10 冷たい校舎村9
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夜笑国 メイは、メモを貼った。
2021/06/06(Sun) 00時頃
[ 私は臆病だから、耐えられなかった。
見限られる前に、
役立たずの烙印を押される前に、
全部投げ捨ててしまいたくなったの ]
夜笑国 メイは、メモを貼った。
2021/06/06(Sun) 00時半頃
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— 回想:帰宅部の心理テスト? —
[ひとみちゃんが早く帰る理由>>713は知っていたけれど、 今回の騒動はわたしのイメージを越えていた。 噂だから多少誇張があったかもしれない。それでもだ。
ひとみちゃん>>0:1182が昨日の話をしてくれた。 わたしは手伝えなかったことを謝ってから、 文化祭に参加できることによかったねって伝える。 たぶんその日だけは、帰宅する歩調が少し速くなった。
3年かけて気づいた嘘。ひとみちゃんのご両親のこと。 ひとみちゃんに何かあるって気づくのに 必要なものはもう、何もない。]*
(22) 2021/06/06(Sun) 01時頃
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[そんなこともあったけれど、ひとみちゃんは ちゃんと約束を守って文化祭の準備に勤しんでいる。 誰も思い浮かばなかったわたしが、 誰かいるように装ったへらへらの答え。 ひとみちゃん>>0:1183の反応は芳しくない。]
……わたし、どうだった?
[これ、心理テストじゃないな。 わたしがすぐ気づけたのは積み重ねがあったから。 たぶんひとみちゃんが隠していることに関係している。 でも一応、もしかしたら。 わたしは予防線を張って、心理テストの答えを尋ねた。]
[聞き返したら、きょとんとした顔。 予防線なんて意味なかったかも。 わたしは話題が流れる前に口を開く。]
(23) 2021/06/06(Sun) 01時頃
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うーん……忘れられる側なら、理由聞くけど。 そもそも、伝える必要あるの?
[ひとみちゃんの答え>>0:1184はふわふわで、 地に足がついていないみたい。 前提も曖昧だから、わたしには上手く想像できない。]
忘れられる側が忘れる側を一番好きだとして、 忘れる側は、忘れられる側のことが好きなの? 忘れたいのに?
[主導権は忘れる側にあるんじゃないの。 わたしはそう思って、ひとみちゃんに尋ねた。]*
(24) 2021/06/06(Sun) 01時頃
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— AM8:50:3年9組の教室で —
[わたしは靴下を履き終わって、 炭蔵くん>>0:1170が書いた文字を眺めていた。
職員室にも先生たちがいないってさすがにおかしい。 乃絵ちゃんやひとみちゃんから聞いたメンバーも 教室に全員揃っていて、わたしはぽそりと呟いた。]
……取り残されたみたい。
[チャイムが鳴って、あちこちから着信音がなった。 当然わたしの鞄からも。 そういえば、マナーモードにするのを忘れていた。 休校の一斉連絡かな、なんて軽い気持ちで画面を開く。]
(30) 2021/06/06(Sun) 01時頃
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——。
[わたしは動きを止めた。 『これ』は、なんだろう。
頭に浮かぶ二文字がどうにも拭えなくて、 送り先を見ようとするけど、誰からのものか分からない。
周囲を見渡すとみんな似たような反応をしていて、 わたしは画面を開いたまま、スマホを机に置く。
ひとみちゃん>>5の呟きが現状を示すようだった。]*
(31) 2021/06/06(Sun) 01時頃
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[私の席は廊下から遠くて、特別鼻が効く訳でもない わたしは、廊下から漂う匂い>>#1に気づくのが遅れた。
向井くん>>14が扉を開いて、綿見さん>>19が尋ねる。 わたしも自然と向井くんの方を向いたら、 教室の外がさっきより鮮やかに見えた。
重い曇天と白い雪。廊下はしんと冷えていたはずなのに。 そこでようやく、場違いな匂いがわたしにも届く。]
え……。
[この匂いを、わたしはまだ覚えている。 向井くんが飛び出した扉の向こう、 あの楽しかった一日が広がっていて。]
(35) 2021/06/06(Sun) 01時半頃
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[あぁ。]
[石橋、なくなっちゃったね。]
(36) 2021/06/06(Sun) 01時半頃
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[自分より混乱した人を見ると落ち着くって本当なのかも。 わたしはスマホの画面を暗くして手ぶらで扉へ向かう。
立ち止まっていた綿見さんはどうしていただろう。 わたしは横から外を覗き込もうとして、 ひとみちゃん>>34の方が先に教室を出て行った。
足取りは向井くんよりずっとゆっくりだったけど、 声音はそうでもないような気がした。]
探しに行こ。
[それが向井くんなのか、ひとみちゃんなのか、 先生たちなのか、他のクラスの人たちなのか、 それともXXでしかないメールを送ってきた誰かなのか、 何もかも分かんないけど。]
(37) 2021/06/06(Sun) 01時半頃
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いい?
