23 あの春の廃校だけが僕らの学校だった。
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だから、これが終わったら、
普通に、また、他愛もない会話ができる、仲間みたいな存在になれないかな、と思った。
と言っても、それも、また、現実的じゃないけれど]
それとも、甘い言葉でもききたいか?
ヤマトみたく、うまくはないぞ?**
甘い言葉は、
……要らねえけど。
[上がった声に、速度を僅かに緩めて、だけど遠慮はせずに指を進めた。第一関節。引いて、今度はもう少し奥まで。
使ってない方の左手を伸ばして前髪を漉く。丸みを帯びた額に口づけると、ちょぴりしょっぱかった。]
…………いいや。
甘えたかっただけかも。
なんかさ、
俺だからだって、言わせたかった。
[でもいいや。止めないでいてくれんなら。それで。
内側を徐々にまさぐる。見つけた場所があるなら、弾くように。]
息、あんま詰めんなよ。*
[指を進められて、歯を食いしばった。
揺れた頭、ついっと汗が流れた。
ああ、汗だよな、血じゃないよな。そんなことを一瞬思ってたら、
手がゆっくりと頭をなで、汗が流れて、しっとりとした額に、薄い唇が触れた。
甘えたかった?って、それは、間違いじゃないけど。
少なくとも、他のやつとは、しない。
これでいいか?
[息があがる。
耐えて深呼吸をする。
だが、指はまた、より不覚にも侵入する。
少し、気分が悪い
と、思った時、その奥で鮫島の指が内壁を、叩き、思わず、ぐ、と言った声を漏らす]
待って、それ、嫌。**
[
──他のやつとは、しない。
うん。と頷いた。
そっか。と思った。
それだけがこんなにも嬉しい。
そっか。
簡単なことだったんだ。]
うん?
[小さく漏れた声の後、嫌、と言われて指の動きを停止させた。見つけたと思ったんだけどな。
顔を覗き込んで、様子を伺う。]
しんどくなった?*
ちょっと、変な感じがする、から。
って、うわ。
[なんだこれ、ヤバ。
今まで感じたことない、こう、何かが引き絞られるようなのに、
つい、それで腰が動いた]
あや、ちょっと、ツラいけど、やめなくて、いいーーッ?
[いつのまにか自分ガン立ちじゃねぇか。
自身の下腹部確認して、
熱い息を吐く。
くっそ、これ。
我慢しようとすると、蘇って、
なお、いたたまれなくなると、**
ッ、
────…………
[揺れる腰と、焦ったみたいな声に、瞬間煽られる。
止めていた指を何度か往復させてから引き抜いた。まだるっこしくて雑にずり下ろしただけのスウェットパンツから自身を取り出して、辛うじて残っていた理性でスキンの封を噛み破る。
掴んだ膝を強引に割って、真っ直ぐに宛てがう、先端が音を濡らす。]
キル、
[一言だけ掛けて、返事は待たずに圧し拓いた。]*
・・・・ッ
[煽ったつもりなんか、なかったけれど、
ヤツの空気が明らかに変わったから、
背筋、冷たいものが走りつつも、
息を荒げて、その支度を見遣る。
それから、自分の腕で自分の目を塞いだ。
それくらい、許されるだろう?]
あ・・ぐ、ぅ
[名前呼ばれた後、ギチギチと宛てがわれ、鮫島の質量押し込められる。
息があがる。痛いというより、怖い。
なるべく腹の力を抜く。
息をゆっくりしようとしてたけど、
実際は哀れな喘ぎにしか聞こえないか]
いっ・・・
[痛がりたくはないから、
口を自分で塞ぐ。
音が、でも、少し、遠い]**
[奥に届かせるまでは夢中だった。
どっかのタイミングで、漸く世界が戻ってくる。
桐堂は目も口も覆って何かに堪えている。
何かじゃねえか。俺か。
反省、まではしている余裕はなかったが、腹と腹の間に挟まれて萎れ掛けてるものに手を伸ばす。軽く握り込んで、ゆるゆると擦り立てる。そのリズムに合わせるように、腰を揺すった。]
…………悪ィ、トンでたわ。
[顎先にキスを落とす。]
苦しくねえの、
そんな塞いじゃって。
声、出してもいいよ。
[つか、聴きたいだけだけど。]*
好きにしやがって。
[頭飛んでいたとか、
正気に戻れよ!
と、手を退けると、
顔を睨んでやりたかったけど、
そんな余裕なくて、
涙目で見つめるだけになった]
出さ・・・ねえよ。
キモいわ・・。
[と、声出すのを拒否るけど、
漏れ出るものは、仕方ない。
それは、悔しくて]
[声は拒否したけれど、
そんなに聞きたいなら、
と、手を広げて、頭を掻き出いてやった。
一番近くで、感じればいい。
それでいいだろ?]**
[可愛いっつってんのにな。
滲んだものを吸い取ってやりたくて、目尻に口づける。
と、意外なくらい力強く抱き込まれる。]
…………うん。
[なんでか、言いたいことがわかった気がして、頷いた。
全部が心臓になったみたいな音を聴く。
なるべく、優しく、なんて無理で、だけど精一杯気持ち良くはしてやりたかった。熱を交換する、感覚で。圧して、引いて、段々と混ざっていく。]
ん、────っぁ、
[やがて短く吠えて、吐き出した。]*
・・・・・・ッ。
[キツく抱き込んだら、鮫島なら動きはなお、早くなって、
圧迫と圧迫と、痛みと刺激されてる快楽とで、
頭がもう、ぐちゃぐちゃだ。
ともすると、自覚しないうちに、
あられも無い声を出していたかも、しれないが、
もう、それすら、どうでもああ、熱量の中に、
遠くに鮫島の声を聞く。
そして、過ぎ去ってあと、
かくり、首が折れて、
ただ、その部屋にだらしなく転がった。
荒い息は、自分だけか、それとも?
