28 僕等(ぼくら)の
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――回想と後悔と――
[>>2:659珊瑚のおねだりに大和は分かりやすく唸って顔を赤くしてしまう。 分かっているんだ、理解してもいるはずだ。 ちょっと気持ちが追い付いていないだけでこの抱いている想いが愛だと信じたいだけで――はっきりと言うことでそれがもしも違っていたらと思うと声にならなかった。 あまりにも臆病になりすぎていたのだろう。
ただ少し、ほんの少しだけ勇気を腹の底から生み出すだけで珊瑚が嬉しがってくれるというのにできなかった。
――そんな自分を大和は怨んでいる]
(31) 2023/08/17(Thu) 02時頃
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[七尾の戦いが終わり彼女が倒れた日。 >>2:660何時も通りご飯を作ってくれる珊瑚はどこか元気がないようだった。 いつもよりも暗い。 そんな珊瑚に寄りそうことしかできない大和はいつものように美味しいと言ってご飯を食べていた。
七尾の亡骸は>>2:668『アストロの隙間』へ。 彼女が望んだことだから反故にされることはないだろう。多分。 その時が来たらのその時がいつなのかはわからないがお葬式があげらえる頃には街は少し落ち着いていただろうか。
大和は相変わらず珊瑚の家に住み込んでいた。 親父さんはその間結局帰ってこずに部屋はずっと使わせてもらっていた。 帰ってこないということに憤りながらも二人の生活を満喫していた。 夏休みも残り少なくなった頃、夏休みの宿題進捗確認が行われるとかで学校へ行かなければならないらしいので一緒にハロに転送してもらって、大和は部室で隅っこに座って天井を仰いでいた。
ずっと一緒だけれど珊瑚が自分の部屋で何をしているのかは大和は知らなかった。
――もしも知っていたら、止めていたのは間違いない]
(32) 2023/08/17(Thu) 02時頃
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[大和は指導が終わったら戻ってくるだろう珊瑚のことを待っていた。 帰りがいつになるかはわからないが珊瑚も頑張って宿題をやっていたから誉められはすれ怒られることはないはずだ。 七尾が死んで生まれた部室の空白はきっと誰も埋めることはできないもので、泣いていた珊瑚を思い出すと自分の番だともっと悲しませることになるのかと億劫になってしまう。
そんなことを考えていた、まだ幸せだった時間は悲鳴と共に喪われた。 遠くからか、近くからか、鋭い悲鳴が聞こえてきた。 そんな悲鳴が聞こえるなんて敵が出たのかと慌てて窓を開き外を覗くと――地面に倒れている珊瑚の姿があった。 倒れている周囲には夥しい血が広がっていて、>>2:664窓からは見知らぬ生徒が何やら叫んでいた]
(33) 2023/08/17(Thu) 02時頃
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珊瑚さんっ!
[大和は名前を叫ぶと部室から飛び出した。 階段があるなら段数を全部飛ばして飛び、二階の窓から飛び降りると受け身もほぼ取らずに転がって立ち上がると倒れたままの珊瑚に近づいた。 血の海に足を踏み入れるとびちゃりと嫌な音がする。 靴底の裏で珊瑚の命を吸っているような感覚を受けた。 膝をつくとズボンにまで血が滲み込んでくる。 温かな、滲み込んだ血が、肌に触れる]
ぐっ、ぁっ、珊瑚、さん、珊瑚、さんっ。
[>>2:669名前を呼ばれている。 ここまで無呼吸で走り抜けたから息が切れてしまっていて、途切れ途切れになりながらも珊瑚の名を呼び続ける。
身体を抱き上げようとすると血が手についた。 何度も抱きしめた身体の力がなくて、温もりも喪われていくようで――]
(34) 2023/08/17(Thu) 02時頃
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ま、って、珊瑚っ、さんっ!
[短い期間で死んだ人を二人も見てきた。 二人を直視できたのは、それでも少し距離があったからだ。
大和は人前にも憚らずに涙が溢れてとまらなくなっていた。 零れ落ちる涙が珊瑚の頬を濡らして血糊と混じっていくが血の色が薄くなることはなかった。 分かってしまうのだ、理解してしまうのだ。 これだけ血を流してしまえば人はもう助からないってことは]
まだ、僕は、死んでないよ。 毎日一緒、だって……やくそく、したよ。 やめてよ……なんでだよ……。 僕は、僕は……。
[>>670最期の言葉が耳に届く。 大和の喉は震えていて、あ、とか、う、とか言葉を漏れる中で一度、唾を音を鳴らせて飲み込んで――]
(35) 2023/08/17(Thu) 02時頃
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僕もだよ、珊瑚さん。 僕も珊瑚さんが、大好きだ――。
[意識が途切れる前に伝わったかは分からない。 けれど――ああ、もっと早くに伝えていればって思わない刻は最期までなかった]
(36) 2023/08/17(Thu) 02時頃
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――事件直後――
[大和 命は駆け付けた救急隊に引き離されるまで珊瑚を抱きしめ続けていた。 喪われていく温もりを忘れることはない。 もう温かなご飯を食べることもない。 もう温もりに包まれることもない。 愛も恋も知らなかった大和にそれらを教えてくれた珊瑚はもうこの世界には存在しない。
血だらけになった制服を着たままで大和は自分の身体を抱きしめた。 そして、後に――空を見上げる。
あの太陽の向こうに獅子座と蟹座があって、蟹座は踏まれるんだと、獅子座は負けるんだと言っていたけれど――蟹座を追いかけるように獅子座があるから大和は嫌いではなかった]
(37) 2023/08/17(Thu) 02時頃
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[ハロに転送してもらい珊瑚の家に戻った大和はすぐに自分の荷物を纏めた。 珊瑚が死んだのだからこの家にはじきに珊瑚の親父さんが戻ってくるだろう。 その時に鉢合わせることはできないからと一時的に撤収した。
>>2:672珊瑚が握っていたスマホは回収した。中の機密事項というよりは短い期間でも二人で撮った写真があったからだ。 後になって連絡していた相手がいると知った時、それはその時にまた行動をしてしまうのだけれど。 廊下に残っていたであろうカバンも回収して珊瑚の部屋に置いておいた。 誰にも触らせたくはなかった。
そうしている間にも滲み込んだ血糊は乾いていて制服は着ていると100%補導されそうな感じになっていた]
(38) 2023/08/17(Thu) 02時頃
