31 私を■したあなたたちへ
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全
夜更けに響いた破滅の音に起こされ、不安に駆られた乗客たちは集会所へと集まった。単純な直接通信の機能しか果たさなくなった携帯を携えて。
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ちゃんとご注文通り、さまざまな人たちをお呼びしましたよ。 いたるところから…そう、地平の果てや、宇宙の彼方からも。
中には、主様を消してくださるような方もいらっしゃるかもしれません。
(0) 2023/11/14(Tue) 22時頃
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ある日、あなたの元へ一通の招待状が届く。
差出人の名を見て、恐らくあなたは不審に思う。
――――なぜなら。
(#0) 2023/11/14(Tue) 22時頃
・*・‥‥………‥‥・*・‥‥………‥‥・*・
謹啓 盛夏の侯
皆様には益々ご清祥のこととお慶び申し上げます
このたび かねてからの念願が叶いまして
銀島にてテーマパーク「ギャラクシー・ランド」を
開園することになりました
つきましては 皆様をお招きして
正式オープン前のお披露目を催したいと存じます
ぜひご来場くださいますようお願い申し上げます
謹白
××××年7月吉日
煙崎 るくあ
・*・‥‥………‥‥・*・‥‥………‥‥・*・
(#1) 2023/11/14(Tue) 22時半頃
招待の挨拶に続いて、日時や場所が記載されている。
宿泊・交通費については招待主が負担するとのことだが、
出席の可否を取るつもりがないのか、
往復はがきなどはない。
そして、何よりも。
差出人の「煙崎るくあ」
あなたは彼女のことを知っていた。
彼女が 数か月前に死亡していることも。
(#2) 2023/11/14(Tue) 22時半頃
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「いらっしゃいませ。 私はギャラクシーランドのガイド、モナリザです。 ここではこの『アポロ』をご使用ください。 各施設に入室の際や、注文、通信などに ご利用できる便利なデバイスです。
アトラクションに、食事、自由に過ごしてくださいね。 明日の夜にはパレードも行われます。 何か、ご不明な点がありましたらお呼びください」
(@0) 2023/11/14(Tue) 22時半頃
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八月の終わり、
招待状を受け取ったあなた達はそれぞれに用意された船で銀島にやって来る。
関東から数時間程で着く人工島だ。
船を下りると人型ロボットが近づき、機械音声とともにストラップ付きのカード型デバイスを手渡してきた。
どうやら島全体がテーマパークとなっているらしい。
眼前にはロケットエンジンを模したオブジェや、チューブ型の通路があった。
通路を抜ければ軽やかな音楽が流れ、遊園地らしきアトラクション施設やホテル、レストランなどの建物も目に入るだろう。
しかし、広大な敷地には、あなた達以外の客やスタップの姿などは見当たらない。
また、いつの間にか携帯電話も使えなくなっていた。
(#3) 2023/11/14(Tue) 22時半頃
招待された者同士に見知った顔もあっただろうか。
なぜここに集められたか
その理由に思い当たるものが、
少なくともひとりはいたのではないか――――。
(#4) 2023/11/14(Tue) 22時半頃
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なあ。 こんなことして――莫迦げてると思うか?
……。 …………、お前は俺にとって唯一の家族、 誰よりも大切な妹、だった。
赦してくれとは言わないさ、 ただ……判ってくれ、
何だってお前が殺されたのか、 お前を……殺したヤツを追い詰めたい……、 できることなら同じ目にあわせたい……、
そう願ってしまうことを。
(1) 2023/11/14(Tue) 22時半頃
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いつか 宇宙をテーマにした遊園地で 思い切り遊びたい、言ってたよな。
だから、ここは、 うってうつけの舞台だと 思わないか? ――――なあ、るくあ。**
(2) 2023/11/14(Tue) 22時半頃
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灰占道士 煙は、メモを貼った。
2023/11/14(Tue) 22時半頃
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──どこかの劇場→控室──
[場内が割れるほどの拍手を背に受けて、楽屋に戻ると、大量の胡蝶蘭が目に入る。圧倒されるほどの量だが、いつもの光景だった。 白の蘭、赤紫の蘭……立ち並ぶ【中村綺羅之介様】の札の中にひとつ、見慣れない名前がある。 首を傾げてジッと見ていると、付き人の麗(レイ)が、何やら封筒を持って前に出てきた。]
『キラさん。たった今、胡蝶蘭の送り主がこれをキラさんに渡して欲しい、と。 もとい、配達人から。受け取りました。』
[男か女か判別付き兼ねる容姿の付き人に振り向く”キラさん”は、これまた判別のつかない見目をしている。──否、豪華絢爛な花魁衣装を来た”彼”は、どの角度から姿を捉えても女性そのものでしかなかった。 麗しき遊女は、早く着替えたいんだけどねぇ、といった顔で封筒を受け取ると、まだ抜けきれぬ優雅な女の仕草でゆっくりとそれを開けた。 次の瞬間、その端正な眉が歪む。 中から出てきたのは、一通の招待状だった。>>#1]
……え?
るくあちゃん?
(3) 2023/11/15(Wed) 00時半頃
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[るくあちゃん。
数か月前に亡くなった、煙崎るくあ。 中村綺羅之介のファンクラブ、『キランディ倶楽部』会員NO.001328。 いつも舞台を観に来てくれて、熱心な手紙を送ってくれて。出待ちに何度も現れる彼女と、言葉を交わす姿も目撃されていたかもしれない。
彼女が亡くなった事は、テレビの小さなニュースに流れた。 変わった名前だから付き人の麗も覚えていて、大声出しながら楽屋に駆け込んでくるものだから、『しーっ…』と人差し指を唇に当てた。
友達だったわけでもなく、あくまで自分のいちファンであった彼女だけど。 あの感情を何と形容すればよかったのか。
───だけど。]
………なんで、るくあちゃんから私に招待状が来るわけ?
(4) 2023/11/15(Wed) 00時半頃
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──銀島「ギャラクシー・ランド」──
[その場所へは、用意された船で到着した。 降りた途端に何処かから人型ロボットが近付いて来て>>@0、思わず後ずさりする。]
うわぁ、びっくりした! ロボットなのね。
[機械音声とともに渡されたデバイスを受け取ると、訝しげにサングラスを上げて眺めた。 ロボットに案内されて歩きながら、全体を見渡す。オープン前というだけあって、何処もかしこも真新しい。そして、人っ子一人いなかった。 未来的なデザインに感心して、スマホで何枚か写真を撮る。 その際、アンテナが立っていない事に気が付いて。]
なーに、スマホ使えないの? まあ完全オフだから……いいけど……
[ずっと女形を演っている影響で、女言葉が端々に出てしまう。このためゲイと噂される事もあったが、そう言うわけでは無かった。ただ、面倒なので否定もしないというスタンスで居る。]
(5) 2023/11/15(Wed) 00時半頃
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さて……、招待状をくれた”るくあちゃん”はどこかに居るのかねぇ。
[──此処には勿論、誰にも何も言わずに来た。
わざわざ一人で赴いた理由は勿論、 知りたかったからだ。
死んだ筈の彼女から、何故、招待状が来たのか──。]**
(6) 2023/11/15(Wed) 00時半頃
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― →銀島 ―
[数か月前に亡くなったはずの、るくあちゃんの名前が書かれた招待状。 船の甲板で、潮風に靡かれながら、手に持ったそれにもう一度目を落とす。
顔を上げると、遥か遠くに見えた島影は、だんだんと大きく視界に広がってきて。 やがて、目的地に着いた。]
[船を降りると、人型のロボット>>@0が近付いてきて、カード型のデバイスについて説明を受けて。]
――……分かりました。ありがとうございます。
[差し出されたそれを受け取って、歩を進め、チューブ型の通路を抜けると、 その場所には軽やかな音楽が流れており、様々な施設が目に入る。>>#3]
……これが、『遊園地』? ……不思議。
[ぽつりと呟くと、辺りを見回しながら、人気のない園内を歩き出す。 携帯電話が使えなくなっている事には、まだ気付かないままで。**]
(7) 2023/11/15(Wed) 01時半頃
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――銀島上陸――
「チェッ、さすがにこんな離島じゃ電波届かないか。 生配信は諦めるしかない。ざんねぇん。」
腰に当てたのと反対の手は、指先が見えない程のスピードで忙しなく自前の携帯端末を操作している。数週間前に発売されたWシリーズ最新機種の、撮影特化型モデル。大事な商売道具だ。 蛍光ラメのマニキュアでカラフルに彩られた十指、ミントグリーンの人差し指でとんとん、と画面を叩いて溜息を吐く。オフライン専用機と化した無用の長物をチャームまみれのウエストポーチに仕舞うと、代わりに折り畳み式ジンバルとカメラを取り出した。
(8) 2023/11/15(Wed) 08時頃
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『地球星人のみんなァ! チョ〜ッス!! 〜明日も銀河の彼方から〜 銀河ギャルの🍭キャンディ🍬です!
今日はココ、開園前のテーマパーク、 ギャラクシーランドにやって来ました! なんとなんと! 島全体がテーマパークになってるんだって!
ところで、こぉんな場末の動画で暇潰ししてる 無知蒙昧なる地球星人のみんなは知らないかも知れないけど、 銀河のことはエゲレス語でギャラクシーって言うんだよ! あれ、ここってボクの母星だったかしら〜?』
桟橋の途中から、波立つ海と燦々と輝く日差しを背景に、颯爽と降り立つ自身の姿を画角に収める。テーマパークのシンボルらしき巨大なエンジンの前で、《Galaxy🪐 Land》とデカデカ書かれた入口ゲートの前で、ついでにガイド役の艶めかしい腕をした白いロボットと肩を組んで。 斜め43度の拘り決めポーズで姦しく撮影を終えると、転送された動画データと編集点を手早くチェックした。
(9) 2023/11/15(Wed) 08時頃
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「そぉだァ。配信規約とか、 撮影禁止スポットとか、解禁日とか。 諸々どこで確認したらいいですか? ディザーサイトもないみたいだったし、 パンフレットとかに書いてあります?」
足取り軽く人を模した機体に駆け寄ると、早口で質問攻めにする。主に、動画配信に纏る質疑応答だ。 やりとりの合間に興味深々、頭部の円らなモノアイレンズを見つめて、ニッコリ視聴者向けの作り笑顔。
「――ふむふむっと。
とりあえずは、それくらいですね。 じゃあねぇモナリザchan! ありがと!」 ついつい、平たい頭部のなだらかな曲線をぺたぺた撫で回してから、別れ際にウィンクと投げキッスを残して踵を返す。
頓着なさそうに振る舞ってみるものの、実際は腑に落ちないことだらけ。居心地の悪さは拭えず、一番尋ねたかったことは口にしていない。
(10) 2023/11/15(Wed) 08時半頃
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煙崎るくあ
その字面を辿るだけで、音にして脳裏に響かせるだけで、胸が甘く痺れる。 信じ難い訃報を耳にしたのは記憶に新しく、ほんの数ヵ月前のこと。通夜にも葬儀告別式にも呼ばれることはなかったのに、何故今頃になって、彼女の名前で招待状が届いたのだろう?
「――よりにもよって、このボクに。
るくあ、もしかしてあれは誤報で、 実はキミは生きていたりするのかな。 それとも、誰かの悪質なイタズラかな。
……嘘でも会いたい。会いたいよ。
会えるものなら、もう一度。」
表情は昏く、声音は低く。口遊む吐露に、長い爪が折れそうなほどきつく拳を握って深呼吸を二つ。その苦々しささえ霧散させるように、照り付ける太陽は*眩しかった。*
(11) 2023/11/15(Wed) 08時半頃
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── 兎坂庵 ──
[ 昔ながらの和風の平屋に、木目調のテーブルと椅子、 天井から吊るされた丸いペンダントライトは 提灯のように柔らかい和紙に囲まれた中で 淡い橙色の光を放っている。
この場所は、卯木が祖父母から受け継いだ 和風喫茶:兎坂庵。 いつもはお客様や、常盤色の着流し姿の男性店員と 撫子色の茶衣着姿の女性店員であふれる店内も 定休日のこの日は誰もいなくガランとしたもので── 静寂に包まれた店内で、 卯木は先日届いた招待状を無言で眺めていた。>>#1
──煙崎るくあ。 数ヵ月前に若くして亡くなった、 兎坂庵によく来店してくれていたお客様。 彼女は珍しい部類のお客様だったと卯木は思う。 ]
(12) 2023/11/15(Wed) 11時半頃
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[ たまに一部の女子学生からは、 「兎型に丸まった団子や大福、 兎の飾り切りがされたフルーツや野菜、 兎型の陶器の箸置きがかわいい」と 評判になっているようだが、
全体的にほっこりと落ち着くように設計された店内は どちらかというと疲れた社会人や 中高齢者の憩いの場として機能している。
そんな中、煙崎るくあのような女子高生が来店し、 かつ、ほかの女子学生のように はしゃいで料理の写真を撮ることもない。 落ち着いて店の雰囲気やお茶を堪能する彼女のことを どこか異質な存在だと思っていたことは否めない。 ]
(13) 2023/11/15(Wed) 11時半頃
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[ 煙崎るくあは友人たちを伴って 兎坂庵を訪れることもあったが、 一人で来店することの方が多かったように思う。
窓から中庭が見える席がお気に入りで、 外に顔を向けては、 春から初夏に色づくツツジの玉作りや 秋に色づく錦木の低木などをよく眺めていた。
そんな煙崎 るくあと卯木が親しくなったきっかけは、 出先でばったりと彼女と会ったあの日に遡る。 ]
(14) 2023/11/15(Wed) 11時半頃
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── 回想:2年と数ヵ月前・とある歩道橋の下で ──
ああ、煙崎さん。おはようございます。
[ 兎坂庵が毎年休みを取っているその日、 思いがけず煙崎るくあと出くわした卯木は、 少しだけ面喰いながらも、 すぐに笑顔になって彼女と挨拶を交わした。
この日、卯木が手にしていたものは、 真っ白な菊の花束と駄菓子の入った紙袋。 従弟の命日だったこの日は、 彼が亡くなった歩道橋で手を合わせた後、 お墓にお供えする予定だった。
卯木の荷物に一瞬、怪訝そうな目を向けた煙崎るくあに 卯木は小さく苦笑を零した。 ]
(15) 2023/11/15(Wed) 11時半頃
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2年前の今日、私の従弟が亡くなりましてね。 事故でこの歩道橋の上から足を滑らせたんです。
[ 落ちた時に打ち所が悪かったことと、 あまり人通りの多くない場所だったことが災いして、 従弟が見つかったときは、 すでに亡くなってしばらく経った後だった。 ]
これから彼のお墓参りに行く予定なのですが、 まだこの場所に彼がいるような気がして。 それで、お墓に行く前にこの場所でも 手を合わせておこうとやって来た次第です。
[ 簡単に事情を説明した後、 卯木は紙袋の中身へと目を向けて、 また小さく苦笑した。 ]
(16) 2023/11/15(Wed) 11時半頃
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従弟はもし生きていたら、煙崎さんと同年代なんですよ。 だから、本当は駄菓子なんて子供っぽいもの もういらないんじゃないかって思うのですが。 従弟が好きなものとして思いつくのが、 こんなものしかなくて。
彼が亡くなるまでの数年間は共に暮らしていたのですが、 幼い頃の好みは分かっても、 思春期に入った後のことは、てんで知らないままでして。 いやはや、お恥ずかしい限りです。
[ などと自らの恥をさらした後、 すっかり長話をしてしまったと、卯木が煙崎るくあと 別れの挨拶をしようと思ったとき、
「もしよければ、今流行りのものを教えましょうか」
彼女から思わぬ提案が届いた。 ]
(17) 2023/11/15(Wed) 11時半頃
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[ 「今流行っているものを教えてあげたら、 従弟さんも喜んでくれるかもと思って。 余計なお世話なら申し訳ないですが」
遠慮がちに付け加える煙崎るくあに、 卯木は軽く頭を振って、 ]
お気遣いありがとうございます。 もしよろしければ、教えていただけますか。
[ それから、煙崎るくあにその場で 男女共通の流行りものを教えてもらった後、 「たまに男友達からもリサーチしておきますね」 というありがたい提案には、ありがとうございますと 卯木は頭を下げて、煙崎るくあと別れた後 早速CDショップに流行りのCDを 買いに行ったのだった。 ]
(18) 2023/11/15(Wed) 11時半頃
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[ それから、煙崎るくあが兎坂庵に来店したときは、 たまに今何が流行っているのかを教えてもらい、 彼女と雑談することが増えていった。
「今どきの男子高校生は、 『恋人が欲しい』と叫んでいる人も多いですが、 それはさすがにお供えできませんし」
などと、本気か冗談か分からないことを 言われたりもしたが、卯木と煙崎るくあは 比較的良好な関係を築けていたのではないかと思う。 ]
(19) 2023/11/15(Wed) 11時半頃
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── 銀島 ──
こんな場所にテーマパークを作って、 はたして集客が望めるのやら。
[ 船に乗ってから数時間かけてやって来た銀島に ゆっくりと降り立ちながら、 卯木は小さく言葉を漏らす。
お世辞にもアクセスがいいとはいえない場所に立つ テーマパーク:ギャラクシーランド。 非日常を味わうにはもってこいの環境かもしれないが、 日帰り客は望めないようにも思う。
もっとも、今はオープン前のため、 今後、海上モノレールを敷いたりなどして 何かしら環境を整える可能性はあるのだが……。 ]
(20) 2023/11/15(Wed) 11時半頃
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ああ、はい。 ありがとうございます。
[ モナリザと名乗るロボットから 『アポロ』を受け取った後、>>@0 チューブ型の通路へ足を進めながら、 卯木はこの謎の招待について思考を巡らせていた。
いったい誰がここに自分を呼んだのか。 その者と煙崎るくあの関係とは。 そして、なぜ煙崎るくあの名を騙って 招待状を出したのか。
それこそ、卯木は招待状が届いてから、 『なぜ僕が呼ばれたのだろう』と ずっと考えていたのに、 納得できる答えはいつまで経っても出てこない。 ]
(21) 2023/11/15(Wed) 11時半頃
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[ 数日間の臨時休業となった兎坂庵だが、 この島に来ることを卯木は誰にも話していない。
死者からの招待状が来たなんて話したら、 行くのを止められるに決まっている。 けれど、卯木はどうしても 招待主の意図を知りたかったから、 明らかに怪しいと思いつつも、 こうしてこの島に足を踏み入れた。
ただ、どうしても罠めいたものを感じたため、 卯木は念のため招待状のコピーを 兎坂庵に残しておいた。
数日後の休業明けになったとき 卯木が音信不通であれば、 捜索願でも出されるのではないかと期待を込めて。 ]
(22) 2023/11/15(Wed) 12時頃
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[ 考え事をしている間に、 いつの間にか通路を抜けていて、 様々なアトラクションや建物が目に入った卯木は、 とりあえず、せっかくだし何かしら楽しもうかと アトラクションに足を進めようとしたとき、
「大富豪がこんな無人島を買っても、 結局持て余してしまうのよね」
どこかの女流推理作家の小説に出てくる 家庭教師の女がそんなことを口走っていたのを、 ふと卯木は思い出した。
あの小説の中では、 最終的に無人島に招待された全員が 罪人として殺されたのだったか。 ]
(23) 2023/11/15(Wed) 12時頃
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[ もしかしたらこの煙崎さんは、 招待客の罪を暴く役割を担っているのかもしれない。
だとしたら、僕は一体何の罪で裁かれるのだろう……。 ]**
(24) 2023/11/15(Wed) 12時頃
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『 いつか、 皆と一緒に遊びたかったの。
宇宙みたいに広くて、 おもちゃ箱みたいに楽しくて素敵な場所で。
叶うといいな 』
(25) 2023/11/15(Wed) 16時頃
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■回想:ファンクラブNO.001328。【中村 綺羅之介】
私を初めて歌舞伎に連れて行ったのは誰だったか、 今となれば、それはたいした問題ではない。
「 ……綺麗 」
舞台上の”推し”を見つめ、ほう、と呟いて。 花道から退場する姿を拍手とともに見送ったあと、 私は劇場を抜けて楽屋口へと急ぐ。
通行人の邪魔にならないよう気を付けて、 たくさんのファンの中、その姿が現れるのを待った。 彼には熱狂的なファンも多くついていたが、 私の知る範囲では揉め事もなく、 和気藹々と、しかし熱の篭った会話をしながら 出待ちに勤しむのが常だった。
(26) 2023/11/15(Wed) 16時頃
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「 お疲れさまでした。 とても素晴らしかったです 」
手紙を渡す際に交わす言葉はせいぜい二言三言。 時間に余裕がある時は、もう少し増えただろうか。 だとしても、熱心なファンと人気役者。 傍からみれば、そんなよくある繋がりだっただろう。 *
(27) 2023/11/15(Wed) 16時頃
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■回想:兎坂庵の店主と【卯木 宙太】
「 もしよければ、 今流行りのものを教えましょうか 」
何故そんなことを口にしたものか。 和風喫茶の常連で歌舞伎を好む私は、 高校生にしては流行に敏感なタイプじゃないと思う。 それに、亡くなったという彼の従弟は男の子なのだ。 同じ年頃の男の子が好きなもの……、 私は頭を巡らせて、今人気のミュージシャンの名前や、 ゲームのタイトルを捻り出した。 卯木さんは喜んでくれたようだが、 『恋人をお供えすることはできない』 私の聊かブラックな言葉への反応は曖昧な様子。 まあ、無理はないかな。
(28) 2023/11/15(Wed) 16時頃
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「 でも、最近は 恋愛に興味ない男の子も多いみたい 」
フォローになっているか分からない付け足しをして。
「 お役に立てたなら、よかったけれど……。 また、お店寄らせてもらいますね 」
ぺこりと頭を下げた。
(29) 2023/11/15(Wed) 16時頃
