28 僕等(ぼくら)の
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──それから・2──
[学校が再開して、生活が徐々に元通りになって。 僕も夜のFPSオンラインゲームを再開した。といっても受験を控えているから、毎晩ではないけれど。 腕はそれほど鈍っていなかったが、時々、自分でも"ん?"と感じるような変化が起こっていた。
上空から降りて、素早く武器を回収し撃ち始める。グラフィックは最先端で、飛び散る血も生々しい。以前の僕は一つの躊躇もなく撃ちまくり殺しまくりといった具合だったが、薄目で見る機会が増えた。リアルにたくさんの人が死ぬところを見過ぎたのか。今更では? それでも一定の勝率を保っていたけれど。
ある時、あと1チーム殲滅すれば優勝、というタイマン勝負の状況まで来て。瓦礫の影に逃げ込んだ、僕と同年代くらいのアバターを追い詰めた。相手はどうやら弾切れを起こしている。秒を争うチャンスだ。僕は最強武器、S+ランクのクレーバーを構える。 頭部を破壊すれば終わりだ。 これはアバターで、ゲームだ。 なのに、僕は瞬間、躊躇した。
───その一瞬の隙を突いて、後方から心臓を撃ち抜かれた。]
(257) steel 2023/08/29(Tue) 12時頃
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……うわ、やられた……。
……すっげぇ距離から……
[相当な腕のプレイヤーにやられたな、と思った。 僕のチームの生き残りは僕だけだったので、その瞬間、相手チームの優勝が決まった。 組んでくれていたのが外人なので、Sry、Thx、とか打ち込みながら、ゲームの中の青空を仰いだ。僕のアバターは清々しく大の字で死んでる。
画面上部に、チャンピオン部隊の名前が流れて来る。
─Elusive_04, ──kikks89, ───mayura1157,
3人目が僕を撃ち抜いたプレイヤーらしい。 って。
え?
思わず二度見する、が、画面が流れて。アバターは待機場所に戻された]
(258) steel 2023/08/29(Tue) 12時頃
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[mayura1157、それは本郷さんが使っていた名前だ。 忘れる筈もない。
僕はホーム画面に戻った後、秒でふたたびエントリーした。また会えないものか。今日、延々とプレイしていたら再びマッチする?? しかし、mayura1157さんとマッチする事は無かった。
もちろん同じ名前の別人かもしれない、でも。]
あ〜同じ部隊ならフレンド申請したのに!! いや、ダメ元で……ホーム画面から送ってみるか……
[フレンド申請を送ろうとして。 少し考え。
僕は、"en0910"の名前を"sarubobo0910"に変更した。 もしこちらの世界の本郷さんだったら。こちらの世界でも変形したさるぼぼを持っていたら受理してくれるかも……などという淡い期待だったが。
会えなかったとしたら、"en(縁)"の名を捨てたのが良くなかったのかもしれない………?
こうして、僕のゲームHNはしばらくの間、sarubobo0910となった。]*
(259) steel 2023/08/29(Tue) 12時頃
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地道居士 エニシは、メモを貼った。
steel 2023/08/29(Tue) 12時頃
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[>>@46真弓ちゃんに会ったら悲しくなっちゃうかも。 と夏水は言った。 僕は純粋に興味がある。 並行世界の本郷さんは、もちろん僕のことを知らないが 完全に別人なのだろうか?
もちろん本郷さんに限らず、他の天文部員や、加賀先生が居た場合でも同じなのだけど。 同じDNAだったり生い立ちが同じであれば。同じなのか?
