。姿を認めると、小さく謝罪の言葉を述べる。]
……ごめんなさい、取り乱して。 きっと、驚かせちゃったわね。 アリババちゃんと、ライジちゃんにも、後で謝っておかなくちゃ……。
[緊急信号は、全員に届いた筈だ。本来なら、発信する必要なんて無かったのに。ハロの最期は、しっかりとこの目で見ていたのだから、万に一つが無い事だって理解していた。理解していたのに、誰かに縋ろうとしてしまった。その行為が徒に場を混乱させたであろう事は、冷静になった今なら察しが付いた。*]
(52) 2021/11/13(Sat) 19時頃
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[『キジン』はかつて、金の砂漠が広がる美しい星だった。
そこに住む人々は皆若く、無垢で、金色の瞳をしていた。 歳をとらず、飲食を必要とせず、疑いも争いも知らず、ただ穏やかに時を過ごす種族だった。 命が尽きる時、その体は細かい金の砂粒に変わり、砂漠の一部となる。 それが『キジン』の民の"死"だった。
辺境に位置していたため誰にも知られることなく、ひっそりと存在していた『キジン』に、ある時小さな宇宙船が流れ着いた。
地球を離れて様々な星に散らばり、もはや故郷も忘れ果てた移民達。その中にあって秩序に馴染むことができず放浪していた、略奪者達を乗せた船が。]
(53) 2021/11/13(Sat) 20時頃
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[船から降りた人々は、広がる金の砂漠に価値を見出した。 この星は金になる。 彼等は星の場所を隠し、『キジン』の砂を売り始めた。
悪意というものを知らぬ『キジン』の民は、代表者を出して略奪者達の元を訪れた。 "砂は先祖の骸であり、我々の一部であるから、持っていかないで欲しい。" そう懇願したものの言葉も理屈も通じるはずもなく。 交渉に向かった数人が戻ることはなかった。
そして、略奪者達は"『キジン』の現地種族は金になる"という事実を知った。]
(54) 2021/11/13(Sat) 20時頃
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― 三日目/医療処置室 ―
腕の負傷の手当はわかるね? 頭を打っているなら動かさない方がいい。 あとはこちらで預かろう。
[ライジ>>44には通信でできる限りの範囲の事を伝える。 怪我人はいない。その"答え"には……わずかな沈黙。]
……そうか。
[押し殺すようにつぶやいた。 動揺してはいけない、落胆をするのも違う。 自分はここにいただけなのだから。]
君達にはいつも辛い仕事をさせるね。 私もやれることをやろう。
[担架に乗せられてキランディが運ばれてくる。 今、自分が立ち向かうべきはここにある命だ。]
(55) 2021/11/13(Sat) 20時頃
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[それから数世代。 砂漠の金砂は掘り尽くされ、『キジン』の地は大きく様相を変えた。
流れ着いた移民を祖とする人々は"採掘"として現地種族狩りを平然と行い、天敵がいなかったため身を守る術を持たない『キジン』の民はあっという間に数を減らした。
もう獲物がいないと判断された土地は放棄された。 人々は小さなキャラバンのような集団に分かれ、僅かな砂金を巡って争うようになった。
ライジ・チリガネはそんな集団のひとつで生まれた、略奪者達の末裔だ。*]
(56) 2021/11/13(Sat) 20時頃
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― 三日目・日没後 船外 ―
[長靴を引きずるように、小さな背中を追う。 あんまり思い出して欲しくないなあ>>49、なんて思いながら。
タラップを降りて外に出ると、辺りはもうすっかり暗い。『スペランツァ』以外に人工の明かりはなく、星がよく見えた。 ケトゥートゥの隣に座る。横目で表情を窺うが、暗くてはっきりとはわからなかった。]
……。
[泣かない理由。 古株だからとか、年長者だからとか、適当な理由を挙げることもできるが。なんとなくバレる気がした。]
(57) 2021/11/13(Sat) 20時頃
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泣くってのは、悲しい気持ちを外に出すことだ。 多分、そうしたら少しだけ楽になる。
[大声で泣くこと>>1:12も。涙を零すこと>>1:23も。背負い切れない悲しみを外に出して、時には誰かと共有して、少し荷を軽くすることだと男は思う。]
……おれは自分のことを、楽になっちゃいけない人間だと思ってる。 昔の仲間を置き去りにして、逃げたことがある。"助けてくれ"って声を無視して、ひとりで逃げちまった。 ひどいやつだろ。
[星を見上げたまま。だから泣かない、そんな資格はないのだと、そう答える。]
別に悲しんでないわけじゃないぜ。
[付け足した言葉も、ケトゥートゥにはきっとわかっていると思う。そうでなければこんな場所に呼び出して、こんな問いかけはしてこないだろう。 それでもつい口にしてしまったのは、表立って悲しさを表せないことに、どこか罪悪感を覚えているからかもしれない。*]
(58) 2021/11/13(Sat) 20時頃
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― 三日目/医療処置室 ―
[キランディの身体は機材の乗せられたベッドに移される。 その右半身は酷く傷ついていたが>>51 大きな致命傷を逃れていた。頭の傷も浅そうだ。]
バイタルは正常、心肺も問題ない……
[タプルは腕のいくつかを使って砕けた骨を合成細胞で繋ぎ合わせギプスで固定する。しばらく補助は必要だろうが、数日あれば動かせるようにはなるだろう。 しかし…]
[その寝顔に安堵と不安をない交ぜにしてその寝顔を眺める。通信機から聞こえる声を反芻する。今回の探索では相当無理をしたのだろう。その様子はどこか痛々しい。]
(59) 2021/11/13(Sat) 20時半頃
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[キランディが目を覚ます>>51とそこは白いベッドの上。 医療処置室の隣に設けられた患者用のスペースだ。]
……気が付いたかい。 ここは医療室。ライジ君が運んできてくれたんだ。
船には……皆帰還したのを確認した。
[全員無事だ、と言えればよかったが。 それが叶わないことははキランディが一番よく知っていることだろう。 言葉に触れるでもなく、紅茶を差し出す。 ソーサーの横にはひとかけのチョコレート。]
まずはこれでも飲んでゆっくりするといい。 毛布のお礼だ、しばらく安静にしてもらわないとね。
(60) 2021/11/13(Sat) 20時半頃
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― 三日目/スペランツァ船付近 ―
[あの後>>12>>13帰還したイースターは、所在を何処に置けばいいのか分からず。自室に戻って、ただじっと待っていた。 しかし、伝言を>>47>>48伝え聞けば、急いでタラップの方に向かって。身体も心も酷くボロボロに見える一同と、記憶の中の姿よりずっと小さくなってしまったカプセルの中の仲間に。]
…………。 お帰り、なさいませ。
[静かにその様に告げた。 告げた後は、安置室にハロを届けに行くか、ポッドにアリババを運ぶか。手が足りていない方に、協力をする事だろう。]
(61) 2021/11/13(Sat) 21時頃
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─ 三日目/医療処置室 ─
[なるべくいつも通りに見える様、微笑んで。差し出された紅茶へと手を伸ばす。]
……ありがとう。頂くわ。 却って、気を遣わせちゃったわね。
[以前の行動(>>3:9)に気付かれてるとわかれば、苦笑も滲む。労わるつもりで、こうして心労を掛けていれば世話は無い。心労だけではなく、実際に手を煩わせてしまった事は、ギプスが嵌められた腕を見ても明らかだ。]
……駄目ね、アタシ。 タプルちゃんに手間を掛けちゃわない様、出来るだけ怪我しないでおこうと思ってたのに。 本当に、ごめんなさいね。
[きっと、あなたは酷く繊細だ。例え手の施しようが無かったとしても、命を救えなかった事を悔いているに違いない。ハロの事には触れまいとすると、自然と話題は自身の負傷へと移る。] [キランディの骨は、人型でありながら鳥類と同じトラス構造をしている。事前に生態データを提供しているとは言え、種族最後の生き残りであろう自分の治療は、それなりに手間だったのではないだろうか。過去は語ってないから詳細までは知られずとも、類例の少なさから、稀少な種族だという事くらいは察されているかも知れない。*]
(62) 2021/11/13(Sat) 21時頃
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問題ないさ、その為に私はこの船にいるのだからね。 隙を見られたこちらのほうがよっぽど不覚だよ。 あいや、実に面目ない。
[軽い口調で笑えばあたたかな湯気がその手に渡ってゆく。 紅茶には、異国のはちみつがひとすくいほど。 元はケトゥートゥが持ち込んだものだったろうか、癒しの効果を持つそれは心を落ち着けるのにはちょうどいい。]
ライジ君が迅速に対応してくれたおかげだね。 腕の怪我もしばらくすれば自由が利くようになるし、後遺症の心配もなさそうだ。 なぁに、探索隊など心配などはかけてなんぼだよ。 戻るべき場所まで帰してやるのが私の仕事、そしてきみは無事に帰ってきた。充分さ。
[故郷、と言いかけてすこし言葉を濁した。 船と船を渡る探索者は、帰るべき故郷が無い者も多い。 この船が少しでも落ち着ける場所になるならそれがいい*]
(63) 2021/11/13(Sat) 21時半頃
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― 三日目・日没後 船外 ―
楽になっちゃいけない……カ。
[もたらされた答え>>58を反芻するように、繰り返す。遠くを見つめたままで。 そこには何か、納得するような響きが含まれている。]
……ケトゥートゥ、昨日までは、わからなかったと思うけド。 今なら、ちょっとわかる気がするヨ。 ……ひどくなんかない、って、ケトゥートゥが言ったって。あんまり、意味はないんだよネ?
[自分で自分を許せない。きっと、どうしようもなく、それが全てなのだ。 どうやって自分を許すかは、自分の中で決めるしかなくて。 それを果たすまではきっと、楽になることを許せないのだ。 そんな時は、永遠に来ないかもしれなくても。]
(64) 2021/11/13(Sat) 22時半頃
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ハロがネ。言ってたんダ。……元気なのが、最後のままでいい、っテ。 だから、……ケトゥートゥ、そうするつもりなノ。 ハロのこと、……元気なままを、最後にする、つもりなノ。
[喧騒に近づかないのも、安置室に近づかないのも。普段のケトゥートゥの行動とは違うことだ。 寂しくても、悲しくても、今まではずっと『お別れ』してきた。どんなに無惨な姿がそこにあっても、会いに行き手を合わせて、泣いて、歌う。死んでしまったことを自分に思い知らせて、心の中の死者の列に入れて、区切りをつけて、前に進んできた。 けれど、今回は、区切りをつけることそのものに、忌避感を覚えている。]
(65) 2021/11/13(Sat) 22時半頃
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[ハロは、可愛い小さな友人は、自分があのとき話し掛けなければ、死ななかったかもしれなくて。そんなことはないと誰に言われたところで、それを自分が認められない限りは、きっとだめなのだ。それを言われること自体を、違うと思ってしまうのだ。 出来るだけ傷ついて、引きずって、悔むべきだと思ってしまうし、その言葉を受け入れることを、自分自身が許せない。
だから、泣いてもいいと思えないのか、と。重ねて、自分の目元が乾いたままの理由を把握する。 ……ライジなら、答えを持っている気がした。だから、話がしたかった。]
……つらいネ、ライジ。 楽にならないのって、苦しいネ。 ずっとずっと、どこまでも、持っていくんだネ。*
(66) 2021/11/13(Sat) 22時半頃
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ふふっ。 もしかして、思ったより稀少な機会だったかしらん? もっとじっくり、寝顔を拝んでおけば良かったかも♡
[可愛かったわよん♡なんて、軽い口調に釣られて言ってみせる。紅茶に、チョコレートに、その振舞いに。滲むあなたの優しさが、今はただ有難かった。]
ライジちゃんには、お礼も言わなくっちゃね。 アリババちゃんにも……他に誰か来させてちゃったら、その子(>>26)にも。 …………、……。
[戻るべき場所、と聞いて少しだけ遠い目をする。キランディもまた、故郷を喪って久しい。この船とも取れる言い回しにしてくれた気遣いには気付いたから、すぐにまた微笑んで見せたけれど。自分がこの船に戻ってもいい存在なのか、判断が付きかねているのが実情だった。これがハロであれば確かに、戻るべき存在だっただろうに。]
(67) 2021/11/13(Sat) 22時半頃
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…………ねぇ、タプルちゃん。 一つ、我儘を言ってもいいかしら? 今夜は、此処を使わせてもらっても?
