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【人】 学園特警 ケイイチそれは僕が知らずに抱えていた重荷であった。 (98) 2023/11/19(Sun) 11時半頃 |
【人】 学園特警 ケイイチ1つは、彼もまた敵の精神攻撃に巻き込まれた場合。 (99) 2023/11/19(Sun) 11時半頃 |
【人】 学園特警 ケイイチ僕しか見えない。僕の状態、彼が僕を見ているか以外に興味がなければ敵など気にする余裕はないだろうから。 (100) 2023/11/19(Sun) 11時半頃 |
【人】 学園特警 ケイイチふら、と前に僕の脚が出た。同時にアストロも一歩前に動いた。それが止まったのは、床を這いながら僕に近づき、康生が足首を掴んでくれたから。 (101) 2023/11/19(Sun) 11時半頃 |
【人】 学園特警 ケイイチ「違うよコウ……最低最悪なのは僕だけだ。意気地無しで中途半端で、君を殺すと約束したのにそれすら出来ない役立たず。 (102) 2023/11/19(Sun) 11時半頃 |
【人】 学園特警 ケイイチ幾ら僕が彼を愛しても、僕には愛される資格はない。 (103) 2023/11/19(Sun) 11時半頃 |
【人】 学園特警 ケイイチ僕は彼を置いてきぼりにして前に進んだ。スクリーンの方へ。 (104) 2023/11/19(Sun) 11時半頃 |
【人】 学園特警 ケイイチアストロの変形は始めてではない。大和戦の時も起こった事だから、元々そういう決まった機能や武器が内臓されているというより、パイロットの思念に応じて変わるというのが正しいか。 (105) 2023/11/19(Sun) 11時半頃 |
【人】 学園特警 ケイイチアストロも両手を上げ敵ロボットと熱い抱擁を交わそうとーー (106) 2023/11/19(Sun) 11時半頃 |
【人】 学園特警 ケイイチ ーー何するの?!恵一くん! (107) 2023/11/19(Sun) 11時半頃 |
【人】 学園特警 ケイイチそしてーー貫いた。 (108) 2023/11/19(Sun) 11時半頃 |
【人】 学園特警 ケイイチカーテンに護られていない敵ロボットの胴体は、ぐさぐさと刺されて地面を鈍く跳ねる。ぴく、ぴくと痙攣する死体みたいに。 (109) 2023/11/19(Sun) 11時半頃 |
【人】 珊瑚宮連邦 ルリ──数年後の私たち── (110) 2023/11/19(Sun) 12時頃 |
【人】 珊瑚宮連邦 ルリ結婚式当日は、式の前にお互いに顔を合わせる機会があったから、その時に嬉し恥ずかし──だってとっても命くんカッコいいもん。 (111) 2023/11/19(Sun) 12時頃 |
【人】 珊瑚宮連邦 ルリ「はい、誓います。」 (112) 2023/11/19(Sun) 12時頃 |
【人】 校庭番長 ヤマト――数年後の僕ら―― (114) 2023/11/19(Sun) 15時半頃 |
【人】 校庭番長 ヤマト[そんな準備期間の思い出が走馬灯のように過ぎ去っていき、 (115) 2023/11/19(Sun) 15時半頃 |
【人】 校庭番長 ヤマト 珊瑚、とても綺麗だよ。 (116) 2023/11/19(Sun) 15時半頃 |
【人】 校庭番長 ヤマト 行こうか、珊瑚。 (117) 2023/11/19(Sun) 15時半頃 |
私の場所。それは、もし大和くんと結ばれた後だったら変わったに違いない。
自宅のソファ。若しくは、リビングのテーブルと椅子──なら椅子の方になるのかな?
大和くんと結ばれる前に選ばれたその腰掛けは、家でも使っているものだった。
それは、父さんの仕事を見にいった時に座る椅子だった。
それは、母さんの安否を心配しながら座っていた椅子だった。
それは、コトコト鍋を火にかけながら様子を見て、父さんを待つ椅子だった。
母さんが、座ってた椅子だった。
今でもこの椅子は、私の家のキッチンにある。
それを知るのは私の家に来た人だけ。
──if・瑠璃川珊瑚の戦い──
でも、私は最後じゃなくてよかったと思ってたんだ。
だって。私は、最後に選ばれたら絶対に楽な道を選ぶから。
たぶん、戦いが始まる前に命を断つだろう。
ハロに手をかけないのは絶対に私と大和くんを同じ場所に眠らせてくれると思っているからで、それ以上でもそれ以下でもなかった。
いつまで経っても、私の中ではハロは私を巻き込んだ側──敵のままだったから。
「泣いてくれてありがとう。
でもね。
私、やっと大和くんと一緒にいられると思うと
ちょっとホッとしてるんだ。
──今の私は大和くんが
1日でも長く生きてほしいと願ってくれたから
それだけで、生きてるから…。」
そして、次の人にバトンを繋げるためだけに戦うのだ。
私がその選択肢を狭めてはいけないと考えている。
…だって私と違って、生きたいと願う人はいるでしょう?
