23 あの春の廃校だけが僕らの学校だった。
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ニジノは、ヤマトのLINEをブロックしようか真剣に悩んでいる。
2023/04/24(Mon) 17時頃
ニジノは、NGワードが増えた。**
2023/04/24(Mon) 17時頃
色々あって。全部話そうと思ったんだが。
もうすべては遅いのかもな。
俺は、間違えた。
もう、アンタは鯖島×大和と役職系のこと以外書くな。
折角聞き流してあげたのに。
なんなの?
アンタ参加者何人に好きとか言ってんの? 全員?
もー鯖島だけに好き好き言っときなよ。
これで6ペナ……いや、7かな。
10ペナに達したら
私は大和に恋をする。
覚悟しておけ。
これだけ脅せば
さすがにもう言わないよね?**
助ける云々に関して言ったんじゃないよ。
NGワードに怒ってるだけだから。
助けるよ、助ける。
どうした、鯖島が狼だったか?
覚悟ならもう、した。
俺は最後まで、どうしても。
渡せと言われても、出来なかった。
それだけは、出来なかったんだよ。
そんな理由は1つしかないんだ。
好きだからだよ。
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[ふと思い付いて、何件かLINEを送る。
この端末の出し入れもすっかり馴染んでしまった。 リアルな空間の中で、最もリアルでない現象。
まあ食事や排泄の必要がないことも違和感ではあるが、空腹などを感じなければ気になるものでもない。 それでいて身体を繋げられる仕様はご丁寧に用意されていることに関しては、非常に思うところがあるのだったが。]
…………2日目、か。
(117) 2023/04/24(Mon) 17時頃
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今から連続で踏むよ。最初に可愛いと言ったのは素直にそう感じたからだ。
お前が怒って、戸惑って。相方になって、困惑して。
別にゲームのために困るからじゃないよ。
俺は確かに誰かともめたら気にするけど。
お前だったから。
キリノと会う約束は取り付けた。
職員室で待ち合わせ予定。
についても聞くつもり。
じゃあ鮫島は?勿論、鮫島も好きだ。
鮫島の話を先にする。体育館で、お前は見てたんだっけ?
バスケの時。思い付いたからふざけてさ、鮫島といちゃついたら楽しくて。
それから彼は俺に、ゲーム参加目的を話した。
それはとても重たい、深刻なものだったんだ。
ニジノは、LINE画面を見ながら、指を震わせている。
2023/04/24(Mon) 17時頃
キリノは、何故だかわからないが、ニジノが心配になってきた。
2023/04/24(Mon) 17時頃
それで俺と彼の距離は近くなった。
だけど今思えばそれも…いや、取り敢えず。
役職が配られて屋上で。俺は彼に言った。
あんたにすべてを捧げたい、役に立ちたい。
別にこん時恋人とか身体云々は念頭にはなかった。
彼は「嬉しいけど諸々は応えられない。大和がやりたい範囲やるなら」みたいな。
ここから急展開だ。あん時誰といたんだっけ、俺は誰かと約束があった。だが鮫島に呼び出された。
ああ柊と話してたんだ。鮫島は来いとは言わないが、明らかに来て欲しそうだった。鮫島は保健室にいた。
鮫島はこの時から、計画してたんだよ。
柊が妹の話をして俺は気分が悪くなった。
保健室に行った。この時のこと、凄く覚えてる。
鮫島が、扉に鍵をかけた。そして俺を優しくベッドに横たえたんだよ。
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―― 1階・用務員室 ――
[校舎の階段を降り、廊下を急ぐ。 指定の部屋に着くと、中に気配がある。 数度ノックをした。]
……鮫島先輩? 野々花です。 [声をかけ、招きがあるならそのまま中へ。]
(118) 2023/04/24(Mon) 17時半頃
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求めたのは俺。だけどさ、そんな状況だよ。
俺がそうなるの、読めるよな?
