18 星間回遊オテル・デカダン
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──四日目──
[そう、とわかった瞬間、不思議と心は落ち着いていた。
確かにまだやりたいことはあった、終わってない仕事もある、見に行きたい場所もある。だが、それ以上に
よくやった
と、そう思う気持ちが強かった]
[一般的なビジェ人より長く生きて、オレの夢を叶えて、オレの名前を遺してくれた。
オレの作品の評価は……下がるだろうな。なんせオレ自身の実力なんかじゃない、我が侭駄々捏ねて喰わせて手に入れたものだ。
どっちが人でなしかわかったもんじゃない]
[館内放送はバラードにアレンジされた昔の曲を流している。
破天荒に生きたアーティストの曲だ]
[酒とドラッグに溺れて早死にした男が、その生き様すら作品と評価される。
リアリティを追求した末に人を殺そうとした作家の作品が名作として持て囃され、作家の人生が歌劇として昇華される。
そういう事象を俺は見てきた、だから何の根拠もないが大丈夫だと、思っている]
[ガリガリと頭を掻く。
フケは落ちない]
[ピジェ人はそういう生き物だと、代謝の真似事をしたりした。わざわざ生態を調べて擬態を完璧なものにしようとした。
ミツボシには理解できないと言われるだろう。
アルクビエレには呆れられるだろう。
だが、そう思ってそう動くくらいには、俺はオレのことを気に入っていたようだ。
多分……楽しかったのだ、生存だけを考えて生きるのではなく、何かを創り出すという、カクレが決して思いつかないことをするのが。
今までの生き方とは無縁のことをするのが]
[PJに送ったメッセージを思い出す。
『エフと言う名前は共同作家名のようなものだ』
言い出したのは俺だったかオレだったか。
恐らくは俺もオレもそう思っているのだろう。
少なくとも俺はそういう生き方が楽しかったし、オレは自分の願望が満たされたから]
[だから俺はここで降りる。
俺は俺の積み上げてきたものを、全て片付けた。
俺が作った人脈に、俺が作ろうとした、作りかけたものを渡した。
最期の仕事はオレに任せる]
[人並みの才能……いや、人並みより乏しいかもしれない。そんな一人のデザイナーとしてペンを取る。
紙にアイデアを描き殴る、たった一人のために、稚拙と笑われようが描き殴る。
たった一人、すべてを知る人物のために。
オレはペンを滑らせた]
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― ??? ―
[その映像は、確かに『記録』されていた。 星間回遊オテル・デカダンの客室。 ベッドに、今は亡き魔術師の男が腰掛けている。]
あなたがこれを見ている頃、僕は既に生きてはいないでしょう。 先程、最後のアップロードを終えました。 僕の記憶が必要になった時は、これを使ってください。 残っていれば、ですが。
[これ、と言いながら前髪を上げて魔術紋の入った宝玉を見せる。 画面を手元に寄せれば指先が僅かに痙攣していたのを確認できるかもしれないが、『ンジ=ミェツカ』では推奨されない方法だ。 故に、男の名誉はいくらか守られることだろう。]
(66) shion_san 2022/05/20(Fri) 01時頃
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[そうして語られるのは、『遺品』の取り扱いについてやら、『星喰いアメーバ』についてやら、『今後の可能性』についてやら。 それから、乗り合わせた乗客のこと。これまでに出会ってきた人たちのこと。]
本当に……星を出て、いろいろな人に出会いました。
[この船だけでなく、多くの星、多くの場所で]
もし、あなたが……この先、新たな世界を望むことがあったなら。 星の外で、僕の知る人々に出会うこともあるかもしれません。
[一拍の間をおいて]
僕が死んだら、所有している契約書は全て燃え尽きてしまうでしょう。 それでも、きっと、彼らの記憶に僕は残ります。 広大な宇宙で、もし、奇跡のような出会いを果たすことがあったなら。
どうか、言葉を交わしてみてください。 新たな出会いを、歓迎してください。
それが僕の、最後の願いであり、贈り物です。
(67) shion_san 2022/05/20(Fri) 01時頃
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最後の息子へ、愛を込めて。
[映像はそこで終了している。この端末に限っては。]
(68) shion_san 2022/05/20(Fri) 01時頃
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― 4日目・朝 ―
[連行されるアルクビエレは、落ち着いた様子だった。
抵抗も狼狽もせず、まるでわかっていたかのように淡々と歩き、無表情で示されたポッドを見た。
声はなかった。]
[何故この船を選んだのかと言えば、以前下見に来たからだ。
この船の金持ち達ごと取り込んでしまえば、教団の信者も資金も増やせる。こどもたちも、殖やすことができる。
そもそも、何故、船だったのかと言えば。
方舟、が欲しかったのかもしれなかった。
我々が乗ってもいい方舟が。
そうして最後に乗ることになったのが、この小さなポッドだ。
アメーバを凍え殺すための、死の舟だ。]
[一瞬、全身がぞくりと泡立つ感覚を覚えた。
念話を遮断しておいてよかった。
彼らに死の予感、なんてものを伝えたくはなかった。
エフは覚悟ができていたようだけれど、まだ若いミツボシは、本来なら守ってやらなければならなかった。血肉を分けたこどもたちでなくとも、同じ本能と衝動を持つ同胞として。
そうできなかったことは、心残りと言えばそうかもしれなかった。
頼まれた供養ができなかったことも。
けれど、後悔には至らない。
この身に先がないことをわかっているから。]
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