[こういう時、一人になりたいと願う者(>>48)も居るだろうが。少なくとも、自分は違う。今一人になったら、『キランディ』が崩れてしまう気がした。] [そうでなくとも、昨夜ハロと共に眠った自室(>>3:49)へは帰りたくない。方々へ礼と詫びをせねばならないから、外出許可は欲しいけれど。兎に角、自室に戻って休む気は無かった。*]
(68) 2021/11/13(Sat) 22時半頃
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からかわないでおくれ、これでも真剣なんだよ? ほら、私の身体はこんなだろう。眠っている間に足や触手の一本でもはみ出していたら恰好がつかないじゃないか。
[困ったように髭状の感覚器を指でぺたぺた直している。 恥ずかしいの基準はだいぶ謎であるが、キランディの普段通りのゆるやかな口調にすこし安堵した様子で微笑んだ。]
そうだね、彼らも精一杯やってくれた。 きっと心配もかけたろう。 でもそれは誰に限ったことじゃない、皆が皆…大切な仲間だからだ。
[もし、ハロの代わりにキランディが犠牲になっていたならば。アシモフやギロチンの時がそうだったように、皆同じように悲しむのだろう。]
(69) 2021/11/13(Sat) 23時頃
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[もし自分が、ヒトもしくはそれに近い内臓構造を所持して居たならば、ハロの無残な現場を見た瞬間嘔吐して居ただろう。 ギロチンの姿を確認した時は、気を失いかけた。
死者を悼むのは苦手だ。>>2:37 死体は苦手だ、安置室には近寄れない。 遺体の前に居る自分がどうしようもなく嫌いで、だから、会いに行く事が出来ない。
花を手向ける事が出来ない自分が、彼らの為に唯一出来る事。 探査船のクルーである彼らの、彼らがクルーとして行って来た仕事を全うさせる。 無かった事には決してさせない。 記憶とは違う物。記録としてそれらを残し、数多の者に引き継がせる。 君達が其処に居た確かな証を。
所持して居た品、最後のカメラ映像、音声記録。
中には悲鳴や救助を繰り返す物も混ざって居たが、必ず『誰か』がソレに向き合わなければならない。 目を背けてはいけない、これがクルーとしての使命だから。 向き合う為の『誰か』が、自分なのだから。]
(70) 2021/11/13(Sat) 23時頃
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― 四日目:船内 ―
[コポンコポンと、気泡がひとつ、ふたつ。 それが自分の生きる音、心音も体温も無い生命体の、いのちの音。
透明な入れ物の中で揺れていた身体を持ち上げると、居場所を普段の物へ移し替える。 『袋』に入り、ボディバランスのチェック。何処かおかしい所は無いか入念に確認し最後に帽子をかぶると、顔の無い男は部屋を出る。
久しぶりに現場に居合わせて意識がぐらぐらしていたが、偶然とはいえ自分があの機体で外に居てよかった。あのまま放置して居れば、もっと被害が出ただろうから。 自分が居ただけで、ライジとキランディ、二人の命が救えた。
そのなかで、取りこぼしてしまった一つの命。
見送る際、気を付けての言葉にもっと念を押しておけば。>>3:83 自分のせいだとキランディは言っていた。>>10 違う、彼女のせいでは無い。もっと前、自分が何か別なアクションを起こして居れば未然に防げた事故だったのかも知れない。もっと別の何かが、何かがあれば。
キリのないIFを重ねている事に気付き、かぶりを振った。
きっと誰のせいでも無いんだ。]
(71) 2021/11/13(Sat) 23時頃
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[終わりが無い事を考えるのは止めよう。
本来己が居るべき場所、機材に埋もれる部屋に向かおうとし、だがロビーのモニター前で足を止める。
『 LOST 』
その表示は無慈悲で、残酷で、 けれども覆らない現実。*]
(72) 2021/11/13(Sat) 23時頃
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今夜といわずいつまでだって大歓迎さ。>>68 ここは羽根を休める場所だ、好きに使っておくれ。 なんならクッキーもおまけするよ。
[内緒だよ、とベッド脇の引き出しをこっそり開けて見せる。 こういう軽口を話すのもいつぶりか。 連日のせわしなさににすっかり忘れていたような気がする。]
ただ…落ち着いたら皆に顔を見せてあげるといい。 キランディ、きみにしかできないこともあるはずだ。
[無事を知らせるのもいい、共に悲しむのもいいだろう。 失ったものは戻らない、けれど寄り添うことはできるはず。 その朗らかな優しさはタプルも良く知るところだ。*]
(73) 2021/11/13(Sat) 23時頃
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― 三日目・日没後 船外 ―
[わかる気がする、という言葉に、僅かに目を見開いて弟分を見る。]
……そうだな、そう言ってくれる気持ちはありがたいが。 そうなっちまうな。
[もしもそう言われたとして、それは自分を気遣う言葉であることはきっと、間違いないから。 けれど、素直に受け取って、自分を許せるかどうかは別の問題だ。だから、ケトゥートゥの問いかけ>>64は正しい。
誰にそう言われても、きっと許せる日は来ない。 あの時見捨てた仲間も、故郷も、もうない。 取り返しは二度とつかない。]
(74) 2021/11/13(Sat) 23時半頃
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……そっか。
[ハロの身に起きたことはもう知っているはずなのに、あの大きな泣き声は聞こえてこなかった。今も、ケトゥートゥは泣いてはいない。彼の、いつもの弔い方ではない。 そこにどんな後悔があってそうしているのかは、わからないけれど。]
それなら、おれの分まで、あいつの元気な姿を覚えておいてくれ。
[自分はもう、無惨な最期を見て、触れてしまった。 ハロが無邪気にくるくる回る姿を思い浮かべても、どうしても、あの光景が、感触が、ちらついてしまう。 だから代わりに、覚えておいてくれればと思う。>>65]
(75) 2021/11/13(Sat) 23時半頃
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[つらい。苦しい。 それを言葉にすることは、今までしてこなかった。それも、無意識に許されないことだと思っていたのだろう。そんなことを零す資格もないと。]
ケトゥートゥ、
[言葉が詰まる。喉の奥が圧されるような感覚がある。 きっと、ずっと誰かにそう言って欲しくて。>>66 そう、言ってしまいたかった。]
……ああ、 そうだな、……くるしい、な。
[呟いた声は、掠れてほとんど息のようで。 ケトゥートゥの頭に手を伸ばす。普段の気遣いの足りない雑さではなく、余裕のない、どこか縋るような手つきで、その髪を撫でた。*]
(76) 2021/11/13(Sat) 23時半頃
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─ 三日目/医療処置室 ─
あらん♡ 寝顔なんて、誰しも無防備なものよん? でも、そういう所が可愛いのよねん。タプルちゃんは♡
[くすくすと笑えた事に、自分でも安堵する。これならきっと、大丈夫だ。まだ『キランディ』で居られる。この船の一員で、皆の仲間として。いつも通り過ごせる。 ────過ごしていいのだろうか。本当に?]
あらあら、取って置きをサービスしてくれるのん? タプルちゃんってば、本当に優しいのね。 ……アタシなら、大丈夫。大丈夫よん♡ でも折角だから、クッキーは頂いちゃおうかしらん?
[片手で淹れるのは慣れないから、お茶のお代わりもお願いする事になってしまうだろうけど。今は、あなたの優しさに甘えさせてもらおう。あなたにとっても、少しは休息になる事を願いつつ。]
[暫くそうして、軽口を言い合いながらお茶をして。頃合いを見計らって、あなたの提案通りに一度処置室を出る。部屋に籠ったりしているのでなければ、会える人には会い、礼を言っておきたかった。] [夜更け前には戻り、此方で休ませてもらう事になるだろう。]
(77) 2021/11/14(Sun) 00時頃
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― 三日目・日没後 船外 ―
[肯定の返事>>74を得て、ケトゥートゥの視線がライジの方へ向く。 鋼色の髪も青灰色の瞳も、夜を映していつもより暗く。それでも星明かりを映してちらちらと、僅かずつ輝く。 雑草のようにただ逞しく、伸び伸びとあったものが、在り方を変えようとしている。
底なし沼沈没未遂騒動の後、アリババとライジが現場へ行ったことは、殆ど内容は入って来なかった通信でかろうじて理解していた。 居合わせてしまえば、『見ない』という選択もできなかったのだろうと、その場にいた仲間たちのつらさを思う。 選ぶ余地が無いことは、どんな形であったって苦しいことだ。]
……うン。覚えてるヨ。 今まで、やったことなくて、難しいなあって、思うけド。 この星の海と一緒に、ずっとずっと覚えておくヨ。
[その為にも、見に来たらいいとハロに言われた>>149海を、帰るまでに一度、きちんと見に行かないと、と思いながら。]
(78) 2021/11/14(Sun) 00時頃
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[撫でる手>>76に、いつもと違うものを感じはした。それが何かまではわからなくても。 それでも、同じではないまでも似たような『苦しい』を解りあえた気がして、ただそっと目を閉じる。 涙は零れてこない。夜の中に、やり場のない悔いを抱えた落ち着かない心がふたつ、寄り添う余地を探していることだけが確かだ。]
……もういっこ、ききたいナ。 ライジはどうして、探査船に乗ってるノ?
[ケトゥートゥは、『母なる大樹』と、シュトゥレクの民の存続のためだ。しかしそれはどうやら少数派で、探査船のクルーには、行き場を失くした者、故郷に戻れない者の方がどうやら多い。 ライジの故郷も失われたと聞いている。その経緯までは知らなくとも。 その上で、彼はどうして探査船に、スペランツァに乗っていて、古株と言われるほどに乗り続けているのだろう。乗っている限り、悲しい別れは他よりもずっと多い筈なのに。*]
(79) 2021/11/14(Sun) 00時半頃
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― 三日目の探索に出る前・ロビー ―
[ライジ>>3:120を見、鷹揚に頷く。]
危険な星ってのは多い……いや、安全な星は、まずない。宇宙は土台、生き物が生きていけないようにできている。 この星は違う。何もしなくたって生きていける。原住民の抗争もない。安全度は図抜けてる。そう思ってたんだがな。
[煙草型ドラッグの先端が青く点灯する。] 海の? そう面白い話はできねえぞ。 オレたちの文化圏じゃ、海は青かった。受け取る可視光線の波長で何が支配的だったかって話だがね。陸は海の上に浮かぶ。海は陸を隔てるものであるとともに陸をつないだ。宇宙みたいにな。
……水の底か。 天然の海は深い。そして深くなっちまった海は、底に行くほど、水の重さがかかる。海の底じゃ、よほど頑丈か柔軟でない限り、生き物はつぶれていく。 しかも、深い水底にゃ、光が届かない。真っ暗だ。 深海は専門じゃないんだがね。ただ、暗く、重く、古いものが堆積してるのは間違いねえ。
だから、そうだな。 さびしい場所だろうよ。だが、そこには、大量の、その星の過去が沈んでもいるだろう。……
(80) 2021/11/14(Sun) 00時半頃
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艇長 イワノフは、メモを貼った。
2021/11/14(Sun) 00時半頃
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― タラップを降りた地点 ―
[タラップを降りた地点で、海に――遠い海の方角に向けて敬礼をしている。 多くの死者が出た探索になった。 追悼はそれぞれ、内心に済ませている。真実の弔いは、それぞれの故郷で、それぞれの儀礼で行われるだろう。それぞれの魂に宛てて。 残る者のための祈りと、もう帰らない者のための祈りがある。 死の酷薄さを前にして、戦場帰りのイワノフはそれをよく知っている。 腕を下ろす。]
死にたいやつなんていやしないんだろうがな。 誰も死に急いでいないはずの場所で、どいつもこいつもが死んでいく。……
[つぶやく。遠い海と、遠い宇宙を思いながら。 よく知る死も、常に慣れない。]
(81) 2021/11/14(Sun) 01時頃
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─ 三日目/医療処置室 ─
まったくもう、大人をからかうのはよくないぞ。 これでも他の星ではまだまだビックリドッキリされる方なんだからね、わたしは。
[うねうねと食指を伸ばして威嚇してみせる。 これでも子供が泣く見た目だという自負はある。 そんな自分でもこの船では分け隔てない。 ここはそういう場所だった。喩えどんな事情があろうともこの船に乗り合わせた以上、タプルにとっては守るべき家族も同然だ。]
[介添えをするように紅茶を差し出しながら思う。>>77 きっと彼もまだどこかで揺らいでいるのだろう。 いくら知覚で感じ取れたとしても、深く理解することは叶わない。それをもどかしく感じながら、しばし言葉を重ねて自分もひとくち、クッキーをかじった。]
くれぐれも無理はしないようにね。 何かあった時には、いつでもここで待っているから。 ……いってらっしゃい。
[いつもそうするように声をかけて。 処置室を出ていくその背を見送った。**]
(82) 2021/11/14(Sun) 01時頃
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キランディは、タプルに見送られ、医療処置室を後にした。温かい気遣いに感謝しながら。**
2021/11/14(Sun) 01時頃
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[『キジン』でのライジの仕事は、持ち込まれた砂金を選別し、量り、袋に詰め、輸出用の船に積み込むことだった。 オレンジ色の二足歩行機も、その頃はまだ開発されたばかりの新型運搬機だった。
仕事に疑問は持たなかった。 運ばれてくる砂金の山――時には手足や顔のような輪郭の残った状態のそれらを、ただそういうものだと思って処理していた。
きっとそれが、そもそもの間違いだったのだ。]
(83) 2021/11/14(Sun) 01時半頃
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― 三日目・夜/タラップ付近 ―
[座標を確認するに、探し人は船外に居る様だ。ただ、自分はあまり夜目の利く方ではない。行こうかどうしようかと、少し迷って……タラップの下方に、人の姿(>>81)を認める。自分の目ではシルエットしかわからなかったが、ああして敬礼をするのは“キャプテン”くらいのものだろう。]
こんばんは、キャプテン♡ 今日は、驚かせちゃってごめんなさいね?
