28 僕等(ぼくら)の
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[次に選ばれたのは"柊木自身"ではなく、心臓の方だと言う。 彼の言っていた"呼ばれてないけど、次は俺だと思う"はここに繋がるわけだ。心臓の主が先に呼ばれたから、声は聴いていない。………この場合、出撃するのは当然柊木だろうけど………パイロットを2人消費する事になるのだろうか………?]
>>60 成る程……、じゃあ最初から気付いてたんだな。 見ての通り、和室しか無い僕の家は椅子なんてひとつもないんだよ。
[縁士の家に天文部の誰かが来れば、戦闘時に自分のものとして座っているあの立派な書斎椅子は一体?と首を傾げたかもしれない。 もっとも、自転車のサドルなんてものもあったくらいだから、みんな椅子については深く考えていなかったかもしれないが。柊木と僕を覗いて──。]
特注、ね……確かに座り心地良かった。
[そして"うちに同じのがある"という事は、あれは柊木の家族の椅子ということだ。大きくて立派な書斎椅子。母親のものではないだろう。とすれば、兄?もしくは。]
………お父さん、か? いや……、話さなくてもいいけど。
(81) 2023/08/19(Sat) 13時半頃
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雲水 ハロは、メモを貼った。
2023/08/19(Sat) 13時半頃
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[椅子が父親のものだとしたら、それはそのまま。心臓の提供者であるということだ。 僕には親子間の愛情というものが分からないが………随分と過酷な話なのではないか……?
柊木はそんなものを背負いながら、いつも明るく過ごしていたのか。 彼は何の悩みもなさそうに見えるほど、誰にでも優しく朗らかだった。僕もいつの間にか下の名前で呼ばれているし。いや、名前で呼んでいいか聞かれてたな。返事しなかったけど、なんか名前呼びになっていた。
こういう奴は、大体において、親に充分愛されて育っている。
………しかし彼は。]
心臓の件、秘密にしているわけではないのかもだけど、誰にも言わないよ。 ──あ、いや…。ハロにだけ、話してもいい?
[そういえばハロに、"柊木君と話したら教えて"といわれていたのを思い出した。
そんな話をしていた後だったか。 >>62 流れで柊木がハロのことを話題に出して来て──、]
(82) 2023/08/19(Sat) 13時半頃
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─────はぁッ!!?
別に抱いてない!!!
[思わず背筋を伸ばしながら大声で否定してしまった。]
っていうか、あいつは永の妹だから………!中身は、僕等と同学年の女子、なんだよ。 別によく抱いたりはしてない……あいつが僕のところに来るから仕方なく。男に触られるの苦手で、いやそんな話は、いい。
[ていうかその辺にハロが居て聴いてたりしないだろうな……? 僕は思わず辺りを見回した。上下左右確認したがちゃんと居ないようだ。よし。 僕は咳払いをして、話を続ける。]
……そう、僕等の地球では、敵の数よりも契約したパイロットの方が多かった。前の"ハロ"は結構いい加減な奴だったからね…… 要するに僕は出撃機会が無く、余ったんだ。
(83) 2023/08/19(Sat) 13時半頃
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[さっき柊木は、僕が生きられるのは嬉しい、と言った。 僕は、本当は戦いたかった。戦闘にも自信がある。人が死ぬことに躊躇もない。祖父母を避難させる発想が最初なかったのも、そのせいだ。 永よりも弟の縁牙よりも、僕が出撃したかったのに。 よりによって僕だけが生き残ってしまったのだ───。]
………だから契約人数が敵機よりも多ければ、誰かは助かる。 ただ、この地球は、ギリギリの人数しか契約できていないんだ……。補充はできるけど、上限もある。
[身近な仲間を救うために他の誰かを新しく契約させるなんて、柊木には出来ない発想だろう。彼の顔は落胆の色を見せただろうか。 僕は重要なことを付け足した。]
──でも、もし、この地球のパイロットが足りなくなったら。 僕が契約するつもりだから心配しなくていい。
[それは最初から決めていたことだ。ハロに聞いたら怒られる、いや永にも怒られる……。約束を破るつもりはない、けれど。永と同じ顔をした女の子の泣き顔が浮かぶ………。]*
(84) 2023/08/19(Sat) 13時半頃
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― 幕間>>79>>80―
そりゃまあ、ね。 敵が攻めてこないうちにそんな風に出ていったって、 多分誰も信じないよね。
七星君がやったみたいに、本当のことを隠すか、 敵が来て、暴れ出して被害が出てから 近くの人間に契約を迫るか… でもそれは難しいのかな。 そんな事してるうちにこっちのロボットが倒されちゃったり、 時間切れになっちゃうかもしれないし。
48時間経っちゃうと自動的に負けなんだったよね。
