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(個別メッセージ)
灰羅さん、まだ話せてないから時間あれば話しませんか?
今ではなく後でいいです。
というか、僕、今からホテル帰って寝るので。
タイミング合えば、でよろしくです!
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── ホテルラウンジ ──
なるほど。 月並みな感想で申し訳ありませんが、 ご家族の問題とは、さぞお辛かったでしょうね。
[ まだまだ若い黒須のこと。 家族と指すのは、ほぼほぼ親のことだろうと、>>10 どことなく従弟と近い境遇だったのだろうかと>>0:139 思いながら、 ]
(15) 2023/11/21(Tue) 01時半頃
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あなたの初めて──かは分かりませんが、 珍しい自己主張が、 煙崎さんへの気持ちだったのでしょうか。
煙崎さんはオンラインにもいませんし、 銀河ギャルキャンディとして生きるのも 苦しくなりました?
もし私があなたの居場所になれたのなら 話は変わってくるかもしれませんが、 初対面の男にこんなこと言われても 気持ち悪いだけでしょうからねえ。
(16) 2023/11/21(Tue) 01時半頃
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[ 厳密には初対面でないことを卯木は知らないまま。
自嘲気味に微笑み、静かに頷く黒須を 卯木は痛ましく思うけれど、 やはり彼の死にたいという思いを 撤回させるだけの力が卯木にはない。
それから、ぽかんと口を開ける姿に、>>12 そんなに変なことを言っただろうかと 内心小首を傾げていたら、 ]
なるほど。煙崎さんの魅力というのは そこまで大きなものだったのですね。 だから、兎坂庵にもよくいらしていたのでしょうか。
[ 納得したように何度も頷くさまを見つつ、 卯木の中でも、そういうことなのかもしれない、と どこか理解が追い付いた気がした。 ]
(17) 2023/11/21(Tue) 01時半頃
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そうですね。 私にはあなたが煙崎さんの信奉者に見えます。 正直に言うと、あなたの煙崎さんに対する執着を 私には理解することができませんから。
[ 卯木は、自分だって普通の人間でもないのに、 何を偉そうに言っているのだろうと、 内心苦笑を零しながらも。
普段なら、人を否定するようなことは 言わずに済ますけれど、 肯定してほしそうな問いであることは分かったから、 ここははっきりと断言することにした。 ]
(18) 2023/11/21(Tue) 01時半頃
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[ そうこう話しているうちに、 黒須の血色は随分と良くなったようで、>>14 役に立てたことはよかったと思うが、 それは場合によっては 彼の死が近づいたことを意味するため、>>2:380 心中は複雑である。 ]
分かりました。 何かあれば、ご連絡しますね。
[ ふんわりと微笑みながら、 黒須が室内スリッパを履いていることにも気づかず、 テーマパークへ移動するのを見送ったけれど、 ]
(19) 2023/11/21(Tue) 01時半頃
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相談じゃなくて、お願いをきいてくれるなら、 生きてくださいって言えたんだけどねえ。
[ せっかく色々と話してもらえたのに、 煙崎るくあの後追いをされたなら、 さすがに後味が悪いなと苦笑しつつも、 抹茶オレの残りを啜った。 ]*
(20) 2023/11/21(Tue) 01時半頃
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── 現在:ホテルロビー ──
[ ラウンジで抹茶オレを飲み干すと 当初の予定通り、ベッドで横になろうかと>>2:273 ホテルのロビーを横切っていたところ、 ロビーのソファに倒れこむ男性の姿が見えた。>>13 ]
ナカムラさん? こんなところでお昼寝しますと体を痛めますよ。
[ 髪色からナカムラだろうと判断した卯木は、 声だけ掛けることにする。 ]
(21) 2023/11/21(Tue) 01時半頃
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[ パレードの時間は徐々に迫ってきているけれど、>>0:@0>>#0 まだ日暮れ前の時間帯。
こんな場所で眠りに落ちるなど、 相当お疲れなのだろうと思ってはいたため、 無理に起こすことはしないつもり。 ]**
(22) 2023/11/21(Tue) 01時半頃
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『 気に障ったらごめんね。
じゃあ代わりに、俺のことも
柊くんと、下の名前で呼んでくれて構わない。
そうだね。
君のるくあは言わないのかもしれない。
俺の知っている煙崎さんが言っていただけ。
嘘も誇張も憐れみも介入しない。
ただの、事実の話だ。 』
(灰羅へ個別送信)
『るくあの死亡前後のことについて、
お 兄さんに折り入って聞きたいことがあります。
正直、まだるくあが死んだなんて
信じられなくて、戸惑うばかりで。
ご遺族の方の無念と悲嘆を蒸し返すことになり
申し訳ないですが、メールでも会ってでも、
るくあのことを教えて貰えると助かります。」
