17 【半突発身内村】前略、扉のこちら側から
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そういうみずきは、
[ と、言葉を続けてしまったのは ひとり、と発するみずきの声が、 どこか、寂しそうにも聞こえたから。 ]
ひとり、なのか?
[ 地球はまだ、滅びていなかったように思う。 私の知識が正しければ、だけれども。
じゃあどうして寂しそうな声を出すのだ、と 初対面のみずきに問うのは、 やはり私はお節介なのかもしれない。 **]
(31) 2022/03/05(Sat) 16時半頃
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調律師 ミケは、メモを貼った。
2022/03/05(Sat) 16時半頃
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[ エフェメラームの名前は知らないようだ>>66 そのかわり返ってきた言葉は「バルス的なやつ」で 今度首をかしげるのは私の方だっただろう>>68
ひとり、には慣れてしまった。 だけど返されたゆるい笑みに、 どこか、心が穏やかになる心地がした。
私のことをみずきが優しいと云うのなら みずきも充分に優しい人間だと、私は思う。 ]
(81) 2022/03/06(Sun) 00時半頃
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[ ひとりじゃない、みずきを。 良かったな、と思う、私も居る >>70
それでも、そのあと聞いたみずきの境遇は、 流石に私でも、信じがたいものだった。 文明と科学の進んだ国で、 空間の転移は可能になっても、 時間の転移はどうしても叶わなかったものだから ]
(82) 2022/03/06(Sun) 00時半頃
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10年… 周りは20を超えていた、というわけか。 それは…そうだな、何もかも変わっているだろうな
[ 街も、人も、変わっているだろう。 もしかしたら人々の関係性や、状況なんかも。 ]
辛かったな。
[ グラスを手に取れば また喉に流し込まれるのはカルピスで ねっとりとした液体が喉元に張り付いた。 ]
(83) 2022/03/06(Sun) 00時半頃
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そうやって取り残されるのは すべてを失うのよりも、辛かっただろうな。
[ これは、私がそう思う、というだけのこと だからみずきの気持ちに添えたかどうかはわからない だけど私はお節介だから。 そのあともこうやって続けるのだろう。 ]
(84) 2022/03/06(Sun) 00時半頃
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例えばその波で。 全てを失ったのだとしたら。 それは時間が解決してくれるのかもしれないな。 無論、悲しみなどは残るかもしれないが。
[ 実際。全て失った私に、時間が経って残ったものは 悲しみよりも、ただの空虚感のほうが大きい 家族を失った悲しみや、寂しさは、 とうの昔に忘れてしまった、そんな気がする ]
(85) 2022/03/06(Sun) 00時半頃
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でも、みずきのように。 自分も、誰かもそこにいるのに、 当たり前の日常がいつのまにか失われて その誰かが違う顔をして生きていたとしたら
………それはひとりぼっちになるよりも 随分と寂しいし、悲しいことだろう?
自分にとっては続いたままの世界でも 誰かに、いやこの世界自体が まるで違う顔になっているのだから。
まるで違う顔をした世界で、 それをちゃんと受け入れたかのように、 これからも生きていかなきゃいけないのは
(86) 2022/03/06(Sun) 00時半頃
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………自分に、 嘘をついて生きているような気に、 なるかもしれないな、と、私は思うよ。
[ この言葉で傷つけるつもりなど毛頭ないから これは、ただのお節介。 傷つくような顔をするなら、 私はそう思っただけだと弁解するだろうし そうでないなら ── 私は、どうしただろうな。 **]
(87) 2022/03/06(Sun) 00時半頃
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調律師 ミケは、メモを貼った。
2022/03/06(Sun) 00時半頃
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[ 世界は広いことを、この目で見てきた。 星ひとつ滅ぼす力が存在することも、 寿命が短いながらも懸命に生きる生き物も。 そして目の前の、時空の転移のような体験をした みずきの存在も。
疑う意味≠ネど、無かった。 勿論すべてを理解することなどできないが 初対面の私に、深刻な顔で、 みずきが嘘をつく理由など、無かろう。
食べるもの、生き方、文明、文化。 それらが違っても、 嬉しい、悲しい、寂しい。 価値観が似ている、と感じるところがあったから ]
(100) 2022/03/06(Sun) 14時頃