[努めて、いつも通りの口調で話し掛ける。右腕のギプスまでは誤魔化せないけれど。緊急信号は、全員に届いていた筈だ。敬礼をしていた方角を見るに、事情も概ね察してはいるだろうと当たりは付いた。*]
(84) 2021/11/14(Sun) 01時半頃
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[『キジン』の民の最後の一人が死んだ時、ライジもその場にいた。 生きている姿を見たのは初めてだった。 金の瞳、金の唇。 それは美しい女のかたちをしていた。
捕らえられた女の頭に、スコップが振り下ろされて。
人の形がさらさらと崩れて、眩むような輝きの粒になる。 見慣れた金色の砂に変わりながら、その唇がかすかに動いた。]
" "
[何を言ったのか、その場にいた誰一人としてわからなかったが。 その響き、表情には。 それまで『キジン』の民が持たなかった怨嗟があった。]
(85) 2021/11/14(Sun) 01時半頃
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[『キジン』の民は滅びる前に、故郷を荒らし、全てを奪い尽くした者達に呪いを遺した。 自分達と同じような体となる呪い。 歳をとらず、死ねば体が砂金となる呪い。
呪いは瞬く間に星中を覆い尽くした。 あちこちで殺し合いが起きた。
『キジン』において、もはや人は人ではなくなった。]
(86) 2021/11/14(Sun) 01時半頃
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[ライジはひとりで逃げ出した。 オレンジ色の二足歩行機に飛び乗って。 助けを求める仲間を置いて。 左腕をなくしたのはその時だ。撃たれてちぎれ落ちた腕は、仲間と同じように崩れた。
そこからどうやって脱出したのか、よく覚えていない。 ただ、もはや追ってくる者はいなかった。 誰もが"最後の一人"になろうとしていた。
そして、全員が崩れて砂金になった。
調査船『スペランツァ』に拾われたのは、その後のこと。]
(87) 2021/11/14(Sun) 01時半頃
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― 三日目・日没後 船外 ―
[僅かに煌めく、青灰色の瞳と目が合った。>>78 今度は目を逸らさない。見つめ返す細く黒い瞳には、星の光も船の灯りもほとんど入らない。]
"海"か。 ……そうだな、おまえも見ておくといい。 綺麗だったぜ。
[実際、風景を楽しむどころではなかったのだが。 ハロの回収を終えて、半ば呆然としている時に見た水面は、確かに美しかった。]
…………。
[青灰色の光が消えて。自分も目を閉じる。 ゆっくりと何度か、鋼の色をした髪を梳くようにしてから、手が離れる。金属の指先では、やはり髪の柔らかさも何も感じられなかったけれど。今はこれが自分の手なのだから、一度は直接触れておきたかった。]
(88) 2021/11/14(Sun) 01時半頃
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……あー、
[調査船に乗っている理由。>>79 それは、きっかけという意味なら、単純に拾われたからだ。他に行く宛もなかった自分を、相棒の二足歩行機ごと迎え入れてくれたからだ。 今も『スペランツァ』に乗り続けている理由は、]
この船には、色んな星から来たクルーが乗ってるよな。 生まれも育ちも考え方も、みんな違う。でも、うまくやってる。 おれは、……おれの、生まれた星は。そうじゃなかったから。
[故郷、と口に出そうとして、言い淀む。 間違いなく生まれ故郷ではある。けれど、自分があの星をそう呼ぶのは、違うような気がしていた。>>56]
姿かたちも文化も違う奴らが同じ船で暮らしてるっていうのがさ。 多分、おれにとってはわりと希望なんじゃねえかな。
[背後を振り仰ぐ。 星空に黒々と聳える『スペランツァ』のシルエットを見上げて、だから乗ってる。と答えた。 ――希望、あるいは憧れ。そして、後悔でもある。*]
(89) 2021/11/14(Sun) 01時半頃
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― 三日目/安置室 ―
[イースターは再び、安置室へと訪れる。 『マーレ10』に降り立つ前と比べ、船の中は驚くほどに静かだ。年上分の泣き声すらも聞こえない>>65。 訪れれば、ヨーランダは其処に居るだろう。『HOUSE』の欄に示されていた彼は、この場所から動くことが出来なくなった。何故かという点は気にならなくはないのだが、理由を聞くことはしなかった。
だから何も尋ねる事はせず。ただ、花を一輪頼んで、それからは昨日と同じ。 けれど、その中にあるものは。アシモフの時とも、ギロチンの時とも違う。生前の姿からは見る影もない。それがハロだと証明する手段が無かったなら気付けなかったかもしれない程に、とてもとても小さくなった容量に、彼の尊厳を守る為の白い布が掛けられている姿。]
…………。 イースターは、忘れません。ハロ様の事も。 ……、忘れません。
[そう告げる事を、イースターは自身の弔いの方法とする事にしたのだ。そうすれば己の中で、死者は生き続ける。
――嗚呼。けれど、それでも。]
(90) 2021/11/14(Sun) 02時頃
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― 三日目/安置室前廊下 ―
[弔いを終えて、安置室を出て。自室の方角に歩もうとして、一歩、二歩。]
……………、
[その途中で、足から力が抜けて。イースターはその場に崩れ落ちて座り込む。 色々なものが頭の中を巡り、ボロボロと涙が零れ落ちる。悲しさ、悔しさ、寂しさ、それだけではない様々な感情が渦巻いて。どうしたらいいのか、どうするのが正解なのか、分からない。己の舵を取るのは得意と思っていたのに、今はその取り方が分からない。]
(91) 2021/11/14(Sun) 02時頃
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[どうしてこんなにも簡単に命は喪われていくのだろう。 どうしてこんなにも静かになってしまったのだろう。 誰も悪くはない。仕方のなかった事だ。それは理解出来ていても、周囲の状況に、絶望を感じずにはいられなかった。]
――様、は。だから、あの様に。
[呟かれたのは、自らが電子体であった頃から己を管理し、疑似人体への移植を行った『惑星アルニカ』の"純然な"人間の名。 多くの生物がもつ生物同士の関係に当て嵌めるならば、"父"と呼ぶのが近いのだろうか。]
(92) 2021/11/14(Sun) 02時頃
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[イースターが惑星調査に立候補した時、"父"は止めた。己の種からの立候補者はイースター以外にも居たのだが、研究者達の厳選なる会議の後に選ばれたのはこの少女だった。 "父"は憤慨し、悲嘆し、止める様懇願し、選ばれた理由を説明し。それでもイースターの意志が変わらない事を知ると、とても辛そうな笑顔で、見送ったのだ。]
[イースターは、惑星調査の危険性についても。自身が死ぬ可能性についても。理解していたつもりであったし、肉体が喪われたとて少なくとも出立前までの記録は確実に遺される>>2:10のだから平気だと思っていた。 けれど、そういう事ではないのだと、今更ながらイースターは気付いた。"父"は、己の"娘"が死んで動かなくなる事。そして仲良くなった仲間の『死』の痛みを覚えて傷付く事。 それが嫌なのだと、思っていたのだろう……と。**]
(93) 2021/11/14(Sun) 02時半頃
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イースターは、それでも調査希望をした事に後悔していない。する筈がない。
2021/11/14(Sun) 02時半頃
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[>>1:156>>1:157>>2:4 冒涜の摩天楼は天を裂き、枯れた地表を覆い隠す鋼の海、その星の全てを喰らいつくし、ついには芯さえも自分達の手で殺めてしまった。 大地も、海も、天も、あらゆる物が消えた場所。 だが残滓は蠢き喰らい続ける。それが唯一の命あるモノ、自分達だから。
とうの昔に死んだ星、次に殺める資源を求めようと、 今より高い未開拓の天へと更に腕を伸ばし――…、
そしてその手を取る者が居た。
未知の生命体、外部宇宙からの命。 他種族と、持ち込まれる見た事も無い資源の山。
蠢く残滓は歓喜した。この宇宙には未だ己らの知らぬモノがあり、それを好きに出来る機会が訪れたのだ。
相手からは資源を、我々からは知識と科学技術を。
外交は円滑に進み、惑星侵略の気配など微塵も存在しなかった。 だがその途中、黒い星は急速な崩壊を始める。]
(94) 2021/11/14(Sun) 02時半頃
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[最初はソレが一体何なのか、理由が分からずにいた。 寿命以外で死なぬ筈の、自分達の突然の死。 原因不明の病、地殻変動、崩れる都市、大地を突き破るマグマ、酸性雪、気候の変動。 突如呼吸を始めた星から、自分達はありったけの機械を宇宙船に詰め込んで撤退せざるを得なくなった。
後々の解析で判明した事だが、トリガー自体は些細な物。 他種族の持ち込んだ菌類や資源、それが星の中で徐々に循環を始めたのだ。
黒い星に自分達以外の生命が根付き始めた瞬間、長く死んでいた星は息を吹き返した。 死んだ星は緑に沈み、他の生物が数多産まれ始めた環境の中、自分達は共存する事が出来なかった。 星は、生き返った。
そこで初めて気づいたのだ、命に拒絶されたのだと。
淘汰されるべきは自分達であったのだ。 残滓である自分達に帰る場所は無い。散り散りになった種族は少しずつ数を減らし、残された者は習性と化した知識欲の赴くまま機械に埋もれ、外界と遮断されたカプセルの中で生きて居る。]
(95) 2021/11/14(Sun) 02時半頃
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[命の中で生きてみたかった。
嘗ての故郷は既にその面影はない。 もう何千年も昔、ここよりもずっとずっと遠い場所の物語だ。緑に埋もれ、青い水面が風と遊びさざ波を立てる、起伏し動き続ける大地と、呼吸する生命。 死を地層の底、過去へと追いやり、いのちを育む色彩と光。
いつかきっと、スペランツァのような探査船があの星を訪れる事だろう。 既に名無しの星となった故郷の座標は覚えているが、此処では無い何処かである事を『死の星から来た我々』は知って居る。
アリババはその星を見た事は無い。 けれど、知識だけは全て持って居る。]
[何故ならば、自分達はずっとずっと全て引き継いで来たから。]
(96) 2021/11/14(Sun) 02時半頃
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[自分達の歴史、物語、行った所業、宇宙を放浪し其処で一体何を得たのか。 ようやく獲得した免疫、知りえなかった他種族の記録、それの使い道。
寿命で死に、その遺体が別の同族に引き継がれる限り全てが途絶える事は無い。 だが孤独に死ねば、引き継いで来た数多が露と消える。
消えゆく己らは、数多の知識を他者の為に宇宙にばらまき続ける。きっとそれが与えられた最後の役割なのだろう。
アリババが最後に引継ぎを受け入れたのはずっと前。最後の食事をしたのもそれが最後。>>3:95 ――自分達は、異物を体内に飲み込むことは出来ない。>>3:44
老いた同胞は、寿命で静かに死んだ。]
(97) 2021/11/14(Sun) 02時半頃
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[命の中で生きて良いと、許しが欲しかった。 種族の知識や記録、習性が己をそう駆り立てるのかどうかは分からぬ事だが、少なくともアリババと言う個体が渇望したのは、他者が当たり前に持つ生命の幸せ。>>3:130>>3:131
皆と生きる。
たったそれだけの物。 もう二度と自分達は繰り返さない、他者と共に生きてみせる。 死の上で生きて行く為の知識と習性は、今は生の為に注がれ、他者を生かす物になった。
命とは自分を殺し続ける物であると同時、何にも変え難い尊い物だ。 それを知って居るからこそ美しいと語り続ける。
もう少し、この猛毒の地の上で、許しを探してみようと思う。 私はそうして生きて行く。**]
(98) 2021/11/14(Sun) 02時半頃
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― 三日目・夜/タラップ付近 ―
[キランディ>>84を振り返る。それとともに、イワノフがいつも口にくわえる煙草型ドラッグの青い光が夜を横切る。暗い夜の中に、かれの瞳は青く光っている。宇宙に浮かぶ青い星のように。]
よう。思ったより元気そうだな。 ……謝ることじゃねえ。生きてることが一番の手柄だ。 オマエはハードな状況にいた。よく帰ってきた。
オレはカウンセラーじゃねえから、うまく言えねえ。 だから普通のことを言うぞ。
――あまり自分を責めるなよ。
[おおまかな状況は伝わっているはずだった。通信記録にも残っているはずだった。だが、探索中のイワノフから応答があることはほとんどない。 イワノフにはたくさんの幻聴が聞こえている。幻覚が見えている。海ではそれがひときわ強くなる。いつもスペランツァに戻って、正気のかけらを取り戻す。自分がキャプテンでもなんでもないことを思い出す。しかしまた一方で、自分は”キャプテン”だった。その責任感はあった。**]
(99) 2021/11/14(Sun) 02時半頃
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艇長 イワノフは、メモを貼った。
2021/11/14(Sun) 02時半頃
艇長 イワノフは、メモを貼った。
2021/11/14(Sun) 02時半頃
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― 三日目・夜/タラップ付近 ―
[青く輝く瞳に、煙草型ドラッグの光(>>99)。双方が見えた事で、“キャプテン”が此方を向いたのが鳥目の自分にもはっきりと分かった。しかし、見れば見る程に似た色をしている。あれは、生まれつきのものだろうか? もしかしたら、ドラッグによって変質してしまった結果なのかも知れない。綺麗で哀しい青い星。]
ええ、アタシはいつでも元気よん♡ ちょっと怪我しちゃっただけ。 ライジやタプルが手当てしてくれたから、これもすぐに良くなるわん♡
[あなたが妄想に囚われてる時でも、そうでない時も『キャプテン』と呼び続けるのは、自分くらいかも知れない。敢えてその理由を挙げるなら、自分もまた『キランディ』を演じてるからだ。そう呼ばれて扱われる方が楽なのを実体験として知っているから、そうしてるだけ。例えそれが、あなたを正気から遠ざける事であったとしても。]
(100) 2021/11/14(Sun) 03時頃
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自分を……、…………。 ──そう、ね。努力はしてみるわ。 こうして、キャプテンが気遣ってくれるんだもの。 言う事聞かなきゃ、バチが当たっちゃうわん♡
[自分を責める気持ちは、後から後から湧いて来る。けれど、いつまでも悔いているのは『キランディ』らしくないのだ。真っ直ぐ、明るく、前向きに。そう在ろうとする自分と“キャプテン”であろうとするあなたは、何処か似ているから。会話があってもなくても、こうして一緒に居られる時間は案外と気に入っている。自分の方だけかも知れないけれど。]
[そのまま、恐らくは待ち人が通り掛かるまで。何を話すでもなく、揺れる青い光を見つめていた。**]
(101) 2021/11/14(Sun) 03時半頃
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― 三日目・夜/タラップ付近 ―
[>>84 >>99船内奥の通路から、かぼちゃ頭を揺らしてとことこと、話している二人に近づいていく。どこか遠慮がちに、それでも隠れはしないで。]
イワーノフ。 キラーンディ……。
[声をかける。かぼちゃ頭の奥で光が明滅している。]
キーランディあのね、
(102) 2021/11/14(Sun) 03時半頃
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[死んでしまった。アシモフもギロチンもハロも。まだ信じられないような気がする。ジルは頭の光のお陰で、ほとんどおまけみたいにこの船に乗せてもらった――少なくとも本人はそう思っていた――ものだから、この星へ来るまでずっとのんびり考えていたのだ。そう危ないことは起きないだろうと。でも、案に反して仲間たちはこんなに欠けてしまった。こんなときこそ、何かしら働くべきだった。自分は、おまけとは言っても誰かを慰めることを期待されてここにいるのだから……でも、どうしてかジルがもっともその苦痛を取り去るために働きかけたい相手は、もう死んでいるのだった。] [いつだって死んでしまった者がいちばんかわいそうだ。] [でも、死んでしまった者を慰めることはジルにはできない。死んでしまったらもう何もできない。] [だからキランディが帰ってきてくれたことは、ジルにとっては本当にうれしく救いのあることだった。生きていてくれさえすれば、自分の灯りは相手に届くかも知れないのだから。]
帰ってきてくれて、ありがとう。**
(103) 2021/11/14(Sun) 03時半頃
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ランタン ジルは、メモを貼った。
2021/11/14(Sun) 03時半頃
艇長 イワノフは、メモを貼った。
2021/11/14(Sun) 03時半頃
ランタン ジルは、メモを貼った。
2021/11/14(Sun) 03時半頃
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― 三日目・夜/タラップ付近 ―
[掛けられた遠慮がちな声(>>102)に視線を向ければ、かぼちゃ頭に灯った光。幾ら夜目が利かなくても、一目でジルだとわかった。その傍らに膝をつき、視線を合わせる。] [伸ばし掛けた手が、一度は彷徨う。本当は、触れるのが怖かった。アシモフに、ギロチンに──ハロ。命を落としたクルー達は皆、小さくて可愛らしかった。あなたやタプルは、どうしたって其方側だ。(真実がどうであれ)自身が死神体質だという疑いを拭いきれない青年にとって、あなたという命に触れるというのは酷く怖ろしい事で。] [けれど、暖かい光はその恐れすらゆるゆると溶かした。改めて手を伸ばし、黒く柔らかな毛皮をそっと撫でる。確かな温もりと命が、掌から伝わって来た。]
……お礼を言わないといけないのは、アタシの方よ。 ありがとう、ジルちゃん♡ こうして、出迎えてくれて。
[誰もが自分を労わり、慰めようとしてくれている。わかっているからこそ、怖い。喪うのも、自分を曝け出すのも。] [そんな臆病ささえ、あなたの灯は照らし出して消していく。静かに、静かに。**]
(104) 2021/11/14(Sun) 04時頃
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─ 海での出来事 ─
…………なんテことでショウ。
[チキュウが海に到達した時には既に時は遅く。大きな落石の被害を前に出る言葉は少なく。]
(105) 2021/11/14(Sun) 04時頃
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兎に角、被害が拡大しなかッタのは良かッタでスガ…………
[そばにいたキランディの肉体的な損傷は致命的では無さそうだが、精神的なダメージはかなり大きいと見てとれる。 途中から来ていて、尚且つロボットであるチキュウでさえもなかなか言葉が見つからないのに。]
(106) 2021/11/14(Sun) 04時頃
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ひとまズ、もどりましょウ。ライジもお気をつけテ。
[未知への探索には、やはり犠牲も多い。 犠牲が出てしまった時に、他人を笑顔にすることは出来ても、チキュウ自身は笑顔になることさえも出来なくて。 チキュウはどこか釈然としなさを抱えつつ、『スペランツァ』へと*帰還する*]
(107) 2021/11/14(Sun) 04時半頃
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青い星 地球は、メモを貼った。
2021/11/14(Sun) 04時半頃
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― 三日目・夜/タラップ付近 ―
[>>104自分を撫でてくれる手のひらに、かぼちゃ頭がまた少し揺れる。内側の光がほの暖かく光る。瞬く。犬のしっぽがふるふると左右に踊る。ひどく素直な喜びの表現。]
だっておデ、出迎えるしかできないんだ、キーランディ。 だからずと待っているんだよ。 おかえり、おかえり……ここで会うまでずと、オで、おかえりって言いたかったよ。
[自分にも手があったらよかった。そうしたら、こうして撫でてくれる手を引き留めたり、撫で返したりもできただろうに。その代わり、自分にはかぼちゃ頭の奥の光と、犬の身体のつやつやな毛並みがあるとはわかっていたけれど。**]
(108) 2021/11/14(Sun) 04時半頃
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― 三日目・夜/タラップ付近 ―
[長靴を引きずるようにして、タラップを登ってくる影。 細い目をした仏頂面には、多少疲れが見えるかもしれないが、普段とそう変わらないと言えばそうでもある。 タラップの上に伸びる特徴的な影>>101に気付いて、視線を上げる。]
……キランディ。 具合はもういいのか?