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――瑠璃川珊瑚の告別式――
[お通夜と告別式の段取りはすぐに決まった。 >>2:673大和には意外なことだったが珊瑚の父親は涙を流していたし憔悴しきっていた。 彼について語るべき口を大和は持たない。 ただ涙を流せるくらいに愛しているなら――もっと、分かり合えたのかもしれないのに。
お通夜には突き落とした本人とその家族という招かれざる客も着たようだが式典会場がしっかりしていたのでお帰り願われたようだった。 ただ、大和はその顔を忘れはしないことにした。
学校の知人やあまり親しくない間柄の人はお通夜に来て終わりだろうか。 大和は礼服を持っていないから暑い中冬服で訪れて線香をあげた。 家庭科部の子も訪れてくれたろう。
――お通夜が終わった際、珊瑚の父親さんに自分が珊瑚の彼氏だと伝えたのは翌日のためだった]
(39) 2023/08/17(Thu) 02時頃
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[その夜、大和はハロに転移してもらい棺の傍に現れた。 棺を開くと涙しか出てこない。 綺麗な顔をしているのにもう笑ってくれることもない。 頬を撫でて、額に口づけをすると持ってきた荷物から誕生日プレゼントにと渡した栞を取り出してそっと胸元に抱かせた。 >>2:397どこだろうと探していたらちゃんと本に挟んであってカバンの中にあって、一緒に持っていってほしいと思って取ってきた。 中には一緒に獅子座と蟹座のストラップがあって――これはプレゼントかなって勝手に貰ってしまうことにした。 蟹座だけなら珊瑚のだろうけど獅子座はどうやっても大和のだろう。 それら二つはチェーンに通して首から下げている。
蓋を閉じる前にもう一度額に口づけをして、大和の告別は終えた]
(40) 2023/08/17(Thu) 02時頃
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[告別式は――お通夜よりも人は少なかったかもしれない。 学校の友人たちは大体お通夜で来るのはそうだが告別式は本当に仲が良かった友達や親族が集まるようだった。 学校の先生も参加していたかもしれないが学生の珊瑚の告別式は人数は寂しかった。
立てかけられている遺影の珊瑚は元気に笑ってくれているのに棺の中の珊瑚は笑いかけてくれないのだ。 そのことは心の虚を大きく広げていく。
宗派が何かとかはわからないが線香をあげお香を焚き冥福を祈り続けるばかりだ。 式は騒ぐことがなければ恙なく進んでいくものだ。 喪主の珊瑚の父親が完全に魂が抜けた状態で語る言葉には、大和はあまり意識を向けなかった。 向けられなかった]
(41) 2023/08/17(Thu) 02時頃
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[最期のお別れにと棺の中を花でいっぱいにして――。 またも勝手にお邪魔した珊瑚の家で焼いたクッキー――当然のように上手くいくわけもなく形が歪だったり焦げていたりするものを包んだものをそっと入れておいた。
棺が閉じると霊柩車に乗せて斎場に運ばれる。 前日に話したのはこの後のためだった。 親族以外は斎場以降はついていけない。 無理を言ってついていくために打ち明けていた。 打ち明けた後もゴネた。頷いてくれるまでずっと。
大和は骨を拾うところまでずっと一緒に居た。 看取って、見送って、最期の最期まで。 引き離された以外の時間の全てを大和は珊瑚と一緒にいた*]
(42) 2023/08/17(Thu) 02時頃
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――刻は流れる――
[世界から大和が守りたいと思っていた唯一の存在が失われた。
誰かは気づいたかもしれないが誰も気づかなかったかもしれない。 夏休みは終わり二学期が始まると大和は普通に登校していたがその実、学校で暮らしていた。 ハロの転移を駆使して校内に寝床を作り住んでいたのは珊瑚の家が保存されるとはいえ、大和一人で住んでいたらあっと言う間に彼女の痕跡が消えてしまいそうだったからに他ならない。
授業が始まる少し前に教室にやってきて、授業が終わると消えてしまう大和を捕まえるのは難易度が高いかもしれない。 ただ、天文部の皆にはちゃんと予告を残していた。 部室の黒板にデカデカと『次は、僕だ!』と書いておいたのでまあ誰かは伝わるだろう、多分]
(43) 2023/08/17(Thu) 02時頃
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[秘密基地めいた学校内の空間の壁には周辺の地図が張られていて、そこに押しピンがいくつも刺さっている。 押しピンを線で繋ぐとそれが獅子座と蟹座であることは天文部の人間ならすぐにわかるだろうそれの横には図書室から持ってきた星座の本が積み上げられているわけだけれど。
もうお金を残しておく必要がないからと手持ちのお金は全部使っていく方針で食事状況も改善していたが大和は冷たいものしか食べていなかったしゴミもぺいっと袋に詰め込まれて置いてある空間だけれど、
大和は出来上がった図に満足しながら手持ちに出来る地図に書き写してからハロを呼び出して、各ポイントの下見をするために転移してもらうのだった**]
(44) 2023/08/17(Thu) 02時半頃
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――瑠璃川珊瑚の告別式にて――
[お通夜の日も告別式の日も、大和は酷い顔をしているように見えただろう。 日々の眠りは浅くそれでいて精力ばかりが湧き上がってくる。 涙はとうの昔に枯れ果てていたけれど目は腫れぼったいままだったろう。
>>53柊木に声をかけられた時は、柊木の方を向いて薄く笑って頷いた]
大丈夫だよ、柊木。逆にさ、すごく調子がいいんだ。 柊木はさ、身体は大丈夫なのか? いや、ここに来てるってことは退院はできたのかな。
[そうでないならば病院から抜け出してきたことになるが流石にそれは許されないだろうから体調は戻ったのだろう]
(79) 2023/08/17(Thu) 10時頃
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……柊木、またこの街が戦場になるかもしれない。 大切な人にはさ。 ちゃんと逃げるようにって伝えておくんだぞ。
[大和はもうこの世界に守りたいものなんてないのだから。 七尾のように避難を待ってあげるほど想っている人もない]
(81) 2023/08/17(Thu) 10時頃
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[親族以外が斎場についていくのは>>55非常識なことだろう。 だけど、多分あまりにも人が少ない気がしたんだ。 母方はイギリス人って聞いていて亡くなっているのだからそちらの親族はまず少ないだろう――と推測したというのは言い訳だ。 大和がそうしたかったからそうしただけだ。
