23 あの春の廃校だけが僕らの学校だった。
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―― if 空港 ――
[結局今年の桜はVRの中、しかもモニタ越しに見ただけだった。今や葉桜となり、それも青々と初夏の盛りを迎えている。
虹乃はスーツケースも預け終え、小さな手鞄だけの身軽な恰好で免税店を眺めていた。 肩でばっさり切った髪に、大き目のサングラス。片肩だけビーズのストラップで留めたチューブトップに、脚のラインが分かるピッタリ目のジーンズ。長身と日本人離れしたスタイルも相俟ってか、先程から8人に英語で話しかけられていた。VRの中のアバターと、あまりに様変わりしていたから、彼は見つけられないかも知れない。 ――会えてもいいし、会えなくてもいい。]
ぉー?
[搭乗口で補足されてしまった。 駆け寄る彼は周囲の目も気にせず、大声で捲し立てる。流れ続ける長文LINEを読んでいたのを思い出してクスリと笑った。対面してても、あまり変わらないその態度。]
(68) りしあ 2023/05/01(Mon) 10時頃
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今日のNGワード聞きたい? とりあえず、どっか座ろうよ。 積る話もあるしさ。
[明確な答えは返さず、近くのスタンドコーヒーショップを指す。 搭乗時刻を確認すると、余裕を持たせてアラームをセットした。確実な逃げ道を用意してようやく、対面する覚悟を決める。**]
(69) りしあ 2023/05/01(Mon) 10時頃
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フランクは俺は推してくれないの! 泣いていい?
(70) CClemon 2023/05/01(Mon) 10時半頃
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―― 某ビル・カプセル内 ――
[ゲーム終了のチャイム。 大和・沙羅・桐野先輩の願い。 祈りの仕草のように組んだ指に力が篭った。 途中、エラーの発生もあった様子だが 願いは聞き届けられ―― チープなSE音と、ゲームの終了を告げる音声。]
……?? 終わ…… った……?
[VRの中で起きていたことを思えば 途轍もなく呆気ないアナウンス。 モニタからゲーム画面は消えていて、ただ、 舞い散る桜の幻影だけが残滓としてそこに在った。]
(71) azure_blue 2023/05/01(Mon) 11時頃
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[マシンの出入口は開いている。恐らくは個室も。 荷物を取り上げて個室のドアに手をかけた。 ドアの開閉音、廊下を渡る音、話し声。 参加者かクルーエル社の関係者なのか、 出入りをする人の気配がある。
ドアに片頬を当てそれらに耳を澄ませる。 音が聞こえなくなったのを確かめたら そっとドアノブを回し、隙間から滑り出た。]
(72) azure_blue 2023/05/01(Mon) 11時頃
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[会いに行きたい。 でも、会ってしまえば離れ難くなってしまう。 出入り口で担当者に説明を受け、 ルースとクルーエル社のパンフを渡され 気もそぞろに賞金の振込先を記入する。
救急車、またはタクシー、 それらしき車を視線で追いかける。 会社としては裏口の方を使うかもしれないし、 間に合わなかったかもしれないけれど せめて、遠くから見送りだけでもできれば、今は。]
(73) azure_blue 2023/05/01(Mon) 11時頃
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――――― ――――― ―――
[集合場所はすぐに分かった。 到着した時には何人がそこに居ただろう。 VRの中そのままの姿を目印に、小走りで近付いた。]
お待たせしてごめんなさい。 ……はじめまして。七瀬、野々花です。
[深々と頭を下げる、その瞬間には すっかり緊張もどこかに飛び去っていた。 数時間前に相当な勇気を要していたことが 今はリアルでも苦労なくできることに内心で驚く。]
(74) azure_blue 2023/05/01(Mon) 11時頃
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[集合場所の面々には。 柊くん先輩の意向>>4:-336と、 ニジノのことも同様に伝え。]
…みんな、 無事で、よかった…… 本当に。
[労いが前後してしまった。 声が詰まって、言葉にならない。*]
(75) azure_blue 2023/05/01(Mon) 11時頃
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ヤマトは、キルロイに手ふりふり
CClemon 2023/05/01(Mon) 11時頃
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>>-552 それ確かに。村建て狼だけ吊るで、人狼話をしたらいいんでしょ?