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それからも、兎坂庵には度々足を運び、 情報を仕入れては伝えることもあっただろう。 それ以外に学校の話、家族の話も する機会があったかもしれない。
しかし、「ホントは、私、駄菓子も好きだし、 高校生でも好きな子多いと思う」 そのことは最後まで、言いそびれたまま。 **
(30) 2023/11/15(Wed) 16時頃
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「 ── なら、付き合おうか。 」
そんな言葉と共に笑い合った記憶はある。 ただそれを口にしたのがどちらかも覚えていないくらい。 まるで空に描いた絵のように、 実像とは異なる空虚な契りだった。
(31) 2023/11/15(Wed) 18時半頃
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あいにく人に自慢できる才は持ち合わせていないが。 異性受けする容姿には恵まれたらしく、 俺は物心ついた頃から女性にモテた。
告白された数もそれに比例して。 呼び出しを受けるのもしょっちゅうだ。 当時の俺にとって、もはや校舎裏は庭だった。
数えきれないくらいの告白を受けて。 それと同じ数だけ告白を断った。 返せるはずのない想いだった。 なのに向き合わねばならなうことに辟易していた頃。 特定の誰か、すなわち彼女ができたら 告白され機会も減るだろうと。 なんとも学生らしく未熟で浅慮な思考。
(32) 2023/11/15(Wed) 18時半頃
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…… わかっていたくせに、俺は縋った。
俺は煙崎るくあのことを愛してはいなかったし。 彼女だって同じだっただろう。
なのにたった一つの絵空事によって、>>31 俺達は彼氏と彼女になった。
(33) 2023/11/15(Wed) 18時半頃
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関係は良好だった。 お揃いの熊のマスコットを通学鞄に付けて揺らし。 放課後は流行のクレープ屋さんに連れ立って、 互いのフレーバーを一口ずつ交換するような。
学生らしい微笑ましいお付き合い。 だが偽物でしかない俺達は 当然、身体の関係もなければキスもしない。
「煙崎さん」「坂理くん」
下の名前で呼び合うことすらしないままだったから、
(34) 2023/11/15(Wed) 18時半頃
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俺の名前は柊と書いて、そのまま「ひいらぎ」と読む。 だが名として広く認識された響きである「しゅう」と 誤って呼ばれることが多い。
なのでクラスどころか学年も違う彼女が、 俺の名前を「しゅう」君だと思っていたと言われても 別に驚きはしないだろう。
(35) 2023/11/15(Wed) 18時半頃
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恋人っていうのは嘘なんだから。 なら、本当はどんな関係なんだろうね。
偽装、と冠が付くデート中の。 その他愛もないやり取り、その一幕。 こちらに向ける煙崎るくあの顔からわかるように、 特に深い意味もなかっただろう。 友人同士とも言えない俺達だった。 だから少し考えから、
「 …… 部活の先輩と後輩とか? 」
確かそんな風に返したはず。 俺は一学年分、彼女より年上だったから。
(36) 2023/11/15(Wed) 18時半頃
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「帰宅部なのに?」「帰宅部なのに」
同じ言葉を響かせてから。 顔を見合わせ、ふふっと可笑しそうに笑い合う。
俺が部活に入ると、俺目当ての女子の部員が増えた。 それは決して歓迎することではなかった。 色恋目的の入部は活動に身が入らず、トラブルを招く。 告白を断られてあっさり辞めて行くことも多い。
部活には入らない方が良い。 中学時代の経験から、身を持って学んでいたから、 高校では最初から最後まで帰宅部を選んだ。 煙崎るくあはどうだっただろう。 当時こそは彼女も俺と同じ部活動だったが、 この会話の後、何らかの部活に入部したかもしれない。
(37) 2023/11/15(Wed) 18時半頃
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単なる嘘の彼氏と、単なる嘘の彼女。 仲は良かった。心地の良い時間だった。 ただ無精卵をどんなに温めても孵らないように 愛情が生まれることだけはなかった。
俺には前述の通り、嘘をつく理由があった。 だが煙崎るくあは違う。 何故彼女がこの得る物のない関係を受け入れたのか。 敢えて理由を尋ねることもしなかった。
友人が多く、人付き合いに長けている様に見えるのに。 他者から一歩引いているようにも感じた彼女の微笑み。 互いに踏み込み過ぎない、この距離が心地よいのだと、
──── 彼女がいなくなる最期まで、 そんな言い訳を繰り返して。
(38) 2023/11/15(Wed) 18時半頃
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「 招待状に名があるってことは。 煙崎さんに会えたりするのかな。」
そんなはずはないのを承知の上で。 つるりとしたボディに向けて笑いかける。>>@0
偽りの関係しか持たないくせに。 さも彼女と親しい間柄の一人です、という顔をして。
潮を含んだ風を受けると、招待状を手にしながら、 「ギャラクシー・ランド」へと降り立った。**
(39) 2023/11/15(Wed) 18時半頃
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―回想―
「後見人の方ですね?初めまして、 煙崎さんの担任の菊水です。 煙崎さんも座って。では、面談始めます。」
彼女には一回りほど年の離れたお兄さんがいるらしい>>1という事は知っていたけれど、なぜだか私は三者面談でもそのお兄さんとやらに会う事はなかった。
どこかの何とかいうところの研究者だとかなんとかいう話もちらっとは聞いた… というか、それは彼女自身か後見人から聞いたのだったかな…
ともかく仕事が忙しいんだろう、という事で教師内の間では話がまとまっていたし、私もそれで納得した。
(40) 2023/11/15(Wed) 19時頃
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でも私にとって彼女は10年足らずの教師生活のうちほんの数年のうちのほんの一部を共にしたにすぎず、正直なところそこまで深い印象が残っていたわけではない。 身内と呼べる人がほとんどいないという事は知っていたけれど。
実際、彼女は担任の私の見る限りでは素行に全く問題はなかったし、家庭環境の割に虐められたりといった交友トラブルもなさそう…に見えた。 私達はごく普通に生徒と担任教師で、彼女は卒業して、私は新しい生徒を迎えて、そちらの事ばかり考えるようになった。
(41) 2023/11/15(Wed) 19時頃
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だから彼女についての印象は、とても深かったとは言い難かった。 少なくとも数か月前か…そのあたりまでは。
彼女について色々思い出すようになったのは、だからむしろ彼女が死んだ後だったかもしれないし… 明らかに色々と思い出すようになったのは、 この「死んだ彼女からの」 招待状が届いてからに違いなかった。
(42) 2023/11/15(Wed) 19時頃
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── 銀島・ギャラクシーランド ──
「船で数時間…こう海の真ん中だと距離感なくなるわね。 どのへんなんだろ。小笠原… もっと遠い?」
船を降り、取り出したライター型の電子タバコを吸引して一息つきながら、空と海の境の水平線が続く先を見つめ、 それから後ろを振り返って確かにそこがテーマパークであることを確認した。いかにもありそうな設備やアトラクションが一通りは揃っていそうだ。
「よくこんなとこにこんなもの建てたもんね…」
元々陸地のあった島ではなく、人工島らしいと聞いている。 教師時代の手持ちの資料で見ても、おそらく間違いないだろう。 だからこそ、煙崎さんから差し出しの招待状であることも含めて 地歴公民の教師であるがゆえに奇妙としか言いようがない、 ある一つの疑問が頭をもたげるわけだが…
(43) 2023/11/15(Wed) 19時半頃
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「それとも煙崎さんが亡くなったって噂…嘘だったのかしら。 だったらいいんだけど。」
私は告別式はおろか、彼女の通夜にも顔を出していない。 少し前にちょっとした事情で教師はすっぱり辞めて今は塾講師。 なんなら再来月には去年知り合った婚約者と式を挙げるので、 これが一人身での最後のバカンスになるだろう。
「お兄さんとは結局、逢えなかったな…」
彼はこの事を知っているのだろうか? 来ていたりするのだろうか。 そんな事をちらと頭の隅に浮かべつつ、キャリーバッグを引きずってギャラクシーランドの中に入っていった*
(44) 2023/11/15(Wed) 19時半頃
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: ―――あのころ、 : 鉄格子の向こう側の空は : ただ高く、青くて。
: 膝立てて蹲る寝台の : 四方の色濃いくらがりに : ぱちぱちと閃く生を見出したり。
: 果てなきあおいろのその先に : はらはらと解ける死を読み解こうとした。
(45) 2023/11/15(Wed) 19時半頃
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白菊会 ミサは、メモを貼った。
2023/11/15(Wed) 19時半頃
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[『しのぶ先生、また上の空になってる』 浮雲を吹き散らすような溌剌とした声が、 窓外を漂っていた意識を否応なく窓の内側へ引き戻す。 声のした方に視線を向ければ、 中央に設置した白い大きなテーブルを囲むように 三人の女生徒がめいめいの姿勢で腰掛け 呆れたような眼差しをこちらに向けていた。]
: 安寧を得た今もなお、 : 身に染み付いた癖は抜けなくて : 私は空ばかり見上げている。
(46) 2023/11/15(Wed) 19時半頃
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……違うのよ。 今、すこしね、考え事をしていたの。
[彼女たちの言いようでは、どうやら私は ただ上の空だったように見えているらしい。 いつもはそうかもしれないが、少なくとも今は 机の引き出しの中に仕舞っている一通の手紙が 心に掛かっての物思い。]
(47) 2023/11/15(Wed) 19時半頃
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聞いてくれる? 実はね……、 先生、今度、なんと生まれて初めて 遊園地に行きますの!
[何を、と聞かれて。 嘘を吐くのは憚られるが、かといって 物思いの内容は告げることが出来ないから 上の空の理由をすり替えてしまう。
でもこれはこれで、 私からすると重大案件に違いなかった。 ぱんぱかぱーん、とオノマトペが出るくらいには。 なのに、彼女らの反応は薄く、むしろ 呆れが深まったような雰囲気が場に漂ってしまう。]
(48) 2023/11/15(Wed) 19時半頃
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[『いや、先生、初めてつった?』]
ええ。
[『子供の頃とか行かなかったの?』]
いちども。
[『えーー? 普通、親とかが連れてってくれない? 親じゃなくたって、友達と夏休みに遊んだりさ ゲーセンに並ぶ定番スポットだと思うけどなぁ』
そう言われてしまうと、私は少し言葉を彷徨わせる。]
(49) 2023/11/15(Wed) 19時半頃
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身内がね、おばあさましか居なかったから。 ……厳しい人だったのよ。
[密星の娘である自覚を持ちなさい。 裾の短い服で走ったり、声を上げたり はしたない真似などさせられるものですか、と 祖母の声色が脳裏に蘇り、声には苦笑が混じったか。]
ところで、園田さん、寛ぎすぎですよ? 平気でポッキーなんて食べて…… 割れる程の頭痛はどこへ行ってしまったの?
[女三人寄ればなんとやら。 いや、私も含めれば四人だけれど、生憎此方は おサボり娘たちと同カウントをされる立場にはない。 ここは高校の保健室。そして此方はれっきとした 養護教諭として彼女たちの前で仕事をしている。]
(50) 2023/11/15(Wed) 19時半頃
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いくら今は他に具合の悪い子が居ないからといって。 堂々とおサボりしたいなら、 病人らしく振舞ってくださらないと、ね?
[分かっているのかいないのか、 はーい、と女子高生特有の適当な返事があった。 ともあれポッキーは仕舞ってくれたから良しとはしたが こういう甘さが、一部生徒たちが保健室に 入り浸りがちになる原因なのかもしれない。]
[もちろん、体調不良で気負わず来て貰えるのは 養護教諭としては、出来れば良しとしたいところ。 学校にはスクールカウンセラーも設けられているが 大袈裟だと気後れする子も多いのだ。 進路に人間関係にと思い悩む年頃だから、 何かを吐き出す為だけに来てくれたって良い。 昨年の冬までは常連だった “あの子” のように、 ただ話がしたかっただけ、とか でも――…]
(51) 2023/11/15(Wed) 19時半頃
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[ とはいえ、 私の育った環境は相当特殊だったために アドバイスを求められても、求める答えを 返してあげられるとは限らない。 ほら、先刻のように、不用意に遊園地がお初です なんて言ってしまって驚かれてしまう程度には、 圧倒的に経験不足感が否めない。
聞き専、ときどき雑談。くらいの割合。
それでもいいと思ってくれる子らのために 門戸は広く保っておけるのが一番だから。* ]
(52) 2023/11/15(Wed) 19時半頃
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―― 銀島 ――
[海上ではまったく気にならないのに、 乗降時にだけ平衡感覚を見失うのが 船というものはどうにも不思議な乗り物だと思う。
板一枚を隔てて身体が水の上に在るという状態に 慣れぬ足取りで船を降り、銀島と呼ばれる島に 爪先を付けてようやくと人心地。
私は、そも、旅行を全くしてこなかったから 銀島という名前にはとんと思い当たるものがない。 何なら、離島という場所に 足を踏み入れるのも初めてなくらい。]
(53) 2023/11/15(Wed) 19時半頃
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小島くらいのものを想像していたけれど 思ったより広いみたい……? 大掛かりな設備が要るものね。 その分敷地も大きくなければいけないのね……
あら、こんにちは。かわいらしい先住民さん。 はじめまして、お世話になります。
[整えられた草木やオブジェをしげしげと見詰めていると 人型のロボットが滑るように近づいてきたので 思わず軽く膝を折って挨拶を行った。
十八の時に初めて足を運んだ ファミリーレストランという場所で、 進化系猫型ロボットを見た時にも随分と 目を丸くしてしまったものだが、白くつるんとした 丸型フォルムに少しだけ類似点をみとめてしまい 慄くよりも親近感が先立ったのだ。]
(54) 2023/11/15(Wed) 19時半頃
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専用デバイス… 最先端ですのね。 こういうの、実は少し怖いんです。 変にいじって壊してしまわないようにしないと。
遊園地はこの通路の先なのですよね? 荷物を置く宿泊地はお聞きできる? ――… あら、持って行って下さるの? ふふっ。ありがとうございます。 なにぶん初めてのことが多くって、 きっとお世話になることが多いと思いますの。 どうぞよろしくお願いしますね。
[機械音声とはいえ、淀みなく流暢に話されると 意思のあるものと錯覚してしまいそうになる。 彼女(…彼?名前からすると前者だろうか)から 差し出されたデバイスを受け取って、何となく そのまま機械の腕を取って上下に動かした。 人間の指と、人間のような指とで握手を形作る。]
(55) 2023/11/15(Wed) 19時半頃
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[折角モナリザさんが居るのだから 何か質問をと思い中空を見上げるも、 遊園地をまだこの目で見てもいない段階では 疑問も質問も大した内容は浮かばなかった。 招待状の差出人のことは、……、 彼女らの管轄なのかどうか、違うだろうなと思い直す。 というより、私の中でも整理がつかない事柄だ。 招待状の在処を確かめるように、 無意識にショルダーの肩紐に手を添えた。
無言の時間が続いてしまった。 モナリザさんは預けた荷物を抱え、 来た時と同様にスーーーっと地面を滑り去っていく。 一定時間音声を認識できないと、 巡回に戻る設定だったりするのだろうか。 遊園地までエスコート頂こうとと思っていたのに。 最先端ロボットの姿を自然と足が追いかけた。]
(56) 2023/11/15(Wed) 20時頃
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[通路を抜けた先で、ぱっと視界が開け。 そこに在る非日常に――― 知識でしか知らない世界に――
私は、大きく瞬くことになる。**]
(57) 2023/11/15(Wed) 20時頃
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――ゲート近く――
[あたかも、招待客のひとりであるように、 ボストンバッグを足元に置いて。
集った面々を、黄昏時を思わせる色合いをした サングラス越しに眺めていた。 無論、全員の顔と名前の判別はつくが、 実際目の当たりにすると随分派手なヤツもいる。>>10 目立ちたくはなかったから、 不躾な視線にはならないように留めて。
しかし、この中にるくあを殺した人間が――――、 そう思えば、握る拳に自然、力が籠った。**]
(58) 2023/11/15(Wed) 20時半頃
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── 回想:煙崎るくあとの追憶 ──
なるほど。恋愛に興味のない人も多いのですね。 かくいう私も、興味がない側の人間ではありますが。
[ 卯木のぎこちない反応をくみ取ってか>>28 フォローのような言葉が 煙崎るくあから付け足されると、>>29 さも全く気にしていない風を装って、 卯木はふむりと頷いた。
けれど、その言葉に納得したような顔の裏で きっと従弟はこちら側の人間ではなかっただろうと、 卯木はその言葉を否定していた。 ]
(59) 2023/11/15(Wed) 20時半頃
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[ だってあの子は、きっと死ぬ瞬間まで 自分の理解者を探していただろうから。
恋人なんて存在が降って湧いたのなら、 きっと飛び上がって喜ぶに違いない。 ]
(60) 2023/11/15(Wed) 20時半頃
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なるほど。 それはたしかに従弟も喜ぶかもしれません。
[ それからいくらか経ったある日の卯坂庵にて。 隣の席のお客様が残したクリームあんみつを 片づける際に、煙崎るくあから声を掛けられ>>30 「いつもありがとうございます」と お礼を言った後、いつの間にやら 学校や家族などの話になったのだったか。
煙崎るくあの話しぶりからは、 なかなか充実した生活を送っているようだと 少なくとも卯木にはそう感じられた。 ]
(61) 2023/11/15(Wed) 20時半頃
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[ その幸福そうな話しぶりに 妬ましく思わなかったと言えば噓になる。
もちろん、彼女の話の裏側に、 様々な苦労が混ざっている可能性が 全くないとは思ってはいなかったけれど……。 ]
(62) 2023/11/15(Wed) 20時半頃
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ああ、若いというのはいいですね。 煙崎さんの人生はまだまだ続きますし、 きっとこれからも楽しいことが待っているでしょうね。
[ 少なくともこの日の卯木は まさか煙崎るくあの人生が こんなに早く終わるとは思ってもみなかったから。
心から彼女の幸せを願う笑みを浮かべながら、 話がひと段落したタイミングで、 皿を片付けるために、 卯木はその場から離れることにした。 ]
(63) 2023/11/15(Wed) 20時半頃
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[ お盆に乗ったクリームあんみつの皿の中で、 兎形に切ったりんごは、 ドロリと溶けた抹茶アイスの沼の底へと ゆっくりと沈んでいく。 ]*
(64) 2023/11/15(Wed) 20時半頃
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── 現在:ギャラクシーランド・ジェットコースター前 ──
[ 園内を歩いている最中、 もし他の来場客と目が合えば卯木は会釈をし、 話しかけられれば、会話に応じただろう。
卯坂庵のお客様などで顔見知りの人がいたなら こちらから話しかけることもあったかもしれない。
歩いている途中で 何かしらのやり取りはあったかもしれないが、 卯木はジェットコースターの前まで いつの間にか足を運んでいた。
ご丁寧にもアトラクションの前には、 サポートロボットが立っており、 このアトラクションについて説明している。 何とはなしに説明文に耳を傾けていたが。 ]
(65) 2023/11/15(Wed) 20時半頃
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これは、なかなか大がかりですね。
[ 感嘆のため息を混じらせながら、 卯木は独り言を零した。
どうやら、これはただのジェットコースターでなく、 VRゴーグルを装着することで 宇宙船で旅をしている気分が味わえるらしい。
下り坂や回転する場所は、 隕石がぶつかったとか そういうトラブルがあったような想定の映像が 流れるのかもしれない。
色々と想像するとワクワクしてくる。 早く乗りたいという衝動に駆られた。 ]
(66) 2023/11/15(Wed) 20時半頃
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[ そう、卯木の気分は高揚していた。 この島に来る前から抱いていた懸念を>>22 数舜だけでも忘れるくらいには。
だって、宙太という名前が体を表すように 幼い頃は宇宙飛行士に憧れたこともあったから。 銀河をテーマにしたテーマパークを訪れて 卯木が少しも興奮しないというのは ありえない話であった。 ]
(67) 2023/11/15(Wed) 20時半頃
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[ 早速アポロをサポートロボットに見せながら、 卯木はジェットコースターの座席へと進んでいく。
もし近くに一緒に乗りたいという人がいたなら、 共に乗ることを快諾しただろうが、 周りに誰もいなければ、卯木は一人で このジェットコースターを満喫することだろう。 ]**
(68) 2023/11/15(Wed) 20時半頃
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──園内・中央カフェ前──
……それにしても、ロボット以外ぜーんぜん会わないんだけど。 どういうこと?
