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[君から与えられる快楽と。
内側から押し上げられ、高められた熱に、身体が溶けてしまいそう。
こんな経験は初めてで。
最初は手のひらだけだった温かさが。
二の腕、胸板から腹に広がり、そして今は口内まで。]
········んっ、はっ。
[つつかれた舌先に誘われるまま。
舌と舌を絡めあい、互いの口内を貪りあう。
つうと伝う糸の先には、満足そうな恋人の顔があって。
それを惚けた顔で見つめる自分がいるのだから。
······もうどうしようもないのでしょうね。]
[····私は、君に溺れてゆく。
何も熱いのは口内だけじゃない。
君の手で限界まで膨れあがった陰茎は。
浮き上がった細い血管たちが脈打っており、己の性を吐き出したいと懇願していました。]
······まだ、イキたくない、です。
···もっと、ロイエさんと。···一緒に。
[君を抱きしめ。
心の内を、途切れ途切れに喘ぐが。
君の骨ばった手と、まるでそれを追うように無意識に揺れる自身の腰が。
この願いを叶えてくれそうにありませんでした。]
[必死に意識を逸らして、足掻こうとしても。
絶頂に導こうと下から上へ、忙しなく与えられる快楽から逃れられる訳もなく。
ぐちゅぐちゅと響く水音が一際大きくなった瞬間に。
·············限界は、訪れた。]
·······んっ、ぁぁっ。
[嬌声をあげる、頭がちかちかして真っ白になると。
······陰茎が、内側から高まった熱を吐き出した。
びくびくと脈打って溢れでた性は。
君の黒いドレスまでもを白く染めあげた。
···あぁ、せっかく似合っていたのに。なんて後悔したのは翌朝のこと。
今は、手放しそうな意識を繋ぎ止めるので精一杯だった。]
·········はっ、はぁ。····はぁ。
[脱力した身体を、腕の中の君に委ねて。
肩で息を吸って、吐いて、吸って。
······熱を吐き切り。
やっと呼吸が楽になると、身体を起こして君の顔を見つめた。]
[蕩けた顔でそう伝えると、口付けをお強請りしたでしょう。
暫くして、思考が落ち着いてくると。
下半身に固いものが当たっていることに気付く。
ドレスの布地を捲ると。
性を吐き出しふにゃふにゃになった自身とは違う、質量を持ったままの状態のものがそこにあった。]
······あぁ、私ばかり気持ちよくなってしまって、すみません。
手が、いいんでしたっけ?
······したいです。···私に、触らせてください。
[口を小さく開くと。
舌先からつぅーと垂れる唾液を、自身の手のひらに上に集め。
ぬめりとした手を君の竿の方へやり、不器用に塗りたくれば。
···全体を手で大切に包み込む。
この行為が君の真似事だったと気付くはずもなく。
私は、手をゆっくりと動かし始めました。]**
[私との口でのまぐわいで惚けた顔を見せるのも、
いきたくないと我儘を言い眉をゆがめるのも、
好きだ好きだと必死に伝えるそれも、
可愛い小さな穴から勢いのある精を吐いた瞬間も、
意識を飛ばないようにと気を張るのも、
落ち着くまでに、はぁと何度も息を着くのも。]
好きよ、坊ちゃん。あなたのそういう所も……。
[少し手にかかったりしたのを適当に
ドレスの布地でぬぐえば、
ちゃんと起きてこちらをむけた坊ちゃんの頭に手を乗せ
ゆったりと撫でた。]
[お強請りにこたえて口を開く。
ちゅっちゅと軽いのを、貴方の唇に。
……もうすっかり、私の口紅はあなたの唇にもうつって
しまっていた。
私の口紅を宿した口であなたが私のを触ると言う。
……いい、光景だった]
うん、触って。坊ちゃん。
人にされるの初めて。……優しく、してね?