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生きててよかった、か 10年だものな
[ 咳払いをするみずきの表情に目をやって >>90 それから視線は彼女のグラスの手元へと移した ]
(101) 2022/03/06(Sun) 14時頃
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その人達にとっては。 生きててよかった、のは本心だろうさ 私だって… 居なくなった者が帰ってくるなら きっとそれがどんな姿だったとしても 生きててよかった、と言ってしまうだろうな、
[ 私のグラスにも水滴が伝い、 私の指先を、なにかの代わりに濡らす。 ただ、そのあとの言葉は紡がずに、 続くみずきの言葉を聞いた。 >>91
自分に、嘘をついていた、みずきの心の枷を。 ]
(102) 2022/03/06(Sun) 14時頃
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……… うん。
[ 乾いた笑いが響いても、 指先は、乾くことなんてなく。 私はひとつ相槌を打ってから、
……そうだね、 優しい、と言われる前に >>93 こんな言葉を贈っただろうか。 ]
(103) 2022/03/06(Sun) 14時頃
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良かった、と思えないことなら 無理に、良かったと思わなくてもいい
悔しかった、寂しかった、 悲しかった、辛かった、苦しかった それがどんな感情なのかは、 みずきにしかわからないがな。 良かった、って口に出すたびに、 そんな顔をするくらいなら。 正直にはらたつ≠チて、言えばいい。 聞いて欲しい誰かにも、自分にも。
[ はらたつ≠ェどんなニュアンスの感情なのか 実は分かっていなかったのはここだけの話で 自転車≠熈ブロッコリー≠烽からないけど。 ]
(104) 2022/03/06(Sun) 14時頃
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カルピス飲んだら友達なのか
…ああ、もちろん。 友達が増えるのは、嬉しいよ。
[ 嬉しい、と口にして ほんのすこしだけ心が傷んだ。 また、離れがたくなるのが目に見えている。 また、ひとりに戻るのがさみしくなるのが、 今から、もう。目に見えている。 ]
(105) 2022/03/06(Sun) 14時頃
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[ 一度だけ大きく息を吸って、 一度だけ大きく息を吐き出した。 上を向いて、ゆっくり目を閉じ、開く。 人工的な白い光が、とても眩しく思えた。 ]
(106) 2022/03/06(Sun) 14時頃
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私も。 呪っておくよ。
その、初恋の誰かと、可愛い彼女の。 自転車がブロッコリー?になりますように。
[ 呪いが違ったって、気づかないけど それでもし、彼女が笑ってくれるなら本望だ。 ]
(107) 2022/03/06(Sun) 14時頃
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それからもちろん、祈ってるよ。 私の友人、みずきが、 辛くないといいなって。私も。
(108) 2022/03/06(Sun) 14時頃
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[ 席を立ったのは 別に離れたかったわけではないが、 それでも友達≠ニここに居続けたなら、 水滴が濡らすのが、 指先だけで留まらないかもしれないだろう? 随分と、ほら。感傷的になってしまいそうだから。
だから、彼女が手を差し出してくれるのなら 握手をしてまたな≠ニ告げよう。 じゃあね≠ニいうには もうすでに、離れがたすぎたんだ。 **]
(109) 2022/03/06(Sun) 14時頃
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調律師 ミケは、メモを貼った。
2022/03/06(Sun) 14時頃
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── 閑話・苗字の話 ──
[ 苗字、ファミリーネーム。 そういった類のものは、 地球もエフェメラームも同じらしい。 それでも私は、 いび、という短い苗字を羨ましく思った。
誰が決めたかはしらないが、 エフェメラームでは、母方の苗字や先祖の苗字を ミドルネームとして付ける習慣がある。 故に、私の名前は、とても長い。 ]
(146) 2022/03/06(Sun) 20時頃
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[ フーデリア・エフェメラーム ・サータルー・コロムミケレシア
それが。私の名前だ。 ]
(148) 2022/03/06(Sun) 20時頃
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[ 単に、愚国の王が星を滅ぼしたのであれば 私はどれほど心が楽だったのであろうか 王を恨み、他の民同様星を捨て、 新たな場所で幸せに生きられたのではないか。
