28 僕等(ぼくら)の
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――戦闘後・アストロの外で――
[アストロの顔に輝く光点が、残りひとつになる。 僕は見上げながら、懐かしい光景を瞳に映す。 この地球での最後の戦闘が終わり。
───引継ぎ戦に旅立つ時が来る。]
(1) 2023/08/23(Wed) 00時半頃
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[その場にいたであろう、本郷さんと加賀先生と目を合わせて。 先生の言葉には、頷いた。>>@1]
──行きますよ、僕等も。 大したサポートは出来ないけど……
[話している最中だったか前だったか。
いきなり、空中に浮かんでいたハロが、着地して。 ──いや。瞬時に人間の姿に戻って。>>@2
そこに居たのは、小さな黄色い謎生物ではなく、 元の地球でずっと見ていた懐かしい顔だった。]
(2) 2023/08/23(Wed) 01時頃
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〜〜〜〜〜!!!
い、いきなり戻んな、よ……
…びっくりした。
[さっきまでこいつ、僕の肩に乗って頭突きしてなかったっけ? ていうか動物だから撫でてたし……… 急に恥ずかしくなって、僕は夏水から顔を背けた。 先生との会話には、横から付け足しをして。>>@3]
……そもそも僕がここに来たのもパイロットだったからだけど。契約解任後でも引継ぎ戦までなら。
……というか、 先生。
"ハロ"に……なるんですね。
(3) 2023/08/23(Wed) 01時頃
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["ハロ"役がどういうものなのか。 先生もずっと見て来たから、分かっている筈。
それでも行くと決めたのなら、僕から言える事など何もなくて。
本郷さんは。どんな表情をしていただろうか。]
……必要な情報は全部話しておきます。 と言ってもハロのことはずっと見てるから、 ある程度は分かると思いますが……。
[それから、必要なことがあれば話して。]
(4) 2023/08/23(Wed) 01時頃
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[残っている時間はどのくらいか分からない。 4人で連絡を密に取ることを約束して、 その日は解散しただろうか。
帰り際、一番最後になってしまったけれど。]
(5) 2023/08/23(Wed) 01時頃
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>>@2 ……………久しぶり。夏水。
長かったハロ役………お疲れさま。
がんばった、な。
[双子の兄を看取る戦いから始めて、 自分が受け持つ最終戦まで立派にこなした彼女を。
理不尽な思いに駆られることもたくさんあった筈だけれど、 僕は、僕だけは、労わろうと思う。]**
(6) 2023/08/23(Wed) 01時頃
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[>>@9 花火大会??何の話をしているのだろう。 頬を膨らませている姿はハロの面影があった。かもしれない。
加賀先生の、>>@10『長い手足が短くなっちまう』には、笑うところではないと思いつつも少し笑ってしまったが。 次の夏水の言葉には。>>@11]
……、……〜っば、
[やるか馬鹿!と以前の調子で言いそうになるけど、 彼女が頑張ってきたのは本当だから。 身近で見てきたから。 周囲を気にしつつ、咳払いを一つして。 "……ほんとにおつかれ。"とか言いながら撫でた。]*
(14) 2023/08/23(Wed) 02時頃
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──その後・本郷さんとのLINE──
[最終戦の直ぐ後だったか、本郷さんから個別LINEが届いて。 あまり残された時間がないことは分かっていたから、基本、連絡には即レスしていた。]
💬 ああうん。ゲーム好きだから、つい。 本郷さんも好きなんだろうなってのは、何となく分かってたよ。戦闘の時のアドバイスが玄人だし。てかゲーミングチェアだしw
時間とるのは、いつでも。 でもゲームすると言う事だったら、うち、祖父母二人暮らしだった家にいるから何もないんだよね……。問題ないなら本郷さんの家か、もしくはネカフェ……ゲーム機持ち込んで視聴覚室……?
