27 【crush appleU〜誰の林檎が砕けたの?】
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[顎に手を添え思考していた時 ──瞬き程度の時間で、周囲の様子が一変する。
スポットライトの当たるステージ、 見下ろすように無数に並んだ赤い座席が後方にある。 芸術劇場、という言葉が浮かんだ。
その舞台上、袖近くで 成海は白い服を着て立ち竦んでおり 傍らには藁の上に置かれた小さな台が存在した。]
(199) 2023/08/03(Thu) 23時頃
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……まだ、
[続いていたのか。俺の悪夢は。 反対側の舞台袖から現れた天原真那を眺め、微笑んだ。
真那の装いはワンピースから黒いドレス姿へ。 血液ではなく、本来の色のように見える。
年上の彼女も今ではとても頼りない少女にしか見えない。 その細い腕が、斧を引き摺っていた。
自然と膝をつき、首を差し出すように項垂れた。 あの台へ押さえつける司祭はいないのだから。]
(200) 2023/08/03(Thu) 23時頃
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[一歩、一歩。 固く鋭いハイヒールの足音と 床と斧が擦れる音が、近づいてくる。
彼女は何も言わず、カラスアゲハは舞わない。 全ては成海の意志の変化に影響したことだ。 これから行われる、絵画の再現も。
虐げられ罰せられるのは求めるが故に。 けれど、無意味な夢の中の死は望んでいなかった。 本物の終わりしか、見ていないはずだった。
望みは打ち砕かれ、生きることを誓った。 その上で擬似的な終演を感じ覚醒めるのならば。
もう自傷ではなく。 通過儀礼といってもいいのかもしれない。]
(201) 2023/08/03(Thu) 23時頃
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[音が全て止まった。
決して顔をあげようとしないのに、 あの黒く丸い目が自分を見下ろしているのだと分かる。
重い斧を持ち上げようとしている。 だから、最後に。本物ではないと知っていても]
(202) 2023/08/03(Thu) 23時頃
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こんなことをさせてしまってすまない 俺は今も、君に手を引かれていた子供のままだった
……真那さん、ありがとう ──君のことが好きだったよ
[それは恋も愛も熱烈な執着も宿らない。 ただ一人の人間との未来を想って細やかに向けていた。
確かにあった、温度。]
(203) 2023/08/03(Thu) 23時頃
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[斧が振り上げられ、刃が首に触れたような気がした瞬間。
真の断頭は為されず、成海の意識は白く沈んだ。*]
(204) 2023/08/03(Thu) 23時頃
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―― 病院・2階休憩スペース ――
あははー、イイことも言える俺、見直したっすかー?
[ 頭を搔きむしる骨谷先輩に心配はしながらも、>>+62 軽い口調で返したら、 少しは気楽に考えてくれるかなと思いつつ。 ]
まあ、家事やらなくていい環境なら、 台所に入らないのも仕方ないとは思うっすけど。
顆粒だしは、鰹節とか煮干しを粉末にしたものに 調味料で味付けがされてるんっすよー。 俺はあの夢の中では一から出汁を取ったんですが、 やっぱり顆粒だしを使うのが楽でいいんすよねえ。
電気圧力鍋は、形は大きめの炊飯器って感じすかねえ。 まあ、実際に米も炊けるんすけど。 俺の家にあるんで、機会があれば見せますね。
(+67) 2023/08/03(Thu) 23時頃
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[ どうやら俺の“かりゅーだし”の言い方は、 口がうまく回っていなかったらしい。>>+62 ]
おお、いいっすねー。
俺の持ってたクッキーは、 どうやらぐちゃぐちゃになっちゃったみたいなので、 また別のものでお返ししますね。
[ 黒い雷神のチョコバーをお裾分けに1ついただきつつ>>+63 カフェオレと一緒にもぐもぐと。 ]*
(+68) 2023/08/03(Thu) 23時頃
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― ビデオルーム周辺 ―
[タイミングはちょうどだったらしく 共にビデオルームから出てくる二人を見遣り―― さっき高祈の背後に見えてたものが 消えていることにほっとした>>175 高祈自身も…まあ表情は普段通りだけど 聊か元気になったように見えて。
あれから何かあったんだろうな。 勿論探るような無粋はしないけど。]
(205) 2023/08/03(Thu) 23時頃
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……へっ、あっ、ど、どうも???