それでも私の名前には、 エフェメラームが、付いている。 遠い血縁ではあるけれど、 私が知る限り、私は、最後のエフェメラームだ。 数多くの同じ名を冠する者たちは、 星とともに、滅びてしまったのだから。
私には、何の責任もないことくらい 心のどこかでは、分かっているのに。
私は、同じ血が流れる誰かが犯した罪を ただ、償い続けて、生きている。 ]
(149) 2022/03/06(Sun) 20時頃
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[ 私がこうしている間にも 星は、生命力を吸い取られ続け、 今も、死へと向かい続けている。 ]
(150) 2022/03/06(Sun) 20時頃
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[ みずきと離れた私は、 どこへ向かうでもなく、 ただ、ぼんやりとひとり、立っていた
ドームの外側の昏い闇にうつる星の輝きは どれも、生命力に、満ちていた。
輝けないあの星は、 ここからでは、見ることも叶わない。 ]
(151) 2022/03/06(Sun) 20時頃
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[ ……そんな、時だっただろうか。 ぱさり、と足元になにかが落ちる気配がして 私はそれを手に取った。
眉を顰めながらそれを目で追う。 『あなたの目には、何が見えていましたか。』>>130
そう、手紙には、書かれていた。 手紙…とぽつりと呟いた私の瞳には、 ほんの少し懐かしそうないろが灯る。 ]
何が、見えていたのだろうな。 何を。見ていたのだろうな。
[ 私は、その手紙に対する答えを探して、 ほんの少しだけ、深く、考え込むことにした **]
(152) 2022/03/06(Sun) 20時頃
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調律師 ミケは、メモを貼った。
2022/03/06(Sun) 20時頃
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[ 星空色のインクを眺めたまま 私は、星空と人工の白い光の中に立っている 私が見てきたもの、私に見えていたもの。 星、平和、緑、愛情、友情、約束、手紙。 没落、欺瞞、欲望、罪、力、生命、破滅。 たくさんの単語が、頭の中に浮かんでは消える。
その矢先、 こちらに向けられた声がした。>>161 ]
(169) 2022/03/07(Mon) 08時頃
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手紙?私が?きみに? いや。私も貰ったんだ。 寧ろ私に手紙を寄越したのはきみか?
[ 手の中には星空色の文字。 その答えがYESでもNOでも、 私にはきっと、どちらでもよかった。
だって続いた言葉が、 私にはほんの少しだけ寂しそうに聞こえたから きみの心の声が聞こえるなら、それは、失敗だ>>163]
(170) 2022/03/07(Mon) 08時頃
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迷い込んだ、という意味で言うなら きっと私は、迷子だろうな。 そうでなければ ……… どうかな。
[ 私は迷子なのだろうか。 視線を外して、ドームの外に目をやっても そこには星空が広がるばかり、答えはない。 ]
(171) 2022/03/07(Mon) 08時頃
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きみも≠ニ言ったか。 そういうきみは、迷子なのか?
[ 今度はそのひと≠フ瞳へと視線を戻して。 耳は、顔の横にある。 彼もまた、同郷出身ではない。 ]
それともここ≠フ人?
[ 試しに聞いてみる。 答えはNOだろう、と予想した。 違ったらすこし驚いた顔をしたかもしれない ]
(172) 2022/03/07(Mon) 08時頃
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[ 彼は手紙、と言っただろうか。 彼の手元に、それはあっただろうか。>>157 それが目に留まれば、視線を向けて。 そうでなければ自分の手紙に視線を落として。 ]
丁寧にインクで書かれているよ 私の世界で万年筆≠使う時はね、 特別な、大切な、手紙を書く時にだけ使うんだ
[ ああ、万年筆とは私の世界では、 こういったインクを吸い上げて使う道具だ、と そんなふうに、言い添える。 まさか他の星にも同じ名の道具があるとは知らないし まさかこの星空色が、同じ名前のくせして 全然違う道具?で書かれたことも知る筈はない ]
(173) 2022/03/07(Mon) 08時頃
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誰から届いたかはわからないけど この手紙は、温かいな。
[ これも、一緒に、言い添えて。 **]
(174) 2022/03/07(Mon) 08時頃
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調律師 ミケは、メモを貼った。
2022/03/07(Mon) 08時頃
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