[学校は今や使われていないから、視聴覚室が無事なのか分からないが、いくつか提案しつつ。 最終的には、本郷さんの希望に合わせることにした。]*
(15) 2023/08/23(Wed) 02時頃
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──本郷さんとのLINE>>23>>24──
[隠してたのに、という一文に思わずふっと笑う。 椅子もそうだし、ゲームでもしてなければあんな戦闘アドバイスは女子にはなかなか……。]
💬 分かった、じゃ本郷さんの家にお邪魔するよ。 住所送ってもらえたら自力で行くね。
夏水?うん。僕からも言うけど。 ああ、野宿させるわけにいかないからうちにいるよ。 ……大丈夫、ちゃんと別々で寝てる 🐱(真面目顔のネコスタンプ)
[リアルに突っ込まれたら動揺しそうだったけど文章なので冷静に返す。LINEでよかった。]
(26) 2023/08/23(Wed) 12時半頃
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[後日訪れた本郷さんの部屋は、参考書と本で埋まっていて、いかにも優等生な感じだった。それからゲーミングPCと、見覚えのあるゲーミングチェア………コックピットで見ている椅子の現物。少し複雑な気分になる。 枕元には鮭に食われる木彫りのクマと、変形したさるぼぼがあったけど、あまり女子のベッドをじろじろ見るのも何なので突っ込まず。]
うん。こっち来てから全然やれてないけど、 自宅では毎晩のようにやってた。 オンラインのFPSが多かったけど何でも好きだよ。
そういえば乾の家でやったスマブラも面白かったな…
[そんな雑談をかわしつつ、勧められるゲームがあるなら乾の時と同じく、本郷さんの好きなやつに合わせたよ思う。]*
(27) 2023/08/23(Wed) 13時頃
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──解散時の話──
[頭を出してナデナデをねだるポーズを自分で取っておきながらその反応は何?>>@13 ふと、ハロを撫でようとしたら拒否られたのを思い出して。]
……頭突きされなくてよかった。
ていうか。 ハロの時は睡眠とか要らなかっただろうけどもう普通の人間だから……、うち来る?
[ハロであれば適当に記憶改竄を使ってホテルでも誰かの家にでも入り込めただろうけど、夏水に戻った今はそんな能力もない。 ……祖父母を避難させておいて良かったかも。 僕は、あらためて大和に感謝をした。]*
(28) 2023/08/23(Wed) 13時頃
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──解散時の話──
>>@19 ……いや。怒るだろうと思ってはいたし。 ……むしろごめん。
[僕は何度も、自分は誰より適しているのに何故パイロットとして死ねないんだ。という話を、ハロにしてしまった。 それは紛うこと無き本心だったけど ハロが怒る理由は、分かる。 ………分かっている。]
>>@20 学校は崩れてる部分も多いからさすがに危ない。 そもそも天文部室じゃベッドすらないし……床に寝るわけにいかないだろ。
[そう言って、夏水はうちに来てもらう事にして。 僕は、最後に天文部室に行きたかったな、と少し考えていた。あそこは好きな本がたくさんある、もはや自分にとって大事な場所になっていたから………。]*
(29) 2023/08/23(Wed) 14時半頃
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──夏祭りの前──
[花火大会はどこかのタイミングで夏水に誘われて。 彼女はハロであるうちに、自分の手持ちと同じデザインの浴衣を複製?していたらしい。便利なことしてるなあ、と感心しつつ。
今いる天道家は、縁士のいない家だから僕の浴衣がある筈もないんだけど。ワンチャン祖父の浴衣があるんじゃないかな、と1階の和箪笥を漁ってみる。 縞模様のしじら織り浴衣がほどなくして見つかった。渋すぎるけど、まあいいだろう。
浴衣って着付けとかあるのか?分からないので適当に着て。 夏水の準備が出来たら、加賀先生と本郷さんの待つ場所に一緒に向かう。]*
(30) 2023/08/23(Wed) 14時半頃
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──花火大会の日──
[見覚えのある浴衣を着て>>@23、嬉しそうな夏水と一緒に家を出る。去年も永と縁牙を入れた4人で花火を見に行った気がするけど。こっちの地球でも行くことになるとは思わなかった。
待ち合わせ場所で加賀先生と合流してしばらく後、本郷さんが現れた。夏水が彼女に向かって手を振る。 女の子の浴衣は2人ともよく似合っていて。しかし褒めるのは結構気恥ずかしい。ここは加賀先生が何か言ってくれるに違いない。 本郷さんは、先生が浴衣じゃないことに不満そうなので。]
先生、浴衣着る気があるならその辺にレンタルの店あるんじゃない?