[深呼吸をして、わたしは炭蔵くんに尋ねた。 わたしから話すことはあんまりないから新鮮な気分。
こういう時まで委員長に判断を任せるかは別として、 わたしは炭蔵くんに、尋ねた。]
(38) 2021/06/06(Sun) 01時半頃
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[返事を待つ間に、わたしは一歩だけ廊下に出る。 あの日の光景と、]
……危ない、なぁ。
[ぽつんと落ちる、カッターナイフ>>2を見下ろした。]**
(39) 2021/06/06(Sun) 01時半頃
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夜笑国 メイは、メモを貼った。
2021/06/06(Sun) 01時半頃
巻き込んでごめんなさい。
でも、私の最後のわがままに付き合ってほしい。
文化祭、本当に楽しかったの。
私の中に大事に刻んでおきたいから、
最後の思い出作りに協力してほしい。
いつまでもいてほしいなんて、
そんなことまでは望まないから。
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— 回想:わたしにだけ降る雨の話 —
[たとえば、食堂とか、教室とか。 乃絵ちゃんは、人の目がある場所じゃそういう話>>25を しなかったと思う。
話すのはいつも、わたしと乃絵ちゃんしかいない場所で、 そうなると大抵が外のベンチに誘った日になって。 だから、乃絵ちゃんが雨を降らす時は 晴れや曇りの日が多かったんじゃないかな。
もちろん、お昼以外にも乃絵ちゃんが話すことがあれば わたしはいつもみたいに聞いていたし、 雨の日にぽつりと零れる話にも同じように応えた。]
(128) 2021/06/06(Sun) 15時頃
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[雨粒が伝って、乃絵ちゃんの輪郭が見えてきても その中身がよく分からないのは、乃絵ちゃんの話が 深い場所まで潜らなかったからだと思う。
「ちょっと疲れたね」って言われたら、 わたしはいつも「そうだねぇ」って返した。 最初は毎回頭を撫でようとしたと思うけど、 乃絵ちゃんが思い悩むような顔>>26をしているように 見えたから、わたしが乃絵ちゃんを撫でる回数は減った。
ひとみちゃんと同じように、乃絵ちゃんにも わたしのピアノを聞いてもらったことはない>>0:1132。
わたしたちは『ともだち』なのに、 一番大事なところを晒せないまま日々を過ごす。]
(129) 2021/06/06(Sun) 15時頃
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[でも、それっていけないことなのかな。]
(130) 2021/06/06(Sun) 15時頃
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[わたしと乃絵ちゃんは名前で呼び合うから『ともだち』。 でも『ともだち』って、全部打ち明けなきゃいけないの? そうじゃなきゃ『ともだち』じゃないのかな。 秘密があるのは、いけないことなのかな。
わたしは乃絵ちゃんとゆっくり他愛もない話をしたり、 乃絵ちゃんがいつも持ってくるお弁当>>0:848を見て パンと交換しよって持ちかけたり、 そういう時間がちゃんと楽しいよ。これは、本当。
だから。ちょっと雨が降るくらい、全然平気。
わたしはただ、乃絵ちゃんが弱音を零したい時に 話を聞くだけでいいんだから。]
(131) 2021/06/06(Sun) 15時頃
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[ね。
わたしはわたしの『ともだち』を、 大事に大事にしていたでしょう。]*
(132) 2021/06/06(Sun) 15時頃
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— 現在:3年9組 —
[向井くんが飛び出して、ひとみちゃんが出て行って。 綿見さん>>101もどこかへ歩いて行った。 教室からは鳩羽くん>>57が騒いでいるのが聞こえる。
あ、ちゃんと元気になったんだな。って わたしはひどく場違いなことを考えていた。 だって教室に入ってからも、 わたしは鳩羽くんと話をしていなかったから。 大抵の人とそうなんだけど。わたしの日常そのままだ。
普段なら意識もしないことを考えたのは、 それくらい、朝別れる前の鳩羽くんの様子が いつもと違って見えたから>>0:683だと思う。
鳩羽くんを苛むやべー運命ってやつを抑えてくれたのが この特異な光景なのが幸運なのかは分からないけど。
わたしは廊下の外に広がる景色を見た。]
(133) 2021/06/06(Sun) 15時半頃
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[背後から窓の閉まる音>>115が聞こえても、 わたしは振り返ることはしなかった。 たぶん鳩羽くんの声に誰かが反応して 同じことをしたんだろう。 窓の向こうには何かがあるらしいってことだけ覚えた。
わたしは、廊下に落ちたカッターを見ている。]
うん。
[炭蔵くん>>66の声で、ようやくわたしは顔を上げた。 窓のの近くには乃絵ちゃん>>119がいて、音の主を知る。 当の鳩羽くん>>118は入り口の方まで来て叫んでいた。]
(134) 2021/06/06(Sun) 15時半頃
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どこから手つけたらいいと思う?
[わたしは鳩羽くんと乃絵ちゃんの話に加わることはせず、 全体に呼びかけた炭蔵くんに話しかけた。
たとえば、3年9組の委員長が炭蔵くんじゃなくて ひとみちゃんだったなら、 わたしは今の状況で判断を求めなかったと思う。
別にひとみちゃんを軽んじている訳じゃなくて、 炭蔵くんが炭蔵くんだからだ。 わたしは炭蔵くんの長い前髪の先、目を見ようとした。]
(135) 2021/06/06(Sun) 15時半頃
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[向井くんが炭蔵くんはプロだって言ってた。 ずっと委員長を務めてきたんだって。 実際、彼が立候補した時、当然みたいな反応をする クラスメイトが多かった気がする。 これまでもずっと人を率いてきたんだろう。
わたしは、学校との関わりが薄いから。 炭蔵くんのこと、よく分かっていない。
ヨーコ先生が炭蔵くんに何でも任せちゃうのは、 ヨーコ先生が人任せだからってだけ? 炭蔵くんが炭蔵くんだからってことはないのかな。
わたしは民衆の一人に過ぎない。 大勢を退けてまで、 そんな根拠のない疑問をわざわざ口にしたりしない。 炭蔵くんが優秀なことは、わたしも理解しているしね。]
(136) 2021/06/06(Sun) 15時半頃
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[グループチャットにわたしの発言が並ばないように、 多くの声がある場所でわたしは自ら前に出たりしない。 ひとつ声が足りないくらいで流れは変わらないんだから。
何でもいいよって、見ている。 ヨーコ先生に並ぶくらい人任せだ。
でもここにはクラスの半分もいなくて、 埋もれていられるだけの数が足りなかった。]
(137) 2021/06/06(Sun) 15時半頃
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……持ってく?
[わたしは足元のカッターナイフを見ていた。 何が起こったのか分からない以上、 身を守る術はあった方がいいかもしれない。 でも刃物は怖い。手を傷つけてしまいそうだから。
炭蔵くん>>68が教室を出るなら、わたしも後に続こう。 振り返ると、柊くん>>77が座り込んでいるのが見えた。
わたしは一瞬だけその姿を見てから歩き出した。]*
(138) 2021/06/06(Sun) 15時半頃
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夜笑国 メイは、メモを貼った。
2021/06/06(Sun) 15時半頃
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— 2階廊下 —
[カッターだけ、あるいは手ぶらで炭蔵くんの後に続く。 炭蔵くんもどこへ行くか決めていないように見えた。]
ここ、何が見える?
