15 青き星のスペランツァ
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― 試験室 ―
[チキュウとの対話の後、クルーが帰還してきた頃合い。 タプルは検体試験室の端でモニターを睨んでいた。]
[探索で得られた解析結果や採取サンプルはシューターを通して真っ先にこの部屋へと送られる。 データを元に実際にサンプルを検証照合し、実証する。 アリババが知を司るとするならば、タプルは肉の役割だ。 実際に何かが起きた時に対処する為の予防策、 時には未知の病原菌や毒への抗体の作製、傷の手当。 僅かな命を繋ぐための命綱になることもある。だが、しかし……]
……高熱の毒ガス地帯か。
[タプルが救えるのは、その指先が届く範囲の者だけだ。 この身がその為にあるのなら。タプルは指先を走らせる。 モニター越しにMISSINGの文字が鈍く光っていた。]
(17) 2021/11/09(Tue) 07時半頃
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[花を供えながら、ヨーランダにしか聞こえぬようにぽつりと呟く。]
死んでもうたら花なんてもろたって、
うれしいかどうかようわからんけどなあ。
でも、綺麗やな。
[献花台に花を置いたからといって、アシモフが生き返るわけでもない。
いくら時間を置いても、それを確かめることになるばかりだ。
溜息を吐くように毛がしぼむ。]
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― 安置室 ―
[夜深い時刻、探索に出たクルー達が寝静まる頃合い。 ちいさな棺を開ける者がいる。造花を一輪携えて。]
……眠っているところをすまないね。
[力なく横たわる小さな体を抱きかかえるようにして 無数の肉の芽が、柔らかな食指が、触れる。
かつて早鐘のように巡った心の音はもうどこにもない。 薄い毛並みに覆われた身体は、無情なまでに強張って冷たい。
新たな地平を開くため 先陣を切る彼らの命は儚く短い。 いつの時も科学は数多の犠牲を払い切り開かれてきた。 ……そう、いつだって。]
(90) 2021/11/10(Wed) 05時半頃
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[くったりとうなだれる頭、細い髭、見慣れた白い毛並み。 食指がその首筋触れて、薄い皮膚を僅かに割いた。 傷口は最低限。器用な手先は血管を探り当て、その奥へと潜り込む。]
[サンプル採取、実証、研究、被検体。 それは弔いとは程遠く、命への冒涜なのかもしれない。 けれど自分も研究者のはしくれだ。生命を紐解く探究者のひとりとして、その目を背けることは許されない。 彼の命を価値あるものとする為にも、けして。]
[変質した血と肉の感触、身体に残る残留物。 タプルはその身をもって、彼の肉体の一部を受け入れる。 そうして得られた生体情報は、研究結果と名を変え、永遠に刻まれる。それは、傲慢な研究者なりの弔いだ。]
……ありがとう、今度こそゆっくりとおやすみ。
[引き抜かれた食指の痕を隠すよう丁寧に毛並みを整える。 これ以上、彼の眠りを妨げるものはいないだろう。 再び閉じられた棺の傍に、一輪の花を添える。]
やはりこういうのは……苦手だな。
(91) 2021/11/10(Wed) 06時頃
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― 夜・船内通路 ―
[部屋を出るとどこからか歌声が聞こえる。>>86 その声音は耳をすますまでもない。遠く響く歌声。 タプルは立ち止まって、しばし耳を傾ける。]
[肉の星に歌はない。 神経を通じ繋がり合う生命体の星『タプル』 彼らは歌うまでもなく共にある、ひとつきりの命。 声は言葉を紡ぐための伝達信号でしかなかった。]
[星から分かたれて幾年月。 あの頃は気付き得なかった声の形。 それも今はこの身に深く刻みこまれている。
遠く響く言葉の意味をタプルは知らない。 けれど、その声はほんの少しだけ掠れて聞こえた。**]
(92) 2021/11/10(Wed) 06時半頃
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あしもふ はな みる ない。
