31 私を■したあなたたちへ
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――ホテルのロビー
[昨日は管理棟で寝たため、 ホテルに足を踏み入れるのは初めてだ。 手荷物をフロントのモナリザへ預けて 部屋まで運んでもらうことにして。]
コーヒーと、ロビーじゃ 例のオムレツは食えないんだっけか。 じゃあ、カレーにするわ。 甘くないヤツがいい。
[そんな注文をロボットが理解したかどうか、 中村がやってくるまでの間、腹ごしらえをする。*]
(143) 2023/11/21(Tue) 23時半頃
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灰占道士 煙は、メモを貼った。
2023/11/21(Tue) 23時半頃
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[食事をし始めて間もなく、 中村から返信が来ていることに気付いた。 降りてくるなら再度の連絡は不要だろう。
運ばれてきたカレーは、具が全て 星型や球形にくり抜かれたもので、 見た瞬間察したが、やはり子供でも食べられる 辛さになっていた。 >>144 昨日見た時と打って変わった派手な恰好で その男が現れたのは、大方食べ終わった頃。]
中村……キラ様だな、 るくあからよくアンタのこと聞かされてたよ。
[行儀悪くスプーンを揺らして挨拶を。 視線で、向いの席を示す。*]
(145) 2023/11/21(Tue) 23時半頃
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――ホテルロビー
[>>151 るくあから話は聞いていたが、 男の素顔は勿論、舞台上での姿も見たことがない。 調査報告などで写真と、先日視線を交わしただけ、 初対面といっていいだろう。
生で見ると有名人ならではの迫力のようなものがある。 歌舞伎の女形という言葉だけの印象から、 優男を描いていたが、細身ながらも 身体つきはしっかりしていた。]
個人的な付き合いはなかった……。
[中村の言葉を復唱する。]
(153) 2023/11/22(Wed) 00時頃
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[一般人のファンの女性……しかも当時は高校生と 付き合いがあるとは嘘でも真でも言えないだろう。 口許を紙ナプキンで拭いて、コーヒーを一口啜った。]
(154) 2023/11/22(Wed) 00時頃
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中村さん。そう、初めましてだ。 初めての人間と話題には不適切ではあるんだが……。
招待客全員と会ったんだよ。 中学時代の、菊水先生とは殆ど話してないが、 何でここに招ばれたか首を捻る程度には るくあとの接点が薄い。
まあ、どこで何があるかは判らんがね。 それでだ、他のヤツらと話して、 まあ個性的なヤツばっかりだとは思うが、 そうだな、殺人となるとピンと来ないんだ。 肌勘ってヤツだ。 いや、アンタがピンと来るとは言ってないぜ。 ただ……どうなんだ? 心当たり、あるかい?
(155) 2023/11/22(Wed) 00時頃
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[己がやり始めたこと。 ならばと、努めて、常の振舞いを 意識した語り口で尋ねた。
実の妹ではなかったるくあ。 人の心を堂の程度かは判らないが――操ることが できたらしい彼女。 前提から間違えているかもしれない『犯行』の それでも、真相を見つけ出したいのだ。*]
(156) 2023/11/22(Wed) 00時頃
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[>>161 柔和な表情を浮かべながらも、 己を視る視線に探るような色を感じ取ったのは、 こちらにも同じ意図があったためだろう。
芝居となれば比べるべくもなく、 あちらの方が役者は上だ。 だから小細工は捨てたほうがいい。 それに、もうする必要も感じていなかった。]
……覚えていない?
[>>162 中村の言葉に眉を顰める。 それなら、己にも覚えがあるからだ。 いつ、どこでるくあと出会ったのか、 彼女の言葉の響きは覚えているものの>>2:396 いつから兄妹になったのかさえも。]
(166) 2023/11/22(Wed) 00時半頃
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アンタもそうなんだな。
[るくあの特殊能力とやらについて、 知っていることは殆どない。 地下を探せば情報があるかもしれないが、 己の理解ではせいぜい催眠術のようなものと 考えていた。]
もし、犯人にも、るくあの力が及んでいたとしたら、 アイツの死は何になるんだろうな。
[どうせ殺すなら、せめて殺意を持って葬って欲しかった。 身勝手な感情が沸き起こる。]
(167) 2023/11/22(Wed) 00時半頃
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……そうか。 他に、犯人……気になるヤツとか、 気づいたこともありはしないか?