[丁度レンタル料2500円〜とかの看板が出ている店があるので指さして見せる。先生次第だけど。大人だからお金はあるよね?という目で見ながら。]
(35) 2023/08/23(Wed) 17時半頃
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>>32 写真か……そういえば合宿でも集合写真みたいなのは撮らなかったね。あちこち乾が撮影しに来てはいたけど。 今日はどっかで撮ろ。
[部員じゃないし、と本郷さんが付け足すのを聞いて。 今ここにはもういない、天文部員の皆の事を思う。
周辺はまだ明るかったので、ゆっくりと会場に向かった。]*
(36) 2023/08/23(Wed) 17時半頃
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──本郷さんの自宅──
うん。乾が呼ばれた後だったから……結構最近。 真面目な話でもするかと思ってたんだけど、ゲームしただけで終わったかな。……楽しかったよ。
[そんな話をしながら、コントローラーを一つ受け取って。 椅子を勧められればそこに座るが床に座ってもいい。ただベッドは避けた。]
コッパーヘッド。へー、知らないゲームだ。 ていうか本郷さんもFPSやるの?しかも毎晩!? 外人とやってたって事はオンラインだし、遊んでるやつ被ってそうだなあ。
[オンラインで遊んでいるのなら、どこかで対戦した事もあるかもしれない──、と言いかけてやめた。そういえば僕とは元々住んでいる地球が違うのだから、それはあり得ないのだった……。 でも、似たような時間の使い方をしているということだ。僕も読書かゲームかという感じだったし、思えば自室の様子も似ているかもしれない。本郷さんの部屋のほうが参考書が多い気がするけど。だいぶ親近感を持った。]
(37) 2023/08/23(Wed) 18時頃
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[協力型ゲームということで2Pカラーの青を選び、チュートリアルを熟読してから開始する。難易度高い、とは聞いたけど確かに難しかった。 最初は本郷さんのプレイを見ながら、何度か死につつ敵の攻撃パターンを覚えて行く。レトロアニメ調の画面で目が楽しい。 途中、星座モチーフに変身するボスも居たりして、"あ、射手座"とかいちいち呟きながらショットを撃つ。
二人ともゲーマーなだけあってしばらく夢中で遊んでいたが、少し休憩を入れてる時に夏水の名前が出て>>34、一瞬固まる。]
えっ!?
……いや……夏水は。 ………弟が好きだったんだよ。
[答えになっていないけど。事実を述べた。]*
(38) 2023/08/23(Wed) 18時頃
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──部長戦の少し後──
[本郷さんとLINEして、彼女の家に行く前日だったか。 "夏水さんには私から伝えとく"と聞いていたものの、家を空けるわけなので、一応自分の口からも言っておくことにした。 風呂上がりに冷えたお茶を取りに来たタイミングで、居間にいた夏水に声をかける。]
──あ。本郷さんから聞いてると思うけど、明日、家に行って来るから。 なんか打ち合わせしたいみたい。
[何となくゲームするとかは言わず打ち合わせの体で。ダメとは言わないだろうけど顔色を伺う。]*
(44) 2023/08/23(Wed) 21時頃
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──本郷さんの自宅──
[しまった、と思った。実は、『夏水のことを好きなのは、弟の縁牙だよ』と言いたかったのだけど、言い回しがまずいせいで勘違いされてしまった……。>>42 でも、夏水も縁牙の事が好きだった気がするから間違ってはいないだろう……。と開き直り始める。]
縁牙は、僕と違って陽キャというか…。 いつもニコニコしてて誰とでも仲良くできるタイプ。 ……あ、柊木にちょっと似てたかもしれない。顔は僕と同じだけど。
夏水も陽キャだし、両想いだったんじゃないかな。うん。
[話しているうちに何となくそんな気がしてきてしまう。 というより、僕は元々そう思っていたのかもしれない。 縁牙がもうこの世のどこにも居ない事が、心に影を落とした。]
(45) 2023/08/23(Wed) 21時頃
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[休憩を終えて、続きを始める。初めて操作した割には上手いのではないだろうか?と思うが、それより本郷さんのプレイが上手すぎて。サクサク進むのはそのお陰かもしれない。 バトルの合間を縫って、さっきの話の続きを振る。]
そういえば、合宿の時あんまり本郷さんと話してなかったな、僕。 ……永とはあれが最後になるから、初対面を装ってたわりに仲良くしてたけど。
[本郷さんが永と線香花火対決?してた光景を、ぼんやり思い出して。]
本郷さんは? 好きな人いないの?