卯木の勧めに従いメールを打ちながら、随分前に当人から届いた文面が目に入って、落胆が濃くなる。
名前を聞いた程度()。悪くは言われていなかったことにも驚くが、此方の舞い上がりようとあまりにテンションが異なる。ストーカー被害を親族に打ち明けることもなかったのだろうか、多少は勘付いていたはずなのに。
まだ、覚悟は決まりきらないけれど、るくあの兄の顔を見れば固まるだろうか。迷いながら送信ボタンを押す。
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── 現在:ホテルロビー ──
ああ、無理に起きなくてもいいですよ。
[ 上体を起こしながらも、 案の定、体を痛めてそうな姿に、>>32 卯木は眉根を寄せながらも、
落ち着いて、サポートロボットに 水を注文する姿を見て、 卯木は一瞬だけ目を見開く。>>33 ]
(41) 2023/11/21(Tue) 11時頃
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[ サングラスをしていない状態で、その声を聞けば、 さすがにそこまで詳しくない卯木でも、>>1:27>>1:28 彼が中村 綺羅之介本人であることに気づいた。 ]
(42) 2023/11/21(Tue) 11時頃
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はい。兎坂庵の卯木です。 初めまして、中村さん。
[ けれど、卯木は 「歌舞伎役者の綺羅之介さんですか?」 などと問いかけることもなければ、 彼と煙崎るくあとの関係の詳細を 尋ねることもなく、 ]
こんな状況ですから、 お疲れになるのも無理はありませんよ。
[ 労りの言葉を掛けた後、卯木は 前日にメッセージ上でやり取りした内容を>>1:115 思い出して、 ]
(43) 2023/11/21(Tue) 11時頃
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そういえば、アポロでもお伝えしましたが、 私の前での煙崎さんと、 中村さんの前での煙崎さんは、 随分と印象が違ったのだなと思いました。
卯坂庵での煙崎さんは随分と大人びて見えて、 普通の女子高生らしい雰囲気が あまりありませんでしたから。
[ この島に来るきっかけとなった少女のことを 思い出し、卯木はどこか寂し気に笑った。 ]**
(44) 2023/11/21(Tue) 11時頃
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(坂理へ個別送信)
『いや、そこは「坂里」「黒須」だろ。
何でしれっと名前で呼び合うことになってるんだ。
ボクは絶対キミのこと「坂里」としか呼ばないからな!』
こう言うところがいちいち神経に障るのだ。
しかし、現在戸籍上は母方の旧姓になっているため、厳密にはもう黒須ワでもない。更に母だけは再婚相手と同姓に改姓していて、もうコロコロ変わる苗字なんてどうでもいい気がしてきた。説明するのも億劫で、誠に遺憾ながら、「ワ君」呼ばわりを黙認するしかないようだ。
『るくあの解釈違い乙。
ボクは好きなんて一言も言われたことがないし、
だったらなんでボクはフられたんだ。
るくあのことはどんな些細なことでも知りたいけど、
キミの惚気は聞かない。本当に以上!』
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── 現在:ホテルロビー ──
お彼岸までは、まだまだ暑い日が続きますから。 水分と塩分の補給はしっかりなさってくださいね。
そうですね。 こう園内が広いと、どこかで待ち合わせでもしないと 誰かと会うのも難しそうです。
[ 人懐っこい笑みに、>>45 卯木もふわりと笑い返しながら、 ]
(56) 2023/11/21(Tue) 14時頃
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ほう、LINEを。
[ 有名な歌舞伎役者が、 一ファンと繋がることがあるというのは、>>46 なかなか夢のような話だと、卯木は内心思いつつ、 ]
ふふ、抹茶白玉パフェは、 味もですが、兎型に丸めた白玉団子が 一部の若い女性の間で人気なのですよ。
不思議な雰囲気は……ええ、そうですね。
[ 卯木は何事もないように頷いてみせたけれど、 こうして煙崎るくあの話をしていると、 地下研究室のノートの内容や>>2:189>>2:190 黒須が語る彼女の話を思い出し、>>2:382>>2:383>>2:384 背筋を嫌な汗が伝った。 ]
(57) 2023/11/21(Tue) 14時頃
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[ 兎坂庵の場所を尋ねられたら、 菊水にも渡したショップカードを>>2:8 取り出してみたが、 はたして彼に受け取ってもらえただろうか。 ]
そうですね。 私も早く出られればと思っておりますが……
[ 実のところ、卯木はそこまで帰りたいとも 思ってはいない。 元々諦めやすい性質だから、 できる限りの力を費やした結果として、 出られないなら、それは仕方ないと思っている。
それよりも、先ほど煙崎るくあの話をしたことで、 卯木はやけに嫌な悪寒を覚えて、 その結果、卯木にしては珍しく固い表情で 上の空の生返事を返していた。 ]
(58) 2023/11/21(Tue) 14時頃
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……中村さん。 私、この事件のことを色々と調べていて、 思いついたことがあるんです。
荒唐無稽な話だと思われるでしょうが、 聞いていただけますか?
