28 僕等(ぼくら)の
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―― 数日の後:何処か ――
すまん、待たせたか。
[手を振る姿>>73を認め、席に近づく。 促された席に着くと、スーツのジャケットを脱ぎ 無造作に椅子に掛けた。] いや、こっちがココ指定したんだし。 むしろ足運んでもらったのはこっちだろ。 コーヒー苦手なら、紅茶もあるけどいいのか? ――すみません、カフェオレと、あとブレンドを。 [ピーク時間も混み合わない店だが 午後のこの時間では閑散として、反対側の奥の方に 常連と見える老人の姿が一つあるだけだった。 店員を呼んで注文をし、本郷に向き直る。]
(@6) 2023/08/21(Mon) 21時頃
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ああまあ、そう だな… 校内で例の件の真相を知っているのは一応 校長と顧問先生だけなんだけど、辞職の噂とかは もしかしてもう、結構流れちまってるのかな。 まぁその、恐らく。でも、今すぐじゃあないから。
[こんな風になってしまったら、己も顧問先生も 監督責任など細々した処分で良いとは思ってはいない。 しかしそれは全てが終わった後のこと。 そうしているうちに、飲み物が席に届き 本郷にも勧めながら、話に耳を傾けた。]
……親御さんに話すかどうかは、 パイロットたちに任せられてるんだったか。 分かって貰える自信がないって悩むってことは、 本郷は、事前に知らせておきたいってこと だよな?
本郷の両親を俺はよく知らないんだが、 その、厳しいご両親なのか?
(@7) 2023/08/21(Mon) 21時半頃
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[2つ目の話には、暫し口を閉ざした。 未契約者が天道なのは確信していたが 契約の時に居合わせていない己は詳しいことを知らない。 否、今となっては重要なのはそこではなかった]
………うん。
[どこか苦い肯定は、 次の、その次が本郷になることへの。]
…いや、ハロからは 一番最初に未契約者が居ることを 教えて貰っただけで、あとは何も。 ……最後の一人に、なにか、役割があるのか?
[本郷の声が震えた気がして、内心少し慌てるが 視線を合わせ、ゆっくりと問い返した。*]
(@8) 2023/08/21(Mon) 21時半頃
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公安部 カガは、メモを貼った。
2023/08/21(Mon) 21時半頃
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―― 喫茶店 ――
気に入ったなら良かった。 2年前か、赴任してすぐだったか偶々見つけて。 図書館の近くだから、本を読むのにいい。 広いのに人が居ないのがミソだな。
[確かに高校生だと少し入りにくいだろうか。 人が居ない……の話は憚って少し小声になる。 出されるものは美味いのだが、 チェーン店に押されてしまっているらしく。 通うのには応援の心算もあった。 辞職の話は、気にかけてくれたことへの礼だけに留め。 砂糖もあるぞとテーブルの脇を指で示したり。]
(@9) 2023/08/21(Mon) 23時半頃
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検事長!? それはそれは立派な親御さんで。 本郷が「きっちりしっかり」だったのも さもありなん……だなぁ…
[茶化してしまったが、外したかもしれず ひとつ咳払いして珈琲に口を付けた。 転校の話には本郷の方に目線を移しつつ。]
……ん、後悔は残さないほうがいい。 真剣に、話をしたいって伝えてみても駄目か? まともに聞いてくれない「だろう」って 本郷の予測のようにも聞こえるんだが 世間一般の父親って、割と娘と話したがるものだぞ?
(@10) 2023/08/21(Mon) 23時半頃
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……時間がどうしてもないってなら 時間取って貰えるよう、俺からお願いすることも出来るけど。
[第三者が入ると却って混乱をきたしそうだ。 優れた捜査眼の前では無関係を装うことも難しいだろう。 だからあくまでも必要ならばの話だ。]
(@11) 2023/08/21(Mon) 23時半頃
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[続く話には整理に時間を要する内容も含まれていて。 一つ一つパズルのピースを組み替えるように口に出す。]
最終戦が別の地球で行われるってところから初耳だ。 で、あいつらの時は七星が最後の一人だった…… ハロと七星のことは何となく分かってたが 天道も七星たちと同じ地球から来ている? その理屈だと、他での契約が生きていたから 契約は二重に出来ないってことだったのか…?