[だから、わたしは適当な教室を指差しながら話しかけた。 入り口には「おばけやしき」>>79って書かれた文字。 部屋の中は暗幕に阻まれてよく見えない。
じゃあここは。次は。って、 わたしは何度か炭蔵くんに尋ねた。]
見えてるもの、同じだねぇ。
[わたしは最後にそう付け加えて、質問の意図を伝える。 これはわたしだけが見ている夢ではないらしい。 教室から柊くん>>139の悲鳴が聞こえてきたから、 そうだろうとは思っていたけれど。]
(150) 2021/06/06(Sun) 16時頃
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[わたしは炭蔵くんを呼び止めて、廊下の窓を示す。]
何かあるらしいよ。見てみる?
[鳩羽くんと乃絵ちゃんが見ていたもの。 もし怪物でもいたならここじゃ見えない気もするけど、 顔を出しただけで噛み殺されることはないみたいだし。 わたしは冷たい窓の鍵に手をかけた。]
……わたしたちの屋台も、あるんだよね。
[3年9組のぶっ飛んだクレープ屋はどこにあるんだっけ。 何もかもあの日みたいな校舎の中、 どうしてこんなことになっているのかは分からないけど。
わたしが思い浮かべるのは、 ビニールテープで色付けされたプラスチックケースだ。]
(151) 2021/06/06(Sun) 16時頃
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[わたしが財布からこっそり入れた10円>>93を思う。
打ち上げ前の最終確認、 向井くん>>96の収支報告には1円のズレもなかった。
朝からずっと笑っていた向井くん。 客引きの衣装にも、紙の上に書かれたボタンにも ゲラゲラ笑っていたっけ。 忙しかった時は少し大変そうだったけれど>>91、 終わってみれば満足しているように見えた>>92。 わたしは「良かったねぇ」って答えたと思う。
準備期間に一度だけ乱しかけた平穏を、平坦を、 今度はちゃんと保てたはずだ。
もしここが文化祭を忠実に再現しているとするなら、 あの10円はどうなっているんだろう。 足りないまま? それとも嘘で補われている? わたしは迷子の10円>>94がいたことなんて知らない。]
(152) 2021/06/06(Sun) 16時頃
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[開けた窓の下、2階のはずなのに地面がずっと遠くて、 わたしはそこで初めて息を飲む。]
……っ、なん、で。
[どうしてって言わないようにしてるのに。 誰も答えてくれないのを分かっているのに。 わたしの口からは、自然と子どもみたいな声が漏れた。
どこからか、ため息が聞こえる気がする。]**
(153) 2021/06/06(Sun) 16時頃
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夜笑国 メイは、メモを貼った。
2021/06/06(Sun) 16時半頃
そういえば、一人足りない。
曽我君、帰っちゃったんだ。
せっかくの文化祭、来てほしかったのにな。
曽我君が、誰かの家に泊めてもらったって話、
聞いたことがあった。
曽我君には家に泊めてくれるような友達がいるんだって、
私羨ましかった。
頼まれごと断れないような人のいいところ、
それで副委員長なんて引き受けちゃうところ、
だから曽我君にはそんな友達ができるんだろうな。
楽しい文化祭をありがとう。
曽我君、帰っちゃったから、
私、曽我君の分まで楽しんでおくね。
私にはいくらでも時間があるから、
後でゆっくり見ればいいんだし。
夜笑国 メイは、メモを貼った。
2021/06/06(Sun) 21時頃
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[固めのホイップクリームにチョコチップで顔を描いて、 フルーツはベリー系にしようか。 当日はレジから離れる訳にはいかなかったけれど、 準備中は少しずつお手伝いもできたと思う。
そんな一番楽しいとこ>>209、いっぱい満喫して。 文化祭が終わった後のわたしの手には、 綿見さんがくれたクレープのレシピ>>210が残った。
夢が夢じゃなかったって教えてくれるみたいに。 まるでガラスの靴みたい、なんて。 そう一瞬でも思ったら、触れたら壊れてしまいそうで、 わたしはまだこのレシピを試したことがない。]
(270) 2021/06/06(Sun) 22時頃
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[そんな個性豊かな3年9組のクレープ屋さんは、 楽しいだけじゃなく、結果>>201もしっかり残した。
わたしは何をしていたかといえば、 与えられた仕事を淡々とこなしていたくらい。 もちろん笑顔で対応した。いつもみたいにへらへらって。 わたしたちには安心と信頼のチャートがあったから。
おまけで販売係スイッチね。 こっちが役に立てたんだから、 10円も同じようにできたってわたしは疑ってない。]
(271) 2021/06/06(Sun) 22時頃
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[だから、写真にうつったわたしはちゃんと笑ってたはず。 個別に撮ってもらったものはなくて、 わたしが輪に入ったのは全員の集合写真だけ。
「お父さんに見せるから頂戴」ってデータを貰ったっけ。 乃絵ちゃん>>254とは対照的にわたしの手元には1枚。
たった1枚だけ。 あの日の思い出が、残っている。]*
(272) 2021/06/06(Sun) 22時頃
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— 少し前:3年9組 —
[教室を出る前、鳩羽くん>>155と目があった時、 わたしはちゃんと笑えたと思う。
ツイてるなんて言ったのにね>>0:346。 それともこれが、 お茶目な神様が与えた運命>>0:384だったりするのかな。
って。鳩羽くんの顔を見たらそんな気持ちになって、 ちゃんと、笑えたと思う。
でもどうやって話してたか>>0:665 思い出せないままだったから、 わたしは鳩羽くんと言葉を交わさずに離れた。 今話したら、またへらへらが言葉に吸われちゃう。
「今は、選べねー運命>>0:385よりマシ?」って聞く時、 笑ってなかったらちょっと怖いでしょう。]
(283) 2021/06/06(Sun) 22時半頃
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[鳩羽くん>>157が自分のことで黙ったと思うわたしと わたしがわたしのお母さんを気にしたと考えた鳩羽くん。
わたしたちはすれ違ったまま別れて、8:50に迷い込んだ。
お日様だと思っていた人の曇り空。 その触れ方に、わたしはまだ戸惑ったままだから。
鳩羽くん>>160が何を思うかなんて考えもつかない。]*
(284) 2021/06/06(Sun) 22時半頃
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文化祭、あんなに楽しかったじゃない。
どうしてみんな、こんなに怖がってるのかな?