[流れ的に聞いてもいいよね?と思い、さらりと話題にした。もちろん予想なんかは全然ついておらず。]*
(46) 2023/08/23(Wed) 21時頃
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―─花火会場─―
[レンタル浴衣を先生に教えた自分を褒めたい。 本郷さん>>39と目が合ったら軽くサムズアップしておいた。 まんまと浴衣を着た先生>>@34が、本郷さんに"お前も可愛いよ"と言って。彼女がどんな反応をしたかじっと見てしまう。先生くらい大人になったらあんな事をしれっと真顔で言えるようになるのだろうか。
河川敷に着く頃には、空が夕焼けに染まっていて。]
……まだ花火始まってないけど、きれいだね。
[夕暮れの空がきれいに入るように、4人で写真を撮って。 スマホを変えながら何枚か撮ったあとに、 "先生と本郷さん、ツーショで撮ろうか?" などと申告をしてみる。]*
(49) 2023/08/23(Wed) 21時半頃
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──本郷さんの自宅──
うん。縁牙は中学の頃から弓道部のエースだったし勉強も出来たし、女子に人気あったと思う。僕はまあほら愛想も無いし、うん……
[バレンタインなんかは同程度に貰っていたけど、弟と同じ顔だからだろうな………とか余計な話までしつつ、ラスボス戦の辺りで。 僕のその手の話題を振ったのだからここまで想定してたと思っていたけど、意外に動揺させてしまって。>>51 相手の名前を聞くと、ああ、と頷いた。]
加賀先生か。まあ、わかる。 いやそういう意味じゃなく……大人でいいよね。 てか、告白したんだ? ……偉いな。
[動揺させすぎて、ミスって死んでしまった。僕のキャラも釣られて死んでしまう。コンティニュー画面を眺めながら続けた。]
僕は加賀先生のことをよく知らないけど……生徒に告白されても応えなさそうに見える。そういう人だからこそ好き……ってことない?わかんないけど。
(54) 2023/08/23(Wed) 22時半頃
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[女子の恋愛感情なんて僕にはよく分からないので、知ったかぶり過ぎたかな、と即反省しつつ。]
でも本郷さんは告白した。 偉い。
心のうちは言葉にしないと分からないもんね。
[キャラクターが復活したら、ラスボス戦に挑む。僕は、本郷さんの足手まといにならないように動かすので精一杯だったけれど。ショットを撃ちながら話を続けた。]
………僕、天文部の合宿で思ったんだけど。「今見ている星も、実はもう宇宙には存在しないかもしれない」って話あるじゃん。星自体は消滅してるけど、地球に光だけ届いてるってやつ。 でも望遠鏡で星を見たら、この一瞬の瞬きが尊いなっていうか…
もう存在しない星かもしれないけれど、その光は本物で。目に焼き付けたいなと。
(55) 2023/08/23(Wed) 22時半頃
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[───だから告白してダメだったとしても、その本物の思いは加賀先生の中に光として残るんじゃないかな………加賀先生にだけ届いた光、だと思うと、なんて尊い───、
って話をしたかったんだけど、途中で恥ずかしくなってきて打ち切ってしまった。僕はこれだからあれだと思う。 それに、もう存在しない星の話は、ダメだったかもしれない。 本郷さんはもうすぐ。]
──あ、これ行ける!行けそう!!