ああ、くそ、何だか情報がバラバラだ。 足りないもんも多くて、頭の中の整理が 追い付いていないかもしれない ……ごめんな。
[誤解や後手もある。しかし共有される情報が余りに遅い。 ロクに開示されない情報や偽りは、身内のための 保身だったのだろうか、と軽く苛立ちすら覚える。 いや、今此処で考えるべきはそこではなく、――]
(@12) 2023/08/21(Mon) 23時半頃
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[“次の地球”という、新しい戦場に降り立って、 七星と同じようにパイロットを集め、 チュートリアルのような役目を兼任し 見知らぬ地球で戦って死ぬのが最後の一人。
だとするなら、 現状では、その役目が彼女の肩に 圧し掛かってしまっているということだ。]
(@13) 2023/08/21(Mon) 23時半頃
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………本郷……
[重ねられる言葉>>107>>108に 喉奥に言葉が引っかかったように出てこない。 七星に、ハロに、天道に対し、 言いたくもない言葉が胸の上まで出かかっていた。 彼らだって、十分に苦しい思いを経て来ただろうに。 頭では分かっているのだが、感情が追いついていない。
そう、戦うと決めたら、本郷は上手くやるのだろう。 けれど、こんな重圧を彼女ひとりが背負うというのは 余りにも酷ではないだろうか。]
(@14) 2023/08/21(Mon) 23時半頃
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そんなこと位で、因果応報なんてあるわけないだろ。
―――… ごめんな。
そもそも、俺がお前を合宿に誘ったから。 声をかけなければ、こんなことにはならなかった。 巻き込まれることも、怖い思いをさせることも 泣かせることだって、なかった。
[受け止めると、泣き場所を提供するなどと言って 泣かせているのは元を糺せば己の所業でもあった。 涙を零す少女に対し、机を挟んだ場所は余りにも無力だ。 指を伸ばしかけて、手はそのまま空で止まる。]
(@15) 2023/08/21(Mon) 23時半頃
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……お前の戦いで、俺が出来ることはあるか? “今”出来ることでも、勿論 構わない。
[本郷がタイと校章を外して来ていることには、気付いている。*]
(@16) 2023/08/21(Mon) 23時半頃
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―― コックピット ――
[転送は矢張り一番最後。 何度目かの転送ともなれば慣れたもので 身体の違和感も薄れて来ている。 白い空間に、空席が増えた椅子が並ぶ。 その中に全員の姿があることを確認し 前回と同じく席を借りようとしたのだが]
……乾? どうした?
[誰かに呼びかけるように連ねられる乾の言葉。 独り言にしては長すぎる。声をかけて一歩近づく。 もしかしたらそれが契機だったのかもしれない。>>126 何かを素早く取り出す動作の後で、 彼の手に握られていたのは―― 銀光。]
(@17) 2023/08/22(Tue) 00時半頃
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…―――っ! 乾……なにを……?
[敵性体――別の地球のロボットは既に顕現している。 時間は余りない筈だが、彼は何を狙っているのか。 生徒らを守るよう動きつつ乾の動向を警戒している。*]
(@18) 2023/08/22(Tue) 00時半頃
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―― 喫茶店 ――
冗談だって。 ……そうだな、まあ、本郷が そんなにしっかりでもないのは この間部室で泣かれて、結構分かってきたから。
[成程、それでゲーミングチェアなのか。 好きなことをするために、すべきことをきちんと行うのは 教師に言わせれば全く悪いことではない]
親御さんと話が出来ると良いな。 話すのは本当に勇気が要る事だろうが…… 家族の目線だと、聞かずに手放すのは辛い。
[ごく一般的なアドバイスにしかならないのは承知だ。 それでも、どうやら素直に受け止めて貰えたらしい。]
(@22) 2023/08/22(Tue) 02時頃
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前の契約が有効だったところに、 うまい具合柊木の二人契約がハマっちまったのか。 でも、なら、今はどうなんだろうな……? 契約、出来るのか……
[契約出来る状態であり 契約の覚悟を天道が持っていることについては 己には与り知ることは出来ないから、これは独り言だ。]
(@23) 2023/08/22(Tue) 02時頃
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………だからだよ。 そんな風に思ってくれる本郷だから 巻き込まれて欲しくなかった。