[招待状を貰って、あれこれ考えてはみたが。 これは、煙崎るくあの学友100人とか、親戚50人だかが招待されている大がかりな××回忌なのかもしれない、とか。そうであれば、自分のところにまで招待状が来てもまぁ、おかしくはない。 ──彼女のLINEには自分も名を連ねているわけだし。
此処に来るために乗った船にキラしか居なかったのは、テレビなどで顔を知られている自分への配慮かもしれない、などと都合よく解釈をしていた。 けれど、中央のカフェに辿り着くまでに、とうとう生きた人間には会えず仕舞いで。
ふう、とため息をついて、カフェのテラス席に腰掛ける。 ウェイトレス型モナリザが近付いてくるので、テーブルの上にあったメニュー表を見て、”黒烏龍茶ある?”と聞いた。モナリザの頭部がチカチカ光ってキッチンの方角へ戻っていく。 給仕ロボットを見送り、改めて園内の景色を眺めた。]
(69) 2023/11/15(Wed) 21時頃
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[辺りを見回しながら歩いていると、 ロケットを模した小さな乗り物が、円形に幾つか並んでいて、円を描いて空中旋回するものや、 宇宙船を模した乗り物で、銀河を駆けるジェットコースターなど、 銀河をテーマにしたアトラクションが色々と目に入る。]
[この場所に自分を招待したのは、るくあちゃんなのか、もしくは別の人なのか、それは分からないけれど。 オープン前のお披露目で呼ばれた>>#1のなら、何か挨拶とか、 説明とかがあるのではないかと思って。 けれども、少なくとも今はまだ、何も起こらないない様だ。]
……自由に過ごして、って言っていたっけ。 ……自由って、どうしたら良いのかな。
[呟いて、小さく首を傾げた。]
(70) 2023/11/15(Wed) 21時頃
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そういえば、 遊園地なんて来るの初めてね。 さすがに存在は知ってたけど。
[顔を知られているから外ではサングラスを着用しているのだが、何だか誰も居ないしいっか、と、それを外して、改めて周囲を観察した。 少し先にメリーゴーランド、そこからもう少し奥にジェットコースターや観覧車が見える。遊園地に来た事がないのだから、当然、そのいずれにも乗った事は無い。]
……最初に乗るなら、やっぱ、動きが緩慢そうなアレ?
[そう呟いた視線の先にあるのは、白い馬や馬車がゆっくりと回るメリーゴーランド。
やがて給仕ロボットが、黒烏龍茶を運んできた。銀河系のような模様が掘られたグラスに、キンキンに冷えた濃い色の烏龍茶が注いである。ありがとう、と声をかけて受け取った。 これを飲み干したら、少し遊びに行ってみようか。]*
(71) 2023/11/15(Wed) 21時頃
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― 園内・中央カフェ前 ―
[これから、どうしたら良いのか分からないけれど。 とりあえず、喉の渇きに気付いたので、カフェに行ってみると、 そこには、先客の姿が見えて。>>71]
[一人だろうか、誰かと一緒なのだろうか。 辺りを見回しても、他に人の姿は見えない様だけれど。]
……えっと。初めまして。 ……貴方も、ここに招待された方、ですか?
(72) 2023/11/15(Wed) 21時頃
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「あ゛あ゛ぁぁぁっつい!! んだけど!!」
だらだらとウィッグと額の合間から汗が絶え間なく噴き出てくる。ファンデーションもがっつりUVカット効果の高いものを選んできたが、SPF30代では焼け石に水だ。アイラインまで溶けだしてないか何度も確認して、ぶら下がった環状惑星型のピアスをピンと弾いた。 冷暖房の行き届いた室内での撮影ならいざ知らず、そもそも今日の服装は晩夏の炎天下では自殺行為だろう。肌色面積で安易に視聴数を稼ぐのは信条に反すると、スパンコールの星々が賑やかに光るハイネックシャツは、喉から襟元までピッチリ隠している。萌袖丈のアウターは鮮やかなベリーピンクのグラデーションにラインストーンのストライプ。ホットパンツからにゅっと伸びた素足は、膝下からデコラティブな厚底ブーツに覆われて、多分めっちゃ蒸れている。
――熱暴走しそうなほど、暑い。
時折潮風が通り抜けていくのがまだ救いだったが、それだってお肌にはあまりよろしくはない。
(73) 2023/11/15(Wed) 21時半頃
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「他の客が居なくてガラッガラなのは、 撮影はし易いんだけどなァ。
夏の遊園地なんて、 インドア派の行っていいところじゃない。 ボクが迂闊だった、甘く見てた。」
制汗シートをそっと顔面に押し当ててから、憎々し気に頭上の太陽を仰ぐ。 とにかく少しでも涼しいアトラクションへ。けれどズブ濡れになるのはNG。日陰に移動してデバイスの試運転がてら園内マップを物色していたら、ふと誰かの視線を感じた(>>58)。 ほんの一瞬だけ、サングラス越しに交錯する眼差し。面立ちを判別するには至らず、此方も目礼一つですぐに顔を逸らす。
「落ち着け。 どうせ、ボクが"誰か"分かる訳がないし。」
招待状は、両親が離婚する前の、中学生までの自分の名宛てで届いていた。現在の配信者としての華美な擬態と一致させることは、ほぼほぼ不可能だろうと高を括ってはいるが。それでも尚、不吉な悪寒を感じて心拍数は不規則に上がっていく。
(74) 2023/11/15(Wed) 21時半頃
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遊園地。 人気デートスポットとして1位には上がらなくとも、 ベスト10くらいは入るんじゃないか。 そこへ俺と煙崎るくあが共に訪れたことはない。
生活範囲内の人間さえ偽れれば良かった。 なら学校関係者と出会うことの稀な遊園地は、 単純にコスパが悪い。
放課後に、デートと称した寄り道をする間柄。 スマホのやり取りが甘さ含むことはなく。 休日の約束も当然しなかった。
俺が知る彼女などほんの一部でしかない。 それを申し訳ないと思う必要もなかった。 思えば歪な関係だった。
(75) 2023/11/15(Wed) 21時半頃
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俺と付き合っていることで、 煙崎るくあは不愉快な思いもしただろう。 気になる異性に恋人がいると聞いて、 素直に引き下がるのは善良な部類。
対面するならそうでない部類。 なのにそんな様子を見せることもなかった。
俺が彼女について知ることは決して多くはないけど。 …… 嘘が上手なひとだったのだと思う。
(76) 2023/11/15(Wed) 21時半頃
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── 銀の館 ──
「 …… へぇ。 」
しばらくぶらついた後。 訪れたのは、ゆっくりと見て回れる場所。 『銀の館』と看板に書いてあったそこは、 館全体がプラネタリウムになっていると言えば 想像しやすいだろうか。
俺には朧な知識しかないが、映されているのは おそらく実在する星座を模したものだろう。 散りばめられた輝きの位置に覚えがあった。
星に詳しければ、深い物語や 細かな設定を楽しむことができるかもしれない。
(77) 2023/11/15(Wed) 21時半頃
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そうではない俺は、鈍く輝く銀色の空を 歩くことしかできないが。
それでも綺麗だな、と。 目を細めて感嘆することくらいはできただろう。**
(78) 2023/11/15(Wed) 21時半頃
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[よく冷えた黒烏龍茶を半分ほど飲み干したところで、不意に声をかけられた。>>72 一瞬胸のサングラスに手を掛けるが、視線の感じから正体バレしたわけでもなさそうだ。それに───。]
初めまして。 招待、うん。 知り合いから、正式オープン前のお披露目ってことで招待状を受け取ってね。
[煙崎るくあの名前を出していいものかどうか、少し迷って、取り敢えず暈すことにした。が。 この高校生くらいの女の子は、まさに、るくあちゃんの学友なのでは?と思えたので。]
……僕は煙崎るくあさんに招待されたんだけど。
[もしかして君も?とでも言いたげに、首を傾げて眼を覗き込んだ。]*
(79) 2023/11/15(Wed) 22時頃
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遊園地内を流れていた音楽が途絶え、
巨大なホログラムが空中に浮かびあがる。
女性の顔をしたそれは、見覚えのある――死んだはずの煙崎るくあの顔だ。
園内の様々な場所で再生されているのだろう、
どこにいても視認することができた。
(#5) 2023/11/15(Wed) 22時頃
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『 ようこそ、私のだいすきなあなた達。 いつかね、皆と一緒に集まって、遊びたいなって 私、ずっと願っていたのよ 』
(80) 2023/11/15(Wed) 22時頃
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『 …………。 だから私はとても辛い。 ・・・ 私はあなた達、あなたのことも すきだったのに。
――――どうして、 』
(81) 2023/11/15(Wed) 22時頃
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『 あなたは私を殺したの? 』
(82) 2023/11/15(Wed) 22時頃
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音声が流れる。
るくあの顔をした像の唇から、あたかも彼女が喋っているように。
哀しみを湛えた顔で、招待客を見渡すよう眼球が左右に泳いだ。
(#6) 2023/11/15(Wed) 22時頃
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『 …………悲しくて、哀しくて憎らしい。
ねえ、気づいてるでしょう? ここって周りには海しかない孤島なの。
携帯は使えなくしといたわ。 船? 今更港に戻ったって何もありはしない。 つまり、島に閉じ込められたってわけ 』
(83) 2023/11/15(Wed) 22時頃
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声音は突如険のあるものに変わる。
るくあの顔のまま、少し首を傾けて、声は続く。
(#7) 2023/11/15(Wed) 22時頃
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『 私がどうして死んだか知ってる? 心臓マヒなんて嘘。 私は殺された。ここに招待された、 あなた達のうちの誰かにね 』
(84) 2023/11/15(Wed) 22時頃
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『 私を殺した犯人が死んだら、 あなた達をここから出してあげる。 この意味、分かるわよね?
それまで、ここで、この素敵な遊園地で 遊んでいるといいわ 』
(85) 2023/11/15(Wed) 22時頃
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ホログラムは不意に消える。
少しばかりの沈黙のあと、途絶えていた音楽が再び流れ始める。
軽やかな音楽は、今しがた聞いた内容のせいか、
先ほどより空々しいものに聞こえたかもしれない。
(#8) 2023/11/15(Wed) 22時頃
この中に煙崎るくあを殺した犯人がいる。
犯人は誰なのか。
また、この閉ざされた状況で、
あなた達はどのような行動を取るのだろう。**
/*
全員の入村ありがとうございます!
【予定通り11/16 23時半開始いたします】
【犯人役は村建てがランダムで決定し、更新後にお伝えします】
(#9) 2023/11/15(Wed) 22時頃
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[話しかけてみると、言葉が返ってくるよりも先に、なぜか手が動いて>>79。 胸元のサングラスに触れたけれど、それをかける様子もないので、小さく首を傾げて。]
[問いの言葉には、肯定が返ってきたけれど。 少し逡巡する間の後に続いた言葉と、問う様に首を傾げる仕草を見て。 眼を覗き込まれると、少し緊張して、ぱちりと瞬いてしまったけれど。]
……私も、るくあちゃんの名前の招待状を受け取りました。 ……同じ、ですね。
[もう少し、話を続けても迷惑ではないだろうか、と。 同行者が居ないか、もう一度辺りを見回して確認して。 お一人ですか?と、言葉でも確認しつつ。]
(86) 2023/11/15(Wed) 22時半頃
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お披露目、って書いてあったので、 着いたら、何か説明とか挨拶とかあるのかなって思ったんですけど。 特に、何も無いみたいですね。
私、ここで人を見たの、貴方が初めてで。 ……まだみんな、着いていなくて、 招待客が全員揃ってから、始まるんでしょうか。 何時に何が始まる、とか、説明は無かったですよね?
[何か見落としているかもしれないので、そう問いながら、小さく首を傾げた。*]
(87) 2023/11/15(Wed) 22時半頃
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―― ギャラクシー・ランド:案内板 ――
[モナリザに案内されたのは、案内板の前だった。 大きな看板に、敷地の全体像が描かれている。 興味の赴くままに、立ち止まって見上げてみる。
木々の上に頭を出すロケットのような塔だとか 波打つようなジェットコースターの走行ルートが 此処からでも遠目に確認できたので、 あれは何という名前なのか、何処にあるのか。 忙しく案内板とアトラクションに顔を行き来させて ひとつひとつを照合してゆくたびに どれから乗ろうかと楽しみが積み上がる。
それにしても、聞いていた話と少し違うのは 世界観に合った衣装を着た多数のスタッフや 着ぐるみのキャラクターたちが見つからないこと。 おかしいな?とは思えども、 遊園地のスタンダードを知らないから、 異様性に気付くまでには至らない。]
(88) 2023/11/15(Wed) 22時半頃
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[大体の位置を頭に入れて振り返ると、 敷地の中には幾人かの姿が見えた。 招待状が私にまで届くぐらいなのだから きっと同様のお客さんは多いのだろうと思っていたが 意外に疎ら。10人そこそこ…否、7、8人? 顔を見ることができたのはそのうちの極一握りだ。]
………あら?
[現時点で数少ない来場客の中に、 見知った人の顔を見つけて思わず声を上げた。 会釈をすれば会釈を返してくれて>>65 人違いでないことに安堵する。]
店長さんじゃないです? 店長さんも………るくあさんの招待でここに?
(89) 2023/11/15(Wed) 22時半頃
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[卯坂庵は、るくあがよく 保健室に顔を出してくれていた頃に、 お気に入りのお店だとして教えて貰った喫茶店だ。 帰り道などに、先生も是非、なんて言われて、 私も何度か足を運ばせて頂いていた。 珈琲や紅茶の味には恥ずかしながら疎いのだが 美味しいでしょ?とるくあに覗き込まれると うん、と頷いて微笑みたくなるような 柔らかな美味しさだったことを覚えている。
るくあの死の報が齎されてからは、 何となく足が遠のいてしまっていたが――]
(90) 2023/11/15(Wed) 22時半頃
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[在る筈のないるくあの名前が招待状に在ったこと。 見たところそう多くもない招待客の中に 我々が含まれたことに何の関連性があるのか。 この人はどう考えているのだろう。
しかし、 るくあの名を久しぶりに口に出したものの、 故人である彼女の話題を持ち出しあぐねて。 どこに向かう所だったのかと何となし見れば 店長さんの背後には大規模なジェットコースターの姿が在って。]
えっ…… あっ、れに乗っちゃうんですの?
[何度か言葉を交わした程度の間柄でしかないが 彼に対しては、声色に表情、お店で作り上げる メニューに至るまで、柔和な印象しかないというのに。 印象とかけ離れたチョイスに驚きを隠せずに問う。]
(91) 2023/11/15(Wed) 22時半頃
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じぇっとこーすたー、というものですね。 大変なスピードが出る乗り物なのでしょ? 頑張って、というのも変かもしれませんが、
……ご武運をお祈りします。
[乗りたくて乗りに行くかのような足取り。 余程楽しい乗り物なのだろう。 水を差さないようにとるくあのことは後にして 応援だけ送り、見送った。*]
(92) 2023/11/15(Wed) 22時半頃
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……はぁ、びっくりしました。 遊園地は人をアグレッシブにさせるのかしら。 ……遊園地上級者との高い壁が……
[胸に手を当てて息を吐く。 人の少ないうちに貸衣装スタジオあたりで 宇宙人の扮装でもしよう、そう思って 賑やかな地帯から離れようとしていたのだが]
[―― 不意に、音楽が聞こえなくなった。>>#5 メイン通りから離れたからではないことは直ぐに解った。 空中に浮かび上がるホログラムが形作るのは、
生前の姿そのままの、煙崎るくあだった。*]
(93) 2023/11/15(Wed) 22時半頃
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■回想:偽りの彼氏彼女【坂理 柊】
彼との”交際”は案外長いものとなった。 「つきあおうか?」何かの会話のついでみたいに、 零された言葉。
彼の瞳が映し出すものが愛しい相手ではないことに、 私は気づく。 そして、まぎれもなくその事実に満足した。 坂理くんほど引っ切り無しではないにせよ、 何度か告白の類を受けることはあった。 中学時代に純朴な少年に告白をされて 短い期間つきあったこともあるが、 私はその少年に見合う感情を返すことができなかった。
(94) 2023/11/15(Wed) 22時半頃
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それ以降、いわゆる恋人同士の関係になることはなく、 そうなるつもりもなかったのだ。 「私には”キラ様”がいるもの」 問われることがあれば、至極当然というように答えて。
「 坂理くんのこと、先輩って呼ぶのはシャクだな。 それに、帰宅部だしね 」
これまで通り、坂理君と呼ばせてもらうね。 そういって、また可笑しそうに笑い合った。 私がいることで、絨毯爆撃みたいな怒涛の告白を 逃れることができて、彼は気楽でいれたように見える。 どうだろう? 彼の本心を、結局最期まで聞くこともなく 知らないままだったから。
(95) 2023/11/15(Wed) 22時半頃
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お揃いの熊のマスコットを揺らして、 色違いのタンブラーを誕生日に贈り合って、 和風喫茶でほうじ茶を飲んで、 理想のカップルを体現したようなお似合いの私たち。
心地よい嘘に包まれて、 踏み込まずに深入りせずに 聞き心地のいい言葉を伝え合う。 穏やかな、偽りの日々。
彼も、同じように心の底から 満足しているのだと思っていた。 だから、最後に会ったその日まで淡い微笑みを向ける。
(96) 2023/11/15(Wed) 22時半頃
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「 私たち、本当にお揃いね 」 **
(97) 2023/11/15(Wed) 22時半頃
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―現在―
モナリザ>>@0からの案内を受け、携帯端末は使えない事を把握する。 代わりに「アポロ」と呼ばれる端末を受け取る。
「アプリって一つ一つサービスごとに入れてくのうっとうしいから、 それはいいんだけど…」
こんな最果てのような孤島で、夜には一丁前にパレードがあるというのもなかなかのものだ。 見たところ、そんなに従業員もいなさそうなのだが…
「あるいは全部自動化されてるってことなのかしらね…」
(98) 2023/11/15(Wed) 22時半頃
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軽やかで楽し気な音楽は流れているけれど、あまり客の姿は見えず、従業員もやはり見えない。 ただ広い敷地の中に、ぽつんと人が点々としている。 こうなると、一人で来た身、なかなか楽しみようもない。 この歳だと、楽しめるアトラクションも限られている。 少なくともジェットコースターに一人で乗るというのは…
「…こういうところなら、まあ。」
入ったのはプラネタリウム。「銀の館」と書かれた場所に入ってみると、 映画館のように腰かけて鑑賞するのとは少し違うようだけれど、回廊型の施設の中で 周天の星空を楽しめるようだった。 これなら、まあ一人でも楽しめる。 外の人影はごくまばらで、この中にも僅か。
(99) 2023/11/15(Wed) 22時半頃
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「こんにちは。…あなたも招待を?」
話しかけたのは、同じくプラネタリウムで星空を見つめる青年。 歳は一回り下のようだったから、男性と言えど、普段相手にしている生徒に近い年頃の分、話しかけやすかったのかもしれない。
ともかく、一人でいると自分がどうしてここに呼ばれたのか、そればかり気にしてしまいそうだったから。人と話したかった、というのが正直なところだった*
(100) 2023/11/15(Wed) 22時半頃
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「銀の館――は屋内プラネタリウムか。 涼しそうだけど、暗いし動画映えはしないなァ。 いっそ並ばなくていいならジェットコースター 乗っちゃう? イっちゃう?