[その右腕を見ながら声をかけた。 男の様子は普段通りと言えばそうだが、比較的新顔のキランディは、グローブをしていない剥き出しの義手を見たのはもしかしたら初めてかもしれない。**]
(109) 2021/11/14(Sun) 04時半頃
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ランタン ジルは、メモを貼った。
2021/11/14(Sun) 04時半頃
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― 三日目・夜/タラップ付近 ―
[素直に喜ばれ(>>108)抱き上げたい気持ちはあれど、残念ながら右腕にはギプスが嵌っている。今はこうして、左手で撫でる事しか出来ない。夜の闇に溶ける様な毛皮は、視認こそ難しいものの、確かな温もりと艶やかさを湛えて其処に在る。]
ごめんなさいね。 もっと早く、顔を見せればよかったわ。 …………ただいま、ジルちゃん。 ……ただいま。
[口に出して、漸く実感が湧く。意識を失ったまま戻って来たものだから、自分でもまだ帰ってきた気がしていなかったのだ。帰って来られたし、こうして受け入れてもらえている。 ……なら、少なくとも今の自分の居場所は、間違いなくこのスペランツァなのだろう。そう思っていいのだと、オレンジ色の光が後押ししてくれる。独りではないのだと。]
[無意識に口をついた二回目の『ただいま』は、もしかしたら、共に帰る事が出来なかったハロの分だったのかも知れない。**]
(110) 2021/11/14(Sun) 05時頃
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― 三日目・夜/タラップ付近 ―
[表情の細部までは伺えなかったけれど、引き摺る様な足音(>>109)はライジのものだ。其方を向けば、金属質の反射光が目に入る。部位的に、恐らくは義手。まさか、今日急にそうなった訳でもあるまい。常にグローブを着けていた覚えはあるから、あれは単なる作業用ではなかったのだろう。 ……となれば、外されている理由にも、凡その推測は付いた。]
ええ、お陰様でねん♡ ……本当に、迷惑を掛けちゃってごめんなさいね。 タプルちゃんからも聞いたわ。 処置も、輸送も……ライジちゃんがしてくれたんでしょう?
[ハロの事も、とは流石に言えない。少し気まずくなった空気を払う様に、笑顔を見せる。]
ねぇ、ライジちゃん。ちょっと話さない? お礼は何がいいか、聞いておきたいし……。 アタシ、今日は何だか飲みたい気分なのよ。 付き合ってくれないかしらん?
[片手でもお酌くらいは出来るから、と言い添える。場所も、自分の部屋や安置室でなければ何処だっていい。ただ、お礼が言いたかったし、聞いておきたい事も無い訳じゃない。]
[イワノフやジルがまだ居るなら、別れを告げて。ライジと共に艦内へと向かうだろう。]
(111) 2021/11/14(Sun) 06時頃
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― 三日目・日没後 船外 ―
[殆ど光の入らないライジの目>>88を見上げて、こんな目をしていただろうか、と思う。 そうだったのかもしれない。それを感じ取れるところに、ケトゥートゥがいなかっただけで。 今もまだ、その暗さの全てを推し量れるほど深くには、きっとケトゥートゥはいない。]
うン。……ハロがね、ケトゥも来たらいいよ、って、言ったかラ。 綺麗なら、尚更行かないとだネ。一番な綺麗な時がいいナ。 ……夜明け、かなァ。
[ぼんやりとそう思う。だんだんと光に満ちていく海は、きっと綺麗だ。 夜中に一人で抜け出すと心配されそうだから、誰かを誘ってもいいかもしれない。
撫でる手が離れるのに合わせて目を開けて、離れていく手へ自分の手を伸ばした。 滅多に直接晒されることのない機械の腕に、幾周りか小さい手が触れる。 すこし、つめたい。金属なのだから当たり前だ。どうしてか急に切なくなって、ぎゅっと握る。ケトゥートゥの熱が伝導して、少しだけ温まる。その熱も、ライジにまでは伝わらない。 すぐ隣にいるのに、とても遠いところにいるような気もした。とても暗くて、深いところ。ひとりの場所。]
(112) 2021/11/14(Sun) 10時半頃
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[手を離す。立ち上がって、普段は届かないライジの頬へ触れる。 金属に熱が移って少しだけ冷たくなったことを差し引いても、思ったよりも温かくない手のひらだろう。]
スペランツァって、『希望』って意味だって、前に教えてもらったヨ。 たぶん、いい探査結果を持って帰ってきてほしいってことだと思うけド……ライジにとっては、違うんだネ。 いっぱい意味があったって、いいよネ。
[姿かたちも文化も違うものが共存する世界は、ケトゥートゥにとっては、どちらかといえば当たり前の世界だ。 シュトゥレクの民たちが、生まれこそ珍しいけれど、取り立てて他種族の益にならない存在であったことも大きいだろう。 ただ受け入れることを許された幸運を背景にケトゥートゥは生まれ育ち、旅立っている。
だからライジの『希望』>>89は、ケトゥートゥにとってはそうではないけれど。 それでもいいのだろう。違ってなお認め合うことが、共存するということだから。]
ちょっと安心したヨ。何でかナ? まだまだ一緒に、旅が出来そうな気がしたから、かナ?
[そう言って、少しだけ、笑った。 少しだったけれど、笑っていた。**]
(113) 2021/11/14(Sun) 10時半頃
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― 三日目 安置室前廊下 ―
[安置室に立ち寄るつもりは無かった。 ただ、その近くを通るのが、自室に戻るには近くて。とても静かな中に、人の気配を僅かに感じたのが少し、気になっただけ。 そこに、座り込んで泣いている彼女>>91を見つければ、声を掛けずにはいられなかった。]
……イースター。つらいノ?
[傍まで行って、しゃがみ込む。大丈夫ではないのはわかるから、その言葉での問いかけは選ばなかった。 立て続けにこんなことが起きて、つらくない筈がない。 こんな風に彼女が泣いているのを見るのは初めてだ。いつも、たくさん泣くのはケトゥートゥだった。 力なく垂れた触角の間へ、そっと手を伸ばして、頭を撫でる。自分がこれまでしてもらったように。*]
(114) 2021/11/14(Sun) 10時半頃
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[ヨーランダはのそりと身を起こした。室内を見渡すとハロの献花台に花が置いてあった。 どうやら寝ていたようだ、それも人が来たことに気が付かないほどに深く。きっと今までの疲れが出たのだろう、自分の正体を隠して生活することに対する。今は今後あるかもしれない処罰に対する恐れよりも、解放されたことに対する喜びの方が大きかった]
?
[ハロのカプセルに違和感があった。寝ぼけてそう感じたのかと思い近くによると、かけていた布がずれているのだ。まさか誰かがいたずらをしたのかと慌ててカプセルの中身を確認した。
いた。 ここに収まるべき人物が。
きっと誰かが回収してここに収めてくれたのだろう、一緒に帰れるようにと]
はろ。
[震える声で棺に声をかける]
おかえり。
[ヨーランダは心からよかったと思い、その思いは無意識のうちに言葉として発されていた]
(+3) 2021/11/14(Sun) 13時頃
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― 三日目・探索に出る前 ロビー ―
……だよな。 そもそもの環境が安定してるってのは、それだけで貴重だ。
[活動するのに特別な器具も装置も必要ない(クルーの大部分にとって、の話だが)星は、これまでの調査履歴の中でもレアだった。だからクルー達の期待も大きかっただろう。
煙草――ドラッグらしいと聞いた気はするが、どちらもやらないライジには違いがよくわからない――の青い光を見る。 時折揺れるそれを見ながら、本物の海の話を聞く。 だからこのイワノフという男は、引退後に船乗りになることを選んだのだろうか、と思う。宇宙に無数に存在する星を渡るように、海をゆくことを。]
(115) 2021/11/14(Sun) 13時頃
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……真っ暗か。
[深海の話。深い深い水の底の、重さと暗さ。堆積した過去とさびしさ。 引き結ばれていた口元が僅かに緩む。どこか安堵したように笑み、呟く。]
ああ。そりゃあ……いいな。
[一切の光が届かない場所ならば、砂金も砂粒と同じ。 もしもいつかが来るならば、そんな場所がいいと思っていた。]
いい話が聞けたよ。 ありがとう、"キャプテン"。
[彼が時々やっている敬礼を真似て、腕を上げてみる。多分あんまりうまい真似ではない。自覚もあるので、苦笑しながら肩を竦める。 それから改めて、いつも通りに軽く片手を挙げて、男はロビーを後にした。*]
(116) 2021/11/14(Sun) 13時頃
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― 三日目・夜/タラップ付近 ―
よかった。 謝るようなことじゃないだろ、別に。
[おれは運んだだけだし……と口の中でもごもご言う。 実際、ライジの二足歩行機でなければ腕の腫れはもうちょっとマシだったかもしれない。勿論、あの状況では他に選択肢はなくて、そう考えるのも意味のないIF>>71なのだけれど。 右腕に嵌るギプスは、タプルが処置してくれたものだろう。返ってくる返事>>111が普段の口調であることに、少しだけほっとする。 あの時>>3、キランディの様子はあまりに普段と違っていた。この笑顔も、特徴的な口調も、何かを覆うためかもしれないと思う。自分の口数が多くないのと同じように。]
え。
[付き合ってくれ、の誘いに間の抜けた声が返る。 イエスとかノーとかの前に、まさかそんな声がかかると思っていなかったので、完全に虚を突かれましたという顔だ。僅かに開いた目を何度か瞬く。]
あー……礼なんて別にいいんだけどな。 ……いや。おれでいいなら、付き合うよ。
[視線をタラップの床に落として、頭を掻く。 それじゃあ談話室でいいか、と指をさして、歩き出す。もう夜も遅いし、人気もあまりないだろう。*]
(117) 2021/11/14(Sun) 13時半頃
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― 三日目/安置室前廊下 ―
[顔を上げたイースターの眼は、普段よりも赤い。声を掛けられれば>>114ポロポロと涙を零しながら、ケトゥートゥの方を見る。]
……、ケトゥートゥ様。
[名を呼んで、つらいのかという問いに頷く。そのまま大人しく頭を撫でられる。生きた手の感覚は、暖かく優しく思えた。 けれど。泣いてもいいのだ>>2:13と伝えてくれた年上分には、特に仲の良かった相手を喪ったのにも関わらず、とても辛い筈なのにも関わらず。滲んだ視界の向こうには、涙もその痕も見えなかった。]
ケトゥートゥ様は、泣かないのですか。 『辛い』筈、でしょう。……今までは、そうしていたのに。何故……
[泣いたままの眼で、普段よりもたどたどしい言葉で。彼が誰かに投げかけた問い>>50と、似た質問を投げかける。]
(118) 2021/11/14(Sun) 13時半頃
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― 三日目/安置室 ―
[キランディの処置を終えた後、しばらく。 静まりかえった船内を渡り、タプルは安置室へと訪れる。 ちいさな遺体には布がかけられ、花が手向けられている。]
すこしだけ向こうを向いていてくれないか。 ……できれば人払いも。
[そこにいるであろうヨーランダにそうひとこと声をかけて かけられた布に手をかける。]
[酷い有様だった。へしゃげた身体、漏れ出した体液。 その残骸の形は事態の凄惨さが伺い知れた。 それでも仲間たちは彼を船へと帰還させてくれた。]
……おかえり、ハロ君。
[タプルは食指を伸ばすと、その亡骸を掬い上げていく。 ひとつひとつ。確かめるように。元あるべき場所へと収めてゆく。]
(119) 2021/11/14(Sun) 13時半頃
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[手元には緊急オペ用に用意した組織片、復元用の細胞壁。それは彼の命を繋ぐために用意したものだ。 しかしそれは生命を維持する為でなく、いまや抜け殻の身体を埋め合わせるだけのもの。 崩れた外骨格にはどうしても継ぎ目が残る。完全な状態に戻すことは難しかった。 けれど、せめて綺麗な姿で。死に化粧を施すように、丁寧に やすらかな眠りを繕って。 再び、その布をかけ直し、花を添えた。]
……もう大丈夫。ありがとう。
[見届ける墓守に、小さく礼をして。安置室を後にする *]
(120) 2021/11/14(Sun) 13時半頃
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― 三日目 安置室前廊下 ―
[いたわるような手の動きで、撫で続ける。つらさにただ寄り添うように。 いつもより赤い眼>>118を覗き込む青灰色の瞳は、問いかけを受けて、少し遠くを見るように深まった。]
うン。泣かないヨ。 お別れじゃなくて、『一緒に生きる』を、してみようと思うかラ。 ……いつものお別れは、ハロとはしないんダ。
[いつもと違うことをしたいから、いつもと同じことをすると、それが出来ない気がするから。ケトゥートゥにとっての『今まで』を、やりたくない。それも、間違いなく、答えの一つだ。 自分を許せない気持ちももちろんある。楽になってはいけない、という気持ちも、きっとある。けれどそれらを話せば、そんなことはない、と言われてしまうかもしれない。そこに齟齬を感じるのは、少し寂しいし、申し訳ないから、それは言わずにおくことにする。]
(121) 2021/11/14(Sun) 14時頃
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……イースターは。もうスペランツァを、降りたくなっちゃっタ?
[マーレ10での調査も、もうじき終わる。結果を持ち帰って、次の出発の時には乗り込まないのも、選択のひとつだろう。 実際に、仲間の死に直面したあと、そうやって降りていくクルーはこれまでにもいたのだ。ケトゥートゥはそれを寂しくは思いつつも、本人たちがしあわせに生きるためならその方がいいのだろうと、それを見送ってきた。 イースターはどうするのだろうと、小さく訊ねる。*]
(122) 2021/11/14(Sun) 14時頃
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― 安置室 ―
[三つ目のカプセルには、布が掛けられたハロの亡骸が収められている。
LOSTの知らせが入った時に用意された空のカプセル。
それから回収された無惨な残骸が入れられて。掛けられた布の上からでも、その死の輪郭が見えるようだった。
今は、ふっくらとした体が布の下にある。
やさしい手で修復が施された亡骸>>120は、先に逝ったアシモフとギロチンのカプセルと並んで静かに眠っている。
その眠りを、出立の時まで今暫く。
墓守の男が見守っている。]
(#2) 2021/11/14(Sun) 14時頃
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― 三日目・日没後 船外 ―
そっか。 あいつ、楽しそうだったもんなあ。
[海で遊んでいたハロのことを思う。探査機水没未遂の前までは、楽しそうな声も聞こえていた。]
そうだな。夜明けの海はきっと……綺麗だろうな。
[水面に光が当たれば、複雑に揺れるさざ波がきらきらと輝くだろう。 美しい光景だろうと思う。眩しすぎるとも。
義手を握る、小さな手>>112を見ている。 熱も、きっと自分より柔らかいだろう肌の感触も、感じない。握り返すべきか、力加減に迷っているうちに、ケトゥートゥが立ち上がる。]
(123) 2021/11/14(Sun) 14時半頃
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[頬に触れれば、荒れ気味のがさがさした男の肌の手触りが返ってくるだろう。 伸びてくる指先を追って視線が動くが、されるがままになっている。人肌よりは低く、金属よりはずっとあたたかい温度。]
ま……名付けた奴はそういうつもりでつけたんだろうさ。 "希望"にも、色々あるだろ。
[いいよネ、という言葉に、いいよ。と頷く。 それは誰かにとっては目的で、別の誰かにとっては夢や憧れで。 生きる場所だと言う誰かも、いるかもしれない。]
……、
[安心したと少し笑う顔>>113に、笑顔は返せなかった。それほど器用ではない。多分、少し困ったような表情になっただろう。 昼間見た、深い青に沈んでいく石ころ>>35が、ずっと。頭の中にある。]
そろそろ戻ろうぜ。 冷えてきたし、風邪でも引かれちゃ困る。
[これからも一緒に、とは言えないまま立ち上がる。 『スペランツァ』の灯りを背景に、男の輪郭は完全に影になった。*]
(124) 2021/11/14(Sun) 14時半頃
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─ 三日目・夜/談話室 ─
アタシがしたいのよ、受け取って頂戴♡ そ・れ・に、ライジちゃん『で』じゃなくて、ライジちゃん『が』いいのよねん♡
[強引な事を言いつつ談話室へ来れば、いかにも度数の高そうなウィスキーのボトルを出して来た。]
耐毒性が高いのか、度数低いと酔えないのよねアタシ♡ この腕じゃ、明日は探索に出ようったって止められちゃうでしょうし。 そう言えば、こうして飲むのは初めてだけど、ライジちゃんってイケる口かしらん? 水割りにするか、もっと度数低いのも確かあったと思うけど、どうするん?
