27 【crush appleU〜誰の林檎が砕けたの?】
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――夢の終わり――
[夢の中だけに夢中で、オレは手を叩き続ける。 ふと、その掌に棘の痛みがないことに気付いた。 そう、ここは夢の中。願えば叶う、痛みを思い出さなければ 頬の無残な鬱血の痕もきっと。]
『 !』
[オレはクリスマスイヴの惨劇となった 兄貴の結婚式を、その時の自分の衣装を イメージしようとしたけれど、もうそんな時間残されていない。 二人の横顔が一つに溶けて、 眩しくて眩しくて、目を開けていられなかった。
手元に滑り込んだカードの 一字一句を読むことすら困難で、 滴る雫に余計に滲む。 叫んだ言葉はもう、誰にも届かない。 もっと。少しでも長く、この祝祭が続けばいいのに。]
(73) りしあ 2023/08/06(Sun) 21時頃
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[心の中だけで囁く「さようなら」は、淡くほろ苦く。]
(74) りしあ 2023/08/06(Sun) 21時頃
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[そうしてオレは、また夢から醒める。
最後にいつもの皮肉げな笑みを唇に刷いた アリババ氏の傍らに、タバたん先輩が見えた気がしたけど ちゃんと彼女もトサカ先輩も目覚めているよな!?]
…………メグココちゃんの夢、 叶ったのかな……。
[少なくとも彼女は35億回ガチャを回さずとも、 ちゃんと運命の1人を見つけられたようだ。
死出の旅路前とはいえ、あんなに素晴らしい 結婚式は今まで経験したことがない。
オレはLINEで最後までメグココちゃんの 夢に留まっていた二人の先輩の安否を確認して、 ホッと肩を落とした。**]
(75) りしあ 2023/08/06(Sun) 21時頃
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――病院2F/休憩スペース――
[結婚式の――メグココちゃんの死の、 余韻も冷めやらぬまま。
夢から醒めれば当然右掌はズキズキ痛んで、 それがオレなりのメグココちゃんを悼む心の 傷みと重なるようだった。]
(171) りしあ 2023/08/07(Mon) 12時半頃
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『本人には別に構わないって言われたんで 後は遺族の説得だけかと思ってました。 そんなに変ですか、骨でカップ焼くの。
夢の結婚式を見たから、トサカ先輩に 渡すつもりなんだけど、
……なんかオレ、普通の人と 感覚ズレてるってよく言われるんで 不安になってきたな……。 タバたん先輩的にはナシなやつです??』
[左手でのろのろとスマホを操作し、>>45返信する。 それから、忘れぬ内にと右手を酷使して デザイン画を纏めあげる。 メグココちゃんのカップと、トサカ先輩のカフェオレボゥルと。 大きさは差があるけど、相似形のシルエット。 互いにソーサーを交換しても使える仕様にして。]
(172) りしあ 2023/08/07(Mon) 12時半頃
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[キリがいいところまで描けたら、 ぐるんと肩を回してから病室に戻った。
余計な負傷を増やして医師にこってり怒られた後、 外科で処置をして貰った右手。 メグココちゃんの葬儀の頃には、 自由に動かせるようになっているだろう。**]
(173) りしあ 2023/08/07(Mon) 12時半頃
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――病院/207号室―― ――続・ニトちゃん整形疑惑――
……さすがにもう、見れないか。
[包帯の巻かれた右手では、 鉛筆を握っても不自然な線しか引けない。 デザインは諦めて、寝台に転がって目を閉じる。
意識がぼんやりしても、もう美術館も式場も 浮かんでこなかった。 アリババ氏の姿や声も。 つまり、夢の主メグココちゃんはもう――、]
オレだけ場違いだったかなあ。
(174) りしあ 2023/08/07(Mon) 13時頃
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[思い出す、非現実的な結婚式の一幕。 未だ留まっていた二人の先輩だけでなく、 夢を共有していた研究室の各々も 見事にフォーマルで決めて本当の挙式のようだった。 特に以前シロマちゃんにも零した通り、 整形でなくメイクらしいニトちゃんは別人のようで。 ――花嫁姿のメグココちゃんも、 ビシっと和装の(ちょっと姐さんみたいな)タバたん先輩も 素敵だったけど、普段とのギャップは ニトちゃんに及ばない。]