……いや、髪吹っ飛んだらヤバイ。」
近未来的なチューブの中を、ほたほたと当途なく歩く。半透明の色硝子越しに見る世界、陽射しは半分ほどに遮られ、チューブ内はひんやりと心地良い温度に保たれていた。多くはない招待客のために園内の空調もフル稼働なんて、贅沢なことだ。
「生配信中だったら、 どのアトラクションに行くか コメントでアンケート取れるのに。」
曲がりくねり分岐する通路を、カメラ片手にマップも見ず足の向くまま。
(101) 2023/11/15(Wed) 23時頃
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彼女と過ごした日々は。 陽だまりの中で見た夢のようだった。
同じ物がたまたま二つあったから。 それだけの理由で購入したマスコットは少し不格好で。 揃いのタンブラーは、君が好きな色かもわからない。 しかし、ほうじ茶を傾けて語らう時間は、 …… それでも、温かかったのだと思う。
穏やかな時間の流れに身を委ねて 確かなものを何一つ掴むことのできない。 ぬくもりの中で、ただまどろむような記憶。
(102) 2023/11/15(Wed) 23時頃
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部活を用いて上下関係を示すのに失敗した俺は、 結局のところ、何にもなれなかったのだろう。 俺達の距離は、交わることのない平行線だった。
最後まで「煙崎さん」と「坂理くん」のまま。
「 ああ、そうだね。 」
どんなに近くても、重なることはない。 彼女の言葉に鏡合わせのように静かに微笑んで、>>97 知って知らずか、煙崎るくあとの別れを終える。
(103) 2023/11/15(Wed) 23時頃
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そうして迎えたのが、現実なのか夢の続きなのか それすらもわからないままに。*
(104) 2023/11/15(Wed) 23時頃
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[目の前の女の子は、驚くほどすんなり返答してくれて。>>86 続く言葉の内容もほぼ自分と同じ状況だったので、少し表情が和らいだ。]
あ、ビンゴだ。 るくあちゃんのお友達なのかなと思って。僕は1人だよ。 他にだーれも見かけないから、どうしたもんかなと思ってた。
[少女と話している真っ最中だったか。 突然、園内の音楽が消えると同時に、巨大ホログラムが空に浮かぶ。>>#5 目の前の彼女の背後に浮かぶ煙崎るくあの顔を見て、”え!?何!?”と、思わず声をあげた。]
(105) 2023/11/15(Wed) 23時半頃
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「 ええ、こんにちは。 招待というと …… 」
瞬きに、包まれて。 背中にかかる声は女性のものだったから。>>100 振り向く時、無礼を承知で若干警戒をした。 道を歩いているだけで、 見知らぬ他人に連絡先を求められることもあったから。
しかしその心配も杞憂に終わっただろう。 年齢が一回り年上に見えたからではない。 もっと歳を重ねた相手からの告白を受けたこともある。
なんのことはない。 招待、と口にする女性の唇が、 穏やかな線を描いてるように見えたから。
(106) 2023/11/15(Wed) 23時半頃
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「 …… ええ、煙崎さんから。 高校が同じだったんです。 」
それだけだった。自分たちを示すのは。 恋人同士という偽りを除けば クラスメイトでなければ学年も違う。 友人というにも首を傾げる。
「あなたは?」と。 そんな頼りない関係を濁すように、 目の前の人に対して言葉を向けた。**
(107) 2023/11/15(Wed) 23時半頃
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[るくあのホログラムが紡ぐ言葉はホラーめいているが>>82、顔も音声も、まるで生前のるくあそのものだった。どこかから配信でもしているのでは、と思えたが、そんな筈もない。 何せ彼女は───数か月前に亡くなっているのだから。
るくあが最後まで話し終えると、ホログラムはパッと消えてしまい、先刻までと同じ遊園地の軽やかな音楽が流れ始めた。
少し呆然として、目の前の少女と顔を見合わせただろうか。]
………何? 今の………
(108) 2023/11/15(Wed) 23時半頃
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[歌舞伎で怪談劇を演ったこともあるが。 今見たそれは、演劇やそれに準ずる娯楽と同列に語ってはいけないものという気がした。この遊園地の季節イベントというわけでもないだろう。多分。 実際に死んだ少女が、関わっているのだ。 と言う事は、ホログラムの彼女が語った内容は──。]
殺された、って言ってた? それに……
[ ”犯人が死んだら出してあげる” ”この意味、分かるわよね” ]
(109) 2023/11/15(Wed) 23時半頃
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───つまり……犯人を探せとでも言いたいわけ?
えぇ……?そういうコト……?
[帰れないって何?勘弁してよぉ……とか何とかひとしきり素のまま呟いて、最後に、思い出したように付け足した。]
あぁ、ええっと……僕は綺羅(キラ)。 ちょっとさ、一緒に状況整理しよ?
[そう言って、その辺にある椅子を彼女にすすめた。]*
(110) 2023/11/15(Wed) 23時半頃
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── ジェットコースターに乗る前 ──
おや、密星さん。こんにちは。
[ 密星から声を掛けられると、>>89 卯木はふわりと微笑みながら会釈した。
彼女とは、煙崎るくあと一緒に 兎坂庵に来店されたときが初対面で、>>90 もし彼女が珈琲や紅茶に 慣れていないという話を聞いたならば、 緑茶やほうじ茶もお出しできると 提案したこともあったかもしれないけれど。
煙崎るくあの死からは顔を見ていなかった気がして どこか久しぶりに顔を見られたことに 卯木は安堵の気持ちで小さく息を吐いた。 ]
(111) 2023/11/16(Thu) 00時頃
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ええ、そうです。 私も煙崎さんから招待状を受け取りまして。
[ どうやら密星も招待を受けたらしく、>>89 この不可解な状況について どう話したものかと卯木も思案し、 いっそのこと直球で、
「死者からの招待状を受け取る 心当たりはありますか?」
と尋ねようかと思っていたら。 ]
ああ、はい。楽しそうではないですか?
[ ジェットコースターに乗る旨を告げると 驚きなのか困惑なのか 判断しかねる反応を返された。>>91>>92 ]
(112) 2023/11/16(Thu) 00時頃
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はい、では行ってきますね。
[ ご武運を祈られるということは、 密星が一緒に乗るということもないだろうと、 卯木は柔和な笑みを浮かべたまま アトラクションへと足を進めた。
ジェットコースターに話が逸れて、 この島に呼ばれたことについて つい話しそびれてしまったが、 きっとまた話す機会もあるだろうと このときの卯木は簡単に思っていた。 ]
(113) 2023/11/16(Thu) 00時頃
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[ それにしても、密星はジェットコースターの存在を 初めて知ったような口ぶりだった。>>92
兎坂庵で話した時も、 どこか浮世離れした印象があったが、 実は箱入り娘なのだろうかと思いつつ、 足を進めるとジェットコースターはもう目の前に。 ]*
(114) 2023/11/16(Thu) 00時頃
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── ジェットコースター ──
[ はたして、卯木と一緒にジェットコースターに 乗った者はいただろうか。
何はともあれ、卯木が座席に座って VRゴーグルを装着すると、 デフォルメされたキャラクターが このアトラクションについて説明してきた。
内容はサポートロボットと重複していたが、>>66 どうやら、このジェットコースターに乗った人は、 宇宙船に乗り別の星まで移動するツアーに参加した という設定らしい。 ]
(115) 2023/11/16(Thu) 00時頃
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[ それにしても、このVRのキャラクターは うっすらと見覚えがある気がしないでもないが 煙崎るくあに所縁のあるキャラクターなのだろうか。
などと卯木が思っていると、 車体がゆっくりと前進を始めたようで、 慣性の法則で体が僅かに後方に傾いた。
コースターが動き出すと、 VRに映し出された宇宙船の船窓の景色も だんだんと移り変わり、 VRのキャラクターが添乗員のように、 「あそこに見えるのは木星で〜」などと 案内し始めた。
圧倒的な映像美に、本当に平和な宇宙旅行を 楽しんでいる気分になったところで── ]
(116) 2023/11/16(Thu) 00時頃
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うわっ?!
[ そこはやはりジェットコースター。 平穏な走行は案の定すぐに終わりを迎え、 いつの間に車体がレールの頂上まで登っていたのか 急にコースターが坂道を急降下していく。
VRの説明では、どうやらアウトローな宇宙人に 宇宙船を攻撃された、という設定らしい。
それから、コースターは急上昇と急降下、 急回転を繰り返し、 VRの景色は敵の宇宙人から逃れるために、 宇宙船が縦横無尽に駆け巡っているようで、 船窓の外の世界は、 まるで大量の流れ星が流れているように 星の光が前から後ろへとヒュンっと流れていく。 ]
(117) 2023/11/16(Thu) 00時頃
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[ VRの景色をじっくり眺めていると 人によっては酔うかもしれないな、と 卯木が思っていると、コースターのスピードは だんだんとゆっくりになっていく。
どうやら、そろそろゴールのようで、 VRの中でも、無事に敵の宇宙人を撃破でき、 なんとか目的地まで到着したようだ。
最終的にたどり着いた場所は、 綺麗な花々が溢れた泉のような水辺で、 太陽の光が燦燦と降り注ぐ美しい星だった。
というストーリーを最後まで聞き終えたら、 いよいよ車体は徐行から停止に動きを変えた。 ]
(118) 2023/11/16(Thu) 00時頃
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[ なかなか楽しいアトラクションではあったけれど、 個人的にはジェットコースターよりも、 じっくりと宇宙の景色を眺める方が もっと楽しめたかもしれない。
などと卯木は思いながらも、 別のアトラクションはどんな感じなのだろうかと このテーマパークに興味が湧き始めていたが── ]*
(119) 2023/11/16(Thu) 00時頃
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── 煙崎るくあの登場 ──
[ それはどのタイミングだったか。 テーマパーク内の音楽が突如途絶え、 煙崎るくあのホログラムが現れたかと思ったら、>>#5 自身が殺された旨や、>>82>>84 この島に閉じ込められた旨を話し始めた。>>83
この場所に来てから 一度もスマホを見ていなかった卯木は、 このとき、初めて圏外の文字を確認した。 ]
(120) 2023/11/16(Thu) 00時頃
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それはつまり、招待客の中から犯人を捜して、 僕たちが殺せってことかな? 君を殺した誰か以外の人間に殺人者になれと?
[ 険のある口調から放たれた言葉に>>85 卯木の言動は、いつの間にか 喫茶店の店主が常連客に対してするものから、 30代の青年が女子学生の無茶ぶりを 窘めるようなものへと変化する。
実際のところは、 殺人犯がその他の招待客のために自殺したり、 招待主が殺人犯を殺して、 招待客は無罪放免ということも あり得るかもしれないが、 無実の人間に殺人犯になれという話なら、 さすがに理不尽な要求だと卯木には思えた。 ]
(121) 2023/11/16(Thu) 00時頃
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[ おそらく卯木の問いかけに答えることなく 煙崎るくあの姿は消え、 何事もなかったかのように、 静寂なテーマパーク内に音が戻る。>>#8 ]
さすがにこの状況で遊ぶのは控えたいかな。
[ 遊べという提案か皮肉か不明なものは>>85 丁重にお断りすることにして、 とりあえずは、密星や他の招待客を捜して 今後の方針を決めた方がいいかもしれないと、 卯木は園内を歩き回ることにした。 ]*
(122) 2023/11/16(Thu) 00時頃
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「こんにちは。」
声を返してくれた青年は、歳自体は確かに自分より一回りは下と見えた。 青年というよりは、少年でもまだ通るかもしれない。 煙崎さんとおおむね同年代というところだろうか。彼女が生きていれば…だけど。 それと、実際顔を見て、おお、と思わず感心してしまうくらいには、彼は顔が良かった。 顔だけなら実際婚約者より大分上だろう。
まあでも、もちろん男の価値は顔だけで決まるものではないんだけれど。 ただ、落ち着いて話ができそうな雰囲気であるのは好ましかった。
(123) 2023/11/16(Thu) 00時頃
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「そう…やっぱり…煙崎さんからの招待で来たんだ。 彼女の高校の頃のお友達…? それなら、他の人達もそういう事…煙崎さんの知り合いになるのかしらね。」
まず、気がかりは一つ解決したらしい。 友達と言っているけれど、あるいは元彼氏?まあそこはどちらでもいいか… と自分だけで納得していると、逆に彼に>>107問い返された。 至極もっともな疑問だ。
「ああ、ごめんなさい。 私は…彼女の中学の頃の担任。菊水 三紗(きくすい みさ)。 もっとも、先生だったのはもう前の話だけどね。 彼女にも、ずっと会ってなかったし。」
(124) 2023/11/16(Thu) 00時頃
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そこまで口にしたのは、やっぱり私自身、この招待に合点がいっていなかったから。 彼もそうだろうか。だから、私は次にこう続けた。
「あなた、煙崎さんと高校は一緒だったのよね。 …一つ聞きたいのだけど。
彼女が死んだっていうのは、本当?」**
(125) 2023/11/16(Thu) 00時頃
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[るくあちゃんの友達>>105というのには、小さく頷いて。
そうして話をしていると、突然、園内の音楽が途絶えて、 目の前の男性が驚いた様な声を上げる。 その視線が私の背後を見上げる様に、ズレた様に感じたので、振り返って見上げると、 そこには、るくあちゃんの姿が浮かび上がっていて。>>#5]
――……るくあちゃん?
[そのホログラムの唇から、紡がれる言葉を聞いて。]
えっ。 ……犯人?
[るくあちゃんの言葉を、状況を、飲み込めないまま、ホログラムはふっと消えて。 少しの間の後に、音楽が再び流れ始めるのを耳にした。]
(126) 2023/11/16(Thu) 00時頃
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[目の前の男性に視線を戻すと、彼も呆然としている様で、顔を見合わせて>>108。 問いの言葉>>109>>110には、小さく頷いた。]
犯人を探して……殺せ、っていう事でしょうか。 犯人が死なないと出られない、って言うなら。 犯人が、自死しない限りは……。
[彼が小さく呟いた言葉は、口調が女性の様だったので、 私には彼が男性に見えたけれど、女性だったのかな?なんて内心で思って、小さく首を傾げつつ。]
……綺羅さん。 私は、海透 雛子っていいます。
……はい。失礼します。
[状況整理しよ?というのに小さく頷いて、すすめられた椅子に座った。]
(127) 2023/11/16(Thu) 00時半頃
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[給仕ロボットに紙とペンある?と告げると、どこからかアンケート用の小さな鉛筆と白いメモ帳を持ってきたので、礼を言って受け取る。 スマホのメモ機能は生きているから、それを使っても良かったのだが、最悪、何日か閉じ込められる覚悟が必要かもしれない、と考え。なるべくスマホの電池を消耗しない方向にした。
彼女──雛子ちゃん──と話した内容を軽くまとめていく。]
・招待状>>#1を受け取った時期、内容は同じ。 ・指定された船で来た。同船者は居ない。 ・煙崎るくあとの関係
[ここまで書いて、鉛筆を持つ指先が遊び始めた。さて、るくあと自分の関係はどう説明したらいいものだろうか…。]
雛子ちゃんはるくあちゃんと幼馴染なんだ。 じゃあずっと仲良しだったの?
