10 冷たい校舎村9
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[ それから、ふと目に留まる流血。 自分がやった時は躊躇いもしなかったが、 こうも他人のものを目にすると焦るらしい。 向井の気持ちが、少しだけ分からないでもない。
無理矢理手首を掴んで、見えるようにすることも、 男子相手になら、抵抗なくできた。 ]
……笑いごとじゃないだろう
[ これまで柊を表面的にしか見れていなかった。 だからいつものように笑う姿を見て、>>386 はあ、と溜め息が出る。── 悪い意味じゃないぞ? ]
(403) 2021/06/11(Fri) 11時頃
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興味本位でやって、 本当に死んだらどうする
[ そんなこと言う資格もないのだが、 誰かが飲み込んだ台詞をつい口走る。 ]
ほら、貸してみろ ……手首を切って死ぬ時は、 出血多量のショック死だって 大体相場は決まっている
[ 失血する量ではないにせよ、 流血が止まらない手首に、 ポケットから取り出したハンカチを巻き付け 簡単な止血を試みようとするだろう。 ]
(404) 2021/06/11(Fri) 11時頃
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[ そんな理由で、試してみたくて、自殺を試みた?>>390 ── いや、それなら遺書を送るのもおかしいか。
そもそも、炭蔵視点では、 柊は何かを限界に感じてしまうほど、 要領の悪い男のようには見えていなかった。
それこそ、堅物の炭蔵とは対極にあり 柔軟性があり、女心も操れる、 そういう男だろうと思っていたから。 ]
(405) 2021/06/11(Fri) 11時頃
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樫樹と九重、手伝ってくれるなら助かる。
……なあ、昨日の夜は 簡単な説明しかできなかったが 柊、お前はどう思う。この状況について
[ 捜索の人手が増えるのは有難い。>>401 例を述べて一歩足を進めながら、 ふと、そんなことを尋ねてみた。
精神世界≠フことだ。>>108 その柔軟な頭が何を考えているのか知りたかった。 ]
(406) 2021/06/11(Fri) 11時頃
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鳩羽は、俺たちのことを恨んでるから 此処に閉じ込めたんじゃないかと言ってたが ……柊は、あのメールの文面に心当たりはあるか?
[ 恨んでるのか、それとも見つけて欲しいのか。 何方にしても、推測の域を出ないことばかり。
柊から見える炭蔵は、 きっと冷静に見えているだろう。 でも、内心はそうでもなかった。
炭蔵がそうであるように、 柊もまた、笑顔の下に何かを隠してるんだろうか? 否定して欲しいと願いながら、 「お前はこの世界の主か?」と暗に尋ねてもいた。 *]
(407) 2021/06/11(Fri) 11時頃
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── 現在:廊下 ──
[ なるほど、オカン≠ニいうのは こんな気持ちなんだろうか。>>408
他人事みたく笑う柊を見て、 炭蔵はまたひとつため息が溢れそうになる。
それでも、素直に手を差し出してくれたから、 反抗期の息子を持つオカンよりはマシか。 ]
(427) 2021/06/11(Fri) 14時半頃
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すぐには死ねないだろうから、 しばらくの間苦しいだろう 痛みは、少なからずあるだろうが
[ 可愛い女子でなくて悪かったな。>>409 せめて頭の中で、 〜炭蔵祐子として女装コンに出たとしたら〜 を、想像しながら補完しておいてくれ。
それか、応急処置に過ぎないから、 保健室にでも行けば誰か女子がいるだろう。 頼めばやってくれるんじゃないか? ]
(428) 2021/06/11(Fri) 14時半頃
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[ それから、精神世界とメールの送り主について やはり、恨んでいる$は薄まりそうだ。>>411 見解同じく、文面とは意図が合わない。
送り主が柊でないと否定もしてくれて、>>412 炭蔵はちょっとだけ安堵する。 ]
確かに、柊らしくはないな 送るなら、もっと砕けた文章で、─── ?