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— 現在:2F廊下のどこか —
[学校に来たら、一部のクラスメイト以外の姿がなくて、 チャイムが鳴ったと思ったら廊下の外が文化祭になって。
原因が分からないことは確かに不安だけど、 わたしはそれでも割と楽観していた方だと思う。
だって窓もあるし、扉もある。 潜ってきたばかりだ。曽我くんだってさっき帰ってた。
むしろ町から人がいなくなっていたらどうしようって、 出た先のありもしない心配をしていたくらいだ。]
——。
[見当違いも甚だしい。]
(296) 2021/06/06(Sun) 22時半頃
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[別に2階から飛び降りるつもりはなかったけど、 飛び降りろと言われれば不可能じゃなかったと思う。 わざわざやりたいとは思わないけど。
わたしが開いた廊下の窓、底はどこまでも遠くて、 身を乗り出してしまえば自然と足がすくむ。 人間が持つ、根源的な恐怖ってやつかな。 わたしは少しの間、言葉を失っていた。]
……?
[そんな時、ため息が聞こえたような気がした>>153。 炭蔵くんかな。わたしの近くにいるのは彼だけだ。 確かめようにも、衝撃に固まった身体が動かない。 だからわたしの頭の中だけがぐるぐる回る。]
(297) 2021/06/06(Sun) 22時半頃
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[浮かんだのはため息が苦手なわたしの友だちのこと。
明確な悩みを聞いたのは最初だけで、 それからは極々小さなガス抜きみたいな言葉だけを 降らせていた乃絵ちゃんのこと。
わたしがいくらいいよって言ったって、 乃絵ちゃん>>239はそれ以上を口にしなかった。
だからわたしは降ってきたものだけを受け止める。 乃絵ちゃんとわたしは一歩離れた場所で向き合っていた。
もし今わたしに届いたため息が炭蔵くんじゃなかったら、 乃絵ちゃんにもこの音が聞こえちゃうのかな。 こんな不思議な場所だもん。 それくらいあってもおかしくない。]
(298) 2021/06/06(Sun) 22時半頃
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[それは、嫌だなぁって思った。 乃絵ちゃんが受け止めなくていいんだよって。
だってこれは、誰に向けられたものでもないでしょう。 わたしの足を縛るのは、 2階から見下ろした遠い遠い場所にある底だけだ。]*
(299) 2021/06/06(Sun) 22時半頃
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夜笑国 メイは、メモを貼った。
2021/06/06(Sun) 23時頃
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— 回想:ひとみちゃんの嘘 —
[予想通り、というほど考えて喋った訳じゃないけれど、 ひとみちゃん>>240はわたしの話に黙りこんだ。]
……うん。
[普段の明るい声とは違う、ひとみちゃんの 絞り出したような声>>241にわたしは本当を見る。
でも、話題はすぐに逸らされた。 これまでの何よりも明らかな嘘だ。 わたしはひとみちゃんを見つめる。]
(341) 2021/06/06(Sun) 23時半頃
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[ひとみちゃんには忘れたい”人”がいる。 それが虚空を見つめて喋る行為とどう繋がるのかは 分からなかったけれど、その日わたしはようやく 会ったことのない誰かの存在を認識したんだと思う。]
仕方ないなぁ。 また今度答え教えてね。
[わたしの視線にひとみちゃんがどういう反応をしても、 わたしはそのままひとみちゃんの嘘に乗った。
だってわたしみたいな人間が何を言えるんだろう。 忘れようとするのに忘れられない”ひとみちゃん”に、 XXXしかXせないわたしが。何も知らないわたしが。]
(342) 2021/06/06(Sun) 23時半頃
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[それから、わたしがひとみちゃんに 「どうしたの」って聞くことはほとんどなくなった。 答えを教えてもらうまた今度も、訪れてないと思う。]*
(343) 2021/06/06(Sun) 23時半頃
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— 現在:2F廊下 —
[鳩羽くん>>163が黒板に文字を書いたのは わたしたちが教室を出た後で、 窓の外に何かあるという情報だけを持ったわたしの手が 止まる理由はどこにもなかった。
当然向井くん>>281が付け加えた文字も、 黒板が事実の寄せ書きみたいになっていることすら、 わたしたちは知らない。]
(366) 2021/06/07(Mon) 00時頃
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[窓の外を覗くまで、わたしと炭蔵くんの道中は 至って平穏なものだったと思う。
炭蔵くん>>323の判断に頷き、わたしは教室を離れた。 饒舌だなんて言われた時>>324は、 「それは饒舌のハードルが低すぎ」なんて笑ってみたり。
でも実際、炭蔵くんにとってはそんなものだろう。 わたしの声を炭蔵くんが聞く機会は授業くらいのものだ。
カッターを装備した炭蔵くん>>325と手ぶらのわたし。 何かあったらなんて言う割には、 炭蔵くん>>327はわたしの質問へ丁寧に答えてくれた。 心理テストと言われると部活の子>>341が浮かぶけど、 ここにひとみちゃんの姿はない。
わたしたちは落ち着いて、あるいは淡々と廊下を歩き、 教室が全部、今年の文化祭と同じになっていることと、 中に誰もいないことを確かめた。]
(367) 2021/06/07(Mon) 00時頃
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……っ!
[炭蔵くん>>329の声と肩を揺さぶられる感触。 足が竦んで硬直していたわたしは、軽い衝撃だったにも 関わらず、一歩後ろに身体をよろけさせた。
止めるより前に炭蔵くんが下を覗きこむ。 わたしより高い位置にある後頭部が見えて、 不自然に言葉が途切れたような気がした。]
あぶないよ。
[今度はわたしが炭蔵くんの肩を揺さぶろうとする。 さっきまでより声が小さくなってしまったけれど、 手に上手く力が入らなかったけれど、それでも。 階下から音>>235がしても上手く反応できずに。]
(368) 2021/06/07(Mon) 00時頃
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状況を把握すること、でしょ。
[様々なことに疎いわたしは、これが何なのか分からない。 頭を緩く振って深呼吸。 またため息が聞こえた。音の主は炭蔵くんじゃない。]
次、どこに行ったらいいと思う? 下かな……それとも、屋台がある渡り廊下とか。
[あぁ、財布を持ってくれば良かったなって。 わたしは少しだけ後悔する。
もし10円>>0:1187がなかったら、また足そうと思って。 一度吐いた嘘なら、何度だって吐けるよ。
でも総額なんてさすがに覚えてない。 だったら触らない方がいいのかな……なんて、 今必要ない考えごと。]
(369) 2021/06/07(Mon) 00時頃
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……大丈夫?