(175) りしあ 2023/08/07(Mon) 13時頃
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……後で顔確かめに行こうかな。 いや、夢でアレなら、逆に素顔 見られるの嫌がるかな……。
[女性への御見舞いや、メイク前後の諸事情について、 ヤロウの10倍くらい配慮しないといけないのは、 それなりの女性遍歴から学んでいる。
どちらかと言うと、シロマちゃんに近い感覚で、 表面上を飾る努力には感嘆するけれど、 顔面より骨格とか姿勢とかに惹かれてしまう。 いや、オシャレ心を無下にしてるんじゃないけど! ある程度身形に気を使うことは、本人のためにも 良いことなんだろう。]
(176) りしあ 2023/08/07(Mon) 13時頃
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思い出した。 ミスコンで優勝した、ミス議事の子だ。
[斜め後ろから見ていた、丁寧に編み込まれた髪、 華やかなメイクとワンピースを纏う 項から肩のライン、その立ち姿と佇まいは――。
漸く重なったのは、普段のニトちゃんからは 全く想像もつかない人物だった。
ミスコンには当時の彼女も出場していて、 五位だったとかで恨めしそうに トロフィーを手に君臨する勝者を睨んでいた。 オレは勿論恋人を応援していたから、 「骨格なら断然キミの方が美しいよ」と慰めたら、 思い切り平手が頬に炸裂していて、 翌日には別れ話になった苦い思い出。
一皮剥けば頭蓋骨なのに、 みんな本質じゃない部分に随分拘るんだなあ。]
(177) りしあ 2023/08/07(Mon) 13時頃
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…………ニトちゃんは仁科、だっけ。 確かそんな名前だったな。
[はて、ミスコン以外にも大学でその名が 大きく騒がれた記憶がある。
割と学内の世事にも疎いオレは、 顎を枕に埋めながら、 ぼうっとLINE画面を見ていた。**]
(178) りしあ 2023/08/07(Mon) 13時頃
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『タカキ先輩へ 災害での負傷はほぼなかったですが、 別の事情で利き手を怪我して、処置を受けました。 先輩の方も、早く快癒されますように。
夏休み中には集中して 回谷さんのカップをまず仕上げたいので、 先輩のお宅に伺うのはそれ以降にお願いしたいです。 折角なので、タカキ先輩のことも 周囲の環境ももう少し知ってからの方が 良いデザインもできそうですし。
卒業までには間に合わせるんで、 ちゃんと受け取ってくださいね。 From ヘータ』
[オレが退院前にしたためたLINEの返事その1。 タカ『キ』先輩とがっつり強調太字にしてみたものの、 また対面して言い間違わないとも限らない。 むしろ諦めて腹を括るべきか……。]
(257) りしあ 2023/08/08(Tue) 01時半頃
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[最後は「それまで死なないで」と打ちかけて、 マイルドな表現にしておいた。
とりあえず目下の遺骨ゲットミッションの際、 難航するようであれば、オレよりオトナで 大人との交渉事にも長けてそうな タカナル先輩の助けを借りるかも、 と勝手にアテにしつつ。
駆け付けた両親に抱き着かれ、 親族への説明と会計待ちの傍ら。 オレは「両親は多分来ない」と零していた タカナル先輩にしばし思いを馳せた。**]
(258) りしあ 2023/08/08(Tue) 01時半頃
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[そして、退院前にもう一通>>226 実際にオレが遺骨の使用を遺族に申し出た時、 何度も直面した問題だった。 本人の遺言なり一筆なりがあれば話は早いのだが、 確かにメグココちゃんとは夢の中での口約束のみ。 現実でいきなり遺骨を分けて欲しい、は不審だろう。 呪術やいかがわしいことに使うと思われそうだし。
そして、有難いことにタバたん先輩のLINEには 解決へのヒントも記されていた。
遺骨の量にもよるけれど、今までの依頼を鑑みて カップを1脚でなく4,5脚つくることは可能だ。 基本的には遺族に、内1脚をこっそりなり堂々なり トサカ先輩に、の方が話は通じ易いだろう。]
(278) りしあ 2023/08/08(Tue) 02時頃
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『タバタ先輩頭いい! ありがとう! そしてありがとう!!