それで俺達はそうなった。俺はみんなの前で恋をしてはしゃいだが、鮫島は「大和の期待には応えられないよ」と。
「可愛いよ」「助けてやりたいよ」
「でも期待はするな」
俺は「わかった、期待はしない。俺が勝手にあんたを好きなだけ、あんたを助けるよ」
ニジノは、7ペナ、8ペナ、とカウント中。
2023/04/24(Mon) 17時半頃
オーケーよろしく。
こっちは、みんななかなか忙しいみたいで、滞ってる。
大変だなあ。
サメジマは、不穏な空気を察知した。
2023/04/24(Mon) 17時半頃
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>>118 [遠慮がちなノックに続いて、声が掛けられる。 開けちゃっていいのに、律儀だな。くすりと笑って、戸を開いて招き入れる。]
椅子1個しかないし、使ってよ。
[勧めて、上がり框に腰を下ろした。]
最初に謝っておこうと思って。
ゲームが始まる直前にさ、 リアルの連絡先交換、打診してくれたじゃん。
あれ、はぐらかしてごめんね。
俺さあ、同期させてないんだよね。 つか今リアルでスマホ持ってねんだわ。 解約したから。
(119) 2023/04/24(Mon) 17時半頃
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俺はキリノから情報を集め始めた。鮫島のために。
色々わかるたびに、鮫島は俺を誘った。
いやこれも「来たければ来れば」
俺はニジノとの約束で図書室にいたんだ。
だけど彼は俺を待っていた。そこらはニジノが一番よく知ってるな。
鮫島はLINEが嫌いで、逢いながら話を聞きたがる。
俺が奉仕をしたのは俺の意思だ。情報を渡したのも。
彼は何も強要はしてない。命令はしてないよ。
だけどさ、ニジノといてそのあとまた、て時は。
流石におかしいというか。
まあ、俺、返事が返ってこないのは、
な、慣れてるし。
またそうなってさ。俺は彼の中にも僅かに俺への気持ちが目覚めたかな。
だけど好きだと言って近づけば、突き放されて。
じゃあと離れようとすれば、撫でたり触れたりしてきて、俺は離れられなくなった。
鮫島には別に俺を騙す意思も、利用する意思もないのかも。
そういうのしたくないとハッキリ言ってたから。
でも結果はどうだろう?
俺は、鮫島に大切にされていたか?
愛されているのか?
最初から拒もうとしたと彼は言うだろうし、むしろ俺が無理にすがったんだ。
利用されたんじゃない、ニジノは俺に「身体を使って繋ぎ止める」と言ったが「情報を使って繋ぎ止めた」んだよ。
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ありがとう。 雨、降っちゃった ね。
[扉を開けてくれたので、ひとつ頭を下げて室内へ。 用務員室に入るのは初めてで、物珍し気に周囲見回しながら勧められた椅子に腰かけ]
…そうだったんですか。それで。 解約してしまうと、今だと不便じゃない です? あ、わたしも、高校に入るまで持ってなかったので、 なくても何とかなるかな…?
そうすると、連絡取れませんね…残念。
(120) 2023/04/24(Mon) 17時半頃
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さっきまた、そうなって。彼は「情報がほしい」
俺はもう、それで逢うのに慣れたしあって。
鮫島を生かす相談をした。そう、俺は村陣営を裏切ろうとしていた。あいつを生かして勝たそうとした。
ここは怒っていい。詰っていいよ。
話の途中、鮫島がどう白くなれるか案で俺は
「俺を食えば?周囲は鮫✕ヤマ知ってるし、鮫島だけは俺を食べないと思うから」
俺は勿論それまで、彼と生き残る話をしていたし、彼は「それは出来ない」というと思ってたんだよ。
だけど。
ニジノは、他のLINEの返信をいったん止めて、流れてくる文字を追う。100行越えるかな。
2023/04/24(Mon) 17時半頃
だけど、彼は。
「そうするなら全部情報渡して貰ってからがいい」
……俺は、気付いた。ああそうか、そうなんだ。
狼に襲撃されるときは、苦痛が酷いらしいよ。
鮫島は以前、体育館倉庫で縄跳びで首をしめようとしていた俺を止めたりしたけど。
ああ。
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