10 冷たい校舎村9
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[ 比較的静かに帰還した悪友とは違って こちらは酷く騒々しい目覚めだった ]
(+19) 2021/06/14(Mon) 10時頃
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[ どこかでスマホが鳴っているような ──────── 気がする ]
(+20) 2021/06/14(Mon) 10時頃
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── 自宅2F ──
[パッと目を開けるとそこは見知った部屋 冷たい校舎でも、夢の中の部屋でもない。]
え。俺。 戻っ……… ってきた? それとも、………夢?
[夢だったのだろうか、 それともきちんと戻ってきたのだろうか。 あの時、そうだ、最後に俺は
眦に、ちくっとした痛みを感じて手で触る 目も鼻も、あるようだけど、信用ならない だって俺は見たものだけを信じたいから]
(+21) 2021/06/14(Mon) 10時頃
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アイちゃん!!いる!? 俺!!顔!!
[飛び起きて3秒、 転がるように部屋を出て、大声で叫んで そうだ、鏡。洗面所。洗面所に行けば、俺]
うわっ、あっ、っと
[どんがらがっしゃーん。 駆け下りた階段数段踏み外して落ちた。 怪我とかはしてないけれど、相当大きい音が響く いつもならここで ──────── ]
(+22) 2021/06/14(Mon) 10時頃
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[頭に衝撃。階段から落ちた衝撃じゃあないよ 見上げればチョップを繰り出すアイちゃんの姿。 あっ、いつもどおりの日常だ。いや不服だけど。
『 レン!うっさい。 』
リビングからは、父親も顔を覗かせている。 いつもどおりの3人家族。他に、余計なものは無い。 見知らぬ女もいなければ、見知らぬ廊下でもない。
アイちゃん、俺顔付いてる?って聞いたら アイちゃん史上、最高に怪訝な顔、された。
『 そんなことよりか、 さっきからスマホ鳴ってるけど 』>>+18]
(+23) 2021/06/14(Mon) 10時頃
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ユキ!無事!? メッセージ?なんのこと?
[その電話に出たのは ひたすらコール音が鳴り続けた後だっただろう 20回以上は鳴ったんじゃねえかな……。ごめん。
携帯を耳に当てながら、 階段でぶつけた尻を掻きながら洗面所に向かう 鏡、鏡… 目も口もありそうなんだけど、 眦が痛いの、これ何が起きてんだ?怪我?
なんて、鏡の前にたどり着いて、 眦に小さな「出来たての切り傷」を見つけるのと 多分、ユキの口から、ノエのことを聞くのは同時。
傷、触れば痛くて、痛ッて、と声を出した。]
(+24) 2021/06/14(Mon) 10時頃
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ノエ、が。
[……考えないようにはしてたからさ、 そうだったんだ、っていう気持ちと、 やっぱりそうか、っていう気持ちがね半々。
俺のほうも、消去法。 その上で、ユキとユーガは絶対無いって 俺さ、確信してたから。>>4:327>>2:391
メイは、確証はなかったけどさ。 交わされた「また明日」の言葉が。
─── 生きている掌の温度が >>4:119 嘘だなんて、思いたく、なかったかな。 ]
(+25) 2021/06/14(Mon) 10時頃
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つか、いかなきゃ。 病院は!? っていうかほかのやつは無事なん?
[病院のことまで教えてくれた? 俺ですか?慌てて病院向かおうとしてますけど。 でも電話で悪友が話したいことがあるっつーなら 仕方ねえなあ聞いてやらんこともないよ(傲慢)]
(+26) 2021/06/14(Mon) 10時頃
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[あ、でもさ、これだけは電話を切る前に ちゃんと、ユキに言わなきゃな。]
……あーそれと。 ユキ、おかえり。ただいま。
[きっと、ちゃんと明日が続いてく「日常」に。]*
(+27) 2021/06/14(Mon) 10時頃
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架空惑星 レンは、メモを貼った。
2021/06/14(Mon) 10時頃
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— チャイムが鳴った後:食堂 —
[保健室を出て休憩室、それから1階の部屋をいくつか。 わたしが食堂に辿り着いたのは チャイムの余韻がとっくに消えてしまった頃。 詰め寄った炭蔵くん>>23とわたしの間には、 走り回って乱れたわたしの息の音だけがする。