会わなくても、答えは出ているのだけど。 双子がまるで別人であるように。
それでも僕は会ってみたかった。もしも存在するのなら。 もし出会えたら、 同じように友達になれるものだろうか………?]*
(260) steel 2023/08/29(Tue) 12時半頃
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──プラネタリア──
[静かな田舎の星空模様。 僕にとっては夏合宿の思い出だけど、夏水にとっては、それだけではない沢山の何かが詰まっているのだろう。 上映が終わっても、少しぼんやりとその場に座っていただろうか。 やがて場内が明るくなり、僕は慌てて繋いでいた手を放した。]
……映像が綺麗すぎてCGなのかロケハンなのか分からないくらいだったけど。ちょっと、現地に行ってみたくなっちゃったな。
[現地に行ったら、また夏水が泣きっぱなしになるような気がするけれど。
それから、併設のカフェに寄って。 星地巡礼デザートプレートなんてすごいスイーツもあったけど、僕は惑星モチーフのアイスを食べた。抹茶の緑色が地球の大地っぽい。 しばらくカフェで、星の話なんかをしつつ。 希望があればお土産屋に寄って、帰路に着く。 まだ星は見えない、夕暮れの入り時だった。]*
(261) steel 2023/08/29(Tue) 12時半頃
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地道居士 エニシは、メモを貼った。
steel 2023/08/29(Tue) 12時半頃
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[>>@58会いたい?と言うのには。]
本郷さんだけじゃなくて天文部のみんなに会いたいけどね。 加賀先生も。
ただ、日暈学園も存在しないし…。ネットでみんなの名前検索しても出ないし結構詰んでる。本名だから当たり前だけど。
[そういう意味では、夏水の実家がある合宿先の田舎は存在しているし、そこが所縁の地である本郷さんはまだ探せる可能性があった。]
本郷さんは本名だけじゃなくてゲームのハンドルも聞いてるから、いつか会えないかなとは思うけど……まあ、こっちの彼女は僕等のこと知らないしな。
[一緒に探してあげる、というのが僕主体になってるのがちょっと引っ掛かって、少し考えて聴いてみる。]
夏水は?会いたくないの?
(269) steel 2023/08/29(Tue) 21時頃
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[僕にとって本郷さんはゲーム仲間というか戦友というか男友達に近い感覚なのだけど……もしかして誤解されたかな、と少し思いつつ。 プラネタリアを後にして駅に向かう並木道を歩く。]
え、僕にお土産?ありがと。 凄い色のお茶…バタフライピーかな?
[夜空色ならそうだろうけど、いきなり種明かしを自分で言うのは無粋すぎたかも、僕はこういうところがちょっと。 自分は、獅子座のマークが付いたシンプルなパスケースを買った。 ベルトに付けてポケットに入れていた、ナナホシテントウのキーチェーンに早速それを付ける。]
……あの時もらったやつ。 お守り替わりにずっと身に着けてる。
こうして無事に帰れたから、お守りの効果あったかな…。
[実は眼鏡もずっと、永にもらったやつを使っているんだけど、前のとデザインが似てるから気付かれていないかもしれない、と考えながら。 距離を置かれそうになっている事も知らず僕はのんびりとしていた。]*
(270) steel 2023/08/29(Tue) 21時半頃
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[>>@60裏切ってる気がする、という言葉には少し驚いた。]
そんな考え方あるんだ。 勿論どれほど似ていても別の人間だし、みんなと再会したいと思ってるわけでもないし、まして重ねて見るとかそこまで考えてなかったけど。 単純にいるのかいないのか気になってる、って言ったらいいのかな。
本郷さんに関しては、こっちの地球でもあのゲームの腕がある人なら単純に一緒に遊べたらなって思ったけど…。
[自分の身の回りでゲームの趣味が同じ、かつプレイヤーレベルの合う友達が同性でも居なかったから。小学生がゲーム友達を欲しがるような理由に近かったのかもしれない。]
………でも夏水の考え方は否定しないよ。
[そも、ほぼ会えないのだろうな、とも考えていた。]*
(273) steel 2023/08/29(Tue) 22時半頃
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[>>@62 3人で帰れて良かった、には、頷いたけど。 此処を一緒に旅立った時の永の元気な姿を見ているから、しんみりとした気持にはなる。
ありがと、バイバイ、と手を振って来るので、 いつもの調子でじゃあね、と手を振りそうになるけど、 その上げかけた手で、駅に向かおうとする夏水の腕を咄嗟に掴んだ。]
……待って。元気なくない?
[もともと、元気ではないのは分かっているけど。LINEで誘った時も、永の布団で寝てたし、多分泣いてたんだと思ってる。だから外に連れ出そうとしたのだし。 でも、ここに来た時よりも帰り際の方が沈んで見えるのは説明がつかなくて。]
僕がなんかした? ごめん、鈍くて分からないけど……
……ただ、夏水が元気ない事だけは分かるから。
[それは本当にそうだった。そこまで長い付き合いでもないけれど、弓道部で知り合ってから、ずっと見てきたのだし。]*
(278) steel 2023/08/29(Tue) 23時半頃
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え……っ?
[>>@75一瞬言われた意味が分からなかった。そういえば本郷さんは女子なんだった。引継ぎ戦まで一緒に行った、特別な仲間だし友達だと思ってたけど、それは確かに、"あの地球の本郷さん"だけだから。 でも、ちょっと予想外の方向過ぎて。]
女の子だけど、それ以前にパイロットの仲間だと思ってたから家に行ったよ。いや、こっちの本郷さんはそうじゃないけど…。フリーとか何とかそんな発想すらなかった。
って これ何の話してる?