[あの時ハロが言ったこと>>2:99を思い出しながら、七星君の事を今更思い出す。本当にあの方法しかなかったのか。]
(85) 2023/08/19(Sat) 13時半頃
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[ハロの出してくれた地図は、鳥取砂丘を指し示していた。]
鳥取砂丘ね。なるほど。 …行ったことないな。 中学の修学旅行で関西には行ったんだけど。 京都と法隆寺と、あと…公園で両手広げた謎の像見たっけ。 金色の仮面つけた皇帝ペンギンみたいなあれ。 ハロは詳しい?あのあたり。
[でも、ハロは他の地球の出だし、知らないかも。]
(86) 2023/08/19(Sat) 14時頃
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そうね、柊木君に何かあったらいけないし、 そこにしよっか。
次の週末までに私も準備しておくから。 …終わったら帰る前に少し観光とかする? 鳥取って何があるのか知らないけど。
[そんな事も言いつつ、当日までには私もレーザー距離計を用意して、ハロを迎えたと思う。多分私が遠出らしきものをできるのはこれが最後だろうなって、そうふと思った*]
(87) 2023/08/19(Sat) 14時頃
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―― 三度目の襲来から六日後 ――
[あたしは自分の部屋にいた。 …あたしの家、マンションも無事じゃなくって。 窓ガラスは全部割れてしまったし、建物にも ヒビが入ってるって管理人さんも言ってた。
それでもあたしはこの家にいた。 ……お父さんも、お母さんも、心配だったから。
お母さんからは実家の秋田に行けって 言われたけど、家と病院とを往復する お母さんを一人にしておける訳無いし。 家の片付けだって全然残ってたから。]
(+35) 2023/08/19(Sat) 14時半頃
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[家では一人の時間が多くなった。
……と、思ったら、 なんでかお兄ちゃんが帰ってきてた。 こういう時こそ安全な場所に居た方が良いのに、 何も言わないで家の片付けを手伝ったり。 いつの間にか車の免許を取ってて、 レンタカーを借りてお母さんの送り迎えを するようになってた。
何も言わないの、お父さんと同じだね。
なんて、一人心の中で呟いて。 それでもあたしよりは遥かに両親の役に立って くれてるお兄ちゃんに、そっと感謝もしてた。]
(+36) 2023/08/19(Sat) 14時半頃
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[学校は被害の大きさから休校を繰り返してた。>>18 その間、あたしは街に出て、街の片付けの 手伝いなんかをしてた。
水道が止まっちゃったのもあって、 お母さんとお兄ちゃんがいない間に 水汲みもしてたし、ごはんもあたしが作った。 ガスも襲来直後は止まってたんだけど、 お兄ちゃんが携帯コンロを持って来てくれてた おかげでなんとかなっていた。
お風呂も、お兄ちゃんの車頼りで。 ……正直に、本当に、存在がありがたかった。]
(+37) 2023/08/19(Sat) 14時半頃
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[ある程度家の片付けも終わって、いよいよ お前だけでもって秋田に送られそうになった。
あたしは拒んだ。 離れたくなかった。 ただのワガママだ。でも、
あたしだけがいなくなるならいいけど、 家族の方がいなくなってしまうのが たまらなく嫌だった。
そうして今のあたしは、家族の不在時に 必要な事を全部やる係に就任した。 ここを離れるとしたら、 家族四人で揃ってる時だけだよ。**]
(+38) 2023/08/19(Sat) 14時半頃
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─大和命戦翌日 縁士の家─
[最初から気付いてたかという問い>>81に、康生は頷いた。]
ああ。あの座布団が縁士の、ってとこまでは気付けなかったけどな。
[家に誰かが訪ねてくれば不審に思われるのは、此方も同じだった。判っていて康生が書斎にまで人を通す可能性は低いが、“天道縁士が座っている椅子”が其処には在るのだから。ちなみに、康生の自室にだって康生の椅子はあるのだが、この子の中では人生の大半を過ごしたベッドの方が“自分の座っている場所”のイメージが強いのだろう。]
そ。俺の中に在るのは、父さんの心臓。 だから俺、ずっと父さんと一緒に生きてるんだ。 父さんは文字通り、俺に全部をくれたんだよ。 話せないし、撫でてくれることもなくなったけど、ずっと俺のこと支えてくれてるんだ。 書類の上では死んでるって扱いでも、ずっと心臓が動いてるし、生きてる。 母さんも俺も、そう思ってるから葬式はしてないんだ。 骨壺はあるけど、父さんが居るのはそこじゃなくてこっち。
(88) 2023/08/19(Sat) 14時半頃