[まるで警察の聞き取りみたいだな、と少し苦笑しつつ。 ここで嘘をつくわけにも行かないか、と、椅子の背もたれに寄り掛かって、自分の話もした。]
(128) 2023/11/16(Thu) 01時頃
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──僕は、るくあちゃんと友達とかではないんだけど……、 演劇みたいなものをやっていて、彼女は熱心なお客さんだったから。少しだけ、交流があった、程度かな。
[大雑把だが嘘ではない内容だ。
るくあとは、実は一度だけプライベートで会った事がある。とは言え男女の仲だったわけではないが。歌舞伎座の新鋭スターとしては、あまり広めたくないエピソードではあった。ファンの女の子と密会だとか、余計な尾ひれが着いて噂になる事は避けたい。
目の前の女子高生をジッと見つめて、手を頭の後ろで組んだ。 まかり間違ってもこの大人しそうな女の子が、煙崎るくあを殺した犯人だなんて事はないんじゃないか?と思えた……。]
雛子ちゃんが犯人………、なんてさすがにないよねえぇ。
[勿論僕だってないない、と首を振りつつ。 仕草がややオーバー気味になるのは演者であるが所以だった。]
そうだな。他にも招待客いるみたいだし、探してみよっか。
(129) 2023/11/16(Thu) 01時頃
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もしかしたらここに殺人犯がいるなんておっそろしいけど。 ま、2人で行動してたらそれなりに安全でしょ。
[そう言ってウインクすると、黒烏龍茶の残りを飲み干して、立ち上がった。]**
(130) 2023/11/16(Thu) 01時頃
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「屋内のアトラクションで、 あまり動きが激しくなさそうなの……
あっ、これに決めた!」
月面基地を襲う宇宙人を撃退する、という主旨のサバゲーとFPSが融合したようなアトラクションだ。右手に版権の怪しそうなビームセイバー、左手にはレーザーガン。視点配信にはもってこいだろう。 ウキウキと目的地に向かう途中で、正八面体にチューブがブッ刺さったような休憩スペースに出た。箒星のベンチに、曲線のフォルムの自動販売機と、園内限定カプセルトイ。その筐体に吸い寄せられ、しゃがみ込む。
「えっ!? かっ……かゎ……可愛過ぎない!!!!?」
惑星をモチーフにしたアクセサリやぬいぐるみ、音頭を踊る宇宙飛行士のキーホルダーや、マグカップにぶら下がる宇宙人たち。あまりのキュートさに震えが走った。
『銀河ギャル キャンディ、 キャワヮな仲間たちを保護するために 回しまぁっす! シークレットまでコンプでっきるっかなっ♪』
カメラに向けてアピールしてから、『アポロ』をカードリーダーにセットする。カラコンで色違いの双眸を輝かせ、一心不乱にガチャガチャ。ガチャガチャ。ガチャガチャ。
(131) 2023/11/16(Thu) 01時半頃
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頭のてっぺんから爪先まで、新しいアクセサリを着ける隙間もないほど飾り立てても、まだ可愛いが足りない。そうして、三つ目のカプセルが転がり落ちたところで、ベンチに囲まれた空間の中心に、突如女性の顔が顕れた。
「…………る くあ?」
食い入るように凝視する。どこかぎこちなく無機質な、ホログラムの虚像。それでも、よく知る煙崎るくあの生き写しの姿で、誰彼なく語りかけてくる。
彼女はとうに彼岸の住人のはずだ。だからこれは、彼女でない誰かが仕組んだ情無い戯言に過ぎない。理性はそう一蹴するのに、身体は反してホログラムの前に跪いた。神託を授かる信徒の敬虔さで、一言一句漏らすまいと、るくあ擬きのことばを聞き届ける。どこかうっとりと、懐かしみ慈しむように。
(132) 2023/11/16(Thu) 01時半頃
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「それが、キミの望みなの?」
死者は語らない。 騙るのは生者だ。
それはるくあ本人への冒涜か悲願か。 今の自分に知る術はない。
(133) 2023/11/16(Thu) 01時半頃
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「るくあ、ボクの大事な大事な、――――。
キミはボクを犯人と疑って招待したってこと? それは酷いな、だってボクはキミを 。キミと 。
……………………。
…………。
それとも、ボクを頼ってくれたのかな。
分かったよ。」
彼女の遺言――むしろ糾弾の声音を、頭の中で何度も反芻しながら。艶やかな唇に刻んだ酷薄な笑みとともに、ゆらり立ち上がる。未開封のカプセルが、カツンと床を叩いた。
さぁ、他の招待客とやらを、探しに*行こう。*
(134) 2023/11/16(Thu) 01時半頃
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[給仕ロボットが持ってきたメモ帳に、話した内容が書き込まれていくのを見つめて。 問われた言葉>>128には。]
……いえ。もう大分、会ってなくて。
[最後に会ったのはいつだったっけ、なんて思いながら、 綺羅さんの話>>129に耳を傾けて。]
――……そうだったんですね。
[彼?彼女?は演劇をやっていて、るくあちゃんはそのファンだったらしいと知ると、小さく頷く。
じっと見つめられると、ぱちりと瞬いて、 雛子が犯人、なんてない、と言うのには小さく頷いたけれど。] ……それは、そうですけど。
[僕もない、と首を振るのと、 他の招待客を探してみようというのにも頷いて。]
(135) 2023/11/16(Thu) 01時半頃
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殺人犯がいるとして、 その人が危険、というのはそうだと思いますけど。
……殺人犯だと疑われても、 ……もしかしたら、危険、って事ですよね。 どうしても、外に出たい誰かに攻撃されるかもしれない。 るくあちゃんを殺した犯人見つけて、 復讐したい、とか思う人も居るかもしれない。
犯人に、殺人犯に仕立て上げられる可能性も。 ……疑いあった末に、全滅、なんて事も?
[もしくは、こういう状況になった時、人がどう行動するかを観察する実験だったりして。 なんて、小さく呟いて。
緩く瞼を閉じて、小さく息を吐いた後。 瞼を開けると、ウインクする仕草が目に入って。 眉を下げて、少し困った様に、小さく笑んだ。**]
……綺羅さんは、ここから出たいですか?
(136) 2023/11/16(Thu) 01時半頃
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[ 「宙太兄さんに俺の気持ちが分かるわけない!」
従弟の口から零れ出た心からの鋭利な悲鳴に 僕は返す言葉を持ち合わせてなどいなかった。 ]
(137) 2023/11/16(Thu) 02時頃
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── 卯木さんちの家族の話 ──
[ 卯木が祖父母と暮らすことになったのは、 中学1年生のときのこと。 両親が海外へ転勤することとなり、 日本に残りたかった卯木は 祖父母のもとで養われることになったのだった。
両親からは十分すぎる養育費が 送られてきていたし、 祖父母と卯木を合わせた三人暮らしは うまく回っていたと卯木は思う。
その生活に変化が生まれたのは、 叔父夫婦が従弟を家に残したまま どこかに失踪したのが始まりだった。 ]
(138) 2023/11/16(Thu) 02時頃
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[ 元々しっかり者で人望の厚かった卯木の父と その弟で奔放な性格でたびたび問題を起こす叔父。
まだうら若い女性と結婚して子供もできて すっかり落ち着いたかと思われた叔父は、 もうこの生活に飽きたという書置きを残して どこかに消えたとのこと。
突然夫に失踪された叔母も 心が折れてしまったのか、 叔父がいなくなってしばらくすると 従弟には何も告げずにどこかに行ってしまったらしい。 ]
(139) 2023/11/16(Thu) 02時頃
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[ それから紆余曲折はあったものの 最終的に従弟は祖父母と暮らすこととなった。 初めは卯木と従弟はうまくいっていた。
その境遇からか、自己肯定感の低く 引っ込み思案になった従弟だったが、 一回り以上年が離れていては 存在が可愛いからと卯木はひたすら甘やかし、 好みの駄菓子をしょっちゅう買い与えては、>>17 祖父母から叱られる日々だった。
けれど、そんな穏やかな日々は 従弟が成長するとともに どこか不穏なものへとと変わっていった。 ]
(140) 2023/11/16(Thu) 02時頃
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[ それは心無い近所の人の噂話がきっかけだった。
「あの子は弟の息子だから、 宙太くんと違って出来が悪いのかしらね」
従弟の出来など知りもしないくせに 勝手な陰口をばら撒く悪意ある人物に、 卯木も祖父母も抗議して、 「実際はいい子なんだから あんな話を本気にしてはいけない」と 従弟を宥めたものだけれど。
従弟の心には、 特に卯木の言葉は響かなかったようだ。 ]
(141) 2023/11/16(Thu) 02時頃
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[ 現実ががどうかはともかくとして、 従弟からすれば、 卯木は完璧超人のようなものに見えていたらしい。
実際に卯木は勉学や運動、人付き合いで これまで苦労した経験が少なく、 悩みに共感して寄り添うということができなかった。
卯木なりに心を砕いて 従弟の話を聞いていたつもりでも、 従弟からすれば、卯木と話せば話すほど、 「卯木にできて従弟にできないこと」に対する コンプレックスが溜まる一方だったのだ。 ]
(142) 2023/11/16(Thu) 02時頃
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[ それが爆発して、 従弟から飛び出したのがあの台詞である。
それは従弟が登校する直前のことで、 どう言葉を掛けていいか卯木が迷っている間に、 従弟は家を飛び出してしまった。
それから数時間後に起きたのが、 歩道橋からの転落事故である。>>16 従弟とは和解することができないまま 二度と言葉を交わせない間柄となった。 ]
(143) 2023/11/16(Thu) 02時頃
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[ また、従弟の事故が起こってから 祖父母はすっかり気落ちして、 兎坂庵のことは全て卯木に任せて 老人ホームで静かに暮らしたいと申し出たため、 卯木はそれを受け入れる形となった。
こうして、卯木さんちの家族はバラバラとなり、 卯木は今は一人暮らしをしながら、 たまに祖父母に顔を見せる日々が続いている。 ]
(144) 2023/11/16(Thu) 02時頃
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[ もし自分が彼の理解者でいられたならば、 どれだけよかっただろう。>>60 そもそも、両親の海外転勤に 自分が付いて行ってたならば、 従弟はここまで苦しむことはなかったのではないか。
あの事故の日から、 そんな思いがずっと 卯木の心の中で燻り続けている。 ]**
(145) 2023/11/16(Thu) 02時頃
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──園内・カフェ近く──
[カフェを出て歩きつつ、ここから出たいか?という問い>>136には、肩を竦めた。]
そりゃね……こんなとこに閉じ込められちゃ困るし。
[しかし実際、どこまでが本当なのだろうか。煙崎るくあを殺した犯人捜し、とは。 雛子の言う”こういう状況になった時、人がどう行動するかを観察する実験”だと聞かされた方が素直に頷けるというものだ。それにしたって、自分が被検体として付き合わされる謂れもないのだが。]
今日は完全オフだけど、明日帰れないとマズいんだよねぇ。 ああ……、僕、歌舞伎役者なんだけど。
[どうやら雛子はキラの事を全く知らないようなので、逆に気を許して、話してしまう。女形をやってる事や、結構な頻度で観に来てくれていた煙崎るくあの事……。そこまで話して、少し考え込むように遠くを見た。]
……それにしても、るくあちゃん。殺されたなんてね……
[この悪趣味な招待の目的が犯人捜しであれ、何かの実験であれ、おそらく、煙崎るくあが殺されたという部分だけは事実なのだろうと、なんとなく感じ取って。]
(146) 2023/11/16(Thu) 02時半頃
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雛子ちゃんは? そんなこと聞くって事は、此処からあんまり出たくなかったりするの?
[女子高生くらいの年齢なら、家に帰りたくない事情なんかがあってもおかしくないかな、と考えつつ。 気が付くとサバゲーのアトラクションの前に辿り着いていた。 入り口なのか出口なのか分からない宇宙船の通路のような場所に、随分とド派手な女性の姿を見つける。>>134]
おっ、他の招待客じゃない?あれ。
………って、
(147) 2023/11/16(Thu) 02時半頃
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銀河ギャルのキャンディ……!?
[銀河ギャルのキャンディは、キャンディ🌟チャンネルという人気動画チャンネルの配信者だ。 『キランディみたいな名前の女の子が配信してて、最近人気みたいですよ!』と付き人の麗に教えられて、何気なく観たのが最初だった。 歌舞伎をやっているキラからすれば、そのド派手な見た目は表現者として好ましく映り、軽快な喋り方も気に入って、オフの日には時折チャンネルを流していた。]
……招待客……?まさか配信してんのかしら……いやまさかねぇ…
[気が緩みすぎて女言葉を出しつつ、サバゲーアトラクションから出て歩く彼女の様子を観察した。]**
(148) 2023/11/16(Thu) 02時半頃
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──回想・とある日の図書喫茶──
[キラには気に入っている図書喫茶があった。都内から少し外れたところにある、木漏れ日に包まれた小さなブックカフェ。オフの日には、少なくない頻度で通っていた。 とりわけ中二階にある、仄暗い一人掛けソファの席が気に入っていて。
ある日、棚の端にあるシーシャ関連の本を取ろうとして、同じ本を取ろうとする女性の手が触れた。手の主は、咄嗟に引っ込めて、こちらを見た数秒後に、小さく「あっ……!!」と驚愕の声を漏らす。 目が合ったその女性は、煙崎るくあだった。
その時のキラはサングラスをしていたし、地毛だったが──(実は紫の髪が地毛で、テレビ出演などの際は黒髪のウィッグを付けている)──、彼の大ファンである煙崎るくあは瞬時にして分かってしまったらしい。キラはキラで、彼女の顔も認識してしまっていたので。]
……るくあちゃん?びっくりしたー。 こんにちは。
(149) 2023/11/16(Thu) 03時半頃
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[何となく普通に挨拶をするが、推しのプライベートに遭遇してしまった煙崎るくあの心境はちょっと想像もつかなかった。 「シーシャに興味あるの?」と聞いてみるが、どうやら、キラが舞台でよく煙管を揺らしているので、水たばこなら高校生でも吸えるかも、と考え付いたらしい。]
あはは、シーシャの煙管はちょっと特殊な形かな〜。それに一応タバコではあるから、未成年は吸っちゃだめだよ。
[一緒に手を伸ばした本を開いて、説明をした。熱心に聞いている煙崎るくあを見て、つい、「この近くのアンティークショップに、僕が舞台で使ってる煙管と似たものがあるよ」なんて教えてしまうのは、ファンサと言えるのだろうか?
ともかく、煙崎るくあと、そのまま少しお茶をして、アンティークショップまで一緒に行った。「返事はあんまり期待しないでね」と言いながらLINEまで教えてしまったのは、さすがに麗に知られたら怒られるだろう。もっとも、キラのLINEに登録されているファンの女の子は煙崎るくあだけでもなかった。さりとてファンの子を食うわけではなく、単に人懐っこい性格なのだ。]
(150) 2023/11/16(Thu) 03時半頃
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[その一回で煙崎るくあと特別親しくなったわけでもないのだが、火の無いところに煙は、とも言うのだし、麗にも誰にもその一件の事は話さずに居た───そして、あの訃報。]
……特別、個人的な関係でなくたって、 自分のことを熱心に見ていてくれた人がこの世から居なくなるのは、悲しいことだねぇ……。
[プライベートでは、普通の煙草しか吸わないのだが。
その日の夜は、何となく。手持ちの煙管に、丁寧に刻み煙草を入れて、窓の外の月を視ながら、いつまでも煙を燻らせていた───。]**
(151) 2023/11/16(Thu) 03時半頃
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お友達、に首肯するのが無難だっただろう。 それでも、曖昧な笑顔で濁したまま。>>124
「 先生ですか ……。 」
不意に自身の初恋が幼稚園の先生だったと思いだす。 世の中というのは案外平等で、 想いを寄せてくれる彼女たちと同様に 俺の淡い想いも当然届かなかったけど。
「 俺は坂理と言います。 …… なら菊水先生は、中学時代の煙崎さんを ご存知なんですね。 」
(152) 2023/11/16(Thu) 09時頃
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既に教職は辞しているようだが、 何となく敬称をつけたままに。 俺の知らない彼女を少しだけ想像してみた。 そのまま話は、故人の生前の姿へ及ぶかと思われたが。
「 …… 死んだと思いますよ。そう連絡が来ました。 もし彼女が今も生きているのなら。 一介の高校生に死を偽る理由があることになる。
それは流石に、非現実的でしょう? 」
空気が重くならないよう、意識して言葉を返す。 裏を返せばそれくらいしか根拠がないわけだが。>>125
(153) 2023/11/16(Thu) 09時頃
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煙崎るくあの訃報を受けて。 一度だけスマホを通して連絡した。 その頃には俺達は大学生と高校生で。 放課後デートの頻度も減っていたかもしれない。
『煙崎さん。死んだって本当?』
温度の感じられない無機質な一文。 未読のままだったか、既読が付いたかはさておいて。 返信はおそらくなかったはず。
(154) 2023/11/16(Thu) 09時頃
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「 菊水先生には、あるんですか? 彼女が死んだことに疑問を抱く理由。 」
煙崎るくあと俺の間に愛情はない。 だから彼女を失った彼氏として。 慟哭を響かせることはできなかった。 ただ、かつて関わりのあった者として静かに偲んだ。
そんな彼女の死にそっと触れた頃だろうか。 ホログラムが園内を覆ったのは。>>#5**
(155) 2023/11/16(Thu) 09時頃
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『Moon Wars』と掲げられたアトラクションの入口で撮影機材をチェックしていたら、ふと人の気配を感じた。事情があって、他者の視線には敏感だ。 エクステで増量した睫毛をしばたたく。最初に目を惹いたのは、和柄のシャツを着た長身の男(?)で、その後から学生の年頃に見える女の二人連れ(>>148)。
「ふぅん、あれがるくあを殺したかも知れない奴等? 全部で何人くらい招待されてるんだろう。」
招待状が、中学生の自分宛だったことから察するに、容疑者として集められたのは生前煙崎るくあとそれなりに接点、交流があった者たちだろう。答え合わせをするように、把握している限りのるくあの周囲の人の顔を思い浮かべる。
(156) 2023/11/16(Thu) 11時頃
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「――――嘘だ。 あの人が招待されてるなんて。
よく似た別人? でも、……でも、もしかして。」
目を凝らして男の方の顔を注視する。見れば見るほど、るくあが"推し活"に励んでいた歌舞伎役者に相違ない。チャンネル登録者数が5桁に達して有頂天になっている自分程度の小者と違う、正真正銘の有名人。
「え、やっば。オーラやっば。どうなってんの。
いきなりカメラ向けるのは、さすがにNGだよね……。」
一般ピーポーの心境で物怖じしかけたのは一瞬。録画を切ってカメラをポーチに押し込むと、小走りで彼等に駆け寄った。
(157) 2023/11/16(Thu) 11時頃
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「しっ……失礼ですが、 キラ様ことキランディ様 ご本人であらせられ、られますかっ!?」
カメラが回ってなくて良かった。緊張して何を口走っているのか、自分でも分からない。 ファンです? サインください? 握手してください? upしないので、写真撮ってもいいですか? 脳内でぐるぐる次の台詞を探したけれど、明らかにプライベートな恰好の芸能人を前に、どれも不躾に過ぎる。長い袖に隠れた手汗まみれの指を握って、開いて。
るくあが足繁く舞台に通い、出待ちするほど入れ込んでいるのを知ってはいたが、自身は生のキランディは一度も目にしたことはない。販促グッズにプリントされた眩いばかりのご尊顔を恍惚と、或いは相当の熱量でもって眺めるるくあを、端から見守っていただけだ。
「ボク、ボクは、キラ様に憧れて、 高校になってからメイク始めたんです。
ああ、……ああー! 尊すぎて言葉が出ない……。
るくあはほんっとに、 キラ様の大大大大ファンだったから、 貴方が来てくれたなんて、 生きてたらきっとすごく喜――っ。」
(158) 2023/11/16(Thu) 11時半頃
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[セットしていた時間通り、 ホログラムが再生されるのを確認する。 その時の彼らの反応にも気を配るべきだ、 理解しつつも、るくあの顔をした虚像を見つめていた。
気付けば、招待客はあちこちに散っている。 ただでさえ、敷地に対して少なすぎる客人の数だ。 ロボットのほうがずっと多い。]
この中に、人殺しがいるってことか。
[少々大袈裟な、おどけるような口調は、 拾うものがいなければ滑稽なものだったろう。]
(159) 2023/11/16(Thu) 12時頃
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……暑いな。
[>>73 暑さへの叫びと姿を見聞いたからか、 不意に今の季節を思い出したよう空を仰いだ。 派手な原色姿は、その見目とは裏腹に警戒心が強いようだったが。]
[先ずは、と足を向けたのは天の川ロードと名付けられた 星々を散りばめたデザインの婉曲した通りで、 道沿いには屋根付きの休憩所が設けられている。
アポロを操作してしばらくすると、 モナリザが注文した飲み物を持ってくる。 手を伸ばして喉を湿らせる己の姿は、 テーマパーク内と考えると違和感のない、 しかし現状では聊かな暢気な光景でもあった。**]
(160) 2023/11/16(Thu) 12時頃
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灰占道士 煙は、メモを貼った。
2023/11/16(Thu) 12時頃
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── 現在:中央カフェ ──
[ テーマパーク内を歩き回ってみたけれど、 結局、あのホログラムが出て以降は>>#5 他の招待客と出会うことのなかった卯木は 休憩とばかりに中央カフェに立ち寄ることにした。
おそらく、先にこの場所に来ていた招待客とは 入違ったのか、現在カフェ内にいるのは 卯木一人だけのように思う。 ]
うーん、何でもいいのですが。 では、特製クリームソーダをいただけますか?
