10 冷たい校舎村9
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[鳩羽くんはタオルを持ってくることに反対しなかった。
九重さんの人形が見つかっても、 九重さんを探し続けていた鳩羽くん。 「人形」の血>>3:68って言ってた鳩羽くん。 でも黒板には、『殺されてる』>>3:79って書かれてた。
お互いの知らない非日常めいた朝>>3:630や 日常めいた昼>>3:623があって、 また明日>>3:177がやって来たね。
わたしたちの考え、経験したことや見える世界>>87は やっぱりいろいろ違うんだろうけど。 向井くんはもうここにいないってこと>>85は、 同じように分かってるんじゃないかなって思ってた。]
うん。
[だから返事は一言だけでいい。]
(120) 2021/06/12(Sat) 14時頃
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……どっちもだよ。
[向井くんも、鳩羽くんも。それからわたしも。 どっちでもいいとか何かひとつだけじゃなくて 珍しく全部を選んでみたんだけど、 向井くん>>3:360みたいにかっこよく見えたかな。 わたしはあの言葉>>3:399、撤回してない>>3:589よ。]
(121) 2021/06/12(Sat) 14時頃
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[ひとみちゃんの隣で零した心情>>11は あの時より少しわたしの身体に馴染んで、 わたしを最低限笑顔にしてくれたと思う。
だから気づかなくてもいいんだよ>>81。 このお月様、我が強いからさ。 お日様が休んでいる日でも、 1人の足元を照らすくらいはできるかもしれない。
一番好きなもの以外、どっちでもいいと思ってたから。 わたしはこんな気持ち知らない。 どうしたらいいか分からない。 だからわたしは、笑っている。]
(122) 2021/06/12(Sat) 14時頃
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[鳩羽くん>>82はわたしの手荷物に気づいたみたいで、 わたしは使えなくなっちゃったってだけ伝えた。 畳んだところで血が少し見えているかもしれないけど、 そう目立つものでもない。 貼り紙があった以上、他のみんなも ひとみちゃんのことは知っていると思ったから、 わざわざ思い出させる必要はないかなって。
壁の向こうに進んだような小さな足跡を思い出していた。 友達、あんなに小さかったんだなって。 わたしはポケットに手を入れて、小さなぼたんに触れる。
同居していたもうひとつを指で探したけれど、 「今度」駄菓子を買うための10円玉はお財布の中だ。 見つからないものを、深爪の指で掻いた。]
(123) 2021/06/12(Sat) 14時頃
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[コートを置いてくるねと伝えて、わたしは教室へ入る。 鳩羽くん>>84の炭蔵くん>>104への説明を聞きながら、 わたしは自分の棚にコートの塊を押し込んだ。
炭蔵くんはどんな顔をしているんだろう。 いつも通りなら、その眸は前髪に隠れていたかな。
この距離じゃ覗き込むこともできなくて、 わたしは炭蔵くんが何を考えているのか>>100>>103 分からなかった。]
(124) 2021/06/12(Sat) 14時頃
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[炭蔵くんから目を逸らし黒板を見ると、 わたしが見た時より文字がいくつか増えていた。 やっぱり寄せ書きみたいだなって思う。
みんなが教室にいた理由を知ったり、 予想通りひとみちゃんのことが書いてあったり>>3:419。 ——それから、樫樹くんのこと>>3:341も。
薄情なわたしはようやく、クラスメイトとの別れを知る。
わたしと樫樹くん>>2:478はそんなものだったけれど、 あの穏やかな時間を、黒板の文字を覚えていた。]
……。
[ここにもお疲れ様>>1:317はあったかな。 もしなくても、きっと集合写真の後ろに写っている。 当然樫樹くん自身も、みんなの輪の中にいた。
わたしはその写真を探すように廊下へ戻る。]
(125) 2021/06/12(Sat) 14時頃
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お待たせ。
[ダッフルコートを着たわたしが誕生するのはその後。 いくら手が大きいとはいえ、丈も袖も余りまくって まぁ、面白いことになってますね。 袖を捲ろうとしても戻って手が出せない……。
そもそも鳩羽くん>>83が寒いからと返そうとしたけど、 その意見は通らなかったんじゃないかな。]
ありがと。
[お礼はちゃんと伝えたよ。 お返しにマフラーでもと思ったけど、 端に血がついていたからコートと一緒に詰め込んだ。
柊くんと乃絵ちゃんはすでに移動したとか、 綿見さんも来てなかったとか、 ここにいない人の話、聞けるならその時知れたかも。]