[希望を聞けば、それに沿った酒類を用意する。両手が使えないので、開封は頼む事になりそうだが。互いのグラスが満たされれば、静かに飲み始めた。]
……辛い事、全部任せちゃったわね。 ライジちゃんにも、アリババちゃんにも、感謝してもしきれないわん♡ ね、お礼は何がいいかしらん? アタシに出来る事だったら、何だってしちゃうわよん♡
[口調は冗談めかしているが、割と本気だ。そうするだけの恩義は感じている。誰かに縋って、本当に駆け付けてもらえた事なんて、もう永い間無かったから。**]
(125) 2021/11/14(Sun) 15時半頃
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― 三日目・日没後 船外 ―
[荒れ気味の肌の感触>>124は、とても彼らしいものだった。らしいなあと思いながら、何度か撫でる。そこにはちゃんと、生きているもののぬくもりがある。]
ケトゥートゥ、思ったより温かくないねって、よく言われるんだヨ。 ライジ、知ってタ?
[それでも違和感を感じない程度の温度は有している。平均的な人類より、少し低めだろうかという程度だ。 見た目や運動量から、高い体温を想像されやすいらしい。
ぬくもりが移りあって、触れた場所の温度が均一になる。そんな当たり前の仕組みが、何かの救いのように思える瞬間というものが、世の中には確かにあると思う。熱のように等しく伝わりあうものばかりではない。だからこそ、互いに同じ物を感じていると信じられる瞬間を、ひどく貴いものに感じるのだろう。 彼がそれを感じる機会は、これまでとても少なかったのかもしれない、と、そんなことをぼんやり思いながら、手を下ろした。]
(126) 2021/11/14(Sun) 15時半頃
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だよネ。船に載せる『希望』は、たくさんあったほうがいいヨ。
[頷きを返す。彼の希望もここにあることを、喜ぶ目をして。 なのにどうして、ライジは少し困った顔>>124をするのだろう。暗いから、表情を読み違えただけだろうか。……そうであってほしいと、思うけれど。 ケトゥートゥの落ち込んだ心は、僅かずつ浮上を始めていて。深い底までは、至れない。]
そうだネ。……ケトゥートゥ、もうちょっとだけ、船の周りを歩いてから帰るヨ。 今日は探索に出てないから、動いた方が寝れそうな気がするんだよネ。
また明日ネ、ライジ。
[翳った輪郭を見上げて投げ掛けるこの挨拶は、どこか祈りにも似ていると、ケトゥートゥは思った。**]
(127) 2021/11/14(Sun) 15時半頃
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― 三日目・夜/タラップ付近 ― [明るい口調 >>100 に応えるように、口元の髭を釣り上げて笑う。]
そうか。タプルたちの手当があったんなら安心よ。 だが一日二日ですぐ良くなるってワケにはいかねえだろう。 できることをやりつつ、無理はせず、だな。
[凡庸な答えを返す。明るい返事に、明るい答え。目上の人間ーー実際は同じクルー同士だがーーとしての少しの諌め。]
オレの経験じゃ、こうも人が死んでく時には、『何か』が起こるんだ。 何かを失ったやつが、それを取り返そうとして、より悪いことが起こる、なんてのだってよくある話よ。 ーー今回は死にすぎた。もう誰も死んでほしくねえ。
[帽子を目深に被り直す。青い光が二つ、瞼の裏に隠れる。]
(128) 2021/11/14(Sun) 16時頃
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─ 三日目・夜/談話室 ─
お、おお……
[押しが強い。受け取らざるを得ないという圧がすごい。>>125 こうやってこられると弱いところがあるので、キランディのことは正直苦手な部類だった。嫌いというわけではなく、船内の雰囲気を明るくする姿は寧ろ好ましいものであるのだが。
そうして、談話室に着いて。 強そうな酒が出てきたなあとキランディの手元を見る。怯む様子はない。]
なるほど、耐性ってのも難儀なもんだな。 ……おれも同じのでいいぜ。ストレートで。 あー、開けるぜ。ちょっと貸して……
[ボトルを軽く捻って開けて、渡す。片腕で酒を注ぐのは、やや心配そうに見守った。琥珀色が揺れるグラスを受け取れば、少しその表面を見つめる。]
(129) 2021/11/14(Sun) 16時頃
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おれは指示通りに動いただけだから、どっちかっつーとアリババの功績だな。 ……多分、けっこう参ってると思うから……後で行ってやるといいんじゃないかな。
[飛行機のポッドの中で揺れていた姿を思う。いや、どうだろう。まだ少し時間が必要かもしれないが。 礼、と言われると少し悩む。グラスを傾ける。呑むペースはゆっくりだ。]
そうだな……それなら、他のクルーのこと、頼むよ。 アンタはまだこの船に来て日が浅いが、皆のことよく見てるからさ。
[つまり、今まで通りでいいということだ。 そんなわざわざ頼むまでもないことを、礼として提案した。*]
(130) 2021/11/14(Sun) 16時頃
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― 三日目・夜/タラップ付近 ―
[現れたかぼちゃ頭 >>102 に、おお、と声を上げ手を挙げる。]
ジール。……おうよ。 そうだ、そうだ。この船には、オマエってカウンセラーがいるんだよ。 オマエの毛並みは大したもんさ。 こんな夜にも見事な艶だ。……
[はっはっは、と笑って、ジルを撫でるキランディを見守る。 やがて来るライジ >>109 にも片手を上げ、軽い挨拶を交わしたあと、 去る二人 >>111 を見送る。**]
(131) 2021/11/14(Sun) 16時頃
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艇長 イワノフは、メモを貼った。
2021/11/14(Sun) 16時頃
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― 四日目・日中 森 ―
[その日ケトゥートゥが探索へ向かったのは、森のより深いところ。 キランディに教えてもらった、見える範囲で一番高く、大きな樹のある場所だ。]
大きいけど、『ラァラ』に比べたらまだまだだネ。
[『母なる大樹』を思い浮かべながら、独り言。 樹皮や葉をサンプルに少し採取させてもらったあとで、身体をぴったりと幹に寄せて、目を閉じる。 ゆっくりとした呼吸を繰り返しながら、周囲の植物たちの息吹に耳を傾けて、身を委ねる。
たくさんのいのちが、ケトゥートゥへ話し掛けてくる。]
(132) 2021/11/14(Sun) 17時頃
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― 三日目・夜/タラップ付近 ―
ふふっ、そうねん♡ 飛べはするからって探索に出たら、流石に怒られちゃいそうだわん♡ キャプテンの言う通り、暫くはお手伝いに専念する事になっちゃうかもん♡
[元々、探索要員としてスペランツァに居るのだ。研究や分析・整備といった得手がある訳でもない。詰まる所、自分に出来そうなのは本当に『お手伝い』レベルの些事だろう。] [青い光が、一つだけになる。僅かに、間を置いて]
──そう。そう、ね。 アタシも同意見よ、キャプテン。 もう、誰にも死んでほしくないわ。 死神役なんて、真っ平御免よ。
[そんな本音を滲ませた所へ、待ち人(>>109)が通り掛かる。あなた達へと別れを告げ、ライジと共に艦内へと入って行った。(>>111)**]
(133) 2021/11/14(Sun) 17時頃
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[シュトゥレクの民たちの身体には、人間のそれとは異なる点も多い。ところどころに、植物に似た特徴を有している。 身体の中の事だから、ケトゥートゥには詳しくはわかっておらず、どこの植物たちも自分を受け入れてくれるのは、それが理由なのかもしれない、程度にしか考えていない。 治療者にとっては厄介かもしれないし、研究者にとっては興味深いかもしれない。その程度だ。特に誰の利益にも不利益にもならず、シュトゥレクの民の存続を脅かすようなことは、そこには何もない。
意識して気を付けなくてはならないことも、そんなにはない。 強いていくつか挙げるなら、火にはあまり近づかない方がいい。ふつうの動物よりも燃えやすい。 人間の病気よりも、植物の病気の方が脅威になりやすい。 そして、滅多に無いことではあるが――寄生植物の、寄生先となる可能性がある。]
(134) 2021/11/14(Sun) 17時頃
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[とはいえ、通常の寄生植物は、それほど急激に寄生を進めることはない。自ら動くことができ、周囲に助けを求めることもできるシュトゥレクの民なら、付着した寄生植物が寄生行動に移る前に、十分に対処が可能だ。 ただし、もしも宿主へ付着するなり急激な行動を起こし、即座に侵入するような種が存在したならば。 寄生植物の他植物に対する戦略はシュトゥレクの民にも通用し、しかし本来の宿主との構造の違いゆえに、重篤な事態を引き起こすことは考えられる。
宇宙は広い。何処かにそういう種が存在する可能性も、ゼロではない。 しかし少なくともこのマーレ10には、そういう種は発生していなかったようだ。 そんなささやかな幸運を積み重ねて、ケトゥートゥはスペランツァに乗り続けている。*]
(135) 2021/11/14(Sun) 17時頃
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― 三日目/安置室前廊下 ―
……。 忘れない限り、心の中で生き続ける。 その為に、ですか。
[ケトゥートゥ>>121の告げた答えは、以前にチキュウ>>2:45やヨーランダ>>3:30から聞いたものと似ていると。感情の洪水の中で思い浮かべる。以前共にそれを聞いた時の彼は、誰かの中で生きているという考えによく分からない>>2:51と答えを返していた筈なのだけれど。何か、そう思わせるきっかけがあったのだろうか。 もしももう一つの泣かない理由>>66を告げられたなら、イースターはそうは思わないと考えて、返すのだろう。なので、それを告げないという判断は正しい。]
分かっているのです。 イースター達『アルニカ』の人々は、データという明確な形で。死者と共に生きる為の物を遺してきたのですから。
けれど、それでも。 死というものは。つらい、ですね。
(136) 2021/11/14(Sun) 17時半頃
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[訊ねられた質問>>122には、目を閉じて首を横に振る。]
いいえ。……確かに、『スペランツァ』に乗り続ける限り。死のつらさからは逃れられないのでしょう。 ですが、だからこそ。見る事が叶わなかった方々の分も、イースターはこの先の景色を見て、知りたい。そう思います。
[零れる涙はそのままに、答えを告げる。 "父"はこの事を懸念していたのだと気付いても>>92>>93、実際にその痛みが辛く苦しいものと知っても。クルーで居たいという考えは変わらなかった。 むしろその考えは、イースターの中でより強固なものになっていた。*]
(137) 2021/11/14(Sun) 17時半頃
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― 三日目・日没後 船外 ―
[誰かの肌に、じかに触れたのは久しぶりだ。他人の温度がどのくらいだったかなんて、もう覚えていない。自分のものさえも。 だから知らなかった。今まで撫でたことも、きっと手を引いたことも何度かあっただろう彼の温度は、今日初めて知った。]
いいや。 でも、おまえは温かいよ。ケトゥートゥ。
[そう答える。この温もりを覚えておきたいと思う。 覚えておいてくれたらいいなあ、とも。]
(138) 2021/11/14(Sun) 17時半頃
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[ケトゥートゥの気持ちは、少しは落ち着いたのだろうか。多分、上向いてはいるのだと思う。青灰色の目を見て、そんな気がした。いいことだ。 弟分には元気でいてほしい、というのは心からの願いだ。彼だけではなく、他のクルーについても。]
……そうか。 気をつけろよ。
[彼だってそれなりの期間、調査船に乗っているのだ。そう危険なことはしないだろうとわかってはいても、かける声にはやはり心配の響きが乗る。 それでも、少しひとりにした方がいいんだろうと思い、ついていくことはしない。]
おやすみ、ケトゥートゥ。
[片手をゆるく振るいつもの挨拶を返して、男は船の方に戻っていった。*]
(139) 2021/11/14(Sun) 17時半頃
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― 四日目の朝・格納庫 ―
[探索最終日の朝、男の姿は格納庫にあった。 相棒の二足歩行探査機の整備を終えて、ドームの中でモニターを見ている。 表示されているのは、ハロが死んだ落石現場、そのすぐ近くの"海"。マップデータにはこれまでの調査結果が反映されて、ある程度の水深予測も出ている。
"海"の中でも、とりわけ深い場所。 周囲の水面より濃い青を湛えた穴。 地球において、ブルーホールと呼ばれるような地形。岸からほど近い位置にあるひとつを、目的地に設定した。*]
(140) 2021/11/14(Sun) 17時半頃
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─ 三日目・夜/談話室 ─
あらん、ライジちゃん結構飲めるタイプなのねん♡ 嬉しいわん♡ これからも誘っちゃおうかしらん?
[ボトルを開けてくれた事にも、明るく礼を言う。今の所は、いつも通りの“キランディ”だ。左腕は利き腕でこそないが、負傷している訳でもないので、酒を注ぐ手付きも危なげのないものだ。]
……そうね。アリババちゃん、あれでいて繊細だもの。 アタシが取り乱しちゃってたから、きっと余計に心労を掛けちゃったわ。 明日にでも、元気な顔見せなくちゃねん♡
[けれど、座標を見るにアリババは自室から動いてない様子だし、夜も大分更けて来ている。もう休んでいるかも知れない。明日の朝以降にした方が無難だろうと結論を出す。]
(141) 2021/11/14(Sun) 17時半頃
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[此方は、それなりのペースで杯を重ねていたけれど。提案された“礼”に、ふと手を止めた。]
……まるで、これから居なくなっちゃうみたいな事言うじゃない。 何か、変な事考えてるの? それともアタシ、妙な事でも口走っちゃった?