珊瑚の父親にはスマホの在処を知ってる、見つけたら返すということでゴネてついていった。 まさか中身に>>73あられもない写真があるなんて見るまで知らなかったんだけど下手人>>71はすぐに分かったし目線があった時には覚えてろという意味をこめておいたが伝わってないかもしれない。 乾は乾で感情の振れ幅がすっごい奴だから泣いてる姿を見て、きっと七尾や他の皆の時も泣くのだろうとは想っている。
ところで勝手に珊瑚のスマホの写真を見ていたわけだけど気のせいでなければ寝顔の写真がホーム画面になっていたような気がしないこともない。 これはそのまま親父さんに渡そうと思う*]
(82) 2023/08/17(Thu) 10時頃
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――備えること――
[スマホを珊瑚の父親に返す理由はゴネた見返りだけではない。 珊瑚がどうやって生きていたのか、最期の瞬間まで何をしていたのかがスマホの中には眠っている。 告別式でそこまで憔悴するなら――未だ愛しているならちゃんと珊瑚が存在した証と向き合ってほしかった。
スマホを返す際に、ちゃんと伝えておく。
『この街はもうダメだから逃げるように』――って。
大和がこれからしようとしていることをきっと珊瑚は怒るし悲しむし、もしかしなら泣いて嫌われてしまう、だろうけれど。 僕らは確かにこの世界にいたって刻み付けておきたいんだ。
例えそれでどれ程の犠牲が出たとしてもだ*]
(83) 2023/08/17(Thu) 11時頃
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[敵はまた襲来する。 あと5回勝たなくてはならないのだからこの前のような戦いがまた起こるのは必然だろう。 いつ起こるのかはわからないが遠くない未来には必ず起こる。
大和は珊瑚が死の直前まで通話していた相手へとめっきり数を減らしている公衆電話から通話をかけた]
『アストロは僕らの命で動いている。 僕らは命をかけて戦う。
でもね、勘違いしないでほしい。 僕は彼女ほど優しくなくて、敵は待ってくれない。 誰かの命を救うのはあなたたちだ。 早く街から避難させることだよ、次は近い』
(84) 2023/08/17(Thu) 11時頃
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[通話に出れば言いたいことだけを伝えて通話を切った。 ハロで転移するのだから足跡を追うことはできないはずだ。 縦横無尽にハロを使い倒しているので過労には気をつけたい。
あの日、大和が珊瑚に伝えなければ通話先の相手と連絡を取ることもなくて、誰かに聞かれることもなくて、命を落とすこともなかったはずだ。 珊瑚の未来を奪ったのは大和に他ならない。 守りたい人も守れない愚者が誰かに命を守ることを強要するのだから失笑ものだろうさ。
けれど――最低限伝えるべきは伝えた。 この後どうするかはこの世界の人間が決めればいい*]
(85) 2023/08/17(Thu) 11時頃
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[>>109大和 命が何をしているのかは秘密基地に転移すれば何となくわかることだろう。 口止めをしているわけでもないのでハロに尋ねれば教えてくれるかもしれないが、>>112各所で先に逃げておけと伝えている状況なのだから被害が拡大する可能性を示唆し続けている。
七尾は避難が終わるまで待機していたし敵の蜘蛛型も待ってくれていた。 蜘蛛型の攻撃も糸で捕らえて最短距離を引き寄せてトドメをさすという被害が最も出にくい戦術だった]
『ねえ、ハロ。 この世界を滅ぼさんとする敵がさ。 人命に随分と優しいのはなんでなんだろうね』
[ハロに投げかけた質問の答えがあったかはどうだろうか。 ただ、優しい敵がいるならば反対の敵もいると考えられるはずだから――]
(143) 2023/08/17(Thu) 20時半頃
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そっか……珊瑚さんの……。
[>>113珊瑚の父親が忙しいのはわかっていて人命を助けるために必死に戦っていることも理解できているが、それで珊瑚が悲しんでいたことは納得できるものでもなく、大和は柊木の言葉に曖昧に頷くばかりだった。 両立することが難しい時にどちらを犠牲にするのか、トロッコ問題はいつでもどちらかの犠牲を強いてくる]
柊木がやらかしてるのは、うん。 あんまり勢いだけでやるのは気をつけような。
それとこの前の話だけどさ。 いや、なんか乾って直前に止めそうだからさ。 伝えとくことにするよ。
[ほら、最期だしなと>>2:325乾が発案した名前を柊木にリークしておく。 大和はその時ばかりは悪戯小僧みたいな笑みを浮かべていた]
(144) 2023/08/17(Thu) 20時半頃
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……そっか、でもさ。 敵も毎回優しい敵ばかりじゃないよ。多分。
僕も使ってるけどハロに転移してもらったら? 一瞬で移動できるから学校には行けるよ。
[伝えるだけは伝えておこう。 説得できるかは柊木次第だけれど――、大和は力無く笑みを浮かべるしかなかった。
敵も、だけれど大和も、優しくなんてなれないのだから*]
(145) 2023/08/17(Thu) 20時半頃
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――ハロ――
[大和はハロのことはあまりよくわかっていない。 七星が死んで悲しんでいるのを聞いて、やっぱり生物なんだろうなって思っているがそれ以上のことはあまりよくわからない。 ただ、七星と一緒にこの世界に来たのなら半身がいなくなるとこの世界では天涯孤独なのだろう。 独りは寂しいのはよくわかる。 手を伸ばしたのは痛い程知っている。けれど>>147男が怖いなんてのはわからなかった。
表情とかもよくわからないけれど――あと女の子が好きなようだ。 よく七尾の方に行ってたしセクハラもしてたみたい? だから雄じゃないといいなあとは思っているくらいだった。
大和はハロによく転移を頼んでいるしむしろ転移が前提で動いていた。 >>146お通夜の夜にハロが背中を撫でてくれたけれどそういうところもやっぱり人間くさいなと思う。 大丈夫というようにハロを撫で返す。 珊瑚に花を添えてくれたのだから、ハロは良い奴なんだ]
(161) 2023/08/17(Thu) 21時頃
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……ハロ。 七尾はさ、アストロの中で眠ってるだろ?