遺族の気持ちを蔑ろにしない程度に、 そっち方面から提案してみます。
オレの配慮が足りない部分のフォロー 感謝してます、さすがです!
回谷さん以外のカップは勿論 骨を入れずつくるのでご安心ください(?) なんというか、あの世界を通してオレなりに考えて、 勝手に記念品みたいにつくりたくなっただけなんで。
From ヘータ』**
(279) りしあ 2023/08/08(Tue) 02時頃
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――某日/葬儀――
[オレは最高気温を更新しそうな酷暑の炎天下を 黒い礼装に身を包み全速力で駆けていた。 事前に最寄り駅で研究室の面々は待ち合わせ していたようだけど、到底間に合いそうにないので 単身現地に直接向かわざるを得なかったのだ。]
――っは、っは、っは、……!
[時折スマホのナビ画面をチラ見しつつ、 走って走って走って、ようやく 短い坂の上に鯨幕を確認できた。 樹と勘違いしたのか、幕に留まって鳴いていた蝉が 凶悪な陽光に向かって飛び立つ。
葬儀にすら遅刻寸前ギリギリ滑り込みセーフとか。 もう少し余裕のある男に、オレはなりたい……。]
(322) りしあ 2023/08/08(Tue) 22時頃
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…………この度、は…… …………お悔み、を、 ぜぃ、
[ダラダラ滝のように流れる汗を スポーツタオルでぐいっと拭うオレの左頬には そろそろ消えつつある手の形だった鬱血痕。 が、今回の遅刻の原因は、新たにクッキリ 刻まれた右頬の紅葉だった。 さすがに、別れ話の直後に死者も出るような 災害に巻き込まれ病院に運ばれたとあっては 寝覚めが悪かったのか、あの日のことには 触れぬまま、オレとアカリんはよりを戻した、のだが――]
…… っつううぅ、 相変わらず威力が、
[今日の葬儀の出欠を巡ってまた朝から 一悶着あったのだ……。 メグココちゃんが、研究室の同期で可愛い女の子だから、 色々勘繰られ荒ぶる彼女を宥めようとして このザマだぜ……真っ白に燃え尽きたい。]
(323) りしあ 2023/08/08(Tue) 22時頃
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[あまり礼を欠いては、この後の本題交渉に 支障を来してしまう。 極力丁寧に記帳をして不祝儀を渡し、 粛々と参列した。 数年前のジイさんの葬式より、 圧倒的に平均年齢が若く、悲壮感も一入だ。 メグココちゃんは、オレと同い年なんだから。
平凡な親族や友達の別れの儀式。]
……オレはずっと憶えてるよ、メグココちゃん。
[歴代カノジョとは別の意味で、大事な大事な友人。 キミが忘れないでと望んだから、ずっとずっと。 遺影の中の普段の笑顔でなく、 青と白の冥婚の場での、一番綺麗な姿を。 9人で共有したあの夢の世界の出来事を。
それは、ニトちゃんが描いたスケッチ>>286が、 きっと一番近いはず。]
(324) りしあ 2023/08/08(Tue) 22時頃
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[線香の匂いが参列者の身に染みついた頃、 告別式の終わりにオレはメグココちゃんの ご両親に例の遺骨についての説得を試みる。
唐突にオレが祖父の遺骨でカップをつくった 話を始めると、相当怪しまれたが。 生前、メグココちゃんも興味を示し、 遺骨の提供に否定的ではなかったこと、 (時系列と因果を誤魔化すのに苦労した) 今までこなしてきた依頼も幾つか例を交えて、 とりあえず焼き場まで同行させて欲しい旨を、 切々と訴え続けて。
そしてオレは、困った顔を見合わせる彼等が 渋々了承するまで、何度でも頭を下げるのだった。**]
(325) りしあ 2023/08/08(Tue) 22時頃
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――西門研究室/海藻会――
かんぱーーーーい!