[最終的に参加を選んだのは 本郷の言う通り、彼女の意志であったとしても。 とはいえ、自分の所為と互いに言い合ってもキリがない。 少し困ったような表情をして、嗚咽を漏らす 本郷にハンカチを差し出した。 予備に持ってた未使用だから。と、言い添えて。]
(@24) 2023/08/22(Tue) 02時頃
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他の地球に行くということ。 ハロの存在、七星の行動。 それらを総合して考えたら、方法は明白だよな。
誰かがハロの代わり…… まぁ、そうか。
[そうかハロになるのか。あの形状に? >>134 そう考えると少し可笑しくなって、小さく笑いが漏れた。 気に掛からないと言えば勿論嘘になるが、 実家や仕事、娘のことには特に言及をしない。 この事態が起こった後すぐに、己が居なくなったとしても 心配が要らないようには整えてある心算ではいる。 ……こんなでも、真面目に考えてはいるのだぜ。
生徒たちが苦悩や痛みを背負って戦っているのに 何もしてやれない無力が苦痛でならなかった。 だからいっそ一筋の光明のようにすら感じていたのだ。]
(@25) 2023/08/22(Tue) 02時頃
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いいよ。 そのくらい、叶えさせてくれ。
[できるのか、と此方を真っ直ぐに射抜く瞳。 レトロ喫茶の仄かな暖色の照明が 濡れた睫毛を柔らかく縁取っている。 一番傍で、最後まで、死ぬまで傍になんて、 まるで愛の言葉だとは思わないか。
これは贖罪ではない。罪悪感でもない。 残り短い時間で叶えてやれないものの代わりでもない。 自身の意志として、ただ、彼女ののぞみを容れる。 こともなげに。 *]
(@26) 2023/08/22(Tue) 02時頃
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―― コックピット ――
乾っ!!!!
[呆気に取られている間に 刃は閃き、迸る鮮血。]
応急処置……っ くそ、頸動脈じゃどうにも……!!!
[天道とほぼ同時か。>>156 弾かれたよう、倒れた乾の傍に駆け寄る。>>145 どうにか溢れる血を止められないかと試みるが 後から後から流れ出す血が手を指を腕を服を染めて行く。 出来るわけがない。助けるのは無理だ、と悟る。]
(@27) 2023/08/22(Tue) 02時頃
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………乾っ ………
[ひとつの命の灯が消えてゆくのを 為す術なく見守り、地面に拳を叩きつけた。
直後、現れた新たな椅子に、 そして姿を見せた見知った姿に 二度驚愕させられることになる **]
(@28) 2023/08/22(Tue) 02時頃
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公安部 カガは、メモを貼った。
2023/08/22(Tue) 02時頃
公安部 カガは、メモを貼った。
2023/08/22(Tue) 21時半頃
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―― コックピット ―― [生徒の自死という結末を目の当たりにし 正常な判断が出来ているとは言い難い。 乾の傍で、止まるはずもない血の中で 漸く彼の身体から手を離した時には コックピットの中に、あるはずのない姿があって]
三千院……!!? 待て、お前がなぜ……? 確かに、俺から事情は伝えたが。まさか、それで。
[三千院の指示により乾の遺骸が 速やかに彼の家へ転送される>>@20]
(@39) 2023/08/22(Tue) 23時頃
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[部長としての責任を口にするのには 聞いている此方の顔も曇ってゆく]
部長ったって、直接は無関係だろうに。 そも、いつ契約を―――
[彼なりの理由があったに違いないのに 問い質す時間は、恐らくなかった。
新たな椅子に座り敵機を見据える三千院の動きは 迅速かつ迷いがないようだった。 以後は着席し、彼の戦いを見守ることになる。]
(@40) 2023/08/22(Tue) 23時頃
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[三千院曰く、 敵は精神攻撃を繰り出して来ているらしい。>>@30 彼の様子を一見したところでそれとは知り得ないが、 繰り出される有無を言わさぬ物理攻撃>>@32は やけに気迫の籠ったもので、拳叩きつける衝撃が モニタの揺れを通しても知れた。]
……精神攻撃とやらは パイロットにしか影響はないのか。 まあ、そうか。全体に効いたら性能チートだものな。
[多少荒っぽくなっている気がしなくもないが 冷静さを保ったままの操縦に幾分か安堵する。 彼のメンタルが鋼であることは、そうと知ったら こんな時なのにすこし羨ましいと思ってしまうかもしれない。 吹き飛ばされ、取っ組み合いの様相を呈しはじめた 2体の戦闘を見詰めている。]