僕が死んだらさ。 亡骸は合宿所近くの展望台の下。 掘り返されない土中に埋めて欲しいんだ。 そこの蟹座のシールが張ってある小瓶と一緒にね。
[小瓶の中身は珊瑚の遺灰が詰められている]
一緒にって約束したし……。 それに一緒に星を見たかったんだ。
[冬にはほら、蟹座と獅子座が見れるだろう。 そこまで生きてたかはわからなかったし結局もう呼ばれたから叶うことはないのだけれど――]
(162) 2023/08/17(Thu) 21時頃
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ハロにはずっと転移してもらって、 便利扱いしてるかもだけどさ。
感謝してる。 だからさ、もし叶うなら、ハロが望むなら。 全部終わったら元の世界に帰れよ。
僕らが全員死んだらお前、もう完全に独りだろ。
[お願いと、望みを伝えておいた。
その日も>>153押しピンのことを尋ねらえると力無く笑ってから肩を竦めたろう]
(163) 2023/08/17(Thu) 21時頃
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それはね、押しピンが星なんだ。 線で結ぶと獅子座と蟹座になる。
僕はね、この街に、この世界に。 僕らが居たって痕を刻みたいんだ。
世界がどれだけ僕を拒絶したって、 それがどれだけ人道を踏み外したことだって。
[大和は虚ろな瞳をしていた。 その中で未だ光っている部分だけをハロに向けて微笑んだ]
宙に見えない星座を地上に描くよ。
[それはナスカの地上絵のように、そう告げる大和の口調は酷く優しいものだった*]
(164) 2023/08/17(Thu) 21時頃
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――とある日の天文部室――
[大和は別に不登校になったわけではないので>>178学校でなら出会う機会もある。 丁度部室から持ち出していた分の星座の本を返しに行った際に天道に出会って、多分、極普通に挨拶できたと思う]
うん、ハロには色々手伝ってもらってる。
[天道は思慮深そうなのに結構直情的になるよなと七尾が戦っていたときの乾との言い合いのときから思っていたけれど、迂遠に聞かれたらきっと大和は理解しかなったろうから直球の問いかけに否定もしなかった]
準備というか……、 >>84さっさと逃げろって伝えてるのと、 地上に星座を描く準備をしてる。
[それだけでは何のことかなんて分からないだろうけれど、言ったらきっと止められるから言わない]
(184) 2023/08/17(Thu) 23時頃
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……天道も家族とか大切な人がいたら、 もうすぐにでも逃げるようにさせときなよ。
敵がさ、この前の蜘蛛型みたいなのばかりだなんて、 そんなこと誰も保証できないだろ?
[>>175敵の正体は知らなくてもいいけれど>>171敵が酷いことをしてくるのはもう聞いていた。 そんな相手が出てきたならきっと街に出る被害は大きなものになってしまうだろうって伝われるといいと思う*]
(185) 2023/08/17(Thu) 23時頃
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いいよ、それで。 ありがとう――でもさ、サポートってほら。 本郷さんゲーミングチェア、ってやつだったろ?
本郷さんにサポートっているの? っていうのはちょっと思ってる。
[>>180天道が邪魔をしないでくれるならそれで良かった。 後ろや死角なんてものはどうやっても消し切れないから見ていてくれるならありがたい。
一抹の不安とすれば大和の椅子が自転車なのだ。 ちゃんと普通に動くのかだけが心配なのだが――*]
(186) 2023/08/17(Thu) 23時頃
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[私は、独りじゃないよ。
縁士君が居てくれるから。]
[でも、それを言う事は、できなかった。
だって、大和君は、何よりも大切な瑠璃川さんを失った。]
[それでも、私には一緒に居てくれる人がいる、と知ったら、
大和君は、良かったね、って思ってくれる気がする。
むしろ、言った方が良いんじゃないか、とさえ。]
[だけど。だから。
そんな風に優しい大和君にだから、この時は言えなかった。]
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――ハロ――
[>>171ハロは大和を優しいといい、大和は優しくないと思っているけれどハロの考えをそれ以上否定することはしなかった。 ハロの中の大和は優しいのだろう。 それはハロの言葉通りなのだから変える必要がないことだ。
珊瑚が死んでからハロには助けられてばかりだ。 >>176最期のお願いも託せたし、一緒に企みをしているのはきっと独りだともっと早くに堕ちていただろう。 意外と愛嬌もあるのもわかり、戦いが終わって帰れるならそれ以上言うことはない。 きっと七星永の亡骸も一緒に帰るのだろう]
(197) 2023/08/18(Fri) 00時頃
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……僕の親はさ、博打好きで借金を作って それを残して姿を消す人たちでさ。 ずっと独りで過ごしていたんだ。 それで、温かくて休める場所ができたら、 今度はそこも奪われて……。
そしたらそう思っただけだよ。
[>>179不幸自慢が云々と言われようが、大和自身がそう思ったのだから世界の呪いを受けているんだよ。 それを語る口調は暗いものではなく淡々としたもので――]
よし! 最期に特大のを作ろう!
