10 冷たい校舎村9
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……うれしいし、助かるよ。 ペットボトル持ってくれるのも、 日常の、ほんのしょうもないことで、 一緒にゲラゲラ笑ってくれるのも。 レンには「こんなこと」でも、 俺にとってはそうじゃないから。 [ いつものままの鳩羽憐に、 実は救われていた人、はーい! ……ってされたら、 はーい! って素直に手を挙げたってよかった。 けど君はそれをしないだろうから、 少なくとも慎一にとっての「なにか」だったよ。 それはここにだけ書き記しておくね。>>+171]
(+180) 2021/06/15(Tue) 16時半頃
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[ いざアレもコレもと挙げだすと、 きっとキリがない愉快な日常。>>+173 けれど、かけがえのなかったそれが、 この先にもずっと続いていけばいい。 些細なこと、しょうもないことだとしても、 慎一はそれを大切に持っていくから。 食ったり、食ったり、食ったり。>>+174 ふざけた口調で言った鳩羽につられて笑う。 手始めに、そうだなあ。 バレンタインチョコ対決もいいけど、 お互い補欠になるんじゃ切なくない?]
(+181) 2021/06/15(Tue) 16時半頃
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いいじゃん。食って食って食って。 今度さ、あのアタリ棒交換しにいこう。 冬にアイスも、たまにはいいだろ。 ……アタリくらいまた引いてやるし、 それにたぶん、そんな棒っきれより、 俺とつるんでるほうが、ご利益あるよ。
(+182) 2021/06/15(Tue) 16時半頃
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[ ふふん、と強気に笑ってみたけれど、 正直ちょっと照れ隠しも入ってた。 「わかった」と笑ってうなずけば、 それは祈りというより約束だった。>>+175 この寒い12月の夜から、朝に、昼に、 そしてまた次の季節へと、この先ずっと、 それが続いていけばいいと夜空に祈って。 ……祈るんじゃなくて叶えるんだっけ? もう少しと言わずがんばらなきゃなあ。 大丈夫、息はしやすいよ。今は。 疲れたときはまた言うからさ、 ちょっとだけ立ち止まって待っててほしい。 慎一もちゃんと目を見て耳を傾けて、 ペットボトルだって代わりに持つ準備はしとくから。]
(+183) 2021/06/15(Tue) 16時半頃
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……あ! そろそろ飲み物届けてくる。 カフェオレ冷めちゃった? [ それで──目の前の話。 思い出したように慎一は言う。 なんなら右に左に持ち替えてた、 ぬるめのコーラの方が気がかりだが、 まあ……オマケだし。お代はいいから。]
(+184) 2021/06/15(Tue) 16時半頃
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[ 鳩羽からそれを受け取れば、 再び院内へと戻ってそれを手渡そう。 あ、お使いしてくれるならそれでもいい。 たぶんそのほうがはやいだろうしね。 慎一も相手を告げて渡すだろう。 誰かと話し込んでいるなら、 またあとにするけど──、さてはて。**]
(+185) 2021/06/15(Tue) 16時半頃
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[>>+158わかりやすかった、わけもなく。 他人の楽しいことばかり見ようとしていた自分でも、 気付いてしまうものがあったというだけで、たぶん、そういう巡り合わせ。 その問いには軽く微笑んで返そう。
>>+159茉奈ちゃんも何者かの声が聞こえていたことを教えてくれれば、 ああ、そっか、そうなんだ、と、納得と理解が染み渡っていく。 独り言が多かったもんね、そういえば。 わかるよ。わかる。 人に説明するの難しいのも、わかる。]