[なんて可愛こぶったことを、控えめな口ぶりで告げた。]
[欲しがるように私の手に押し付けるように揺れる腰を、
間近で見たせい。私の愚息は、貴方があおるせいで。
熱を増して。ここだけ特にあつくてくるしかった。
あつくてくるしいこれを、坊ちゃんの体液と手とで
包まれて……おぼつかない動きで、擦られる。]
んっ……ふふ。
[感じたような声も出すけれど。それと同じぐらい
含み笑いも返した。……私の真似っ子をたどたどしく
する坊ちゃんが……かわいくて。]**
[私の言葉を繰り返す貴方は、
今、どんなことを考えているのだろう。
衝動なのか。それとも慣れなのか。
――或いは、興奮しているのだろうか。
優しく、性急ではなく余裕をもって触れる手は
未だ理性を残したよう。
離れる唇の温度が惜しい心地がする。
急に得られるようになった酸素を吸い込めば、
伝った唾液の糸がふつり、と切れて
濡れた唇を彩ることになる。
貴方の声での囁きは、まるでこちらの理性だけを溶かすよう。
衣類を肌蹴れば素肌に直接感じる春先の空気の寒さ。
胸部に触れる手や、耳や首筋を食み、擽る舌や唇の熱さが
より肉感を伴って今、行われていることが
現実であると私に、教えてくれる。]
――、 ぅ、ぁ。
[漏れる声を抑えるために、片手を口元へ。
揉むような、撫でるようにふくらみをあやす動きは
段々と擽ったさ以外の感覚を私に、植え付ける。
外気でか、或いは愛撫でか。
芯を持ち始めた先端へ唇が触れた際に肩が震えたのは
急所を食まれた生理的な反応であろう。
それが、芽生えた快楽を拾うようになり
内腿を擦るようにして。或いは口を押えぬもう片方の手を
相手の肩に置いて、肩口の服を握るようにするのも
彼が齎す私の、変化。*]
[絶頂まで登り詰めた後ならば。
頭を撫でる手まで気持ちよく感じてしまうのだから、
···もう、どうしようもないですね。ふふっ。]
·····っ。
はい、私も。···私もロイエさんが好きです。
[甘い息を漏らし。
一滴残らず性を吐き出そうと、未だに震える身体で、君に愛を伝えました。]
···あぁ、そっか。
触られるのは初めて、でしたね。
そうですよね、私と違って経験豊富だと思っていたけれど。
······当たり、前か。
[そう言うと、ベットの端に転がっている貞操帯に視線を向けました。
···肉体的にだけでなく、もうしかしたら精神的にも縛られて。
見た目以上に窮屈な思いをしていたのではないでしょうか。
そんな事を考え、反り立った君の陰茎に視線を戻します。]
···はい、優しくいたします。
痛かったら教えてくださいね?
[柔らかく微笑めば、手に包み込んだものを優しく動かします。
まるで頭を撫でるかのように、上から下へ、ゆっくりと。]
[改めて隠されていたと実感すると。
自分の身体と同じものだというのに、綺麗に見えてくるから不思議ですね。
ぷっくりと浮き上がった血管、雄を感じさせるそこを指でなぞり。
鈴口から漏れた先走り。
透明なそれを指先で掬って、また竿全体に擦り寄せれば。
多少は滑りやすくなったか、たどたどしかった手の動きも早まっていきました。]
ロイエさん、大丈夫ですか?
······気持ちいい、ですか?
[未だに熱が残ったままの瞳で、君の顔を伺いました。]**
[私は男だけど、貞操帯もできるだけ
女の子と近いデザインのものをつけさせてもらってた。
私がそうしたのだけど、それが例えば興奮を覚えた
時とかに、苦しく思うときもあったかもね。
……まぁ、私がお仕事中に興奮を覚えた相手は
居ても、坊ちゃんぐらいなのだけど。]
うふふ、夢みたい。なんだか……
[いつもは清らかで、私の誘いすら手を振り払っていた
性の文字とは無縁そうな坊ちゃんが。
私の"もの"にその綺麗なお手手を伸ばして。
自分の手につばすらためて、ゆるゆると愛撫をなさって
……あぁ、気持ちいい。
肉体的な気持ちよさももちろんあったけれど。
それ以上に、精神的な充足に背徳の思いや
綺麗なものをけがしたような倒錯感を覚えて
はぁ、と熱い息を吐く。]
[手が早まれば、これまた薄い腹をうねらせる。
手の中の熱は貴方の手の熱とまざりあって同じ温度に。
膨らんだり、凹ませたり。快楽を逃がすように
手をうしろについて、背をうしろに傾けて
少々天井を仰ぎ見た。]
おてて、気持ちいい。
……1人の時もこんなふうにしてるの?坊ちゃん……。
それとも、私にだけ?