[ ウェイトレス姿のサポートロボットが 注文を確認に来たため、 メニューにおすすめと書かれていた飲み物を注文し、 卯木は状況を整理することにした。 ]
(161) 2023/11/16(Thu) 12時半頃
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[ まず、招待主が煙崎るくあの殺害犯を殺したいのは 確実だと思われる。
よほど裕福な人間でなければ、遊び半分で ここまでのテーマパークの開発などできないだろう。 よって、全財産を注ぎ込んで復讐を決意し、 なんなら自身の今後の人生すらも どうなってもいいという覚悟があるのだろう。
また、卯木がテレビのニュースを見た限りでは>>4 煙崎るくあが不審死したという報道はなかった。 だから、煙崎るくあは心臓マヒで亡くなったと 誰もが信じていたのではなかろうか。
つまり、警察も煙崎るくあの死に 事件性を疑っていないのだから、 殺害犯を警察に突き出して終わりという 平和的な解決は望めない気がする。 ]
(162) 2023/11/16(Thu) 12時半頃
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[ ただ、卯木は煙崎るくあの 葬儀や告別式などに出席していないため、 その死体が何の検分もされず 火葬されたかは分からない。
もしかしたら、招待主と警察が協力して 秘密裏に捜査している可能性もあるが、 状況的に煙崎るくあが殺害されたことは おそらく招待主によって 警察には隠蔽されたのだろうと考えるのが 自然なように思える。 ]
(163) 2023/11/16(Thu) 12時半頃
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[ そういえば、招待主は煙崎るくあが殺されたことを 確定事項のように扱っている。
もしかしたら、殺害犯の痕跡でも 現場に残っていたのだろうか。 それがもしDNA鑑定ができるものであれば、 鑑定すれば一発で 殺害犯が分かるかもしれない。
少し調べたところ、元々の銀島には 病理研究所があったらしいし、 もし招待主がそこの関係者なら 証拠の検査などにも詳しい可能性はある。
まあ、どのみちあっさり殺害犯が見つかって そのまま解決というのは難しい気もするが。 ]
(164) 2023/11/16(Thu) 12時半頃
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結局は殺害犯を招待主に告発するのが、 一番手っ取り早そうということか。
[ この島に閉じ込められる場合を想定して 保険は掛けておいたが、>>22 昨日今日で捜索隊が この島にやって来るとも思えず、 一番早く無実の招待客が この島から脱出する手段は、 殺害犯が死ぬことを目指すことになるのだろう。
ただ、あまり無関係な招待客に 負担を負わせるようなことをするというなら、>>121 卯木はできれば反対したいと思うけれど。 ]
(165) 2023/11/16(Thu) 12時半頃
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それにしても、 煙崎さんを殺した人だと思われる人が死んだとして、 それが本当に殺害犯だと どうやって断定するつもりなんだろう。
そういった意味でも、 招待主は何かしらの犯人の証拠を 掴んでいてほしいと思うのだけど。
[ さすがに、無実の招待客が殺された上に さらに殺害犯だと誤認されて、 本当の殺害犯は逃げ切るなんて結末は 後味が悪すぎる気がするから。 ]
(166) 2023/11/16(Thu) 12時半頃
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[ などと色々と考えていたら、 ウェイトレス姿のサポートロボットが 特製クリームソーダを持ってやって来た。 ]
なるほど。 これもまた、宇宙をイメージしたものなのですね。
[ 透明感のある紺碧のソーダの上に、 雲海のような真っ白なアイスクリームが広がり、 その境界から淡いみ空色のグラデーションが 広がっている。
クリームの上に漂う、 三日月や星を象った金糸雀色のチョコレートは こんな状況でなければ、 きっと目で見ても楽しいものだったろう。 ]
(167) 2023/11/16(Thu) 12時半頃
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[ 当然と言えば当然だが、 卯木はジェットコースターを見た時のような 興奮を抱くことはできず、>>66>>67
チョコレートやアイスクリームを スプーンで掬いながら、 ほぼ無心で口に運んでいた。 ]**
(168) 2023/11/16(Thu) 12時半頃
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――回想/キラ様になりたいボク――
「るくあは、こういう顔が好きなんだ?」
実物大のポスターに引き延ばされても、毛穴すら見えない滑らかな肌と完璧な輪郭。男女の枠を越え、圧倒的に整い過ぎた目鼻立ちは、舞台化粧でより華やかに見る者を魅了する。多少CGで補正はされているだろうけど、生で何度も観に行っているるくあが幻滅していないのだから、思ったより小さかったとか写真と違い過ぎたとか、残念な芸能人あるあるにキランディは該当しないらしい。
「もしも、ボクがキラ様みたいな顔だったら、 キミは…………、
好きになって、くれたのかな。」
顔だけじゃない、演技や立ち居振る舞い、芝居に向き合う姿勢、存在感。ファンへの細やかな心遣いや周囲への対応、穏やかな物腰。どれをとっても煌めく一級品だと、彼女は熱弁を振るうのだろうか。
(169) 2023/11/16(Thu) 13時頃
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平凡な学生の身で、整形に手を出すお金なんてないし、生まれながらに梨園で芸を磨くような血筋でもない。せめて少しでも彼のようになれたら、近づけたらと、プチプラでコスメを揃えるのが精々だった。集めたキランディの画像を穴があくほど見比べながら、自分の顔をキャンバスに試行錯誤すること半日。印象の薄すぎるパッとしない素顔が幸いして、とりあえずは別人のように華麗な変身を遂げた美少女が、鏡の中にできあがっていた。
「…………これがボク?」
それからコスメ動画を漁り、メイクの虜になった。報道部で動画編集を嗜んでいたことを思い出し、自分でもプチプラコスメの実践レビュー動画をupしてみたら、意外と再生数が伸びてしまって。『可愛い』『頑張って』とコメントでチヤホヤされる快感を覚えると、あっという間にのめり込み依存するようになった。 自身を飾り立てることに夢中で、だんだん手本だったはずの麗しの歌舞伎役者からは別ベクトルに突っ走り始めたが――まさかその彼が、自身の動画を視聴していたなんて、夢にも思っていない。キャンディという配信者ネームも、勿論彼キランディに肖ったものだ。
(170) 2023/11/16(Thu) 13時頃
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舞い上がって捲し立て、数年前に意識がトリップしかかっていたが、咳込んで漸く現在に戻ってきた。 はたと、自身のあまりの剣幕に気圧されたようなもう一人に向かって、首を傾げる。
「ええっとそれで……そちらはどなた? 学生に見えるけど、るくあの後輩さんかな?」
学び舎の敷地内のことまでは、さすがに及びがつかない。別々に進学した高校然り、自分が卒業した後の中学然り。ホログラムは『私のだいすきなあなた達』と語ったのだから、某かの交流はあったと考えられる。
ツキリ、と胸が軋むのを噯にも出さないで、促されればカメラに向けるように朗らかな、自己紹介を返すのだ。
『ボクは見ての通り、 未来の銀河から地球星人を観測するためにやって来た、 🍭キャンディ🍬です。よろしくチョ〜ッス!!』
敬礼の角度にあげた手で指ハートをつくる、斜め43度の決めポーズ。
「るくあとは中学の時出会ってェ、
……とっても仲良しの、 ――オトモダチだった、かな。」**
(171) 2023/11/16(Thu) 13時頃
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−回想‐
「 勝負しようか。 」
深い意味はない。単なる時間潰しの一環の話。
俺は別に話し上手というわけではないから。 煙崎るくあとデートをしても、 常に拍手喝采の大盛り上がりとはいかない。 デート相手を蔑ろにする愚を犯すつもりはなくとも、 ふ、と沈黙が生まれることもある。
それをそのまま楽しむのでも良かったが。
時に他愛もない勝負を持ちかけることもあった。 コインの裏表や朝食がパンかご飯かを当てるような。 些細なコミュニケーション。
(172) 2023/11/16(Thu) 13時頃
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敗者には当然罰ゲームがあるが。 これにしたって、大した罰ではない。 自分のことを一つ、相手に教えること。
教える内容も何でもいい。 それこそ昨日の晩御飯でも。 …… とでも言ったら、 ご飯の例えが多すぎるとでも指摘されただろうか? とにかく、彼氏彼女として。 互いの情報を握っているのは悪くなかった。
…… 俺の勝率? 61(0..100)x1%くらいだったかな。 まあ、それなりに個人情報を持って行かれた。
(173) 2023/11/16(Thu) 13時頃
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逆に、俺が煙崎るくあから得た情報もある。 行きつけの和風喫茶の話。 俺にはなかなか理解の及ばないテンションで 推している役者がいること。 それから ────
…… 年の離れた兄がいるのだと。 知ったのもその時だっただろうか。**
(174) 2023/11/16(Thu) 13時頃
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■回想:中学時代のキャンディ【*** ***】
「 ごめんなさい、やっぱり、 無理だと思う 」
切り出すのに、殆ど躊躇いがなかったことを 少しだけ申し訳なく思う。 だけど、しかたのない。 目の前の双眸(それは真っ直ぐ私を見返すことが できていただろうか)を見つめて、 優しい声音も、慈悲深い笑顔もなかっただろうに。
「 あなたは、何も知らない 」
いっそ、憎んでくれたらいいのに。 *
(175) 2023/11/16(Thu) 16時半頃
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■回想:保健室の精【密星 偲風】
「 先生は妖精さんみたいですね 」
受験生だった私は保健室を度々訪れては、 電子手帳と睨んで自主勉強をしたり、 菓子を摘まんだり、 ただぼんやりと窓の外を眺めたりしていた。
「 この間は、一緒に喫茶店、 つきあってもらってありがとうございます。 先生、慣れてなさそうだから、 どんな反応するのかって気になったの 」
(176) 2023/11/16(Thu) 16時半頃
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思い出してはくすくすと笑う。 私よりずっと大人の女性なのに、時々、 驚くほどの不明ぶりを見せた不思議なひと。
私の目に彼女はとても邪気のないものに見えて、 とりとめない話に花を咲かせた思い出。*
(177) 2023/11/16(Thu) 16時半頃
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――天の川ロード前休憩所
[手にした煙管に、今は葉を詰めてはいない。 今いる場所が禁煙だからという理由ではなく、 時折気晴らしに、程度の喫煙の習慣しかなかったのだ。]
『 はい、誕生日プレゼント。 キラ様が使っているものとよく似ているの。
入手経路は秘密。大事に使ってね 』
[そう、この煙管はるくあからのプレゼントで。 それから肌身離さず身に付けている。
雁首の先に火を点けたことはほんの数回。 煙管はわずか三服程度。 偲ぶ気持ちが湿っぽくなる前に、燃え尽きる。**]
(178) 2023/11/16(Thu) 16時半頃
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──サバゲーアトラクション前──
[アトラクション前に居たド派手な女の子を注視していると、向こうもこちらに気が付いたようで。次の瞬間、突然小走りでこちらに駆け寄ってきた。 反射的に雛子ちゃんを庇う感じで前に出る、が。続いて発せられた言葉>>158に、初めはキョトンとして、やがて表情がぱあっと明るくなった。]
確かに僕は歌舞伎のキラだけど──、 そういう君は、銀河ギャルのキャンディでしょ!?
[遠目で見た時は”もしかして?”程度だったが、目の前で話しかけて来る彼女の声や口ぶりから、本物のキャンディだ!と確信を得て。]
キャンディ🌟チャンネル観てるよ! えーっ、キャンディが僕の事知っててくれるなんて光栄だなぁ〜。
[そう言うと小首を傾げて両の手を合わせ、女性っぽい仕草で喜んでみせた。役者としての綺羅之介の事を知っている相手だと、気が緩んでこんな風になる。 しばし、女子同士のようにキャッキャとしていたが、キャンディの口から”るくあ”の名が出ると、少しだけ眉を下げた表情になって。]
(179) 2023/11/16(Thu) 16時半頃
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そう、そう……。 るくあちゃんは僕の舞台を観に来てくれてたから、少し交流があって…… こっちの雛子ちゃんは、るくあちゃんの幼馴染なんだって。
[流れで軽く紹介するが、雛子が自己紹介をするなら黙ってそれを聞く。 それから、キャンディおなじみの決めポーズ>>171を見ると、本物〜!とまた喜んで見せた。]
キャンディもるくあちゃんと友達なんだ……!? それはちょっと、普通にびっくりしたけど。 じゃあ、配信に来たわけじゃないのね。
[大体そんな予感はしていたのだが。 此処に居ると言う事は、煙崎るくあの招待客ということで。 目の前のキラキラしたキャンディと、大人しくて善良そうな雛子ちゃんを交互に見て、肩を竦めて見せた。]
いやしかし、僕らみんな、殺人容疑で此処に呼ばれたわけかー………。**
(180) 2023/11/16(Thu) 17時頃
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「坂理さん?そう… 確かに私は学校での煙崎さんは知っていたけど。」
そう言って、首を振る。
「いえ…違うわね。知ったつもりだった、の方が正しいかも。 あの子のことは、私はほとんど知らなかったわね。 家族…お兄さんにも会ったことはなかったし。 少し家庭環境が特殊なたけで、他の生徒と 何も変わらないと思っていたんだけど。 だから、他の生徒以上に思い入れがあったとは、言えないわね。
あなたはそういう意味では私よりずっと 煙崎さんとは親しかったんでしょう。」
(181) 2023/11/16(Thu) 18時頃
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そう言いつつふとポーチの電子タバコのカートリッジに手を伸ばしかけて、止めた。屋内だし、喫煙場所は決まっているはずだ。
「先生はつけなくていいわ。もう辞めたし。 くだらない理由だけど…
それより、そうね。 煙崎さんは亡くなったのは間違いないわけね。 …そう。もしかしてとは思ったけど。」
そこまで言って、ふと疑問を覚えた。
「その言い方だと、あなたも彼女のお通夜には 行ったりしていないわけね。 いえ、それがどうとかじゃなくて。」
(182) 2023/11/16(Thu) 18時頃
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最近の風潮なら、昔みたいにクラスメートや友人が参列することも少いのだろうな、と納得した。だから続けての彼の言葉にも小さく首を振る。
「いいえ、何も。 私も煙崎さんが亡くなった話は聞いたけれど、 それきり会ってもいないから。 不審があるとしたら彼女の事じゃなくて彼女からの招待…
というよりこの島の事だけね。」
そんな風に語っていた頃だったろうか、死んだはずの彼女の姿をホログラムで目の当たりにしたのは。
(183) 2023/11/16(Thu) 18時頃
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「殺された?」
さすがに不穏当な発言に眉間の皺が深くなる。 という事は、他にちらほら見えた招待客はそういう立場の人間ばかりということか。 隣の坂理さん…年齢的には坂理君という感じだけど…… をちらっと見てから視線を戻し、メッセージを最後まで聞き終えた。
「趣味が悪いわね。」
聞き終えて、ぽつりと呟く。声は坂理君だけに向けて。
「煙崎さんが殺されたのなら、彼女自身は 誰がやったのか知ってるはずでしょう。 彼女の声と姿を借りて、誰が喋らせてるのか知らないけど。」
ため息一つ、また指先がカートリッジを探す。
(184) 2023/11/16(Thu) 18時半頃
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それから坂理君を見て、口を開いた。
「それで私達に、誰か見つけさせようって事?
………………
…話の続きは、外でにしましょうか。 このままここでいるのは少し気味が悪いし… なんとなく一服したい気分だから。
あ、でも他に行きたいところがあるとかなら、 私のことは構わないでいいからね。」
多分、私の顔は少し沈鬱に見えてしまっているかもしれない*
(185) 2023/11/16(Thu) 18時半頃
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「なん……だと……?」
本物のキランディ本人が、女性より婀娜っぽい品を作りながら、興奮気味にキャッキャ同調してくる(>>179)。彼に憧れ目指したものの、斜め142度くらいに踏み外しまくった、劣化コピーにもなれないマイナー配信者のチャンネルを!? 観ていた!? 動画編集時にピシャアアァンと稲妻のエフェクトが落とすところだ。嬉しいやら申し訳ないやら。あわあわ、わなわな、震えが止まらなくなって、忙しなく袖から出た人差し指をつつき合わせる。
「あっ……あの……後でその、 記念に一枚、……しゃ、写真を……。
勿論ネットには載せないので、 図々しいお願いですけど、どうか、どうか――っ。」
小声で何とかそれだけ搾り出して、後はもうその誰もが羨む美麗なるご尊顔を拝み倒すしかない。拝。拝。拝。
(186) 2023/11/16(Thu) 18時半頃
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「あー、でもるくあは、 ボクが動画配信者なことは知らないと思う。ます。
キラ様は、るくあ本人のこと、認識してたんですね。 確かに熱心に通い詰めて、ファンレターを書いたり 出待ちまでしてたみたいですし。」
キランディを見澄ます視線に滲むのは、羨望と僅かの嫉妬。"推し"に向ける10分の1の熱で構わないから、彼女の眼差しに見出せていたなら、或いは――。 慌てて笑顔を取り繕って、隣の雛子とやらに向き直る。
「なるほど幼馴染。 じゃあ高校も同じところに通ってるの? 中学も同じなら、ボクにとっても後輩だね。」
初対面であまり根掘り葉掘り聞くのは躊躇われて、後は彼女の話を促そう。
『友達』と言われた時(>>180)だけ、ぎこちなく笑顔が強張るも、誤魔化すように極彩色の爪をヒラヒラ振って、相槌に*専念した。*
(187) 2023/11/16(Thu) 18時半頃
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―― 回想 ――
こんにちは、お久しぶりですわね。 なんだかご無沙汰してしまって。 店長さん、お変わりなさそうでなによりです。
[あのこと、とはるくあの悲報のこと。 店長さん――卯木さんと言ったか――の 柔和な微笑みは健在であるようで、 非日常の驚きが僅かばかり安堵に変わる。]
よかったわ、 見知らぬ方ばかりかと思っていたので。
(188) 2023/11/16(Thu) 19時頃
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[故人の縁の者が招待されていることまでは 推測がついたものの、何故、どうして そうなっているのかは心当たりがなく。 もしかしたら他にも見知った顔が 居たかもしれないが現状出会えていない。
もう少し踏み込んで訊ねてみるべきかと思ったが 遊園地の高揚の中の微かな違和感を言語化できない。
るくあのことをなかなか切り出しかねて 結局アトラクションに話を移してしまったが 店長さんにとってはジェットコースターは 意を決して乗るようなものではなかったらしい>>112]
(189) 2023/11/16(Thu) 19時頃
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ああ、ごめんなさい。 いきなりの絶叫系に引いたとかではなくって。 疾走感が楽しそうというのはわかりますの。 いつか乗れるくらい、経験を積まなくちゃ。 …って、ごめんなさい、引き留めてしまいました。 どうか楽しんで。そのうちまた。
[そう結んで見送った。>>113 VRゴーグルを装着しての宇宙旅行と知れば 興味深々に眺めたのかもしれなかったが それとてレベル10くらい必要な乗り物のように思う。
るくあの招待状のことは、 同じ遊園地に滞在しているのだから またどこかで尋ねればいいだろう。*]
(190) 2023/11/16(Thu) 19時頃
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―― 煙崎るくあ ――
[煙崎るくあは、比較的早くに名を記憶した生徒だった。 雑談のために。相談事があって。 体調が優れない時。特に理由なく。…… よく保健室に顔を見せてくれていたから。
最初は掴み処のない印象だったのだが 言葉交わすと、彼女の話は今時の女子高生らしく 幅広く取り留めがなくて、等身大だったように思う。 通学中のびっくりした出来事の話。課題の話。 試験ヤダーの愚痴。それに、きょうだいのこと。 彼氏の話は聞いたかしら、どうだったかしら。
度々写真や雑誌を持って来ては 詰め寄る勢いで熱心にPRされたこともあり 私も彼女の推し役者は覚えてしまった。 「キラ様」だったか――私は推しの概念にとんと疎く、 公演は一度も観たことがないのに、たぶん、 街中で見かけたら即座に気が付くのではないだろうか。]
(191) 2023/11/16(Thu) 19時頃
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「 親しかった。 …… どうでしょうね? 」
睫毛を伏せて影を作った後。 顔を上げて、にこりと微笑む。
俺は煙崎るくあと親しかったのだろうか。 もちろん互いに認識はしていた。 だが相手にとっての一番だと。 決して胸を張っては言えない距離。 最も、そんな間柄を持つ方が稀なのかもしれないが。
(192) 2023/11/16(Thu) 19時頃
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「 興味ありますね。 わりと好きなんです、くだらない話。 」
菊水女史が教職を辞した理由。>>182 軽く突いてみるが、引き出せないようなら それ以上は踏み込まず。
煙崎るくあの葬式に関しては。 「彼氏」として、連絡がきたら参列はしただろう。 なので単に、知らせが自分まで届かなかったか。 はたまた、式自体が無かったのかのどちらかで。
(193) 2023/11/16(Thu) 19時頃
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突如始まったホログラムの上映が終わり。 趣味が悪いという菊水先生の言葉に頷いてから。 自らの整った眉を顰めた。
「 でも、ちょっと悪すぎると思いませんか? …… 単なる趣味にしては。 」
突然の告発。殺人者。 センセーショナルな単語の羅列はそれなりに驚いた。 だがパニックと同様に、 冷静さも感染するのかもしれない。 取り乱すことなく状況を分析する菊水先生の姿に、 こちらも醜態を晒さずにすんだろう。
(194) 2023/11/16(Thu) 19時頃
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星が見れなくなるのは残念だったが。 拒否するほど、この場に固執しているわけでもない。 移動することに異論はなかったが。
「 あまり興味ありませんか? …… 長生き。 」
どうやら菊水先生は喫煙者らしい。 一服したいと呟いた。 どこか陰の見える横顔に向けて。 いらないことを言った自覚は、当然あった。
「 そうですね。 どこか腰を落ち着ける場所に行きましょうか。 」
(195) 2023/11/16(Thu) 19時頃
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空気を変えるように提案し、園内を彷徨った結果。 目を付けたのは天の川ロード。 館を出た途端に襲い来る熱気から逃げるように、 屋根付きの休憩所へと駆け込めば。
「 先客がいるみたいですね。 」
テーマパークに似つかわしく、 ドリンクを堪能する男性の姿へと。>>160 無礼を承知で視線を注いだ。**
(196) 2023/11/16(Thu) 19時頃
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[招待状をくるくると回し。 記憶を辿る中で、るくあの声が響く。
『先生 ――― 変なことを聞いてもいいですか』
その日は偶々体調を崩していたのだったか。 私は薄手の毛布を広げて彼女にかけてやりながら、 前置きに応じるように頷いた。
『生と死の境目って、何だろうと思って』
思わぬ問いかけに、暫し私は手を止めて。]
(197) 2023/11/16(Thu) 19時頃
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……倫理の課題かなにか? それとも、小論文の題材ですの?