[あの時の事は概ね記憶してるつもりだけれど、大岩が持ち上がってからの事については、大分曖昧だ。自分を抑え込んだ力強い腕(>>29)がライジの物だったのだろうというのも、消去法による予測でしかない程度には。けれど、自分が何か口走ってしまっていた方がまだマシだ。]
[誤魔化しは許さないと言わんばかりに、じっと双眸の奥を覗き込む。普段から何かを隠してる様な気配はあったし、自分も人の事は言えないから詮索する気は無かったけれど。流石に、勝手に後を託す気で居るなら話は別だ。**]
(142) 2021/11/14(Sun) 17時半頃
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― 三日目 安置室前廊下 ―
そウ。元気なのが、最後のままデ。 ハロはたぶん、そうしてたかラ。ケトゥートゥもそうしたいノ。 初めてだから、上手にできるか、わかんないけどネ。
[問いかけ>>136に、頷く。 ハロのたどたどしい言葉>>2:63>>2:69から、どれだけその死生観が推し量れたか、自信はない。けれど、他のクルーたちが言う、『心の中で生き続ける』のほうに、近いものだったのだと思う。それに近い形を、目指してみたい。それで自分が少しつらくても、そういう形で悼みたい。 それはもしかしたら、その死に自責の念を抱いていなくとも、考えたことかもしれなかった。]
……うン。何回あっても、慣れないヨ。 毎回、つらくて、悲しくて、寂しくて。ケトゥートゥはたくさん泣いちゃウ。
(143) 2021/11/14(Sun) 18時頃
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[それでも。それを理解して尚、イースターに乗船を続ける意志>>137があると聞けば。 ケトゥートゥは、頷いてみせて。少しだけほっとしたように、微笑むだろう。]
ケトゥートゥも、降りないヨ。だから、これからも一緒だネ。 いろんなクルーと会って、いろんなお話して、初めての星で、いろんなものを見テ。 楽しいこと、これからもいっぱい、一緒にしようネ。
[危険も、悲しいこともたくさんあるけれど、楽しいことだって、やっぱりたくさんある。そのことも、ケトゥートゥは知っている。だから、この先にある楽しいことを、たくさん一緒に経験したい。 例えば、イースターにケトゥートゥの故郷の歌を教えたら、一緒に歌ってくれるだろうか。本当は大勢で歌うものだから、誰かと歌えたほうがケトゥートゥは嬉しいし楽しい。 その楽しいことの時々に、ハロも一緒だったら、と想像する未来を考えて。胸に込み上げるどうしようもない切なさを、きっとこれから、繰り返していくのだろうと、秘かに思った。*]
(144) 2021/11/14(Sun) 18時頃
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─ 三日目・夜/談話室 ─
飲めるというか、おれもあんまり酔えない質でね。
[いや、飲み過ぎれば二日酔いなどはしっかり来るのだが。酔って記憶がないとか、感情が極端になるとか、そういうことはない。]
ああ、それがいいと思う。
[きっとアリババの繊細さについても、キランディは自分より先に気付いていただろうと思う。
ペース早いな……と相手の飲みっぷりを眺めながら、思い出すのは昔の仲間と飲んだ時のこと。大酒飲みのデリクソンに随分飲まされたっけ、と懐かしく思う一方で、消えない後悔がちくりと胃の辺りを刺した。]
(145) 2021/11/14(Sun) 18時半頃
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[ふと止まった手>>142に、キランディの顔を見る。 こちらを覗き込む薄い色の瞳と目が合って、僅かに息を呑む。目を逸らしがたい何かを感じて、そのまま見つめ返してしまう。]
誰だって、いなくなる時はいなくなる。 そういう時はいつか来るもんだろ。
[気圧されたように、少しだけ早口でそう呟いて。]
……"死神"。 アンタはあの時、そう言ってた。
[あの時断片的に聞き取れた言葉のひとつ。 謝罪の言葉と、恐らくは誰かの名前であろう音に混じって聞こえたそれを、ぽつりと零す。 きっと普段なら聞こえなかったと誤魔化していただろう。あるいは、酒のせいかもしれなかった。*]
(146) 2021/11/14(Sun) 18時半頃
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― 三日目・夜/タラップ付近 ―
[>>110 >>117やってきたライジの方へ、かぼちゃ頭をぐらぐらと向ける。奥の光が明滅する。ジルなりの挨拶。]
おあー。
[>>131ジルもまたライジとキランディを見送る。イワノフの横にちょこなんと座って、かぼちゃ頭を揺らして見上げる。]
……イワノーフにも、おデの背中が必要じゃない?
[かぼちゃ頭の奥で、柔らかな熱のない火が燃えている。……。**]
(147) 2021/11/14(Sun) 19時頃
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─ 三日目・夜/談話室 ─
ふふっ、強さが近い子が居てくれるのは嬉しいわん♡ 折角なら、同じお酒を飲みたいじゃない?
[飲みながら、あなたの目が何処か遠くを見ている事に気付く。心が読める訳ではないから、詳細までは分からないけれど。何かを懐かしんでいて、けれど楽しいばかりの思い出ではなかったのだろう。ライジの表情は硬いままだ。]
[逸らされるかと思ったが、意外にも視線は交わされたままだった。だから、あなたの動揺も感じ取れた。一歩踏み込むべきか、退くべきか。誤魔化しが通じないのは、此方も同じ。]
いつかは、ね。 さっきの口ぶりだと、アタシよりは早いってわかってる様に聞こえたけど?
[迷った末に、一歩踏み込む事を選んだ。今、此処で逃がすのを良しとしなかったのは、自分なのか“キランディ”なのか、青年にはわからずにいる。]
(148) 2021/11/14(Sun) 19時頃
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[出された単語に、思わず眉根が寄る。小さく息を吐いて、揺らぎかけた視線を持ち直した。]
……余計な事、言っちゃってたわね。 アタシね、自分がそうじゃないかって思ってるの。 だって、此処に来るまでに関わった人、みぃーんな死んじゃってるんだもの。 それこそ、種族レベルでね。
[普段なら、決して口にはしなかっただろうそれを零してしまったのは、やはり酒のせいか。或いは、今日の出来事のせいか。ずっと抱えていた荷物を、今ひと時だけでも下ろしたい気分だったのは確かだ。]
[その行為こそが、死神の鎌に成りえるかもしれないとは知らず。*]
(149) 2021/11/14(Sun) 19時頃
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[惑星アーラは、辺境の星だった。然程、資源が豊かという訳でもない。だから最初に侵略者達が現れた時、アーラの民は彼らの目的を計りかねていた。資源的に貧しく、翼持たぬ者には暮らしていくのが困難な星ではあるが、それでも生物が暮らしていける環境ではある。彼らが此処を気に入ったと言うのなら、明け渡して出て行くのもいいかも知れない。 ……そんな意見が、大勢を占める程には。けれど、それは誤りだったのだと、すぐに気付かされた。]
[────侵略者達の目的は、アーラの民そのものだったから。]
[背に色とりどりの羽を持つ、有翼人種。地球の旧い思想にある、天使と呼ばれるそれに限りなく近い生き物。それらは、その姿で在るだけで価値があったのだ。]
[意図に気付いてからは抵抗したものの、武器と呼ばれる物は持っておらず、元より数が多かった訳でもない。男は殺され、状態が良い者は剥製にされた。女子供は皆捕らえられ、好事家に売り飛ばされた。その殆どが劣悪な環境に送られた様だから、恐らくは皆、生きてはいないだろう。]
(150) 2021/11/14(Sun) 19時頃
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[自分達は幸運にも──或いは不幸にも──少しだけマシな扱いを受けた為、生き残った。黒翼と言えなくもない紫の羽を持つ自分と、純白の翼を持つ“キランディ”。その組み合わせが、何故だかいたく気に入られたのだ。] [巨大な鳥籠の中で、空を恋しがって塞ぎ込む自分を“キランディ”は常に明るく慰めてくれた。『アタシが、いつか必ず“自由”にしてあげるわん♡』と。その約束は、文字通り命懸けで果たされた。]
[その日から、自分はずっと逃亡者だ。与えられた“自由”を喪わない様に。月日は流れ、自分達を飼っていた好事家も流石に寿命を迎えただろうが、それで自分の商品価値が下がる訳でもない。加えて、この目立つ風体で逃げ延びる為に、出来る事は何だってした。その方面で自分を追う者だって居るだろう。]
(151) 2021/11/14(Sun) 19時頃
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[本名では到底生きて行けず、いつしか“キランディ”と名乗り、思い出の中の振舞いを真似る様になった。“キランディ”の魂は、薄汚れた自分の元なんて、とっくの昔に去ってるだろうが。]
[それでも“キランディ”への憧れ、ああなりたいという想いは募るばかりだ。多くの人と死に別れ、辛い想いをして、手を汚しても“自由”で在り続けようとするのは、それが“キランディ”に託されたものだから。]
[此処に居るのは、“キランディ”になりたかった一羽の青年だ。*]
(152) 2021/11/14(Sun) 19時頃
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― 四日目:船内 ―
[パチンと、手元の情報管理用機器の電源を入れる。 空中に展開される複数のディスプレイ、待機中オフライン表示のクルー別アイコン、各自の発信機の位置。 昨日、一昨日、その前、それ以上前のスペランツァでの数多の記録。 持ち帰ったものと、持ち帰る事が出来なかった物。 死者のデータも生者のデータも平等に処理するものの、死者の記録の最後に付け足すのは専用の報告書だ。
専用のテンプレートは用意されているものの、それの入力に慣れてしまった自身の手によって、報告書は滞りなく提出される。
遺族等が居れば種族に合った翻訳形式で送られる物だ。 最も、調査船に乗るようなクルーの中には独り者の放浪者も居る為、外部に出る事は稀である。
『マーレ10』に降りてから、三つ重ねてしまった死者の名前。 …――送り先はあるのだろうか。それは自分の管轄の外側、別の物が担当するだろう。]
(153) 2021/11/14(Sun) 20時半頃
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[『マーレ10』に降りた際、私物の機材は早々に体組織不適合の結果を弾き出していた。>>1:157
しかし複数のサンプルを照合するうち、ソレの解析処理はどんどん遅くなっていく。 現在の対象は、イースターが持ち帰った"海"のサンプル。>>3:35
データが重いのだろうか。 こんな事は初めてだと困惑すると同時、違う挙動を見せるソレに希望を抱きながら、解析結果を待って居る。]
(154) 2021/11/14(Sun) 20時半頃
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─ 三日目・夜/談話室 ─
[逃げられないな、と思う。>>148 誰かに話せば止められると思った。から、誰にも言わなかった。でも、誰かにくらいは、言っておくべきなのかもしれない。観念したように、引き結んだ口を開く。]
……おれは、できることなら。 いつ死ぬかは、自分で決めたいと思ってる。 どこで死ぬかも、だ。
[それは、危険も伴う調査船に乗っている者としては、そぐわない言葉だったかもしれないが。決めたいと思っていても、そうできるかはわからない。いつ、どこでなんて、それこそ誰にもわからないことだ。
だから実際、望み通りにはならないだろうと思ってはいた。けれど、]
いい場所を見つけたんだよ。
[視線を外して、グラスに口をつけた。]
(155) 2021/11/14(Sun) 20時半頃
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[ハロを送り届けてから自室まで運搬される不自由な身体、透明な入れ物の中でカプカプと揺れながらも、手伝いの顔触れの中にイースターの顔が見えた。>>61
何か彼女に声をかけようと気泡を幾つか吐いたが、結局そのまま黙り込んでしまう。 塞ぎ込むよりも他者と話した方が良い事に気付いても、ソレは去ってしまった時間の話だ。
君はどうしてこの船に乗ったんだい。 どんな気持ちで『マーレ10』の上を歩き、どんな気持ちで地表や"海"のサンプルを拾い上げたのだろう。 危険と隣り合わせの旅、船内で長期間過ごすうち親しくなっていく顔触れ、無慈悲に減っていく名前。
悲しみから決して逃れられない旅の中で、何を求めていたのか。 並んで見た美しい"海"の風景を思い出しながら、コポンと気泡を吐いた。
それが、昨日の記憶。*]
(156) 2021/11/14(Sun) 20時半頃
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[――種族レベルで。そう聞いて、黒い瞳が揺れる。一瞬だが、明らかに動揺した様子を見せる。]
……それは、アンタの種族の話か。
[種族が皆死ぬ、すなわち滅ぶということ。]
アンタがどうこうしたんじゃなければ、……いや、
[天変地異の類とか、疫病だとか。そういうもので皆死んでしまったのなら、運が悪かったんだろう。そう言おうとして、言葉に詰まる。 多分、そういうことではないのだ。自分と同じように、ケトゥートゥが言ったように、誰かに何かを言われて納得できることではないのだろう。 けれど、もしも。]
……もしも、"何か"が一方的に奪っていったなら。 それは全部その"何か"のせいだ。 もしもそうなら、それは絶対にアンタのせいじゃない。
[それだけは否定しなければならない。 思い過ごしなら別にいい。が、種族と聞けばどうしても、自分達が何世代にも渡って行ってきた所業が浮かんでしまう。 そんな連想のせいか、珍しく少し強い口調になったかもしれない。*]
(157) 2021/11/14(Sun) 20時半頃
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[滅びゆく故郷を逃げ出して、調査船『スペランツァ』に拾われて。 それぞれ別の星から来たクルー達と共に過ごして、様々な星を訪れるうち、宇宙の広さと"人"の多様さを知った。
その度に、自分達が『キジン』で行っていたことは間違いだったと思い知らされた。
あの砂金の山が元々何だったのか。 それがどんな相手で、何を考えて、どう生きていたのか。 おれはもっと早くに、目を逸らさず考えるべきだった。
目を逸らし続けたことも、仲間を見捨てたことも。 おれの弱さで、罪だ。]
(158) 2021/11/14(Sun) 21時頃
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― 四日目の朝・格納庫 ―
[オレンジ色の機体を撫でる。 何回も塗り直した塗装は、元の色とは少し違う。パーツもかなり取り替えたし、エンジンや駆動系にも手を入れた。旧型故、仲間にも随分手間>>0:65をかけさせてしまった。
そうでもして使い続けるのは。 こいつが故郷にいた頃からの相棒で、 他の命の尊厳を踏み躙った罪の共犯者で、 仲間を見捨てて逃げた弱さを見ていた、証人だからだ。]
行こうか、相棒。
[そう声をかけて、操縦席に飛び乗った。 唸るような低い駆動音。 旧型特有の乗り手を一切考慮しない振動。
やっぱり、乗り慣れた機体が一番いい。**]
(159) 2021/11/14(Sun) 21時頃
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ライジは、二足歩行機で平原を"海"に向かって走っている。*
2021/11/14(Sun) 21時頃
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─ 三日目・夜/談話室 ─
[開かれた唇。いい場所を見つけたのだと、逸らされた視線。改めて問うまでもない。ライジはもう、決めてしまったのだ。自分の死に場所を、この星にする事を。] [これまで、こうしてきちんと向かい合って話した事は無かった。もっと早くにこうしていれば、考えを変えさせる事は出来ただろうか。 ……いや。自分に口を出す権利なんてありはしない。『“自由”で居られくなるくらいなら死んで“自由”になろう』と考えてる時点で、結局は同じ穴の狢なのだ。ただ、ライジの方が先に終わりを決めてしまっただけ。]
今更、言うまでもないだろうけど。 皆、悲しむよ。 ……オレだってね。
[これが最期なら、もう綺麗に取り繕ったりしてやるものか。そりゃ、キランディのまま諭せたらよかったけどさ。こんなでも、男だからわかるんだよ。アンタが、止めて欲しくない事くらい。]
(160) 2021/11/14(Sun) 21時半頃
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……けどさ。アンタはそんな事もう何百回だって考えた筈で、それでももう逝くって決めたんだろう? だからオレは止めないけど、その代わり…………立てよ。 腹は立つから、一発殴らせろ。
[やっぱり、自分は酔ってるのかもしれない。でもこんな話、素面で聞いたって殴りたくなってたと思う。オレが何人に死なれてると思ってんだ、バカ。あっちで、ハロやギロチンに怒られてしまえ。まだ近くに居るだろうから、既に耳元で怒りまくってるかもしれないけど。自分が殴った所で大した威力にならない事はわかりきってるから、尚更腹立たしい。]
(161) 2021/11/14(Sun) 21時半頃
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[強い口調に、目を伏せる。どうして、ライジがそんな事を言うのかわからない。自分が、関わってきた人達の死体の山の上に立っている事実は、変わらないだろうに。]
……そうだよ。オレの種族は、もうオレしか居ない。 知ってたかの様に言うね? そんな有名な話でもないと思ってたんだけど。
[種族が滅ぶなんて、ありふれた話だ。ありふれた話なだけに、原因は多岐に渡る。略奪は、仮定にしたってまず最初に挙がる原因ではないだろう。ライジは、惑星アーラの話を知ってたのだろうか。それとも────。]
…………仮にそうだとしても、さ。 “キランディ”が──オレ以外の最後の一人が死んだのは、どうしたってオレのせいなんだよ。