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[胸に手を当てたまま答える康生は、笑みさえ浮かべていた。その様子は、何処か誇らしげですらあった。康生本人は、それを過酷だとは捉えていないのだろう。私と共に居られる事を、心の底から喜んでくれているのだ。]
秘密にしてるわけじゃねーけど、その方がいいかもな。 知ったらさ、俺が二重契約してるかもって気付かれるかもだし。 そしたら、縁士が────ケイ辺りに詰められそうだよなって。 ハロに言う分には、大丈夫だぜ。 あとカガセンも、二重契約のこと知ってるから言って大丈夫。
[話してもいいかと問う>>82彼に、康生はそう答えた。]
うおッ!? きゅ、急に大声出すなよ〜。びっくりするじゃん。 え、ココペリの妹? 女だってのは、目の前で着替えようとした時に言われたから知ってたけど……。 そっか、妹かぁ。似てねぇ…………や、ほんとは似てんのか? 俺が謎の生き物触っちゃいけないから、ハロが男に触られんの苦手ってのはわかんなかったなぁ。
(89) 2023/08/19(Sat) 14時半頃
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[移植前なら兎も角、移植後の康生はずっと免疫抑制剤を服用している。地面に落ちている物、未知の物には触れてはいけないと、康生の母親は口を酸っぱくしながら言い聞かせていた。それでも中学生の頃は、幾度か好奇心に負けて寝込む羽目になっていたのだが。成長したものである。]
余ったパイロット……。 じゃあやっぱり、俺らが生き残る方法って無いんだな。 ギリギリどころか────俺のせいで足りなくなるんだからさ。 二つ枠取ってんのに、一回しか戦えねぇんだから。
[確かに、落胆の表情は見せた。ただ、追加の契約自体はずっと考えていた事ではあった。勿論、身近な誰かを救う為にではない。康生に、そんな発想は出来ない。追加の契約は、この世界を守る為に必要だと考えたのだ。]
[現状、康生も私も、敵は全部で“六体”だと思っている。私達が二人で一つの命である時点で、パイロットが足りなくなる計算だ。だからこそ、康生は「僕が契約するつもりだ」という彼の言葉>>84を聞き、目に涙を浮かべた。]
ッ、な……なんで、んなこと言うんだよ……。 俺、縁士は助かるんだ。助けられるんだって、思ってたのに。
(90) 2023/08/19(Sat) 14時半頃
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……でも、誰もパイロットにならないなら、七尾の願い>>2:602、叶えらんなくなっちまう。 命が証にした世界>>3:325、なくなっちまう。 どんなことしてでも絶対に>>2:616、俺は世界を守らなきゃいけなくて。守りたくて。 だから、…………「頼む」って言うしかない。 カガセンも、似たようなこと言ってたけど、俺────
────本当に最悪の場合は、二人分足りなくなるから。
父さんには、頭がない。 “頭で考えた通りに動かせる”アストロを、動かせないかもしれないんだ。
[これが、私達親子が直面する、目下最大の問題だった。練習も出来ないぶっつけ本番で、もしアストロを動かなかった場合は────]
(91) 2023/08/19(Sat) 14時半頃
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その時は俺、死んで……交代してもらうしか、ないんだ。 何も、できないまま。*
(92) 2023/08/19(Sat) 14時半頃
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― 幕間>>85>>86 ―
うん。敵が暴れて被害が出てから、 っていうのは難しいと思う。
永の戦いの勝敗は、 この地球には関係なかったって言ったよね? あの時負けたら、永の宇宙が消滅する。 それなのに、敵が来てるのに、 コックピットを降りて、契約者は探せないよ。 それをしたとしても、混乱してる場で、 契約させるのは無理だよね。
この地球の契約者が居ない状態で、永が戦った後、 この地球の敵が現れた初戦で、 パイロット不在で48時間経過して、消滅。 それか、初戦までに誰か契約したとしても、 チュートリアルを受けて無ければ、負けると思う。
(93) 2023/08/19(Sat) 15時頃
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─命くん─
>>+25私は古い木造の家で暮らした事がないからピンとこなくてきょとんとしちゃうけどね。 命くんの家に入った事はないはずだし。 それに私は命くんがそばにいてくれた方が安心する。 一応部屋は別だけど、扉一枚あるだけでお隣の方が安心するもの。 これまで離れていたんだから当然。ね? それに考えたくはないけど、私の家に被害が及んだ場合は…とかさ。 一緒にいられて、一緒に…の方が良いなんて後ろ向きかな? でも離れ離れよりずっと良い。 あれなら一緒に寝たって構わないんだけど、そうなると流石に…ね?二人ともお年頃だしお付き合いしてるんだしそう言うのだって不自然じゃないんだろうけど、それはそのう色々落ち着いた後でも良い気もするしこんな時だからこそと言う気もするしでもまだその命くんがそうしたいならって私何言ってるんだろうね!?