はな ぎろちん あしもふ あう する あいさつ。
はな きもち。
[カプセルの中にいるアシモフが花を見ることはない。だが、花を供えることは会いに来たと伝える手段だと、ヨーランダは思っている]
ぼく しぬ はな もらう うれしい きっと。
しぬ おもう される うれしい。
しぬ ぼく わすれる される かなしい。
しぬ わすれる しない ぼく しごと。
[死んでからも自分のことを思ってもらえたら、きっとうれしいだろう。故郷では忘れ去られた存在だからこそ、強くそう思う。
ヨーランダは「人の記憶から忘れ去られたときに人は二度目の死を迎える」と思っている。
もしかすると覚え続けていることが、墓守の本当の仕事なのかもしれない]
あいさつかあ。なるほど。
置いとるだけやとただの死体やけど、花置いたら周りは綺麗になるし、そいたら傍に寄りたくなるし、見た目もええ。
[弔いの意識が薄いギロチンが、ヨーランダのいう"きもち"を汲めたのかはわからない。ただ、一定の合理的な納得はいったようだ]
……ウチなあ。
いつかは"ママのために"死ななあかんねんな。
せやからあんま考えたことなかったなあ。
"自分"が死んだらどうして欲しいかとか。
[ギロチンのいうママ——不死の女王は、己が死なない代わりにその分体たる子供らの死の記憶を望む。
ギロチンたちの星では、死は個人のものではなく女王へ捧げるものなのだ。
ギロチンが『スペランツァ』に乗り込んだのには、そういった死のサンプルを収集する目的があった。
みんなには内緒やで、と毛玉に目が埋もれる。
あくまで研究のためと募られた乗組員たちの死を、研究材料としてではなく星の意向として観測することを望むのは、星空間倫理にも抵触しかねないからだ。]
しぬ さびしい ちがう おもう。
[棺ごしにアシモフの頭を撫でる。声をかけても聞こえることはない。
それでも冷たい棺に眠る者たちに声をかけ続ける。覚えているよと、側にいるよと]
ぎろちん しぬ ない。
しかし かのうせい そう、 ぎろちん ほしい こと ぼく する。
[そうならないことを望んでいる。だが、もし、万が一そうなったら、ヨーランダはギロチンの望んだことをするだろう]
ぼく しる ぎろちん、 ぎろちん ひとり。
[ギロチンの言葉から
「きっと目の前にいるギロチンは、母体にとって端末の一つだろう」
とヨーランダは考えた。だが端末だろうが何だろうが、ヨーランダにとってギロチンは今目の前にいるギロチンだけなのだ]
ぎろちん しぬ きもち、 まま ないしょ。
きもち じぶん だけ。
[だからそうなったときは死の記憶は捧げても、『スペランツァのクルーであるギロチン』の抱いている気持ちだけは捧げないで、自分のもののままでいてほしかった]
[アシモフが撫でられている姿をじいっと見る。
死したものが惜しまれる、という、女王だけが持つ特権を、他の星の者はいとも容易く持っている。
そのことがすこし羨ましくも思えた。]
うん……ヨーランダはんに覚えてもろてたら、
さびしくないかもしれへんな。
みんなにお花もろて、話しかけてもろて……
時々、キレーなもんが見たいなあ。
[羨ましくなったから、つい饒舌に希望を述べる。
死を個人のものだと思えないギロチンにとって、死んだあとにも自分自身を想ってくれる者がいるというのは、それだけで甘美な想像だった。]
……ないしょかあ。おもろいな。
死人に口なし、ていうんやろ?バレへんやん。
[用法は微妙に違ったが、それは間違いなく、いま生きているギロチンにとっては救いの言葉だろう。
嬉しそうに膨らむと、ヨーランダの痩躯に飛びついて、思いっきりまとわりついて、毛だらけにした。]
[ギロチンの要望にこくりと頷く]
はな いっぱい ある。
みんな いう だいじょうぶ?
とくべつ ぎろちん はな いっぱい そなえる。
[そうなったとき、ここに来た人にギロチンがそう言っていたと伝えていいか。そう言っている]
うん、 ないしょ。
ぼく ぎろちん ふたり ひみつ。
ぼく いう ない。
まま しる ない。
[ギロチンの種族のことをヨーランダは知らない。だが、一人だけ、一人くらいは変わり者の、記憶を独り占めするようなのがいてもいいと思う。
ギロチンがまとわりついた男からは、仄かに獣のにおいがしたかもしれない]
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