[諦めていれば、嘆かなければ。命を擲たせる事なんてきっとなかった。*]
(162) 2021/11/14(Sun) 21時半頃
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― 三日目・探索に出る前 ロビー ―
おう。 おっかねえ話だが、それが海の面白さでもある。 オレは間違っても、そんなところへ沈みたくはないがね。
[ライジの敬礼 >>116 に、年季の入った敬礼で応えて、ニヤリと笑う。ロビーを行く背を、見送った。……]
(163) 2021/11/14(Sun) 21時半頃
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― 三日目・夜/タラップ付近 ― [横に座ったジル >>147 の近くに腰を下ろし、背を撫でる。傷の多い、大きな骨ばった手で。]
ジール。 ありがとうよ。 慣れねえもんだな、これだけ死んでも。 武装でどうこうできた話でもない。準備不足とも言いがたい。 どいつも腕っこきだ。気を抜いてたとも思えねえ。 ただの事故で、みんな死んだ。
だからよ。 やりきれねえよな。 これは戦争じゃねえんだ。 敵がいりゃあ、敵を憎めるんだがな。 だから、オマエが必要だ。
オマエがこの艦にいてくれてよかったよ、ジル。
[ジルを撫でる。その間、青い瞳には少しだけ正気の光が帰る。いくつもの星の海を旅した、老船長の思い出が。]
(164) 2021/11/14(Sun) 21時半頃
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― 四日目:ライジとの通信 ―
[マップのスペランツァから離れていく点がひとつ。>>159 沼にはまった機体の整備は終わったのだろうか、移動速度は普段の物と変わりないソレに、通信を飛ばす。]
おはよう、 早いなライジ君
[音声のみの通信、ノイズも無く良好である。 慌ただしかった昨日には一切触れず、普段の探索と同じような挨拶。
自由探索である為、夜遅くまで作業しているクルーは朝起きて来ない事もある。いわゆる生活リズムのズレと言う奴だが、身体を壊さない限り咎める様な事では無い。 無論無茶が過ぎれば他者から叱られる、タプルとかに。
それにしたって君は活動時間を守っている上に出立が早いのだなと、先ほど支度を終えたばかりの自分を若干恥じた。 寝坊の予感がする。]
(165) 2021/11/14(Sun) 22時頃
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― 三日目/安置室前廊下 ―
[撫でられながら、赤い目がケトゥートゥ>>143の方を向く。]
ハロ様が。……そうだったのですね。 言われてみれば、安置室付近で彼を見かけたことはありませんでした。
["元気なのが最後のままで"。 イースターは変わり果てたハロの姿を見ている>>61>>90。けれどもしも、ハロの立場から見たとするなら。今後ハロを思い浮かべる時に想像する姿はあの最期ではなく、元気に浮いている姿の方が良いと思うような気がした。]
……はい。 これからも、きっとこのつらさや無力感と。向き合わなければならないのでしょう。 しかし、イースターは。このつらさも、悲しみも、寂しさも。慣れたくないと思います。 つらいからこそ、強く記憶に残り。つらいからこそ、防ぐために皆努力しているのだ、と。考えたので。
[少しずつ、少しずつ。己の感情の中に整理を付けて行く。 それでも喪失はつらく、つらそうな皆の姿や静かな船内を思うと、悲しくてまだ涙が止まらない。]
(166) 2021/11/14(Sun) 22時頃
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精が出るね
[ライジもそうだが、彼を乗せ共に駆ける相棒もだ。 スペランツァのクルーが二人、船から離れていくのをちらと見て、傍らで別のデータにも目を通す。 活動中のクルーはライジの他にも居る。いつもの光景であるとそのまま処理して。*]
(167) 2021/11/14(Sun) 22時頃
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[だが、ほっとした様な年上分の微笑み>>144を見れば。 ゆっくりとその触角を動かしつつ。]
イースターは。これからもケトゥートゥ様と一緒に居られる事を、嬉しく思います。 この道の先に、どんな楽しい事が待っているのか。どんなものが見られるのか。イースターもまた、楽しみにしております。
……ありがとうございます、ケトゥートゥ様。
[告げたイースターの声色は、先程までより。少しだけ、前を向けている様な色に聞こえただろうか。 危険な事も、悲しい事も、沢山ある。けれど、ここにしか無い楽しい事も、待っている。故に調査船に乗る事を志願したのだから。 その先を見れなかったハロ達の分まで、未来を見てみたい。涙を流しながらも、少女は小さく頷いた。*]
(168) 2021/11/14(Sun) 22時頃
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― 三日目/廊下→アリババの自室 ―
[アリババが自室に運ばれている時間>>156。イースターもまた、帰還への労い>>61の他に言葉を掛けることは無かった。 或いは、どう言葉を掛けていいのか分からなかったのも有るのかもしれない。 本日も少女の持ち帰った"海"のサンプルは、静かに船内に置かれている。
この時はまだ、どうすればいいのか感情も行動も整理の付かないままだ。 けれど、暫く後。死と向き合った後、己がどうしたいのか整理がついた後>>137>>168。落ち着いたら、彼ともまた話がしたい。少女はその様に考えていただろうか。]
(169) 2021/11/14(Sun) 22時頃
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― 四日目の朝・船内ロビー ―
[イワノフの朝はいつも遅い。 そのかれがいつになく早く起きて、ロビーの椅子に座り、大画面のモニターを見上げている。手にはコーヒーの湛えられたマグ。視線の先に映し出されている、LOSTの名簿。]
――ま、気のせいだよな。 いけねえ、いけねえ。
[胸騒ぎがして起きた。それだけだった。まだ探索の四日目が始まったばかり。そんなに早く、誰かに何かが起こるわけがなかった。 懐中時計型の端末をパチリと開け、信号を確認する。イワノフの指から脈拍を読み取ったそれが、バイタルを表示する――すべて快調。やや肥満。アルコール検出なし。睡眠時間は不足。順風満帆なれど血中カフェイン濃度やや高し。 平和裡の探索を予感する。 今日こそは。今日くらいは。**]
(170) 2021/11/14(Sun) 22時頃
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艇長 イワノフは、メモを貼った。
2021/11/14(Sun) 22時頃
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─ 四日目・朝/??? ─
[きっとアンタは、誰にも知られたくはないだろう。オレだって、誰にも言う気は無い。そんな裏切る様な事をしてまで、アンタの“自由”を奪いたくはないから。]
……けど、これくらいは許してくれよな。
[こっそりと艦を抜け出して、高く高く空へ舞う。万が一抜け出してると気付かれても、自分の座標がバレていたとしても、目的を悟らせない程の高所へ。]
[遥か遠くに見えるのは、豆粒の様なオレンジ色。海の方へと向かうそれを、見失わない様に視線で追った。進路上には、一段と濃い蒼が在る。]
[────きっと、あそこだ。最期まで、目を逸らせてなんかやるものか。*]
(171) 2021/11/14(Sun) 22時頃
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― 三日目 安置室前廊下 ―
[涙交じりでも、しっかりしたその答え>>166を聞きながら、うんうんと、ケトゥートゥは頷いて。 撫でる手を止めて、両手で彼女の手を握った。]
……イースターは、いいクルーになるヨ。 今もいいクルーだけどネ。もっともっと、いいクルーになるヨ。
[真っ直ぐな彼女の、嘘の感じられない言葉は、とても魅力的だとケトゥートゥは思う。 ずっとそのままでいてほしい。つらさも悲しさも受け止めて、それでも真っ直ぐに希望も信じてほしい。 自分もそうありたいと思うから、一緒にそうあれたらいいと思う。支え合えたら嬉しいと思う。そんな『希望』も、この船に乗せていいだろうか。……誰もきっと、ノーとは言わないだろう。]
どういたしましテ!なんて、言うほどのことじゃないけド。ケトゥートゥも、嬉しいヨ! もう、立てそう?
[少し明るくなった気がする彼女の声>>168に、自分も少し明るい声を出して。首を傾げて訊ねるだろう。 立てたなら、一緒にその場を離れて、ケトゥートゥは自室へと戻るようだ。*]
(172) 2021/11/14(Sun) 22時半頃
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― 四日目の朝・船内ロビー ―
ツァッ、イワノフ! イーヤー! 今日は早いネ!
[朝、探索前にロビーへと立ち寄れば、いつもなら朝にはなかなか顔を合わせない彼>>170の姿があって、まず驚きの声を上げてから挨拶をする。 ケトゥートゥは基本的には早寝早起きで、精力的に探索に出る方でもある。彼が起きてくる頃には既に出掛けてしまっている事も多いのだろう。]
ケトゥートゥは、今日も森に行くヨ! 早めに帰ってきたいから、早めに行くノ! イワノフも、どこかに行くノ?
[聞かれてもいない予定を話しながら、首を、というより、上体全体を傾けるいつもの仕草で訊ねる。*]
(173) 2021/11/14(Sun) 22時半頃
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─ 三日目・夜/談話室 ─
[キランディの普段と違う口調に、え。と視線を上げる。 が、言われた言葉>>160に、また視線をグラスの中に戻す。覆す気はないくせに、叱られた犬のような顔をした。]
……わかってる。 それに、悪いとも思ってる。
[弟分のケトゥートゥとナユタも。 案外繊細なアリババも、やさしいタプルも。 墓守のヨーランダも、律儀なイースターも、新顔のチキュウも。 かぼちゃ頭のジルも、"キャプテン"のイワノフも。
きっとそれぞれ、悲しませることになると思う。怒るやつもいるかもしれない。 でも、一番怒ってるのは目の前のこいつじゃないか?]
(174) 2021/11/14(Sun) 22時半頃
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アンタの種族のことは、おれは知らない。 でも、……そう、おれの一族は、別の種族にとって"死神"だった。
[身に覚えがある。だから真っ先に浮かんだ、そのような意味のことを言う。 "キランディ"のこと>>162を聞く。そういうことか、と得心がいった。]
……ああ、そうか。 アンタは、"キランディ"をずっと背負ってるのか。
[それなら、おれが何か言うことじゃないな、と。 それ以上踏み込むことはしない。きっとそれは、"キランディ"と彼だけの間のこと。]
…………。
[それから、口の中の酒を飲み込み、グラスを置いて。そろそろと立ち上がる。 観念しました。というように腕を下ろして、薄紫の瞳を正面から見た。*]
(175) 2021/11/14(Sun) 22時半頃
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― 四日目-朝/船内ロビー ―
[ロビーに人影>>170をみとめて声をかける。]
やぁ船長さん、具合は如何ですか。 随分と今日は早起きな様子で。
[イワノフへの最初の挨拶はいつもこれと決まっていた。 日々不安定な彼の状態を確認する為に声をかけ、 必要とあれば薬剤を持って対処することもある。 それは医療班としての日課でもあった。]
(176) 2021/11/14(Sun) 22時半頃
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[次いで入ってきた明るい声>>173に少し会釈をする。]
今から探索かい?こちらもまた随分と早い朝だ。 仕事熱心はいいことだが、忘れ物のないようにね。
[モニターを見上げて、少し目を細める。 この字を見ると細胞がざわめいてとめどない。 嫌な気配がするのはタプルもまた同じだ。 心を落ち着かせるように、紅茶をひとくち口に運ぶ。]
(177) 2021/11/14(Sun) 23時頃
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― 四日目の朝・"海" ―
[オレンジ色の二足歩行探査機が"海"の淵を走っている。
一歩を大きく、跳ねるように。 機体姿勢の安定も何もかも放り投げて、ただ加速度をつけるために。
眩しすぎると思った夜明けの"海">>123は、思った通り――思った以上に、きらきらと輝いていた。夜にしようか、とも思ったけれど。ケトゥートゥが見に行くと言っていたから、やっぱり自分も見ておくことにした。]
……綺麗だな。
[輝く"海"の色は、ライジの中ですっかりおぞましいものとなってしまった、眩むような金の輝きとは違っていて、美しかった。
この時間にしてよかった、と思った。]
(178) 2021/11/14(Sun) 23時頃
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[アリババからの通信がある。>>165>>167 音声だけの通信。カメラはすべて切ってある。映像データは、また次に来た時にでも無人機か何かで撮ってくれ。]
おはよう。
[普段通り、淡々とした声で返す。]
なあ、アリババ。 多分だけど、"当たり"を引いた気がするんだ。
[後でデータでも見といてくれよ、と。 それだけ言って通信を切った。]
(179) 2021/11/14(Sun) 23時頃
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[世界は暗転した。 それきり、ハロの世界は終わってしまった。 何が思えるでもなく、何が聞こえるでもなく。 痛みや苦しみを感じられる時間すら、瞬きほどもなかった。 駆け出すキランディの羽ばたきを聞いたかもしれない、というのが最後だ。
ハロという生き物にとって、それは幸福だったと思う。]
(+4) 2021/11/14(Sun) 23時頃
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……そろそろか。
[空を飛ぶ影>>171には気付かないまま、操縦桿を大きく捻る。"海の"外周を回っていた機体がその勢いのまま、跳躍して水面に飛び出した。
大きな水飛沫が上がる。 オレンジ色の機体が、輝く泡と共に沈んでいく。
ひときわ深く、濃い青の中に。 水源の奥、"海"の深淵>>0:84に。
もしも発信機のデータを見ている者がいたら、機体の深度位置がぐんぐんと下がっていくことに気付いたかもしれない。]
(180) 2021/11/14(Sun) 23時頃
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[旧型探査機のドームは、衝撃には強いが水没には無力だ。
あっという間に中は水で満たされる。 冷たい水が鼻腔を、口腔を、器官を侵していくのを、ただ受け入れる。 光の届かない深さまでくると、"海"の中は随分暗い。 伸ばした手の先すら見えない、暗く冷たい闇。それでもまだ降下は止まらない。
真っ暗なさびしい場所へ、どこまでも落ちていく。]
(181) 2021/11/14(Sun) 23時頃
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[溺れるのが先だったか、水の重さで肺が潰れるのが先だったか。
その瞬間、人のかたちが崩れ落ちる。 金属の義手に纏わりつくように、ドームの中に砂金が舞った。
多くの人間を欲に狂わせた金色も、 この光無き水底で輝くことはない。
薄れゆく最期の意識は、そのことにただ安堵していた。**]
(182) 2021/11/14(Sun) 23時頃
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[これがもしも、長いしっぽや下半身だけを大岩に挟まれて、意識は保ったまま、もしくは一命をとりとめでもしたら、きっとハロは苦しんだだろう。 自分を見舞うクルーを見るのもつらかったし、タプルの手を煩わせることになるのも嫌だった。 自分のことで悲痛な面持ちになるクルーがいるのは、耐えられなかったと思う。 そんな顔をさせたくない。笑って、採集のお土産を持ってきてほしい。 それで充分だけれど、それだけにならないことも容易に予想がつくからだ。 いっそLOSTしてしまえたら、とすら思うかもしれず、けれどハロ自身は自らの命を断つすべを知らない。手足は短く、自分を害することなどできそうにない。
スペランツァのクルーにとっては、その方が幸福だったとしても。]
(+5) 2021/11/14(Sun) 23時頃
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─ 三日目・夜/談話室 ─
[“死神”だったと言うライジに、何かすとんと腑に落ちた心持がした。きっとこいつは、あっち側の人間だったんだろう。] [だからと言って、恨む気持ちは湧いてこなかった。そもそも直接襲われた訳でもないし、互いに素性は明かしてなかったんだから、騙した騙されたの話でもない。襲って来たのがライジの一族であったと仮定してみても、自分にとってはあまりに昔の事過ぎて、今更恨みを掘り出す方が難しい気もする。] [何より、スペランツァのクルーであるライジ・チリガネ個人には、世話になってばかりなのだ。恩も返せぬままさっさと死のうとされてる事には腹が立つが、それ以外には無い。 ……いや、もう少し長く接せば何かしらあったかも知れないが、それも向こうが終わりにする気満々なのだから、考えるだけ無駄だ。全ては、IFにしかならない。]
……そういう事。オレは唯の、マユラ。 忘れていいよ。もう二度と使わない名前だし。 新しい名前を付けてもらう当ても、ちゃんとあるからさ。
(183) 2021/11/14(Sun) 23時頃
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[立ち上がったあなたに合わせて、マユラと名乗った青年もまた立ち上がる。]
そんな犬みたいな顔するなよ。 やりにくくなるだろ。やめないけど。 ……そんじゃ、歯ぁ食いしばれ、よッ!