(126) 2021/06/12(Sat) 14時頃
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[まず保健室へで抱えられるだけのタオルを持って、 鳩羽くん>>85は更に別の場所から毛布を取ってきた。
それが向井くんのものであることは部屋の様子から 分かったかな。だからわたしは何も言わない。 雪みたいに白いタオルを向井くんに巻いてあげる 鳩羽くん>>87のことを見ていた。]
……。
[鳩羽くんがぽつりと言葉を零した。 その向こうには首元が見えて、何本もの浅い傷が見えた。 わたしの返事は少しだけ遅れる。]
(127) 2021/06/12(Sat) 14時頃
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苦しかった……とは、思う。 でも嫌いじゃないって言ってたよ。
楽しかったって。 みんなと一緒なの、楽しかったって。
[苦しかったら楽しくなくて、楽しかったら苦しくない。 そんな単純なことなら良かったんだけど、 向井くんの世界はどっちもがいろいろあるみたいだから。
わたしはわたしが見た向井くんの話をしながら、 鳩羽くんの頭へ1枚のタオルを被せようとした。 向井くんの前にいるならしゃがんでいるでしょう。 それなら面白いシルエットのわたしにだって届くよ。
もう1枚は自分の頭へ。 こうすれば、髪が濡れてるのも泣くのも全部同じだよ。
わたしは鳩羽くんの隣へしゃがんだ。]
(128) 2021/06/12(Sat) 14時頃
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だから……先に帰っただけだよ。 帰ったら、また会える。
一緒に帰ったり、いろんな話をしたり、 何ならはじめましてだって。 なんでも、できるよ。
[ひとみちゃんが握っていた紺色のハンカチを思う。 わたしと向井くんが半分ずつ持っている10円玉を思う。
樫樹くんにご趣味はって聞いたらびっくりするかな。 わたし、自分から話しかけるの慣れてないから、 最初はどんな風に話しかけたら上手くいくんだろう。
わたしは叶うかも分からない夢を見ている。
包帯みたいにぐるぐるになった向井くんに触れた。 雪のような白。 温かくはないけれど、凍るような冷たさもない。]*
(129) 2021/06/12(Sat) 14時頃
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夜笑国 メイは、メモを貼った。
2021/06/12(Sat) 14時頃
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── 水たまりの廊下・メイ ──
[YESかNOか、すきかきらいか それともどっちでもいい、か。
白黒どちらかだけの世界のメイが、 そのとき、全部って言ったこと>>121
多分後で思い返せばすごく珍しいことだったんだけど それに気づけるほど、俺はメイのことを知らない。
使えなくなった手荷物、 理由は全然わかんねーけど >>123 非日常の中じゃあ、何があってもおかしくなくて どんなにびしょびしょであろうと、 メイの無事を確認できているなら、良かった。 ]
(130) 2021/06/12(Sat) 15時半頃
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[非日常の中で、 たくさんの友達が姿を消していく。 そしてたくさんの人形が、日に日に増えていく。
人形イコール誰かだとは認めたくないけれど 人形イコール誰かなんだって頭ン中では理解してる
だから「殺された」って書いちゃうし、 ユーガには誰に似てる人形だ、とは言わないし だけど、シンの毛布は問答無用で奪っちゃう。 ]
(131) 2021/06/12(Sat) 15時半頃
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[首の傷を指で撫でる 苦しかったかなあ、痛かったかなあ。 俺の指に血が付くことはないかもしれない
そうしていたら メイからシンの心を代弁するような そんな返事がさ、返ってきたから >>128 俺、シンのこと何もしらねーけど、 俺、やっぱ、また涙が溢れちまって。 ]
楽しかった「みんな」の中に 俺、居たらいいなあ
[って。口にだすとさ、もっとダメで。 大粒の雨を隠すように白いタオルが被せられた]
(132) 2021/06/12(Sat) 15時半頃
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[先に帰っただけ。また逢える。 その言葉に、鼻を啜りながらうなずく。]
さっきまでさ、半信半疑だった。 リツもトシミもひとみも、 やっぱ現実でも苦しいんじゃないかって すげえ、心配してたけど。
[でも結論は出なかったんだ。 そうだったらしんどいな、ってずっと抱えてた]
(133) 2021/06/12(Sat) 15時半頃
