35 忙しい人のための手紙村(宇宙編)
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ビー! ビー! ビー!
[警報機から緊急事態を表す異音が船内に鳴り響き、
目を覚ました。]
ん、どうした?
おい、YARS、起きてるか?
「私は睡眠を」
それはわかってる。
ちったぁジョークは言えないのか?
「努力します」
大いに結構。
[ふわりと船内に浮かび、コックピットへと移動する。
スティックキャンディーを口に咥えながら、
まだ鳴り響くやかましい警報機を一度止めた。]
で。何が起きてる?
「計測します。・・・
恒星フレアによる磁気嵐です。」
オーケイ、計器に異常は?
探索隊のヤツらへの影響は?
連絡はとれそうか?
[船内のモニターや他の計器の数値を確認しながら、
AIロボットに指示をだす。]
「航行に支障はありません。
通信には障害が発生しそうです。
惑星および探索隊への影響を計測します。」
了解。急いでくれよ。
「アイ、コピー」
[地球での太陽フレアによる磁気嵐は
さして生命に支障はでない。
この惑星ではどうだろうか。
探索隊の生命反応を表す数値を確認するが、
今のところは支障はない。
このまま、特に問題がなければいいのだが。
昨日アイツに送信したメッセージを思い返し。
少しの修正が必要だろうかと思案しだした。**]
[レッドストーン325号が接近した惑星には、輪があった。土星ほどの大きさは無いが、美しい氷の粒子が芸術的な円環を描いている。]
うわあ……
綺麗だけど気を付けないとな……*
これでも土星の輪よりは小さいらしいけど
輪に阻まれて、何も見えないな。
───某国・宇宙局本部
[今日の地球は酷い霧が出ていた。
計器に現れる若干の乱れを修正しつつ。モニタと睨めっこする。]
ひっどいノイズだな。
[レッドストーン号の航路を見て何か考えていたが、ノイズの影響かもしれない、と経過観察に止めた。
他のモニタを見ても、磁気嵐に遭遇している船、大量の宇宙塵に巻き込まれている船など、同時多発のように何かしら起こっている。
救難信号はまだ出ていないようだ。
AIに一部修正を頼みつつ、忙しくデータを打ち込んだ。]
ふー。
なんだって同時に起こるかねえ。
全宇宙が繋がってるわけでもないだろうに……。*
うわ、何この霧!
ここ数年で一番の濃さじゃない?
事故とか起こらなきゃいいんだけど……。
[ 外を走る車はノロノロと安全運転中。
宇宙の方ならこんな霧なんてないだろうになぁ。]
── 惑星パーディス付近 ──
[いよいよ目的の惑星に降り立つ日。
本船の中に収納されていた探索用の航空機に乗り換えて出発した。
大気圏突入後、かつてないほど船内が揺れる。
これまでいくつもの惑星を調査しているが、この惑星パーディスが大気に包まれているが故の抵抗だ。
超高熱に耐える探索機だが、船内の室温もさすがに上昇して、汗が噴き出て来る。さすがに少し緊張して来た。]
あっちぃ……
ここが俺の墓場にならないことを祈るぜ……。
[目を閉じて、探索機に乗り込む前にデータに仕込んでおいた音楽を鳴らす。
計器の音を邪魔しない程度の音量でささやかに流れる、オルゴール音。
曲は"夢を信じて"。]
[地球を発つ前に、幼馴染の万里からもらったオルゴールに入っていた音を、そのままデータで移して。
オルゴール自体は念のため本船の私物ボックスに仕舞ってあるが、音だけ、連れて来た。
わずかに聞こえてくるオルゴールのメロディが心を落ち着かせる。]
大丈夫、
こんな宇宙の果てで消えるわけにはいかない。
[モニタの向こうは、深い霧のように視界が閉ざされている。
この先に、夢を叶える惑星があると、信じたい。]*
[ふと、人間の声が聞こえた様な気がして。
顔を上げると、音を探して、小さな耳がぴこぴこ動いた。]
(…………誰か来るのかな?)
[ぴこぴこ。**]
(ドセイノワ……?って聞こえた様な?)
[それは同じ宇宙船に乗っている人の声か、それともずっと離れた所に居る人か。
それは実際に落とされた呟きか、心の声か。
実験動物アシモフには、不思議な能力が発現し始めていて、実際の距離に関係なく、誰かの声を拾ったらしい。**]
― 朝/高校の温室 ―
[その日、私が住む地域では皆既日食が起こると、朝からテレビのニュースで流れていて。]
写真撮って、なゆたんに送りたいけど、
撮るの下手なのよね……。
あ、ムービーにしたらいいのかな。
端末の性能に期待……。がんばって!