(+186) 2021/06/15(Tue) 17時半頃
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それに苦しめられてたんだ。 私とは違って。
[私が見えていた、存在しない友達は、 当たり前のようにそこにいて、友達として振る舞ってくれた。 苦しめる怨嗟の声ではなく、私の心を守るような声で。 だからそこは違ってたのだけど。]
……もう大丈夫そうなら良かった。 聞こえてくる声が当たり前になってると、 いろいろさ、生きづらかったよね。
[共感、というか、確認、というか。 私もずっと信じてもらえなくて、割り切れなくて、疲れてしまった。 私だけの悩みじゃなかったんだと知れて、良かった。]
(+187) 2021/06/15(Tue) 18時頃
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[お互いにもう悩まなくなるのであれば、 あの時のように相談することも、もう無いんだろうと思いつつ。]
……それもそうかなぁ? すごい、なんか、悪い夢見れそうな文字書いてるから……。
[>>+160お守りに持っておくには気が引ける代物なので、 軽く苦笑して、まあこれは後で利美ちゃんに聞こう。
自販機に行ってくれた向井くんを待ちつつも、 戻りが遅かったので、誰かと話してるのかなと思い、 集中治療室前に戻ることにした。
赤いランプはまだ消えていない。*]
(+188) 2021/06/15(Tue) 18時頃
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── 病院外→病院内へ ──
[冬のアイスの約束に、笑う。>>+182 きっとまた、夏が来て二人で買うアイスは、 俺が外れて、シンが当たるんだろう。 なんとなく、そんな気もした。でも、それがいい。
お互いにお互いが「特別」だったとしても 当たり前の「日常」が、一番の特別だからさ。
シンの当たり前の片隅にさ、 なんかこいついっつも居るなーくらいの感じで 俺のこと、置いといてよ。ね。 ]
あ、カフェオレ。
[言われて気づく。 ダッフルコートのポケットのカフェオレは 確かにだいぶぬる〜くなっていたと思う。 ]
(+189) 2021/06/15(Tue) 19時頃
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[マナとひとみは二人で話してるんだっけ。 なんて。俺ン中で情報はアップデートされてねえし シンにとってもそうなんじゃない?
すでにひとみが集中治療室のほうに行ってて、 マナんとこにはユキが到着してる、なんてさ たぶん俺はエスパーじゃねえからわかんね。
とりあえず待合室戻るか。 持ってくよ、なんてシンと一緒に戻るけどさ。 そのあとシンはコーラを渡しに行ったりすんのかね。
マナとユキがまだ話してるようなら 片手挙げて挨拶して。 ぬる〜くなった、カフェオレ渡して。]
(+190) 2021/06/15(Tue) 19時頃
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マナ、ただいま。 ノエは……まだ会えねえよな。
俺、ちょっと病院の売店探してくるわ
[24時間営業かどうかはしらねーけど、 そうなんじゃないの!そういうことにしとこ! だってそっちのほうがきっと便利じゃん!!!
ご都合主義?知るか。 とりあえず俺は、絆創膏がさ、欲しい。 ]*
(+191) 2021/06/15(Tue) 19時頃
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架空惑星 レンは、メモを貼った。
2021/06/15(Tue) 19時頃
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── 柊くんと ──
[ 気づいて貰えたらしい。>>+176 こちらに駆け寄ってくる姿に、ゆるく笑んで。
そういえば彼は私のマネキンを見たんだったな、と その視線の先を思う。]
うん、一足お先にね。 …… あんまり見てるとセクハラだって 思われちゃっても仕方ないと思うなあ?