[炭蔵くんはどうしていただろう。 驚いたかな。動揺してるかな。 それともいつもみたいに落ち着いてるかな。 たとえば、ロボットみたいに。
わたしは炭蔵くんを見上げ、行き先の答えを待つ。]*
(371) 2021/06/07(Mon) 00時頃
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夜笑国 メイは、メモを貼った。
2021/06/07(Mon) 00時頃
夜笑国 メイは、メモを貼った。
2021/06/07(Mon) 01時半頃
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— 現在:2F廊下 —
[炭蔵くん>>396とこうして二人で話したのは 初めてじゃないかな。
こんなことがなければきっと絶対なかった機会。 わたしが一方的に黙っていたせいなんだけど。 わたしは不思議な気持ちで隣を歩く炭蔵くんを見ていた。
落ち着いた雰囲気>>397は元のイメージのまま。 でも、思ったより人間らしい人なんだなと思った。 真面目ではあるけど、無機質という程ではない。 普通の高校生>>0:74に収まっている印象を覚える。
それは教室を確かめる間も、 窓の下を見る姿>>398からも感じられたことだ。]
(435) 2021/06/07(Mon) 08時半頃
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[だから、深呼吸の後の表情>>399に わたしは少しだけ目を見開いた。
確かに元々表情の乏しい方だとは思うけれど、 こうも温度が見えないものなんだろうか。
箱みたいだな、とわたしは思った。 中身は確かにあるのに、何にも見えない。
わたしは炭蔵くんの顔から目を逸らすようにしゃがむ。 足元には点々とカッターナイフが落ちていた。]
(436) 2021/06/07(Mon) 08時半頃
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ここまで来ると、 現実的な意見の方が非現実的になりそうだよね。
実は仕掛け人のいる壮大なドッキリだとか、 気づかない内にわたしたち全員が誘拐されたとか。 [わたしがひとみちゃんについて知っているのは、 ご両親が心配して早く帰らなくちゃいけないこと、 忘れたい誰かが存在していること、くらい。 他にも他愛ないことは3年間たくさん話したけど、 それはわたしたちだけの秘密だ。
わたしはひとみちゃんの昔話を知らない。 だから平然と誘拐なんて考えを口にできる。]
(437) 2021/06/07(Mon) 08時半頃
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[カッターに手を伸ばして、そこまで。 あと1cmで届くかというところでわたしは手を止めた。]
あの人、死ぬのかな。
[文化祭に彩られた校舎に落ちるカッターナイフ。 それだけなら準備期間の落とし物でしかないのに、 足跡みたいな異常な数とあのメール>>1が 嫌が応にも別のものを連想させる。]
死んじゃったの、かなぁ。
[わたしたちに宛てられた一通のメール。 炭蔵くんのスマホを覗き込んだ訳じゃないけれど、 同じ文面が全員に届いたであろうことは分かる。]
(438) 2021/06/07(Mon) 08時半頃
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[しゃがんで見上げたら顔がずっと遠くて、 スカートを払って立ち上がる。 結局、わたしはカッターを拾わなかった。]
……死んだら、もう自分のこと守れないのにね。
[わたしは終始へらへら笑っていた。 ともすれば軽薄とも取れる笑み、 でもこの一言の間だけ、 わたしの目はあんまり笑っていなかったと思う。。]
誰だろうね。 その人が、何かしたのかな。
[チャイムと同時に変わった校舎。 チャイムと同時に届いたメール。 これをただの偶然とする方が不自然だ。]
(439) 2021/06/07(Mon) 08時半頃
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[わたしは非現実的な話をしながら歩き出す。 状況を把握する目的で教室を離れたんだから、 いつまでも窓の前で時間を浪費する訳にはいかない。
わたしは窓を閉めることはなかった。 だから炭蔵くん次第で、 廊下には少しだけ冷風が残ることになるかも。]*
(440) 2021/06/07(Mon) 08時半頃
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— →渡り廊下 —
[わたしが気になるんでしょって言い方をされると、 嘘を確かめたいだけのわたしは何も言えなくなる。 間違っていないんだけど。何だか後ろめたい。 炭蔵くん>>400の提案に大人しく従ったわたしは、 1階に降りてきていた。
2階から見下ろした遠くにある底。 階段を降りたくらいで変化しないと思っていたけれど、 なぜか1階の外の景色は至って普通の高さだった。]
屋台、あったね。
[わたしは炭蔵くん>>402に頷いた。 ホラー×クレープの屋台。コワカワ!>>301だっけ。 こんなの、わたしたちの店以外で見たことない。]
(441) 2021/06/07(Mon) 08時半頃
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[他に誰か>>372>>388いたかな。 もう去った後だったかも。
もし誰かがいたなら手を振って、 情報交換くらいはするつもりだけど、 わたしは屋台より先に渡り廊下の外側を見つめる。
ここから出たら帰れるんじゃないの。 そう思うけど、阻まれるのか近づけないのか、 ひとつ確かなことは、外に出られないってことだけ。]
……。
[わたしは空っぽの手を握りしめた。 指を強く手のひらに食い込ませるくらい。 それでもわたしの爪がわたしを傷つけることはない。]*
(442) 2021/06/07(Mon) 08時半頃
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夜笑国 メイは、メモを貼った。
2021/06/07(Mon) 08時半頃
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— 少し前:2F廊下 —
[しゃがみこんだ後、 わたしはカッターナイフを見ていたから 炭蔵くんの話をラジオみたいに聞いていた。]
教室に来たみんなを眠らせるとかして、 学校の中を全部文化祭みたいに整えて。
それならわたしたち、1日以上眠ってたことになるね。 だって時間そのままだったもん。
……ありえない。
[わたしの耳は、炭蔵くんの後悔>>484を 少しでも拾うことができただろうか。 普段の彼と変わらない淡々としたものだったなら、 立ち止まることなく会話は続く。]
(523) 2021/06/07(Mon) 17時半頃
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[たぶん、だけど。わたしに届いた声がどうであれ、 結果は変わらなかったのかもしれない。
だって見上げた炭蔵くんの顔、前髪の奥にある眸には、 しっかりと感情が映りこんでいた>>486から。]
遺書みたいだった……いや、遺書だねぇ。あれ。 [どうやら、外箱の蓋は案外薄かったらしい。 それとも今この状況があまりにも突飛だからかな。 わたしは炭蔵くんの考えに同意しながら、 初めて見る炭蔵くんの中身を興味深く見ていた。
なんて言うのかな。 不良が犬に傘をさしている現象?