[返す、という物言いに一瞬だけ 先程まで感じていた恐怖心が飛び。 裏返った声で答えてしまう。
むろん大藤は別に己の所有物ではないし、 言葉のあやだろうとは思ったけれど。 動揺する自分を他所に先輩二人は平然としている。
ともあれ、軽く頭を下げて高祈を見送った後 大藤の方を見て。]
(206) 2023/08/03(Thu) 23時頃
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あ、はい。行きます。 仁科ちゃんならまだエントランスに居るんじゃないかな。 田端先輩は……えっと……返事返って来ないのは たぶん今こどもになってるからじゃないかなって……
[あの幼児がスマホを使えるとは思えない。 生憎今田端がどこにいるかどうかはわからないのだが 二人について自分が知っていることを話し。
先程顔を合わせてきた自分とは違い、 彼も話をしたいのだろうから。 大人しく着いていくつもりでいる。**]
(207) 2023/08/03(Thu) 23時頃
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[>>+61 福原の声は明るい。 結局、銀は彼の印象は美術館を訪れる前と変わらないまま。 ひまわりのTシャツは今ではもう着ていない。 銀がフード付きマントではないように。 あれは夢の中へ置いてきたのだ。 10年を超える想いとともに。]
お医者さんが仰ったならよかった。 頭の傷は出血が多いというから…… 開かないように気を付けてね。
[柊の怪我の具合は分からないという言葉には 頷きで返して。 雷神を食べ終えて、炭酸飲料で口内を湿らせる。]
二人の無事も分かったし、部屋に戻るね。
[告げて、休憩スペースを去るつもり。*]
(+69) 2023/08/03(Thu) 23時頃
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素っ頓狂な声だな。
[高祈の言葉に上がった、裏返る声には >>206 聞こえるか聞こえないかの大きさで呟いた。
エントランスに仁科が残っているらしいことを聞けば 顔を見るくらいは出来るかもなと、一二歩歩を進めて。]
………繋ぐか?
[唐突に、手を差し出す。*]
(208) 2023/08/03(Thu) 23時頃
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―現在: ―
わたしを 。
[そこはどこだったのでしょうか。 元の声で、朗々と響かせるように紡ぐ声。 それは一遍の詩でした。 小学生の田端が胸に抱えていた詩集にあるうちの一つ。 新川和江という女性詩人の、広く未来に拡がる詩だと田端は思っていました。 私を決めつけないで欲しい。 何かの型に当てはめないで欲しい。 私は自然と共になる。 私の価値は私が決めるのだと言う、田端自身の決意にもにた歌に思えていたのです。 5連あるうちの四つまでを読み上げて、田端の声はそこで途切れました。]
(209) 2023/08/03(Thu) 23時半頃
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…………四年が三人残ればよかったのにね。
[後輩が一人、最後に残ってしまったからこぼれた言葉でした。 生き残りたい。生きていたい。 もし生き残って、その価値を譲ってあげたくても譲りたくはないのです。 けれど、後輩の女の子が残るのは少し可哀想でした。 だからと言って大藤が死ねば良いとも思えません。 でも、年下が苦しい思いをするよりも、同じ年齢の奴ら三人残るのなら受け止め方も違うのにと、残される側なりに考えてしまいました。 死にたくない。死なせたくない。でも、変わらない。 結末は変わらない。 それなら、やっぱりこれは本当に慈悲なのでしょうか。 だから、田端から別れの挨拶をしに行ったりはしません。 死は残す方も残される方も辛いのだと知っているからです。 それなら。 多くを知らない方が良い気もするのです。]
(210) 2023/08/03(Thu) 23時半頃
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[声はそのまま消えてしまいます。 それはとても穏やかなものでした。]*
(211) 2023/08/03(Thu) 23時半頃
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へっ!?!?
[ぼそっと呟かれた言葉は聞こえなかったものの 唐突に差し伸べられた手に 更に変な声が出た。>>208
いや、彼の方から言われるとは 思っていなかったもので。 むずむずと口元が緩むのは許してほしい。]
………… 繋ぎます…………
[おずおず、その手に自分のそれを重ねて、 先程彼がそうしたようにきゅっと握る。*]
(212) 2023/08/03(Thu) 23時半頃
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ダンスを嗜むなんて、見た目の雰囲気裏切らず 舞踏会的なの慣れてるのかと思いきや、
何故疑問形。
[サルサと言えば赤い辛いソース、 しか思い浮かばない残念なオレ。 後でサルサの衣装を検索してみよう。 (きっとコレをシロマちゃんが着るの!? って仰天するヤツ)]
ニトちゃんと言えば、ちらっと夢で見た時 なんか…………整形? してなかった?
[歴代彼女たちは、頑にメイク前の素顔は 隠し通してきたから、女子がメイクや髪形で どこまで化けるのかなんて把握しきれていない。]
むしろ、どっかで見たことあるなあって 思ったんだけど……う〜んわからん。
(+70) 2023/08/03(Thu) 23時半頃
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あっちで傑作が描けても、 持ち帰れないからなあ。
[戻って来るなら、またいくらでも描ける。 シロマちゃんの言う通りだ、小さく首肯。
そして、]
(+71) 2023/08/03(Thu) 23時半頃
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…………お、漢前!?
[ノっ君と肩を抱き合い 噎び泣く準備は万端だったけど、 女子に胸を貸すなんて>>+65言われたの 生まれて初めてだ。
いや、そんなこと言われたって……なあ……、 (タバたん先輩のボリューム感を 思い浮かべるなオレ!)]