[ 唐突だと思われたかもしれない。
けれど、それは質問ではなく、 「これから話します」というただの宣言で。
だから、中村がどんな反応を見せようとも、 卯木は固い表情のまま、 さして気にせずに話し始めただろう。 ]
(59) 2023/11/21(Tue) 14時頃
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煙崎さんは、 どうやら特殊な体質だったようなのです。
例外はあるようなのですが、 いつの間にか、周りの人間が 彼女を崇め奉るようになったらしくて。
彼女に敵意や悪意を持った人間でも、 次々に彼女に傾倒し、 彼女が欲しがるものは、 周りが用意してくれたらしいのです。
[ 根拠が必要と言われたら、 黒須の名前は伏せつつも、 卯木の知っているエピソードを語って聞かせ、>>2:189>>2:190>>2:382>>2:383>>2:384 ]
(60) 2023/11/21(Tue) 14時頃
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おそらくは煙崎さん自身は、 その状況を良しとは思っていなかったようです。
彼女は自分を慕う男の子が告白しても、 付き合うのは断ったらしくて。
もし、自分の体質を利用して、 周りの人間をいいように扱いたかったのなら、 とりあえず告白はOKして、 それから奴隷のように扱うと思いますから。
また、彼女の体質がそうなったのは、 後天的なことか、 あるいは人為的なことなのかは分かりません。 ある日急に変わったようなので、 先天性ではないとは思いますが。
(61) 2023/11/21(Tue) 14時頃
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ですが、そのような特殊な状況で、 煙崎さんが殺されたとなると、 ある一つの可能性が思い浮かぶのです。
[ 重大なことでも話すように、 ここで一度言葉を切り、 卯木はじっと中村の顔を見つめながら、 ]
(62) 2023/11/21(Tue) 14時頃
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もし煙崎さんが「私を殺して」と願ったならば、 周りにいる彼女を崇め奉った人は、 その願いを叶えようと、 本当に彼女を殺してしまうかもしれない、と。
(63) 2023/11/21(Tue) 14時頃
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[ そこまで言った後、卯木は小さく息を吐く。 どうやら随分緊張していたようで、 張り詰めた感覚が徐々に緩んでいくと、 卯木の顔はいつもの柔和な顔に戻った。 ]
先ほど、例外があると言いましたが、 全員が全員、 煙崎さんを崇め奉ったわけではなかったようです。
だから、犯人が本当に煙崎さんに殺意を抱いて 殺した可能性は否定しきれません。
まあ、かくいう私も 自覚がないだけかもしれませんが、 特に煙崎さんを信奉していた記憶はないのですが。
(64) 2023/11/21(Tue) 14時頃
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正直なところ、私はこんなところに呼ばれて とばっちりを食らったと思っていました。
──ですが、もし煙崎さんの特殊な体質ゆえに この殺人が起きたのならば、 犯人もまたとばっちりを食らったのかもしれませんね。
まあ、そんな事情があったところで、 招待主が納得するかは別のなのでしょうが。
[ うまいところ、皆が納得するところに 着地するといいのだけれどと 苦笑しながらも、
結局のところ、この事件の顛末が どう転ぶかは分からないまま。 ]
(65) 2023/11/21(Tue) 14時頃
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[ 卯木が中村にここまで話したのは、 彼が犯人からは最も遠い存在だと 思い込んでいたからというのもある。
彼も自分と同様に煙崎るくあを お客様として扱っていたと思っていたから、 彼女の信奉者だったとは思えず、
また、私情で殺意を抱いたとしても、 有名歌舞伎俳優なら、 一介の身寄りの少ない女子高生相手に 丸めこむのは簡単だろうと思っていたから。 ]
(66) 2023/11/21(Tue) 14時頃
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[ だから、ここで卯木が話したことが、 中村に何か影響を与える可能性などは 全く考えてもいなかったのだった。 ]**
(67) 2023/11/21(Tue) 14時頃
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(中村へ個別送信)
『 俺もアンタと話したいと思ってたよ。
都合のいい時間と場所教えてくれ。 』
(黒須へ個別送信)
『 黒須くんか。
ああ、そういうのはいい。
空いてる時に連絡してくれ。 』
(灰羅へ個別送信)
『じゃあ、今観覧車の前に居ますけど、
ご一緒しますか?
ボクは何周乗っても、その後でも、構わないので。』
『 そうなんだ。
ちなみに俺と煙崎さんは
「坂理くん」「煙崎さん」って
呼び合う仲だったよ。
まだ俺のこと呼んでくれる予定があるんだ。
ありがとうワくん。 』
『 好きです、なんて言葉。
面と向かって言うのは、なかなか面映ゆいよね。
俺だって幼稚園の頃に先生へ言ったのが最後だよ。
まあ、告白に頷かなかったのなら、
煙崎さんが君に抱いていたのは、
愛情ではないかもしれないけど。
愛は確かに尊いものかもしれない。
それでも。
他の感情がそれに劣ると、
決めつける道理もないはずだ。 』**
(灰羅へ個別送信)─※卯木と話したあとの時間軸─
僕は今からでもいいですけど、まあ、日が暮れる前に?
ちょっと熱中症で具合悪くなっちゃって。熱はないんですけどね。
部屋で休んでいます。都合いい時に呼んでください。
(雛子へ個別送信)─※卯木と話したあとの時間軸─
今日暑いけど、大丈夫? 熱中症とかなってない?
雛子ちゃんと話したい……というか、話を聞いてほしいんだ。
気が向いたらでいいけど。
パレードが始まる頃、また観覧車乗らない?