[その声は一点して明るいものだった*]
(198) 2023/08/18(Fri) 00時頃
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――天道と――
[>>187それ以上の説明は難しかった。 出来るかどうかも分からないし、とてもとても周囲の被害も省みないエゴイストな考えの行動なのだから言えるわけもなく。 珊瑚が望んでいるわけでもなくて完全に大和自身の独り善がりでしかないのだからそれも付け加えて、追求されないことに安堵してしまう]
……うん、そうしておいて。
[家族は、と言う天道に大和もそれ以上の追求をすることはない。 それぞれ家族とは色々あるのかもしれないし、それでも祖父母が大切なら避難してもらっているのがいいと思う。
それは大和の巻き添えにならないようにという意味でだけれど]
(199) 2023/08/18(Fri) 00時頃
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でもひょっとすると本番では緊張するかもしれないし。 パニくってたら助けてあげてよ。
[>>188本郷が先か天道が先かはわからないけれど、もしもその時がきて弘法もなんとやらにならないとは限らないしと、後は友達との普通の会話をしたんだ*]
(200) 2023/08/18(Fri) 00時頃
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――天道と――
……そっか、僕も似たようなものだった。 優しい祖父母はいなくてさ。 あるのは親が残した借金だけだったけど……。 今もどこかで生きてるかもしれないけど。
[>>201天道の身の上も似た様なものだったらしい。 大和は、頭を掻くしかなかった]
(205) 2023/08/18(Fri) 00時半頃
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血が繋がっていなくても、赤の他人でもさ。 温かさをくれる人は、大切にね。
ほら、死んだら悲しいだろ。 先に死んだら悲しませてしまうだろうけどさ。
悲しんでくれる人がいるのは幸せだよ。
[きっとね。 天道の弟のこととかは多分知らないから尋ねないけれど、支えになってくれる人は死んでほしくないだろ、誰でも。 天道がそうしてくれるというなら大和はやっぱり笑っていられたんだ*]
(206) 2023/08/18(Fri) 00時半頃
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――コックピット――
[>>#0誰かが大和を呼ぶ声が聞えた時からわかっていた。 いつか来たる日に大和なりに備えていた。
大和はしまっていた血染めの制服に身を包んでコックピットに現れた。 転送される前にハロに少し待ってと我儘を言った。
登場すると目の前に>>#3敵の姿が見える。 足元には>>#4僕らの高校の校舎があり丁度七尾の時と同じくらいの距離に獅子アラシがいたろうか]
開始距離は決まってるのかな。
[パリパリの制服のまま自分の椅子――自転車のペダルに足をかけて片脚を乗り越えて反対のペダルについて立位姿勢。 確か念じればそのまま動くと聞いていたからそのままの姿勢で動くように念じたが――]
(208) 2023/08/18(Fri) 00時半頃
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……あれ?
[『アストロ』は動かなかった。
今度はハンドルを握って同じように動けと念じるが――]
……ううん?
[やっぱり『アストロ』は動かなかった]
(209) 2023/08/18(Fri) 00時半頃
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あれ、壊れてる? そんなわけないよね、なんで?
[>>#3顔の光点は光ってたから動いてはいるはずなのだけれどぴくりとも動かないので一度ハンドルから手を離して腕組みをして――。
そうしている間に敵の獅子アラシは反転して棘をこちらに向けてきて、次に取る行動は目に見えていた。 獅子アラシは広範囲に棘を射出して避難する暇もなく攻撃を行ってきた。 戦闘開始の合図はなかった*]
(210) 2023/08/18(Fri) 00時半頃
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何か動きそうな気がするけど動かないんだ! 動けよ! 動け動け!
[>>221柊木が突っ伏しているが>>220先の言葉に何かしら反応できる程余裕はなかった。 現在進行形で棘が飛んできている。 直線射出ではなく放物線を描いているらしく僅かに時間の猶予があるだけだ。
大和はサドルに座ったりハンドルを握ったりしながら必死に動けと念じていた*]
(222) 2023/08/18(Fri) 01時半頃
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[>>223どうしてか知らないが柊木が具合を悪そうにしている。 確かに動かないことは動かないのだが動きそうで動かないというか動かしていない感じがあって何か一つ足りない感じがしているのだが、動かないと一体大和に何があるのか本気で分からないと柊木からのアドバイスは諦めた。
>>230乾もよくわかっていないようだが七尾の時より動きが少ない気がする。 最近会ってなかったし柊木にリークしたことがバレたのだろうか。 何か手をごそごそしているがこちらも期待はできなさそうだった。
>>231天道は予想に反してアドバイスをくれた。 落ち着いて動くようにイメージして、瞑想するようにって――瞑想したことがないからやり方がわからないが落ち着かせようとしてくれているのはわかる]
(232) 2023/08/18(Fri) 03時半頃
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天道が前言撤回してサポートしてくれてるのに!