[ しかし、何も言わないという言葉に、>>413 炭蔵の中の柊像が、やや揺れる。
人に囲まれている印象のある男だったから、 送り相手も大勢いるだろうと思っていた。 誰かに頼る術も、拠り所も、SOSも、 多く持っているような男だと思っていた。 ]
(429) 2021/06/11(Fri) 14時半頃
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意外だな、何も言わないのは。 ……だが、だれだか分からないメールの主は、 やはりSOSを出してるように感じてしまうな
[ 柊がどうしてそう考えるのか、 それは炭蔵の想定外のことで予測がつかない。
何も言わずに死ぬ、 ……よっぽど切羽詰まっているか、 炭蔵たちに言うほどの感情はないか。 そのあたりだろうか、と思ってしまった。 ]
(430) 2021/06/11(Fri) 14時半頃
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なるほど、新しい見解だ もどかしくてどうしようもない気持ちが、 俺たちをここに呼び寄せた……の、だろうか
ならば、人形になって減っていくのは、 呼び寄せられた側へのタイムリミットではなくて、 世界の主へのタイムリミットの可能性もあるかもな
[ 新しい仮説を、>>414 神妙な顔をしながら聞いていた。 ただ、その先に続く問いに、>>415 炭蔵はまた答えを出せなくなってしまう。 ]
(431) 2021/06/11(Fri) 14時半頃
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[ 「ずっと一緒にいて」 そんな言葉を投げかけられたら、 炭蔵ならどう返事をするのだろうか。
だれが相手であろうとも、 叶えてやりたいと思う、その願いを。 しかし、向井と鳩羽と、 背負ってるものも二つほどある。
折り合いをつけるのが下手な炭蔵は、 どちらかしか選べなくて、 でもどちらも選べないでいる。 ]
(432) 2021/06/11(Fri) 14時半頃
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─── 俺は、死んでしまうのは駄目だと思う 此処が永遠に続くとも限らない だから、断る……かもしれない
[ これまでなら迷うことなく断っていただろう。 ]
柊だったらどうする? 可愛い女子がねだってきたりしたら
[ 前半は本気で、 後半は少し空気を和らげたくて足した。 言うこと、聞いてあげてしまいそう。 それが、炭蔵の印象だった。 **]
(433) 2021/06/11(Fri) 14時半頃
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── 現在:廊下 ── [ なあ、炭蔵祐子になっても絶対笑うなよ?>>510 女の子としてちゃんと扱ってくれ。(?)
ともあれ、無事に処置できたなら、 手首を失わずに済んだ柊を見て、 軽く小突きたくなるのを抑えた。 女子になる以前に、オカン度が加速しそうだ。 ]
(547) 2021/06/11(Fri) 20時半頃
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[ それから、苦笑する姿にまたひとつ、>>511 炭蔵は不思議そうな顔をする。 ]
柊でも考えるんだな、文章
[ 全く考えていないとは思ってないが、 もっとナチュラルに言葉選びができるもんだと、 当然のように思っていたから浮かんだ疑問。 ]
(548) 2021/06/11(Fri) 20時半頃
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……あとから、死んだって 知らせを聞かされるぐらいなら 何でも良いから一言欲しいけどな、俺は まあ、ひとそれぞれだろうが
[ 炭蔵だったら何と打つ? たった一言選ぶなら──… ともあれ、知らないところで、 何か起きてるのはやっぱり癪で つい口を挟んでしまった。 ]
(549) 2021/06/11(Fri) 20時半頃
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[ メールの内容についての意見交換をして、 世界の主の気持ちを少しでも理解したかった。
だから、何気なくとも、>>513 ひとつひとつの問いを考えたかったのだ。 ]
……ああ、 俺もその台詞は言ってそうだ
[ 足元の安定しない炭蔵は、 自分への評価に対して少し笑った。]
(550) 2021/06/11(Fri) 20時半頃
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[ 柊の返答は、柊そのものだった。>>514 冗談めかした言葉の後に、真剣な言葉が並ぶ。
でも、言い方は変えても内容は想像通りだった。 自分とは対照的な答えをすぐに出せる。
それは炭蔵にとっては考えられないことで、 自分の命を他人の為に投げ出せると言うのが 想像もつかないことでもあった。 ]
(551) 2021/06/11(Fri) 20時半頃
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いいや、俺は遠慮しておく にやにやされるのは御免だ。
でも、本当にそうなったとして 現実の世界でも、 柊が居なくて寂しがる子もいるだろう? その辺りの折り合いは良いのか?
[ 両手を上げてバツ印を作って拒否する。 いや、柊を信用してないとかそうでないとか以前に、 他人に弱みを見せるのが苦手な上に 揶揄われるのが目に見えてるのなら、 ただただ拒否したいだけだった。
それから、他の要素についても問うたのは 自分の後学の為でもあった。 ]
(552) 2021/06/11(Fri) 20時半頃
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甘やかしすぎるのも良くはないが、 薄情な人間だと思われないように 工夫することも大切だと思うけどな
[ 人の顔色を窺う柊と、気を遣えない炭蔵。 足して2で割ったら、ちょうど良かったんだろうか?