[再チャレンジしたラスボス戦は、果たして。]*
(56) 2023/08/23(Wed) 22時半頃
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──花火大会──
[並ぶ加賀先生と本郷さんを微笑ましく見つつ、何枚かスマホのカメラに収めて。 撮った写真をその場で交換し合う。 これも、大事な思い出になるんだろうな。
ふと、アルバムを見ていると上部に"去年の今ごろ何してた?(What were you doing this time last year?)"という通知があって。 丁度1年前にも祭りだか花火大会だかに行っていたらしく、夏水が1人で写っている浴衣姿のフォトが表示されていた。 今回持ってきているのとまったく同じ柄だ。 僕は思わず、夏水にスマホを見せた。]
──見てこれ、去年のやつ。 今回のと同じ浴衣だ。 写ってないけど永と縁牙もその辺に………。
[ここまで話して僕は、……しまった、という顔をした。 これは僕が隠し撮りした夏水だから、単独で写っているんだった。 おいアルバム、こんなの表示してくるな馬鹿。]
(60) 2023/08/23(Wed) 22時半頃
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[夏水は気付いてないかな??思わず話を切ってしまうが、 その瞬間、開始のアナウンスが流れて。 夜空に、鳴り響く音とともに大きな花火が打ち上がった。]
………うわ、すご。
[思わず見入ってしまう。
最初はスタンダードなものから、だんだんと派手なものへ。演出がとても凝っていて、ぽかんと見つめてしまう。
人生のうち、花火大会に何度行くのか分からないけど。 別の地球で見た、この花火は。 強く思い出に残るだろうな。と思った。]*
(61) 2023/08/23(Wed) 22時半頃
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──本郷さんの自宅──
───よしっ!!やったぜ!!!
[途中少し話しながらだったけど、見事にラスボスを撃破して。 本郷さんはめちゃくちゃ喜んでいて、ガッツポーズまでしていた。その姿が、意外なんだけど、そうかむしろこれが本郷さんなんだ、なんて──。 それから、許されるなら片手でハイタッチして。なんだろうこれ、戦友? エンディングを眺めながら、また話をした。]
本郷さんが面白みない事はないでしょ。 ていうか勝った時めちゃくちゃ喜んでて面白かった。いや、面白いって褒め言葉だから──。 ……そういうとこ普段から表に出してもいいのに。
[むしろこんな無邪気に喜ぶ彼女の姿を、加賀先生にこそ見せたいな、なんて僕は思っていた。]*
(64) 2023/08/23(Wed) 23時頃
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──花火大会>>@48──
[しばらく4人で、夜空に咲く花火を眺めて。 ちらっと隣の夏水を見ると、まだ眼の端が潤んでいるような気がした。さっきうっかり見せてしまった去年の写真のせいだ。僕が永や縁牙の名前を出したから──。 夏水の頭をポンポンとして、撫でて、ぽつりと謝った。]
……ごめん。
[花火の音が大きくて聞こえないかもしれないけど、聞こえないならそれはそれで。と考えて呟く。]
……二人になっちゃったけど、来年も花火大会行こ。
行けるなら再来年も。 ……夏水が僕を必要としなくなるまではずっと。
[ドーン!と凄い音がして、一際大きな花火が上がる。 僕は弟と交わした約束のことを思い出していた。]*
(68) 2023/08/23(Wed) 23時半頃
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──本郷さんの家で──
調子乗ってると思われたくないのちょっと分かるような気もする。成績よすぎると、なんかね。 僕の弟は頭良くても全然敵を作らないタイプだったけど、僕はダメだったから……つい、憮然とした顔を作ってしまうというか。
[友達いなくても楽、もだいぶ分かる感覚だった。 僕は長らくそんなだったのに、七星兄妹とは仲良くなってしまったから、あの二人が本当に特別だったんだけど……。 でも、こんな話をする相手も、本郷さんが初めてだったかもしれない。 もうちょっと早くそうしてればよかった、には。]
……今からでもできるんじゃない? 本当の自分を見てほしい人がまだいるなら。 ………勝った時の本郷さん、すごく良かったよ。
[良かった、なんて変な表現だけどそれが一番近いような気がして。うまく表現は出来なかったけど、あの彼女を見たら、もっと沢山一緒にゲームして遊びたかったなと僕は思った。彼女も僕も強いし、色んな敵を倒してさぞ爽快だっただろう。帰り際だったか、僕は彼女に言った。]
──そうだ。もしよかったら、オンラインで遊んでる時のハンドル教えてくれる…? 僕は、"en"もしくは"en0910"で……。**
(81) 2023/08/24(Thu) 00時頃
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──花火大会──