[左手で拳を握り、頬を狙って思い切り振り抜く。手加減をしたつもりはないけれど、人を殴った経験自体がほぼ無い。利き手でもないし、片腕が固定された状態では動きも制限される。加えて体重が無いから、その一撃はケトゥートゥの全力パンチと大差無い威力しか出なかっただろう。*]
(184) 2021/11/14(Sun) 23時頃
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ケトゥートゥは、ライジに物理攻撃するなら、頭突きで腹部を狙う。>>184
2021/11/14(Sun) 23時頃
雲水 ハロは、メモを貼った。
2021/11/14(Sun) 23時頃
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― 四日目・朝 船内ロビー ―
タプル、イーヤー! 夜遅くに、ちょっとしたいことがあってネ。その前に、お仕事はちゃんとしておかないト。 忘れ物がないかも、ちゃーんとチェックしてあるヨッ。
[タプル>>177が居るのを見れば、少しだけ声のトーンを抑えつつも、やる気満々の様子を見せる。 その『やりたいこと』を、今まさに、一足先にライジがしている>>178とは知らずに。 二人の目線がモニターへ向いているのを見て、ケトゥートゥもそちらを見てみる。LOSTの下に記されたハロの名前から目を逸らすように、マップの方へ視線を動かせば、赤丸が動いている。誰かもう、探索に出ているらしい。 それが誰のものかまでは、ケトゥートゥのいる入口近くからでは、はっきりとは見えなかった。*]
(185) 2021/11/14(Sun) 23時半頃
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― 三日目/安置室前廊下 ―
[手を握られれば、ゆっくりとその手>>172を握り返す。 体感的には温度が低い筈の>>126手は、イースターには暖かく感じただろうか。]
そう言っていただけると光栄です。 ケトゥートゥ様の期待を裏切らない様、努力していきたい……ですね。
[この世界にはまだ知らない事が沢山あり、中には目を背けたくなるようなつらい事も存在している。 けれど、そんなこの船の中で自分に『希望』を感じて貰い、支えてくれた人の事を。いつか今度は自分もまた支えたいと、イースターは思ったのだった。]
はい、お陰様で。
[一度目を擦って、涙を拭い。イースターは立ち上がる。 そうして一緒に廊下を歩き、ケトゥートゥの自室前まで付けば。イースターは「また明日」と挨拶をして、自身も自室に戻っていくだろう。*]
(186) 2021/11/14(Sun) 23時半頃
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― 三日目・夜/タラップ付近 ―
[>>>164背を撫でられて、かぼちゃ頭がぶよぶよ揺れる。]
ウウン、だてこれがオでのお仕事だもの、おしごと。おしごと……。 みーんなお仕事でここにいる、おでもそう。 ……もっとたくさん、おかえりて言いたかった。 ずっと、ずっと、これからもずっとみんなに、みんなにおかえりて言ってたかったよ。
[傾げた頭のなかで灯がゆらめく。]
おデ、ほんとはほんと、もっと役にたちたい。 でもむずかしいんだ、難しいんだよイーワノフ。 みーんなつらくて悲しい、だけどそれって、おでが邪魔していいこと? ……あのねえだって、必要だからみんな、かなしむんだ。 オではそのこと知ってる……。 だからときどき、ときどき、近くにいられたらいいンだけどな。 すごく難しいよ……。
[意識してか無意識からか、イワノフの目に浮かぶ光に働きかけるようなことを言う。頼りながら、その信頼で慰めようとする言葉を。**]
(187) 2021/11/14(Sun) 23時半頃
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ランタン ジルは、メモを貼った。
2021/11/14(Sun) 23時半頃
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─ 三日目・夜/談話室 ─
[そう、お互いに最後の一人で、過去に関わりはなくとも、きっと立場は真逆だった。 もっと長く、深く関わっていたら。それはどうしたって仮定の話になるけれど。]
……マユラ。
[告げられた名前を、ゆっくりと発音する。 忘れていいと言われても、首を横に振る。]
覚えておくさ。 使わないんなら、おれが持ってってもいいぜ。
[これから行くのは、そういうところだから。 冗談のようにそう言って薄く笑う。ここまでのやりとりで初めて見せた笑みだったかもしれない。]
(188) 2021/11/14(Sun) 23時半頃
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……、
[それから握られた左の拳を見て、ぎゅっと口を引き結ぶ。 やめないのかよ、と思いながら腹筋に力を入れる。素直に殴られはするが受け身を取らないとは言っていないのだ。]
(189) 2021/11/14(Sun) 23時半頃
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……!?
[なんか構えが高いなとは思った。]
〜〜〜〜っ、顔、かよ……
[ぶん殴られた頬を押さえる。いやあんま痛くない。ケトゥートゥに殴られた時と同じくらいの威力だ。そういやこいつ、めちゃくちゃ軽かったな……そう思いながら、キラ……マユラの方を見る。]
……拳、大丈夫か?
[なんか骨も軽そうだし、うっかり折れてたりしないか心配になってきた。
――そんな風に、いくらかやりとりがあったかもしれない。 そうして夜は更けていって、開けた酒の瓶が空になる頃には、お開きになっただろう。
それが、最後の夜。**]
(190) 2021/11/14(Sun) 23時半頃
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― 四日目-朝/船内ロビー ―
[耳を揺らして、不格好に いーやー と返す。 少し抑えられた声が微笑ましくありがたい。
…しかし、この不安定な気配はなんだろう。 知らぬ間に何かが形を変えて歪んでいくような そんな気配を漠然と感じている。]
…おや、どこかいい場所でも見つけたのかな。 だったら手土産に映像のひとつでも寄越してくれるとうれしいな、私はなかなか外には出られないのでね。
[またひとくち、紅茶を含んでからモニターを見る。 マップにはふたつの赤い点が浮かんでいる。 タプルが目を覚ました時、既にキランディの姿はそこにはなく、それがより一層タプルの不安を掻き立てた。]
……彼らも無理をしていないといいが。
(191) 2021/11/14(Sun) 23時半頃
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― 四日目・朝 船内ロビー ―
見つけたのはケトゥートゥじゃないけどネ! 映像は、……ちょっと、わからないかモ。自分の目で見るのに集中したいかラ。ごめんネ。
[いつもなら気軽に請け負う依頼>>191を、申し訳なさそうに断る。カメラを構えると、どうしてもそちらに意識が向いてしまって。目の前の景色に集中しきれないことがある気がするのだ。 それに……何度も見直せるように残してしまうのは、今回は、何だか違うような気もしていた。]
ミンナ、無茶ばーっかりするからネー。 誰が出掛けてるノ?
[モニターの方へ近づく。動いているのがライジと、キランディの赤丸であることを確認する。 あまりちゃんと聞いてはいなかったが、キランディは昨日、結構ひどい怪我をして帰ってきたんだった筈だ。それなのに朝早くから出掛けているとあれば、位置が艦からそれほど離れていなくとも心配だろうと思ったその時、
ライジを示す赤丸が、"海"の中を示す地点へと、移動した。]
(192) 2021/11/15(Mon) 00時頃
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─ 三日目・夜/談話室 ─
[二度と使う気は無かったし、名乗る気も無かった。それなのに名乗ってしまったのは、死ぬ気しかないコイツが悪い。でなきゃ酒のせいだ。もしかしたら自分のせいも少しあるかもしれないけど、今日は色々あり過ぎて参ってるんだよ本当に。]
……いいけど、一文の得にもなりゃしないよ。 持って来たいって言うなら、止めないけど。
[笑うライジに対して、自分は憮然とした表情になってたんじゃないかと思う。“キランディ”なら、まずしない顔だ。互いに、らしくないなと思う。] [顔に来るとは思ってなかった癖に、随分と余裕のある態度だし、此方の拳の心配までしてくる始末だ。それにまた、腹が立つ。]
平気に決まってる。 こんなので折ったりなんかしてみろよ、タプルを驚かせるじゃ済まないだろ。
[右腕を折ってる身で言う事じゃないが、どれだけ脆いと思われてるんだろうか。]
……もういいよ、バカライジ。 アンタなんか知らない。何処へでも、好きにいっちゃえ。
[杯を重ねて、最後の夜を過ごす。別れた後は、処置室へ戻り、そのまままんじりともせずベッドに座っていた。] [ライジを示す座標が、動き出すまで。*]
(193) 2021/11/15(Mon) 00時頃
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─ 四日目・朝/??? ─
[予想通り、オレンジ色は速度を上げて、蒼の中心へと飛び込んだ。大きく上がったであろう飛沫も、この高さからだと小さなものにしか見えず。輝く泡もやがて消えれば、水面は平穏を取り戻す。どれだけ目を凝らしても、目立つ補色である筈のオレンジは見えない。]
[発信機のデータは、敢えて見なかった。其方は、きっと誰かが見てるだろうから。自分は、自分だけは、最期の最後までこの光景を見ると決めていた。] [この様子だと、きっと『成功』したのだろう。してしまったのだろう。その身体が、バイタルがどうなったかまでは知らないい知りたくもないけれど。]
…………バーカ。
[それは、誰に向けた物だっただろうか。ライジだったかも知れないし、“マユラ”にだったかも知れないし、先に死んでしまったハロやギロチンやアシモフ、或いは今頃大騒ぎしているであろう他のクルー達へだったかも知れない。] [緩みかけた涙腺を、昨夜殴りつけた左拳で雑に拭って。気付かれない内にと、静かに地上へ戻る。]
[これから、何食わぬ顔をしてスペランツァへ戻らなければならない事を思うと、吐き気がした。 ……自業自得でしかないけれど。*]
(194) 2021/11/15(Mon) 00時頃
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― 四日目:スペランツァ船内 ―
[普段通りの声、日常の挨拶、変わらない物。]
うん? そうか、ならよかった
[何らかの発見報告と思しき言葉。>>179 "当たり"とは何の事だろう。少し考えて、数日前の会話を思い出す。
"海"の一番深い場所。>>1:72>>1:73 それは何処かと聞かれ、まだ早い、分からないと言うのがその場の結論。>>1:84 片っ端から調べれば"当たる"、そう冗談を言った覚えがある。>>1:85
さてはまた水遊びで足でも突っ込みに行くではあるまいな。もしくは自分で別の測定を行ったか。 流石に昨日のアレで反省し耐水改造でも施したのだろうか、彼の現在座標は"海"の淵だ。]
(195) 2021/11/15(Mon) 00時頃
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[どちらにせよ、彼の望んだ物はそこにあったたしい。 良い事なのではと、純粋に思った。
何故か口数が少ない相手に首をかしげながらも、任された仕事の内容それっきり、切れた通信に声を投げかけても返事は無い。
任されたなら最後まで責任をもってやるのが自分の役割。 通信を切られてもマップに座標は残って居る、何を見たいかは此方でも分かる。 カメラ…、は切られていた、現在受信できるのは座標のみ。 深い場所をあさって何をするのか、地層探査か、生態調査か。
水底に沈んでいるであろう物を幾つか思い浮かべ――…]
(196) 2021/11/15(Mon) 00時頃
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[瞬間意味を理解した。
"海"の深い場所の"当たり" 深淵、水底、耐水性能のない機体、監視役すら連れず一人で行った事。]
ライジ!!
[名を叫ぶものの、通信は切れている。彼に切られた。 マップの点は"海"の淵から更に内側へ移動している。反射的に別の座標データを引き出し数値を確認。 これは、耐水性能のある機体が"海"へ潜った際の管理システム。何処まで行ったら底に"当たる"か、サンプルを拾って帰って来れるのか、少しでも限界に差し掛かれば安全の為に警告が出る。
現在の彼の深度は、スペランツァに乗せている耐水機体ならギリギリ拾える位置。だと言うのに、今も鋼の重さのままどんどんと下に降りている。 今丁度『WARNING』の数値を越えた。
彼の求めた、みなそこ。
水圧、耐久、沈む速度。それら全てを計算し照らし合わせても間に合わない。持つ酸素の量、肺への圧迫、水に耐えられない操縦席。 昨日は何も考えず部屋から飛び出せたのに、今日は足が動かない。
拾いきれない場所まで落ちて行く彼の数値を見つめたまま。]
(197) 2021/11/15(Mon) 00時頃
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[それでも初めは、異常には気が付かない。珍しいなと思うだけ。何か気になるものでもあって、機体を降りて、潜るのだろうかと。
けれどずっと動き回っていた筈の赤丸は、その地点からぱたりと動かなくなる。 得も言われぬ不安に駆られて、或いは何かの予感があって、モニターに位置情報の数値が表示されるように操作した。X、Y、Zの三つの数値が、各赤丸ごとに表示される。 それぞれ、東西方向、南北方向、そして高度。
キランディの高度を示す数値は、とても高く。 ライジのそれは、マイナスを示したうえで、尚ぐんぐんと数値を下げていた。
やがて、通信途絶を示すエラー音が響き出す。 MISSINGの下へ、ライジの名前が表示される。
ケトゥートゥはその間、ずっと黙って、モニターを見上げていて。]
……。森に、行ってくるネ。
[静かな声でそれだけ言って、ロビーを後にした。*]
(198) 2021/11/15(Mon) 00時頃
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[静かに、ライジの沈んだ"海"を、危険区域に設定する。 現在のスペランツァでは探しきれない物であるとして。*]
(199) 2021/11/15(Mon) 00時頃
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