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……でも。こんなこと言ったらさ、 他のみんなに怒られそうだけどさ 俺、やだよ。シンに二度と会えないの。
いやトシミとかもあえねーの辛いけど 俺。シンはもっと嫌だ。
だから半信半疑じゃなくて、 信じたいよ、全部。 先に帰っただけだ、って。
[だってほら俺、必須でもねー夏休みの準備にさ 一日シンが休んだだけでさ、>>0:380 彼女ばりの心配してるくらいだぜ? 一生会えないとかさ、考えたくもねー。]
(134) 2021/06/12(Sat) 15時半頃
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でも。先に帰ったって 楽天的に考えるかーって いま、ちょっとなれねえけど
[やっぱいなくなっちまったんじゃねーかって そっちの不安のほうが、でかいからさ。 ]
(135) 2021/06/12(Sat) 15時半頃
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先にさー 帰ってさ。 シン、びっくりしてねえかな
いつもと違うことが起こって いつもと違う夢を見てたって、なって。
驚いてパニックになってねえかな。
[ありうる。って自分ひとりでさ、結論づけて。 俺、シンのことあんましらねーけど、 でも、全く気づいてねえわけじゃあねえんだ。]
(136) 2021/06/12(Sat) 15時半頃
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[本当は、メールを送ってきたやつのことも、 ちゃんと考えてやるべきだったんだ。 脳内からひとりひとり居なくなること、 寂しくねーのかな、とかさ。
だけど今、やっぱりそこまで余裕がなくて、 ぼたぼたと落ちる雨粒は、シンのことしか映さない
それすらも、今は白いタオルが隠してくれる ]
(137) 2021/06/12(Sat) 15時半頃
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俺らも、いなくなるのかな。
[不思議と死が間近に迫っても、 あんま、怖いとかはなくてさ でも、痛いのはいやだな、とかさ思うけど。 ]
(138) 2021/06/12(Sat) 15時半頃
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………嫌だな。
[いなくなったら、 みんな悲しんでくれるかなあとか いなくなったら、もう、 みんなに会えねえのかなあ。とか。
やっぱり寂しいほうが先に立つ。
そういう意味ではさ、あの時の問いかけ>>2:535 今なら、寂しい、って即答してたかもしれない ]*
(139) 2021/06/12(Sat) 15時半頃
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架空惑星 レンは、メモを貼った。
2021/06/12(Sat) 15時半頃
架空惑星 レンは、メモを貼った。
2021/06/12(Sat) 15時半頃
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— 水たまりの廊下 —
[わたしのこと、知らないのってフツーのことなんだよね。 だってわたしが話さなかった。
知らなくていいと思ったから。 わたしのことはわたしだけが分かっていればいいって 思ってたから。
でもそれは間違いで、 わたしが1人で生きている訳じゃないってことを 忘れていただけだった。]
……いるよ。
[鳩羽くん>>132の顔はタオルに隠れて見えない。 でもいつもより弱々しく聞こえる声とか、 鼻を啜る音>>133とか、向井くんの傷を撫でる指とか。 わたしにも届くものはあって、 つい零れた返事はやっぱりへらへらと薄かった。]
(140) 2021/06/12(Sat) 16時半頃
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[タオルの向こうからまた声が聞こえる。 これまでのこと、みんなのこと。 今この瞬間のこと、向井くんのこと。]
知ってるよ。見てたもん。
[家にいたら心配をかけるからって理由もあったけど、 わたしだって皆勤賞組>>0:362だ。 2人を見慣れるくらい仲が良かったこととか、 教室をぐるぐる回る姿>>0:380とか、全部、見てた。]
わたしから見ても楽しそうだったよ。 楽しそうだから会計やったんだって、 文化祭楽しかったって向井くんも言ってた。
[向井くん、勝手に喋ってごめんね。 でも言ったら伝わる気がして、わたしは言葉を続ける。]
(141) 2021/06/12(Sat) 16時半頃
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向井くんの文化祭に、鳩羽くんがいない訳ないでしょ。 ずっと、一緒にいたんだから。
鳩羽くんは鳩羽くんとして、向井くんの中にいるよ。
……わたしが言っても説得力ないかもしれないけど。 わたしは、そう信じてる。ううん、そう思うよ。