何も知らないくせに勝手に距離を取っていたからか、 わたしは炭蔵くんの人間らしい顔に親しみを覚えた。]
(524) 2021/06/07(Mon) 17時半頃
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[だからちょっと、いつもより機嫌が良かったんだと思う。 普段からピリピリしている訳じゃないけどね。 カッターナイフとメール、二つから連想した死を わたしは素直に炭蔵くんへ伝えた。
炭蔵くんならわたしのお母さんが亡くなったことくらいは 知ってるだろう。だって炭蔵くんだし。 でもヨーコ先生がわたしのお願い>>323を漏らしたのは 予想できないけど、今はあまり関係のないことだ。
炭蔵くん>>487>>488からの問いに口を開く。]
(525) 2021/06/07(Mon) 17時半頃
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[抱きしめられたら、防虫剤と微かな香水の匂いがした。 ——「大変だったね」って言われる。
会ったことすらない男の人がわたしの頭を撫でた。 ——「もう無理しなくていいんだよ」って言われた。
お父さんは、少し離れたところで悲しそうな目をしている。]
(526) 2021/06/07(Mon) 18時頃
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死んでも記憶の中では生きてるって言うでしょ。 でもそれって、生きた人間が作った命だもん。
本人の本当はあっという間に塗りつぶされて、 都合のいい存在ができあがる。
死人に口なし。死んだらそれで終わりだよ。
[生≠ヘ善≠ナ死≠ェ悪≠ネら、 誰かが生み出す死人≠フ生≠ヘどっちかな。 それに口出しできる当人は、とっくにお墓の下だけど。]
(527) 2021/06/07(Mon) 18時頃
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わたしはヤだな、勝手に決めつけられるの。
分かりにくい方が悪いんだろうけどさ。 だから伝えなきゃ、死んでるのと同じなのかも。
[わたしの生≠ヘわたしがわたしでいられること≠ナ わたしの死≠ヘわたしがわたしでなくなること=B
わたしの善悪とは違う感覚を炭蔵くんはどう思ったかな。 確かめようとしたけれど、立ったせいで 炭蔵くんの中身、見えなくなっちゃった。 わたしはそれを残念そうにしながら歩き始める。]
(528) 2021/06/07(Mon) 18時頃
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だから……人による、と思う。
もしこんなわたしと話してくれる人なら、 わたしが気づけなかったってことでしょ。 それはたぶん……ちょっとだけ、悔しい、かな。
[どんな相手のことも知ろうとしなかったくせに、 わたしの口からはそんな言葉が出てくる。]
行動しなかったせいでダメだったみたいじゃん。 わたしが殺したみたい。それは、嫌だよ。
[わたしの自分本位な感情が廊下に尾を引いていた。 階段を降りて渡り廊下へ至るまで、 わたしたちは道中と変わらない探索>>489を続ける。]
(529) 2021/06/07(Mon) 18時頃
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そうじゃないなら、わたしが気づく機会もないなら、 ……どう思ったらいんだろう。
[わたしはこっそり炭蔵くんを見上げた。 例えば、炭蔵くんが死にたいなんて思っていたら、 わたしはちゃんと悔しいと思えるんだろうか。
わたしの手はそれなりに大きいけれど、 埋もれる民衆であるわたしが掴める数はそう多くない。
カッターを拾わなかった手を見下ろした。 爪は短いままだ。傷も見当たらない。]*
(530) 2021/06/07(Mon) 18時頃
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— 現在:渡り廊下 —
[透明な壁があったりしないよね。 ベニヤ板でも打ちつけてあったりする? わたしは上履きのまま廊下の外に出ようとして、 そこから動けなくなっていた。
後ろにはコワカワの屋台>>490。 隣に炭蔵くん>>491がやって来て、 わたしと同じように立ち止まった。]
なん、で。
[あぁ、また言っちゃった。嫌だな。子どもみたい。 2階から見下ろした底とは違うはずなのに、 根源的な恐怖がわたしの頭の中を満たす。
少し粘っても、外に出られない事実は揺るがなかった。 わたしは数歩後ずさる。先に戻っていた炭蔵くんを見た。 表情は半分隠れているけど、空気が少し硬い気がする。]
(531) 2021/06/07(Mon) 18時頃
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[その話>>492は唐突だったけど、わたしは驚かなかった。 たぶん今、まったく同じ経験をしたからだろう。]
……。
[完璧な人だと思っていた。 みんなを率いて、先生の仕事すら受け持つような。
わたしは蓋の向こうに見えた、感情の滲む眸を思う。 わたしの前髪は目を隠してはくれないから、 代わりに瞼を閉じた。これでおあいこだね。]
(532) 2021/06/07(Mon) 18時頃
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どっちでも、いいよ。
[炭蔵くんは「文化祭で止まったまま」と言った。 メールの文面>>1を思い出す。 もう一度作り直すより、確かにその方が現実的だ。
ねぇ、時間が止まるのが現実的だって。 わたしは何だか面白くなってしまって、 場違いにもへらへらと笑ってしまった。
笑って、現実とこの変な世界を同価値にする。]
ま、こっちの方がちょっとラクかもね。
[わたしにとって、あまり重要じゃなかった要素>>0:751。 でもその理由は少しずつわたしから失われていく。 わたしは閉じていた瞼を持ち上げた。
眸は、諦念に満ちている。]
(533) 2021/06/07(Mon) 18時頃
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……わたしも、ないとは言い切れない、かな。
[その話題は炭蔵くんによってすぐに打ち切られた。 わたしもそれ以上話を続けるつもりはない。 壁みたいだった炭蔵くん>>493の前髪が僅かに乱れて、 背中に隠れて見えなくなる。]
炭蔵くん。
[わたしは炭蔵くんの後ろ姿にに呼びかけた。]
前髪、切らないの? 切った方がよく見えるのに。
[よく見えるのはわたしの方なんだけど。 3階に行くと告げる炭蔵くんに、わたしは頷く。]
(534) 2021/06/07(Mon) 18時頃
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わたしはもうちょっとここにいるよ。 そしたら一回教室戻ろっかな。 ひとみちゃんたちみたいにみんな何か調べたかもだし。
[屋台の場所には先にひとみちゃん>>520がいて、 柊くんもまだそこにいたかな。
1階の扉と窓が開かないことを聞いたなら、 わたしからは2階の窓は開けない方がいいことを伝えた。 「地面がすごく遠くに見えた」って。 残念ながら、わたしにラピュタを選ぶセンスはない。]
(535) 2021/06/07(Mon) 18時頃
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……それに、確認しておきたいこともあるしね。
[窓辺で聞いたため息は、あれからも稀に私の耳を擽る。 その度に浮かぶ顔があるの。
乃絵ちゃんがどこにいるかは分からないけど、 当てもなく探し回るより一回戻った方が確実でしょう。
その理由について、わたしははっきり口にしなかった。 だってそれは、乃絵ちゃんが わたしにだけ降らせてくれた雨だったから。]
(536) 2021/06/07(Mon) 18時頃
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誰かが潜んでる訳でもないし大丈夫だと思うけど、 気をつけてね。
[これまでの探索を見る限り、 単独行動も危険だとは思えなかった。
だからわたしは、炭蔵くんが離れるのを見送る。 足はまだ動かなかった。]*
(537) 2021/06/07(Mon) 18時頃
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夜笑国 メイは、メモを貼った。
2021/06/07(Mon) 18時頃
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— 現在:渡り廊下・3−9屋台前 —
[ひとみちゃんたちはどうしていただろう。 先に移動していたならその前に、 まだそこにいるなら炭蔵くんを見送った後に わたしはひとみちゃんに声をかける。]
大丈夫だった?