[タバたん先輩の鶴の一声で、あの大変な 課外授業からメグココちゃんの葬儀以来 初めて研究室のメンバーが集合することになった。
名目は心労激しく頭髪にまで影響出まくりの 西門教授を禿げ増す……もとい禿げ減らせたら会?]
ぅうーっす、 お疲れさーん!
[この日のオレはここ最近のイベント事としては 珍しく、ほんっとーーーーに珍しく 遅刻していない&両頬に手形がない。
何故なら一週間前に結局アカリんと 二度目の破局を迎えたから……。 そしてその時の手形はやっと消えたから……。]
(358) りしあ 2023/08/09(Wed) 03時半頃
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[ぶつける勢いで合わせたジョッキをグビリと呷る。 オレはアルコール得意な方じゃないが、 呑みたい気分なんだアンチクショウめ!!
お題目通り、西門教授を慰めるのは 女性陣や気の付く方々にお任せして、 むしろオレが失恋を慰めて欲しいくらいだ。]
(359) りしあ 2023/08/09(Wed) 03時半頃
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[「タバタん先輩は酔うとスゴイらしい」 何がどうスゴイのか知らないけど、 大学でまことしやかに友人が耳打ちしてきた噂。 真実を確かめようという使命感(と1割の下心)で さり気ない風を装い、タバたん先輩の隣の席を確保する。
が、先輩のグラスにはオレンジジュース。 しかも早々に西門教授にお酌しに立ち、 注文した大皿を取り分けたりと甲斐甲斐しく 動き回り、ほとんど席に戻って来ない。
おまけに彼女の反対隣に陣取るシロマちゃんが すんごい形相でオレを睨んでいる気がする。 ……なんなんだろう、オレに見惚れてる……? って温度でないのは、さすがに分かる!]
(360) りしあ 2023/08/09(Wed) 03時半頃
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[三口ほど飲んだビールは半分くらい泡のはず。 なのにオレはなんだか、とても陽気な気分になってきた。 取り分けられる料理にやたらワカメやコンブや 海藻が多いなあとか、ワカメ酒ってなんだ、 ワカメをビールに突っ込めば美味しいのか? 日本酒か?? 思わず箸でワカメを摘まんでジョッキにinしてみたり。 うっかり箸を一本落としてしまって、机の下に転がるのすら、 ああ可笑しい。え、オカシイのはオレの方だって?]
だいたいなー またアカリんにフられたから 慰めてくれるかと思いきや、みんなして じゃあ35億回目指して次のガチャいきましょーだと!?
そりゃあちょっと手が早いかも知れないけど、 アカリんにだっていっぱいカワイイとこが、 ……あって ……ああもう、笑いたきゃ笑えー!