[山なりに射出された棘が頂点に達し今度はゆっくりとこの辺り目掛けて落ちて来る。 ゆっくりに見えるのは最初だけだ。 落下し始めれば重力に引かれて速度は段々速くなる]
うごけえっ! 僕は、僕はっ!
[星座を作ると決めていたのに、棘が眼前まで迫ってきて――]
(233) 2023/08/18(Fri) 03時半頃
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[大和は思わず避けようとして身体を傾け、それに合わせてペダルを踏んだ。 自転車のフレーム状の椅子のペダルが踏まれた瞬間、これまで動かなかった『アストロ』が動き棘を最小限の動きで回避した。 周囲には質量のある棘が刺さったことで起こる地響きが発生して>>@48かなり揺れてしまっていた]
は? え? は?
[ペダルを漕がないまま動けと念じると動かず、ペダルを僅かでも漕ぎながら念じると動き出す『アストロ』。
広範囲の棘による攻撃は周囲に突き刺さっており学校の校舎も例外ではなく幾多の棘に貫かれて破壊されていたが大和はそちらを見てはいなかった]
(234) 2023/08/18(Fri) 03時半頃
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なんで僕ばっかりこんななんだよ! ばっかじゃないの!
[念じる+ペダルを漕ぐことで起動する『アストロ』に悪態を吐くが、大和はすぐさまにペダルを回し始めた。 どうせ自転車なら『アストロ』も乗れと念じると下肢が変形していき自転車の形状になった。 上半身は人型、下半身は自転車という――これは何と言えばいいのだろうか]
ああ、もう! 加賀先生はしっかり捕まっててください! 動きます!
[『また来るぞ』という言葉の通り獅子アラシは二度目の棘を射出してきた。
大和は校庭に『アストロ』を降ろすと棘が落下してくるタイミングを見計らってウィリー走行のように前輪を持ち上げると後輪だけで器用に立たせながらその場で竜巻でも起こすかのように回転する。 回転により校庭は抉れていきドリルで掘られたように円錐状の穴が空いていくが飛来した棘はあらゆる方向に弾き飛ばされて被害を拡大していった**]
(235) 2023/08/18(Fri) 03時半頃
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――戦いは続く――
[>>236戦闘は続いているのにどうしてか柊木は気が抜けたと言ってベッドの上でへたりこんでしまう。 >>239乾は乾ですぐに痴話喧嘩を始めようとする。 あの二人からのサポートは期待できないようだ。
>>257本郷は本郷で別のことに意識を向けているらしいので大和はこれからの行いを止めることはなさそうだと判断する。
この地に星座を描くと決めた。 存在していた証を残すとして気を付けたのが珊瑚のマンション周辺を破壊しないことだった。 地図と睨めっこして丁度学校を挟んで反対側を選んでいる]
(258) 2023/08/18(Fri) 08時半頃
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……じゃあ、やるか。
[独り言を呟くと『アストロ』の回転を止めて前輪をすり鉢状に穴が空いた地面につけた。 棘は学校を貫いているし元より広範囲攻撃だったこともあり周辺の被害は甚大である。 更に回転で弾き飛ばした棘はまた放物線を描いて飛び近くを飛んでいたヘリコプターに当たれば撃墜していた。 あれはどこかの報道ヘリだろうが先んじて逃げろと伝えていたのだから大人が大好きな自己責任でなんとかしてほしい]
(259) 2023/08/18(Fri) 08時半頃
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[大和がペダルを踏み込むと『アストロ』の前・後輪が回り始める。 自転車は本来後輪駆動だが『アストロ』車は両方動くらしい。 獅子アラシの方へ前輪を向けてもう一段ペダルを強く踏み込めばすり鉢状のそれなりに深い凹みから飛び出した。
目指す獅子アラシへと一直線に進むが到達までの間に更に今度は先よりも低い弾道で棘が射出されてくる。 大和は周囲の建物を確認するとポイントではなかったのでそのまま前進させた。 棘は放物線を描いており目標地点に居ない限りは当たらない。 身を低くし棘をかいくぐって前進する『アストロ』は今は丁度七尾が引き摺られた後の倒壊した建物があるエリアを走り抜けている。
車輪が地面を深く抉る。 車輪には本来のタイヤ部分に爪のような突起があり、それが容易くアスファルトやコンクリートを引き裂いていた。 クレバスのような深い傷痕を地面に残しながら獅子アラシに突進したが、獅子アラシは元よりお尻を向けていた姿勢から一息に大ジャンプをして距離を取って逃げた]
(260) 2023/08/18(Fri) 08時半頃
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はぁ……はぁ……くっそっ……。
[逃げた先から再び棘を射出してくる獅子アラシ。
大和は再び周囲を見回して、この辺りなら、と再びウィリー走行の体勢にすると回転させて棘を弾いていった。 後輪が激しく地面を削りその場にもまた深く広い穴を穿っていく。
暫くはその繰り返しとなっていく。 接近しては逃げられ、逃げられては棘を射出される。 大和の棘の回避方法は突っ込むか身体を逸らして直撃コースだけ薙ぎ払う、そして大回転だった。 大回転の時だけは事前に周囲を見回してから行っているのはわかるだろうがどうしてそうしているから上空から見ない限りわからないだろう]
(261) 2023/08/18(Fri) 08時半頃
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普通に面倒すぎるよねっ!