返事がなくても時間になったら観覧車の前で待ってるね。
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── 現在:ホテルロビー ──
連絡先を交換した経緯が分からない……。
[ いくら煙崎るくあが 彼のことを推していたからといって、 そんなことがあり得るのだろうか。>>78 彼のような有名人なら尚のこと 個人情報の管理は しっかりとしていそうなものなのに。
信奉される側というのは、 たしかにそうだろうなと、内心で思いつつも、>>79 ]
……人体実験、ですか。
[ もし卯木が黒須の話を捉え違いしていないのならば、 彼女が中学生の頃に人体実験を受けて、 体質が変わったのかもしれない。 ]
(103) 2023/11/21(Tue) 19時半頃
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すみません。 お疲れの方に聞かせる話ではありませんでしたね。
[ 色々と考え込んでいた卯木であったが、 気づくと中村の顔色は随分と悪くなったようで、>>78 ]
このような話を平時で聞かされても混乱するでしょうに、 配慮が足りておりませんでした。 いかがしましょう。お部屋で休まれますか?
[ 中村にそう提案してみたが、 彼の反応はどうだったか。
もし部屋に戻るようなら、 一人で行けるか不安な卯木は 部屋の前まで付き従おうかと提案しただろうが、 断られたなら、 きっとロビーで別れることになっただろう。 ]**
(104) 2023/11/21(Tue) 19時半頃
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(綺羅さんへ個別送信)
体調は、大丈夫だと思います。
分かりました。
その位の時間になったら、行きます。
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── ホテル305号室→テーマパーク ──
[ 中村と別れた後、 今度こそ卯木は305号室のベッドの上で 一休みすることができた。
黒須や中村と煙崎るくあの話ができたからか、 やっと思考が頭に追いついた気がしていた卯木は 安心したように眠りにつく。 ]
(126) 2023/11/21(Tue) 22時半頃
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[ それから、30分ほどで目が覚めた卯木は、 手持ち無沙汰な状況に落ち着かなくて、 ホテルから出てテーマパーク内を散歩することにした。
あてもなくブラブラと歩く卯木は いつの間に、メリーゴーランドの前に到着していた。>>1:249 ]
(127) 2023/11/21(Tue) 22時半頃
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(菊水さんへ個別送信)
「 菊水さん、
ありがとうございます 」
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── 現在:メリーゴーランド『銀河の海賊』前 ──
[ 宇宙船やら星やら色々なものが ぐるぐると回るメリーゴーランドに乗ることもなく、 卯木はただ、その緩慢な動きを眺めていた。
そういえば、従弟がまだ幼い頃、 祖父母と卯木も合わせて4人家族で 遊園地にやって来たことがあったと、 卯木は思い出す。
あの頃は、まだ従弟は卯木に懐いていて、 彼が白馬に乗った姿を 外から手を振りながら眺めていた。 ]
(128) 2023/11/21(Tue) 22時半頃
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[ メリーゴーランド。 前進しているはずが、 いつの間にか元の場所に戻っている遊具。
どれだけ先を目指そうと動き回ったところで、 その先に待つのは楽園でも地獄でもなく ただ現実に引き戻されるだけ。 ]
それでも、諦めずに前に進むんだね。
[ きっと、いくら現実を突きつけられようとも たとえ、疲れ果てていたとしても。
君は偉いね、と 何か機械のようなものを付けた白馬に 卯木はそっと笑いかけた。 ]*
(131) 2023/11/21(Tue) 22時半頃
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── 現在:メリーゴーランド『銀河の海賊』前 ──
[ メリーゴーランドの前で黄昏ていると、 どこかから声が掛かる。>>132 ]
はい、卯木です。 初めまして、海透さん。
[ ふわりと微笑んでみるけれど、 メリーゴーランドに乗らないのかと問われれば 苦笑を零して、 ]
(133) 2023/11/21(Tue) 23時頃
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私もいいおじさんですから。 こういった可愛らしい乗り物を乗るのは 躊躇してしまいまして。
[ だったら、なぜこんな場所にいるのか、と 疑問に思われそうな返答になってしまったが、 「メリーゴーランドの白馬に尊敬していた」 という答えよりは、よほどマシだろうと 自身を納得させることにする。 ]
海透さんはお好きですか? メリーゴーランド。
[ 17歳ともなると、さすがにこういう乗り物は 子供っぽいと思っているだろうかと思いながらも、
卯木は海透の事情など何も知らないまま 問いかける。 ]*
(134) 2023/11/21(Tue) 23時頃
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(中村へ個別送信)
『 今日も暑いからな。
具合が悪いなら、ホテルのロビーにするか。
今から行って待ってるよ。 』
(灰羅に個別送信)
ああすみません、ちょっと寝落ちてました。
まだロビーに居るかな?降ります。
もし居なくても、しばらくロビーのソファに座ってますね。
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── 現在:メリーゴーランド『銀河の海賊』前 ──
おや、そうでしたか。
[ メリーゴーランドに乗ったことがないのなら、>>140 海透はあまり遊園地には 来たことがなかったのかもしれない。
などと思っていたら、 一緒に乗らないかと提案される。 初めて会ったばかりの女の子と乗るというのも、 それはそれで気恥ずかしい気持ちもあるが、
『るくあちゃん』と親し気にその名を呼ぶ海透に 故人を偲ぶ気持ちを感じ取れた気がして 無下に断るのも申し訳ない気がして、 ]
(146) 2023/11/21(Tue) 23時半頃
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そう、ですね。 あれが煙崎さんの本音かは分かりませんが、 遊んでみてもいいかもしれません。
もしかしたら、煙崎さんも 海透さんに楽しんでもらいたいと 思っているかもしれませんし。
[ 煙崎るくあに対しては、 色々と思うところはあるけれど、>>60>>61>>62>>63 今は思考の隅に追いやる。 ]
(147) 2023/11/21(Tue) 23時半頃
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いいですよ。メリーゴーランドで。 海透さん、乗るの初めてなのでしょう?