(361) りしあ 2023/08/09(Wed) 04時頃
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[むしろ嗤ってるのはオレか。ハハハ、アハハハ。 あまりの恒例行事&今回の主旨から外れるので 誰にも相手して貰えなかったオレは、 ジョッキを傾けながらメグココちゃんの遺影に 切々と語り掛け管を巻いていた。**]
(362) りしあ 2023/08/09(Wed) 04時頃
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――西門研究室/海藻会――
そうそう、お蔭様でメグココちゃんのカップは もうすぐ仕上がりそうなんだ。
その後は骨は入れずに、みんなの分 順番に焼きたいけど、まずは卒業までに 先輩方の分かなあ。 2脚以上欲しい時や、デザインについても 何かあればお気軽に相談連絡どうぞ。
[そういえば、西門教授の分も来年以降だけど つくるとしよう。もともとオレがこの研究室を選んだのは、 西門教授がオレのジイさん骨谷雷門と旧知の間柄だからだ。
まあ、今日話したことは、オレの酩酊具合からして、 ちゃんと後日まで覚えていられるかアヤシイものだが。]
将来本当に遺骨でカップがつくりたければ 発注は50年後から受け付けるよ。
(366) りしあ 2023/08/09(Wed) 10時半頃
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――検査の日――
[オレは比較的軽傷だったため、両親の迎えで 即日帰宅し、後日検査と相成った。 被害の程度によっては、まだ入院している 人も残っていたかも知れない。
次第に薄れゆく夢の記憶とアリババ氏の姿。 そういえば、と思いあたってオレはスマホを取り出した。]
(367) りしあ 2023/08/09(Wed) 10時半頃
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『ニトちゃんへ 夢の中でスケッチブックに 描きたいものは描けた?
結局オレよく見れなかったから、 どうせなら現実でも描いて欲しいな。 急がないんで、デザインの参考までに できたら見せて貰えたら。 おにぎり🍙や絵筆🖌もいいけどね?
――メグココちゃんたちの絵も、見たい。
P.S.夢の中で見た目結構変わってたんで 正直ビックリした あれ、整形でなくメイクなんだって……!? 話したいことあるので、それもいずれ。 From ヘータ』
[LINEでも、オレはニトちゃん以上に 空気は読まない、吸うものだ。**]
(368) りしあ 2023/08/09(Wed) 10時半頃
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――西門研究室/海藻会――
[残った同期からは安定のスルー>>373だったから、 オレはしばらくメグココちゃんの遺影に 絵付けも終わって最後の窯焼き行程に入った カップの写真を見せたりとか、 元カノの美点をぐちぐち零しまくっていた。
どのタイミングでだったか、隣に戻ってきた タバたん先輩から仄かに酒気とそれを上回る 色香が押し寄せてきて、しかも甘い声音で 「ちゅーしたい」などと宣う。]
(427) りしあ 2023/08/09(Wed) 23時頃
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[……ちゅー!? C H U −!!!? オレの聞き間違いじゃないよな酔ってるけど、え、ついに噂の「酔うとスゴイ」が確かめられたりしちゃう役得じゃね!? 神様ありがとう、オレ今フリーだし大丈夫だいじょ]
――――!? っげは、 ……シロマちゃん……?
[介錯、もとい遠慮ない突進>>378に酔いどれのオレは 容易く吹っ飛ばされた。そしてタバたん先輩の 熱いベェゼを受けるポジはシロマちゃんへと――。]
(428) りしあ 2023/08/09(Wed) 23時頃
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[そこからの、少々刺激つよつよな 百合の花園咲き乱れ展開にオレはポカーンとしつつ。]
…………舌使い、えぐ……。
[ついつい凝視しちゃうよね。 あの妙技、いや絶技は圧巻モノで、見てるだけで アルコールの影響以上に身体が熱くなってしまった。 熱烈なタバたん先輩の求愛に、漢前だったシロマちゃんも たじたじしつつ、最後はしっぽり……いやしっとり抱擁だ。 あのポジがうらやまけしからん気もしつつ、眼福。 大丈夫、オレ酔ってるから明日には忘れてるって!
汚い声の「ちゅーしたい」や自棄気味の「萌えキュン」>>391 も聞こえた気がするけど、聞こえなかったフリをする。]
(429) りしあ 2023/08/09(Wed) 23時頃
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[持て余した感情を共有したくて目配せした ラギ君はニトちゃんのお世話をしてるし、 タカナル先輩はオトナらしくいつもの平静を保って ――いなかった。珍しく動揺していらっさる。 あまり恋愛事に関心を払うように見えなかったのは、 お金目当ての異性が煩わしいのは勿論だけれど、
もしかしてもしかすると……? オレは気付いてはいけない何かに気付き始めたが、 酒精がきっと全てを有耶無耶にしてしまうのだ。]
(430) りしあ 2023/08/09(Wed) 23時頃
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あぁん、ラギ君! オレのワカメ酒返してー!?