(+39) 2023/08/19(Sat) 15時頃
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[それから、修学旅行の話には。]
私は、この地球の人じゃないから。 似た様な場所があっても、少しづつ違うと思う。 でも、京都っていう地名は、私の地球にもあって、 私も修学旅行で行ったよ。
金色の仮面の皇帝ペンギン?? それは、知らないな……。 私が知らないだけかもしれないけど。 [そう言いながら、紙とペンを出すと、どんなのか描いてみてって言ってみる。 果たして、本郷さんは絵が上手だろうか。
――……もしくは、『画伯』、だったりするだろうか。]
(94) 2023/08/19(Sat) 15時頃
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「うん、ほら私目が青いでしょ? それが白猫のイメージだったんだって。 って、七色に光る本郷さんは面白すぎるよ〜!」
>>+26白猫は確かに七尾ちゃんがおすすめしてくれたけど。 >>+27本郷さんにゲームのイメージもなく真面目な優等生イメージのままの私は、なんでそれ!?とコロコロ笑ってしまった。 もしかして本郷さんそう言うグッズ好きなのかな?とか思っちゃう。ほら、合宿でお土産を選ぶ時とかにそう言うのを凝視してる場面を見た!とかさ? >>+28でも、続く命くんの反応にまたカアッと頬が熱くなる。 それは、その、…私だって。
(+40) 2023/08/19(Sat) 15時頃
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「私だって、命くんが好きすぎて、大事すぎて。 …はしゃぎすぎてる自覚はあるよ?」
だって無事だった。怪我もなく生きててくれた。 そのことで胸がいっぱいで、いつも以上にテンションが高い自覚がある。 だからぷいとちょっと横を向きながら、照れ隠しにそんなことを言って頬を掻いた。 嬉しいの。命くんがいてくれる事が。 それだけでこの世界に感謝したくなるくらいに。
そうして一度私の家に帰ってきたのだけど、やっぱり疲れてるのかな? お風呂でのぼせたのか顔が真っ赤になってた命くんに、冷たい麦茶を差し出して。 先に食べてて良いよ?と言ったけど、ちゃんと待っててくれたんだよね。 ちなみに命くんにはお父さんのTシャツとハーフパンツを貸し出した。今日は部屋にいるだろうし、パジャマにするには早すぎるかなって。 お風呂上がりの私もラフな格好。半袖シャツとショートパンツの部屋着になって、それから二人でちょっと冷めちゃったけどご飯を食べた。 こう、命くんと合流するならもう少しいろいろ用意してたんだけど、やっぱりタイミングって難しい。 でもいつも通り美味しいって食べてくれるから、良かった、って笑顔でホッと出来たんだ。
(+41) 2023/08/19(Sat) 15時頃
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「うん。私も、こうしていられるだけで幸せ…。」
片付けも済ませてから二人でソファに座って、テレビを消した後に呟いた。 絡め合わせた指先に少しだけ力を込める。 瞼を閉じてしまった命君を見て、私も目蓋を閉じて頭をそっと命くんの肩に預けた。 隣にいる。大好きな人が隣にいてくれる幸せ。 こんな時だからいつも以上に幸せなのかもしれない。 これを味わえるのが普通じゃないって分かったから。 こう出来ている事が平和なんだって知ったから。
(+42) 2023/08/19(Sat) 15時頃
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「今はいろいろと大変だけど…。 もうロボットが現れなくなっても こうして一緒にいられたら良いなあ…。」
学校はどうなるんだろう。 進学は?卒業は?就職とかも、これからどうなっていくのか今はわからない。 私の家の近辺は恵まれてる方で、学校近くや命くんの家なんて潰されて崩されて、命を失った人だっているんだろう。 そう思うと本当に命くんが無事だったのは奇跡でしかない。その奇跡に感謝してしまう。 今後の将来のことを考えたくても、今はそこに視線が向いてしまうんだ。
いつだって命くんの隣が良い。
(+43) 2023/08/19(Sat) 15時頃
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「…落ち着いたら、病院の方、手伝いに行く予定なの。 命くんも一緒に来てくれる? お父さんの勤務してるとこ、忙しいんだって。 私たちに何ができるって言うより 小児病棟の子どもたちの遊び相手…とか。」