メリーゴーランド、 英語風に言えばメリー・ゴー・ラウンドですが、 これは『楽しく陽気に回ろう』という意味ですから、 海透さんも楽しめるといいですね。
海透さんはどれに乗りたいですか?
[ 他のアトラクションの提案は、>>141 ふわりと微笑みながら断って。
宇宙船やら、流れ星やら、 色々なものが回っているが、>>1:249 どれに乗りたいか尋ねてみる。 ]*
(148) 2023/11/21(Tue) 23時半頃
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「以上!」で〆たのは何だったのか。その場の勢いだ。もう忘れた。
(坂理へ個別送信)
『なんだよまた自慢か。
ボクなんて最後まで「黒須先輩」だ。
キミだってボクと同い年なのに、なんだこの差は。
どうぞ、存分に優越感に浸るがいいさ!
全敗は気に入らないから、後で
ボクが勝つまで何かで勝負しろ!!!!!👊』
『幼稚園が最後、つまりるくあには
「好き」って言ったことがないのか!!!?
どんだけ口下手で淡白野郎なんだ
ボクなら142627回でも囁くのに!!
なんでるくあはこんな顔だけ朴念仁の方がry
いや、多分予測はついてる。
るくあは、自分に好意を向ける人がダメなんだ。
だからボクは逆立ちしたって選ばれない。
愛情より、もっと根本的なものが欠けていた。
承認と、信頼だ。
……信じて貰うには、どうすれば良いと思う?』
最後は灰羅に投げたのと同じ問いを。
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── 現在:メリーゴーランド『銀河の海賊』 ──
[ 海透の小さく頷いて笑む姿に、>>149 卯木は自然に表情を綻ばせつつも、 ]
いえ、どういたしまして。 おや、私も、ですか?
[ 楽しめるかは分からないけれど、 眉を下げた笑みに、 卯木はお気遣いありがとうございます、と 微笑んだ。 ]
(157) 2023/11/22(Wed) 00時頃
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ほう。煙崎さんの石。 思い出の品なのですね。
[ ポケットから取り出された星形の石を>>150 眺めつつ、石を交換するやり取りの可愛らしさに なんともほっこりする光景かなと思いながら。 ]
でしたら、私はその隣の よく分からない装置を付けた白馬にしましょう。
[ 卯木は特にどれに乗ってもよかったが、 せっかく一緒に乗るのなら、 近くにあるものに乗った方がいいだろうと思って、 謎の装置を付けた白馬を選択する。 ]
(158) 2023/11/22(Wed) 00時頃
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なんとなく、思い出したことがあります。
[ それから二人、メリーゴーランドに乗りながら、 一言二言会話をしたかもしれないが、 卯木がぽつりと言葉を零す。 ]
昔、私がメリーゴーランドに乗ったとき、 両親は乗らずに外で待っていたのですが、
メリーゴーランドが一周して、 両親の側を通るとき、 私が彼らに手を振ると、 彼らが何度も手を振り返してくれたことが とても嬉しかったなって。
[ それは両親が海外転勤する前の、>>0:138 幼かった頃の、もう忘れかけていた記憶。 ]
(159) 2023/11/22(Wed) 00時頃
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大人になってみると、 同じようなところをぐるぐる回って、なんて 思ってしまいますが、 同じような場所にいるからこそ、 特別なものを見つけると 嬉しくなるのかもしれませんね。
海透さんの持つ、その星の石も、 もしかしたらそのようなものなのでしょうかね。
[ などと隣の海透へと語りかけてみるが、 彼女の反応はどうだったか。 ]*
(160) 2023/11/22(Wed) 00時頃
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── 現在:メリーゴーランド『銀河の海賊』 ──
オウジサマ?
[ 微笑まれながら語られたそのフレーズに 卯木は思わずカタコトになる。>>164
どうやら冗談だったらしいが、 流れ星女だって、 どこかのリトルなツインなスターたちみたいで、 きっと可愛らしいに違いない。 ]
馬が好きというよりは、 遊園地のメリーゴーランドは 白馬か馬車が普通なので、 思わずオーソドックスなものを選んでしまいました。
[ せっかくだから、もっと宇宙っぽいものに 乗ればよかったか、と思っても後の祭り。 ]
(172) 2023/11/22(Wed) 01時頃
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ふふ、では私だけ降りて、 海透さんに手を振りましょうか?