[どうしたことか、ワカメのinしたビールジョッキが ラギ君に没収されて>>414西門教授の眼前に 「あちらのお客様からです」状態にスライドしてしまった。
先輩のお酒を横取りするとは、なんと横暴であろうか。 オレは抗議したが舌も足も縺れて、結局ラギ君の 肩に縋る格好になった。]
ついにって何だついにって! アカリんとは二度目の別れ話だし もうダメだー! ミューズに見放されたんだー!
(436) りしあ 2023/08/10(Thu) 00時頃
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……しばらくは大人しく みんなをイメージしたカップ作りに 専念するかぁ。
[笑ってられる状況ではなくなってしまった。 オレは後輩ラギ君の肩を借りながら、 後生大事に消せずにいたアカリんの写真を見せる。 (※勧善懲悪委アカリチップ参照) 染めもしない黒髪のおさげ、気の強そうな眼差し、 何より耳骨のカタチと、雀斑の散った鼻筋のラインが トテモイイ。勿論性格だって。未練がましく液晶越しの アカリんの頭を、人差し指で撫で撫でする。 眦と胃から込み上げてくるものがあって、 誤魔化すように机に突っ伏すとラギ君が優しく 慰めてくれた……持つべきものは、良き後輩だ。]
(437) りしあ 2023/08/10(Thu) 00時頃
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[……でもラギ君オレより断然顔はいいし、 前の前の彼女が、「最近ヘータの研究室に、 すっごい美形の一年が出入りしてない?」 なんて興奮気味に問い質してきたこともあったな。
いやいや、ラギ君はこんなに先輩想いだし! 変な勘繰りはよそう。っていうかさ、]
ラギ君はモテそうなのに、彼女つくらないの?
[酔いに任せて素朴な疑問がするっと漏れた。]
(438) りしあ 2023/08/10(Thu) 00時頃
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……そういえばニトちゃんも、 最近可愛くなってきた気がするんだけど、 オシャレするのってやっぱ 好きな人とか、できたから?
もしかしてマユミ[[who]]とか?
[※これは酔っ払いの戯言です。 空気を吸うばかりのオレは完全に飛び火で 麗しの百合二輪に初心な反応をしている ニトちゃんにまで、不躾な問いを投げかける。
――二人の返事がなくとも、 もう24%忍び寄る睡魔に負けそうになっていたから、 翌日以降の記憶に残っているかはアヤシイ。**]
(439) りしあ 2023/08/10(Thu) 00時頃
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――某日/高祈邸へ――
[冬季休暇を待ってオレは北の大地の 薄ら雪の積もった空港に降り立っていた。 迎えに来ていた高級車は、広々とした 革張りの後部座席の乗り心地も オレ至上最高のもので、振動も駆動音も 全く車に乗っていると感じさせないものだった。
――ヤバイ世界を知ってしまった。 そして、タカナル先輩はコレが当然の 世界に生きているのだ……。
その先輩本人は、オレの緊張を 解そうとしてくれているのだろうが、 寛ぐ胆力など到底なくて、さっきから 背筋がピンと伸びっぱなしである。 今更虚勢なんて張っても無意味なのに。]
(500) りしあ 2023/08/10(Thu) 21時頃
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[就職活動もする予定のないオレは フレッシャーズスーツの一揃えすら 所有していなかった。 ただ、これからも個人からオーダーを受け 打合せの場に臨むなら、それなりに きちんとした格好も必要だろう。
陶芸家っぽさの演出のため、たまにジイさんの 作務衣や着流しを拝借することはあったが、 今回はそれも通用しなさそうで。 勝負服選びから付き合ってくれたタカナル先輩には 一生頭が上がらない思いだし、 期待の表れに身が引き締まる。 中途半端な作品は見せられないな、と。]
(501) りしあ 2023/08/10(Thu) 21時頃