[問いの出処に対しては曖昧に微笑むるくあ。 そも、“肉体的な状態”を問うているのか、 ”霊魂”的な話なのか、”感情”の部分なのかも 今の問いだけでは分からない。
もう一枚掛布団を乗せてぽんぽんと整えながら 此方も少し困ったように眉下げて微笑む。 授業に関わることなのか個人的な問いか、 どちらであったとしても十八歳の少女には 少々重苦しい問いではないか。]
(198) 2023/11/16(Thu) 19時頃
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[ ……そうでもないかもしれない。 十八の少女だった頃、私はこの問いに対し、 自分なりの答えを持っていたように思う。 持たざるを得なかった
しかしそれは抽象的すぎて、 極端すぎて、そのままを伝えても
彼女への答えになりはしないだろうとも思う。 ]
(199) 2023/11/16(Thu) 19時半頃
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煙崎さん。 訊ねる相手を間違っていると思うわ。
[暗に、“一般的な回答にはなり得ない”ことを示唆する。 深くを語る事はできないと予防線の心算だった。 聡い彼女はそれを理解したのだろう、 引き上げた布団の中で僅かにくぐもった声で、 『先生の想像するもので良いので』と言葉を継ぐ。
私はひとつ嘆息する。 それならば極論だけは外して、 抽象的なイメージの話をしようと決める。 ただの雑談の続きとして。]
(200) 2023/11/16(Thu) 19時半頃
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よく言われるような言葉だけれど、 生と死に、距離はないわね。 距離はないけれど、境界はちゃんと存在して、 そうね、10cmもないような、透明な硝子。
硝子のイメージは、 密室にただひとつだけの開かない窓 のような。 外側が生。内側が死。
そこからしか出入りが望めないのに、 その窓の外だけが人間の生きる世界なのに。 頑丈で。外したり叩き壊すだけの力はないの。 ―――…
[そこまで口にして、言葉を切る。 多分に自身の過去にイメージが寄ってしまったからだ。]
(201) 2023/11/16(Thu) 19時半頃
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境界、…って単語だけ そのまま取り上げてお話してしまったけれど 連想やイメージはひとによると思うわ。 煙崎さんの中にもあるのではない?
境界なんてない、って人も中にはいるかも。
[真意の掴めない言葉遊びのような話は幾度かしたが この問いかけの意図は特に茫漠としていて 何か役立てたとはとても思えない。 私のことを「妖精さんみたい」>>176なんて 形容する子だから、或いは何か察した上での 問いかけだったのだろうか。
色々な人に訊ねて回るならその方が良い、と思った。 真っ当な人間からの、真っ当な回答が 彼女の答えになることを期待できるから。]
(202) 2023/11/16(Thu) 19時半頃
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[やけにしんとした寒い日だった。 パーテンションに区切られた半個室。 寝入ったのだろう、静かな寝息をカーテンの 向こうに聞きながら、私の視線も空に向いて。 なぜこんなことを強く記憶に残しているかといえば
るくあの声に、授業開始のチャイムが重なったのは その時が初めてだったから。
そして、 彼女の死の報を聞く前日だったから。*]
(203) 2023/11/16(Thu) 19時半頃
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……… 煙崎さん。
[ホログラム映像で現れた彼女は、 確かにるくあの造形そのものをしていて、 一瞬、彼女が生きていた錯覚に陥りかける。
招待状の意味は理解した。 一度確かめるようにショルダーの中身に目を落とし 悲嘆が怨嗟へと、恨み言へと変化するのを、 犯人を見つけ出して殺すよう示唆する るくあの姿をじっと見つめた。]
(204) 2023/11/16(Thu) 19時半頃
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……… じゃ、ない のね。
[ホログラム映像が消えて、ふっと息を吐く。 確かにるくあの姿、るくあの声だったようだが。 彼女と親交があった者ならばきっと分かる。 あれば良く出来た作り物であること。]
殺人犯を見つけて、処断する……? 煙崎さんがそう望んだというの……?
もし、そうでないなら ―――私には…
もう、他人に動かされるのは――…
(205) 2023/11/16(Thu) 19時半頃
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[心がざわざわとするようだった。 彼女の死を二度突きつけられたような衝撃に 長い年月をかけて深く沈めた澱までもが 水面に浮かび上がる気配を感じて。 思わず自身の肩を抱く。 少し考えを整理したくて その場から静かに立ち去った。**]
(206) 2023/11/16(Thu) 19時半頃
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[火のついていない煙管を手の中でくるくる弄びながらも、 視線はそこかしこに投げていた。 だから、青年の視線にはすぐに気づく。>>196]
( ――――坂理 柊 )
[るくあの「彼氏」だ。 彼女にとって身近な人物といって差し支えないだろう。 詳細までは知らないが、「日曜はデート」 「坂理くんと通話中」 そんなワードを耳にしたことは幾たびか。
交際について、反対する気持ちなどなかった。 無論、青年が、るくあを害しない限りにおいてはだ。]
(207) 2023/11/16(Thu) 19時半頃
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よう。あんた達は……姉弟か?
[隣にいる喪中帰りのような女は菊水三紗。 中学時代の担任だ。 記憶にある限り、彼女の名をるくあから聞いたことは 数えるほどしかなかったように思う。
だから、るくあの日記のリストに 彼女の名が連なっていたことが不思議だった。*]
(208) 2023/11/16(Thu) 19時半頃
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――日記:テーマパークで遊ぶリスト
[日記といっても紙の本ではない、 るくあのノートパソコン内『極秘』というタイトルの テキストデータの中に、彼らの名が記されていた。
パソコンとフォルダのパスワードを解くのは 己にとっては、そう難しいことではなかった。 解けないのは「ギャラクシー・ランドに呼ぶ人たち」 その下に並ぶ名前とるくあとの関連性だ。 或いは彼ら同士の。
分かるのは、 パスのかかった極秘というタイトルのフォルダ。 そこにあった幾つかの言葉の羅列から、 この中に彼女の死に直接かかわる人物がいるということ。 この中の誰かの手で彼女が殺された、 そんな事実だけ。**]
(209) 2023/11/16(Thu) 19時半頃
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「 いえ。血縁関係はないですよ。 」
姉弟が自分達を指すと気付けば、すぐに否定する。
「 俺達は先程出会ったばかりです。 お兄さんも、煙崎るくあさんの関係者ですか。 」
質問というより、最早確認のていを取って。 容赦ない日差しに白旗を上げた身体を宥めるべく モナリザを呼び止め、自身も飲み物を注文する。
「ギャラクシー・サマートライアングル・ドリンク」は やはり外せないだろう。 菊水先生にもオーダーを確認してから。
(210) 2023/11/16(Thu) 20時半頃
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「同席しても?」 確認すれば、青年の答えはどうだっただろう。 何にせよ。返答に見合った席に腰を掛けてから。
「 さて先程の煙崎さんのホログラムについて。 菊水先生はどう思われますか? お兄さんも見解があれば。 」
自身と言えば、この件への立ち位置を決めかねていた。 年長者へ対して、率直な意見を求めようと、 …… 視線が交わる。 紫煙をくゆらせぬまま、煙管がくるりと回る。 その指先が糸を引いてることなど知るはずもなく。
ドリンクが来るまでの間の時間潰しとばかりに 菊水先生と青年に対して話を向けた。*
(211) 2023/11/16(Thu) 20時半頃
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― カフェ付近→ ―
[カフェを後にして歩きながら、 ここを出たいか、という問いに肯定の言葉>>146が返ってくると、小さく頷く。 明日帰れないとマズい、というのには、少し目を丸くして。]
明後日、お仕事ですか? ……それは、帰れないと困りますね。 早く、解決すると良いんですけど。
[私はまだ状況を飲み込めていなくて、どうしたら良いのか分からないのだけれど。
歌舞伎役者である事や、女形である事、るくあちゃんとの関係を話してくれるのは、 そうだったんだ、って思って、小さく頷きながら聞いて。]
……るくあちゃんは、本当に、殺されたんでしょうか? 私には、まだ、よく分からなくて。
(212) 2023/11/16(Thu) 21時頃
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[此処から出たくないのか?>>147という問いには、少し考える間の後。]
……出たくない、というよりは、 どちらでも構わない、かな?
[この場所に殺人犯が居るのだとしても、自分の生死さえ、どちらでも構わなくて。]
……私には、出たい理由もないので。
[そんな風に話をしていると、やがて、何かのアトラクションの前に辿り着いていた。 そこには、派手な外見をした人の姿が見えて。]
そうみたいですね。 ……銀河ギャル? キャンディ?
[聞こえた単語に、頭の中に🌟と🍬を思い浮かべ。 配信って何だろう、と思いながら、小さく首を傾げた。]
(213) 2023/11/16(Thu) 21時頃
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あァ、そうか。 確かに、似てはいないな。
[整った相貌をグラス越しに眺め、口の端を上げた。]
オニーサンはるくあのおにーさんだよ。 聞いたことはなかったかい? 煙崎灰羅だ。
ここは休憩所だ。好きにすればいい。
[同席しても? の問いには肩を竦めて。 青年に向き直る。]
(214) 2023/11/16(Thu) 21時頃
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坂理くんだろ? るくあから聞いていた。 ……さっきのホログラムか、 真実なら犯人を捕まえてとっちめたいね、
まぁ、こんな場所まで人を集めて 疑い合わせようなんて、イカれた発想だとは思うがね。 キミはどう思う? そっちの美人さんも。
[見解を問う青年に答えて、同様の問いを投げた。*]
(215) 2023/11/16(Thu) 21時頃
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灰占道士 煙は、メモを貼った。
2023/11/16(Thu) 21時頃
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── 回想:生と死の境目の話 ──
なかなか難しい問いではありますが。
[ 密星との話より前か後かは分からないが、>>197 兎坂庵にて、卯木も煙崎るくあから 似たような質問を受けたことがあった。
卯木は顎に手を当て、 ふむりと考えるような仕草をした後、 ]
心肺停止のような明確な死以外であって、 それが人間に限っての話であるならば、 私は『人として生きる意志の有無』だと思いますね。
[ 紡ぎ出した言葉は、 淀みもなく卯木の口から零れだす。 まるで簡単な疑問にでも答え掛けるように。 ]
(216) 2023/11/16(Thu) 21時頃
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たとえば、生存欲がなかったり、 あるいは、人としての営みを行う上での倫理に 全く則らない行動をしたり。
そういった人間は、たとえ呼吸をして 衣食住の満ち足りた生活を送っていたとしても、 私の中では『生きている』とカウントするのは 難しいように思えます。
別にそういう人間がいることについて、 否定するつもりもないのですが、 そういう人って、『生きている』人間の言葉が 全く通じないときがあるでしょう?
全く意思疎通ができないのなら、 さすがにそれが生きた人間とは私には思えなくて。
(217) 2023/11/16(Thu) 21時頃
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[ 人間は円滑なコミュニケーションを通じて 時に協力し、時に切磋琢磨し、 ここまで発展してきた。
だから、そこからはみ出して 自分の都合だけを押し通す人間を 卯木は許容できなかった。
もちろん、そうならざるを得ない事情があったなら、 その痛みを受け入れたいとは思うけれど、 その人が実際に自殺だったり 犯罪行為だったりをした時点で きっと卯木の心は離れてしまうだろう。
けれど── ]
(218) 2023/11/16(Thu) 21時頃
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[ うまく意思疎通ができなかったというならば、 事故死する前の従弟と 卯木の関係にも当てはまる。
もちろん、時間を掛ければ きちんとコミュニケーションを取れたとは思う。 思うけれど──
もし、あの時点でどちらかが 人の理から外れた存在であったのならば、 はたしてそれは、卯木の方だったのか、それとも── ]*
(219) 2023/11/16(Thu) 21時頃
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[頭の中を『?』でいっぱいにしながら、前方の人影を眺めていると、 突如、小走りに駆け寄ってきた>>157ので、ぱちりと瞬いたのだけれど。 その姿が背中>>179で見えなくなると、少し目を見開いた。]
[二人の会話は、口を挟まずに聞いていて、 知り合いではないけれど、お互いを知っているのだと知る。
二人とも凄い人?有名な人?なのかなと思いながら聞いていたけれど、 私の方へ視線が向く>>171と、問いには綺羅さんが答えてくれた>>180ので、小さく頷いて肯定をした。 続く問い>>187には、口を開いて。]
るくあちゃんとは、中学も高校も別なので、 キャンディさんの後輩ではないですね。
[それだけを返して、口を閉じた。 まだ、二人で募る話?もあるかもしれないなって思って。*]
(220) 2023/11/16(Thu) 21時半頃
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──時系列少し前・カフェを出て──
明後日は仕事というか稽古だねぇ。 まあ、仕事ではあるか。
[歌舞伎の事をあまり知らないようだから、遠慮なく稽古だと言ってしまう。これがファンの女の子だったら、根掘り葉掘り演目の内容を聞かれてもおかしくないので、逆に当たり障りない話しか出来ないだろう。 煙崎るくあの話題に関しては。>>212]
うーん…… 僕が第一報を聞いたのは、テレビのニュースを見たお弟子の子からの又聞きだったから、報道で流れた以上の事は何も分からないんだよね……。 雛子ちゃんは、幼馴染だったんだからお葬式とか行ったんじゃ?