あぁ、俺に何か聞きたいことでもあれば、 そいつにも答えるが。
[LINEに名を連ねているからという説明と、 るくあの彼への熱心さを知っている身としては、 案外納得してしまう。*]
(168) 2023/11/22(Wed) 00時半頃
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灰占道士 煙は、メモを貼った。
2023/11/22(Wed) 01時頃
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[>>169 問い返す声に、短く、 しかしはっきりと頷く。]
そう。 俺たちは実の兄妹ではなかったらしい。 が、俺はそう思い込んでいた。
[>>170 続く名前。 黒ではなく先に白を挙げるということは、 この男も当たりがついていないのだろうか。]
(176) 2023/11/22(Wed) 01時頃
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お嬢……ああ、雛ちゃんか。 そういや、昨日一緒にいたな。 まあ、あの子は俺も特に疑っちゃいない。
[雛子が自分から犯人と言い出す? 少し引っかかりを覚えながらも、切り上げらしい。 冷えたコーヒーをもう一口だけ含ませて、立ち上がる。]
ああ、待ってるよ。
[告げて、ロビーを後にした。 るくあについて記憶が曖昧であるという話で、 それ以上追及できなくなったが。 >>155 肌勘での否は働かなかった。**]
(177) 2023/11/22(Wed) 01時頃
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灰占道士 煙は、メモを貼った。
2023/11/22(Wed) 01時頃
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――ホテル・311号室
[中村と別れ、ホテルのベッドに倒れ込む。 別段眠くはない。 白い壁に目を向けていたものの、 不鮮明で取り留めない思考のただ中にあった。 目立たない彩度で配慮された壁の模様を>>2;24 認識することもままならず。]
…………。
[いつ連絡先を交換したか覚えてない、と 中村は言っていた。 いつ妹に会ったか覚えてない己と。黒須は? 彼にも何からの影響を及ぼしているのだろうか。]
(209) 2023/11/22(Wed) 11時頃
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お前は、それを知っていたのか?
[さすがに何もかもとはいかないだろうが。 人の意志を操って望みを叶えられる力を。
気付いたとき、どう思っただろう。 喜んだ? それとも。]
――――死にたかった?
[目を閉じて、深い溜息を吐いた。**]
(210) 2023/11/22(Wed) 11時頃
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――夕方:ホテル
[気が付くと日が暮れていた。 ベッドから起き上がり身支度を整えると、 アポロで一通メッセージを送る。
ホテルの廊下にはピンクのリボンピンと>>2:57 胸部にマニキュアで深紅のハートマークが 塗られたモナリザが移動していた。>>2:266 呼び止めて、片手に収まる程度の小包を渡す。]
このゲストに届けて欲しい。 おっと、扱いは丁重にな。
[ホテルのロボットはいつもより少ない。 パレードに駆り出されているためだ。 遠くから鳴り響く音楽。そろそろ開始の時間だ。]
(230) 2023/11/22(Wed) 14時頃
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[青年が受け取ったかどうかは兎も角。 小包には「適当に処分してくれ」と付箋の貼られた 爆発物の起爆装置らしきものと、 赤い×印でマーキングされたマップデータ。 それに、島の権利書が同梱されていた。*]
(231) 2023/11/22(Wed) 14時頃
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[ホテルを出て、 ロボットの楽隊が奏でる賑やかな音楽をBGMに、 ぶらり歩く。 >>186 中村が想像した通り、己を形作る基盤は 心許ないものとなっていた。 今となってはそんなものがあったかさえ、 判らない。
パレードの明かりが作り出す、 色とりどりの華やかな光を通して、 記憶の中のるくあの像が揺れている。]
片を付けないとなァ。
[独り言ちて、幸せそうな音の波に 背を向けた。**]
(233) 2023/11/22(Wed) 14時頃
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灰占道士 煙は、メモを貼った。
2023/11/22(Wed) 14時頃
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[中村のメッセージに気づいたのは、 どこかの通りを歩く途中。
一斉送信での告白に、やはり、と 得心のいく感情が湧く。 己と同じく不明瞭な記憶があったという 中村の話を聞いた後だからか、>>162 当初とは心境が変わっていたためか、 憎悪の念は起きなかった。]
毒。
[るくあを死に至らしめた手段。]
(242) 2023/11/22(Wed) 16時頃
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[毒を渡したとき、中村に伝えたという 「しあわせ」その言葉を信じたいと思う。 最期の瞬間も、 辛く苦しいものでなかったと 願ってもいいだろうか。]
……近くにいたのに、 気づいてやれなくて……ごめんな。
[呟いて、向かう先は銀の館。**]
(243) 2023/11/22(Wed) 16時頃
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灰占道士 煙は、メモを貼った。
2023/11/22(Wed) 16時頃
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――銀の館
[昼間に訪れたときは、 館内の暗さと外の明るさが際立っていたが、 夜も暮れた時分だ。 足を踏み入れた瞬間の相違は少ない。
地下に向かおうと、隠し通路への入り口は、 どこであったか思い出しながら、 星の瞬きを頼りに館内を歩く。]
……誰だ?