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本来ならご厚意で見せていただくだけでも 有難いのに、お父さんに 挨拶もできなくて申し訳ないです。
[一介の学生の相手なんてしていられないくらい 忙しい方なのだろう、とオレは解釈していて。 タカナル先輩が当主である実父から オレを庇う意図があったとは露知らず、 心底不調法を詫びる心地で 持参した菓子折りを差し出した。
これも、オレがタカナル先輩のご実家に 招かれたと聞いた母さんが、諭吉様たちを握り締めて 失礼のないように、と買って来てくれた。 一つとしてオレの口に入ったことないような 超々高級菓子である。 1つで黒い雷神が100個くらい買えそうだ。]
(502) りしあ 2023/08/10(Thu) 21時頃
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[緊張も最高潮。 迷路のような歴史ある日本家屋を進み、 応接用の座敷に通される。 正座は慣れているはずなのに、ものの数分で 足が痺れてきてしまった。 うっかりよろめいて何か壊したら大事だ。 湯呑の菓子器も、一目で銘のある逸品と分かる。
タカナル先輩のお母さんはその面差しから 儚げな雰囲気まで、夢の中の先輩に似ていた。 (今は少しずつ印象が変わってきている) それでも、下町の母ちゃん的なオレの母とは、 同じカテゴライズにするのも憚られる、 麗しの当主婦人だった。]
(503) りしあ 2023/08/10(Thu) 21時頃
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[肩の力も脱けないまま、本日の目的とご対面。 否、示される前から、その存在感が語りかけていた。 流麗な掛け軸を背景に全く見劣りしない、 ジイさんお得意の葆光彩磁花瓶。 それ自体が燐光を放っているような、艶と光沢。 一房一房手作業で描かれた藤の花、蔦と葉脈、 一本として直線はないのに、機械のように正確で 繊細な筆致は疑いようもない。
一応手順として、ルーペを取り出して確認する。 本来ならこの後は、手袋をして底と共箱の 落成款識を確認するのだ。贋作も多いこの界隈。 他の骨董はサッパリだけど、 オレはジイさんの作品だけは真贋が判断できる。]
(504) りしあ 2023/08/10(Thu) 21時頃
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[ただこの花器に対しては、そんな作業不要だった。 ――こんな色、オレでは何年かかっても出せないだろう、 釉薬の特徴を知り尽くした者の極み。 五十代――全盛期のジイさんが数年かけて描きだした 技巧の粋を、格の差を見せつけられれば溜息しか出てこない。
腰の括れ一つとっても、オレが真似しようとしたら もっとずんぐりするか、細さに耐えきれず焼いたら割れてしまいそう。]
……すごすぎて、言葉では表せないです。
[身内なので自画自賛にもとられそうだが、 引き合わせてくれたタカナル先輩への最大の謝辞だ。 オレは絶世の美女を目の当たりしたように、 うっとり熱っぽくジイさんを名匠たらしめた逸品に 見惚れていた。一日中でも見つめていたい。]
(505) りしあ 2023/08/10(Thu) 21時頃
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―冬/高祈邸応接間――
[思わず雅趣に富んだ豪邸も、 隣で見守るタカナル先輩の存在も 忘れかけていたオレは、 耳元に落ちる囁き>>387にビクッと肩を竦めた。]
この頃の作品は図面は 幾つか残ってたましたけど、 写真や実物はほとんど 見たことないんですよね。
……目指す方向は違うけど、 やっぱりジイさんはすごいなあ。 オレは一生この域には達せなさそうだ。
[感嘆を紡いだ後、タカナル先輩に 真正面から向き直る。 深淵の黒い双眸から「もし」の真意は探れず、 オレは迷い迷い脳内を吐露するのみ。]
(549) りしあ 2023/08/11(Fri) 04時半頃
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オレには買い取れるシロモノじゃないです。 こいつを飾れるほど立派な場所も用意できません。