だから、今は今できることに目を向けよう。 遠い未来より、今は確実に今を生きなくちゃ。 復興支援なんてもう危なっかしくて送り出せない。 だから父さんの勤める病院──この辺りでは大きな病院の一つを口にした。**
(+44) 2023/08/19(Sat) 15時頃
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[場所や日時が決まると、小さく頷いて。]
うん。しよっか。観光。
[そう言うと、何もない空間から、本を一冊出す。 表紙には、『るるぶー 鳥取』と書かれていた。*]
(95) 2023/08/19(Sat) 15時頃
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─三回目襲撃前─
「やっ、大和くんは…。 最初はほんと忙しい人なんだなあって…。 正直、餌付けに近い感覚で せっかく同期だし、おやつ目当てにでも 部活来てくれたらな、なんて思ってて…。
でも、いつも美味しいって食べてくれるし お話ししてみたらその、楽しいし、 嬉しそうにご飯食べてるとこ見てたら、その、 …きゅんっと…わあああこれ恥ずかしい今の無し!」
>>+32改めて好きなところを語ろうとするとすごく恥ずかしいんだなって最後もうダメでした! 真っ赤になって両手で顔を覆う。もうやだ恥ずかしい! そりゃ他の子だって美味しいって食べてくれるしリクエストだってしてくれるけど、こう、嬉しさが違ったの。なんて言ったら良いんだろうね!? 七尾ちゃんが星座の本を買ったなら、私はこれもオススメだよって星に関する物語の本を教えたりした。 カフェのスイーツは紅茶と一緒に。 散々迷った末に決めたのはオレンジムース。爽やかな酸味と優しい甘さが夏の熱った体にちょうど良い。
(+45) 2023/08/19(Sat) 15時半頃
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そして今日のお礼にってクッキーを包んだのを渡してお別れしたんだけど。 その後日。
『七尾ちゃんは知ってるからご報告ね。 大和くんとお付き合いすることになりました。 こんな時に良いのかなって思うけど こんな時でも好きを諦めないでよかった。』
そんなメッセージを送ることになる。 その日の私はかなりかなり浮かれてたと思います!**
(+46) 2023/08/19(Sat) 15時半頃
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─退院直後 教会 結婚式─
[誓いの言葉を口にした瞬間泪した彼>>76に、康生は苦笑した。]
もー……、また泣いてんじゃん。 ケイのこと、泣かしたくてやってんじゃねーんだから。
[誓いの言葉を言い終え、ヴェールが上げられると、視界が閉ざされた。ドレスは肩の出るデザイン>>10だったが、幸いにも、依然掴み掛かられた>>1:152>>1:154時に出来た痣は薄れて消えている。あんな経験があったと言うのに素直に目を閉じるのだから、我が子ながら心配だ。だが、彼はきちんと約束>>39を守り、寸止め>>77してくれた。気配が離れて康生が目を開けるまで、唇には何の感触も無かった。]
え、指輪!? すげー……これ、高かったんじゃ? ってか、プレゼント>>3:196ってこれのこと?
[金属を含め康生にアレルギーは無いから、指輪はすんなりと嵌められた。]
(96) 2023/08/19(Sat) 15時半頃
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こっちは、俺がケイに嵌めたらいい?
[そう言って、彼の指に指輪を通した。式の終わりを告げる>>78彼に、康生は満面の笑顔で答えた。]
どういたしまして! 俺も、ドキドキしてめっちゃ楽しかった!
[それが、普段と異なる場や衣装に因る緊張感なのか、好奇心や興味を掻き立てられた結果なのか、それとも──彼への恋心の芽生えだったのかは、判らない。けれど確かに、普段よりはほんの少し早く脈を打っていたのだった。*]
(97) 2023/08/19(Sat) 15時半頃
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─大和命戦のあった日 恵一へのLINE─
[天道縁士へとLINEを送った後、康生は乾恵一にもLINEを送る事にしたらしかった。ただ、なんと送ればいいか迷ったのだろう。幾つかの言葉が、入力されては消されて行った。]
『ケイ、調子どう?』 『(「心配ですにゃ……」と書かれた猫のスタンプ)』
[結局、康生が送ったのはそれだけだった。それは恐らく、涙で枕を濡らす>>70>>71彼の元へと届いただろう。*]
(98) 2023/08/19(Sat) 15時半頃
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