悪霊化エンドは確かに後味が悪い。>>516 ]
(553) 2021/06/11(Fri) 20時半頃
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寂しい≠セけを満たすなら、良いが 要求が増えてしまったら困りそうだがな
俺はそれよりも、傍にいて欲しいのなら、 そもそも命を落とす前に言えと言いたくなるな
[ 死んでしまったら、 寂しさを埋める方法も限られる。 ……いや、死後の世界についての知識は、 あまり詳しい方なのではないが、 たぶん、おそらく、そうだ。
だったら、生きているうちに教えてくれれば、 炭蔵ならどうにかしようと最善を尽くす。 結果がどうなるかは、やってみないと分からない。 ]
(554) 2021/06/11(Fri) 20時半頃
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[ そうこう話ながら歩いていると、 甘い良い香りがしてくる。>>525
つい、甘い匂いに誘われて 食堂の方へと足が向かって行った。 *]
(555) 2021/06/11(Fri) 20時半頃
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── 食堂 ──
九重、樫樹 ……此処に居るのか?
[ 食堂の扉を開ける。 探し人の名前を呼びながら。
しかし、目の前に飛び込んでくるのは お皿の上に幾つも重なる小さくて 丸くて可愛らしいパンケーキ。
それから、綿見がまだ其処にいたのなら 許可を得ようとして。 もう居なかったなら無断で、 甘いものは嫌いじゃない炭蔵は、 摘み食いをしようと手を伸ばしていた。* ]
(556) 2021/06/11(Fri) 20時半頃
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── 食堂 ──
[ 中に居たのは、九重でも樫樹でもない。 パンケーキを黙々と焼いている綿見だった。>>567
差し出された大皿からひとつ取った パンケーキを口の中へと放り込む。 ]
そうだ、クレープもありがとう 美味かった
[ 昨日食べたクレープの礼も告げて。 口の中に広がる甘さが、 少しだけ炭蔵の気持ちを落ち着かせた。
それから、二人がどこにも居ないと言われれば 炭蔵は困ったように笑うだろう。 ]
(597) 2021/06/11(Fri) 22時頃
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あー……そうだな、 認めたくないんだよ、その事実を
だから、俺は探すよ、二人を
[ そう、恐らく、きっと。 二人はマネキンになってしまって、 この世界には、もう居ない。
この世界から消された二人が 無事に精神世界の外に生きて出られたのか 分からない炭蔵にとっては認めたくなかった。
もしも、のことがあったら、困る。 ]
(598) 2021/06/11(Fri) 22時頃
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そうだ、綿見 女子のみんなは無事か?
[ 無事かって聞き方で合ってるか分からないが、 もう一つのマネキンの存在を知らず、 パンケーキをもうひとつ摘みながら問うた。 *]
(599) 2021/06/11(Fri) 22時頃
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── 食堂 ──
[ 口の中でパンケーキを頬張っていれば、 予想もしていない台詞が出てきて、>>600 思わず咽せそうになった。 ]
……つまんないって、何がだ?
[ 強いは置いといて、 確かに炭蔵は面白いことを言える訳でもなければ、 リアクションが豊かな訳でもないので、 つまらないと言えばつまらない男なのだろうが。
突然それを言うのは、失礼すぎないか。 炭蔵は至って真面目に、こんなことを思っていた。 ]
(603) 2021/06/11(Fri) 22時半頃
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[ 炭蔵の眸は前髪で隠されているが、 綿見の黒い双眸は貫くように向けられる。
でも、そうだなあ、 自己肯定感の高さは否定しないが 弱さを知っているかどうかは別だろう。 自分では気付けないことも多い。 でも、炭蔵は綿見が思うよりもずっと、 弱い自分を隠そうとしていると思う。
……いや、そもそも、綿見が なぜぐちゃぐちゃにしたがるのか、 炭蔵はその心が読めてたのなら、 さぞかし疑問を抱くだろうが。 ]
(604) 2021/06/11(Fri) 22時半頃
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教材倉庫?番代も? ……想像していた以上に、 タイムリミットは近いのかもしれないな
[ 一回の鐘が鳴るごとにひとり。 そういう訳ではなかったらしい。 これでは、炭蔵の計算も狂ってしまう。 狂ったからと言って、 泣き出したくなることはないのだが。 ]
(605) 2021/06/11(Fri) 22時半頃
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そうだな、消される法則は分からない。 ただ、……チャイムがキーだと思う 鳩羽と話していたんだが、 次の鐘が鳴る頃に、 一度みんなで集まっておくのはどうだろうか?
[ あの黒板の書き込みを、もう見た後だろうか。 だとしても、炭蔵は自分の言葉でそれを伝える。 ]
(606) 2021/06/11(Fri) 22時半頃
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次に消されるのが、 俺かもしれないし、綿見かもしれない だとしたら、複数人でいた方が安全じゃないか?
[ そう提案をしてみるが、 果たしてそれを受け入れてくれるだろうか? *]
(607) 2021/06/11(Fri) 22時半頃
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