[信じたいという鳩羽くん>>134に、わたしは頷いた。 それから信じたいけど信じきれないこと>>135も。]
(142) 2021/06/12(Sat) 16時半頃
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びっくりしてるかもねぇ。 向井くん、そういうの得意じゃないよね。
イレギュラーっていうのかな。 文化祭のレジでもそうだったよ。 お客さんがトッピングアレンジしてくれって 言った時とか……。
[わたしと鳩羽くんは少しだけ、向井くんの話をした。 わたしだってここにいないことは理解しても、 絶対帰った、無事だ、なんて言い切れない。
頭のどこかでもしかしたらを考えて、 心のどこかに可能性>>3:152を抱えている。
夢>>129は、現実じゃない。 だから鳩羽くんの不安を取り除くこともできない。]
(143) 2021/06/12(Sat) 16時半頃
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[重い空気で満たされ、張り詰めた病院の廊下は、 誰かが来ればその気配がすぐに分かる。>>+22 帰れたんだね、と思いながら向井くんに手を振った。]
おかえり。 いろいろあったけど、帰れたね。
[いろいろ、に含まれるニュアンスには、 探していた出口は結局見つからなかったとか、 出る時に痛みと苦しみを伴ったこととか、 そのへんのことを思い起こしたものが混ざっているけど。
私はようやく外の空気が吸えて、背筋を冷や汗が伝うこともなく、 やっぱりこっちのほうがいいや、と思えているところです。]
(+24) 2021/06/12(Sat) 16時半頃
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乃絵ちゃんだった。 私、全然わかんなかった。
[>>+23向井くんはわかった?と聞くまでもなく、 彼も知らなかったらしい反応だったから。]
あの校舎を作り上げた人物の気持ちを200文字以内で答えなさい、って。 入試問題だったら、落ちてたかなぁ私。
[現代文は苦手じゃなかったはずなのにね。 答え合わせだったとしても、合わせるべき正答も知らない。 何かできることはあったのかって、ただただ後悔だけが降り積もっているし、 それでも尚、知ったところで人の重荷を背負えたつもりはない。
ただ身勝手に、夜のお菓子パーティの続きでもしたいねって思ってる。**]
(+25) 2021/06/12(Sat) 16時半頃
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[雫みたいに、鳩羽くんの呟き>>138が聞こえる。]
いなくなる……帰る、んだよ。
[そう返すわたしの声は途中で詰まった。 そのためにわたしたちがどうなるのか、 九重さんやひとみちゃんを思い出し、向井くんを見る。 樫樹くんだってきっと、そうだったんだろう。
それとは別に、思うこともあった。
ここが誰かの頭の中の世界なら、 帰るっていなくなることなのかな。 文化祭の中、3-9の物ばかりが増えるこの場所で、 わたしたち、いなくなっちゃうのかな。]
(144) 2021/06/12(Sat) 16時半頃
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……嫌だねぇ。
[わたしは鳩羽くんに返事をしたけれど、 その意味はもしかしたら少し違ったのかも。
寂しいねぇ。って、わたしは呟いて、 向井くんに触れていた手を離す。また今度ね。 ダッフルコートの裾を踏まないように気をつけながら わたしはゆっくりと立ち上がった。]
(145) 2021/06/12(Sat) 16時半頃
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ん。
[わたしより低いところにある頭。 タオルじゃなくて、わたしの手のひらを押し当てる。 鳩羽くんが嫌がらない限り、 わたしは鳩羽くんの頭をこれでもかと撫でた。
タオルと袖でクッションは豊富だったから、 やや強めでも痛みはなかったと信じたい。]
頭冷たくなって来ちゃった。 わたし、そろそろ行くね。
……鳩羽くんは、どうする?
[タオルの向こうを覗き込むようなことはせず、 わたしは声だけで鳩羽くんに尋ねた。 鳩羽くんはどう答えただろう。 どの答えでも、わたしは向井くんの側を離れるつもり。]*
(146) 2021/06/12(Sat) 16時半頃
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……うん。
[シンの「みんな」の中に、俺が居るよって、 メイがさ、言ってくれるの、 俺、うん、しか答えられなかったけどさ 嬉しかったんだよ。
少なくとも他の人にはちゃんとそう見えてた、って ちゃんと日常の中に、ふたりが居たことが、 映ってたんだなあって思ったら、さ
嬉しくて、寂しくて、やっぱり涙は止まんねえ ]
(147) 2021/06/12(Sat) 17時半頃
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