[ 恥ずかしいなぁ、なんて茶化しながら、 とっても元気な様子でも見せようか。 五体満足、何も問題はありませんよって。]
(+192) 2021/06/15(Tue) 19時頃
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そ。起きたら利美からメッセージ来てたし。 黒沢ちゃん、集中治療室の方に居るよ。 どういう状況かは、……わかんないけど。 来たけどさ、私まだそっちの方行ってなくて。
多分利美とか、ひとみの方が詳しいのかも。
[ 私より先に来ていたし、と 治療室のある方をちらりと見つつ。]
(+193) 2021/06/15(Tue) 19時頃
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……柊くんはさ。どうなった? 戻ってきたって事は、何か、…… 踏ん切りか何か、ついたのかなって。
[ そうであっても、そうでなくても。 答えがあっても無くても、良いのだけれど。
話の途中に掛けられる声がもうひとつあれば>>+191 ゆるくそちらに顔を向けて。]
鳩羽くん。……おかえり。 無事な様で何より。 あ、カフェオレもありがと。
[ だいぶぬるくなっているカフェオレでも、 やたら冷たい指先には暖かく感じた]*
(+194) 2021/06/15(Tue) 19時頃
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── 現在・病院内へ ──
俺、番代のこと探してくんね。 治療室のほう戻ったかなあ……
[ ぬる〜いカフェオレを鳩羽に託し、>>+190 慎一は再び病院の中を歩いていく。
待合室に綿見と柊がいるのを見かければ、 そちらにひらりと手を振っておこう。 帰ってきたってさっき聞いたからね。 それではまた後ほどって具合に。]
(+195) 2021/06/15(Tue) 20時頃
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[ それで──、 集中治療室の前に番代を見つけたら、>>+188 「ほら」って微妙な温度のコーラを放る。 ……炭酸を雑に扱うなって? やだな今さら。]
レンとユキも来てたよ。 もう会ったかもしんないけど。
あと、ユーガと暮石と……、 …………黒沢、遅いね。
[ 帰ってきてほしいなあって願望を、 帰ってくるはずみたいな言い方に混ぜ込んで。]
(+196) 2021/06/15(Tue) 20時頃
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[ さっき話してたとおりみたいに、 炭蔵がちっとも帰ってこないから、 慎一もいつの間にか思ってる。ユーガなら。
それから、自分でも慎一でもないと言った、 暮石のあの声色。表情。そんなのを思い出して。
ちょっと考え込んでしまったけど──、 今渡したコーラ、五分五分ってとこだから、
お代は当然受け取る気はないし、 なんなら忠告すべきか逃げるべきか、 はたまた差し出すハンカチでも探すべきか。]
(+197) 2021/06/15(Tue) 20時頃
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[ どちらにせよ、ここは少し居づらい。 慎一は黒沢の親の顔をさっきから見れない。 どんなに辛かろう、悲しかろうと思うから。
だから、あまり長居はしないつもりで。*]
(+198) 2021/06/15(Tue) 20時頃
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— 病院・集中治療室前 —
[>>+196向井くんが来たならば、 コーラありがとーって顔をしてそちらに歩いて、 放られた缶をキャッチする。]
ちょっとー。
[炭酸が宙でシェイクされたことへの抗議の声を上げつつ、 買ってから時間が経った缶の温度を確かめる。
……こんな寒い季節に「つめた〜い」のスイッチを押させて、 ずっと持っていてもらった苦労を思えば、まあ、 文句を言うより重ね重ねお礼を言うべきなのかもしれないけど。]
(+199) 2021/06/15(Tue) 21時頃
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そっか、わかった。
[>>+196戻りが遅かったのは道理で、 帰ってきた人たちを出迎えていたかららしい。 乃絵ちゃん以外の帰還をもはや疑っていなかったから、 驚くこともなく、会ったら挨拶をしようか。
そうすると、まだ残っているのは誰なのか。 落第生でもわかる簡単な計算問題。]
……頑張ってるんだ、今も。
[あの校舎に残って答えと対峙している炭蔵くんと芽衣ちゃん、 そして、乃絵ちゃんも。私には想像もできないくらい、 今、頑張っている最中なんだろうなあって。]
(+200) 2021/06/15(Tue) 21時頃
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[買ってきてくれたコーラをすぐに飲むべきか、悩んで。 シェイクされた缶をここで開けたら、どうなるかは容易に想像できるし、 自分の家や学校ならともかく、病院だしなーという遠慮は流石にある。 結局、ここで缶を開けることなくコートのポケットの中にすとんと落とした。