[ 恥ずかしい気持ちになったと聞くと、>>165 冗談めかして付け加えつつも、
星の石のことで小さく笑う姿に、 やはりどこか微笑ましい気持ちになる。 ]
私と煙崎さんの一番の思い出は…… 他の人が聞くと楽しい話ではないのですが、
[ と、一応の断りを入れつつも、 ]
(173) 2023/11/22(Wed) 01時頃
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亡くなった私の従弟のお供え物について、 煙崎さんに相談したのが、 彼女と親しくなったきっかけですね。
色々と親身になってくれて、 本当に優しい子だったと思います。
[ だからこそ、この島に来て初めて知った 煙崎るくあの一面については、 信じがたい気持ちではあったのだが、 ]
(174) 2023/11/22(Wed) 01時頃
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ああ、もちろん、お客様としてもありがたかったですよ。 私の店に来るお客様の年齢層は少々高めなので、 煙崎さんのようなお若い方は新鮮でした。
海透さんもよろしければ、 いつか兎坂庵にいらしてください。
[ ほんのりとしんみりした空気を紛らわせるように、 楽し気に微笑みながらも 海透に兎坂庵の宣伝をしてみることにした。 ]*
(175) 2023/11/22(Wed) 01時頃
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── 現在:メリーゴーランド『銀河の海賊』 ──
たしかに、童話の世界みたいですね。 元は、フランス貴族が作ったものらしいので、 おとぎ話の世界観とも合いそうです。
[ やはり海透は初めて乗るだけあって、>>179 自分とは発想が違うなあ、と卯木はふむりと頷いて、
卯木だけ降りる提案は、見事に却下されるが、 冗談半分だったため、特に気にした様子もなく、 ]
(188) 2023/11/22(Wed) 02時頃
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ああ、いえ。恐れ入ります。 まあ、亡くなったのは4年以上も前の話になりますから。
[ お悔やみを申し上げられれば、>>183 恐縮したように卯木は頭を下げて、
煙崎るくあのことを褒めると 嬉しそうに微笑む海透の姿に、 複雑な思いを心の奥に隠したまま いつも通り柔和に微笑む。 ]
(189) 2023/11/22(Wed) 02時頃
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綺羅さん……ああ、中村さんですね。 先ほどお会いした時に、宣伝しておきました。
[ まあ、途中で煙崎るくあの話をしたことで、 兎坂庵のことを考えるどころではなさそうだったが、 ということは伏せつつ、 ]
はい。兎坂庵は和風喫茶ですから、 素朴で落ち着く雰囲気ではあるのですが、 映えを気にするような若者は、あまり来られなくて。
ええ。もし来られそうなら、是非とも。
[ 兎坂庵のことを軽く説明をしつつ、>>183 絶対行くというような断言がないことは、 状況は状況だし仕方ないと、 卯木は特に気に留めず、 ]
(190) 2023/11/22(Wed) 02時頃
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ああ、こんにちは!
[ そんな話をしていた頃だったか、 メリーゴーランドの外から声が掛かり、>>181 こちらも声を掛ける。
隣から聞こえた笑い声に、>>185 ちょうど話していたような状況となって、>>173 卯木も気恥ずかし気に小さく苦笑を零して。 ]
密星さんも、どうぞ楽しんで!
[ メリーゴーランドから離れて、 どこかへ足を進める密星に、卯木も手を振った。 ]
(191) 2023/11/22(Wed) 02時頃
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[ そうこう話している間に、 メリーゴーランドの回転が止まる。 ]
では、降りましょうか。 海透さん、ご一緒いただきありがとうございました。
私はまた、園内をぶらぶら回る予定ですが、 海透さんはどこか行かれる予定はありますか?
[ 何か予定があるのなら、 あまり引き留めてもよくないと思い、 海透に尋ねてみた。 ]**
(192) 2023/11/22(Wed) 02時頃
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── 現在:天の川ロード前休憩所 ──
[ 海透と別れた後、 テーマパーク内をぶらぶらと歩いていた卯木は、 どこかで誰かと会えば、 話し込むこともあったかもしれないが、
日が暮れた後、卯木は 天の川ロード前の休憩所で一休みしていた。 ]
(218) 2023/11/22(Wed) 12時頃
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おや、始まりましたかね。
[ 賑やか音楽が耳に入り、 卯木はそちらへと目線を送る。 どうやらエレクトリカルパレードが始まったようだ。
トランペットや手巻きオルガン、大太鼓、 モナリザ自身から発せられる楽器の音、 他にも様々な楽器を奏でているかもしれないが、 たくさんの音が混ざりあい、 とても楽し気な音楽を奏でている。 ]
(219) 2023/11/22(Wed) 12時頃
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[ 視界に飛び込むのは、 ライトアップされたモナリザと移動式装置の発する なんともカラフルな光。 露草色に勿忘草、唐紅に薔薇色、蒲公英色に 藤黄、浅緑に若草色、 その他にもたくさんの色が辺りを照らしながら、
その光源の中で、たくさんのモナリザが こちらに向かって手を振ったり、 実に楽し気に踊ったりしている。 モナリザの踊りは、 どうやったらこんな動きができるのだろうと 疑問に思うくらい複雑で激しい。 ]
(220) 2023/11/22(Wed) 12時頃