(76) CClemon 2023/05/01(Mon) 11時頃
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トレーサー キルロイは、メモを貼った。
nostal-GB 2023/05/01(Mon) 11時半頃
ノッカは、>>-596 3700行…!! *
azure_blue 2023/05/01(Mon) 11時半頃
ニジノは、いやいや無理せず。急かさないよ。すれ違いー。 ノシ
りしあ 2023/05/01(Mon) 12時頃
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[耳の奥で鳴り響く、激しい鼓動。 それは、私だけのものではなかったみたい。>>59
髪を撫でてくれる感覚は、いつものなのに。 本物だって、現実だって思うと、もっとどきどきして。嬉しくて。]
[すき、に返ってくる言葉は、すき。 VRの中で聞いてしまった『恋人でいいの?』という質問には、 告白したら、世界中のだれが見ても恋人>>2:-431と言ってくれたけど。]
……あ、あの。 現実でも、こ、恋人、で、いいのでしょうか……。
[ぽそぽそと、小さな声で確認をしてしまうのでした。]
(77) doubt 2023/05/01(Mon) 12時頃
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[ぴんぴんしてる、成功、というのには、安堵の息を吐いたけれど。 『完全治癒』という指定が抜けてしまった、と聞いて。>>60]
そう、なんですか……。 ……あの、ね。
[恥ずかしくて、また顔が真っ赤になってしまうけれど。 シャツワンピースのボタン、上の方を幾つか外して、胸元近くが見える様にして。]
私、本当はここに、大きな傷跡があったんです。 ……貴方になら、見てもらいたいって、 ……思ってたんですけど。 酷い胸の痛みが、呼吸の苦しさが、 腕の点滴の跡が無い事に気付いて。 見てみたら……消えてました。
――……私、治ってる、かも。
[怪我と違って目に見えないから、分からないけれど。きっと。]
(78) doubt 2023/05/01(Mon) 12時頃
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[敬語、使わなくていいって、笑ってくれて。>>61 頬に落ちてきた唇。片目を閉じて受け止めて。 涙の滲む瞳で、幸せそうに笑み。]
――……二人乗りの自転車で、河原、行こうね。 きっとすぐに、行かれるわ。
[そう言って、笑った。**]
(79) doubt 2023/05/01(Mon) 12時頃
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ヤマトは、夕方まで外!
CClemon 2023/05/01(Mon) 14時半頃
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―外の世界―
[黒塗りの車で連れていかれた先の病院は、 組織の息のかかった場所だったのだろう。 不調の理由を問われることも 保険証の提出すら求められることもなく、 一通りの検査が行われて。
翌日には、退院した。 空を見上げる。]
……特に感動はないなあ。
[時間にすればわずか一日ぶりに見る本物の空は、 VRのものと、さほど出来栄えに 差があるように思えなかった。]
(80) yunamagi 2023/05/01(Mon) 14時半頃
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…………。
[交換した連絡先を自前のスマホに登録して メッセージ入力画面を開いた。 もう自由に出現/消失することもかなわない。 仮想の数日間ですっかり慣れてしまったから 不便に感じる。
けれど、すぐにこの現実にも慣れるのだろう。]
(81) yunamagi 2023/05/01(Mon) 14時半頃
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『 🐈 』
(82) yunamagi 2023/05/01(Mon) 14時半頃
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[反対向きのものがあればいいのに。 思いながらスタンプをひとつと。]
『 皆、元気だった? 』
『 僕は病院で調べてもらったけど 何ともなかったよ 』
『 野々花が落ち着いたら会おう 』
[―――――― それから。]
(83) yunamagi 2023/05/01(Mon) 14時半頃
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『 大事なことをいいそびれていて、 』
『 写真とか、出掛けたりとかは 勿論一緒にしたいんだけど 』
[迷う指先は、今になって躊躇う心が あったのでなくて、]
『 えぇと…… 』 『 僕とつきあってください 』
[直接会っていうべきなのでは? と逡巡したからだ。]
(84) yunamagi 2023/05/01(Mon) 14時半頃
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[――――送信。 肩掛けバッグをかけ直して まだ春の気配が残る街並みに向けて歩き出す。
自身の奥底に沈む痛みの記憶は きっと、これから何度となくぶり返すだろうけど。
道すがら街角のゴミ箱に、 受付でもらった琥珀のルースとパンフを放り投げて、 進む足取りに迷いはない。 それから、新しいスマホを手に入れるために 真っ直ぐ店の中へ入った。**]
(85) yunamagi 2023/05/01(Mon) 14時半頃
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ニジノは、うむ、チョロい。**
りしあ 2023/05/01(Mon) 16時頃
ヤマトは、⁉️⁉️⁉️
CClemon 2023/05/01(Mon) 16時頃
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―― 翌日:某時刻 ――
………… …。
[自室の反対側にある姉さんの部屋で、 姉さんの写真を前に手を合わせていた。 差し替えたばかりの花と、碧玉の裸石を傍に置き、 力を借りたことへの感謝を告げる。 時計の長針はもう何周回っただろう。 どれだけ話しても足りない、長い長い報告になった。 姉さんがここにいたら、笑われてしまいそうだ。
目を開けると、窓の外は何処までも続く青空。 あの廃校で朝や夜を越えたことが 既に夢の中の出来事のよう。]
(86) azure_blue 2023/05/01(Mon) 16時半頃
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[通知音]
[バーチャルではないスマホを開き メッセージを確認する。]
……!