[花火大会はますます激しくなって、音楽と花火のコラボ"ハナビリュージョン"が始まる。 打ち上げ音も相俟って、隣にいる人の声も聞こえないような状態だったはずだけど、夏水の言った事>>@50は僕の耳にしっかり届いていた。]
……………本当にずっと、でもいいよ。
[夜空を照らして散る花火と、音楽。 多分聴こえないだろう、むしろ聴こえなくていいと思って、敢えて音が特に激しい時にそう言った。]*
(82) 2023/08/24(Thu) 00時半頃
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──転送前・花火大会>>@54──
[聞こえていない前提で言った事だったけど、しっかり耳に届いてしまっていたらしく。 花火の音に紛れて聞こえて来た返事に思わず、えっ?と言う顔で夏水の顔を見る。 以前の僕だったら正気か?とか軽口で返したかもしれないけど、今はそんなことを吐けないメンタルになっていた。もう、フォローしてくれる縁牙も永もいないのだ。 人は、いともあっさり居なくなる。 宇宙からすれば一瞬で終わる僕等の命。まさに今見ている、花火のような…… 約束ね、という言葉には何も返さなかったけど、大き目の花火が夜空に弾けて轟音が鳴り響いた時、隣の夏水の手をぎゅっと握った。しばらくそのままで花火の終わりを見ていた。]*
(97) 2023/08/24(Thu) 11時半頃
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──その後。──
[花火大会からほどなくして、その日が来た。>>#2 この数か月、ずっと見てきた謎生物。今は、中身が加賀先生だった。本郷さんが"かわいくなっちゃいましたね"と言うのに、申し訳ないけど笑いを堪える。笑ってはいけない、と我慢してたのに横にいる夏水は噴き出していた。そういうとこだぞ。]
……7体か。パイロットも最低7人……。 うん、大丈夫。行こう。
[>>85本郷さんの、"私達なら、なんとかできます"にしっかり頷いて。 僕等は旅立った。]*
(98) 2023/08/24(Thu) 11時半頃
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[新しい地球では、僕は前と同じように、パイロット候補の生徒たちと同じ高校に入って。 加賀先生──今はこう呼んでおく、の能力で、適当な記憶改竄をしてもらって、天文部に入った。 今回は最初から天文部だ。
僕は、さも昔から天文部に居たかのように、星に詳しかった。
前回よりも日数はかからず、秋休み中の合宿の日となる。合宿先では、案内役の少女として、本郷さんと再会することになるだろう──。]*
(99) 2023/08/24(Thu) 12時頃
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──コックピット──
[転送先では、とても懐かしい光景を目の当たりにすることになる。 何も無い空間に並ぶ、よく知った椅子──。
最後まで残されるみんなを気に掛けてくれた、康生の病院ベッド。 僕等と一緒に戦ってくれた、そして僕に席を貸してくれた、達見さんの書斎椅子。 自分の信じるままに生き切った乾のyogibo。 珊瑚さんとの存在の証、星座を描いていった大和の自転車フレーム。 1年生なのに初戦を戦い抜いてくれた、七尾さんのビーズクッション。 最後の最後に契約して戦った、部長の木の椅子。 そして。
──引継ぎ戦に出撃する、中央のゲーミングチェア。本郷さん。
僕にはこれが、最後に目にする戦いとなるだろう。自分の地球から数えて半年以上にも渡った、長い長い戦いの、実質的な最終戦。]
(100) 2023/08/24(Thu) 12時頃
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[本郷さんが部員たちに静かに話しかける。この戦いの説明。 ──僕にとってこの光景は、3回目。 1回目は、前の地球のココペリが。 2回目は、永が。 そして3回目。本郷さん──。
彼女は、とても毅然として彼らに語り掛けていた。 こんなことはとても彼女には言えないのだけれど、 僕は、本郷さんが引継ぎ戦でよかった、と思っていた。
引継ぎパイロットは、戦うだけでなく、現地の地球人を騙して契約させる役割も持つ。その負担は計り知れない。 だけど仕方がないことだ。そうしなければ自分の地球が消滅する。これまでの戦いも無に帰してしまうのだから。
僕は、永を思い出していた。
そして今、その役割を担った本郷さんが、僕等にとって最後の敵と対峙する。]*
(101) 2023/08/24(Thu) 12時頃
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──コックピット──
[敵機の形状はこれまた斬新だった。皇帝ペンギンってこと? 本郷さんは色々と計算しながら迎え撃とうとしていた。アストロの腕の長さなんて把握してたんだ、と普通に驚くとともに感心してしまう。]
多少は揺れるから、みんな下がって見てて。 そして、これはゲームじゃないから。 本郷さんの邪魔は絶対しないで!