[一度だけレーザーを撃ったがあらぬ方向に飛んでいったのでそれからは使っていなかった。 初心者のAIMで当たるわけがなかった。
戦いの中で大和は目的を果たしていくが思っていたよりもそれは難航していた。 周囲に被害を広げながら穿たれた穴を星として、星を結ぶ地面の溝を線として、街に星座が敷かれていく。
戦いの代償もまた大きい。 執拗な棘による攻撃で家屋は破壊され、獅子アラシが逃げ回るものだからその範囲は広がっていく一方だった。
大和自身も額から汗を流していて肩で息をしながらペダルを漕いでいる。 汗は元は血だ。 その汗は血染めの制服にも滲み込んでいき二人の血が混ざりあっていた**]
(262) 2023/08/18(Fri) 08時半頃
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――戦闘は続く――
[棘を弾いて移動しては獅子アラシに逃げられるを繰り返す。 ペダルを漕げば漕ぐ程に体力――というよりは生命力が喪失していく感じがするが漕がなければ動かないので漕ぐしかない。
>>269柊木は何か言いたそうだったがあれだけ事前に退避させろと伝えていたのだから被害に関しては気にするつもりはなかった。 世界のためではなく珊瑚のために戦うつもりだったが、大和から珊瑚を奪ったのだ。 世界は救ってあげるが他は知らないよ、となっている]
本当に!?
[>>268痴話喧嘩していた乾も、>>270博識な柊木も弾切れがあると言ってくれる。 >>265乾が語った珊瑚の言葉だが、大和が想うのは少し違った。 一番怖いのは珊瑚を喪うことだと喪ってから気づいたのだ。 幸せはその時は感じないというけれど珊瑚との日々は確かに幸せの日々だった。 大和は事前に分かっていなかったから一緒に立ち向かえなかった。 あまりも喪失は突然で、大和が人に何も期待しなくなるには十分すぎた]
(279) 2023/08/18(Fri) 14時半頃
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落としあなぁ? 穴じゃなくて星だよ、星。 後で上から見たらわかるよ。
[>>276本郷の言葉にそう返す。 ところで塹壕ってすぐに出てくる辺りが完全に座する椅子に相応しい感じなのだが誰か突っ込まないだろうか、大和にそんな暇はない。
珊瑚が生きていれば大和は最期は無人島にいるつもりだった。 敵がどこに出現するのかはわからないが呼ばれた者の場所なら被害を抑えることはできたはずだ。
敢えて大和は学校に呼び寄せた。 一番最初に思い出の星にするために]
(280) 2023/08/18(Fri) 14時半頃
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ハッ、ハッ、ハッ……ッと、あっ! 本当に! 棘がなくなった!
[乾と柊木の言の通りだった。 獅子アラシが射出し続けてきた棘は弾切れを起こしたようで魚の鰭のような根本の部分が残っているだけになった。 とは言えど獅子型であるからには接近戦もまだまだやれるのだろう。
問題はここからだった。 棘を弾くために回転していたように見せていたが、回転することが本来の目的であることが露呈していく。 獅子アラシをチェーンソーのような前輪で威嚇しあしらいながらその周囲を囲うように大地に線を刻み、星を穿っていった。
それは傍から見ればどちらが破壊者なのかわからない状態だったろう。 ただ確実に猛獣は囲い込まれていき、同時に大和の顔色は土色となっていっているのも見て取れよう**]
(281) 2023/08/18(Fri) 15時頃
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――決着に向けて――
[どうやら乾は幻覚を見ているようだ。 獅子アラシは半分獅子型というだけあってダッシュからの飛びつき前足の爪攻撃で抑え込む攻撃をしてきている。 その攻撃は『アストロ』の前輪で受け流して、前輪着地と同時に反転しつつ後輪でソバットを叩き込み星の檻の中に閉じ込めてはいる。
回転しているのは此方だけで相手は棘を喪い猫型ロボット的な動作しか残されていないようだ。 パワーはあるが動作が限定的であるように思える。 この辺りは人型に近い程道具を扱え有利なのだろう]
安心して、乾! 前輪があるのはこっちで相手は分身してるだけだ!
[前方を皆が見ても獅子アラシは分身しておらず身を低くして次の攻撃への体勢を整えている。 分身しているように見えるのは大和だけだ。
上の軸、>>286軸って何だよと心の中でツッコミながら大和は荒い呼吸を続けている]
(312) 2023/08/18(Fri) 20時半頃
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[星座は描いたし、獅子アラシは閉じ込めてはいるが肝心のトドメに至る過程が見いだせない。 棘の射出時に獅子座を描き、今獅子アラシを閉じ込めているのは蟹座の中、>>111 M44に居る。 柊木が詳しいならその頃にはもう気づいているだろう]
カッ、ハッ――ヒュッ……。 そ、っかあ! スタミナ、勝負だね。
[>>293星は穿ち終えていたし線も引き終えていた。 深い断層と星の位置にある穴を作るために費やした力で大和の生命力も限界に近いのに柊木から突破口を聞いた大和は、にぃ、と壮絶な笑みを浮かべた]
(313) 2023/08/18(Fri) 20時半頃
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わかった、ありがとう、本郷さん。 流石、ナイスアドバイス! ――ッと、こうか!
[ありがとうは>>310アドバイスと止めないことに関してだ。 大和の中では本郷は大将軍に格上げされている。 やはりゲーマーっていうのは違うらしい。
丁度獅子アラシの方が飛び掛かってきたタイミングだった。 攻撃のタイミングで大和は『アストロ』の上半身と下半身を分離させた。 獅子アラシの攻撃は分離して生まれた空間に丁度吸い込まれてスカり、上半身のみで空中でバク転させながら『アストロ』の両腕を振い爪で両前足を切断してのけた。 分身して見えているが両方薙ぎ払えばいいのだろう精神であり『アストロ』が振った腕の回数は倍だったが]
(314) 2023/08/18(Fri) 20時半頃
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よっこいせえええ!