[>>241 奥まった部屋の中央近くの人影に、 声を投げる。**]
(244) 2023/11/22(Wed) 16時半頃
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灰占道士 煙は、メモを貼った。
2023/11/22(Wed) 16時半頃
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[自身で自由に天体を投影できる操作盤を、 弄っていたらしい。 その人物を取り巻くように、 幾つもの星々がそこかしこに映っていた。 季節的に同時に見えるはずのない星座が 隣に並んで瞬いていたり、なかなかユニークな光景だ。
声をかけたものの、刹那、 その星座の輝きに興味が向かう。]
アンタか。 パレードには行かないのか?
[驚かせてしまったらしい。 声で正体は判明するも、顔は殆ど見えない 相手に問いを投げた後、]
(253) 2023/11/22(Wed) 18時頃
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ちょっと、用向きがあってね。 嬢ちゃんはここに、一人で星を見に? ……いい夜だ。 この時間なら、外でも綺麗な星が拝める。
[星と星を繋ぐ光の線は、天然の夜空には 備わっていないが。 外に行くことを勧めるような口ぶりで。**]
(254) 2023/11/22(Wed) 18時頃
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灰占道士 煙は、メモを貼った。
2023/11/22(Wed) 18時頃
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[ひとつ、またひとつ、 彼女を取り巻く星が消えていく。>>264
その間訪れた、静謐な筈の空間は、 気のせいだろうか、 口火の切られる瞬間が迫っているような、 緊張を孕んで。]
見た。 ……そうらしいな。
[彼女も確認したらしい、中村の告白について 頷いた。]
(271) 2023/11/22(Wed) 21時半頃
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[真っ直ぐに近づいて己を見上げる双眸。 惜しいな、と感じる。 そう感じてしまうことに、小さく笑った。]
変なこと? まさか俺が、後悔だか絶望だかして、 自害しようと考えてるとでも?
[射貫くような視線が、暗がりの中で仄か見える。 良い教師なんだろう、ふと、そんな感想を抱く。]
(272) 2023/11/22(Wed) 21時半頃
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半分、アタリだ。
実はな、……俺が死んだら、 救援が来ることになってるんだ。 このままだと多分、 かなり閉じ込められることになる。
[困るだろう? と首を傾げてみせて、 それから、暗い足元へ視線を落とす。]
(273) 2023/11/22(Wed) 21時半頃
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俺はね、嬢ちゃん。 いざとなれば、犯人ごと この島を爆破する心算だった。
アンタやら、馴染みの娘に……、 無関係のヤツらもいるってのにだ。
[己が犯人捜しに躍起に見えなかっただろう理由を、 自嘲気味に。 >>266 怒っているのだと彼女は言う。 皆の為に。そうなんだろう。 そこに己も含まれていることに気付かないほど 愚かではない。いや、愚かには違いないのだが。]
(274) 2023/11/22(Wed) 21時半頃
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だから、そんなヤツのことは 心配しなくていい。 怒ってやる必要もない。
だが、まあ、それは坂理くんに託した。 ヤツなら何とかするだろう。 だから……心配しなくていい。 ”みんな”のことも。
[そこまで言うと、肩の荷が下りたというように 表情を和らげただろう。*]
(276) 2023/11/22(Wed) 21時半頃
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( 万年帰宅部だった青年が 学外活動で汗を流していた頃の会話である。* )
(277) 2023/11/22(Wed) 21時半頃
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灰占道士 煙は、メモを貼った。
2023/11/22(Wed) 21時半頃
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――銀の館
合ってるよ。
[彼女の解釈で間違いないと首肯する。 何故、こんなにも理解しようとしてくれるのか。 続く、彼女自身の吐露で、その理由は僅かに覗く。]
――――諦めずに、 ――――生きていたかったから……?
[そう口にする密星の過去にも、あるんだろう、 足掻かなければならなかった事情が。 白い面に仄かに見える激情。だから、 玲瓏であってなお、これ程の熱を感じるんだろう。]
(303) 2023/11/22(Wed) 23時半頃
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…………今まで、あると信じていたものが、 失くなったんだ……、 存在すると、大切だと思っていたものが。 アンタはさっき、感情は本物だったと 言ってくれた、 きっとそうなんだろう。
ただ、何もないんだよ。 ……ここが、
[拳で、己の胸を叩く。心臓がある筈の場所。 開いたら、脈打つものがある筈なのに。]
空っぽなんだ。痛みも、悲しみも、怒りも 何も……っ
(304) 2023/11/22(Wed) 23時半頃
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[気づくと息が荒くなっていた。 落ち着かせるように、ふ、と息を吐く。]
すまない。 アンタの前では、さっきも、ムキになった。
どうしたい……、か。 死にたいわけじゃあないんだよ。
ただ、るくあに……謝りたいだけだ。
[そのための手段が、 るくあの元に行くことだと思えただけなのだ。*]
(305) 2023/11/22(Wed) 23時半頃
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