わたしは炭蔵くんの反応も待たず、矢継ぎ早に話した。 乃絵ちゃんがこの世界の主人である明確な証拠はなくて、 本当は鳩羽くんかもしれないし、柊くんかもしれない。 もちろん目の前の炭蔵くんの可能性だってある。
わたしは確信に近い思いを抱いていたけど、 炭蔵くん>>24にわたしを疑う様子は一切なかった。 わたしの方が不思議に思って混乱が増していく。]
(33) 2021/06/14(Mon) 11時頃
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……っ、でも、
[疑問を口にするより先に、 炭蔵くん>>25は落ち着いた声でわたしを嗜めた。 いつもと変わらない温度。平らな響き。 無機質にも見えるそれに、 わたしは疑問より反発のような気持ちが勝る。
それをぐっと飲み込んで、 わたしは言い募る代わりに身を乗り出し、 炭蔵くんの鼻筋に手のひらを滑り込ませた。 そのまま手の縁で額を撫ぜれば、重い前髪が剥がれる。]
(34) 2021/06/14(Mon) 11時頃
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[眸>>26を、見た。]
(35) 2021/06/14(Mon) 11時頃
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……なぁんだ。
[民衆っていうのは勝手なもので、 勝手な想像で知らない相手のこと決めつけるし>>0:136、 その割に無意識に頼ったりする>>0:29。 炭蔵くんならやってくれる。炭蔵くんだから間違いない。 まともに返事もせず、わたしは既読だけを増やす。 他人事。人任せ。そんな日々だった。]
わたしと同じじゃん。
[炭蔵くんだって、腕は二本しかないんだ>>1:570。 その心の内、詳細>>27>>28までは分からないけど、 揺れる眸は炭蔵くんの口よりよっぽど雄弁だった。
こんな当たり前で簡単なことも分かってなかった 自分が何だかおかしくて、思わず笑っちゃう。 プライドの高い炭蔵くん>>4:437を傷つけてしまうかな。 でもわたし、別に馬鹿にした訳じゃない。]
(36) 2021/06/14(Mon) 11時頃
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[わたしの基準はわたしで、善悪は正直どっちでもいい。 今の炭蔵くんが今のわたしにとって正解だった。 それだけのこと。]
(37) 2021/06/14(Mon) 11時頃
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[自分より慌てた人を見た>>1:37時や、 泣いている人の前で笑っていた時の気分に似ていた。 おかげで少しずつ混乱も落ち着いてきた気がする。
わたしは全力疾走と笑いに跳ねた心臓を押さえた。 深呼吸は二度。こうすれば上手くいく気がする。]
足りないよ。わたし一人じゃ全然足りない。 現に今、わたし炭蔵くんに助けてもらった。
言葉にしなきゃ伝わらないことが多いけど、 言葉以外でもできることはあるんだって。 教えてもらった気がする。
[炭蔵くんの眸がわたしを落ち着かせてくれたんだって 言ったら、炭蔵くんはどういう顔をするかな。 ううん、どういう色を眸に宿すんだろう。
確かめようにも、わたしの指は逸らされた視線>>29に 離れてしまって、前髪はもう炭蔵くんの指のものだ。]
(38) 2021/06/14(Mon) 11時頃
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ありがと。
[乱れた前髪の隙間から、まだ少し眸は見えるかな。 わたしの瞳に映る様々な感情は、 得た落ち着きが水みたいに広がって柔く馴染んでいた。 その視線を炭蔵くんのそれと繋げようとした。]*
(39) 2021/06/14(Mon) 11時頃
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[そうしてわたしの息がこの場に馴染んだ後、 わたしは炭蔵くん>>30の提案に頷く。]
……というか、そんなほいほい信じていいの? 本当はわたしが騙してるのかもしれないのに。
[ため息がひっかかっていたわたしと、 カッターで勘付いていた炭蔵くん>>24。 お互いにお互いの理由を知らないから、 わたしはさっき喉奥に消えた疑問を掘り起こす。
ここにわたしたち以外の人がいないことは分かっていた。 だからとりあえず移動しない? と提案して歩き出す。]
(40) 2021/06/14(Mon) 11時頃
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留めるもの?
[炭蔵くん>>32が予想外のことを言い出したのはその時。 わたしは手のひらで自分の身体を叩いて確かめる。 ぼたん、お財布、スマホ。紺色のハンカチはもうない。 鳩羽くんのコート。……ここは違った。]
今は持ってない……けど、教室にはあるよ。 鞄の中。机に置いてるから。
[わたし、髪短いからそういうのあんまり持ってない。 でも時々前髪を邪魔に思うことはあって、 そういう時に使う物ならあるよと炭蔵くんに告げる。]
(41) 2021/06/14(Mon) 11時頃
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検討してくれたの?