[わたしがここに来る前にひとみちゃんを見たのは、 ひとり教室を出ていく姿>>34だ。 わたしはひとみちゃんの顔色を伺う。 あまりじろじろ見たりはしないし、 移動するというなら引き止めるつもりはないけれど。
だって、さっきのひとみちゃん>>520の声、 落ち着いてた気がするから。]
(540) 2021/06/07(Mon) 19時頃
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[それから、もし柊くんがいるなら、 わたしの視線はそちらにも行く。
屋台を背景に柊くんの姿を捉えられたら、 自然と浮かぶのは文化祭当日の話だ。]
(541) 2021/06/07(Mon) 19時頃
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— 回想:豊町高校文化祭 —
[当日にハプニングはつきもので、 樫樹くん>>315が階段を転げ落ちるなんてこともあった。
見つけたのはひとみちゃんらしい。 カチューシャをつけた看板娘の姿がないと思っていたら 休憩の時にグループチャットの連絡>>522に気づいて 驚いたのを覚えている。
流れを見る限り、大事ではないらしい。 わたしはやっぱり既読だけのささやかな主張をして 画面から目を離した。
打ち上げの時には樫樹くん>>317も戻ってきたようで、 わたしはその時に「良かった」って本人に直接伝えた。
いつもどこか一歩引いているような樫樹くん>>294と 声を上げない民衆のわたし。 関わりなんてそんなものなのかもしれない。]
(542) 2021/06/07(Mon) 19時頃
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[事件といえばもうひとつ。 こっちは後から気づいたんじゃなくて、リアルタイム。
立地条件◎、宣伝効果もインパクトも抜群の屋台は 大盛況で、当然レジも混み合っていた。 お金を触る人間を減らすために少人数にしたせいで、 わたしたちはそこそこ忙しかったと思う。
その合間、屋台の前が騒がしいような気がして、 わたしは一瞬だけ顔を上げた。 そこにいたのは柊くん>>304で、騒ぎの中心らしい。
柊くんの手から乃絵ちゃん>>404にチラシが渡って、 綿見さん>>429と何か話してたみたい。 その間にすっかり柊くんはどこかに行ってしまった。
もし隣に向井くんがいたなら、 どうしたんだろうねって目を合わせようとしたと思う。 余裕がなさそう>>91ならたぶんしない。 平坦を乱すつもりはもうなかったから。]
(543) 2021/06/07(Mon) 19時頃
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[そうして迎えた打ち上げ。 わたしが嘘を10円分吐いた後。
樫樹くんに一言話しかけたり、 自分から一枚だけ集合写真にお邪魔したり。
向井くん>>472のポケットが重いことも気づかない。 だって楽しそうに見えた>>473もの。 わたしはちゃんと役に立てたんだって疑わなかった。]
(544) 2021/06/07(Mon) 19時頃
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[柊くんは打ち上げに来ていただろうか。 わたしは走り去って行った後のことを知らない。 もし来ていたとしてもそこでは何も聞かなかった。
文化祭が終わって、その先どこかの月曜日。 柊くんが音楽室にふらっと現れたなら、]
大丈夫?
[一度だけ、そう尋ねたと思う。 何を、なんて言わないから、柊くんの反応を待って すぐに「何でもないよ」って伝えた。]
(545) 2021/06/07(Mon) 19時頃
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[わたしが知っているのは 柊くんが誰かに想われたこと>>0:436だけで、 柊くんが誰かを想ったことなんて知らない。
だから、その日の音色もいつもと同じだった。]*
(546) 2021/06/07(Mon) 19時頃
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— 現在:1階渡り廊下・屋台前 —
[わたしの眼前にあるのは見覚えのある屋台だ。 あの時は雪なんて降っていなかったけれど。 それでもどこか懐かしい気持ちがするくらいには、 わたしはこれに愛着を持っていたらしい。]
わたしは、もうちょっとここにいるね。
[もしまだ誰かがいたなら、わたしはそう声をかけた。 去るのも残るのも止めはしない。]
(547) 2021/06/07(Mon) 19時半頃
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[さっき動けなかったことを思い出したら 手を伸ばす気にはなれなくて、 わたしは視線だけで探し物を求める。
赤、青、黄色。 影になってはっきりとは見えなかったけれど、 縁に貼ったビニールテープが教えてくれた。]
見えない、なぁ。
[10円が足りてるかどうかなんてやっぱり分からない。 わたしは困ったなぁって呟いて、屋台を見ている。]**
(548) 2021/06/07(Mon) 19時半頃
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夜笑国 メイは、メモを貼った。
2021/06/07(Mon) 19時半頃
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— 現在:渡り廊下・屋台前 —
[炭蔵くんを見送って、ひとみちゃんはどうしただろう。 わたしは上靴の爪先を地面に当てる。
とん、とん。
体温で溶けた雪はタオルで拭われて、 濡れたタイツも袋をしっかり縛って鞄の中。 わたしの足元は朝から生まれ変わって 真っ白な靴下に包まれている。]
(578) 2021/06/07(Mon) 22時頃
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ん?