[小さく呟くと、端末をナデナデして。
始業時間前、温室へ行くと、9cmポッドの傍へ。]
わー! 葉っぱ、4枚になってる。
かわいー。
……いいこ。いいこ。
元気に育ってね。
[順調に育っている苗を見て、嬉しそうに目を細めると、増えた葉っぱを指先でナデナデして。
写真をぱしゃりと1枚撮ると、そっと、15cmポットに植え替えて、他の植物のお世話をしてから教室へ。]
― 放課後/温室 ―
[1日の授業が終わって、放課後。
皆既日食が起こるという時間の少し前、温室の傍で空を仰ぐ。]
[端末をムービーモードにして、傍にセットして。
太陽がだんだん隠れていって、半分以上欠けると、空は鉛色に変わる。
東の空から駆けてくる、月の影、本影錐。
太陽が月に殆ど隠れると、辺りは急激に暗くなって。
完全に隠れる直前、月の谷間から漏れた太陽光が、ダイヤモンドリングを作る。
太陽の近くには、星が煌めいて。
太陽から、炎の様なプロミネンスが立ち上り。
完全に隠れると、太陽コロナの光が白く輝く。
時間にすると数分のそれを、映像に納めておいた。]
― 夜/自室 ―
[受験勉強を始める前、端末を手に取ると、電子メールを表示させて返信を書く。]
[風に揺れるお花畑を楽しそうに駆けている、兎の便箋を使って、
四枚葉になった苗の写真と、皆既日食のムービーを添付して送信。]
……『なゆたん』かー。
小さい頃のまま、ずっとそう呼んでたけど。
私ももう18歳だし、なゆたんは26歳だし。
呼び方、直した方がいいのかな。
……那由多さん? とか?
[んー、と、小さく首を傾げて。
問題集を手に取ると、ページを開いて、勉強を始めた。**]
……えっ。
[ いつ晴れるかも分からない霧の中では危ないと、
日も半ばに帰された後。
何気なく受信した手紙に驚いて声を上げる。
遠い宇宙からの手紙は数日や数週間のラグがあり、
それを考えても返事に値する物は送ってないような。
それとも何か思うことがあって書いたのかな、と、
そう思って手紙を開けばよかったのに。
つい、うっかり。
送信タブを開いて履歴を見てしまって、
送ったつもりのない音声メッセージの内容を聞き
声にならない悲鳴を上げたのだった。]
うそうそうそうそ、まって、
えーーーーしかもこれいつのよ!?
何をどうしたらこんなの送って、
やーーーーだーーーーーーーーーーー!!
[ ほんの一言に過ぎない言葉だったけれど、
これだけは伝えまいと隠し続けた内容なだけに
頭を抱えてベッドの上でごろごろと転がる。
もっと早く気付ければ削除申請も間に合ったのに。
その音声を聞いたに違いない手紙を開くのは
少々、気合いが足りな過ぎた。]
しかもこれ、音声メッセージだし……。
[ 最後に声を聞いたのは、地球を発つ前。
私が電話を嫌っているのを知っているから、
用があるなら直接顔を見て話すスタイルで。
音声データは破損しやすいという噂もあって
ずっと文面だけのやりとりしかしていなかった。
再生ボタンを押せば、エフの声が聞ける。
でもどんな顔して聞けばいいのよって指が震え、
早く聞きたくて急かす腕が左右に揺れた。]
[ 体感、五分。
現実ではたっぷり十数分は掛けて再生ボタンを押し。]
やっぱ無理!!!!!!
[ 声を聞いては停止ボタンを押し、
また時間をかけて再生ボタンを押しては、
同じことを繰り返す羽目になったのも。
全部全部、あの筆不精のエフが悪い。
なんか声が掠れて聞こえるのは疲れてるのかなとか
また髭剃るの面倒くさがってないでしょうねとか。
心配と悪態の間を反復横跳びしながらも
記憶の中だけになってしまった声を聞けて
嬉しくて胸がいっぱいになってしまって。
枕を抱き潰しながら大きく大きく息を吐いた。]
当分、エフ離れ出来なくなったじゃない。
[ 元から出来なかっただって?
さて、それはどうだろう。]
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