さすがに、オレも男としてそれは サマにならないっていうか ……いいの? 色々?
いざ実行したら、頬に追撃くるやつじゃない?
[むしろオレの胸でよければ、誰にでも レンタル0円でオーケーなんだけどな。]
(+72) 2023/08/03(Thu) 23時半頃
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ん、酢昆布も美味かったよ。
[素早い動きに失笑して、白い手に2つ、 個包装のパックを置いた。お納めください。
献上した品を口にして、やがて去るシロマちゃんに オレは軽く手を振った。*]
(+73) 2023/08/03(Thu) 23時半頃
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>>184
オレは、死神みたいなものだ。 キミの思うような色で間違いないと思うよ。
[嬉しそう彼女に微笑みかけた]
迷わないように、だな。 間違っても、彷徨わないように、
(213) 2023/08/03(Thu) 23時半頃
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>>185 そう もし、彷徨ったとしても、連れていくまでは見守る存在。 それでいいと思う。
[彼女の心に浮かぶ存在が視える。 確実に迷わないように、そう、彼女も]
いいね、そういう風に考えるのは。
[そ、その時。>>185 零れた言葉には返事はあえて返さない]
願うことは、叶うことだよ
(214) 2023/08/03(Thu) 23時半頃
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素直だな。
[隠しているつもりか、そんなつもりも無いのか 素直に口元がムズムズしているような表情が見て取れた。 一瞬吹き出しそうになって顔だけ逸らして耐え、 手を繋いだならそのまま、生還する仁科に会いに行こう。
言葉も多く交わすことは出来ないだろう。 会いに行くことさえ、置いていく側としては重荷かもしれない。 それでも仁科は「話しましょう」と言ってくれたから。]
(215) 2023/08/03(Thu) 23時半頃
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>>188
まぁ、偽名だね。 だが、キミに教えるわけにはいかないんだ。
だから本当のオレが描いてもらえないのは残念だが、 許してくれ。
[そして、彼女に近寄り囁いた]
(216) 2023/08/03(Thu) 23時半頃
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─ エントランス ─
[目覚めてしまう前に、顔を合わせるくらいは間に合ったろうか。 林檎は自分が見た時よりも数多く樹に戻っている。 あと三つ。いや、残るはあと二つ。]
話すのは上手くない。 大したことは、伝えられないが。
[普段、口数の少ない自分が言葉を選び真っ直ぐに向ける。]
ありがとう。
[メッセージから読み取れる、仁科なりの気遣いへの感謝。 また会えるか、これが最後か。 自分か、回谷か、田端か。 天使の宣告はきっとすぐそばで*]
(217) 2023/08/03(Thu) 23時半頃
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どーせ顔に出ますよ。
[今ちょっと笑いそうだったでしょ。 咄嗟に顔を逸らす大藤をジト目で見上げたものの。>>215 やはりこうして手を繋いでいると 感じていた心もとなさが解けていく。
ほ、と少し緩んだ表情になりつつも 再びエントランスにとんぼ返りしたろうか。
仁科が還るまでに間に合えば 空いている方の手を振りさっきぶり、と言ったものの。
基本的には口を挟まず、大藤の見送りを聞いているつもり。**]
(218) 2023/08/03(Thu) 23時半頃
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[そういえばあまりに普通に聞こえたからスルーしてしまったが。 田端が今、子供になっている…? >>207
一体どういうことなのか。 自分の生死がどうであれ、探し出さねばなるまい。 向こうに会う意思が無ければそれも難しい世界かもしれないが**]
(219) 2023/08/03(Thu) 23時半頃
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―― 夢の世界 ――
[ それはどのタイミングで見た夢だったかな。
ビデオルームを後にして以降、>>+9 全く見ていなかった (から、もちろん大藤先輩との抱擁シーンも>>121>>135 俺は見ていなかったのだけど) 高祈先輩がカフェにいる姿が見えた。>>190
スイートポテトしか食べない様子に>>191>>192 本当に少食なんだなあと、 少し前の会話を思い出した。>>0:64 ]
お粗末様でした。
[ 食事後の挨拶に、>>194 聞こえないにも関わらず返して、 俺の体も廊下に移動した。>>195 ]
(+74) 2023/08/03(Thu) 23時半頃
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……9日間の王様?
[ 高祈先輩が見ている絵画を見て、>>198 そんなことを思ったのは、 その元女王の頑なな印象が、 なかなか俺を頼ってくれない先輩の頑なさと 何となく重なったからかな。
改宗すれば命は助けると言われた元女王は、 その申し出を断って、処刑されることとなった。 もちろん、日本人の俺の宗教観と 彼女のそれは違っただろうから、 ただ頑固だったという話でもないんだろうけど。
絵画を見ている間に、いつの間にか先輩は 俺からは見えなくなっていたから、 その後に何が起こったのか俺は知らない。>>199>>200>>201>>202>>203>>204 ]
(+75) 2023/08/03(Thu) 23時半頃
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