[穴から溢れた透明な蜜を、いつもは本をめくるのだと言う
節ばった指ですくいあつめて、塗って。
それすらも潤滑油にされて……
「いやらしい」と目の前の光景の感想を素直に口に出して
うっそりと微笑む。]
[より快楽を得れば、背中がぞわぞわする心地。
喘ぎ声も出して身体を小さく震わせながら
貴方に抱きついて、己の身体を少し丸めるみたいにする。
淫物は膨らみきって、精をつくる双球も
ひくひくと動きはするけれど
でも、まだ。出さずに我慢は出来るのよね。]**
ふふっ、わかります。
でも、夢じゃないんですよね。
[握った竿の熱が、顔にかかる君の乱れた吐息。
それらが、この晩が現実であると感じさせてくれます。]
いえ、一人の時に適当に済ませていましたから。
···こんなに丁寧に触れたのは、あなたが初めてです。
[先走る透明な蜜が、私に気持ちいいと教えてくれているようで。
手を動かしてる間に、また溢れてきたそれをまた指で掬うと。
ぼぅっと眺め、優越感に浸っていました。]
·······い、い、いやしい、ですかね?
[何だか恥ずかしいことをしている気分になり、逸らした視線の先は白く穢れたドレス。
仰け反った体勢のせいもあり、徐々に下へと垂れてゆくそれを眺めて。
·········す、すみません。
もごもごと、弱々しい言葉を発した主は、それはそれは赤く染まっていたそうです。]
·········。
[膨らみ切ったのに、まだ限界から遠そうな陰茎に手を添えて、考える。
最後までしたいとは、言ったけれど。
そもそも自分は、どっちをしたかったんだっけ。
君を抱く側、それとも君に······。]
[少し先、このベットに押し倒されて乱れる自分の姿を想像してしまい。
そんな不埒なことを考えてしまった自分の頭を横に振る。
余計なことを忘れようと、おざなりになっていた手を必死に動かしました。]
[ドレスに放たれた熱が徐々に温度を失っていくのに、
愉悦を覚えた。この先、きっとあなたは私以外に
こうすることは、ないのでしょう。
貴方はこれから、こうやって命を宿せない
私の身体に、何度精を放ってくれるのでしょう。
そう思うと……たまらない気持ちになる。
好きな男が、それが無駄になるとしても……
私に子種を放ってくださるのが。
うれしい。]
いやしくていいじゃない。
そういうことをするお時間でしょう?今は……
[意味ありげにわらう。
あぁ私だけにこんな事をする坊ちゃん。
そんなあなたが好きよ、私。]
[謝らないでと目を合わせて、眉を下げてみる。
もごもごと口ごもっていらっしゃるのも、可愛い]
……もう、坊ちゃんってば。これ以上興奮させないでよ。
手だけで治まらなかったらどうしてくれるの……?
[なんて、困ったように眉を寄せて見せた。
ほとんど、本気の言葉。]
[心ここにあらずから、忙しなく私を絶頂に導こうとする
その手に。
先程まで貴方の胸をいじくりまわしていた手を
そっと乗せて。]
もういいわ、……ありがとう。
[って、静かに微笑みをたたえてみせたまま。]
ごめんなさい。
[と謝る。
明日は忙しくなるだろうからって、
手だけで収めようとしたけれど。]
……もっと、したくなっちゃった。
[止められそうにないのと、そちらを上目遣いで見た。]**
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[仕事でやり慣れている筈の行為なのに、いつも以上に理性が溶け落ちそうになっていく。
相手がリッキィだから、というのはきっと大きいのだろう。この娘が『性的な接触』をいつか求めてくるとしたら、どうなるのか。困惑もきっとしただろうが、興味がないわけではなかったのだ。
いつぞやに見ない振りをしたドール達が頭の片隅に過っていく。
成程、たしかに「触れられない、触れてもらえない」というのは……自己処理では治りきりそうにない。]
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