……いや………、えっと。
[僕は。
@>>44"縁士君と縁牙君は違う"と聞いて。 それはそうだろうな、と思ってた。 分かってたから動揺もなくて。]
(279) steel 2023/08/30(Wed) 01時半頃
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花火大会の時に……
ずっと一緒に行こうって約束したし、 夏水が僕を必要としなくなるまでは …傍にいるよ。
僕は夏水が、縁牙をずっと好きでも構わないよ。
(280) steel 2023/08/30(Wed) 01時半頃
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………ずっと言わなかったけど、縁牙と約束したのは。『夏水のことを最後まで守ってほしい。』だったんだけど。 本当は、前後があって。
『縁士が夏水のことが好きなら、最後まで守ってほしい。 そういう好きではないなら、俺のために彼女を守ってほしい。』
………だったよ。
どっちだと思う?
僕が弟や永のためだけに夏水を守ろうとしてたと思ってる?
[こんなこと、話すつもりはなかったんだけど。 夏水がどんな表情をしているのか、夕陽の反射でちょっと分からなくなっていた。]
(281) steel 2023/08/30(Wed) 01時半頃
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[たぶん僕の顔も夕焼けに照らされて、赤くなっていても分からないだろう。もうそんな事はどうでもよくなっていた。]
〜〜〜〜、だーかーらー、 僕は最初から夏水が好きで着いて行ったんだよ……
お前に何かあったら…自分は死んでもいいから守ろうって……
好きじゃなきゃそこまでやんないだろ。
もう!
ばーか!!!
(282) steel 2023/08/30(Wed) 02時頃
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[子供っぽいし、馬鹿とか言うのはもうやめようと思っていたのに……。そこまで言うとさすがに恥ずかしくなってきて、僕はそっぽを向いてしまった。]
………僕は夏水を一人にしないよ。
だから変な心配……?いや知らんけど……、 そういうの……しなくていい。
縁牙を好きでも気にしない……。 同じ顔だし… もう、居ない奴には勝てない。仕方ないから、気にしない。 永に勝てないのは初めから仕方ないし。
(283) steel 2023/08/30(Wed) 02時頃
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………だから、一人で頑張るとか考えなくていい。 それこそ怒られる……永にも縁牙にも。
わ、わかった?
[分かったのかわかんないけど。僕はやっと夏水の方に向き直って、眼を見た。]*
(284) steel 2023/08/30(Wed) 02時頃
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[結構ハッキリ言ったつもりだったのに、あまりうまく通じてなかったみたいで、仏頂面の眉毛をハの字にして聞いていたけど。>>@77
ぎゅってして、と言われて、思わず えっ!?と狼狽える。
周囲をきょろきょろと見渡せば人もいなくて、日暮れの薄暗さで。元々掴んでいた腕を一旦離して、一歩近付くと落ち葉を踏みしめる音がする。肩に手を伸ばしたら、一瞬びくっと震えたような気がして。 大丈夫かな……と少し思いながら、そのまま抱き締めた。
ふわっと女の子の甘い香りがして、頭がくらくらしてくる。そういえばハロの時は何度も抱っこしてたけど。これは。全然違うし。 隠せないくらい心臓の動悸が速くなっていくのが分かった。]
──……これで、何か、わかる?
[この状態で分かるのは、僕の鼓動の音がヤバい事くらいなのでは? さすがに恥ずかしいんだけど。……でも、一度抱き締めてしまうと、何かの糸が切れたみたいになってしまって。だんだん腕の力が籠っていくのを抑えるのが大変だった。]*
(285) steel 2023/08/30(Wed) 09時半頃
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[さすがに自分から言って来た事なので突き飛ばされたりは無いと思ってたけど、背中に腕が回ってきたのは少し驚いて。次の言葉に、二度驚いた。 僕は、ずっと夏水は弟が好きなのだと思っていたし、 言葉だけだと信じられなかったかもしれないけど。 密着していると夏水の心臓の音も聴こえてきて。それはとても、雄弁に。]
…………えっ。 まじで………
夏水は縁牙が好きなんだと思ってた。ずっと。
[何なら本郷さんにもそう言ってしまったような……と一瞬赤い顔が青くなったけど、それには触れず。というか。]
本郷さんは友達だって……。 まさかそんな誤解されると思ってなかったんだよ。
[それはそうだ。夏水が自分に対してその手の関心があると考えていなかったんだから。 夏水の腕が一度解かれたけど、構わず抱き締めたまま、続けた。]
(286) steel 2023/08/30(Wed) 11時頃
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僕も好きの種類とか長らく分かってなかったよ。 ただ……、夏水だけが大事だった。
僕が勝手に大事に思ってるだけだから、 夏水の気持ちはあまり関係なくて、
自分も含めて、他の人が死ぬのは仕方ないって思ってるのに 夏水が死ぬのだけは絶対にダメだって。
重過ぎて逆に恋愛だなんて思えなかった、けど……
[乾と恋愛の話をした時のことを思い出す。>>5:62 自覚できたのはあの後だったかもしれない。]
(287) steel 2023/08/30(Wed) 11時頃
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相楽の事があっても、僕に触られるのを嫌がらないのは、縁牙と同じ顔してるからだと思ってたよ。
[もしかして逆だった? そういう問題じゃないのかもしれないけど。]
………本当に嫌じゃない?