[一昨日>>1:572は乗り気じゃなさそうだったのに。 残念ながらわたし、流行り>>0:74には疎い方だから 笑顔のまま、いいねって賛同した。
万が一にでも炭蔵くんがやめるなんて言い出す前に 教室への移動を提案する。]*
(42) 2021/06/14(Mon) 11時頃
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夜笑国 メイは、メモを貼った。
2021/06/14(Mon) 11時頃
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[ 眸を、見られた。>>35 ]
(43) 2021/06/14(Mon) 12時頃
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[ 反発するような言葉、焦ったような様子が、 次第に落ち着いて行くのがわかる。>>38 ]
……そうだな、同じ人間だよ
[ 少しだけ不貞腐れたような声音になってしまう。 平坦だった声にも次第に隠せない感情が乗り始める。
けれど、告げられる言葉に、笑い声。 俺はそれを不快に思うことはなく、 逆に気恥ずかしい思いが優ってしまったから 視線をつい逸らしてしまっていた。 ]
(44) 2021/06/14(Mon) 12時頃
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[ そうして、同じように深呼吸をする。 二度、そうすればこの気恥ずかしさも落ち着いた。
よもや、互いが互いを落ち着かせたなんて 気付けもしていなかったから、 助けた≠ネんて言われても心当たりがない。
ただ、感謝の言葉を述べられれば、 悪い気はしないものだった。 ]
いや、俺の方こそありがとう
[ 今はもう逸らしていた視線を戻して、 暮石のものと繋げていた。>>39* ]
(45) 2021/06/14(Mon) 12時頃
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[鳩羽が電話に出るまで、たっぷり数十秒はかかったと思う。>>+24 一緒に帰って来てるって確信してた筈の俺だけど、 コール音を聞いてるうちにだんだん自信なくなってさ、
え?あいつまさかワンチャン帰り損ねてる? 失敗してそのまま逝ってたりしない? なんて頭に過り始めたころだったから、
スマホ越しに痛え、なんて 呑気な声が聞こえたときは やっぱりちょっとだけ安心した。]
(+28) 2021/06/14(Mon) 12時頃
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[ それから、暮石の疑問に小さく笑う。>>40 ]
あまり主張をしてこなかった暮石が言うんだ まさか狼少女だと思うことがあるか?
……それに、心当たりがない訳じゃない
[ まだ拾ったカッターナイフはあっただろうか? もし消えていないのならば、 ポケットから取り出して見せようとするだろう。
ないのなら? 自分で傷つけた左手首を暮石に見せる。 暮石のひっかかっていたことはわからないが、 黒沢の癖ぐらい気づいていただろう? ── と、言わんばかりに。 ]
(46) 2021/06/14(Mon) 12時頃
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無事無事。 五体満足で帰って来てますよーっと。
[とはいえ夢の中で飛び降りなんてしたせいか、 ちょっと重めの筋肉痛の時みたいに 全身の関節がじんわり痛い。 動けないほどじゃないけどさ。
口振り的にまだメッセージは 見てないようだったから 簡単に俺の口から説明する。
精神世界と閉ざされた校舎のこと。 黒沢が自殺未遂を試みて、病院に運ばれたこと。 それに、容体はあまり芳しくないこと。]
(+29) 2021/06/14(Mon) 12時頃
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[ そして髪留めの件については、 教室にあるらしい。>>42
そうだな、やっぱり辞めると言い出す前にと、 俺たちは自分たちの城である教室へと向かった。* ]
(47) 2021/06/14(Mon) 12時頃
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[ 教室にたどり着いた頃、 カッターナイフの無くなった綺麗な廊下に、 扉の外に靴跡が残されているのが見えた。>>4:496 ]
なあ、暮石 ……これは、多分そうだよな
[ そう≠ニいうのは、マネキンを示唆する。 暮石はそれを見た時、どんな顔をしていただろうか。 俺はちらりと表情を盗み見ようと視線を向けていた。
本当は、今すぐにでも辿りたかったが、 当初の目的の髪留めを先に回収しよう。 そう提案をして、教室の中へ踏み込んだ。 ]
(48) 2021/06/14(Mon) 12時頃
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[鳩羽と世界の主の正体誰だみたいな話は そういや(悪ふざけを除いて)しなかったけど 彼も何となく気付いていたんだろうか。 しんみりとした口調からは読み取れない。>>+25]
――……うん。
[頷いた後一拍前を置いて、少し迷って口を開く。 デリケートな話だけど、こんな事態だしいいかな。 いいよね。それに鳩羽だし。]
(+30) 2021/06/14(Mon) 12時頃
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副会長さあ、 見限られるのが怖いんだって言ってた。 見捨てられないように、頑張って、親切にして、 みんなのことを気にかけて、頑張らなきゃいけないんだって。
そう命令されてるからって。
[そうして頑張って頑張って、 ある日限界が来てしまった。
死ぬのが怖いって言ってたんだよ。 リスカは死ぬためのものじゃないって言った癖に、 自分でも死ぬつもりなんてなかった癖に、 それでも耐えられなくなってしまったんだ。]
(+31) 2021/06/14(Mon) 12時頃
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[ きっと、暮石が髪留めを探している間、 俺は黒板に並ぶ寄せ書きを眺めていた。 廊下に貼り出されている写真のように まるで卒業アルバムの裏表紙のように 思い出の一部に、感じていた。 ただ、文字の内容は物騒なものが多いけど。
辿るように文字を読んでいれば、 ふと、増えているものに気づいた。 ]
───…… 鳩羽の字だ
[ やたらと目立つ文字。>>4:497 教室にマネキンはない。 と、言うことは。外にあった靴跡は──…… ]
(49) 2021/06/14(Mon) 12時頃
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