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[ その動きがなんとも面白くて、 閑散とした日暮れ後のテーマパーク内という なんとも寂しいシチュエーションの中で、卯木は笑う。 そこがどんな場所であっても、 諦めずに必死に藻掻いていたら、 いつかは幸せになれるような、そんな気がして。 ]
(221) 2023/11/22(Wed) 12時頃
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[ それから、賑やかな音楽が一変して、 ハンドベルの厳かな音が、静寂な夜を支配した。
移動式装置の上では、 たくさんのモナリザが静かに立っていて、 輪になった8人のモナリザの中心に ぽつんと座り込むモナリザが1人。
それから8人のモナリザは各々、 中心のモナリザに手を差し伸べたり くっつこうとしたり、 あるいは遠くから手を振ったり ファイティングポーズのように腕を曲げていたり、 ただ、静かに見守っていたり。 ]
(222) 2023/11/22(Wed) 12時頃
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[ 中心のモナリザは近づいてきたモナリザに 一度は手を伸ばそうとするけれど、 躊躇うように引っ込めて、 遠くにいるモナリザには手を伸ばしてみたが、 そちらは手が届かないようだ。
それからまた、8体のモナリザは 俯いて座る中心のモナリザを囲んで、手をつなぐと 今度はかごめかごめのようにぐるぐると回り出す。 そして、いつの間にか中心のモナリザは、 誰かの手を取ったようで、 モナリザは9人揃って手をつなぎ、 2、3周くるりと回った後、1列に並ぶ。
そのタイミングで、周囲の空気が 賑やかさを取り戻したように、 先ほどと同様の楽し気な音楽が辺りを灯し、 9人のモナリザがペコリと頭を下げた。 ]
(223) 2023/11/22(Wed) 12時頃
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[ ──ああ、この子は幸せになれたんだな。
去っていく移動式装置を眺めながら、 卯木は嬉しくなって、また笑う。
今はただの仮初の夢の時間。 現実はどう転ぶか分からないけれど、 せめて夢の中では ハッピーエンドに浸れそうで良かった、と。 ]**
(224) 2023/11/22(Wed) 12時頃
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(坂理に個別送信)
『 坂理くん、キミに贈り物がある。
モナリザを一台寄越すから、
ソイツから受け取ってくれよ 』
(一斉送信)
まず、デバイスでのお知らせになる事をお許しください。
”招待者”に確実に届けるためには、
モナリザに放送してもらうか、
アポロで全体送信するか、二択かなと思って。
(おそらく通信関係は全て覗かれているでしょうから)
どちらでもいいんだけど、
文章で残る方にさせていただきますね。
煙崎るくあさんを死に至らしめたのは僕、中村です。
彼女が死にたいと言ったので、致死量の毒をお渡ししました。
どうしてそんなもの持っていたのかは個人的な話なので
割愛します。
話す気になったのは、気まぐれです。
僕は逃げも隠れもしませんのでお好きにどうぞ。
しばらくメリーゴーランドからパレードを眺めています。
パレードが終わったらホテルで普通に食事をして寝ます。
どのタイミングでも、よしなに。
ひとつだけ…
言い訳とかではなくてですね。
僕しか知らないことなので。
彼女、毒を渡したら、
「 ありがとう。
私、今 とっても しあわせ 」
と言っていました。**
『 勝負? いいよ。
何して遊ぼうか。
うーん。顔だけなのは否定できないからなぁ。
もしくは煙崎さんの男の趣味が悪いかの、
どちらかだね。
ワくんはどっちがいい? 』
『 信じて貰う方法?
さあ、知らないな。
俺は煙崎さんではないからね。
でも、142627回も
好きを告げてくれるような相手なら。
俺だったら通報するか。
仕方ないから諦めるかの、二択かな。 』
『 モナリザから受け取りましたけど。
不労所得までGETして、
これ以上モテるのは勘弁なので返しますね。
それより知ってますか。
粗大ゴミって捨てるのにお金がかかるんですよ。
今度兎坂庵でほうじ茶と大福奢って下さい。 』
『 お招きありがとうございます。
遊園地楽しかったですよ。 』
(一斉送信)
『お兄さんに聞いたけど、
遺灰の撒かれたこの島が
煙崎るくあの墓標なんだって。
楽しむことが、るくあへの手向けになるなら。
とりあえず僕は、全部のアトラクションを制覇してから
いこうと思う。
後、るくあの眠るこの地を、他の人に
あんまり騒々しく踏み荒らされたくはない。』
犯人云々のことには敢えて触れず、送信ボタンを押した。
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── テーマパーク内 ──
[ パレードの行進が遠ざかり、 再びテーマパーク内をぶらぶらと歩いていた卯木は、 アポロがいくつかメッセージを 受信していることに気づく。
一つは中村のもので、>>237 彼が犯人であることの告白文だった。 ]
……なるほど。 あの時の動揺は犯人故だったのか。
[ ホテルロビーで中村と話した時のことを 思い出しながら、文面を読み進める。 ]
(278) 2023/11/22(Wed) 21時半頃
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[ 『毒を飲ませた』ではなく、 『毒を渡した』ということであれば、 服毒したのは煙崎るくあ自身だろうか。
もし罪に問われるとしたら、 自殺幇助や自殺教唆だろうけど、 警察が捜査できる状況でなければ、 罪に問うこともできないのではないだろうか。
表向きは心臓マヒとして公表された 煙崎るくあの死。 彼は自身が渡した毒が彼女の死に直結したと ここに来るまで想像もしていなかった可能性もある。
だとしたら── ]
(279) 2023/11/22(Wed) 21時半頃
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たとえ、生きてこの島を出られても、 あなたはその罪の重さを抱えて生きていけますか?