[恒例になったスタンプは、 たったひとつでわたしの心に灯を燈す。 まず第一の気掛かりは彼の体調だったので、 無事の報告にほっと胸を撫で下ろした。 どのように返答しよう、そう考えながら、 続きをそっとスクロールし、少し固まる。]
(87) azure_blue 2023/05/01(Mon) 16時半頃
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… 〜〜 っ ちょ、っと、待って
[想いは伝えてしまっていたし、 つまるところそういうことなのだけれど、 文字で書かれてしまうと何度も目に入ってしまって。
怖いほど心臓が早鐘を打ち始めたので、 落ち着こうと、スマホをぎゅっと胸に抱いた。 朱ののぼる頬を両手で押さえた、ら、 それはそれでまた何か思い出したりと。 落ち着くことには敢え無く失敗した。
慌てて足の向きを変えようとしたから、 足元にあった小箱に躓いた。]
(88) azure_blue 2023/05/01(Mon) 16時半頃
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ぁ、いたっ! ごめ、姉さんまたあとでちゃんとするから…!!
[姉さんの私物、蓋が開いてしまったけれど それどころじゃないとぱたぱたと自室に戻る。]
(89) azure_blue 2023/05/01(Mon) 16時半頃
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[ぶつかった衝撃で、 ブルーサファイアはコロコロと転げ落ち。 幼いころ、一生懸命にふたりで集めた 綺麗なビーズ、お菓子のオマケのアクセサリー、 硝子玉やアクリルキューブ――
金銭的な価値はない、しかし、 とても大切な『宝石箱』の中に紛れてしまう。
たとえ記憶の中に埋もれて行ったとしても、 わたしの中で確かな光を放つもの ]
(90) azure_blue 2023/05/01(Mon) 16時半頃
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[部屋に戻り、幾度かの深呼吸ののち。 送信できたのは短い問いかけ]
『 会いたい。 今日、会える……? 』
[続けて2,3のメッセージを送る。 都合の良い時間と、今いる場所と。 もし、少しでも時間を作って貰えるのなら、 わたしはすぐにでも走って行くから**]
(91) azure_blue 2023/05/01(Mon) 16時半頃
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ニジノは、# ノノカワ
りしあ 2023/05/01(Mon) 17時頃
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[>>77 ── ん?
俺とサラの関係…って、 こ、恋人じゃない?
と、既視感のある台詞が頭をよぎった。が。 まだ敬語の取れない目の前の彼女をじっと見て、 眼の高さまで屈み、小首を傾げるように覗き込んだ。]
勿論そのつもりだったよ。 ……嫌?
[嫌と言うわけがない、とは思うが 返答があれば、注意深く見つめた。]
(92) steel 2023/05/01(Mon) 17時頃
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[>>78 そして話していくうちに、 ふと真っ赤な顔をした彼女が、 ワンピースのボタンを上から外し始めた。
───…えっ、 …こ、ここ で!?
思わず心臓が跳ねる。
僅かに開いた胸元を見せながら、彼女が言った。
傷跡のこと。 痛みも苦しさも消えていること。
──治ってるかも、ということ。]
(93) steel 2023/05/01(Mon) 17時頃
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───……えっ、ほ、 …本当に!? そ、そうか。
[思わず、手を伸ばした。]
──……よ、 かった……──
[涙ぐんでいる彼女の頬を撫で、 そのまま引き寄せて、震える腕で抱き締めた。
──全部、報われたのだ。 本当にゲームに勝ち、願いが叶った。]
(94) steel 2023/05/01(Mon) 17時頃
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[胸がいっぱいになって、ろくな言葉が紡げず。
自転車で河原行こうね、と言う彼女の 後ろ髪を撫でて、うん、うん、と頷いた。
傍から見たら、ワンピースをはだけた女の子を 廊下で抱き締めている怪しい男だった。
しかも運悪くクルーエル社員数人に見られていたが、 今はそんな事はどうでもよかったのだ──。]**
(95) steel 2023/05/01(Mon) 17時頃
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>>74 [大和を泣き止ませるまでにはそれなりの時間を使った筈だったが、玄関口には一番乗りだった。
それぞれ事情はあるだろうから仕方がないのかもしれない。顔を見て安心したい相手も浮かんだが、それはそのうち確かめられるだろう。
二人並んで壁に凭れていると、然程待たずにもう一人が現れた。]
あは、初めまして。 鮫島研吾でーす。
[続く挨拶を大和に譲って、ああ、と気付く。]
そっか、印象が違うと思ったら パーカーは着てないんだ。
[見慣れたオレンジが、そこにはなかった。 けれどそれだけだ。律儀なお辞儀も、少しだけ遠慮がちに、それでいて綻ぶ花のようにも思える声も、この体感数日でよく知った野々花ちゃんだった。]
改めて、お疲れ様。*
(96) jps 2023/05/01(Mon) 17時頃
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―― ゲーム終了後:ビル玄関口 ――
[はじめまして …… VR内での別れの言葉から体感間もなく、 口にしてしまってからその可笑しさに気付く。]
ふふっ。
… あ、ええ。ああいうパーカーは普段着なくて。 VRの中で初挑戦でした。 鮫島先輩は、印象そのままね。大和くんも。 なんだか安心しました。
改めて、最終陣営ありがとう。
(97) azure_blue 2023/05/01(Mon) 17時半頃
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