私たちと同じ状況になってもなお。
だから、私は巻き込まれたみんなのためだけに戦うのだ。
生きて幸せに暮らしましたとさ、となる誰かさんの為には戦えなかった。
誰かを呼んだわけではないけど、拒みもしなかったからパイロットメンバーは来ていたかもしれない。
ああ、でも、ハロには出てこないでとお願いしていた。
あくまでハロは私の敵。巻き込んで大和君を死に追いやり私やみんなの命も奪ってしまう側だから。
お葬式の間、私は泣き腫らした目で大和君の1番近くにいた。
数珠を握りしめて、涙はこぼさなかった。もう沢山たくさん涙を溢して、でも大和君は生き返るわけはなかったから。
祭壇に飾られたお花は少なくて──それでも、来てくれたみんなにお花を入れてもらう。
菊よりこっちが好きだと、白い百合を沢山用意してもらっていたから、大和君は白い百合に覆われていった。
白い百合に覆われた大和君の額に手を添える。
冷たくて、命を感じられなくて。その時、私は枯れ果てたと思っていたのにまた涙を流してしまった。
離れたくない。このままでいてほしい。それでも火葬を選んだのは、より長い時間を共にいようとしたなら肉体の保全が難しいと判断したからだった。
腐らせてしまうよりは、きちんとした手続きをして共に在りたい。本来なら親御さんに連絡をするところだろうけれど、さまざまな混乱の中でそれがうまくいかないらしい事は分かったから、父さんに頼んだのは完全な私のわがままだけど。
冷たい唇にキスをする。
そして納棺を見守って──。
「みんな、来てくれてありがとう。
──大和君もきっと喜んでる。」
そうみんなに頭を下げて、私は火葬場へと父さんと二人で向かった。
二人でよかったと思う。何なら一人きりがよかった。
棺が運ばれてしまう。あれを何と呼ぶのかわからないままだけど、棺が、大和君が、向こう側に行ってしまって…。
「やだ…。」
いつものお坊様が眉を顰めながらも読経を続けてくれているのに。
「いや、やだ、大和君、大和君…!!!
燃やしちゃ嫌、ダメ、死んじゃやだ、
私の隣にいてよ、ずっとずっと──!!!」
私の慟哭は叶うことはない。
泣き崩れる私を横に、死者の弔いが続けられる。
父さんは私の肩を抱きしめようとしてくれたけど振り払ってしまった。
一人になりたくないけれど、誰でも良いわけじゃない。
大和君じゃないと嫌。
大和君じゃないとダメ。
──泣く事で大切な人が生き返るのならば、どれだけの人が生き返れるのだろう。
母さんの時にもそれが叶わない事を知っているのに、私はそれでも涙を止められなかった。
『大丈夫だよ。毎日ちゃんと食べてるもん。
大和君も美味しいって。』
大和くんの前にご飯を並べたもので、それが答えだ。
ご飯を一人分しか作らないくらいの理性はあった。あったけど、そうでもしないとご飯を食べられなかった。生きていけなかった。
大和くんの願いを叶えられなかった。
でも、最後の優しさが手元にあるから何とかやっていけたんだ。
誰かに会う気はあまり無かった。
ハロは敵。だから、情報収集するつもりもなかった。
ただ私の望みは。
誰かの選択肢を狭めない。
大和くんの願いをなるべく叶えて、最期は一緒に眠る。それだけだったから。
嗚呼、でも──。
生憎、私は頭が悪い。成績が悪い。でも、──何故だか人一倍察しが良い瞬間がある。
だから嘔吐した。
そう、私は瞬間的に察してしまった。
恵一くんが戸惑う気持ちも分かるよ。だって、対人で戦闘で勝利なら、相手が戦わないなら不戦勝にしてくれても良いのにね?
でも、そうはならないらしい。
相手のパイロットを絶命させるまでそれは続く。
差し出されたハンカチに手を伸ばしかけたけど──伸ばした手をグッと握り込んだ。
これは、私が使うべきじゃない。
恵一くんか、恵一くんが大切な人が使うべきだ。
私が汚したらダメになっちゃう…。
「ハロ、吐瀉物を除去だけして。
それくらいできるでしょ?」
私の中でハロは敵だから冷たく言い放つ。
雑菌だらけだろうそれを、柊木くんもいる空間で放置していたらその方が危ないだろうから。
だって彼らは、まだ生きてる。私よりも長く。
「恵一くん、ありがと…大丈夫。」
ウソ、全然大丈夫じゃない。
だけど私は、そう言って大和くんを抱き直して座り直す。
そう。私はそれに気づいてしまったから。
そんな事、私には耐えられない。怖い。そう思えたけど──。
「…あは。そんなの、ダメだよ…。」
だって、それは一番の悪手だ。
「そんな事したら、私が1番嫌だった事を
誰かに押し付けることになるんだよ。
私が嫌なのは、誰かの選択肢を狭めない事。
だから、最後のパイロットになるまで
そのバトンを繋げる為に私は戦うの。
そこから逃げたら。
…コイツらと同じになってしまう。
また別の人を巻き込む可能性がある。」
ジロリとハロを睨みつけてから私は前を見つめた。
目を一度閉じてからスウ、ハア、と深呼吸を幾度か繰り返す。
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