──話すのが遅れてごめん、僕は、本郷さんの仲間。 だから契約はしてないけど──、全力でサポートしていく。
[今回の僕は、契約者のみんなにはすぐに正体を明かすと決めていた。前回を踏まえると、それが一番シンプルで良いと思ったし、心置きなく補助に徹する事が出来るから。 それに、この契約に至るまでの責任を分散させたいと考えていた。 永には、すべて背負わせてしまっていたから。]
(106) 2023/08/24(Thu) 15時半頃
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[アストロがレーザーを撃ち込むと、ペンギン型の敵機はバリアで防いだ。直後に飛んできた極太のビームが、この地球の町や山を削る。すごい出力だ。契約者のみんなの中には、自分の住む町が破壊されて目を覆う者もいただろう。]
……うっわ、強いな……。 って、次が来る、危ない!!
[掛け声と同時に目から追撃のビームが飛んでくる。 炎に包まれた町を回りながら逃げ、少しずつ距離を縮めていくアストロ。背後からの攻撃なら行ける、と思ったが、ペンギンの腕がぎゅるんと伸びてきて攻撃を受けた。>>103]
前後左右に死角なしかよ……チートすぎない?
(107) 2023/08/24(Thu) 15時半頃
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[死角、死角……前後左右がダメなら、と敵機を見ながら考える。]
……あの形状だと、頭上は見えないんじゃない? 頭部の王冠が、どうなってるのか分からないのが不安点だけど……。 もしくは、いっそ足の真下。
[真上に飛んで頭上から、もしくは、アストロは自転車フォームがあったくらいだし、下部をスクリュー状に変形させて地下から攻撃するとか……色々考え付くものの、果たしてそんな事が可能なのかどうか。そもそも変形自体も、大和戦でしか見た事がなかった。]
うーーーんあと、ペンギンは穴にハマると足の構造からまず立てない! ゲームのボスで出たペンギンは大砲が弱点の事が多い!
[取り敢えず思いつく限りのことを言ってみるけど、本郷さんの思考の邪魔してそうなら黙ったかも。]*
(108) 2023/08/24(Thu) 15時半頃
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[戦っている本郷さんの傍には、 丁度、永の時にずっと見守っていたハロのように─── しっかりと、"センセイ"が付いていてくれていた。]* .
(109) 2023/08/24(Thu) 15時半頃
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──コックピット──
[敵機の頭上にあった王冠から、無差別に閃光が放たれて町を、山を文字通り焼いていく。 アスファルトが蒸発するほどの熱。]
うっわ、やばい……何だこれ……
[これまでの戦いとは比べ物にならないほどの被害が出ているのは一目瞭然だった。アストロは熱と光に耐えて立っているが、パイロットである本郷さんは。>>114>>115 悔しさにゲーミングチェアの肘掛けをドン、と叩いていた。]
落ち着いて……、
こんな出力あり得ない。 必ずエネルギー切れを起こす筈!
(117) 2023/08/24(Thu) 20時半頃
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>>116 本郷さん!しっかり!
大丈夫!本郷さんは強いし、──みんなついてる。
[みんな───、もう、椅子に座っているパイロットは本郷さん一人だけど。みんなの椅子は確かにそこにある。主を失くしても、じっと僕等の戦いを見守っている。]*
(118) 2023/08/24(Thu) 20時半頃
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[の、飲み物!?さすがに持ってない。]
センセイ!!!飲み物ください!!!