花を生けられるためでない、 みんなに見て貰うための芸術品だから。
それに相応しい環境を、と願うなら 美術館の寄贈とかなんでしょうか……。
[それでも、何かしら手元には残しておきたかったから、 オレは一言断りを入れて、カメラバッグに手をのばした。 トサカ先輩ほど本格的ではないけれど、 スマホカメラでは撮影すら烏滸がましい気がして 普段作品記録用に用いる一眼レフで写しとる。]
――ありがとうございました。
[360度全方向から数十枚シャッターを切って、 後は残りの僅かな時間、肉眼で慈しみ愉しむことに専念。]
(550) りしあ 2023/08/11(Fri) 04時半頃
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この機会を恵んでいただいたお礼は、 オレにできることであれば何でもしますんで。
器を焼く以外に、能はないですけど。
[とりあえず、金銭的に不自由していなさそうな タカナル先輩の、これがオレへの施しなのか、 それ以外の目的があったのかはさておき。
オレはもう一つの相談を思い出して、 スケッチブックを開いた。]
(551) りしあ 2023/08/11(Fri) 04時半頃
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メグココちゃんとトサカ先輩の器には、 揃いのデザインの蝶を描いたんです。
それで、夢の世界でタカ『キ』先輩の傍にも 見た気がして、染付ようか迷ったんですが、
……少し不吉な予感がして、結局はやめようかなって。 先輩ご自身の希望は、ありますか?
[図案の描かれた頁を数枚示して、説明する。 メグココちゃんには淡紫の、トサカ先輩には漆黒の 揚羽の羽根模様をカップに描いた。 そして、お互いソーサーの裏に 相手の蝶を密かに留まらせて。 タカナル先輩のカップには、トサカ先輩と同じ 漆の片羽を金粉の縁取りで施すのが初期案だった。]
(552) りしあ 2023/08/11(Fri) 04時半頃
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[そうして、最終的な仕様が オレの中で固まるまでの対話と、 最後にまた心からの感謝を伝えて、 オレはタカナル先輩の絢爛たる御殿を 後にしたのだった。
飛行機は明後日の便をおさえている。 極度の緊張と疲労で今日はホテル直行だが、 残りの日程は初めての北の大地の観光を、 ボーンチャイナのような優しい雪白色の風景を、 堪能させて貰おう。**]
(553) りしあ 2023/08/11(Fri) 04時半頃
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――禿げ増した会後日談――
[それからの研究室は、西門教授至上 最も悲劇的だった表情も少しずつ晴れてきて 少しずつ日常を取り戻しつつあった。
タバタん先輩ぷれぜんつの飲み会は、 オレは後半の記憶がほとんどなく、 誰に絡んだかすら覚えてない有様。 ただ、ワカメ酒とやらを味わい損ねたのが 唯一の心残りとして胸中に蟠っていた。
気付けば事前徴収の会計も タクシーの前払いも済んでいて、 オレは自宅玄関まで寝たまま配送され、 深夜母の手により新たなビンタ痕が 刻まれるという前代未聞の終結をみた。]
(590) りしあ 2023/08/11(Fri) 20時半頃
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[記憶はないが、とにかく研究室の全員に謝り、 特に西門教授とタバタん先輩には 詫びの品として海苔の佃煮セットを進呈 (※海藻が良い気がした、他意はない)
ついでに、その日から一か月研究室では 迷惑料がわりに、オレが常備していた 某チョコバーが幾らでも食べ放題状態で 振る舞われるのだった。
つぶつぶryに負けるな頑張れ、黒い雷神! 西門教授のデスクの死角に置かれた メグココちゃんの写真の前にも、一つお供え。**]
(591) りしあ 2023/08/11(Fri) 20時半頃
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