[今や、簡単には振りほどけないくらい強い力で抱き締めてしまっていた。]*
(288) steel 2023/08/30(Wed) 11時頃
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[>>@82夏水は逃げたりすることもなく、背中に手を回して来て、肩に擦り寄ってくる。その頭をそっと撫でてから、あらためてぎゅーっと抱き締めた。]
……言葉だけだと信じられなかったかもだけど、 夏水の心臓の音が……すご。
……そっか。 僕も。嬉しい。
[二人とも動悸が凄くて、もうどちらの心臓の音なのか分からないような状態になっていた。永や縁牙に怒られるだろうか?それとも祝福してもらえるだろうか。
しばらくそのまま、人通りのない並木道で抱き合っていたけど、暗くなって星が見え始める頃にはさすがに身体を離して、"帰ろ"と言いながら、手を繋いだかな。]*
(294) steel 2023/08/30(Wed) 14時頃
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地道居士 エニシは、メモを貼った。
steel 2023/08/30(Wed) 15時半頃
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──それから・3──
[僕のゲームの腕前は落ちて、ランキングも下がっていった。時々組んでいた外人のフレンドからは、"enのプレイは以前みたいな殺気が無くなったね。"と言われた。 "でも、置いて行かれてる感じが無くなってとても遊びやすいよ。まったり楽しもうね"とも。
確かに以前の僕はゲーム内で殺戮を求めているようなところがあった。自覚は多少していた。
パイロットに選ばれた時も。来た、と思ったのだ。
やはり僕に訪れるのはそういう運命なんだって。
僕は。ひとごろしがしたかったのかもしれない。 確認したかったのだろうか。 母親と同じ場所に立ってみたかった。
でも今は。 まるで、牙を抜かれたように。
疑似的な殺人を、楽しめなくなっていた。]
(295) steel 2023/08/30(Wed) 16時頃
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[僕は、子供の頃に両親が殺し合った果ての死体を目撃して、それ以上の酷い事なんて、自分の手を汚す以外で起こりようがない気がしていたけど。
その後、思春期を迎えた頃の僕を待ち受けていた現実は、軽く過去を超えて来て。 キャパオーバーしてしまったのかもしれない。
どんな人であっても、誰でも、簡単に死ぬ。 それは変わりないけど。
少しずつ変化していった。道端で猫が死んでいたら心を痛めたりもした。昔は何にも感じなかったというのに。 もしかしたら"普通の感覚"というものを手に入れたのかもしれない。
一番好きな人以外の命も大事にしようとしていて、自ら命を絶った乾のことなどを、時々思い出していた。
あの地球の天文部のみんなは、もう居ない。 センセイは、無事に帰れたのだろうか? それを知るすべも、僕には無い。]
(296) steel 2023/08/30(Wed) 16時頃
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[だけど、世界はそういうものなのだと悟った。 別の地球では、僕が死んでいたり、そもそも生まれていなかったりするのだ。 僕は、この地球の僕自身と、 同じ地球に生まれてくれた夏水を大事にしよう。]
(297) steel 2023/08/30(Wed) 16時頃
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[さて、夏水はそれから、僕の家に普通に遊びに来るようになった。正確に言えば、昔から遊びに来てはいたのだけど、必ず永も居たから。 今は、彼女一人で来る。祖父母にとってもいつもの光景だから特に気にされる事もなく。 僕がゲームしている後ろで、夏水は器用に寝ていたりする。小動物かな。]
僕の部屋は畳だからマシだけど、すぐ床とかで寝る癖はどうかと思うんだ。
………無防備だなぁ。
[微睡んでいる夏水に聞こえたかどうか。 僕の前でだけ無防備で居てもらえるのが嬉しいから、襲ったりはしないけど。 ゲームからログアウトして、隣に寝転がると、少し汗ばんでる前髪を撫でて。額にキスだけして、そのまま一緒に寝落ちてしまった。]*
(298) steel 2023/08/30(Wed) 16時頃
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──それから・〆──
[双子の縁牙を失って、 まさに牙を失ったようになった僕だけど。>>295
