23 あの春の廃校だけが僕らの学校だった。
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─ 数年後 ─
[今思い返しても勉強漬けの日々だった。
本来ならば高校の最終学年度を収めていた筈の年は特に狂気の沙汰だったろう。ほぼ丸一年を使ったとはいえ、高校の就業課程全てを浚いながら高等学校卒業程度認定試験、平行して大学受験までをこなしたのは我ながらやり過ぎだった。
合格後は休む暇もなく司法試験対策(規定は緩くなっていたとはいえ)、資格を取得してからも修習、インターン、ローからの同期との情報交換という名の飲み会の頻度も酷かった。お陰で筋肉が若干落ちてしまった。学閥絡みの検察への引き込みから逃げ切れたのは奇跡のようなものだった。
何はともあれ。
今日、こうして無事に弁護士として正式に雇用されることが出来た感慨は十二分に深いものだった。
希望通りの、アンダーグラウンドに強みを持つ事務所だ。]
[誰かの荷を背負いがちだと指摘されたのはいつのことだったろうか。その特性を歪みなく発揮出来る分野でもあり、また一般的な倫理観から離れたところに在る自分には向いていると自然に思えたのがこの仕事である。
或いは、再びあいつに出会えたとして、あいつがどんな環境に身を置いていたとしても助けてやれる、そんな思考がなかったとは言わないのだが。]
まずは陳述書の清書ね。
はいはい、どんな下働きもしますよーっと。
[あれから数年、不定期に掛け続けた電話は、未だにコール音を響かせてくれている。その声が聴けることはなかったが、途切れずにいてくれることが嬉しかった。
いつか投げられた問い掛けを思い出す。今ならば真っ直ぐに答えられる気がしているのだ。一度限りの夜について、俺の、感じたことの全てを。
背広の胸ポケットには、唯ひとつの石が収まっている。]**
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[……どのくらい経ったのだろうか。 腕枕の中のサラは、まだよく寝ていた。
起こさないようにベッドから抜け出す。 そっと乱れた髪を撫で。 脱ぎ散らかした服を着て、1階へ。
外はだいぶ日暮れていて、 お腹もしっかり空いている。
…リアルのサラと、 ……とうとう、してしまった。 >>1936 ……可愛い顔を思わず反芻して。 いや、反芻すると色々とこうまずい。中断。
碧はリビングで寝ていて、 横を通り抜けてキッチンへ行った。]
(415) steel 2023/05/05(Fri) 23時頃
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[適当にケチャップと冷ご飯でチキンライスを作り 卵を片手で2個持って割る。これだけ得意。 先程のライスに薄い卵焼きを乗せたら完成。
2つのオムライスはあっためて食べれば良いので。 ふたたび自室に戻る。
サラはまだ眠ってるだろうか。
しばし顔を眺めて、 まだ少し紅潮の残る頬に、口付けた。]*
(416) steel 2023/05/05(Fri) 23時頃
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おまえ、
大体、なんで、こんなとこいんの?
さっさと、こんなとことの関わりは絶っちまえ
→×6〒+÷°39〒5+→#
[なんだか、わなわなしてる]
心配せずとも、
その為にずっと下積みして来ましたから。
若頭は何も憂うことなく、
お仕事をこなしてくだされば構いませんよ。
というか、
もっかいきくわ。
なんで、こんなとこにいる?
口説こうと思って。
俺からもひとつ訊いていい?
電話、
なんで捨てなかったの。
はあ?
まだ、ヤりたりねえのか?
つか、お前、そんなナリで、金も持ってるなら、
いくらでも誰でも抱けるだろ。
電話は、
うるせえな。こっちの勝手だろ。
縁が切れないままで、
ここまで来たんだからさ。
………………やっと、会えた。
話をさせてよ。
……長い話になると思うけど。
[取り出した石を放り投げる。黄緑色。]
[投げられたもの、反射的なら受け止める]
くっ。
お前、バカだろ。
勝手にしろ。
[もうとっくに手が覚えている操作で、
一本の電話を掛ける。
それからのことは、カメラの外の、お話。]**
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─ 数年後・とある医科大学 ─
[奏人と野々花とのLINEグループに 花見の計画をぽちっと送信して。
大和からの意味不明LINE爆撃には 🐒🐒🐒スタンプを適当に押す。 婚約したよ、って一文だけ、きちんと付け加えた。
そして、桜舞う学内を、 ゆっくり歩いて学食へ向かう途中。 サラからのLINEがぴこん、と。🐰
眼を上げると、少し先に笑顔の彼女が居た。
桜吹雪の中、微笑んで。]
(422) steel 2023/05/06(Sat) 00時頃
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[──、
一瞬、あの廃校で出会った、 高校二年生の彼女の姿と重なって、 眼を何度か擦った。
彼女が どしたの? といった顔で、駆け寄って来る。]
……なんでもないよ。
あの廃校のことを、ちょっと思い出しただけ。
[そうして、 今はすっかり元気になって、 同じ大学に通う彼女、 いくつかの季節の後には妻になる彼女に向かって。
──両手を拡げて、微笑んだ。]*
(423) steel 2023/05/06(Sat) 00時頃
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[>>419 掛布布団の中まで潜ってしまったサラに くすっと笑って。]
よく寝てたね、おはよ。
……顔、見せて?
[恥ずかしがり屋の彼女は、 布団から出て来てくれるだろうか?
頭を撫でたい。ぎゅーっとしたい。]*
(428) steel 2023/05/06(Sat) 00時頃
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あはっ。 顔見せてくれてよかったー…
[真っ赤な顔を出してきた彼女の頭を撫でて。>>430 ベッドの上に腰かけたまま、 ぎゅーっと、強く強く抱き締めた。]*
(431) steel 2023/05/06(Sat) 00時頃
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