(@41) 2023/08/22(Tue) 23時頃
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[他のパイロットの戦闘を見ていたわけでもない彼が 物理ファイトに打ち勝ってコアをあっさりと握り潰す。>>@36 中を知ってしまうと、目を逸らしてしまいたくなるが。 敵の動きはそれで止まり、ゆっくりと消えて行く。]
………三千院、
[なぜ、という問いに答えはなかったが。 この窮地に駆けつけて後輩たちを救うなんて 責任感の強い彼らしいと思ってしまう。 同時に、申し訳ない、という謝罪も頭を擡げるけれど]
ありがとう。
[頽れた三千院の元で、肩に手を置く。 天道が抱きかかえていてくれる>>189ことにも。*]
(@42) 2023/08/22(Tue) 23時半頃
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―― 喫茶店 ――
[黒曜に視線を据えたまま 訥々と紡がれる言葉を最後まで聞いた。 証拠を、という単語に、沈めた過去を思い 僅かに表情が苦くなったのは隠し切れたかどうか。 形に出来ないものを見せろというのは、 それ相応の関係でない場合、結局言葉で語るしかなく 多くの場合、相手を満足させるには至らないことを知っている。 遠回しな請いは苦手で、それゆえの今、でもあった。]
………
[だから一度その答えへの言及を避けて、口を開く。]
(@43) 2023/08/22(Tue) 23時半頃
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皆が戦って消えて行くのを、何も出来ずに見続けて 俺なりに出来ることをずっと考えてた。
…随分前に柊木にも話していたけど、 そもそも、席が足りなくなることがあれば パイロットに入る心算だったんだよ。
[何もかも分からない状態で聞いたハロの内緒話すら 柊木の死の後で漸くとその意味に辿り着く始末で。 実は席は足りていたというのだから、 今となっては余り意味のない宣言ではあったのかもしれないが。]
(@44) 2023/08/22(Tue) 23時半頃
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『ハロ』として乗ることと、 『パイロット』として乗ることにさ 覚悟にも重みにも、そんなに差はないと俺は思っていて。 ……パイロットの方が重いかも知れない。 俺は必要なところに使って貰えれば、それで十分。
……皆の頑張りを無駄にしたくはない。 皆の想いを継ぎたいし、できるなら最後まで守りたい。 だから、本郷のためでは勿論あるけれど、 皆のためであって、俺のためでもある。 学校、生徒、友人、実家、娘――全てのためだな。
当然って感じだから、 簡単に言っている心算は、全然ないんだけど。
――――…
(@45) 2023/08/22(Tue) 23時半頃
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[言葉を切る。]
……分かっちゃいるんだ。 お前の聞きたいのはそういうことじゃないんだよな。
[眉間に軽く皺を寄せて、 冷めた珈琲で喉を湿らせた。]
……証拠、は、さ… …ごめんな。 今の俺には、証拠を提示する用意はない。 信じられないなら、信じて欲しいって言うしかない。
さっき言ったけど、 俺が引き継ぐ理由は本郷だけの為ではないんだ。 でも、お前が最後だからってのは大きいし そのくらいには、大事に思ってるつもりなんだぜ。
(@46) 2023/08/22(Tue) 23時半頃
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[もし、]
[もう少し時間があれば。 この娘が災禍に巻き込まれたりすることもなく、 ごく普通に学校生活を送って、卒業して。 ただしい形で熟成させるだけの時間を持てていれば、 彼女ののぞみ通り、与えてやれることも あったのかも知れない。]
[しかしこの言葉は、 分かり切ったリミットの前で口にするには酷すぎる。 だから、遠回しな言い方になってしまっている。]
(@47) 2023/08/22(Tue) 23時半頃
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……適当なことを口にしたくはない。 耳障りの良い言葉、刹那的な快楽。 そんなものならいくらでも言ってやれるし たぶん……… 与えてもやれる。
だけど、本郷は、それでいいのか? 悪いが、まやかしや仮初でよしとされるほど、 お前のくれた言葉を、軽いものとは受け止めてないんだけど。
[言葉を尽くしてみても何だか堂々巡りで。 伝わってるかなこれ、と、だんだんと自信がなくなって行く]
…… 察してほしい。
[いい年の大人が……と、いつか己が言った言葉が ブーメランになって跳ね返って来た。 流石に少し、みっともなさ過ぎやしないだろうか。 ぐるりと横を向く、顔が熱い。*]
(@48) 2023/08/22(Tue) 23時半頃
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