[ 卯木自身は手を下す気はなくても、 招待主や招待客の誰かが 彼を殺そうとするかもしれないけれど。 今はその可能性は 敢えて思考の隅に追いやって。 ]
(280) 2023/11/22(Wed) 21時半頃
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それにしても、『ありがとう』と『しあわせ』、か。
[ もし中村の言っていることが本当なら、 煙崎るくあは死にたがっていたということになる。 ということは、 ]
もしかしたら、 僕の話が引き金になった可能性もあるのかな。
[ 生存欲がなかったり、倫理的でない人間を 『生きている』カウントすることは難しい。>>0:217
煙崎るくあは、あの話を聞いているとき どんな気持ちだったのか。
もし、あの時点で自分の体質を呪い、 死にたいと願っていたのなら── ]
(281) 2023/11/22(Wed) 21時半頃
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言われなきゃ分からないですよ、煙崎さん。 でも、あなたに言わせなかったのは、 きっと私の方なのでしょうね。
[ あくまで店の店主とお客様の関係だと 線引きしていたのは卯木の方。
卯木は夜空に向かって顔を上げると、 「ごめんね」と小さく言葉を吐きかけた。 ]
(282) 2023/11/22(Wed) 21時半頃
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[ もう一通のメッセージは、黒須からのもの。 最後まで読むと、卯木は小さくため息をついて。 ]
事件性にしたくないというのはいいとして。 君はどこにいくつもりなのかな?
[ ホテルラウンジで彼と交わした会話を思い出す。>>2:381 ]
君が死体になっていたり、 行方不明になったりしても、 普通なら事件性ありとして扱うはずだから、 この島でおっぱじめるつもりはないとは思うけれど。
[ もしこの島のことを 警察に通報しないと不自然な状況になるのなら、 騒々しく踏み荒らされる状況になっても 諦めてほしいとは思いつつ。 ]
(283) 2023/11/22(Wed) 21時半頃
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── 現在:海のそば ──
[ 唐突に、水が弾けるような音がして、>>259 何事だろうと、卯木は音のした方へ足を進めた。
沿岸のそばに坂理の姿が見える。
パレードの終わった静寂の中、 微かに月光の第3楽章を背景に、>>30 はたして彼はまだ人工芝の上で横たわっていたか、 既に起き上がっていたか。 ]
こんばんは。 今、こちらの方で何かすごい音がしましたが。
[ 彼に近寄って、尋ねてみたけれど、 何か反応はあるだろうか。 ]*
(284) 2023/11/22(Wed) 21時半頃
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── 現在:海のそば ──
8人……なるほど。そうでしたか。 それでは、救っていただいた方に 感謝しないといけませんね。
[ さすがに爆弾が爆発した音だとは 思っていなかったけれど、 8人という人数と聞けば、>>285 この島にいる人間のことに 関係があるのだろうとは想像がついて、
坂理の笑顔に卯木は微笑みを返した。 ]
(295) 2023/11/22(Wed) 23時頃
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はい。アポロでお話しした卯木です。 あなたは坂理さんですよね。
いかがされました?
[ 初めての面と向かっての自己紹介の後、 彼の浮かべる微かな笑みには>>286 卯木は小首を傾げたけれど、 ]
(296) 2023/11/22(Wed) 23時頃
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そうですか。
[ 似ていなかった、とは果たして誰とだろうか。>>287 気にはなるけれど、 坂理の事情に深く突っ込む気もないため、 こちらから問いかけることはなく、 ]
男性お一人で来られるお客様もいらっしゃいますよ。 若い方たちがデートで楽しむには、 少々渋すぎる店ですから、 お一人でもゆったりとお過ごしいただけるかと。
[ 男性一人のお客様としては、 いつかの青年のことを思い出したけれど、>>2:289 きっと、目の前の彼と年頃が近そうだと 思ったからだろう。 ]
(297) 2023/11/22(Wed) 23時頃
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[ 煙崎るくあのことを、 店に入りやすくするための存在のように扱う姿は>>287 黒須とは対照的だなと思いつつも、
続く言葉と晴れやかな顔に、>>288 卯木は目を見開く。 ]
生きて帰れる算段は立ったのですか?
[ 昨日の縁起でもないかもしれないメッセージを>>1:87 思い出しながら、そう問いかけてみた。 それから、 ]
(299) 2023/11/22(Wed) 23時頃
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毎年9月には、兎坂庵では 月見ハンバーグプレートを出しているんです。
もし近いうちにご来店できそうであれば ぜひご検討くださいね。
[ こちらも『願わくば』などという枕詞は口にせず、 彼が来店するのを確信しているように 9月の限定メニューを推し進めることにした。 ]*
(300) 2023/11/22(Wed) 23時頃
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(坂理へ個別送信)
『僕は適当にアトラクション巡ってるから、
見つけられたら何でも勝負してやる。
罰ゲームは『ギャラクシードリンク()一気飲み』な。
メイクの腕以外、勉強並、運動並、容姿も並、
何やらせても平々凡々な僕からしたら、
顔だけでもソレなら贅沢だ。そして贅沢は敵だ。
だから両方。と言いたいところだけど。
血嘔吐が出る程悔しくて認めたくないけど、
キミの方が、多分るくあの本質を
理解できてる。
よってその案、採用してやるよ。』
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