[センセイは先生なので、どうしても敬語は取れない。 あの能力があれば、なんか出せる筈。なんか。]
(125) 2023/08/24(Thu) 22時頃
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[敵機から容赦なく降って来る弾幕を見事に避けながら、アストロがレーザーを撃ち込む。 ついに左翼が吹き飛んで、思わず契約者の何人かから感嘆の声が漏れはじめた。]
──行けっ!!そこ!!うまい!!
[さすがに弾幕避けが手慣れすぎていて。思わずゲーセンで友達のプレイを応援しているような声掛けになってしまっている。 休まず撃ち込まれるレーザーに、弾けるように敵機の右翼が吹っ飛んだ。]*
(126) 2023/08/24(Thu) 22時頃
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[心が研ぎ澄まされると、このアストロのモニタもゲーム画面のように見えてくるかもしれない。ゲーマーなら分かると思うけど、避けて撃ちまくって、ハイになる状態。 集中力が跳ねあがるあの感覚。 余計なことは考えられなくなって、 目の前の目標に打ち込む、弾幕を避ける、 出せる能力をすべて注ぎ込むことのできる瞬間。
本郷さんは今とても落ち着いて。 とうとう。 、、、、 ラスボスの───動きが、静止した。]
………弾幕切れだ。
勝てる。
[アストロが、全速力で走り出した。]*
(134) 2023/08/24(Thu) 22時半頃
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[敵機からはもう、反撃の光もバリアも出てこなかった。 アストロに激しく殴りつけられ、頭部は原型をとどめないほどに崩れ。最後の手刀を撃ち込まれた瞬間、静止していた機体は花火のように弾け散った。
本郷さんが契約者のみんなに、語り掛ける。 全員、静まり返って耳を傾けて。
きっと、いい子たちなのだろうな。
──中から出て来た核を拾い上げたアストロは。 静かに『それ』を握り潰す。 僕は眼を逸らさずにしっかり最後まで見ていた。]
(139) 2023/08/24(Thu) 23時頃
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……、
………終わっ……た?
[潰された核。敵機体は、跡形もなく。 焼け野原になった町に静寂が訪れる。 しばらくしたら、この地球のヘリの音でもしただろうか。]*
(140) 2023/08/24(Thu) 23時頃
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[本郷さんの話を最後まで黙って聞いているみんな。 徐々に、空向こうにヘリが見え始める。 この地球とのお別れも近いことを感じ取る。
ゲーミングチェアの彼女に向き直ると。]
本郷さん、まじでかっこよかった。
……こないだのラスボスもほぼ本郷さんが倒しちゃったけど、あの時の比じゃないね。強かった……。よく、やったよ
[>>@85 センセイには、小さく首を振った。 僕から言えることなんて、もう何も無い。]*
(143) 2023/08/24(Thu) 23時半頃
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──本郷 真弓──
僕も、本郷さんは友達だと思ってる。
[彼らの地球は守られた。 僕の、長かった旅もこれで終わった。 誰が死んだ時も涙なんて出なかったんだけど、今、何故か泣きそうになっている。 拳で瞼を拭って、 本郷さんとセンセイの最後を、邪魔しないように後ろを向いた。]
……見てないから。
[誇り高く最後まで戦った彼女の姿は、 もう目に焼き付けた。]
(146) 2023/08/24(Thu) 23時半頃
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[本郷さんについて最初に思い出せる光景は、 あの夏合宿の日に、永と線香花火対決をしている姿だった。 内容は詳しく聞かなかったけど、直前に僕もやっていたから。あ、永がまた線香花火で戦ってる、なんて。
最後の普通の思い出は、先生と夏水も一緒に4人で花火大会に行った光景だから、僕にとっての本郷さんは、意外にも花火の記憶と結びついている。
これからの一生、花火を見るたびに彼女のことを思い出すのかもしれない。 頼りない手持ち花火で、夜空に轟く打ち上げ花火で。]
(148) 2023/08/24(Thu) 23時半頃
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[本郷さんは最後の、最高のパイロットだった。 みんなの意志を最後まで繋げて。
ずっと夜のままだった僕の心の中、 この戦いで出会ったみんなが星座のように輝いている。]**
(149) 2023/08/24(Thu) 23時半頃
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