いずれにしろ、終わってみれば、
それは、必要なことだったかも、なんて、考えたけれど]
蜜柑
水欲しい。
[どれくらいか時間が経ってから、そう、つぶやいた]**
[多分暫く覆い被さっていた。
ハ、と漏れる息のひとつで整えられるまで待って、ずるり引き抜く。おざなりな後始末をして、桐堂のそこだけは丁寧に拭いてやってから、並んで転がる。]
………………ん?
ああ、
…………
[のろのろと起き上がって目と鼻の先のキッチンへ向かう。買い置きの水は冷えてんのとぬるいのとあったけど、後者でいいか。シンクの下から引っ張り出して、取って戻る。
2リットルボトルから、そのまま口をつけて含む。
薄っすら開いた唇に合わせて、流し込んだ。]
もっと要る?*
[水が欲しいっていったら、
口移しされて、
欲しかったから飲むけど]
お前、本当に手慣れてるな。
でも、そういうこと、やめとけ。
あの時も言ったけど、
勘違いするからな。
[そして、のそ、となんとか起き上がると、
デカいペットボトルに手をかける]
ヤマトにも散々恋人みたいなこと、してたろ。
あれじゃ、勘違い、するわな。
[自分で飲もうと]**
んー……。
[勘違い、か。どうなんだろうな。
大和とのことは、今思えば反省すべき点も多々浮かぶとはいえ、あの時には必要だと感じたことだ。
その是非は別として、
じゃあ、今は?
ペットボトルを持ち上げる手を何となく見つめる。]
………………。
……でも、したかったから。
[なんかガキみたいな言い分になった。]*
[あの時、
赦しを渇望しながら
魂ごと殺されることを求めてはいなかったか
仮想世界で終わってしまうことを
きっと それも柊にとっては真実
幸せだったんだろう
この世界の光は時として眩しすぎる
動く手足 動く心臓 動く脳髄
自分が生きているという事実が
時折 心底恐ろしくなる]
[そんな時 あの痛みを思い出す
涙が流れている
しるし
そこに残った熱は消えることはなかった]
[したかったから、という、
本当にそのまんまの言葉に、
少し呆れ顔をしながらも、
それに乗ったのであれば、同罪かと思う]
お前さ、そういう感じで、
人を口説いてたら、いつか、刺されるぞ。
気をつけろ。
[ガチで思う。
嘘がないだけに]
[そして、また風呂に入るべきかと思ったが、
それより、動きたくない、が勝った。
脱がされた服を手を伸ばして集める。
終わってしまえば、熱は段々と下がり、
肌寒さを感じた。
鮫島の大きなサイズのシャツを再びもぞもぞと着込んで]
今日は本当に大変な日だったけど。
終わってしまえば悪くないな。
そろそろ寝るか。
[疲れました]
ー大和の夢(if)ー
[アメリカに行った彼女が残した置き土産。
それは少年の心を揺さぶるに十分で。
夢を見る。長いような短いような。
心惹かれる彼女をそこでは抱き締められる]
ニジノ…!お願いだ、傍にいてくれ!
これは夢、これは夢、だから……
[自分に相手に言い含めるように、一言一言区切って、]
は、離さないで。
[あの時言えなかった言葉。
逃げたいのは、囚われたら絆されてしまう、自覚があるから。
チョロいな、と何度目かの自嘲混じりで、相手の頬に手を添えた。**]
ーーうん。
[夢で構わない。夢であろうと少年は涙する。心を濡らす。
本当に欲しかった幸せを抱き締めたのだから。ずっと、ずっと憧れ続けた普通の幸せを。
彼女の細身はこんなにもーーあたたかだ。]
……ありがとうな、ニジノ。
もう離さないから。絶対にだよ。
約束するよーー
これから一生かけて、お前が聞き飽きるまで言うよ。
俺はーー可愛いお前が大好きなんだ。
[涙を溢しながら、少年は愛しい人を胸に抱く。
頬に触れた彼女指先が濡れたろう。]**
……刺されてもいいから
欲しいって思うこともあるよ。
[呆れたような顔も、何かを一瞬だけ思案したような小さな視線の動きも、しんどそうに、貸してやった俺の服を搔き集める仕草も、それを、身に纏うところも、余った丈がやっぱりどうにも可愛く思えるところも、全部、
目が離せないのがなんでなのか、俺にはわからないけど。]
けどま、気を付けるわ。
つか、そか。
ゲームの初日ってあれ今日なんだもんな……。
なんかやっぱ、変な感じだわ。
[悪くない日だった。或いは日々だった。そうかもしれない。大事な、幾つかのことがあった。
桐堂もそう思ってくれんなら、いいな、と思った。]
あ!! 忘れるとこだったわ。
あのさ、サラちゃんとキリノが
二人分の賞金を狼陣営に譲りたいって。
一応保留ってことにして預かってだけ来たんだけど
キル、受け取るつもりある?
[そこそこの重要案件を漸くで確認しつつ、ぐちゃぐちゃになってたシーツを伸ばして寝心地を確保した。]*
賞金譲りたい?なんで?
[その提案に不審な顔をした。
なんで、貰えるものを放棄する?]
金は欲しいが、
その金は、胡散臭すぎるから、
要らないなら寄付でもすれば良い。
[うまい話には、乗りたくない。
痛い目しかあってないから]
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