コーラ代と言いつつお金を取り出そうとするけど、 受け取らないという素振りをするようなら、 何度も問答はしないので、奢られておきましょうか。]
(+201) 2021/06/15(Tue) 21時頃
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[>>+198向井くんと同じ居辛さを私も感じているけど、 それでもここに戻ってきたのは、やっぱり気になるから。
乃絵ちゃんが帰って来れるか、というのはもちろん、 乃絵ちゃんのお母さんのいるほうを一瞬だけ見て、 思ったことをどうにも誰かに言っておきたい衝動に駆られる。
あの世界の主に辿り着けなかった落第生の一人なりに、 気付けるとしたら、今が最後のチャンスなのかも、って。
向井くんの近くに寄って、 他の誰にも聞こえないくらいの小さな呟きを吐き出す。]
(+202) 2021/06/15(Tue) 21時頃
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……乃絵ちゃんのお父さん、来てないみたい。
[だからどうなんだ、という問答をしたいわけではなく、 乃絵ちゃんの家庭事情を今ここで詮索したいわけでもない。
ただ、私が感じてしまった可能性って間違ってないよね?と、 それを確認したいという気持ちを言葉に込めて。
それだけ伝わったなら、いや、伝わらなくても。 ここから去るであろう向井くんを見送るだろう。*]
(+203) 2021/06/15(Tue) 21時頃
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── 現在・集中治療室前 ──
[ 番代がこちらに歩いてきたので、>>+199 治療室前が気まずい慎一は少し助かる。
だから、抗議の声にも少しだけ笑って、 「ごめん」って素直に謝っておこう。
コントロールは悪くなかったろ。 ……そういう問題じゃない? 知ってる。
さっき会った面々について告げれば、 落第生による引き算の時間だ。>>+200]
(+204) 2021/06/15(Tue) 21時半頃
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[ 「頑張ってるんだ」って言葉に、 慎一は「うん」ってうなずいた。
何も知らない人からすれば不審な会話でも、 この距離なら黒沢の母親には届かないだろう。]
……がんばってるよ。 黒沢もだし、ユーガも、暮石も。
[ あんな世界を作り上げたのだ。 まだがんばってるって、慎一は信じる。]
(+205) 2021/06/15(Tue) 21時半頃
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[ 確かに。飲むのはせめて待合室だった。
ポケットにしまわれたコーラに、 慎一は内心でほっと安堵の息を漏らす。
あまり状態のよくないコーラのお代は、 もちろん、丁重に受け取りを断って、>>+201 ふいに揺れた番代の視線を追っていた。>>+202]
(+206) 2021/06/15(Tue) 21時半頃
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[ ……そこには女がひとりいる。 黒沢の母親だって慎一は疑わなかった。 娘の帰りを今か今かと待ってるんだろうと。
かわいそう。と慎一は思って、 だから番代のささやきは不意打ちだった。>>+203
びくりと一歩あとずさりしそうになって、 それでも、流し込まれた言葉の意味を咀嚼する。]
……あ、
[ ひとり≠ナ待っているんだなって。 今の今まで慎一が気がつかなかった事実。]
(+207) 2021/06/15(Tue) 21時半頃
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……忙しい、のかな。
[ その人のほうへ張り付きそうだった視線を、 無理やり引っぺがして、かろうじて慎一は言う。
忙しいのかもしれない。家をあけていたのかも。 黒沢の家族について、聞いたことはあったっけ。
いくらか頭の中で理由を並べ立てたけど、 たぶん、自分でも不思議なほど声は強張っていた。]
(+208) 2021/06/15(Tue) 21時半頃
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[ ……もし、これが慎一だったら。 きっとこの場所はもっと騒がしい。
どんなに大事な仕事が入ってたって、 父も母も全部放り出してここに駆け付ける。
どこか別の場所にいたんだとしても──、 なあ、黒沢が搬送されてどのくらい経つっけ。
そんなこと聞けやせずに、 慎一はじっと番代のことを見下ろしていた。
人の家族について憶測で何か言いはしないけどさ、 たぶん、慎一の目はひどく動揺に泳いで、 似たものを感じ取ったことを番代に知らせるだろう。]
(+209) 2021/06/15(Tue) 21時半頃
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