[バク転し終えた上半身は再び下半身の自転車と合体して一体化するやいなや今度は下半身を反転させ再び後輪ソバットで獅子アラシの頭部を弾いて所定のポイントへと吹き飛ばした。
獅子アラシは前脚を失い踏ん張り切れずに大地に転がりそれでも起き上がろうと必死に藻掻き始めていた*]
(315) 2023/08/18(Fri) 20時半頃
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――終幕――
[珊瑚は多分、こんなことは望んではいないだろう。 何度考えてもそれくらいはわかっている。 でも、寂しいんだ、寒いんだ。 潰されて、討伐されて、それで終わりなんてあんまりじゃないか。 幸せになることを許されず、星座にしてくれるヘラもいない。
救いはなく。 余命が幾許もない。 そこには絶望だけがあり。 内にあるダークマターは誰にも観測することはできない。
そんな大和が『星の』力を手にしたら――大人の事情なんて考えるわけがなかった。 未成年の17歳の少年に何を一体求めてるんだろうか]
(323) 2023/08/18(Fri) 21時半頃
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あああああああああっ! しんっどおおおおっ! もう! しんどおお!
[大和は叫ぶ。 心も身体も限界だった。 さっきから汗がずっと止まっている。 出るものを出し尽くした身体は目や鼻の粘膜の薄い箇所から血潮が流れ出している。
敵も必死なのがわかる。 あれがただのロボットではないことが伝わってくる。 相手も必死なのだ。 それでも、勝つのは――]
(324) 2023/08/18(Fri) 21時半頃
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僕はッ! 僕と珊瑚さんが居たこの『世界』を守るッ! この『世界』を証にするッ!
[息を吸おうとしても上手に空気が入ってこない。 身体がどんどんと熱くなっていくのがわかる。 全身が沸騰しそうな中であらん限りの言霊を吐き散らすと全力でペダルを漕いだ。
『アストロ』が前輪を浮かせて後輪で立ったままそれでも車輪はどんどんと回転速度をあげていく。 地面との接地面が激しい摩擦に煙をあげ火花を散らしていき、遂には『アストロ』は宙を舞う。
>>318頭部と胴体が分離しているが核(コア)は心臓だ! >>322獅子座の心臓の位置もそこなのだから合ってるだろう、合ってる。 頭はもう動いていないし絶対に負けられないと藻掻いているのは胴体の方。 そちらから強い意志を感じるから間違いはない]
(325) 2023/08/18(Fri) 21時半頃
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[宙に飛びあがった『アストロ』の前輪と後輪の周径とそれぞれを繋ぐ間にビームの光が迸る。 獅子アラシの胴体へ向けて落下していく軌跡は流星のように堕ちていく。
ビームと爪の波状攻撃が獅子アラシの身体に触れる。 身体を易々と引き裂くが落下の動きが止まったのはその刃先が核(コア)を捉えたからだ]
あっ、ああああああああらあああっ!
[これ以上振り絞れないほどの全力の上の全力を努力と根性で吐き出した大和はペダルを踏み続けた]
(326) 2023/08/18(Fri) 21時半頃
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お前も星座の一部になれぇっ!
[獅子アラシの核(コア)にヒビが入っていく。 ヒビは次第に広がっていき内側からもビームの光が溢れると割れて、砕けて、星屑のように消えていく。
だが、車輪の勢いは止まらない。 気づいているだろうか、この自転車にブレーキはない。 光輪が大地に接するとビームの光が四方八方へと広がっていく。
星を繋ぐ線としていた断裂をビームの光が埋め尽くし、 星と謳っていたすり鉢状の穴から宙に向けてビームの光が放たれた]
(327) 2023/08/18(Fri) 21時半頃
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はは……やった、はじめて、
したか……こと……やり、とげ……。
[『アストロ』の周囲は光に柱に包まれている。 まるでそれは魂が宙に昇っていくかのようで、衛星から見ればそこには確かに獅子座と蟹座が描かれているのが見えただろう。 二体のロボットが位置するM44もまた淡い光に包まれていた。
光は次第に薄れていく。 大和 命の命を使い果たして――。
重たい音が響く。 コックピットの床に大和の身体が落ちていた。 その瞳に光はなく、消え逝く光だけを写していて。
どこか満足そうな笑みを浮かべていた*]
(328) 2023/08/18(Fri) 21時半頃
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――大和の軌跡――
[崩れた校舎の一角で無事だった空間がある。 大和が居たため丁度『アストロ』の影にあり棘が脇を掠めていっただけの場所だ。 大して広くない空間には押しピンが刺さった街の地図があり、散らばっている本は星図が描かれたものばかりだった。 >>321図書室にあったのと部室にあった星図の本を全て持ってきて蟹座の線の繋ぎ方に大分苦慮した痕が押しピンの穴の数で遺っている。 戦闘以外のことをしていたので命の余裕がなくて答えることができなかった答えもまたこの地図に書かれている。 大和と珊瑚の誕生日が書かれた横に星座が書かれて大事なメモのようになっていた。
勝手に持ってきた体育のマットに食べたものが詰められたゴミ袋。 後は大きなカバン一つ分とママチャリだけが所持品の全てだった。
生涯において自発的に何かを選んでやり遂げたことがなかった大和は、最期の最期でやり遂げた。 『珊瑚と一緒に居る』と約束したことを大和なりにだが為し遂げた]
(341) 2023/08/18(Fri) 22時頃
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[大和は歓声が気持ち良いなんて知らなかった。>>318>>322>>330>>332 最期の最期で聞えた称賛するような声に笑みを浮かべていた。
もしも>>333天道の声が聞こえていたら、或いはもっと前に聞いていたら少しだけ兄であったか弟であったかでまた少しだけ言い合いができたかもしれない。 天道は確かに友達だったって、そう思っている。
そして――大和は確かに、気づいていた。 >>327『お前も』と告げたのは相手に対してだった。 確かな意志を獅子アラシから感じていた。 ハロから感じるような人間の意志を――**]
(342) 2023/08/18(Fri) 22時頃
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