[声が聞こえて振り返ると、まだ柊くん>>560がいた。 先に屋台を見に来ていた様子の2人とは、 簡単な情報交換を行った。
わたしから伝えたのは、 2階の窓を開けない方がいいこと>>535の他に、 他の教室の中も文化祭の時みたいになっていたこと、 わたしたち以外の人は誰もいなかったこと。 装飾だけじゃなく食べ物もそのままあることは、 チャイムが鳴った時からする匂い>>#1で分かるかな。]
(579) 2021/06/07(Mon) 22時頃
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んー……ちょっと、ね。
[柊くんと音楽室以外で話すのはちょっと新鮮な気分。 わたしは屋台とこっちを交互に見る柊くんを捉えてから、 一ヶ所を指差して視線を定めてもらおうとした。]
見えるかな……あそこにね、入れ物があるの。 わたしたちがレジで使ってたやつ。
[硬貨が混ざらないようにビニールテープを貼った>>0:624 お金を管理するためのプラスチックケース。 わたしたちが立っているのがお客さん側だからか、 様々な物品に隠れて全容まではよく見えない。]
(580) 2021/06/07(Mon) 22時頃
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さっき、炭蔵くんが言ってたんだよね。 「文化祭で止まったままの校舎」って。
それならどこで止まったんだろうって思っただけ。 あの中、ずっと変わり続けてた訳だし。
[そんな細かい部分、きっと誰も気にしない。 空っぽかもしれないし、何かが入っているかもしれない。 それだけのものだ。
それでも気にかかるのは、 わたし>>0:1187が嘘を吐いたからで。
罪悪感なんか持つはずがない。 万が一にでも足りないなら、 わたしはまた嘘を吐こうと思っているくらいだ。]
(581) 2021/06/07(Mon) 22時頃
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なんとなく、そう思ったの。 ごめん、今必要ないことだったね。
[そのために、今度は柊くんに嘘を吐いた。 わたしはへらへら笑って、柊くんを見上げる。]
他どこ見てないかな? 何も分かんないんだし、調べられることは調べないと。
[話の切り替え方、ちょっと強引だったかな。 だからわたしはまた笑って誤魔化す。
わたしは手ぶらで、10円は手元にない。 だったら考えるだけ無駄だし、考えること自体無駄だ。
わたしは頭を振って気持ちを切り替える。 柊くんと話している間に竦んでいた足も落ち着いた。]
(582) 2021/06/07(Mon) 22時頃
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文化祭、懐かしいね。
[わたしは小さく呟いて、屋台を眺めて目を細めた。 しんみりするようなデザインではないんだけどね。
わたしは思い出に背を向ける。柊くんはどうするかな。 特に何もなければ、その場を離れようとするつもり。]*
(583) 2021/06/07(Mon) 22時頃
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— 少し前:炭蔵くんと —
[じゃ、素顔が思ったより表情豊かだった現象>>566。 もう現象じゃなくなっちゃった。
そんな名称は正直何でもよくて、 大事なのはわたしが炭蔵くんに親しみを持ったってこと。 相手>>571が全く違う印象を抱いているなんて知らずに。
炭蔵くん>>566は見られるの苦手なのかな。 でもその眸がなきゃ、 わたしは炭蔵くんの気持ち>>565を察せなさそう。]
(596) 2021/06/07(Mon) 22時頃
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全然分かんないままだけど、 何か、しようね。
[実際返答>>572は芳しくなくて、 わたしの視界が通る機会は厳しそうかな、なんて。 そう思いながら、3階へ向かうという炭蔵くんに、 道中話していた言葉>>568を告げる。
わたし、目より耳の方がいいんだよ。 炭蔵くんがはっきり言えなかった分、重ねるみたいに。 それは、炭蔵くんの後悔>>569を知らなかったから できたことかもしれないけど。]
(597) 2021/06/07(Mon) 22時半頃
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[去り際、炭蔵くん>>574がカッターナイフを取り出した。 わたしは両手を後ろに組んで一歩下がる。]
わたしは、いい。 必要な時は足元から借りるよ。
[緩く首を横に振った。 メールの文面がまた脳裏に浮かんだせいもある。 楽しい光景にぽつぽつと死≠ェ落ちている感覚がした。
2人はどうしただろう。 わたしは断ったから、今も手ぶら>>582のままだ。]*
(598) 2021/06/07(Mon) 22時半頃
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夜笑国 メイは、メモを貼った。
2021/06/07(Mon) 22時半頃
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— 現在:屋台の前 —
[ひとみちゃんの声は落ち着いてるように思ったけど、 ひとみちゃん自身>>622の申告の通り、 動揺は表情からも伝わる。 いつものメイク>>336も少し崩れているように見えた。]
きつかったら、ちゃんと休んでね。 ……ここに安心できる場所があるかは分からないけど。
[一緒の帰り道、悩んでた様子のひとみちゃんにだって、 わたしは納得できる答えをあげられなかったんだもの。 今わたしに言えるのはこのくらいしかない。
わたしの腕は二本あるけれど、 わたしの手の中は空っぽのままだ。]
(661) 2021/06/07(Mon) 23時半頃
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[ひとみちゃん>>625は既にカッターを持っていたみたい。 柊くんは>>606は丁重にお断りしてた。 わたしと同じで必要な時に現地調達するらしい。
わたしが最初に確認した>>138カッターナイフは、 きっと炭蔵くんの手の中に戻っただろう。]
(662) 2021/06/07(Mon) 23時半頃
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[ひとみちゃん>>629は移動したみたい。 もしその瞬間に気づいたら、わたしは空の右手を振る。]
またね。
[昇降口で「一緒に帰ろう」 分かれ道で「またね」 わたしの挨拶の定番だ。
この時のわたしは「またね」が叶わない 可能性>>587なんて一切考えていなくて、 当たり前みたいにみんなと再会できるって信じていた。]
(663) 2021/06/07(Mon) 23時半頃
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[見当違いも甚だしい。 なんて、今朝>>296思ったばかりなのにね。]*
(664) 2021/06/07(Mon) 23時半頃
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