縁だけが残った、なんていうのは 語呂合わせが過ぎるかな。
それはもちろん彼女のことだけじゃなくて。 出逢った全ての人との縁のことだけど。
もう会えないみんな。
どこか別の世界で生きているかもしれないみんな。]
(305) steel 2023/08/30(Wed) 21時頃
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[それから更に月日が流れて、僕は、とある高校の教師になった。 3年A組担任、教科担当は現代文。そして、天文部の顧問。 何故教師になったのかというと成り行きに近いのだけれど。 むかし、別の地球で出会ったセンセイのように、立派な先生になれたらいいなと思う。
僕等の地球で××年前に起こった、未知のロボット襲来事件は、今では様々にメディア化されて娯楽として消費され始めていた。僕の教えている現代文の教科書にも、知らん人が書いたエッセイのようなものが掲載されている。
僕が元パイロットで、夏水が元引継ぎアシスタントの"ハロ"を担っていた事なんて勿論世間一般に知られてはおらず。 平和な生活を送っていた。]
(306) steel 2023/08/30(Wed) 21時頃
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[ある日、天文部の部員たちに囲まれてしまう。何年か後にこの高校の屋上に出来るミニプラネタリウムの話を聞きつけて来たらしい。僕が学校側に提案して採用されたやつだ。]
ストップ、ストップ。 え、校長先生が話しちゃったの?それじゃ仕方ないな……。 卒業後にそんなの出来ちゃうの悔しいよね。ま、OBは遊びにおいでよ……
[そう言って、天文部部長の茶髪おかっぱ頭を撫でた。しかし、部員たちは"ゆるせなーい!先生なんか奢って!"とか騒ぎ出す。もはやそれが狙いか。]
はは。奥さんがつわりあるし、僕が晩ご飯作ってるから、しばらく寄り道は出来ないな〜。またいつかね。
[やんわり生徒たちを往なして、僕は職員室に帰った。]
(307) steel 2023/08/30(Wed) 21時頃
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[席に着いた頃にちょうど奥さんからLINEが入っていて。 名前考えておかないとだね?なんて。 何となく男の子じゃないかな、という勝手な予感がしていて。考えていたことを返信に書いてみる。]
💬 "永縁(ようえん)"か"永牙(えいが)"でどうかなぁ…… 捻りなさすぎ?
[永と縁牙、どちらか、或いは両方に顔が似てることはもはや確定だから。いっそ名前も近いのが良いなんて思ってるんだけど。むしろ双子の可能性もあったりして……奥さんの意向も聞いてみようか。 メッセージを送信すると、僕は試験問題を作るために教科書を開いて、例のエッセイを書き写し始めた。]
『………こうして、彼らは地球を救いました。何の作為もなく選ばれた高校生たちが地球のために戦って散っていったのです……』
[エッセイの作者は全然知らない人だから、ほんと誰だよ、なんて突っ込んでしまうんだけど。 内容は紛れもなく……───、僕等の。]**
(308) steel 2023/08/30(Wed) 21時頃
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──余談>>@88──
[目が覚めるともう夕暮れも過ぎるくらいの時間になっていた。家で会う事もたびたびあるけど、やたら寝落ちてしまう。いや、これは夏水がよく寝るせいだ。と責任転嫁して、まだ眠っている、🐹みたいな柔らかそうな頬をつんつん突いた。 起きたなら、そろそろ帰る時間だよ、と伝えて。
外に出ると、紫色の、夕闇のような空にぽつぽつと星が瞬き始めていた。 すっかり星に詳しくなってしまったので、金星だね、とか、そろそろ獅子座が見えるな、とか雑談しつつ。薄いコートのポケットの中で繋ぐ手。
駅前近くに来て、別れが惜しくなるのか二人共だんだん足取りが遅くなっていく。 僕は立ち止まって、握った手の力を強めた。夏水がこちらを振り向く。後ろ髪を撫でながら、そのまま引き寄せて、触れるか触れないかくらいで唇を重ねた。すぐに離れるけど、至近距離で呟く。]
……好きだよ、夏水。
[照れずに言えるようになるまでは結構時間がかかったけど。生きていれば人は、こんな風に変わっていくのだなと身を持って知る。 そうして、また明日ね。と頭を撫でると、歩き始めて駅に向かった。]**
(323) steel 2023/08/30(Wed) 23時半頃
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