[幼馴染と言っても、何年も縁遠ければ行ってない可能性もあるかな、と思いつつ。]
(221) 2023/11/16(Thu) 21時半頃
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[出たい理由がない、という返答には、少し小首を傾げて。]
そうなの? 家族とか心配するでしょ。学校も……
いやまあ、学校が好きとは限らないか。 僕学校嫌いだったしなー。
[などと言って、ちょっと笑ってみせた。]*
(222) 2023/11/16(Thu) 21時半頃
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「 煙崎さんのお兄さん? そうなんですね。 あなたが …… 」
あの時はどちらが長く円周率を 言えるかの勝負だったか。>>174 煙崎るくあの35桁に対して、 俺がギリギリ1桁上回る、まさに熱戦と言えた。
程なくして運ばれてきたドリンクを流し込む。 爽やかなフレーバーと共に、身体に水分が巡るが、 この暑さではほんの一時しのぎかもしれない。
煙崎るくあの関係者が集められた場。 なるほど血縁に裏付けられた兄という位置づけは、 間違いなく ──── 「近しい立場」だ。
(223) 2023/11/16(Thu) 22時頃
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「 煙崎さんが俺のことを話したんですか? …… へぇ。 」
流石に偽装彼氏とまでは話していないと思うが。 煙崎るくあと煙崎灰羅の仲の良さを 見誤っているなら、実際の所はわからない。 そこまで考えてから、ぱち、と睫毛を揺らす。
「 …… 確かに俺は「坂理くん」ですが。 お兄さんに自己紹介、しましたっけ? 」
話を聞いただけなら、顔までは知らないはず。 自分は名乗らず相手のことだけ尋ねる。 そんな無礼をした気がするが、さてどうだったか。
(224) 2023/11/16(Thu) 22時頃
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「 奪われる、とは思わないんですか? あのホログラムは明らかに殺人を誘発してた。
本当にここに煙崎さんを殺した犯人がいるのなら。 自らの手で、その仇を取る機会を得たいとは? 」
煙崎るくあに近しい人間。 筆頭である青年に対して、ちらと視線を寄せてから。
『あなたが殺さなくていいんですか?』
ホログラムへの見解を語る彼へ。 細めた眼差しで、試すような物言いを向けた後。
(225) 2023/11/16(Thu) 22時頃
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「 俺が思っていること? そうですね。 御覧の通りよく分からない事態ですからね。 大したことは考えてないですよ。 」
こちらに手番が回って来れば。 顎先に手を当て、考え込むように瞼を閉じ、 すぐに開くと。
「 煙崎さんはいい子だったから。 いなくなってしまって、哀しい。 」
(226) 2023/11/16(Thu) 22時頃
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今の状況に対して、毒にも薬にもならないような。 単なる個人の感想を 寂寥が滲む笑みと共に口にして。 吐いた言葉を呑み込むように、 ドリンクのカップを空にした。**
(227) 2023/11/16(Thu) 22時頃
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「あら。違うの? こんなところに呼ばれるくらいだし、どうでもいい友達って事はないと思うんだけど…」
というのは結局推論にすぎない。 少なくとも友達以上恋人未満とかそんな親しさではないのだろうか、とか 彼の言葉>>192からそんな事を勝手に考えた。 そんな彼は、私の「くだらない話」に興味があるらしい。
(228) 2023/11/16(Thu) 22時頃
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「いや、興味あるなら構わないけど。 …ほらこれよ、タバコ。 学校の敷地内はもちろん禁煙だから、昼休みに近くの公園で吸ってたんだけどさ。 保護者から校長伝てでクレームが入ってね。 そういう事これからも保護者に 言われ続けるんだろうなって思ったら、 なんか、急にくだらねー仕事だなって思ってね。 ちょうど3月も近かったし、それでやめたの。
どう?ホントにくだらないでしょ。」
坂理君はどうかな。呆れたかもしれない。 まあ自分でも大概だと思うからそこはいいのだ。
(229) 2023/11/16(Thu) 22時頃
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― 少し前/カフェを出て ―
公演ではないなら、少しは、良かったんでしょうか。 ……でも、お稽古でも困りますね。
[仕事ではある>>221、に小さく頷いて。]
私も、るくあちゃんが亡くなって、 日にちが経ってから知ったんです。 だから、お葬式には行っていなくて。 死因も、心臓マヒ、としか聞いていなくて。
(230) 2023/11/16(Thu) 22時頃
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[家族が心配する>>222というのには。]
……私、『家族』って、よく分からなくて。 私を作った人は、居るんですけど。 心配、とかは……。 …………そういうのは、ないですね。
学校も、特には……。
[そう言って、少し瞼を伏せる様にするけれど。 綺羅さんが学校嫌いだった、と笑うのを見ると、ぱちりと瞬いて。 つられた様に、少し目を細めて、ふふっと笑った。*]
(231) 2023/11/16(Thu) 22時頃
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──現在・サバゲー前──
>>186 写真?うん、今はプライベートだから、ネットに載せないなら大丈夫。 何せ今日、誰にも黙って此処に来てるからね。
[座長にバレたら叱られる、と笑いつつ。>>187]
るくあちゃんは動画配信の事知らなかったんだ? キャンディ🌟チャンネル面白いのに〜。
そうそう、るくあちゃんはまず名前が変わってるから覚えたんだけど。何度も出待ちに来てくれてて顔も認識するようになって……かな。
[さすがにるくあとLINE交換した事は言えないが。 身内と言うわけでもない彼女の推し役者が、今回の招待状を受け取って、しかも一人で来ているという事実からは何か察される物があるかもしれない。が、それ以上の余計な話をするつもりはなかった。
一通りの自己紹介や軽い雑談を終えると、島に上陸した時に受け取った『アポロ』を出して眺める。]
(232) 2023/11/16(Thu) 22時頃
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―― 広場を離れ ――
[何かから逃れるようにあの場所を離れた。 声をかけるだけの余裕はなかったかもしれないが 途中、人とすれ違えば会釈くらいしただろう。 あのホログラムをそのまま信じるなら、 此処にいる全員がるくあのゆかりの人間であり 彼女から一定以上の感情を向けられていた者たちらしい。 等しく殺害容疑をかけられているという意味でも 他人とは思えなくなっている。
やがて息が切れ、早足は遅足になる。 スカートの裾を揃え、適当なベンチに腰掛けた。]
殺害………、
[声の掠れで喉の渇きに気付いた。 思えば移動中から飲み物も食べ物も口にしていない。]
(233) 2023/11/16(Thu) 22時頃
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話はそれよりも、ホログラムの煙崎さんのことになる。
「まあね。冗談にしてはタチが悪すぎるわ。 …どうも、悪いことに本気みたいね。」
こういう時にありがちなパニックにはなぜかならなかった。 多分、ほかにあまり人がいなかっただろう。 パニックは、伝染するものだ。多分。
坂理君が異存ないなら、プラネタリウムからは外に出させてもらおう。 付け加えられた余計な一言>>195は、当然聞こえている。 だから、天の川ロードから休憩所に向かう道すがら口を開いた。
(234) 2023/11/16(Thu) 22時頃
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「長生き?そりゃ長生きできた方がいいわよ。 ……あ、タバコね。
だいじょうぶ。これはノンタール。それに結婚したらやめるわ。 再来月に式挙げるのよ。 偶然教育実習の時の子と、婚活の時に再会してね。 ふふ。…いけないこと全部教えちゃった。」
冗談めかしてくつくつと笑いを漏らし、休憩所に着いて電子タバコを取り出す。 蒸気を一吸いして…… 遅れて先客>>208に気づいた。
(235) 2023/11/16(Thu) 22時頃
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レストランやカフェはこの近くだったかしら……? ええと、モナリザさん、モナリザさんは………
[あたりを見回し、癒しの白ボディを探すけれど ゲート付近にはあれだけ数多く居たロボットが この辺りには見当たらない。 注文は端末で出来ることを思い出して 不慣れな手付きで画面をタップした。
見慣れないドリンク群の中から、 スターダストレモネードという飲み物を選び出す。 ほどなくして滑るように現れたモナリザさんから 飲み物を受け取って一口口に含んだ。 レモネードの上に程よく散らされたスパイスや 金箔が煌いていた。]
(236) 2023/11/16(Thu) 22時頃
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ふーん……、これ、スマホの代わりになるみたい?
[カード型のデバイスを感覚的に操作していくと、LINEのような機能も付いているようだった。 HOMEに戻ると館内施設のマップがあって、自分の現在位置も分かるようになっている。点滅する▼を確認して、”ここ、ちょうど園内のど真ん中だね”と呟いた。]
さて、他にも招待されてる人いるみたいだけど…… どうする? 他の人を捜すなら女の子だけで居るよりは着いて行ってあげたいと思うけど。
ちょっとだけ、遊びたいな〜なんて…思ったりも…
[こんな時に何言ってんの!?と呆れられても仕方が無いのだが、何せ、生まれて初めて遊園地に来たのだ。遠目に見えるアレとかアレに乗りたくて、既にうずうずしていた。]**
(237) 2023/11/16(Thu) 22時頃
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奪われる? ほう、随分物騒なことを言うもんだ。
[るくあの死について、この青年の前で 特に熱の籠った言い回しも素振りもしていない筈だ。
初対面の相手に、己は殺人を犯す人物に見えたのか。 だとしても、直截で不躾な物言いは、 少々風変わりな青年のように思えた。 秀麗な面から見つめてくる視線は、探る色を孕み、 愚か者のそれではない。 その分、要注意、のシグナルが鳴る。]
(238) 2023/11/16(Thu) 22時半頃
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名前? この、アポロっつったか? カードの、招待客の欄に名前があった。 ほら、ここ、『サカリ』 男は俺を含めて数人しか招待されていないみたいだ、 この『ウツギ』と『ナカムラ』はるくあから聞いた話、 大人の男だった筈だ。勘ってレベルでもない。
…………ふーん、最近のコは醒めたもんだな。
[寂寥を滲ませながらも、しかし淡々とした口ぶりに 肩をすくめて。*]
(239) 2023/11/16(Thu) 22時半頃
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眼鏡の男性>>214の素性は、意外なものだった。 「るくあ…煙崎さんのお兄さん?! そう、ですか。
いえ、ここで知り合ったばかりですよ。 こんな顔のいい弟がいたら自慢したでしょうけど。
…はじめまして。中学の時に煙崎さんの担任をしていました、菊水です。 煙崎さんのことは… 話には聞いていましたが。」
坂理君は何か美味しそうなものを頼んでいる。 私も何か注文することにした。アポロから注文できるらしい。なるほど、便利だ。
(240) 2023/11/16(Thu) 22時半頃
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「…ミルキーロードフロートを。
で、……さっきのホログラムね。 ……………」
坂理君の切り出した話題>>211に、やっぱりそうなるな、と思いつつ少し宙を仰ぐ。 それから、煙崎さんの兄…灰羅さんに視線を向けた。
「そうね、イカれた発想には違いないわ。 まあ…そこまでするぐらい煙崎さんに思い入れがある人なんでしょうね。 心当たりありませんか?そんなに煙崎さんに親しい人… こんな事をするくらい思い入れのある人…
…いえ、そっちの方はいいか。犯人ね。」
(241) 2023/11/16(Thu) 22時半頃
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ふう、と届いたミルキーロードフロートに口をつける。 冷たく甘く、優しい味わいが喉に広がる。
「…正直、さっぱり心当たりがないわ。 煙崎さんのことはそこまでよく知っていたとは言い難いし… 高校に上がってからはそれっきりで。 お兄さんにもこうしてお会いするのが初めてなぐらいですもんね。 恥ずかしながら…私には普通に良い生徒としか映らなかったものだから。 お兄さんは…何か聞いてませんか? 彼女が… 苛めを受けていたとか、良く無い付き合いがあったとか。」
どうも、こうなると自分もあまり良い教師ではなかったかもな、という感が浮かんでくる。 ため息一つ、フロートのアイス部分を口に運んだ。
(242) 2023/11/16(Thu) 22時半頃
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「まあもしこの中に犯人がいるのだったら… 最悪全員いなくなれば目的を達せられるのかしらね、 あの「煙崎さん」は。
………ごめんなさい、それは冗談だけど。 そういう話って、あるでしょう。だから…」
今のはあまり良くなかったかな、と口にしてから思い、ドリンクを含んだ*
(243) 2023/11/16(Thu) 22時半頃
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[さて、ここは何処だろう。 無重力体験館―― ファンシーな動物や宇宙人が 笑顔で宇宙空間に浮いている大きな看板が傍にある。 それらのキャラクターがオリジナルのカプセルトイに なったりしているのは未だ知らないが>>131 見つけたら絶対に、一つ二つは回してしまうと思う。
あとは、遠目に、何と言うのだったか 打ち上げて上下する椅子のアレ。 ………正式名称が分からない。 でもあれは………コースターほどじゃないにしても LV7は欲しい代物ではないかしら。 と、見上げて眇めて唸る。]
(244) 2023/11/16(Thu) 22時半頃
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乗り物がどんなものか、私でも乗れるかしらって 検分しているとどれもこれもしんぱいで、 「まだ早い」とジャッジしてしまいますね。
[甘いレモネードのストローを口元から外し。 傍らのモナリザさんの平たい頭を ゆっくりとなでなでしつつ、可笑しそうに笑う。]
何に乗ろうかなって、楽しみにしていたの。 もちろん、煙崎さんの名前があったことは 気になりながら足を運んだのよ? だけどね……。
(245) 2023/11/16(Thu) 23時頃
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――アトラクション『Moon Wars』前――
「中学も高校も違う、なら小学校? ボク引っ越しちゃって幼馴染とかいないから、 その響きにも憧れちゃうなァ。」
一番交友深かったのは、ホログラムより少しあどけない、中学生のるくあ。それを脳内で更に縮めて、眼前の女性と並べてみる――微笑ましい、二人の少女。想像に過ぎないけれど。
「雛子ちゃんの前では、るくあはどんなだった? 故人を偲ぶ――って今更だけど、 中学より前のるくあのこと、聞きたい。興味ある。」
それにしても、騒がしい自分と正反対の口数少ない女性だ(>>220)。初対面だし、人見知りなのか、派手な恰好に耐性がないのかも知れない。 結局、自分からあれこれ尋ねてしまいながら、彼女の外見を観察する。るくあの幼馴染。きっと、自分は知らないるくあのことを、いっぱい知っている。――羨ましい。
(246) 2023/11/16(Thu) 23時頃
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[“遊んでいるといい”>>85 が そのままの意味とは勿論思わない。 深刻な顔をして犯人捜しをするのが この場において正しい行動かもしれない。 けれど…………
るくあへの情とはまた別のところで、 操られてやるものかと、過去が囁く。 どうしても、の理由が出来れば別だけれど 帰りを急ぐ理由は今の私にはあまりない。]
(247) 2023/11/16(Thu) 23時頃
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― 現在/サバゲ―前 ―
[自己紹介を終えた後、綺羅さんが『アポロ』と名付けられたカード型デバイスを操作する>>237のを眺めて。]
私は、一人で大丈夫ですけど……。 綺羅さんは、ここから出られないと困るのでは?
[出られないと困ると言っていたのに、遊びたくなってしまっているらしい。>>237 その様子が、年齢は多分大分上のはずなのに、子供みたいに見えて。 少し眉を下げて、くすりと笑った。]
私は、どうしよう。 ……キャンディさんは、どうしますか?
(248) 2023/11/16(Thu) 23時頃
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[冷えたドリンクで喉も潤い、 適度な糖分摂取で思考も戻ってきた。 そういえば、生徒たちに、折角初経験なら 遊園地のコンセプトに合わせた衣装でも耳でも 触覚でも生やして写真を送って!(原文ママ) と言われていたのだった。 羞恥さえ捨てられれば、スリリングな乗り物よりは きっとハードルが低いはず。
大はしゃぎするようなアトラクションでもないから 先に済ませておくのが良いだろう。行先は決まった。
モナリザさんの案内とアポロの指示に従って それでも途中で場所が分からなくなって きょろきょろとしたりしながら 貸衣装館を目指して歩き始める**]
(249) 2023/11/16(Thu) 23時頃
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菊水……先生、 聞いたことは、どうだったかな? すまない、覚えてないみたいだ。
[>>240 名乗る菊水の言葉に空を睨んで 考える素振りをした後で、面目なさげに笑った。]
虐め。いや、そんな様子は見えなかったな。 俺も独りで暮らしていたんで、 目が行き届いたわけじゃなくてね……、
何か知っていたら、と思ったが。
[そうか、と続けて。]
(250) 2023/11/16(Thu) 23時頃
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[心当たりがないという菊水の様子に、 一見した所偽装めいた印象は受けなかった。 いや、己だって偽っているのだ。 即断するつもりは毛頭ないが。 落ち着いた大人の女といった雰囲気を持つ菊水の 次の言葉は意外で、目を瞠る。>>243]
最悪の結末ってヤツに聞こえるが、 ……究極的にはそれで達せられるだろうね。
[彼女の『冗談』を冗談であると理解した顔で頷いて、 ――――究極的にはそれでも構わないだろう? 自問する。]
(251) 2023/11/16(Thu) 23時頃
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ちょっと、他廻ってくるよ。 これ、吸える場所に移動したいんでね。
[煙管をぷらぷらさせて、ドリンクを飲み干すと 立ち上がる。 じゃあ、また。と短く告げて手を振った。**]
(252) 2023/11/16(Thu) 23時頃
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ノンタールと言われてもピンと来なかったかもしれない。 俺が煙草を吸えるのは、次の誕生日が来てからだ。 それでも身体への影響は少ないのだろうと判断して。
「 ご結婚されるんですね。 それはおめでとうございます。 」
つい先程出会ったばかりの相手。 それでも言祝ぎを惜しむ必要はなかったから。
(253) 2023/11/16(Thu) 23時頃
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「 どうか、長生きを。末永くお幸せに。 」
大人の色香を含む言い回しには>>235 返す言葉に悩んだが。
最終的には、穏やかな柔らかい笑みを浮かべて 彼女の未来を祝福しただろう。*
(254) 2023/11/16(Thu) 23時頃
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「 物騒はある程度許容してますよ。 どうやら俺達は殺人の容疑者らしいですから。 」
まだ俺のカップの中で、 ギャラクシー・サマートライアングルが 大銀河の広がりを見せていた頃。
「 ああ、なるほど。 アポロ …… ちゃんと触って無かったですね。
『ウツギ』と『ナカムラ』は大人の男性…… 」
説明されたことに、納得したように頷いて。 まだ出会っていない名を、口内で繰り返してから。
(255) 2023/11/16(Thu) 23時頃
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灰占道士 煙は、メモを貼った。
2023/11/16(Thu) 23時頃
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「 …… それにしても。 煙崎さんと仲が良かったんですね、お兄さん。 」
自身もアポロを起動し、煙崎灰羅の名を目線でなぞる。 話しぶりから察するに、「坂理くん」を含めて 彼女はどうやら少なくない人数の情報を、 兄と共有していたようだったから。
「 あなたなら、煙崎さんを殺害した 犯人に心当たりがあるのでは?」
(256) 2023/11/16(Thu) 23時頃
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灰占道士 煙は、メモを貼った。
2023/11/16(Thu) 23時頃
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雑な期待を投げた後。
再度、アポロのディスプレイに表示された名前を見る。 これで誰かとコンタクトを取ってもいいかもしれない。 夏の遊園地を歩き回るのにも辟易したところだし、
自惚れを大いに含むが、 対面して外見に反応されるより 文字だけのやり取りの方が気安さもある。
「 …… いけないことの件から思ってましたけど。 存外過激ですよね、菊水先生って。 」
菊水教諭と煙崎さんの兄による二者面談。>>242 途中で出た皆殺し案には、思わず苦笑いしたが、 あとは無言で端末を触る指を、素早く動かした。
(257) 2023/11/16(Thu) 23時頃
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『 こんにちは。 あなたは煙崎るくあさんにとって どのような存在ですか? 』 送信相手は特に吟味しなかったが。 宛先に指定された名は、ウツギ[[who]]と書いてあった。
(258) 2023/11/16(Thu) 23時頃
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そうしているうちに、 お兄さんは立ち去ったようだ。>>252
自身のドリンクも空になっている。 メッセージもすぐに返事は来ないだろう。
ドリンクの二杯目を頼むべきか。 再びどこかに移動するべきか。 手持無沙汰の状態で、 菊水先生に「どうしますか?」と意見を求めたら。
貸し切りの遊園地。 喧騒と静けさが混ざり合った何とも不思議な空間に 自らの耳を澄ませた。**
(259) 2023/11/16(Thu) 23時頃
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――キャンディ🌟チャンネルとは?――
最初こそ薄すぎる地顔と派手メイクのギャップが受けて、ビフォーアフターメイク動画がメインだったが、今では新作コスメの宣伝や辛口批評、銀河ギャルのファッションチェック、ゲーム実況から歌ってみた踊ってみた、エセ宇宙科学実験など、様々なジャンルの動画を手あたり次第に投稿している。尚、身バレが怖くて、初期の素顔が写った動画は削除済みだ。 以前、【コイツは宇宙人に違いない水棲生物ランキング】と題した水族館ロケ動画が好評だったので、今回はギャラクシーランドの先行体験レポを予定していた。
(260) 2023/11/16(Thu) 23時頃
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――アトラクション『Moon Wars』前――
「お、お忍びで貸し切り遊園地満喫ですか……? ノーブルでセレブな感じですね、さすが。
……本当に、ボクなんて場違いな気がする。 どうして招待されたんだろう。」
雲の上の有名人からチャンネルに好評いただけた(>>0:232)だけで、正に天にも昇る心地だった。 招待理由はホログラムのるくあの言を鵜呑にするなら、一緒に遊びたかった相手、らしいが。最初にでくわしたのがVIP待遇確定の相手だったため、やっぱり何かの間違いじゃ、なんて考えが過る。
(261) 2023/11/16(Thu) 23時半頃
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「こ、これは期せずして、 ゲーノージンと遊べる、 ディナーショウ付き遊園地ツアー的なアレに 参加できるチャンス?
お、お布施しなきゃ……てか このままじゃボク、尊死しちゃわない!?
身に余る光栄、ですけど コラボ動画じゃないし、肖像権の関係で 撮影はできない……!
でも、ちょっとだけ、なら……?」
なんて、と不謹慎発言まで可愛く宣える有名人オーラを浴びせられながら(>>0:237)、此方は別の意味でうずうず、本来の目的の逃避に62%くらい乗る気になっている。 島内の飲食は首に下げたデバイスで賄えるらしいが、とりあえずポーチから財布を取り出して、震える手でお札を数え始めた。*
(262) 2023/11/16(Thu) 23時半頃
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――少し前
[>>255 坂理は、なかなか壮大な飲み物を 相手どっているようだった。]
そうだな。年も離れていたせいか、 殆ど喧嘩もしたことがなかったな。
それに、 るくあから聞いていたかもしれんが、 俺たちは施設育ちでね、
だから、というわけでもないのだろうが 大切な妹だったよ。
[担任の菊水は知っているだろうから、 別段気にすることなく呟くように口にする。]
(263) 2023/11/16(Thu) 23時半頃
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あいつの口から、人を悪くいう言葉を 聞くことはなかったよ。
[心当たりという言葉に首を振った。**]
(264) 2023/11/16(Thu) 23時半頃
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― 少し前 ―
[キャンディからの問い>>246には、ぱちりと瞬く。 るくあちゃんとは、小学校で知り合ったわけではないのだけれど、それは口にはしないでおいて。]
中学より前のるくあちゃん……。 るくあちゃんは、私より2歳年上だから、 友達だけど、お姉ちゃんみたいにも、見えて。
……一緒に、かくれんぼとかして、 遊んでもらいました。
[そう口にすると、ぼんやり、彼女との思い出に意識を向けた。]
(265) 2023/11/16(Thu) 23時半頃
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